JP2016056346A - 導電性ポリマー複合体及び基板 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、このような従来の導電性ポリマーは合成直後では分散液中で粒子が凝集しており、さらに塗布材料として高導電化剤となる有機溶剤を加えるとさらに凝集が促進され、濾過性が悪化する。濾過をせずにスピンコートを行うと、粒子凝集体の影響により平坦な膜が得られず、結果として塗布不良が引き起こされるという問題がある。
(A)π共役系ポリマー、及び
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位aを含み、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲のものであるドーパントポリマー、
を含む導電性ポリマー複合体を提供する。
このように、本発明の導電性ポリマー複合体は基板等に塗布・成膜することで導電膜とすることができる。
また、このような導電性ポリマー複合体によって形成された導電膜は、導電性、透明性等に優れるため、透明電極層として機能するものとすることができる。
(A)π共役系ポリマー、及び
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位aを含み、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲のものであるドーパントポリマー、
を含む導電性ポリマー複合体である。
本発明の導電性ポリマー複合体は、(A)成分としてπ共役系ポリマーを含む。この(A)成分は、π共役系連鎖(単結合と二重結合が交互に連続した構造)を形成する前駆体モノマー(有機モノマー分子)が重合したものであればよい。
このような前駆体モノマーとしては、例えば、ピロール類、チオフェン類、チオフェンビニレン類、セレノフェン類、テルロフェン類、フェニレン類、フェニレンビニレン類、アニリン類等の単環式芳香族類;アセン類等の多環式芳香族類;アセチレン類等が挙げられ、これらのモノマーの単一重合体又は共重合体を(A)成分として用いることができる。
上記モノマーの中でも、重合の容易さ、空気中での安定性の点から、ピロール、チオフェン、セレノフェン、テルロフェン、アニリン、多環式芳香族化合物、及びこれらの誘導体が好ましく、ピロール、チオフェン、アニリン、及びこれらの誘導体が特に好ましいが、これらに限定されない。
また、(A)成分の分子量としては、130〜5,000程度が好ましい。
本発明の導電性ポリマー複合体は、(B)成分としてドーパントポリマーを含む。この(B)成分のドーパントポリマーは、下記一般式(1)で示される繰り返し単位aを含み、フッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたベンゼンスルホン酸を有する超強酸性ポリアニオンである。
R2はフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
Zは単結合又は−C(=O)−O−である。
mは1〜4の整数である。
aは0<a≦1.0であり、好ましくは0.2≦a≦1.0である。
このような(B)成分であれば、材料の濾過性および成膜性、有機溶剤・基板への親和性が向上し、成膜後の透過率が向上する。特に(B)成分として、上記繰り返し単位a1、a2の両方を含むことで、より確実に本発明の効果が得られる。
また、繰り返し単位bを含む場合、導電性向上の観点から、0.3≦b<1.0であることが好ましく、0.3≦b≦0.8であることがより好ましい。
更に、繰り返し単位aと繰り返し単位bの割合は、0.2≦a≦0.7かつ0.3≦b≦0.8であることが好ましく、0.3≦a≦0.6かつ0.4≦b≦0.7であることがより好ましい。
また、繰り返し単位aを与えるモノマーを2種類以上用いる場合は、それぞれのモノマーはランダムに共重合されていてもよいし、ブロックで共重合されていてもよい。ブロック共重合ポリマー(ブロックコポリマー)とした場合は、2種類以上の繰り返し単位aからなる繰り返し部分同士が凝集して海島構造を形成することによってドーパントポリマー周辺に特異な構造が発生し、導電率が向上するメリットが期待される。
なお、(B)成分のドーパントポリマーにおいては、分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜2.0であることが好ましく、特に1.0〜1.5と狭分散であることが好ましい。狭分散であれば、これを用いた導電性ポリマー複合体によって形成した導電膜の透過率が低くなるのを防ぐことができる。
なお、a+b+c=1であることが好ましい。
本発明の導電性ポリマー複合体は、上述の(A)成分であるπ共役系ポリマーと(B)成分であるドーパントポリマーを含むものであり、(B)成分のドーパントポリマーは、(A)成分のπ共役系ポリマーに配位することで、複合体を形成する。
(A)成分と(B)成分の複合体は、例えば、(B)成分の水溶液又は(B)成分の水・有機溶媒混合溶液中に、(A)成分の原料となるモノマー(好ましくは、ピロール、チオフェン、アニリン、又はこれらの誘導体モノマー)を加え、酸化剤及び場合により酸化触媒を添加し、酸化重合を行うことで得ることができる。
細粒化には、高い剪断力を付与できる混合分散機を用いることが好ましい。混合分散機としては、例えば、ホモジナイザ、高圧ホモジナイザ、ビーズミル等が挙げられ、中でも高圧ホモジナイザが好ましい。
高圧ホモジナイザを用いた分散処理としては、例えば、分散処理を施す前の複合体溶液を高圧で対向衝突させる処理、オリフィスやスリットに高圧で通す処理等が挙げられる。
(界面活性剤)
本発明では、基板等の被加工体への濡れ性を上げるため、界面活性剤を添加してもよい。このような界面活性剤としては、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤が挙げられる。具体的には例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル等のノニオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド等のカチオン系界面活性剤、アルキル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型等の両性イオン型界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ヒドロキシ基がポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシド化されたアセチレンアルコール系界面活性剤等を挙げることができる。
本発明では、導電性ポリマー複合体の導電率向上を目的として、主要剤とは別に有機溶剤を添加してもよい。このような添加溶剤としては、極性溶剤が挙げられ、具体的には、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、スルホラン及びこれらの混合物を挙げることができる。添加量は1.0〜30.0質量%であることが好ましく、特に3.0〜10.0質量%であることが好ましい。
本発明では、導電性ポリマー複合体の水溶液中のpHは酸性を示す。これを中和する目的で、特開2006−96975公報中の段落[0033]〜[0045]記載の窒素含有芳香族性環式化合物、特許5264723記載の段落[0127]記載の陽イオンを添加してpHを中性にコントロールすることも出来る。溶液のpHを中性近くにすることによって印刷機に適用した場合に錆の発生を防止することが出来る。
上述のようにして得られた導電性ポリマー複合体(溶液)は、基板等の被加工体に塗布することにより導電膜を形成できる。導電性ポリマー複合体(溶液)の塗布方法としては、例えば、スピンコーター等による塗布、バーコーター、浸漬、コンマコート、スプレーコート、ロールコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。塗布後、熱風循環炉、ホットプレート等による加熱処理、IR、UV照射等を行って導電膜を形成することができる。
また、本発明では上述の本発明の導電性ポリマー複合体によって導電膜が形成された基板を提供する。
基板としては、ガラス基板、石英基板、フォトマスクブランク基板、樹脂基板、シリコンウエハー、ガリウム砒素ウエハー、インジウムリンウエハー等の化合物半導体ウエハー、フレキシブル基板等が挙げられる。また、フォトレジスト膜上に塗布して帯電防止トップコートとして使用することも可能である。
また、このような導電性ポリマー複合体によって形成された導電膜は、導電性、透明性等に優れるため、透明電極層として機能するものとすることができる。
(合成例1〜5)
窒素雰囲気下、メタノール中64℃で撹拌したモノマーを溶かした溶液に2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルをメタノールに溶かした溶液を4時間かけて滴下し4時間撹拌した。室温まで冷却した後、酢酸エチルに激しく撹拌しながら滴下し、生じた固形物を濾過し50℃で15時間真空乾燥して、得られた白色重合体をメタノールに溶解し、イオン交換樹脂を用いてモノマーのカチオンを水素原子に交換してスルホ基に変換した。
このような方法で以下に示すドーパントポリマー1〜5を得た。
下記RAFT重合によってジブロックのドーパントポリマーを合成した。
窒素雰囲気下、2−シアノ−2−プロピルベンゾジチオエート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルをメタノールに溶解させ、その溶液を窒素雰囲気下64℃で3時間撹拌した。その溶液に第1のモノマーとしてベンジルトリメチルアンモニウム 2,3,5,6−テトラフルオロスチレン−4−スルホネートをメタノールに溶解させた溶液を2時間で滴下し、続いてその溶液に第2のモノマーとして、前述の第1のモノマーと等モルのベンジルトリメチルアンモニウム 4−スチレンスルホネートをメタノールに溶解させた溶液を2時間で滴下し、滴下終了後64℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、酢酸エチルに激しく撹拌しながら滴下し、生じた固形物を濾過して取り、50℃で15時間真空乾燥して、赤色重合体を得た。
得られた赤色重合体をメタノールに溶解し、イオン交換樹脂を用いてベンジルトリメチルアンモニウム塩をスルホ基に変換し、ジブロックのドーパントポリマー6を得た。
(調製例1)
3.82gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、12.5gのドーパントポリマー1を1,000mLの超純水に溶かした溶液とを30℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を30℃に保ち、撹拌しながら、100mLの超純水に溶かした8.40gの過硫酸ナトリウムと2.3gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、4時間撹拌して反応させた。
得られた反応液に1,000mLの超純水を添加し、限外濾過法を用いて約1,000mLの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記濾過処理が行われた処理液に200mLの10質量%に希釈した硫酸と2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去し、これに2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.3質量%の青色の導電性ポリマー複合体分散液1を得た。
限外濾過膜の分画分子量:30K
クロスフロー式
供給液流量:3,000mL/分
膜分圧:0.12Pa
なお、他の調製例でも同様の条件で限外濾過を行った。
12.5gのドーパントポリマー1を11.0gのドーパントポリマー2に変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.41g、過硫酸ナトリウムの配合量を5.31g、硫酸第二鉄の配合量を1.50gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液2を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を10.5gのドーパントポリマー3に変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.72g、過硫酸ナトリウムの配合量を6.00g、硫酸第二鉄の配合量を1.60gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液3を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を10.8gのドーパントポリマー4に、8.40gの過硫酸ナトリウムを4.50gの過硫酸アンモニウムに変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.04g、硫酸第二鉄の配合量を1.23gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液4を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を10.5gのドーパントポリマー5に、8.40gの過硫酸ナトリウムを5.31gの過硫酸アンモニウムに変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.41g、硫酸第二鉄の配合量を1.50gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液5を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を11.0gのドーパントポリマー6に、8.40gの過硫酸ナトリウムを5.31gの過硫酸アンモニウムに変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.41g、硫酸第二鉄の配合量を1.50gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液6を得た。
3.87gの3,4−ジメトキシチオフェンと、11.0gのドーパントポリマー2を1,000mLの超純水に溶かした溶液とを30℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を30℃に保ち、撹拌しながら、100mLの超純水に溶かした8.40gの過硫酸ナトリウムと2.3gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、4時間撹拌して反応させた。
得られた反応液に1,000mLの超純水を添加し、限外濾過法を用いて約1,000mLの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記濾過処理が行われた処理液に200mLの10質量%に希釈した硫酸と2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去し、これに2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.3質量%の青色の導電性ポリマー複合体分散液7を得た。
4.62gの(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノールと、11.0gのドーパントポリマー2を1,000mLの超純水に溶かした溶液とを30℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を30℃に保ち、撹拌しながら、100mLの超純水に溶かした8.40gの過硫酸ナトリウムと2.3gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、4時間撹拌して反応させた。
得られた反応液に1,000mLの超純水を添加し、限外濾過法を用いて約1,000mLの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記濾過処理が行われた処理液に200mLの10質量%に希釈した硫酸と2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去し、これに2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.3質量%の青色の導電性ポリマー複合体分散液8を得た。
4.16gの3,4−プロピレンジオキシチオチオフェンと、11.0gのドーパントポリマー2を1,000mLの超純水に溶かした溶液とを30℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を30℃に保ち、撹拌しながら、100mLの超純水に溶かした8.40gの過硫酸ナトリウムと2.3gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、4時間撹拌して反応させた。
得られた反応液に1,000mLの超純水を添加し、限外濾過法を用いて約1,000mLの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記濾過処理が行われた処理液に200mLの10質量%に希釈した硫酸と2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去し、これに2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.3質量%の青色の導電性ポリマー複合体分散液9を得た。
(調製例10)
27.3gの2−メトキシアニリンと、45.4gのドーパントポリマー1を1,000mLの超純水に溶かした溶液とを25℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を0℃に保ち、撹拌しながら、200mLの超純水に溶かした45.8gの過硫酸アンモニウムをゆっくり添加し、撹拌して反応させた。
得られた反応液を濃縮後にアセトン4,000mLに滴下し、緑色粉末を得た。この緑色粉末を再度1,000mLの超純水に分散させ、アセトン4,000mLに滴下することで緑色粉末を精製、再晶出させた。この操作を3回繰り返し、得られた緑色粉末を2,000mLの超純水に再分散させ、限外濾過法を用いて約1,000mLの水を除去した。この操作を10回繰り返し、導電性ポリマー複合体分散液10を得た。
45.4gのドーパントポリマー1を38.2gのドーパントポリマー2に変更する以外は調製例10と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液11を得た。
45.4gのドーパントポリマー1を36.5gのドーパントポリマー3に変更し、2−メトキシアニリンの配合量を27.5gに変更する以外は調製例10と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液12を得た。
45.4gのドーパントポリマー1を41.4gのドーパントポリマー4に変更し、2−メトキシアニリンの配合量を27.5gに変更する以外は調製例10と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液13を得た。
45.4gのドーパントポリマー1を43.4gのドーパントポリマー5に変更し、2−メトキシアニリンの配合量を27.5gに変更する以外は調製例10と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液14を得た。
(比較調製例1)
5.0gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、83.3gのポリスチレンスルホン酸水溶液(Aldrich製18.0質量%)を250mLのイオン交換水で希釈した溶液とを30℃で混合した。それ以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、1.3質量%の青色の導電性ポリマー複合体分散液15(PEDOT−PSS分散液)を得た。
27.3gの2−メトキシアニリンと、226gのポリスチレンスルホン酸水溶液(Aldrich製18.0質量%)を400mLのイオン交換水に溶かした溶液とを0℃で混合した。それ以外は調製例10と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液16を得た。
調製例1〜14で得た1.3質量%の導電性ポリマー複合体分散液1〜14を20g、ジメチルスルホキシド5g、界面活性剤兼消泡剤のサーフィノール465の0.5gをそれぞれ混合し、その後、孔径0.45μmの再生セルロースフィルター(ADVANTEC社製)を用いて濾過して導電性ポリマー組成物を調製し、それぞれ実施例1〜14とした。
比較調製例1、2で得た導電性ポリマー複合体分散液15、16を用いる以外は実施例と同様にして導電性ポリマー組成物を調製して、それぞれ比較例1、2とした。
上記の実施例および比較例の導電性ポリマー組成物の調製において、孔径0.45μmの再生セルロースフィルターを用いて濾過を行った際に、濾過できたものを○、フィルターが目詰まりを起こし濾過できなかったものを×として表1及び表2に示す。
まず、導電性ポリマー組成物を、1H−360S SPINCOATER(MIKASA製)を用いて膜厚が100±5nmとなるように、Siウエハー上に回転塗布(スピンコート)した。次に、精密高温機にて120℃、5分間ベークを行い、溶媒を除去することにより導電膜を得た。この導電膜に対して、入射角度可変の分光エリプソメーター VASE(J.A.ウーラム社製)で波長636nmにおける屈折率(n,k)を求めた。均一膜を形成できたものを○、屈折率の測定はできたが膜にパーティクル由来の欠陥や部分的にストリエーションが発生したものを×として表1及び表2に示す。
入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)によって測定された屈折率(k)より、FT=200nmにおける波長550nmの光線に対する透過率を算出した。その結果を表1に示す。
まず、直径4インチ(100mm)のSiO2ウエハー上に、導電性ポリマー組成物1.0mLを滴下後、10秒後にスピンナーを用いて全体に回転塗布した。回転塗布条件は膜厚が100±5nmとなるよう調節した。精密高温機にて120℃、5分間ベークを行い、溶媒を除去することにより導電膜を得た。
得られた導電膜の導電率(S/cm)は、Hiresta−UP MCP−HT450、Loresta−GP MCP−T610(いずれも三菱化学社製)を用いて測定した表面抵抗率(Ω/□)と膜厚の実測値から求めた。その結果を表1及び表2に示す。
導電率の評価方法と同様にして、直径4インチ(100mm)のSiO2ウエハー上に導電膜を得た。AFM NANO−IM−8(イメージメトロロジー社製)により、RMS(二乗平均平方根粗さ)を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
導電性ポリマー組成物の固形分含有量を1.3wt%とし、液温度が25℃になるように調節した。音叉型振動式粘度計 SV−10(エー・アンド・デイ社製)の付属専用測定セルに35mLを計りとり、調製直後の粘度を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
また、導電性はπ共役系ポリマーとしてポリチオフェンを含む上述の実施例1〜9には劣るものの比較例2とは同程度であった。
4.16gの3,4−プロピレンジオキシチオフェンと、11.0gのドーパントポリマー2を1,000mLの超純水に溶かした溶液とを30℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を30℃に保ち、撹拌しながら、100mLの超純水に溶かした8.40gの過硫酸ナトリウムと2.3gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、4時間撹拌して反応させた。
得られた反応液に1,000mLの超純水を添加し、限外濾過法を用いて約1,000mLの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記濾過処理が行われた処理液に200mLの10質量%に希釈した硫酸と2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去し、これに2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.3質量%の青色の導電性ポリマー複合体分散液9を得た。
Claims (8)
- 前記(B)成分が、ブロックコポリマーであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の導電性ポリマー複合体。
- 前記(A)成分は、ピロール、チオフェン、セレノフェン、テルロフェン、アニリン、多環式芳香族化合物、及びこれらの誘導体からなる群から選択される1種以上の前駆体モノマーが重合したものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電性ポリマー複合体。
- 前記導電性ポリマー複合体は、水又は有機溶剤に分散性をもつものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の導電性ポリマー複合体。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の導電性ポリマー複合体によって導電膜が形成されたものであることを特徴とする基板。
- 前記導電膜が、透明電極層として機能するものであることを特徴とする請求項7に記載の基板。
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