JP2016055737A - 船外機のトー角制御システム及びトー角制御方法 - Google Patents

船外機のトー角制御システム及びトー角制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】操船者に複雑な操作を要求することなく、船外機に最適なトー角を設定する、船外機のトー角制御システム及びトー角制御方法を提供する。
【解決手段】船体に搭載された複数の船外機と、船舶の走行状態として船舶の速度及び船外機のトリム角を検出する走行状態検出手段8、322a、322bと、船外機の推進に伴って発生する揚力を検出する揚力検出手段34a、34bと、船舶の走行状態と揚力とを船外機のトー角毎に関連付けたトー角データテーブルを記憶する記憶手段9と、船舶の走行状態及びトー角データテーブルに応じて船外機のトー角を調整する制御手段6とを備え、制御手段は、船舶の速度及び船外機のトリム角に応じて揚力が最小となる船外機のトー角を選択する構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、船外機のトー角制御システム及びトー角制御方法に関し、特に、船体に取り付けられた複数の船外機のトー角制御システム及びトー角制御方法に関する。
従来、船体に取り付けられた複数の船外機のトー角を、操船者からのスイッチ操作に応じて調整する小型船舶が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の小型船舶においては、最高速度を優先する走行モードと、短時間での加速を優先する走行モードとを予め用意しておき、操船者からのスイッチ操作に応じてこれらの走行モードに適した船外機のトー角に調整するように構成されている。
特許第4828897号公報
しかしながら、上述した特許文献1記載の小型船舶においては、操船者からスイッチ操作に応じて船外機のトー角が調整される。このため、トー角の調整に操船者からのスイッチ操作を必要とするものであり、所望の走行モードに適した走行性能を得るための操作が煩雑であるという問題がある。
一方、船外機における最適なトー角は、船外機が取り付けられる船体の位置や各船外機特有の特性、並びに、船体の形状や走行状態に応じて変化する。船舶の速度や燃費は、船外機のトー角に大きな影響を受ける。このため、船外機を最適なトー角に設定することは、船舶における走行性能や燃費の観点から重要な要素となる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、操船者に複雑な操作を要求することなく、船外機に最適なトー角を設定することができる船外機のトー角制御システム及びトー角制御方法を提供することを目的とする。
本発明の船外機のトー角制御システムは、船舶の船体に搭載された複数の船外機と、前記船舶の走行状態として前記船舶の速度及び前記船外機のトリム角を検出する走行状態検出手段と、前記複数の船外機の推進に伴って発生する揚力を検出する揚力検出手段と、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の走行状態と前記揚力検出手段にて検出された揚力とを前記船外機のトー角毎に関連付けたトー角データテーブルを記憶する記憶手段と、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の走行状態及び前記記憶手段に記憶された前記トー角データテーブルに基づいて前記船外機のトー角を調整する制御手段とを具備し、前記記憶手段には、前記複数の船外機が搭載された状態における複数の前記船舶の走行状態に対応付けられる前記トー角データテーブルが記憶され、前記制御手段は、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の速度及び前記船外機のトリム角に応じて前記揚力が最小となる前記船外機のトー角を選択することを特徴とする。
この構成によれば、トー角データテーブルの内容に基づいて、走行状態検出手段により検出された船舶の速度及び船外機のトリム角に応じて揚力が最小となる船外機のトー角が選択される。このため、制御手段により現在の船舶の走行状態に応じて最適な船外機のトー角に調整される。この結果、操船者に複雑な操作を要求することなく、船外機に最適なトー角を設定することが可能となる。
例えば、上記船外機のトー角制御システムにおいて、前記揚力検出手段は、前記船体に対して前記船外機を取り付ける取付装置を構成するクランプブラケットに対する荷重に応じて前記揚力を検出する。この場合には、クランプブラケットに作用する荷重に応じて揚力が検出されるので、船外機の推進に伴って発生する揚力を精度良く検出することができる。これにより、トー角データテーブルに記録される揚力の精度が確保されるので、制御手段によるトー角の調整精度を向上することが可能となる。
また、上記船外機のトー角制御システムにおいて、前記揚力検出手段は、前記船体に対して前記船外機を取り付ける取付装置を構成するクランプブラケット及びスイベルブラケットにおける変位に応じて前記揚力を検出してもよい。この場合には、クランプブラケット及びスイベルブラケットにおける変位に応じて揚力が検出されるので、船外機の推進に伴って発生する揚力を精度良く検出することができる。これにより、トー角データテーブルに記録される揚力の精度が確保されるので、制御手段によるトー角の調整精度を向上することが可能となる。
さらに、上記船外機のトー角制御システムにおいては、前記揚力検出手段は、前記船体に対して前記船外機を取り付ける取付装置と当該船外機との間に配設されるマウント装置における変位に応じて前記揚力を検出してもよい。この場合には、マウント装置における変位に応じて揚力が検出されるので、船外機の推進に伴って発生する揚力を精度良く検出することができる。これにより、トー角データテーブルに記録される揚力の精度が確保されるので、制御手段によるトー角の調整精度を向上することが可能となる。
さらに、上記船外機のトー角制御システムにおいて、例えば、前記揚力検出手段は、前記船外機の構成部品の変位に応じて前記揚力を検出する。この場合には、船外機の構成部品の変位に応じて揚力が検出されることから、精度良く船外機の推進に伴って発生する揚力を検出することが可能となる。
本発明の船外機のトー角制御方法は、船舶の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記船舶の船体に搭載された複数の船外機の推進に伴って発生する揚力を検出する揚力検出手段と、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の走行状態と前記揚力検出手段にて検出された揚力とを前記船外機のトー角毎に関連付けたトー角データテーブルを記憶する記憶手段と、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の走行状態及び前記記憶手段に記憶された前記トー角データテーブルに基づいて前記船外機のトー角を調整する制御手段とを具備した船外機のトー角制御方法であって、前記複数の船外機が搭載された状態における複数の前記船舶の走行状態に対応付けられる前記トー角データテーブルを前記記憶手段に記録するステップと、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の速度及び前記船外機のトリム角に応じて前記揚力が最小となる前記船外機のトー角を選択するステップとを具備することを特徴とする。
この方法によれば、トー角データテーブルの内容に基づいて、走行状態検出手段により検出された船舶の速度及び船外機のトリム角に応じて揚力が最小となる船外機のトー角が選択される。このため、制御手段により現在の船舶の走行状態に応じて最適な船外機のトー角に調整される。この結果、操船者に複雑な操作を要求することなく、船外機に最適なトー角を設定することが可能となる。
本発明によれば、操船者に複雑な操作を要求することなく、船外機に最適なトー角を設定することが可能となる。
本実施の形態に係る船外機のトー角制御システムが搭載された船舶の外観を示す斜視図である。 本実施の形態に係る船外機のトー角制御システムの構成を説明するためのブロック図である。 本実施の形態に係る船外機のトー角制御システムで制御される船外機のトー角の説明図である。 本実施の形態に係る船外機のトー角制御システムが適用される船外機の側面図である。 本実施の形態に係る船外機を船体に取り付ける取付装置の説明図である。 本実施の形態に係る船外機と船外機を船体に取り付ける取付装置との間に配設されるマウント装置の断面模式図である。 本実施の形態に係る船外機に作用する揚力の説明図である。 図5に示す取付装置における変位の説明図である。 本実施の形態に係る船外機のトー角制御システムのトー角学習処理を説明するためのフロー図である。 本実施の形態に係る船外機のトー角制御システムのトー角学習処理で記録されるトー角データテーブルの説明図である。 本実施の形態に係る船外機のトー角制御システムのトー角制御処理を説明するためのフロー図である。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係る船外機のトー角制御システムが2機の船外機を船体に搭載した船舶に適用される場合について説明する。しかしながら、本発明に係る船外機のトー角制御システムの適用対象となる船舶については、これに限定されるものではない。例えば、3機以上の船外機を船体に搭載した船舶にも適用することができる。
まず、図1〜図3を参照して、本実施の形態に係る船外機のトー角制御システム(以下、適宜「トー角制御システム」)の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るトー角制御システムが搭載された船舶の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係るトー角制御システムの構成を説明するためのブロック図である。図3は、本実施の形態に係るトー角制御システムで制御される船外機のトー角の説明図である。なお、図1中に示す「FWD」は、船舶の前進方向を示しており、図3以降の図面においても同様である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るトー角制御システム100が適用される船舶1には、水面に浮かべられる船体2と、船体2の船尾に搭載された2機の船外機3a、3bと、船体2を操舵するステアリングからなる操舵部4と、船体2の前進及び後進操作を行うためのコントロールレバー部5とが設けられている。操船者が操舵部4及びコントロールレバー部5を操作することにより、船外機3a、3bの操舵角度及びエンジン回転数が切り替えられて船舶1が走行可能に構成されている。
船外機3aは、図2に示すように、船体2に対して左右方向(La方向、Ra方向)及び上下方向に回動可能な船外機本体30aと、船外機本体30aを左右方向に回動させるステアリングユニット31aと、船外機本体30aを上下方向に回動させるチルトユニット32aと、船外機本体30aに設けられたプロペラ33aと、船外機3aの推進に伴って発生する揚力を検出する揚力センサ34aとを含んで構成される。
船外機本体30aは、エンジン301aと、エンジン301aに電気的に接続されたECU302aを有している。エンジン301aは、プロペラ33aを回転させる駆動力を供給する。ECU302aは、エンジン301aからプロペラ33aに供給される駆動力を制御する。ECU302aは、プロペラ33aの回転方向を制御すると共に、プロペラ33aの回転速度を制御することができる。
ステアリングユニット31aは、後述するスイベルブラケット12に保持される船外機本体30aを船体2の左右方向に回動するものであり、操舵アクチュエータ311a及び操舵角センサ312aを有している。操舵アクチュエータ311aは、船外機本体30aを船体2の左右方向に回動する駆動力を供給する。操舵角センサ312aは、操舵アクチュエータ311aにより駆動される船外機本体30aの操舵角を検出する。
チルトユニット32aは、後述するスイベルブラケット12に保持される船外機本体30aを船体2の上下方向に回動するものであり、PTTモータ321a及びトリム角センサ322aを有している。PTTモータ321aは、船外機本体30aを船体2の上下方向に回動する駆動力を供給する。トリム角センサ322aは、走行状態検出手段を構成するものであり、PTTモータ321aにより駆動される船外機本体30aのトリム角を検出する。
プロペラ33aは、船外機本体30aのECU302aの制御の下で回転する。なお、プロペラ33aは、船外機3bのプロペラ33bと反対方向に回転するように制御される。揚力センサ34aは、揚力検出手段を構成するものであり、船外機3aを船体2に取り付ける後述の取付装置10の所定位置や、この取付装置10と船外機3aとの間に配置される後述のマウント装置20の所定位置に設置される。なお、この揚力センサ34aの設置位置については後述する。
船外機3bは、船外機3aと同様に、船体2に対して左右方向(Lb方向、Rb方向)及び上下方向に回動可能な船外機本体30bと、船外機本体30bを左右方向に回動させるステアリングユニット31bと、船外機本体30bを上下方向に回動させるチルトユニット32bと、船外機本体30bに設けられたプロペラ33bと、船外機3bの推進に伴って発生する揚力を検出する揚力センサ34bとを含んで構成される。
船外機本体30bは、船外機本体30aと同様に、エンジン301bと、エンジン301bに電気的に接続されたECU302bを有している。エンジン301bは、プロペラ33bを回転させる駆動力を供給する。ECU302bは、エンジン301bからプロペラ33bに供給される駆動力を制御する。ECU302bは、プロペラ33bの回転方向を制御すると共に、プロペラ33bの回転速度を制御することができる。
ステアリングユニット31bは、ステアリングユニット31aと同様に、後述するスイベルブラケット12に保持される船外機本体30bを船体2の左右方向に回動するものであり、操舵アクチュエータ311b及び操舵角センサ312bを有している。操舵アクチュエータ311bは、船外機本体30bを船体2の左右方向に回動する駆動力を供給する。操舵角センサ312bは、操舵アクチュエータ311bにより駆動される船外機本体30bの操舵角を検出する。
チルトユニット32bは、チルトユニット32aと同様に、後述するスイベルブラケット12に保持される船外機本体30bを船体2の上下方向に回動するものであり、PTTモータ321b及びトリム角センサ322bを有している。PTTモータ321bは、船外機本体30bを船体2の上下方向に回動する駆動力を供給する。トリム角センサ322bは、走行状態検出手段を構成するものであり、PTTモータ321bにより駆動される船外機本体30bのトリム角を検出する。
プロペラ33bは、プロペラ33aと同様に、船外機本体30bのECU302bの制御の下で回転する。なお、プロペラ33bは、船外機3aのプロペラ33aと反対方向に回転するように制御される。揚力センサ34bは、揚力検出手段を構成するものであり、揚力センサ34aと同様に、船外機3bを船体2に取り付ける後述の取付装置10の所定位置や、この取付装置10と船外機3bとの間に配置される後述のマウント装置20の所定位置に設置される。
船舶1には、本実施の形態に係るトー角制御システム100の制御を含む、船舶1の走行に関する全ての制御を行う制御部6が設けられている。制御部6は、制御手段を構成する。制御部6には、船舶1に設けられる各種センサが接続されると共に、船外機本体30a、30bのECU302a、302b、ステアリングユニット31a、31bの操舵アクチュエータ311a、311b、チルトユニット32a、32bのPTTモータ321a、321bが接続されている。
船舶1には、制御部6に接続されるセンサとして、上述した船外機3aの操舵角センサ312a、トリム角センサ322a及び揚力センサ34a、並びに、上述した船外機3bの操舵角センサ312b、トリム角センサ322b及び揚力センサ34bに加え、ステアリング操作角センサ7及び船速センサ8が設けられている。ステアリング操作角センサ7は、操舵部4に接続されており、操舵部4が回転された際の回転角(操舵角)を検出する。船速センサ8は、走行状態検出手段を構成するものであり、走行中の船舶1(船体2)の速度を検出する。例えば、船速センサ8は、船舶1が走行している際の水の流れを検出することで走行中の船体2の速度を検出する。
制御部6は、このような各種センサからの検出信号に基づいて、船外機3a、3bの構成部品(船外機本体30a、30bのECU302a、302b、ステアリングユニット31a、31bの操舵アクチュエータ311a、311b、チルトユニット32a、32bのPTTモータ321a、321b)を制御することにより、操船者からの指示に応じて船舶1を走行させると共に船外機3a、3b(船外機本体30a、30b)のトー角を制御する。
例えば、制御部6は、図3に示すように、2つのプロペラ33a、33bが離れるトーイン状態になるように船外機本体30a、30bのトー角を調整する一方、2つのプロペラ33a、33bが近づくトーアウト状態になるように船外機本体30a、30bのトー角を調整する。特に、制御部6は、船舶1の走行状態に応じて最適なトー角を選択して船外機本体30a、30bのトー角を制御する。
また、制御部6には、記憶手段を構成する記憶部9が接続されている。記憶部9には、制御部6が実行するトー角制御処理にて利用されるトー角データテーブルが記憶される。このトー角データテーブルにおいては、船舶1の走行状態(船速及びトリム角)と揚力センサ34a、34bにて検出された揚力とを船外機本体30a、30bのトー角毎に関連付けて記録される。なお、このトー角データテーブルの内容は、制御部6が実行するトー角学習処理によって学習される。なお、これらのトー角学習処理及びトー角制御処理の詳細については後述する。
ここで、図4〜図8を参照しながら、本実施の形態に係るトー角制御システム100が適用される船外機3a、3bに発生する揚力と、その揚力を検出する揚力センサ34a、34bの設置位置について説明する。なお、揚力センサ34a、34bの設置位置は、船外機3a、3bにおいて共通して設定することができる。このため、以下においては、揚力センサ34aの設置位置を代表して説明し、揚力センサ34bの設置位置の説明を省略する。まず、本実施の形態に係るトー角制御システム100が適用される船外機3a、3bの概略構成について説明する。
図4は、本実施の形態に係るトー角制御システム100が適用される船外機3aの側面図である。図5は、本実施の形態に係る船外機3aを船体2に取り付ける取付装置の説明図である。なお、図5A及び図5Cにおいては、それぞれ取付装置を船体2の後方側及び上方側から示している。図6は、本実施の形態に係る船外機3aと船外機3aを船体2に取り付ける取付装置との間に配設されるマウント装置の断面模式図である。図7は、本実施の形態に係る船外機に作用する揚力の説明図である。図8は、図5に示す取付装置における変位の説明図である。
図4に示すように、船外機3aの船外機本体30aは、エンジンホルダ40を備え、このエンジンホルダ40にエンジン301aが収容される。エンジンホルダ40の下方にはオイルパン41が配置されている。このオイルパン41の下部にドライブシャフトハウジング42が設置され、このドライブシャフトハウジング42の下部にギアケース43が設置されている。そして、エンジン301a、エンジンホルダ40及びオイルパン41がエンジンカバー44によって覆われている。
エンジン301aは、船外機30aの前方側から後方側へ向かってクランクケース45、シリンダブロック46、シリンダヘッド47が順次配置されて構成される。シリンダブロック46に、ピストン(不図示)が往復運動するシリンダ(不図示)が略水平方向に形成されると共に、クランクケース45とシリンダブロック46との間にクランクシャフト48が略垂直方向に配置されている。
クランクシャフト48の下端部にドライブシャフト49が同一直線状に連結(例えば、スプライン連結)される。ドライブシャフト49は、エンジンホルダ40、オイルパン41、ドライブシャフトハウジング42及びギアケース43内を略垂直方向に延び、ギアケース43内のべベルギア50を介してプロペラシャフト51に連結されている。これにより、エンジン301aの駆動力(より具体的には、クランクシャフト48の回転力)がドライブシャフト49、ベベルギア50及びプロペラシャフト51を介して、このプロペラシャフト51に連結されたプロペラ33aへ伝達される。
また、船外機3aは、船外機本体30aを支持して船体2のトランサム2aを把持可能に構成される取付装置10と、船外機本体30aと取付装置10との間に配設されるマウント装置20とを有している。取付装置10は、船体2の左右方向に一対のクランプブラケット11a、11bと、これらのクランプブラケット11a、11bの間に配設されるスイベルブラケット12とを含んで構成される(図5参照)。マウント装置20は、アッパマウントユニット20a及び/又はロアマウントユニット20bで構成される。
図5A及び図5Cに示すように、スイベルブラケット12は、一対のクランプブラケット11a、11bに挟まれるように配置されている。スイベルブラケット12は、上端部において、船体2の前方側に突出する突出部121を有している(図5C参照)。突出部121の前端部近傍には、後述するクランプブラケット11のチルト軸112が挿通される挿通孔122が設けられている。また、スイベルブラケット12の後端部近傍には、スイベル軸123が設けられている。スイベル軸123は、船体2の上下方向に延びるように配置されている。船外機本体30aは、このスイベル軸123を中心に船体2に対して左右方向(La方向、Ra方向)に回動可能に保持されている。
クランプブラケット11a、11bは、上端部において船体2の前方側に突出するフック部111を有している(図5B、図5C参照)。このフック部111は、側面視にて、概してスイベルブラケット12の突出部121と同一の形状を有し、船体2のトランサム2aに係止可能に構成されている。フック部111の前端部には、チルト軸112が設けられている。チルト軸112は、一対のクランプブラケット11a、11bのフック部111間において、スイベル軸123と直交すると共に、船体2の幅方向(左右方向)に延びるように配置されている。スイベルブラケット12に保持された船外機本体30aは、このチルト軸112を中心に上下方向(垂直方向)に回動可能に構成されている。
マウント装置20を構成するアッパマウントユニット20aは、図4に示すように、エンジンホルダ40の前部に設置されている。また、マウント装置20を構成するロアウントユニット20bは、ドライブシャフトハウジング42の前方側部分に配置されている。ここで、マウント装置20の構成について、ロアマウントユニット20bを用いて説明する。アッパマウントユニット20aの構成については、ロアマウントユニット20bにおける末尾の符号bを符号aに変更し、図面上にのみ適宜示すものとする。
図6は、ロアマウントユニット20bの断面を模式的に示している。図6においては、後述するロアマウントボルト204bの軸中心を通過する断面を示している。ロアマウントユニット20bは、その一部(後述するロアマウント201b及びロアスラストマウント202b)が船外機本体30aに設けられた収容部303aに収容される一方、その一部(後述するロアマウントブラケット203b)が船外機本体30aの外部に露出した状態で配置される(図4、図6参照)。
図6Aに示すように、ロアマウントユニット20bは、船外機3aの幅方向(左右方向)に並べて配設される一対のロアマウント201bと、これらのロアマウント201bの前方に配置される一対のロアスラストマウント202bと、これらのロアスラストマウント202bの前方に配置されるロアマウントブラケット203bと、一対のロアマウント201b及びロアスラストマウント202bとロアマウントブラケット203bとを連結する一対のロアマウントボルト204bを含んで構成される。
ロアマウント201b及びロアスラストマウント202bは、防振部材として機能するものであり、収容部303aを規定する壁面部304aに固定されている。この場合において、ロアマウント201b及びロアスラストマウント202bは、ゴム等の弾性体を介して壁面部304aに固定されており、エンジン301aの振動の船体2への伝達を抑制可能に構成されている。
ロアマウントブラケット203bは、船外機30aの外部に配置されている。ロアマウントブラケット203bには、上下方向に貫通する貫通孔が設けられている。ロアスラストマウントブラケット203bは、この貫通孔により、スイベルブラケット12に設けられるスイベル軸123を保持可能に構成されている。
一対のロアマウントボルト204bは、これらのロアマウント201b、ロアスラストマウント202b及びロアマウントブラケット203bに船体2の前後方向に形成された貫通孔に挿入され、これらを連結可能に構成されている。このように船外機本体30aの一部に固定されるロアマウント201b及びロアスラストマウント202bと、ロアマウントブラケット203bで取付装置10の一部(スイベル軸123)を保持することにより、ロアマウントユニット20b(マウント装置20)及び取付装置10を介して船外機3aが船体2に取り付けられる。
このように船体2に取り付けられた状態において、船外機3a、3bが推進すると、船外機3a、3bの各所には揚力が発生する。以下、本実施の形態に係る船外機3a、3bに作用する揚力について図7を参照して説明する。図7においては、説明の便宜上、船外機3aを構成する取付装置10、マウント装置20(アッパマウントユニット20a)及びプロペラ33aのみを船体2の後方側から示している。ここでは、プロペラ33aが時計回り方向に回転しているものとする。
上述したように、船外機3aは、クランプブラケット11a、11bのフック部111によって船体2のトランサム2aに固定されている。船外機3aの水中部の操舵角やトー角と船体2の進行方向(船体sの水流方向)とが一致しない場合、図7に示すように、船外機3aの水中部に揚力L1が発生する。このような揚力L1の発生に伴い、ロアマウントユニット20b近傍には、同一方向(図7に示す右方側方向)に作用する力L2が発生する。一方、取付装置10のチルト軸112の近傍には、反対方向(図7に示す左方側方向)に作用する力L3が発生する。なお、プロペラ33aとの距離が近いため、力L2は、力L3よりも大きい。
本実施の形態に係るトー角制御システム100において、揚力センサ34aは、これらの揚力を検出可能な取付装置10やマウント装置20の所定位置に設置される。例えば、揚力センサ34aは、取付装置10及びマウント装置20の一方の所定位置に設置しても良く、取付装置10及びマウント装置20の双方の所定位置に設置しても良い。以下、取付装置10及びマウント装置20における揚力センサ34aの設置位置の一例について説明する。
取付装置10において、揚力センサ34aは、例えば、クランプブラケット11a、11bのフック部111の内側であって基端部周辺に設けることができる(図5B参照)。この場合、揚力センサ34aは、例えば、歪みゲージで構成される。揚力センサ34aは、船外機3a(エンジン301a)の推進に伴って発生する揚力に起因してクランプブラケット11a、11bに作用する荷重(歪み量)に応じて揚力を検出する。このように揚力の検出にクランプブラケット11a、11bに作用する荷重を利用することにより、船外機3a、3bの推進に伴って発生する揚力を精度良く検出できる。
また、揚力センサ34aは、スイベルブラケット12の下端部近傍であって、クランプブラケット11の近接する位置に設けることができる(図5B参照)。図8Aは、図5Bに示す二点鎖線内を上方側から見た拡大図である。図8Aに示すように、揚力センサ34aは、スイベルブラケット12とクランプブラケット11aとのギャップGを検出する位置に配置されている。この場合、揚力センサ34aは、例えば、変位センサで構成される。揚力センサ34aは、クランプブラケット11aに接触する接触子を備え、接触子の位置からクランプブラケット11aに対するスイベルブラケット12の位置の変化を検出可能に構成される。すなわち、揚力センサ34aは、船外機3a(エンジン301a)の推進に伴って発生する揚力に起因するクランプブラケット11a及びスイベルブラケット12における変位(より具体的には、ギャップGの変化量)に応じて揚力を検出する。このように揚力の検出にクランプブラケット11a及びスイベルブラケット12における変位を利用することにより、船外機3a、3bの推進に伴って発生する揚力を精度良く検出できる。
ロアマウントユニット20b近傍に図7に示す力L2が発生すると、これに伴ってスイベルブラケット12は、図8Bに示すように、同図に示す右方側に僅かに変位する。この場合のスイベルブラケット12とクランプブラケット11aとのギャップGをギャップG2とする。揚力センサ34aは、船外機3a(エンジン301a)の駆動後のギャップG2と、船外機3a(エンジン301a)の非駆動時のギャップG1(図5A参照)との差分を揚力情報として検出する。
さらに、揚力センサ34aは、マウント装置20(ロアマウントユニット20b)を収容する収容部303aの壁面部304aであって、ロアマウント201bと対向する位置に設けることができる。この場合、揚力センサ34aは、例えば、変位センサで構成される。揚力センサ34aは、ロアマウント201bに接触する接触子を備え、接触子の位置から壁面部304aに対するロアマウント202bの位置の変化を検出可能に構成される。すなわち、揚力センサ34aは、船外機3a(エンジン301a)の推進に伴って発生する揚力に起因するロアマウント201bの変位(より具体的には、ギャップGの変化量)に応じて揚力を検出する。このように揚力の検出にマウント装置20における変位を利用することにより、船外機3a、3bの推進に伴って発生する揚力を精度良く検出できる。
ロアマウントユニット20b近傍に図7に示す力L2が発生すると、これに伴ってロアマウントユニット20bを構成するロアマウント201b及びロアスラストマウント202bは、図6Bに示すように、同図に示す下方側に僅かに変形する。この場合の壁面部304aとロアマウント202bとのギャップGをギャップG4とする。揚力センサ34aは、船外機3a(エンジン301a)の駆動後のギャップG4と、船外機3a(エンジン301a)の非駆動時のギャップG3(図6A参照)との差分を揚力情報として検出する。
このように各所に設置された揚力センサ34aで検出された揚力は、制御部6に出力される。制御部6は、トー角学習処理において、この揚力をトー角データテーブルに記録する。このように揚力を含むトー角データテーブルに基づいて、制御部6は、走行中の船舶1の速度及びトリム角に最適なトー角を選択する。そして、選択したトー角になるように、船外機本体30a、30bをステアリングユニット31a、31bによって駆動する。
ここで、本実施の形態に係るトー角制御システム100のトー角学習処理及びトー角制御処理について、図9〜図11を参照しながら説明する。図9は、本実施の形態に係るトー角制御システム100のトー角学習処理を説明するためのフロー図である。図10は、本実施の形態に係るトー角制御システム100のトー角学習処理で記憶部9に記録されるトー角データテーブルの説明図である。図11は、本実施の形態に係るトー角制御システム100のトー角制御処理を説明するためのフロー図である。
なお、以下においては、説明の便宜上、トー角学習処理及びトー角制御処理が操船者による操舵角が直進状態の場合に限って行われる場合について説明する。しかしながら、本発明に係るトー角制御システム100のトー角学習処理及びトー角制御処理の内容についてはこれに限定されるものではなく、操舵角が直進状態以外の場合にも適用することが可能である。
トー角学習処理は、例えば、操船者からの実行指示を受け付けた場合に実行される。操船者からの実行指示を受け付けるための専用ボタン(以下、適宜「トー角学習指示ボタン」という)を操船席に設けることは実施の形態として好ましい。ここでは、操船席にトー角学習指示ボタンが設けられ、このトー角学習指示ボタンが操船者により選択された場合について説明するものとする。
トー角学習指示ボタンが選択されると、制御部6は、図9に示すように、トー角学習処理の実行に先立って操舵角が直進状態であるかを判定する(ステップ(以下、「ST」という)901)。例えば、制御部6は、ステアリング操作角センサ7からの出力信号に応じて操舵角を判定することができる。ここで、操舵角が直進状態以外の場合、制御部6は、トー角学習処理を行うことなく処理を終了する。
一方、操舵角が直進状態の場合、制御部6は、トー角学習処理を実行する(ST902)。このトー角学習処理においては、例えば、船外機3a、3bのトー角を一定値に固定した状態で、船体2の速度を切り替えると共に、船外機3a、3bのトリム角を切り替えた場合における揚力を学習し、トー角データテーブルに記録していく。そして、予め定めた複数の速度及びトリム角に対応する揚力を学習した後、船外機3a、3bのトー角を変更し、同様の要領で揚力をトー角データテーブルに記録する処理を繰り返す。予め定めた複数のトー角に応じたトー角データテーブルに揚力を記録した後、制御部6は、トー角学習処理を終了する。
図10においては、予め定めた3つのトー角T1〜T3に関し、船体2の速度(V1〜V5)及び船外機3a、3bのトリム角(TR1〜TR5)を5段階に切り替えた場合のトー角データテーブルの一例を示している。例えば、トーアウト状態のトー角としてトー角T1、T2を割り当てることができ、トーイン状態のトー角としてトー角T3を割り当てることができる。
それぞれのトー角データテーブルにおいては、各速度及び各トリム角に応じた揚力が記録される。例えば、トー角T1のトー角データテーブルにおいては、速度V1、トリム角TR1の場合に検出される揚力として揚力V1TR1が記録され、速度V5、トリム角TR5の場合に検出される揚力として揚力V5TR5が記録される。トー角T2、T3のトー角データテーブルにおいても、同様に各速度及び各トリム角に応じた揚力が記録される。
このように記録される内容から、それぞれのトー角データテーブルにおいては、速度毎に最も揚力が小さくなるトリム角を特定でき、トリム角毎に最も揚力が小さくなる速度を特定することができる。そして、トー角データテーブル間の記録内容を参照することにより、これらのトー角データテーブルから、船体2の速度及びトリム角に応じて最も揚力が小さくなるトー角を特定することができる。
なお、このようなトー角学習処理は、一般に船体2に船外機3a、3bが搭載された時点で実行される。トー角学習処理においては、複数のトー角、速度及びトリム角における揚力を学習する必要があることから、船体2の周囲に十分な空間で実行されることが好ましい。上述したトー角学習指示ボタンの選択に伴うトー角学習処理においては、複数のトー角、速度及びトリム角を自動的に切り替えて船体2を走行させることを想定している。しかしながら、トー角学習処理で必要となるトー角、速度やトリム角を操船者が手動で切り替えることも可能である。
制御部6は、図10に示すようなトー角データテーブルの内容に基づいて、船体2の速度と船外機3a、3bのトリム角に最適なトー角になるように、船外機3a、3bのトー角を制御する(トー角制御処理)。トー角制御処理は、例えば、船舶1が走行中に自動的に実行される。なお、操船者からの実行指示を受け付けるための専用ボタン(以下、適宜「トー角制御指示ボタン」という)を操船席に設けておき、このトー角制御指示ボタンに応じて実行するようにしても良い。ここでは、船舶1が走行中に自動的にトー角制御処理が実行される場合について説明するものとする。
船舶1が走行している場合、制御部6は、図11に示すように、トー角制御処理の実行に先立って操舵角が直進状態であるかを判定する(ST1101)。例えば、制御部6は、ステアリング操作角センサ7からの出力信号に応じて操舵角を判定することができる。ここで、操舵角が直進状態以外の場合、制御部6は、トー角制御処理を行うことなく処理を終了する。そして、操舵角の監視動作を継続する。
一方、操舵角が直進状態の場合、制御部6は、トー角制御処理を実行する(ST1102)。このトー角制御処理においては、船体2の速度及び船外機3a、3bのトリム角を検出し、トー角データテーブルの記録内容に基づいて当該速度及びトリム角に最適なトー角となるように、船外機3a、3bのトー角を制御する。
この場合において、制御部6は、それぞれ船速センサ部8及びトリム角センサ322a、322bからの出力信号に応じて、船体2の速度及び船外機3a、3bのトリム角を特定することができる。また、制御部6は、操舵アクチュエータ311a、311bを駆動することによって船外機3a、3bのトー角を制御することができる。
制御部6は、船舶1が走行している間、このようなトー角制御処理を継続する。これにより、走行中に変化する船体2の速度及び船外機3a、3bのトリム角に応じて、柔軟に船外機3a、3bのトー角を最適なトー角に設定することができる。そして、例えば、船舶1が停止するなどの終了事由が発生した場合、制御部6は、トー角制御処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態に係るトー角制御システム100においては、トー角データテーブルの内容に基づいて、検出された船舶1の速度及び船外機3a、3bのトリム角に応じて揚力が最小となる船外機3a、3bのトー角が選択される。このため、制御部6により現在の船舶1の走行状態に応じて最適な船外機3a、3bのトー角に調整される。この結果、操船者に複雑な操作を要求することなく、船外機3a、3bに最適なトー角を設定することが可能となる。このとき、揚力が最小となる船外機3a、3bのトー角が最適なトー角として設定されることにより、船舶1の速度が最大になる。
本実施の形態に係るトー角制御システム100において、揚力は、取付装置10を構成するクランプブラケット11a、11bに対する荷重に応じて検出することができる。この場合には、船外機3a、3bの推進に伴ってクランプブラケット11a、11bに発生する揚力を精度良く検出することができる。これにより、トー角データテーブルに記録される揚力の精度が確保されるので、制御部6によるトー角の調整精度を向上することが可能となる。
また、本実施の形態に係るトー角制御システム100において、揚力は、取付装置10を構成するクランプブラケット11a、11b及びスイベルブラケット12における変位に応じて検出することができる。この場合には、船外機3a、3bの推進に伴ってクランプブラケット11a、11b及びスイベルブラケット12に発生する揚力を精度良く検出することができる。これにより、トー角データテーブルに記録される揚力の精度が確保されるので、制御部6によるトー角の調整精度を向上することが可能となる。
さらに、本実施の形態に係るトー角制御システム100において、揚力は、マウント装置20における変位に応じて検出することができる。この場合には、船外機3a、3bの推進に伴ってマウント装置20に発生する揚力を精度良く検出することができる。これにより、トー角データテーブルに記録される揚力の精度が確保されるので、制御部6によるトー角の調整精度を向上することが可能となる。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている構成要素や制御フローなどについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、揚力センサ34aを取付装置10及び/又はマウント装置20の所定位置に設置する場合について説明している。しかしながら、揚力センサ34aの設置位置については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、船外機3a、3bの推進に伴って発生する揚力を検出することを前提として、船外機3a、3b上の任意の位置に設置することができる。
また、上記実施の形態において、船外機3a、3bのトー角は、船外機本体30a、30bを同一角度だけ船体2の左右方向に回動することで調整が可能であるが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、船外機本体30a、30bをそれぞれ異なる角度だけ船体2の左右方向に回動することで船外機3a、3bのトー角を調整してもよい。
さらに、上記実施の形態においては、船舶1の走行状態(船速及びトリム角)と揚力センサ34a、34bにて検出された揚力とを船外機本体30a、30bのトー角毎に関連付けたトー角データテーブルを記憶部9に記憶する場合について説明している。しかしながら、記憶部9に記憶されるトー角データテーブルの内容は、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。船舶1の走行状態(船速及びトリム角)に基づいて揚力が最小となるトー角を特定可能であることを条件として、トー角データテーブルの内容については適宜変更が可能である。
以上説明したように、本発明は、操船者に複雑な操作を要求することなく、船外機に最適なトー角を設定することができるという効果を有し、特に、走行性能や燃焼効率の改善が要請される船舶に有用である。
1 船舶
2 船体
2a トランサム
3a、3b 船外機
30a、30b 船外機本体
301a、301b エンジン
302a、302b ECU
303a 収容部
304a 壁面部
31a、31b ステアリングユニット
311a、311b 操舵アクチュエータ
312a、312b 操舵角センサ
32a、32b チルトユニット
321a、321b PTTモータ
322a、322b トリム角センサ
33a、33b プロペラ
34a、34b 揚力センサ
4 操舵部
5 コントロールレバー部
6 制御部
7 ステアリング操舵角センサ
8 船速センサ部
9 記憶部
10 取付装置
11a、11b クランプブラケット
111 フック部
112 チルト軸
12 スイベルブラケット
121 突出部
122 挿通孔
123 スイベル軸
20 マウント装置
20a アッパマウントユニット
20b ロアマウントユニット
201b ロアマウント
202b ロアスラストマウント
203b ロアマウントブラケット
204b ロアマウントボルト
100 トー角制御システム

Claims (6)

  1. 船舶の船体に搭載された複数の船外機と、前記船舶の走行状態として前記船舶の速度及び前記船外機のトリム角を検出する走行状態検出手段と、前記複数の船外機の推進に伴って発生する揚力を検出する揚力検出手段と、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の走行状態と前記揚力検出手段にて検出された揚力とを前記船外機のトー角毎に関連付けたトー角データテーブルを記憶する記憶手段と、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の走行状態及び前記記憶手段に記憶された前記トー角データテーブルに基づいて前記船外機のトー角を調整する制御手段とを具備し、
    前記記憶手段には、前記複数の船外機が搭載された状態における複数の前記船舶の走行状態に対応付けられる前記トー角データテーブルが記憶され、前記制御手段は、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の速度及び前記船外機のトリム角に応じて前記揚力が最小となる前記船外機のトー角を選択することを特徴とする船外機のトー角制御システム。
  2. 前記揚力検出手段は、前記船体に対して前記船外機を取り付ける取付装置を構成するクランプブラケットに対する荷重に応じて前記揚力を検出することを特徴とする請求項1記載の船外機のトー角制御システム。
  3. 前記揚力検出手段は、前記船体に対して前記船外機を取り付ける取付装置を構成するクランプブラケット及びスイベルブラケットにおける変位に応じて前記揚力を検出することを特徴とする請求項1記載の船外機のトー角制御システム。
  4. 前記揚力検出手段は、前記船体に対して前記船外機を取り付ける取付装置と当該船外機との間に配設されるマウント装置における変位に応じて前記揚力を検出することを特徴とする請求項1記載の船外機のトー角制御システム。
  5. 前記揚力検出手段は、前記船外機の構成部品の変位に応じて前記揚力を検出することを特徴とする請求項1記載の船外機のトー角制御システム。
  6. 船舶の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記船舶の船体に搭載された複数の船外機の推進に伴って発生する揚力を検出する揚力検出手段と、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の走行状態と前記揚力検出手段にて検出された揚力とを前記船外機のトー角毎に関連付けたトー角データテーブルを記憶する記憶手段と、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の走行状態及び前記記憶手段に記憶された前記トー角データテーブルに基づいて前記船外機のトー角を調整する制御手段とを具備した船外機のトー角制御方法であって、
    前記複数の船外機が搭載された状態における複数の前記船舶の走行状態に対応付けられる前記トー角データテーブルを前記記憶手段に記録するステップと、前記走行状態検出手段により検出された前記船舶の速度及び前記船外機のトリム角に応じて前記揚力が最小となる前記船外機のトー角を選択するステップとを具備することを特徴とする船外機のトー角制御方法。
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