JP2016055520A - フィラメントワインディング方法およびフィラメントワインディング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】FW装置1は、マンドレル6を有し、樹脂を含浸させた繊維2を、当該繊維2に所定の張力を与えながらマンドレル6に巻き付ける巻付けユニット7と、マンドレル6に既に巻き付けられている巻き層部の内周を加圧する加圧ユニットとを含む。巻付けユニット7による繊維2の巻付けと、加圧ユニットによる巻き層部の内周への加圧とが並行して実行される。
【選択図】図1
Description
しかしながら、所定の張力を有する繊維を幾重にも巻き付けていくと、先に巻き付けられた内層部(とくに最内層)の繊維に緩みが生じ、畝りが発生することがある。繊維に畝りが生じている状態のまま樹脂が硬化すると、環状回転体の内部に大きな歪が発生する場合がある。この場合、環状回転体の内部に大きな応力が発生する結果、環状回転体を高速回転させることはできない、という問題がある。
本願発明者らは、繊維を一定張力で巻き付けるのではなく、巻付け動作の進行(巻き数の増大)に従って繊維の張力を徐々に低減させる手法を検討したが、この手法を採用しても、内層部の繊維の畝りの発生を十分に低減できず、そればかりか、繊維の張力不足のために正確な巻付けが行えない場合もあった。
請求項3に記載の発明は、前記圧力調整ステップは、下記式(1)によって表される圧力PaNを、前記巻き層部の前記内周に付与する、請求項2に記載のフィラメントワインディング方法である。
前記目的を達成するための請求項4に記載の発明は、フィラメントワインディング方法を用いて環状回転体(100)を形成するためのフィラメントワインディング装置(1)であって、マンドレル(6)を有し、樹脂を含浸させた繊維(2)を、当該繊維に所定の張力を与えながら前記マンドレルに巻き付ける巻付け手段(7)と、前記マンドレルに既に巻き付けられている前記繊維によって構成される巻き層部(19)の内周(19A)を加圧する加圧手段(15,16,17,18)と、前記巻付け手段による前記繊維の巻付けと、前記加圧手段による前記巻き層部の前記内周への加圧とを並行して実行させる制御手段(50)とを含む、フィラメントワインディング装置を提供する。
請求項3の方法によれば、圧力の値を、式(1)を満たすような大きさに調整することにより、繊維の巻付けに伴う、巻き層部の内層部の繊維に生じる張力の増加をなくすことができる。
FW装置1は、繊維2(すなわち、繊維束)を供給する繊維供給ユニット3と、繊維供給ユニット3から供給される繊維2をガイドする繊維ガイド4と、繊維供給ユニット3から供給される繊維2に樹脂を含浸させる樹脂含浸槽5と、マンドレル6を有し、樹脂を含浸された繊維2をマンドレル6に巻き付ける巻付けユニット7と、FW装置1に備えられたユニットの動作やバルブの開閉などを制御する制御装置50とを含む。
巻付けユニット7は、円筒状の成形型であるマンドレル6と、チャック(図示しない)と、ベース台10と、巻付けヘッド11とを含む。チャックは、マンドレル6を回転軸線A1まわりに回転可能に支持している。マンドレル6の回転軸(図示しない)には、マンドレル6を回転軸線A1まわりに回転させるモータ等の回転駆動機構12が結合されている。
また、ボビン8に巻回されている繊維2に、予め樹脂が含浸されていてもよい。この場合には、樹脂含浸槽5の構成をFW装置1から省略できる。
図2は、マンドレル6の概略構成を説明するための側面図である。
マンドレル6の中空部分には、袋体15が内挿されている。袋体15は、ゴム等の弾性材料を用いて、膨張可能に設けられている。袋体15の内部には、供給バルブ16(図2(b)のみ図示)を介して、流体供給源17(図2(b)のみ図示)からの充填用流体(液体または気体)が供給(充填)されるようになっている。袋体15は密封状態にあり、充填用流体の袋体15内への供給によって袋体15は膨張する。マンドレル6の中空部分の容積以上に膨張した袋体15は、各分割体14を径方向外方に向けて押し付け、当該分割体14を径方向外方に向けて移動させる。各分割体14の径方向外方への移動により、マンドレル6の外周面6Aの外径が拡大する。外周面6Aの外径拡大前の状態を図2(a)に示し、外周面6Aの外径拡大後の状態を図2(b)に示す。マンドレル6の外周面6Aの外径拡大により、マンドレル6に巻き付けられている繊維2からなる巻き層部19の内周19A(図3参照)に均一に圧力を付与できる。
図1を参照して、繊維2の巻付け動作を行う場合には、制御装置50は、回転駆動機構12を制御して、マンドレル6を、回転軸線A1まわりの一方に所定の回転速度で回転させる。マンドレル6の回転に伴ってボビン8から繊維2が引き出され、この繊維2は、繊維ガイド4によりガイドされて樹脂含浸槽5へと導かれる。樹脂含浸槽5は、繊維2に、樹脂を含侵させるとともに、当該繊維2に所定の張力を付与する。すなわち、巻付けヘッド11は、樹脂含浸槽5によって所定の張力が付与された繊維2を、マンドレル6へと導く。
なお、巻付けヘッドとしてフープ巻ヘッドおよびヘリカル巻ヘッドを設け、ヘッドフープ巻ヘッドによりフープ巻を行うと共に、ヘリカル巻ヘッドによりヘリカル巻を行うようにしてもよい。
図3は、FW装置1を用いた巻付け動作中において、巻き層部19に作用する力を説明するための図である。図4は、図3の切断面線IV−IVから見た断面図である。図5は、金属リング20の内周20Aおよび外周20Bに圧力が付与されている状態を示す図である。図6は、内周19Aからi層目の繊維2の巻付け動作時に生じる応力を説明するための模式図である。
この実施形態では、巻き層部19の内周19Aを加圧しながら、所定の張力を付与しつつ繊維2をマンドレル6に巻き付ける。このとき、繊維2の巻付け動作において、繊維2の張力を一定に保ってもよいし、繊維2の張力を変更してもよい。
9の、内周19Aからi層目の繊維2に作用する張力である。)
なお、riは、次式で表すことができる。
ri=ra+(i−1)・l …(3)
(式中、lは、(一巻分の)繊維2の厚みである。)
以下、式(2)の算出根拠を説明する。
σθ=((ra 2+rb 2)・Pa−2・rb 2・Pb)/(rb 2−ra 2) …(4)
このような圧力状態の金属リング20において、金属リング20の内周20AにΔPa(図示しない)の圧力を追加で付与し、金属リング20の外周20BにΔPb(図示しない)の圧力を追加で付与する場合を検討する。この場合、金属リング20の内周20Aに発生する周方向の応力σθの増分Δσθ(図示しない)は、次式(5)の通りである。
Δσθ=((ra 2+rb 2)・(Pa+ΔPa)−2・rb 2・(Pb+ΔPb))/(rb 2−ra 2)−((ra 2+rb 2)・Pa−2・rb 2・Pb)/(rb 2−ra 2) …(5)
式(5)から次式(6)を導き出すことができる。
Δσθ=((ra 2+rb 2)・ΔPa−2・rb 2・ΔPb)/(rb 2−ra 2) …(6)
次に、金属リング20に代えて、同じ形状および寸法を有する巻き層部19(図3参照)の場合を検討する。この場合、繊維2からなる巻き層部19は等方材料ではないため、材料に起因する係数(係数k)が加わると考えられる。したがって、この巻き層部19の内周19Aにおいて発生する周方向の応力σθは、式(7)の通りである。
Δσθ=k・((ra 2+rb 2)・ΔPa−2・rb 2・ΔPb)/(rb 2−ra 2) …(7)
ところで、図3および図6に示すように、張力Tiで巻き付けている、内周19Aからi層目の繊維2が、内周19Aから(i−1)層目までの各繊維2に対し付加している圧力ΔPbiは、内周19Aからi層目の繊維2の張力Tiによる巻付けにより付与される力である。そのため、次式(8)を導き出すことができる。
ΔPbi=2・Ti・sin(Δθ/2)/(ri・Δθ・w)≒Ti/(ri・w) …(8)
式(7)および式(8)により、内周19AからΔPaiの圧力を追加で付加した場合の、内周19Aにおける周方向の応力Δσθの増分を、次式(9)で表すことができる。
Δσθ=k・((ri−1 2+ra 2)/(ri−1 2−ra 2)・ΔPai−2・ri−1 2/(ri−1 2−ra 2)・Ti/(ri・w)) …(9)
式(9)においてΔσθの値が常に零であれば、巻き層部19の内周19A(すなわち、最内層21(図3参照)の繊維2)において、繊維2の張力は失われることがない。式(9)のΔσθに零を代入することにより、次式(10)を導き出すことができる。
ΔPai=2・ri−1/(ri−1 2+ra 2)・Ti/(ri・w) …(10)
以上により、N層目の巻付け時において、最内層21に与えるべき圧力PaNとして、前記の式(2)を導き出すことができる。
図7は、FW装置1を用いて形成されるフライホイール100の概略斜視図である。フライホイール100は、内層部(とくに最内層21)の繊維2に畝りが生じていない。そのため、フライホイール100の内層部(とくに最内層21)に高い応力が発生していない。これにより、フライホイール100の高速回転を実現することが可能である。また、フライホイール100の剛性および強度を向上させることもできる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
すなわち、加圧ユニット15〜18を用いて巻き層部19の内周19Aに加圧する場合を例に挙げて説明したが、それ以外の手法により、内周19Aを加圧するようにしてもよい。
その他、特許請求の範囲内で種々の変更を加えることが可能である。
Claims (4)
- 環状回転体を形成するためのフィラメントワインディング方法であって、
樹脂を含浸させた繊維を、当該繊維に所定の張力を与えながらマンドレルに巻き付ける巻付けステップと、
前記巻付けステップに並行して、前記マンドレルに既に巻き付けられている前記繊維によって構成される巻き層部の内周を加圧する加圧ステップとを含む、フィラメントワインディング方法。 - 前記加圧ステップは、前記巻き層部を構成する前記繊維の巻き数の増大に従って、前記巻き層部の前記内周に付与する圧力を上昇させる圧力調整ステップを含む、請求項1に記載のフィラメントワインディング方法。
- フィラメントワインディング方法を用いて環状回転体を形成するためのフィラメントワインディング装置であって、
マンドレルを有し、樹脂を含浸させた繊維を、当該繊維に所定の張力を与えながら前記マンドレルに巻き付ける巻付け手段と、
前記マンドレルに既に巻き付けられている前記繊維によって構成される巻き層部の内周を加圧する加圧手段と、
前記巻付け手段による前記繊維の巻付けと、前記加圧手段による前記巻き層部の前記内周への加圧とを並行して実行させる制御手段とを含む、フィラメントワインディング装置。
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JP2000186799A (ja) * | 1998-12-22 | 2000-07-04 | Mitsubishi Chemicals Corp | 耐圧容器の製造方法 |
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