JP2018012235A - タンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂含浸繊維を巻き付けて製造するタンクの製造方法において、樹脂含浸繊維の巻終端の固定に要する時間を短縮する。【解決手段】流体不透過性の内殻と、内殻の外周に形成されている繊維強化樹脂層と、を備えるタンクの製造方法は、(A)熱硬化性樹脂が含浸された非導電性の強化繊維である樹脂含浸繊維を、導電性の薄板を巻き込みつつ、内殻の外周に巻き付ける工程と、(B)樹脂含浸繊維の巻終端を、内殻の外周に巻き付けられた樹脂含浸繊維から成る樹脂含浸繊維層の表面であって、薄板に対応する位置に配置する工程と、(C)誘導加熱装置を用いて薄板を発熱させて、前記樹脂含浸繊維の巻終端に含浸されている前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、タンクの製造方法に関する。
水素ガス等の流体が充填されるタンクとして、流体不透過性の内殻(ライナ)と、内殻の外周に形成されている繊維強化樹脂層と、を備えるタンクが知られている。繊維強化樹脂層は、従来、内殻の外周に熱硬化性樹脂が含浸された強化繊維(以下、樹脂含浸繊維とも呼ぶ)を巻き付けて形成されている。このようなタンクの製造方法において、内殻の外周に巻き付けた樹脂含浸繊維の巻終端(末端)を、樹脂含浸繊維層の表面に押しつけると共にヒーターで加熱することにより、熱硬化性樹脂を硬化させて強化繊維の巻終端を固定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−063584号公報
特許文献1に開示された技術では、ヒーターによる熱が周囲(開放大気中)に逃げて、樹脂含浸繊維の巻終端の樹脂を局所的に加熱できず、樹脂の硬化(すなわち、強化繊維の巻終端の固定)に時間を要していた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、流体不透過性の内殻と、前記内殻の外周に形成されている繊維強化樹脂層と、を備えるタンクの製造方法が提供される。このタンクの製造方法は、(A)熱硬化性樹脂が含浸された非導電性の強化繊維である樹脂含浸繊維を、導電性の薄板を巻き込みつつ、前記内殻の外周に巻き付ける工程と、(B)前記樹脂含浸繊維の巻終端を、前記内殻の外周に巻き付けられた前記樹脂含浸繊維から成る樹脂含浸繊維層の表面であって、前記薄板に対応する位置に配置する工程と、(C)誘導加熱装置を用いて前記薄板を発熱させて、前記樹脂含浸繊維の巻終端に含浸されている前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、を備える。
この形態のタンクの製造方法によれば、樹脂含浸繊維を内殻の外周に巻き付ける際に、導電性の薄板が巻き込まれ、樹脂含浸繊維の巻終端(末端)が薄板に対応する位置に配置される。そのため、薄板による発熱は薄板の周囲の樹脂含浸繊維層に伝搬し、樹脂含浸繊維の巻終端の樹脂が加熱硬化され、強化繊維の巻終端が固定される。この方法によれば、強化繊維に含浸された樹脂が、樹脂含浸繊維層内(層の中)から加熱されるため、樹脂含浸繊維層の外から加熱する場合と比較して、開放大気中への熱の分散が抑制されるため、薄板の付近に配置された樹脂含浸繊維の巻終端の樹脂が局所的に効率良く加熱されて硬化し、強化繊維の巻終端の固定に要する時間を短縮することができる。
なお、本発明は、上述のタンクの製造方法の態様の他、種々の態様で実現することが可能である。例えば、タンクの製造装置、タンクの製造方法または製造装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。また、本発明は、上述のタンクの製造方法によって製造されたタンク、そのタンクを備えた燃料電池システムなどのシステム、そのタンクを搭載した移動体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としてのタンクの概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態としてのタンクの製造法を示す工程図である。 タンクの製造工程における樹脂含浸ガラス繊維巻付け工程の詳細を示す工程図である。 樹脂含浸ガラス繊維の巻終端の固定を概念的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
A1.タンクの構成:
図1は、本発明の一実施形態としてのタンクの製造方法によって製造されるタンク100の概略構成を示す断面図である。タンク100には、例えば、圧縮水素が充填される。タンク100は、例えば、燃料電池に水素を供給するために、燃料電池車に搭載される。
タンク100は、略円筒形状を成す円筒部102と、その両端に一体的に設けられた略半球状のドーム部104とを有する中空容器である。図1では、円筒部102とドーム部104との境界を、破線で示し、タンク100の中心軸Oを一点鎖線で示している。タンク100は、ライナ10と、補強層20と、保護層25と、ラベルLBと、口金30と、口金40と、を備える。以下、口金30および口金40が取付けられたライナ10を、「タンク本体」とも称する。本実施形態におけるライナ10を、内殻とも呼ぶ。タンク100は、外殻として、補強層20と保護層25を備える。換言すると、タンク100は2層構造の外殻を備える。
ライナ10は、ナイロン樹脂から成り、内部空間に充填された水素等が外部に漏れないように遮断する性質(いわゆる流体不透過性)を有する。ライナ10は、ポリエチレン系樹脂等の流体不透過性を有する他の合成樹脂や、ステンレス鋼等の金属を用いて作製されてもよい。
補強層20は、タンク本体の外表面を覆うように形成されている。詳しくは、補強層20は、ライナ10の外表面全体と、口金30,40の一部を覆うように形成されている。
補強層20は、熱硬化性樹脂と炭素繊維との複合材料である炭素繊維強化樹脂(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)から成り、耐圧性を有する。本実施形態では、熱硬化性樹脂として、アミン系または無水物系の硬化促進剤、及び、ゴム系の強化剤を有したエポキシ樹脂を用いている。熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂に限定されず、不飽和ポリエステル樹脂等、他の熱硬化性樹脂を用いてもよい。
保護層25は、補強層20上に形成されている。換言すると、保護層25は、ライナ10の外周に形成されている。保護層25は、熱硬化性樹脂とガラス繊維との複合材料であるガラス繊維強化樹脂(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)から成り、補強層20よりも高い耐衝撃性を有する。本実施形態において、熱硬化性樹脂として、補強層20を形成する熱硬化性樹脂と同様のエポキシ樹脂を用いている。熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂に限定されず、不飽和ポリエステル樹脂等、他の熱硬化性樹脂を用いてもよい。また、硬化促進剤、強化剤等を調整することにより補強層20を形成する熱硬化性樹脂と性質(粘度、ゲル化温度等)を違えたエポキシ樹脂を用いてもよい。本実施形態において、保護層25の厚さT1は、円筒部102において約1.25mmであるが、これに限定されず、約1.0mm〜1.5mmでもよいし、1.5mm以上でもよい。タンク100の軽量化のためには、約1.0mm〜1.5mmが好ましい。なお、本実施形態における保護層25を、繊維強化樹脂層とも呼ぶ。
ラベルLBは、平面形状が略矩形状の金属製の薄板(板厚は約0.1mm)であり、タンク100の製造番号、製造履歴(製造日時、製造工場、製造ライン等)等の製造情報が記載されている。ラベルLBは、保護層25の中に埋込まれており、製造情報が記載されている面がタンク100の外に向くように配置されている。保護層25を構成するエポキシ樹脂およびガラス繊維が略透明であるとともに、ラベルLBに記載された製造情報をタンク100の外から目視可能な深さ(保護層25の外表面から約0.2mmの深さ)に埋込まれているため、タンク100の製造者、使用者等は、タンク100の外から製造情報を目視することができる。ラベルLBの埋込み深さは、本実施形態に限定されないが、例えば、保護層25の外表面から約0.1mm〜1.25mmにすると、タンク100の外から目視が容易であるため、好ましい。ラベルLBを形成する金属として、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等、種々の金属を用いることができる。さらに、金属以外の導電性材料(例えば、炭素等)により、ラベルLBが形成されてもよい。ラベルLBの板厚は、約0.1mmに限定されないが、0.1mm以下等薄く形成するのが好ましい。本実施形態において、ラベルLBは、製造情報を表示する機能に加え、後述するタンク100の製造工程において、発熱体としても機能する。なお、本実施形態におけるラベルLBを薄板とも呼ぶ。
口金30,40は、ライナ10の2つの開口端にそれぞれ取付けられている。口金30は、タンク100の開口として機能すると共に、タンク本体に配管やバルブを取り付けるための取付部として機能する。また、口金30,40は、補強層20および保護層25を形成する際に、タンク本体をフィラメントワインディング装置へ取り付けるための取付部としても機能する。
図2は、本発明の一実施形態としてのタンクの製造方法を示す工程図である。本実施形態において、タンク100(図1)はフィラメントワインディング法(FW法)によって製造される。工程S12では、ライナ10および樹脂含浸繊維(樹脂含浸炭素繊維および樹脂含浸ガラス繊維RGF)が用意される。詳しくは、ライナ10に口金30および口金40が装着されたタンク本体が、マンドレルとしてフィラメントワインディング装置(以下、FW装置(不図示))にセットされ、ボビンに巻き付けられた樹脂含浸炭素繊維および樹脂含浸ガラス繊維RGFが、それぞれ、FW装置の予め定められた位置にセットされる。樹脂含浸炭素繊維および樹脂含浸ガラス繊維RGFは、それぞれ、案内部(不図示)を介して、タンク本体の外表面に案内される。なお、FW装置は、予め用意されたプログラムに従って、FW装置の各部を制御する制御部(不図示)を備える。制御部は、タンク本体の回転、ボビンからの樹脂含浸繊維の操出、案内部の移動等を制御することにより、樹脂含浸繊維の巻き数、巻終位置等を制御する。本実施形態において、炭素繊維およびガラス繊維に含浸される樹脂は、上述の通り、エポキシ樹脂である。
工程S14では、タンク本体の外表面(ライナ10の外表面を含む)に、樹脂含浸炭素繊維が巻き付けられる。詳しくは、FW装置が始動され、タンク本体が中心軸Oを回転軸OLとして回転すると共に、樹脂含浸炭素繊維がボビンから繰出され、案内部がタンク本体の長手方向に移動することにより、樹脂含浸炭素繊維がタンク本体の外表面に巻き付けられる。このとき、フープ巻き、ヘリカル巻き等が適宜組み合わされて、樹脂含浸炭素繊維が巻き付けられる。以下、タンク本体の外表面に樹脂含浸炭素繊維が巻付けられたものを、「炭素繊維巻付済タンク本体TC」とも称する。樹脂含浸炭素繊維が予め定められた巻き数、巻き付けられ、樹脂含浸炭素繊維層が形成されると、樹脂含浸炭素繊維が切断され、樹脂含浸炭素繊維の巻終端(末端)が樹脂含浸ガラス繊維の巻始端(始端)に圧着(熱圧着等)される。
工程S16では、工程S14で形成された炭素繊維巻付済タンク本体TCの樹脂含浸炭素繊維層の上に、樹脂含浸ガラス繊維RGFが巻き付けられ、樹脂含浸ガラス繊維層が形成される。後に詳述する。
工程S18では、工程S14,16を経て、ライナ10の外周に樹脂含浸炭素繊維層および樹脂含浸ガラス繊維層が形成された繊維巻付済タンク本体100Pが加熱炉に入れられ、繊維巻付済タンク本体100Pが回転されつつ、エポキシ樹脂の硬化温度(例えば、約120〜140℃)にて、予め定められた時間(例えば、4時間)加熱される。これにより、エポキシ樹脂が硬化されて、補強層20および保護層25が形成され、タンク100が完成する。すなわち、上述の工程S14にて形成される樹脂含浸炭素繊維層、および工程S16にて形成される樹脂含浸ガラス繊維層は、含浸樹脂(エポキシ樹脂)が未硬化の層であり、工程S18において加熱され、含浸樹脂が硬化されることにより、それぞれ、補強層20および保護層25となる。加熱炉としては、抵抗加熱式、誘導加熱式等公知の加熱方式を用いることができる。加熱炉における加熱条件(加熱温度、加熱時間)は、本実施形態に限定されず、タンク100のサイズ、補強層20、保護層25の層厚さ、樹脂の種類、加熱炉の性能、種類等に応じて適宜設定可能である。例えば、加熱温度を多段階の階段状に変化させてもよいし、時間に対して線形に昇温させてもよい。
図3は、タンク100の製造工程における樹脂含浸ガラス繊維巻付け工程S16の詳細を示す工程図である。樹脂含浸ガラス繊維巻付け工程S16において、ラベルLB(図1)が巻き込まれる。
工程S161では、炭素繊維巻付済タンク本体TCの外表面に樹脂含浸ガラス繊維RGFが巻き付けられる。詳しくは、炭素繊維巻付済タンク本体TCが中心軸Oを回転軸OLとして回転すると共に、樹脂含浸ガラス繊維RGFがボビンBNから繰出され、案内部GGが炭素繊維巻付済タンク本体TCの長手方向(図中の矢印方向)に移動することにより、樹脂含浸ガラス繊維RGFが炭素繊維巻付済タンク本体TCの外表面に巻き付けられる。このとき、フープ巻き、ヘリカル巻き等が適宜組み合わされて、樹脂含浸ガラス繊維RGFが巻き付けられる。図3では、図示を簡略化するために、樹脂含浸ガラス繊維RGFを、炭素繊維巻付済タンク本体TCの回転軸OLに直交する線で示している。
工程S161において、樹脂含浸ガラス繊維RGFが、予め定められた巻き数、巻き付けられると、工程S162において、炭素繊維巻付済タンク本体TC、ボビンBN、案内部GGが停止され、ラベルLBが、樹脂含浸ガラス繊維RGFから成る層の表面であって、予め定められた位置に配置される(工程S162)。本実施形態では、樹脂含浸ガラス繊維RGFが、予め定められた巻き数、巻き付けられて、炭素繊維巻付済タンク本体TCの回転が停止されると、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻き終わり(切断されていない)が、第1位置P1(炭素繊維巻付済タンク本体TCの回転軸OLに平行な方向における位置)にある。ラベルLBは、第1位置P1より図面左側に配置される。ラベルLBの配置は、製造者により行われてもよいし、機械により行われてもよい。例えば、FW装置が、ラベルLBを配置する装置(ラベル配置装置ともよぶ)を備え、FW装置が備える制御部により、ラベル配置装置を制御する構成にしてもよい。
工程S163では、炭素繊維巻付済タンク本体TCの回転、樹脂含浸ガラス繊維RGFの操出、案内部GGの移動が再開され、工程S161と同様に、樹脂含浸ガラス繊維RGFが巻き付けられる。工程S163において、ラベルLB上に樹脂含浸ガラス繊維RGFが巻き付けられることにより、ラベルLBが、樹脂含浸ガラス繊維RGFから成る層(樹脂含浸ガラス繊維層とも呼ぶ)に巻き込まれる(換言すると、埋込まれる)。
工程S163において樹脂含浸ガラス繊維RGFが、予め定められた巻き数、巻き付けられると、工程S164において、炭素繊維巻付済タンク本体TC、ボビンBN、案内部GGが停止され、樹脂含浸ガラス繊維RGFが切断される。本実施形態では、樹脂含浸ガラス繊維RGFが、予め定められた巻き数、巻き付けられて、炭素繊維巻付済タンク本体TCの回転が停止されると、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻き終わり(切断されていない)が、第2位置P2(炭素繊維巻付済タンク本体TCの回転軸に平行な方向における位置)にある。図示するように、第2位置P2は、ラベルLBの幅(炭素繊維巻付済タンク本体TCの回転軸OLに平行な方向の長さ)の略半分の位置に一致する。樹脂含浸ガラス繊維RGFが、第2位置P2で切断されるため、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTが、樹脂含浸ガラス繊維層を介して、ラベルLB上に配置される。換言すると、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端は、樹脂含浸ガラス繊維層の表面であって、ラベルLBに対応する位置に配置される。なお、図3に示す例では、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTが、ラベルLBの幅の略中央(略半分の位置)に配置されているが、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTは、樹脂含浸ガラス繊維層を介して、ラベルLB上に配置されていればよく、ラベルLBの端に配置されていてもよい。
工程S165では、予め定められた時間(例えば、5〜10分)誘導加熱装置IHHに通電することにより、ラベルLBを発熱させる。ラベルLBの発熱により、ラベルLBの周辺の樹脂含浸ガラス繊維RGFのエポキシ樹脂が加熱硬化され、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTが樹脂含浸ガラス繊維層の表面に固定される。誘導加熱装置IHHへの通電時間は、本実施形態に限定されず、ラベルLBの埋込み深さ、ラベルLBの形成材料、含浸樹脂の種類、IHHの性能等に応じて、適宜設定することができる。
図4は、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTの固定を概念的に示す説明図である。図4では、タンク100の製造工程の工程S165(図3)における繊維巻付済タンク本体100Pを中心軸Oを通り中心軸Oに平行な平面で切断し、一部を拡大して図示している。工程S165において、誘導加熱装置IHHに通電すると、導電性のラベルLBが発熱する。ラベルLBが発生した熱は、ラベルLBの周囲の樹脂含浸ガラス繊維層25Pに伝搬する(図4(A))。図4(A)において、ラベルLBによる発熱の伝搬を矢印で示し、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTを丸印で図示している。なお、上述のとおり、樹脂含浸ガラス繊維層25Pにおいて、含浸樹脂(エポキシ樹脂)は未硬化である。
ラベルLBによる発熱が樹脂含浸ガラス繊維層25Pを伝搬すると、樹脂含浸ガラス繊維層25Pにおいて、ラベルLBの周囲のエポキシ樹脂が加熱され硬化される(図4(B))。図4(B)では、樹脂含浸ガラス繊維層25Pにおいて、エポキシ樹脂が硬化された箇所(樹脂硬化部25C)にドットハッチングを付して示している。上述の通り、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTは、樹脂含浸ガラス繊維層25Pの外表面であって、ラベルLBに対応する位置に配置されているため、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTの含浸樹脂(エポキシ樹脂)も、ラベルLBの発熱により加熱され硬化する。その結果、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTが、樹脂含浸ガラス繊維層25Pの外表面に固定される。
以上説明したように、本実施形態のタンクの製造方法では、強化繊維として非導電性のガラス繊維を用いる場合に、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻き付け工程(図2の工程S16)において、導電性の薄板であるラベルLBを巻き込んでいる。そして、誘導加熱装置IHHを用いて、ラベルLBを発熱させて、ラベルLBに対応する位置に配置された樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTの含浸樹脂(エポキシ樹脂)を加熱硬化させることにより、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端を繊維巻付済タンク本体100Pの外表面に固定させている。タンク100の製造工程において、樹脂の加熱硬化工程(図2の工程S18)では、樹脂含浸率を均等にするために、繊維巻付済タンク本体100Pは、加熱炉内で回転されつつ加熱される。工程S18において、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTが繊維巻付済タンク本体100Pの外表面に固定されていない場合には、繊維巻付済タンク本体100Pの回転に伴い、樹脂含浸ガラス繊維RGFが解ける可能性があるが、本実施形態のタンクの製造方法によれば、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTが繊維巻付済タンク本体100Pの外表面に固定されているため、樹脂含浸ガラス繊維RGFの解けを抑制することができる。
また、樹脂含浸ガラス繊維層25P(図4)内に巻き込まれたラベルLBの発熱を利用して、樹脂含浸ガラス繊維層25PのラベルLB周辺の樹脂を局所的に加熱することにより、ラベルLBと対応する位置に配置された巻終端GTの含浸樹脂を硬化させることにより樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTを固定しているため、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTの固定を短時間(例えば、5〜10分)で行うことができる。例えば、樹脂含浸ガラス繊維層25Pの表面を抵抗加熱方式の加熱装置により加熱した場合には、加熱装置からの熱が周囲(開放大気中)に逃げて、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTの含浸樹脂を局所的に加熱できず、含浸樹脂の硬化(すなわち、強化繊維の巻終端の固定)に時間を要する。これに対して、本実施形態のタンクの製造方法によれば、巻終端GTの固定に要する時間を短縮することができる。
また、強化繊維の巻終端を固定する方法として、針による固定も適用可能であるが、保護層25を薄層化する場合には、針による補強層20の傷付きに伴うタンクの強度低下が懸念される。これに対し、本実施形態のタンクの製造方法によれば、タンクの強度低下が抑制される。
また、本実施形態のタンクの製造方法では、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTの含浸樹脂を加熱するための発熱体として、製造情報が記載されたラベルLBを用いている。すなわち、ラベルLBは、製造情報を表示する機能に加え、タンク100の製造工程において、発熱体としても機能している。タンクにおいて、製造情報が記載されたラベルは必須のものであり、従来から樹脂製のラベルが用いられている。本実施形態では、必須のラベルを導電性材料で形成することにより、部品点数を増加させず、樹脂含浸ガラス繊維RGFの巻終端GTの短時間での固定を実現することができる。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態において、タンク100は、ライナ10の外周に2層(補強層20と保護層25)の外殻を備える構成を例示したが、タンク100の構成は上記実施形態に限定されず、ライナ10の外周に形成される外殻は、1層でもよく、3層以上でもよい。なお、強化繊維および樹脂の少なくともいずれか一方を違えることにより、複数の層が形成される。外殻を複数の層で構成する場合、最外層以外の層は、樹脂のみで形成されてもよい(強化繊維を備えなくてもよい)。タンクの最外層を構成する繊維強化樹脂層の強化繊維が非導電性の場合に、上記実施形態の工程S16を有する製造方法によってタンクを製造することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2)上記実施形態において、保護層25を構成する強化繊維としてガラス繊維を例示したが、強化繊維はガラス繊維に限定されず、例えば、アラミド繊維、ダイニーマ繊維、ザイロン繊維等、非導電性の種々の強化繊維を用いることができる。また、補強層20を構成する繊維は、炭素繊維に限定されず、ガラス繊維、アラミド繊維、ダイニーマ繊維、ザイロン繊維、ボロン繊維等、繊維強化樹脂を構成可能な種々の繊維を用いることができる。補強層20は、耐圧性を備え、保護層25は、補強層20よりも耐衝撃性が高くなるように(引張強度等が高くなるように)、繊維を選択するのが好ましい。補強層20の繊維として、炭素繊維を用い、保護層25の繊維として、ガラス繊維またはアラミド繊維を用いると、耐圧性の高い補強層20と、補強層20よりも耐衝撃性が高い保護層25が形成されるため、好ましい。
(3)タンク100内に収容される流体は、上記した圧縮水素に限定されず、圧縮窒素等、種々の流体が収容されうる。また、タンク100は、燃料電池車に限らず、電気自動車、ハイブリッド自動車等の他の車両に搭載されてもよいし、船舶、飛行機、ロボット等の他の移動体に搭載されてもよい。また、住宅、ビル等の定置設備に備えられてもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…ライナ
20…補強層
25…保護層
25C…樹脂硬化部
25P…樹脂含浸ガラス繊維層
30…口金
40…口金
100…タンク
100P…繊維巻付済タンク本体
102…円筒部
104…ドーム部
BN…ボビン
GG…案内部
GT…巻終端
IHH…誘導加熱装置
LB…ラベル
O…中心軸
OL…回転軸
P1…第1位置
P2…第2位置
RGF…樹脂含浸ガラス繊維
TC…炭素繊維巻付済タンク本体
T1…保護層25の厚さ

Claims (1)

  1. 流体不透過性の内殻と、前記内殻の外周に形成されている繊維強化樹脂層と、を備えるタンクの製造方法であって、
    (A)熱硬化性樹脂が含浸された非導電性の強化繊維である樹脂含浸繊維を、導電性の薄板を巻き込みつつ、前記内殻の外周に巻き付ける工程と、
    (B)前記樹脂含浸繊維の巻終端を、前記内殻の外周に巻き付けられた前記樹脂含浸繊維から成る樹脂含浸繊維層の表面であって、前記薄板に対応する位置に配置する工程と、
    (C)誘導加熱装置を用いて前記薄板を発熱させて、前記樹脂含浸繊維の巻終端に含浸されている前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、
    を備えるタンクの製造方法。
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