JP2020191734A - ロータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、図1を参照して、本実施形態のロータの製造方法が適用されるロータ10について説明する。
図2及び図3に示すように、製造装置100は、繊維束50が巻き付けられたボビン110と、ボビン110から引き出された繊維束50を各永久磁石30の外周に巻き付ける巻き付け装置120と、各永久磁石30の外周に上方から樹脂60を塗布する塗布装置130とを備えている。ボビン110と巻き付け装置120との間には、繊維束50の張力を測定する張力測定装置180が設けられている。
<ボビン110>
図2に示すように、ボビン110は、例えば、パウダーブレーキなどのブレーキ装置(図示略)に接続されており、繊維束50が所定の張力以上で引き出された場合に回転するように構成されている。本実施形態において、繊維束50が引き出される際のボビン110の回転方向は、図2における時計回りの方向である。したがって、繊維束50は、ボビン110の上方から引き出される。
図3に示すように、巻き付け装置120は、各永久磁石30が設けられたシャフト20を軸線Cを中心に回転させるとともに、軸線方向に沿って往復動させることで繊維束50を各永久磁石30の外周に巻き付けるためのものである。
シャフト20の軸線方向の一方側における拡径部22は、上述したように支持部123により回転可能に支持されるとともに、カップリング124を介してモータ122の出力軸に連結されている。したがって、モータ122が回転することにより、シャフト20が回転する。なおシャフト20の回転方向は、図2における反時計回りの方向である。したがって、繊維束50は、シャフト20の下方から巻き付けられる。
図4に示すように、塗布装置130は、液状の、すなわち熱硬化される前の樹脂60が貯留されるシリンダ131と、シリンダ131の下部に連結されたノズル132とを備えている。
ノズル132は、樹脂60を吐出する断面円形状の吐出口133を有している。ノズル132は、例えばステンレス鋼などの金属材料により形成されている。
図4に示すように、ピストン部材150は、円盤状のピストンヘッド151と、ピストンヘッド151の上面に設けられた円柱状のピストンロッド152とを有している。
ピストンロッド152のピストンヘッド151とは反対側の端部には、外周に向けて突出したフランジ部153が全周にわたって設けられている。
図2に示すように、張力測定装置180は、ボビン110から引き出された繊維束50を上方に持ち上げる第1ローラ181と、繊維束50の延在方向において第1ローラ181の両側に配置された一対の第2ローラ182とを備えている。
まず、各永久磁石30が設けられたシャフト20を巻き付け装置120の駆動テーブル121に配置する。
次に、巻き付け装置120のモータ122を回転させるとともに駆動テーブル121を軸線方向に沿って往復動させる、すなわち、シャフト20を軸線Cを中心に回転させるとともに軸線方向に沿って往復動させる。これにより、繊維束50が各永久磁石30の外周に巻き付けられるとともに、繊維束50の層が複数積層される(巻き付け工程)。なお、本実施形態では、保持部材40の外周面が拡径部22の外周面と略面一となるまで繊維束50の層を積層する。
最後に、上記クランプ部材を取り外すとともに、拡径部22における熱硬化されていない繊維束50の端部を除去する。これにより、保持部材40が形成される。
本実施形態の作用について説明する。
塗布工程において、各永久磁石30の外周における巻き付け予定部Pに対して塗布装置130により樹脂60が上方から連続的に塗布される。これにより、巻き付け予定部Pに塗布される樹脂量を緻密に制御することができるため、繊維束50に含浸される樹脂量が繊維束50の位置によってばらつくことを抑制できる。これにより、樹脂60が巻き付け予定部Pに必要以上に塗布されることを抑制できることから、保持部材40における繊維束50の含有率を高めることができる。
(1)巻き付け工程において、複数の永久磁石30が設けられたシャフト20を、軸線Cを中心に回転させるとともに軸線方向に沿って移動させることで、繊維束50を各永久磁石30の外周に巻き付けるようにした。塗布工程において、各永久磁石30の外周における繊維束50が巻き付けられる予定の巻き付け予定部Pに対して塗布装置130により液状の樹脂60を上方から連続的に塗布するようにした。
(2)樹脂60を貯留するシリンダ131と、シリンダ131の下部に設けられ、樹脂60を吐出する吐出口133と、可撓性の刷毛を有し、吐出口133から突出するとともに巻き付け予定部Pの表面に接触することで樹脂60を塗布する塗布具134とを備える塗布装置130を用いるようにした。
こうした方法によれば、シリンダ131内に貯留されている樹脂量によらず、吐出口133から吐出される樹脂量のばらつきを低減できる。
こうした方法によれば、塗布工程に先立ち、シリンダ131内に貯留されている樹脂60が上記所定の温度まで加熱されることで樹脂60の粘度が小さくなる。このため、吐出口133の断面積を小さくした場合であっても吐出口133を通じて樹脂60を円滑に吐出することができる。これにより、樹脂量を抑えながらも樹脂60を連続的に塗布することができるため、巻き付け予定部Pに塗布される樹脂量をより緻密に制御することができる。したがって、繊維束50を硬化させるために必要な樹脂量を確保しながらも、保持部材40における繊維束50の含有率を高めることができる。
・張力測定装置180は、測定結果をブレーキ装置にフィードバックしなくてもよい。
・ロータ10の製造方法は、少なくとも1つの層が形成される毎に、塗布具134が巻き付け予定部Pに接触する状態を維持しつつ塗布具134を上昇させる上昇工程を備えるものであってもよい。
・加熱装置170に代えて、シリンダ131を保持する保持部141を加熱するようにしてもよい。
・加熱装置170は、省略することもできる。
・シリンダ131とノズル132とが一体に構成された塗布装置を採用することもできる。
・保持部材40を構成する繊維束50の層の数は、適宜変更することができる。
・本発明の適用対象は、ロータ本体がシャフト20により構成されるものに限定されない。他に例えば、シャフトと、当該シャフトの外周に設けられるロータコアとにより構成されるロータ本体を有するロータに対しても本発明を適用することができる。この場合、ロータコアの外周に複数の永久磁石30が設けられ、各永久磁石30の外周に保持部材40が設けられる。
Claims (5)
- ロータ本体と、前記ロータ本体の外周面に設けられる複数の永久磁石と、炭素繊維を有する繊維束及び前記繊維束に含浸された熱硬化性の樹脂を含み、前記複数の永久磁石の外周に巻き付けられることで前記複数の永久磁石を保持する保持部材と、を備えるロータの製造方法であって、
前記複数の永久磁石が設けられた前記ロータ本体を、前記ロータ本体の軸線を中心に回転させるとともに前記ロータ本体の軸線方向に沿って移動させることで、前記繊維束を前記複数の永久磁石の外周に巻き付ける巻き付け工程と、
前記複数の永久磁石の外周における前記繊維束が巻き付けられる予定の巻き付け予定部に対して塗布装置により液状の前記樹脂を上方から連続的に塗布する塗布工程と、を備える、
ロータの製造方法。 - 前記塗布装置として、液状の前記樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダの下部に設けられ、前記樹脂を吐出する吐出口と、可撓性の刷毛を有し、前記吐出口から突出するとともに前記巻き付け予定部の表面に接触することで前記樹脂を塗布する塗布具と、を備えるものを用いる、
請求項1に記載のロータの製造方法。 - 前記シリンダ内に設けられたピストン部材を前記吐出口に向けて単位時間当たり一定の変位量にて降下させる、
請求項2に記載のロータの製造方法。 - 前記塗布工程に先立ち、前記シリンダ内に貯留されている液状の前記樹脂を当該樹脂の熱硬化温度よりも低い所定の温度まで加熱する加熱工程を備える、
請求項2または請求項3に記載のロータの製造方法。 - 前記巻き付け工程において、前記複数の永久磁石が設けられた前記ロータ本体を前記軸線方向に沿って往復動させることで、前記複数の永久磁石の外周に前記繊維束の層を複数積層し、
少なくとも1つの前記層が形成される毎に、前記塗布具が前記巻き付け予定部に接触する状態を維持しつつ前記塗布具を上昇させる上昇工程を備える、
請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載のロータの製造方法。
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