JP2016055453A - シリコーン転写材 - Google Patents

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和俊 藤原
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Abstract

【課題】転写層の表面が滑らかであり、転写層の剥離性に優れ、転写後の転写層の表面荒れが少なく、形状追随性に優れ、耐熱性の高いシリコーン転写材を提供する。【解決手段】4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む基材上に、シロキサン組成物からなる層を有すること。更にシロキサン組成物がシリコーンゲル接着剤であり、基材がラミネート紙であるシリコーン転写材。【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン転写材、並びにそれを用いた表面コート方法および粘着シートの製造方法に関する。
目的とする物品の表面に、帯電防止、反射防止、防汚、粘着性など様々な機能を付与するために、シリコーン層を形成させることがある。その方法としては溶剤系のシリコーンコーティング剤を塗布する方法や、支持体にシリコーンからなる膜を形成した後に基板上に写し取る転写法が知られている。
特許文献1には、目的とする物品の表面に転写法によりシリコーン保護コートを施すのに用いられるシリコーン転写材が開示されており、ベースフィルムからシリコーン塗膜のみを目的とする物品に転写することで、最終的にベースフィルムは物品表面に残留しない方法が開示されており、当該シリコーン転写材はシリコーン層とPET基材フィルムの間に、シリコーンに対して剥離性を示すコート層を積層する構成となっている。
一方、4−メチル−1−ペンテンをモノマーとする重合体(ポリ−4−メチル−1−ペンテン)は、透明性、離型性、耐熱性等に優れているため各種用途に広く使用されている。例えば、シート、フィルムは高融点、良好な離型性、高い透明性などの特長を活かして離型フィルムなどに使用されている(特許文献2)。
特開平10−158594号公報 特開2006−212954号公報
本発明者らの検討によれば、離型フィルムとして一般的に用いられる各種フィルムをシリコーン転写材の基材として用いるには、各種機能面において不十分な点があった。例えば、フッ素系樹脂フィルムであるETFEフィルムは、シリコーン塗工した際の表面粗さが大きいという難点が認められ、また比較的高価であることも無視できない。また、PETフィルムに離型コーティングがなされた、いわゆるシリコンペットを用いた転写フィルムは、転写層の剥離が不十分な傾向が認められた。また、安価な素材であるポリエチレンラミネート紙を用いた場合は耐熱性が劣り、ポリプロピレンラミネート紙を用いた場合でも耐熱性、剥離性が十分とはいえない場合があった。
本発明の課題は、上記問題点を解決しうる、すなわち転写層の表面が滑らかであり、転写層の剥離性に優れ、転写後の転写層の表面荒れが少なく、形状追随性に優れ、耐熱性の高いシリコーン転写材を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む基材を用いることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[4]に関する。
[1]ポリ−4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む基材上に、シロキサン組成物からなる転写層を有するシリコーン転写材。
[2]前記シロキサン組成物がシリコーンゲル接着剤である、[1]に記載のシリコーン転写材。
[3]前記の基材がラミネート紙である、[1]または[2]に記載のシリコーン転写材。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載のシリコーン転写材の転写層を、被転写体に転写することを特徴とする表面コート方法。
[5][1]〜[3]のいずれかに記載のシリコーン転写材の転写層を、ポリウレタン不織布もしくは発泡ポリウレタンフォームフィルムに転写することを特徴とする、粘着シートの製造方法。
本発明によれば、転写層の表面が滑らかであり、転写層の剥離性に優れ、転写後の転写層の表面荒れが少なく、形状追随性に優れ、耐熱性の高いシリコーン転写材を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
[4−メチル−1−ペンテン系重合体]
本発明で用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒などの公知のオレフィン重合用触媒の存在下で、4−メチル−1−ペンテンを含むモノマーを重合することにより製造される。
4−メチル−1−ペンテン系重合体は、例えば、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、あるいは4−メチル−1−ペンテンと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、本発明の効果を奏する限り、そのいずれの意味も含む。
前記4−メチル−1−ペンテンと共重合する他のモノマーとしては、エチレンおよび4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数3〜20のα−オレフィンが挙げられる。該α−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数6〜20のα−オレフィンであり、さらに好ましくは炭素原子数8〜20のα−オレフィンである。これらのα−オレフィンは、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
4−メチル−1−ペンテン系重合体が共重合体である場合、共重合体を構成する4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の量は、通常90モル%以上、好ましくは95モル%以上である。
本発明で用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、好ましくは、下記要件(A−i)および(A−ii)を満たす。
(A−i)メルトフローレート(MFR;ASTM D1238、260℃、5kgf)が、通常1〜500g/10min、好ましくは2〜100g/10min、より好ましくは3〜30g/10minである。MFRが上記範囲にあると、成型時の流動性の点で好ましい。
(A−ii)融点(Tm)が、通常210〜250℃、好ましくは215〜245℃、より好ましくは220〜240℃、さらに好ましくは224〜240℃である。融点が210℃以上であると、当該4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む基材フィルムの耐熱強度が優れ、融点が250℃以下であることで衝撃強度の点で好ましい。
なお、融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、たとえば、次のように測定される。試料3〜7mgをアルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分で280℃まで加熱し、その試料を、完全融解させるために280℃で5分間保持する。次いで10℃/分で−50℃まで冷却し、−50℃で5分間置いた後、その試料を10℃/分で280℃まで再度加熱する。この2度目の加熱試験でのピーク温度を、融点(Tm)として採用する。
なお、4−メチル−1−ペンテン系重合体は、一種単独でも、複数の4−メチル−1−ペンテン系重合体を混合して用いてもよい。
[4−メチル−1−ペンテン系重合体の製造方法]
本発明にかかる4−メチル−1−ペンテン系重合体の製造は、4−メチル−1−ペンテン系重合体を構成するモノマーに加えて、遷移金属触媒成分および共触媒成分を含む重合触媒を重合反応器に供給する方法により行われる。
4−メチル−1−ペンテン系重合体を構成するモノマーの重合は、溶液重合、懸濁重合、バルク重合法などの液相重合法、気相重合法、その他公知の重合方法で行うことができる。また重合を液相重合法で行う場合には、溶媒として不活性炭化水素を用いることもできるし、反応条件下において反応に供する液状のオレフィンを用いることもできる。さらに、本発明において重合は、回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行なうことができる。さらに重合を、反応条件を変えて2段以上に分けて行なうこともできる。
4−メチル−1−ペンテン系重合体の製造方法に用いられる重合触媒を構成する遷移金属触媒成分としては、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体からなる固体状チタン触媒や、メタロセン触媒などが挙げられる。このうち、好ましくは固体状チタン触媒が挙げられ、特に好ましくは、日本国特開2003−105022号公報に記載されている、不活性炭化水素溶媒に懸濁させたマグネシウム化合物と、電子供与体として複数の原子を間に介してエーテル結合を2以上有する化合物と、液体状態のチタン化合物とを接触させて得られるチタン、マグネシウム、ハロゲンおよび複数のエーテル結合を有する化合物からなるチタン触媒が挙げられる。
不活性炭化水素溶媒としては、ヘキサン、デカンおよびドデカンなどが挙げられる。
電子供与体としては、複数の原子を間に介してエーテル結合を2以上有する化合物である2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパンおよび2−イソペンチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパンなどが挙げられる。
マグネシウム化合物としては、無水塩化マグネシウムおよびメトキシ塩化マグネシウムなどが挙げられる。
本発明において、固体状チタン触媒は、例えば液相重合法の場合、全液体容積1リットル当りチタン原子に換算して、通常0.0001〜0.5ミリモル、好ましくは0.0005〜0.1ミリモルの量で用いられることが好ましい。
また、上記固体状チタン触媒において、ハロゲンおよびチタンの比率(ハロゲン/チタン)は、原子比で、通常2〜100、好ましくは4〜90であり、2以上のエーテル結合を含む化合物およびチタンの比率(2以上のエーテル結合を含む化合物/チタン)は、モル比で、通常0.01〜100、好ましくは0.2〜10であり、マグネシウムおよびチタンの比率(マグネシウム/チタン)は原子比で、通常2〜100、好ましくは4〜50である。
上記固体状チタン触媒と共に用いられる共触媒成分(有機金属化合物触媒成分)としては、有機アルミニウム化合物が挙げられ、たとえば、Ra nAlX3-nで示される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
a nAlX3-n中、nは、1〜3である。Raは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、たとえば、アルキル基、シクロアルキル基およびアリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基およびトリル基などであり、nが2または3の場合、同一でも異なっていてもよい。Xは、ハロゲンまたは水素であり、nが2または3の場合、同一でも異なっていてもよい。
a nAlX3-nで示される有機アルミニウム化合物としては、たとえば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムおよびトリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリドおよびジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリドおよびエチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリドおよびエチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイドライドおよびジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
これらのうち、トリエチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムが好ましい。
共触媒成分(有機金属化合物触媒成分)の量は、たとえば、遷移金属触媒成分が固体状チタン触媒である場合には、固体状チタン触媒1g当たり、通常0.1〜1000000g、好ましくは100〜1000000gの重合体が生成するような量であればよく、固体状チタン触媒中のチタン原子1モル当たり、通常0.1〜1000モル、好ましくは約0.5〜500モル、より好ましくは1〜200モルの量である。
遷移金属触媒成分は、不活性有機溶媒(好ましくは、飽和脂肪族炭化水素)に懸濁して重合反応器に供給するのが好ましい。
また、遷移金属触媒成分は3−メチル−1−ペンテンまたは4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンと予備重合した固体触媒成分として用いることが好ましい。予備重合は、遷移金属触媒成分1g当たり、上記のα−オレフィンを通常0.1〜1000g、好ましくは0.3〜500g、より好ましくは1〜200gの量で重合させて行う。また、予備重合は、4−メチル−1−ペンテンの重合における反応系内の触媒濃度よりも高い触媒濃度で行うことができる。
本発明では、4−メチル−1−ペンテン系重合体を製造するに際し、溶解重合および懸濁重合(スラリー重合)などの液相重合法が好ましく用いられるが、さらに好ましくは懸濁重合(スラリー重合)法が用いられる。
また、本重合時に水素を用いれば、得られる重合体の分子量を調節することができ、メルトフローレートの大きい重合体が得られる。
さらに、本重合時に用いる固体状チタン触媒に含まれる電子供与体の種類を選定することにより、得られる重合体の立体規則性を調整することが可能となり、これにより、重合体の融点の調整が可能となる。
本発明において、オレフィンの重合温度および重合圧力は、重合方法および重合するモノマーの種類により異なるが、重合温度は、通常10〜200℃、好ましくは30〜150℃に、重合圧力は、通常常圧〜5MPa−G、好ましくは0.05〜4MPa−Gに設定される。
[その他の樹脂]
本発明における4−メチル−1−ペンテン系重合体には、当該重合体の優れた特性を損なわない範囲で、その他の樹脂を添加してもよい。その他の樹脂の例にはオレフィン系重合体、ポリエステル、ポリアミド、変性オレフィン系重合体等が挙げられる。
上記オレフィン系重合体としては、エチレンおよび炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンから選ばれる1種以上のオレフィンを重合して得られるものが挙げられる。炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンとして具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
上記オレフィン系重合体は、上述したα−オレフィンの他、本発明の目的を損なわない範囲で環状オレフィン、官能化ビニル化合物、極性基(例えばカルボニル基、水酸基、エーテル結合基など)および重合性の炭素−炭素二重結合を分子中に有するモノマー(以下、極性基含有モノマーとも記す。)、共役ジエン、非共役ポリエンなどをコモノマーとして含んでもよい。
環状オレフィンとしては、炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。
官能化ビニル化合物としては、芳香族ビニル化合物や脂環族ビニル化合物が挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、などの官能基含有スチレン誘導体;および3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンなどが挙げられ、脂環族ビニル化合物としては、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタンなどが挙げられる。
官能化ビニル化合物は、官能化ビニル化合物の単独重合体であっても、共重合成分との共重合体であってもよい。共重合成分の具体例として、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウムなどの不飽和カルボン酸塩、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸モノエチルエステルなどの不飽和カルボン酸エステル、アクリルアミド、マレイン酸モノアミドなどの不飽和カルボン酸アミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの共重合成分は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステルとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール、ビスフェノール等の芳香族ジヒドロキシ化合物と、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、あるいはこれらから選ばれる2種以上のジカルボン酸とから形成される結晶性の熱可塑性樹脂である。このポリエステルは、熱可塑性を示す限り、少量のトリオールやトリカルボン酸等の3価以上のポリヒドロキシ化合物やポリカルボン酸などで変性されていてもよい。このポリエステルの具体例として、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート・テレフタレート共重合体等が挙げられる。
上記ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)、m−またはp−キシリレンジアミン等の脂肪族ジアミン、脂環式ジアミンまたは芳香族ジアミンなどのジアミン類と、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸類との重縮合によって得られるポリアミド、ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸の縮合によって得られるポリアミド、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタムから得られるポリアミド、あるいはこれらの成分からなる共重合ポリアミド、さらにはこれらのポリアミドの混合物などが挙げられる。このポリアミドの具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6110、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン66/610、ナイロン6/11、芳香族ナイロン等が挙げられる。
[添加剤]
4−メチル−1−ペンテン系重合体には、その用途に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂用添加剤を任意に添加することができる。かかる樹脂用添加剤としては、例えば、顔料、染料、充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、(透明)核剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤などが挙げられる。これらの添加剤は、1種単独でも、適宜2種以上を組み合わせても用いることができる。
顔料としては、無機含量(酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、硫化カドミウム等)、有機顔料(アゾレーキ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アントラキノン系)が挙げられる。染料としてはアゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系等が挙げられる。これら顔料および染料の添加量は、特に限定されないが、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体の総重量に対して、合計で、通常5重量%以下、好ましくは0.1〜3重量%である。
充填剤としてはガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、金属(ステンレス、アルミニウム、チタン、銅等)繊維、カーボンブラック、シリカ、ガラスビーズ、珪酸塩(珪酸カルシウム、タルク、クレー等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、アルミナ等)、金属の炭酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム)および各種金属(マグネシウム、珪素、アルミニウム、チタン、銅等)粉末、マイカ、ガラスフレーク等が挙げられる。これらの充填剤は1種単独または2種以上の併用いずれでもよい。
滑剤としては、ワックス(カルナバロウワックス等)、高級脂肪酸(ステアリン酸等)、高級アルコール(ステアリルアルコール等)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド等)等が挙げられる。
可塑剤としては、芳香族カルボン酸エステル(フタル酸ジブチル等)、脂肪族カルボン酸エステル(メチルアセチルリシノレート等)、脂肪族ジアルボン酸エステル(アジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル等)、脂肪族トリカルボン酸エステル(クエン酸トリエチル等)、リン酸トリエステル(リン酸トリフェニル等)、エポキシ脂肪酸エステル(ステアリン酸エポキシブチル等)、石油樹脂等が挙げられる。
離型剤としては、高級脂肪酸の低級(C1〜4)アルコールエステル(ステアリン酸ブチル等)、脂肪酸(C4〜30)の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)、脂肪酸のグリコールエステル、流動パラフィン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等)、多環フェノール系(2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等)、リン系(テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスフォネート等)、アミン系(N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等)の酸化防止剤が挙げられる。
難燃剤としては、有機系難燃剤(含窒素系、含硫黄系、含珪素系、含リン系等)、無機系難燃剤(三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、赤リン等)が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、アクリレート系等が挙げられる。
抗菌剤としては、4級アンモニウム塩、ピリジン系化合物、有機酸、有機酸エステル、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素等が挙げられる。
界面活性剤としては非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビットもしくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン性界面活性剤などが挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両面界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキル時ヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
帯電防止剤としては、上記の界面活性剤、脂肪酸エステル、高分子型帯電防止剤が挙げられる。脂肪酸エステルとしてはステアリン酸やオレイン酸のエステルなどが挙げられ、高分子型帯電防止剤としてはポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
上記充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤などの各種添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、特に限定されないが、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体に対して、それぞれ、0.01〜30重量%であることが好ましい。
[4−メチル−ペンテン−1系重合体を含む基材の製造方法]
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む基材は、以下に示す方法により製造することができる。
(1)押出成形フィルム、押出成形シート
一般的なTダイ押出成形機で成形することにより得られる。例えば一軸押出機にてシリンダ温度250〜320℃およびキャストロール温度0〜80℃で成形を行って押出フィルムやシートを形成する。
フィルムまたはシートの厚さは、その使用用途にもよるが、通常5〜1000μm、好ましくは30〜100μmであるとフィルムの生産性に優れ、フィルム成形時にピンホールが生じることがなく、また、基材としての十分な強度も得られることから好ましい。5μmよりも薄い場合、被転写体に適当に転写できない恐れがある。
また本発明の効果を阻害しない限り他の樹脂と多層フィルムとする、または、紙と積層してラミ紙としてもよく、共押出成形法、押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等を用いることができる。また、フィルム表面にはエンボス加工を施しても良く、フィルム成形時または成形後に延伸してもよい。さらに、成形して得られたフィルムはさらに樹脂の融点未満の温度でのアニーリング処理を行っても良い。
(2)延伸フィルム
本発明のフィルムは延伸してもよい。延伸フィルムは、原反シートを製造し、それを延伸すればよい。原反シートの製造方法に特に制限はなく、たとえばプレス成形、押出成形、インフレーション成形などの方法、または溶液流延法などの公知の方法で成形することができる。
生産効率性の向上という観点では、押出成形法、インフレーション成形法や、溶液流延法等を用いてもよい。さらに延伸成形体の生産の効率と安定化という観点では、溶融押し出し成形法によって形成された原反シートを延伸配向させることによって、延伸成形体を得ることが好ましい。
溶融押出し成形を行う場合、具体的には、一軸押出機にて、所定のシリンダ温度および所定のキャストロール温度で成形を行って原反シートを形成する。溶融押出し成形により原反シートを得る場合に、押出機のロール間で加圧圧縮すると、得られるシートの透明性をより高くすることができる。予め溶融押出し成形により製造しておいた原反シートを、延伸成形装置に供給してもよいし、溶融押出し成形と、延伸成形とを連続的に行ってもよい。
形成した原反シートを、延伸機にて所定の延伸速度にて該原反シートの延伸成形を行う。延伸は、一軸延伸、二軸延伸、逐次延伸などのいずれで行ってもよい。
延伸温度は、通常、樹脂のガラス転移点(Tg)〜200℃、好ましくはTg〜180℃、より好ましくはTg〜150℃の温度範囲で行われる。また延伸性を改善するために、延伸前に、原反シートを予熱しておくことが好ましい。延伸前の予熱は、Tg〜180℃、より好ましくはTg〜150℃の温度範囲で、通常5分間程度行えば十分である。
延伸速度は、通常0.1mm/sec〜500mm/sec、より好ましくは0.5mm/sec〜100mm/secとする。延伸倍率は、通常1.5〜6倍、好ましくは2〜5倍とする。結晶化度・結晶サイズを増加させないためには、延伸倍率を小さくし、延伸速度を大きくすると好ましい場合がある。延伸の方向は、原反シートの押し出し方向に行うことが好ましい。このような条件のもとで延伸すると、延伸ムラや延伸切れを発生させることなく、効率的に延伸成形体を製造することができる。
フィルムを延伸することにより、機械的強度を有するフィルムを得ることが可能となる。また、延伸フィルムの厚みは、原反シートの厚み、延伸倍率等を変えることによって調節することができる。延伸フィルムの厚さに特に上限は無く、従来本技術分野において「シート」と呼ばれていたものも含む。また、延伸フィルムを光学フィルムとして用いる場合には、光学用途に使用可能な程度の厚さとする。延伸フィルムの厚みは、通常は10〜200μmであり、好ましくは20〜200μmである。このような範囲であれば、フィルムの生産性がより向上し、またフィルム成形時にピンホールなどを生じることなく、また充分な機械強度も得られる。
(3)インフレーションフィルム
本発明のフィルムはインフレーション成形法で作製してもよい。具体的には、一軸押出機にて、所定のシリンダ温度で、インフレーション用ダイから重力方向とは逆方向の上向方向に押出してインフレーションを行い、インフレーションフィルムを得ることができる。
インフレーションフィルムの引取速度は通常2〜40m/分、好ましくは4〜30m/分である。フィルムの厚さは特に限定されないが、通常は10〜300μm、好ましくは20〜250μm、更に好ましくは30〜60μmである。
[シリコーン転写層]
本発明におけるシリコーン転写層は、シロキサン組成物からなり、具体的にはシリコーン系コーティング剤、シリコーンゲル接着剤などが挙げられる。
(1)シロキサン組成物
本発明のシロキサン組成物は、シロキサン結合を主骨格とする架橋性の高分子を含む組成物であり、前駆材料であるシロキサンモノマー及び/またはシロキサンオリゴマーの縮合反応により得られるものを含むことが好ましく、さらにこれらの前駆材料を含むものであっても良い。シロキサン結合を主骨格とする架橋性の高分子は、後述する一般式(1)由来のSi−OHの結合が残存していることにより、加熱処理により架橋反応を進行させてガラス化させることができる。
シロキサンオリゴマーは、下記一般式(1)で表されるオルガノシランの1種類以上をモノマーに用いて加水分解・重縮合反応させることによって合成されることが好ましい。
(R−Si−(OR4−n(1)
(式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜15のアリール基のいずれかを表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数6〜15のアリール基のいずれかを表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。nは0から3の整数を表す。)これらのオルガノシランは単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のシロキサン組成物には、基材との離型性や、濡れ性の向上を目的とした離型剤やレベリング剤等を含んでいても良く、耐クラック性を向上させたり、被転写体が樹脂材料の場合に密着性を向上させたりすることを目的としてアクリル樹脂等を含んでいても良い。
(2)シリコーンゲル接着剤
シリコーンゲル接着剤は好ましくは、ヒドロシリル化触媒(例えば白金錯体)の存在下で、分子鎖片末端あるいは両末端及び側鎖にビニル基を有するビニル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)と水素末端PDMSとの間の追加の硬化反応により形成される。具体的に市販されている材料としてはDowCorning MG 7−9850、WACKER 2130、BLUESTAR4317及び4320、並びにNUSIL 6345及び6350でなどが挙げられる。これらは白金触媒による2成分付加硬化材料である。これらのシリコーンゲル接着剤を転写層に用いたシリコーン転写材は、医療用途の粘着シートや創傷被覆材の製造に特に適している。
[シリコーン転写材の製造方法]
本発明のシリコーン転写材は、ポリ−4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む基材上に、シロキサン組成物からなる転写層を有する。転写層を形成する方法としては特に限定されないが、一般的には、溶媒に溶解したシロキサン組成物を液コーティングした後に乾燥することにより得ることができる。その塗装方法としては特に限定されるものではなく、例えばグラビアロールコーター、グラビアオフセットロールコーター、マイクログラビアロールコーター、絞りロールコーター、エアーナイフコーター、リバースロールコーター、バーコーター、ダイコーター、ファウンテンコーター、コンマーター、スプレー、ディッピング、フロー等の各種塗装方法を選択することができる。
乾燥条件は基材の耐熱温度以下で適宜決定すれば良く、例えば室温乾燥でも良い。また塗膜の厚みには特に制限はないが、一般的に0.01〜200μmであることが好ましく、0.1〜100μmがより好ましい。0.01μmより薄いと均一にコートできない恐れがある。
シリコーン転写材は、転写層に対して粘着性を示す粘着剤からなる層がさらに積層されていてもよい。
[被転写体への転写方法]
シリコーン転写材の転写層を被転写体の表面に転写するには、まずシリコーン転写材を被転写体表面に沿うようにして押しつけ、加圧と加熱、もしくはその一方により転写層を被転写体に転写することができる。
加熱する場合の温度は、転写層の熱硬化温度に応じて設定され、一般に80〜180℃、好ましくは110〜180℃である。
[被転写体]
上記被転写体としては、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等のプラスチック成形体、各種金属成形体、ガラス、セラミックス等の無機物成形体、繊維製品、紙類などが挙げられる。
被転写体は平滑な被転写面を有する形状が好ましいが、被転写体の形状に合わせてシリコーン転写材を形状追随させることにより転写層を転写できる。
[粘着シート]
皮膚に貼り付けて用いる医療用の粘着テープや創傷被覆等に用いるための粘着シートを作製する場合、被転写体としての基材はたとえば、軟質塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂フィルム、ポリウレタンフィルムなどの樹脂フィルム、ポリエチレン不織布、レーヨン不織布、ポリウレタン不織布、発泡ポリウレタンフォームフィルムなどがあげられ、好ましくはポリウレタン不織布もしくは発泡ポリウレタンフォームフィルムである。基材の厚さは一般的には20〜700μm程度である。
シリコーン粘着剤組成物に有機過酸化物を配合した場合には、有機溶剤を除去したのちに、さらに160℃程度以上に感圧粘着剤を加熱して硬化させることが好ましい。なお、基材の一方の表面上に設けられる粘着層の厚さは、前記シリコーン粘着剤組成物の種類、得られる創傷被覆材の用途などによって異なるので、一概には決定することができないが、通常5〜50μm、好ましくは20〜40μmとなるように調整されることが望ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
シリコーン転写材の作製および評価は下記のように行った。
<シリコーン転写材の作製>
商品名MG7-9850 (東レ・ダウシリコーン 製) を用い、A剤/B剤を1:1の割合で均一に攪拌し、シリコーン粘着剤液とした。
得られたシリコーン粘着剤液を、基材上にバーコーターを用いて塗布し、130℃または170℃で3分間加熱乾燥(加熱硬化)を行い、膜厚50μmの転写層を形成した。その後、室温に冷却した。各実施例における加熱乾燥温度(硬化温度)は表1または表2中に示す。
<塗工性評価>
シリコーン粘着層塗工後の表面状態を形状解析レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−X100)で観察した。
○…波打ち無し
×…波打ち有り
<転写塗工試験(転写層剥離性評価)>
転写フィルムを幅19mmのテープ状にカットし、基材側の面を固定のためステンレス鋼板に市販の両面テープを用いて接着し、転写層側の面は市販の粘着テ―プ( 住友スリーエム(株)製、商品名:ガラスクロステープ No.69J、幅19mm)を重さ2 kgのゴムロ―ラを2往復させて圧着した。その後、引張試験機(東洋精機製ストログラフE−S)を用い、ステンレス鋼板を固定し、23 ℃ で50 mm/分の速度で粘着テープを180 °方向に剥離し、剥離に要する力( 3 個の試料の平均値、単位(N/19mm))を測定した。剥離に要する力が小さいほど、剥離性に優れる。
<転写後の外観>
転写塗工試験(転写層剥離性評価)後の各基材上の糊残りを観察した。
基材上に糊残りがなければ完全に剥離したことを示し、すなわち転写後の転写層の表面荒れがないことを示す。
○…完全に剥離
△…面積当たりの糊残りが0〜70 %
×…面積当たりの糊残りが70〜99 %
<形状追随性評価>
基材を一辺が10mm 、高さ5 mm の四角錐の金属片に突っ張るように押し当てた後に剥がし、四角錐を押し当てた部位に残る突起を観察した。基材に四角錐形状が残っているようであれば追随性が優れるものと判断し○と評価、四角錐形状が認められない場合は追随性が劣るものと判断し×と評価、どちらともいえない場合は△とした。
[実施例1]
基材としてポリメチルペンテン系ラミネート紙を用いて転写材を作製した。
ポリメチルペンテン系ラミネート紙は、基材紙(大興製紙(株)製)上へポリ4−メチル−1−ペンテン(商品名:TPX DX350、(MFR(260℃、5kg荷重)110g/10分、融点(Tm)233℃)三井化学(株)製)を以下の条件にて積層して得た(表面層の厚み50μm)。
<押出ラミネーション成形>押出ラミネーター:サーモ社製
30mmΦ共押出ラミネーター
押出温度:C1 /C2 /C3 /C4 /A/FB/D=290/320/320/320/320/310/310℃
ダイス巾 300mm
また、ポリ−4−メチル−1−ペンテンの物性測定方法は以下の通りである。
(メルトフローレート(MFR))
ASTM D1238に準拠して260℃、5kgf(5kg荷重)で測定した。
(融点(Tm))
4−メチル−1−ペンテン系重合体の項に記載した測定方法に従ったが、さらに詳しくは、島津製作所社製DSC−60を用いて30〜280℃の温度範囲、速度10℃/分、窒素雰囲気下で測定した。
[実施例2]
加熱乾燥温度(硬化温度)を130℃から170℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてシリコーン転写材を作製した。
[比較例1]
基材として、シリコーン処理のされたポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:テイジンピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)製、厚さ50μm)を用いて転写材を作製、評価した。
[比較例2]
基材としてETFEフィルム(商品名:アフレックス、旭硝子(株)製、厚さ40μm)を用いて転写材を作製、評価した。
[比較例3]
基材としてポリエチレンラミネート紙(王子タック(株)製、厚さ350μm)を用いて転写材を作製、評価した。
[比較例4]
基材としてポリプロピレンラミネート紙を用いて転写材を作製、評価した。
ポリプロピレンラミネート紙は、基材紙(大興製紙(株)製)上へポリプロピレン(商品名:E−200GP、プライムポリマー(株)製)を以下の条件にて積層して得た(表面層の厚み50μm)。
<押出ラミネーション成形>押出ラミネーター:サーモ社製
30mmΦ共押出ラミネーター
押出温度:C1 /C2 /C3 /C4 /A/FB/D=270/285/285/285/285/285/285℃
ダイス巾 300mm
[比較例5]
加熱乾燥温度(硬化温度)を130℃から170℃に変更した以外は、比較例4と同様にしてシリコーン転写材を作製、評価した。
以上の実施例および比較例で得られた転写材の評価結果を表1、2に示す。4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む基材を用いたシリコーン転写材(実施例)は、塗工性に優れ、転写層剥離性および転写後の外観に優れ、さらに形状追随性に優れる。また高温化での熱処理にも耐えることがわかる。
Figure 2016055453
Figure 2016055453

Claims (5)

  1. 4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む基材上に、シロキサン組成物からなる転写層を有するシリコーン転写材。
  2. 前記シロキサン組成物がシリコーンゲル接着剤である、請求項1に記載のシリコーン転写材。
  3. 前記の基材がラミネート紙である、請求項1または2に記載のシリコーン転写材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコーン転写材の転写層を、被転写体に転写することを特徴とする表面コート方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコーン転写材の転写層を、ポリウレタン不織布もしくは発泡ポリウレタンフォームフィルムに転写することを特徴とする、粘着シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107776143A (zh) * 2016-08-29 2018-03-09 江苏绿艳高分子材料有限公司 一种tpu复合材料
WO2023202470A1 (zh) * 2022-04-20 2023-10-26 杜邦电子公司 可固化硅氧烷组合物及其在皮肤护理产品中的应用

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