JP2016055309A - 金属板の接合構造 - Google Patents

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成信 大澤
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Abstract

【課題】3枚の金属板を少ない接合箇所で簡単かつ確実に接合させることが可能で、液密性にも優れる金属板の接合構造を提供する。
【解決手段】対向する第1の金属板と第2の金属板の間に第3の金属板を位置させて接合させる金属板の接合構造で、第3の金属板に板厚方向に貫通する貫通部を形成し、第1の金属板と第2の金属板のいずれか一方から、第3の金属板の貫通部を通して第1の金属板と第2の金属板の他方に対して当接する座面部を突出させ、座面部で第1の金属板と第2の金属板を接合させた。
【選択図】図10

Description

本発明は金属板の接合構造に関する。
自動車のドアフレームなどでは、3枚の金属板を重ねて接合した部位が多く存在する。このような部位では、積層した3枚の金属板をスポット溶接などでまとめて接合させるのが一般的である。これとは異なり、3枚の金属板のうち積層方向の両側に位置する金属板の一方に貫通穴を形成し、貫通穴を形成していない側の金属板と中間の金属板とを溶接により接合させる構造も知られている(特許文献1)。金属板がアルミ製の場合、3枚の金属板をまとめてスポット溶接しにくいため、このような貫通穴を通して溶接させる接合構造が適している。
特開2014-19215号公報
積層する3枚の金属板をまとめて溶接する構造や、貫通穴を通して積層方向の両側の金属板と中間の金属板を個別に接合させる構造は、溶接部分の強度が不足した場合に両側の金属板の間から中間の金属板が脱落したり位置ずれしたりするおそれがあるので、溶接箇所の数を多くして接合強度を確保する必要がある。また、3枚の金属板をまとめて溶接することは溶接不良の原因となる。また、金属板3枚分の厚みを確実に貫通する溶接部を形成するためには、使用できる溶接器具が制約され、接合作業における手間やコストがかかるという問題があった。さらに、積層方向の両側に位置する金属板に溶接用の貫通穴を形成する場合、貫通穴を通して外側から水滴が浸入するおそれがあり、液密性を求められる部位では採用しにくい。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、3枚の金属板を少ない接合箇所で簡単かつ確実に接合させることが可能で、液密性にも優れる金属板の接合構造を提供することを目的とする。
本発明は、対向する第1の金属板と第2の金属板の間に第3の金属板を位置させて接合させる金属板の接合構造において、第3の金属板に板厚方向に貫通する貫通部を形成し、第1の金属板と第2の金属板のいずれか一方から、第3の金属板の貫通部を通して第1の金属板と第2の金属板の他方に対して当接する座面部を突出させ、座面部で第1の金属板と第2の金属板を接合させたことを特徴とする。
一つの形態として、第1の金属板と第2の金属板のいずれか一方と第3の金属板を密着して接合させ、第1の金属板と第2の金属板の他方と第3の金属板との間に板厚方向の隙間が存在するようにできる。
異なる形態として、第3の金属板を第1の金属板と第2の金属板の両方に対して密着して接合させることもできる。
以上の本発明によれば、3枚の金属板を少ない接合箇所で簡単かつ確実に接合させることができ、接合箇所からの水滴の浸入も生じにくくすることができる。
車両の前方側面ドアを示す斜視図である。 図1からドアパネルを除いたドアフレームの斜視図である。 ドアフレームを構成するリアサイドサッシュとロックリンフォースの結合体を車外側から見た斜視図である。 リアサイドサッシュとロックリンフォースの分解状態の斜視図である。 図3の矢印Vに沿う範囲でリアサイドサッシュとロックリンフォースのそれぞれの接続部を縦断して示した縦断面図である。 図5のVI-VI線に沿う位置におけるリアサイドサッシュの横断面図である。 図5のVII-VII線に沿う位置におけるリアサイドサッシュとロックリンフォースの横断面図である。 図5のVIII-VIII線に沿う位置におけるリアサイドサッシュとロックリンフォースの横断面図である。 図5のIX-IX線に沿う位置におけるリアサイドサッシュとロックリンフォースとインナパネルの横断面図である。 リアサイドサッシュとロックリンフォースの第2の実施形態に係る接合構造を、図5に対応する縦断面で示した図である。 図10のXI-XI線に沿う位置におけるリアサイドサッシュとロックリンフォースの横断面図である。
以下、本発明による金属板の接合構造を自動車部品に適用した実施形態を説明する。図1は、本発明を適用する乗用車の前部座席用の側面ドア(以下、ドア)10の概略構造を車外側から見たものである。ドア10はドアパネル11とドアフレーム12を備え、ドアパネル11の上縁部とドアフレーム12の内周部に囲まれる領域が窓開口部13となっている。ドア10には窓開口部13内へ昇降可能なドアガラス(不図示)が保持される。ドアパネル11は、車外側に位置するアウタパネルと車内側に位置するインナパネル14とで構成され、図1のドアパネル11はアウタパネルを外したインナパネル14単独の状態を示しており、図9にもインナパネル14の一部を示している。以下の説明では、ドアフレーム12のうち窓開口部13に面する側を内周側、これと反対の側を外周側と呼ぶ。また、以下の説明における前後方向や上下方向は、ドア10が取り付けられる車両の前後方向や上下方向に対応するものである。
図2は、図1からドアパネル11(インナパネル14)を取り除いてドアフレーム12の構成要素を示したものである。ドアフレーム12は、ドア10の上縁部を形成するアッパサッシュ15と、アッパサッシュ15の後端部から下方へ延出されるリアサイドサッシュ16を備えている。アッパサッシュ15は、リアサイドサッシュ16に接続するドアコーナー部から離れて前方に進むにつれてドアパネル11に接近する傾斜形状を有しており、アッパサッシュ15の下端に続く位置にロアサッシュ17が設けられている。リアサイドサッシュ16は上下方向に向けて延設されている。アッパサッシュ15の下端部には前側ブラケット19が固定され、リアサイドサッシュ16の下端部にはロックリンフォース20が固定される。前側ブラケット19は不図示のドアミラーを支持し、ロックリンフォース20は不図示のドアロック機構を支持する。ロアサッシュ17、前側ブラケット19及びロックリンフォース20は、ドアパネル11におけるアウタパネルとインナパネル14の間の空間内に挿入されてインナパネル14に対して固定される 。ドア10はさらに前側ブラケット19とロックリンフォース20を接続するベルトラインリンフォースを有しているが、図面ではベルトラインリンフォースを省略している。
図3はリアサイドサッシュ16とロックリンフォース20を結合したものを示しており、図4はリアサイドサッシュ16の構成要素とロックリンフォース20を分解した状態を示している。図4ないし図9に示すように、リアサイドサッシュ16は、長尺部材であるドアフレームインナ30とガラスガイド40を組み合わせて構成されている。ドアフレームインナ30とガラスガイド40はそれぞれ板状の金属材料を成形加工したものである。
図6ないし図9に示すように、ドアフレームインナ30は、車内側に向けて突出する袋状断面の突出部31と、突出部31よりも車外側に位置する車外側フランジ32と、突出部31と車外側フランジ32を接続する接続部(第1の金属板)33とを有している。突出部31は、ドアフレーム12の内周側と外周側(前後方向)に離間して対向する内周部34及び外周部35と、車内側の位置で内周部34と外周部35を接続する車内側部36を有しており、外周部35に連続して接続部33が形成されている。突出部31の内周部34と外周部35は、車内側から車外側へ向かうにつれて互いの間隔を大きくする傾斜部として形成されている。
図6ないし図9に示すように、ガラスガイド40は、ドアフレーム12の内周側に向けて開かれたコ字状断面のチャンネル材であり、車外側に位置する車外側部41と、車内側に位置する車内側部42と、車外側部41と車内側部42の外周側を接続する接続部(第2の金属板)43と、車内側部42の内周側端部に続けて形成され車内側に向けて突出する突出部44とを有する。突出部44の縁部には車外側に向けて曲げられた曲げ部45が形成される。
ガラスガイド40は、ドアフレームインナ30の突出部31の車外側を塞ぐように組み付けられる。ガラスガイド40の車内側部42と突出部44がドアフレームインナ30の車内側部36に対して離間して対向し、突出部31と車内側部42及び突出部44が、内部を中空部Sとした閉鎖断面形状の筒状部を形成する。また、ガラスガイド40の接続部43がドアフレームインナ30の接続部33に対向し、ガラスガイド40の曲げ部45がドアフレームインナ30の内周部34に沿って位置する。図6ないし図8に示すように、ドアフレームインナ30には、突出部31を構成する内周部34の縁部を外周側(中空部Sの側)に折り返したヘミング部37が形成され、ヘミング部37が曲げ部45を挟着することによってガラスガイド40と結合される。また、図4ないし図6及び図8に示すように、ドアフレームインナ30の接続部33には、内周側へ向けて突出する座面部38が形成されている。座面部38はリアサイドサッシュ16の長手方向(上下方向)に位置を異ならせて複数箇所形成されており、各座面部38がガラスガイド40の接続部43に当接して溶接で固定される。この溶接部分を溶接部W1として図示した。溶接部W1ではスポット溶接が行われる。このようにドアフレームインナ30とガラスガイド40を結合させた状態で、車外側フランジ32と車外側部41がリアサイドサッシュ16における車外側を向く意匠部を構成する。突出部31と車内側部42及び突出部44によって形成される筒状部は、リアサイドサッシュ16の剛性を高める。座面部38が形成されていない領域ではドアフレームインナ30の接続部33とガラスガイド40の接続部43は離間しており、この接続部33と接続部43の間の隙間によって中空部Sが部分的に車外側に連通している。
内周側に向けて開かれているガラスガイド40内に、図示を省略するガラスランが取り付けられる。ガラスランは不図示のドアガラスの縁部の側面を車内側と車外側から挟んで弾性的に保持するリップを有し、ドアガラスはガラスランに保持されながらガラスガイド40に沿って上下方向に移動可能に支持される。ドアフレームインナ30のヘミング部37とガラスガイド40の曲げ部45の接合が突出部44内で行われているため、このヘミング接合部分がガラスランやドアガラスと干渉するおそれがない。詳細は省略するが、アッパサッシュ15にも、リアサイドサッシュ16のガラスガイド40に連続する形態のガラスガイドが形成されており、ガラスガイド40と共にドアガラスの昇降動作を案内する。
ドアフレームインナ30の外周側には、不図示のウェザストリップが支持される。ウェザストリップは弾性材からなり、ドアフレームインナ30の接続部33と外周部35を基底面として支持される脚部と、この脚部から外周側に向けて突出するリップ部を有している。ウェザストリップのリップ部はドア10を閉じたときに自動車のボディ側に対して弾性変形しながら当接して、ドアとボディの間を液密に塞ぐ。図示を省略するが、ドアフレームインナ30にはウェザストリップの脱落を防ぐための抜け止め部が設けられる。
ロックリンフォース20は板状の金属材料をプレス加工して形成されており、図4に示すように、図示しないドアロック機構が組み付けられるドアロック組付部21と、ドアロック組付部21の上部に突出するフレーム接合部22を有する。ドアロック組付部21はドアパネル11内(アウタパネルとインナパネル14の間)に位置してインナパネル14に対して固定される。インナパネル14に対するドアロック組付部21の締結箇所を図1に符号27で示した。
ロックリンフォース20のフレーム接合部22は、ドアロック組付部21をインナパネル14に固定した状態でドアパネル11から上方に突出する高さに形成されており、フレーム接合部22をドアフレームインナ30とガラスガイド40の間に挿入してロックリンフォース20がリアサイドサッシュ16と結合される。より詳しくは、図7ないし図9に示すように、フレーム接合部22は、車外側に位置する車外側フランジ23と車内側に位置する車内側フランジ24を接続部(第3の金属板)25で接続した形状を有している。リアサイドサッシュ16のうち、ロックリンフォース20と重ならない上方領域を示した図6と、ロックリンフォース20と重なる下方領域を示した図7ないし図9との比較から分かるように、リアサイドサッシュ16の下方領域では上方領域に比べて車外側フランジ32が車内側にオフセットしている。そして図7ないし図9に示すように、ロックリンフォース20のフレーム接合部22は、車外側フランジ32の車外側に車外側フランジ23を位置させ、接続部33と接続部43の間に接続部25を位置させ、かつ中空部S内に車内側フランジ24を位置させて、ドアフレームインナ30とガラスガイド40の間に挿入される。
ロックリンフォース20のフレーム接合部22は、溶接部W2(図5、図7)と溶接部W3(図7)でドアフレームインナ30に対して結合される。フレーム接合部22のうち接続部25は、ドアフレームインナ30の接続部33とガラスガイド40の接続部43の両方から密着した状態で挟まれ、溶接部W2では接続部33と接続部25が溶接される。溶接部W3では、フレーム接合部22のうち車外側フランジ23とドアフレームインナ30の車外側フランジ32が密着した状態で溶接される。これらの溶接部W2、W3ではスポット溶接が行われる。
これらの接合箇所と異なり、ロックリンフォース20のフレーム接合部22における車内側フランジ24は、中空部S内においてドアフレームインナ30側の車内側部36とガラスガイド40側の車内側部42及び突出部44との間に位置しており、ドアフレームインナ30とガラスガイド40のいずれに対しても当接及び固定されていない(図7ないし図9参照)。車内側フランジ24は車内側部36や車内側部42と略平行に延びており、車内側部42よりも車内側部36に接近した位置にある。
図5及び図8に示すように、ロックリンフォース20のフレーム接合部22には、接続部25を板厚方向に貫通する貫通穴(貫通部)26が形成されており、ドアフレームインナ30の座面部38の一つが貫通穴26に挿入されてガラスガイド40の接続部43に当接している。これにより、ドアフレームインナ30とガラスガイド40の間にロックリンフォース20のフレーム接合部22が挿入されている箇所においても、溶接部W1によるドアフレームインナ30とガラスガイド40の接合を行わせることができる。なお、接続部33と接続部43と接続部25のように3枚の金属板を重ねて固定する場合に、3枚の金属板のうち間に挟まれる(積層方向の中間に位置する)接続部25に貫通穴26を形成し、接続部25を挟む両側の金属板のうち一方の接続部33から座面部38を突出させて貫通穴26を通して他方の接続部43に接合させることで、両側の金属板(接続部33と接続部43)に穴を形成することなく接合を行うことができる。接続部33と接続部43はそれぞれウェザストリップとガラスランを支持する基底面として機能する部位である。そのため、接続部33や接続部43に穴を形成すると、この穴を通してリアサイドサッシュ16やドアパネル11の内部に雨水などの水滴が浸入するおそれがあるが、中間の金属板である接続部25に貫通穴26を形成した構成によれば、こうした不具合を防ぐことができる。
製造の手順としては、先にドアフレームインナ30とガラスガイド40を組み合わせるとロックリンフォース20の貫通穴26への座面部38の挿入が難しくなるため、ドアフレームインナ30に対してロックリンフォース20のフレーム接合部22の組み付けを先に行い(溶接部W2、W3での溶接を行い)、続いてドアフレームインナ30とガラスガイド40を結合させる(溶接部W1での溶接やヘミング部37の形成を行う)とよい。
リアサイドサッシュ16はロックリンフォース20を介してインナパネル14に固定されるが、リアサイドサッシュ16がインナパネル14に対して直接に固定される箇所も存在する。この箇所を図9に示している。前述のように、ドアフレームインナ30は内周部34の縁部を外周側(中空部Sの側)に折り返したヘミング部37を有するが、ロックリンフォース20のフレーム接合部22と重なる下方の一部領域には、ヘミング部37とは逆に内周部34の縁部を内周側(中空部Sと反対側)へ折り曲げた内周側フランジ39が形成されている。図9に示すように、インナパネル14はドアフレームインナ30の突出部31を車内側から覆う袋状断面形状の突出部50を有し、突出部50の内周側に延長される形で、ドアフレームインナ30の内周側フランジ39と重なる内周側フランジ51が形成されている。この内周側フランジ39と内周側フランジ51が重ねられて溶接部W4で溶接される。溶接部W4ではスポット溶接が行われる。このようにロックリンフォース20に加えてリアサイドサッシュ16の一部である内周側フランジ39をインナパネル14に固定することで、高い固定強度を得ることができる。
以上に説明したドアフレーム12によると、リアサイドサッシュ16を構成するドアフレームインナ30とガラスガイド40の間にロックリンフォース20のフレーム接合部22を挿入固定したことにより、高い強度が要求されるリアサイドサッシュ16とドアパネル11の接続部分の強度を高めつつ、ロックリンフォース20の外観への露出を抑えてデザイン的にも優れた構成となる。例えば、図示実施形態のロックリンフォース20とは異なり、ドアフレームインナ30の突出部31を車内側から覆う形状のロックリンフォースが知られているが、このような形状では突出部31とロックリンフォースとの間に段差が生じて見栄えに影響を及ぼすため、ドアパネル11から上方へ突出する領域での接合構造として適用しにくい。
ロックリンフォース20のフレーム接合部22のうち、車内側フランジ24は、中空部S内に位置してリアサイドサッシュ16(特に突出部31とガラスガイド40で囲まれる筒状部)を補強している。リアサイドサッシュ16ではガラスガイド40によってドアガラスを保持するため、ドアガラスを経由して加わる負荷に対する曲げ剛性を高めるには、図6ないし図9に示す物直方向の断面(リアサイドサッシュ16の長手方向と略直交する断面)内において、ガラスガイド40から離れた位置に補強用の構造体を配置することが有効である。このような観点から、ドアフレームインナ30の突出部31は車内側に大きく突出する形状となっている。そしてロックリンフォース20の車内側フランジ24も、ガラスガイド40の車内側部42に重なる位置ではなく、ドアフレームインナ30のうち最も車内側に位置する車内側部36の近傍まで車外側に寄せて(すなわちガラスガイド40の車内側部42から離して)配置されている。これにより、車内側フランジ24では高度な断面強度向上の効果が得られ、リアサイドサッシュ16とロックリンフォース20の接合部分の剛性アップに寄与している。
また、ロックリンフォース20の車内側フランジ24は、ドアフレームインナ30とガラスガイド40の間の中空部S内に位置するので、ガラスガイド40の車内側部42や突出部44に対して溶接などで固定するよりも、ガラスガイド40から離間した非固定状態とする方が、製造に手間がかからず生産性の点でも有利である。車内側フランジ24は、ガラスガイド40の車内側部42や突出部44だけでなくドアフレームインナ30の車内側部36への固定も配慮する必要がないため、精度管理が容易である。
図10と図11は、リアサイドサッシュ16とロックリンフォース20の接合構造の異なる実施形態(第2の実施形態とする)を示している。図10と図11では、先に説明した実施形態(第1の実施形態とする)と共通する部分については同じ符号を付している。第1の実施形態では、ロックリンフォース20の接続部25が、ドアフレームインナ30の接続部33とガラスガイド40の接続部43の両方に対して密着している(接続部33と接続部43に挟まれている)。これに対して第2の実施形態では、ロックリンフォース20の接続部(第3の金属板)125が、ドアフレームインナ30の接続部(第1の金属板)133と突出部31における外周部135に密着する一方で、ガラスガイド40の接続部(第2の金属板)143に対して密着せずに離間している。つまり、リアサイドサッシュ16やロックリンフォース20を構成する各部材の板厚などの条件が第1の実施形態と同じであると仮定した場合、第2の実施形態におけるドアフレームインナ30の接続部133とガラスガイド40の接続部143の間隔が、第1の実施形態の接続部33と接続部43の間隔よりも広く設定されている。これに応じて、ドアフレームインナ30の突出部31における外周部135の位置が、第1の実施形態の外周部35よりも外周側にシフトし、座面部138の突出量が第1の実施形態の座面部138よりも大きくなっている。
第1の実施形態と第2の実施形態のいずれも、ロックリンフォース20の接続部25、125に貫通穴26を形成し、この貫通穴26を通してドアフレームインナ30の接続部33、133の座面部38、138をガラスガイド40の接続部43、143に対して接合させている。このように、3枚の金属板のうち、積層方向の両側に位置する接続部33、133と接続部43、143が、積層方向の中間に位置する接続部25、125を部分的に貫通して(跨いで)接合する構造にすることで、中間の接続部25、125に対する保持強度を高めることができる。第1及び第2の実施形態とは異なる3枚の金属板の接合構造としては、3枚の金属板を単純に重ねてスポット溶接などでまとめて接合させる構造や、3枚の金属板のうち積層方向の両側に位置する金属板と中間の金属板を個別に(2枚ずつ)接合させる構造(この場合、両側に位置する金属板の少なくとも一方に溶接用の貫通穴を形成する)を選択することができる。しかし、3枚の金属板をスポット溶接などでまとめて接合する構造は、溶接の難度が高く、特に金属板の材質がアルミの場合に接合強度を確保しにくいという問題がある。また、3枚の金属板をまとめて接合する構造と、両側の金属板と中間の金属板を個別に接合させる構造はいずれも、溶接強度が不足した場合に両側の金属板の間から中間の金属板が脱落したり位置ずれしてしまうおそれがあるので、溶接箇所の数を多くする必要がある。これらの構造に対して第1及び第2の実施形態の構成では、中間に位置するロックリンフォース20の接続部25、125に形成した貫通穴26にドアフレームインナ30の座面部38、138を挿入させた上で、座面部38、138をガラスガイド40の接続部43、143に溶接しているので、座面部38、138と貫通穴26の嵌合によってロックリンフォース20の接続部25、125の位置ずれや脱落を規制することができ、少ない溶接箇所(溶接部)で確実な接合を行うことができる。その上で、第1の実施形態の構成では、ロックリンフォース20の接続部25がドアフレームインナ30の接続部33とガラスガイド40の接続部43の両方に密着して挟まれるので、リアサイドサッシュ16とロックリンフォース20の間に所定の接合強度を得るための接合箇所(溶接部)の数を大幅に少なくすることができる。また、第2の実施形態の構成では、ドアフレームインナ30の接続部133とガラスガイド40の接続部143の間隔をロックリンフォース20の接続部125の板厚に影響されずに設定することができるため、接続部133と接続部143の互いの位置精度(面精度)を高くすることができる。
さらに、前述したように、積層方向の中間に位置する接続部25、125に形成した貫通穴26を通して両側の接続部33、133(座面部38、138)と接続部43、143を接合させ、接続部33、133や接続部43、143には貫通穴26に相当する貫通部分を形成しない構成にしたことで、外部からリアサイドサッシュ16やドアパネル11内への水滴の浸入を防ぐ効果も得られる。
以上、図示実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は図示した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない限りにおいて改良や改変が可能である。例えば、図示実施形態は乗用車の前部座席用の側面ドア10におけるリアサイドサッシュ16とロックリンフォース20の接合に適用したものであるが、本発明の適用範囲は自動車の前部座席用の側面ドアに限定されるものではなく、3枚の金属板を重ねて接合させる構造を備える技術分野に広く適用することができる。例えば、ドアフレームにおけるサイドサッシュやアッパサッシュでは、図示実施形態におけるドアフレームインナ30とガラスガイド40に相当する2部材に加えて、ウェザストリップを保持する保持部材などを組み合わせた構成が広く知られている。このようなサイドサッシュやアッパサッシュを構成する3部材の接合に対して本発明を適用することもできる。また、車両用ドアを構成する部材の接合に適用する場合、リアドアにおけるフロントサイドサッシュとブラケットの接合などにも適用できる。
図示実施形態では、ドアフレームインナ30とガラスガイド40の接合部位として、ドアフレームインナ30側に座面部38、138を突出形成しているが、これとは逆にガラスガイド40側に同様の座面部を形成することも可能である。
図示実施形態の溶接部W1、W2、W3及びW4ではスポット溶接で接合させているが、本発明は金属板を接合させる具体的な手法を問うものではない。
10 ドア
11 ドアパネル
12 ドアフレーム
13 窓開口部
14 インナパネル
15 アッパサッシュ
16 リアサイドサッシュ
17 ロアサッシュ
19 前側ブラケット
20 ロックリンフォース
21 ドアロック組付部
22 フレーム接合部
23 車外側フランジ
24 車内側フランジ
25 125 接続部(第3の金属板)
26 貫通穴(貫通部)
27 インナパネルとドアロック組付部の締結箇所
30 ドアフレームインナ
31 突出部
32 車外側フランジ
33 133 接続部(第1の金属板)
34 内周部
35 135 外周部
36 車内側部
37 ヘミング部
38 138 座面部
39 内周側フランジ
40 ガラスガイド
41 車外側部
42 車内側部
43 143 接続部(第2の金属板)
44 突出部
45 曲げ部
50 突出部
51 内周側フランジ
S 中空部
W1 W2 W3 W4 溶接部

Claims (3)

  1. 対向する第1の金属板と第2の金属板の間に第3の金属板を位置させて接合させる金属板の接合構造において、
    上記第3の金属板に板厚方向に貫通する貫通部を形成し、
    上記第1の金属板と上記第2の金属板のいずれか一方から、上記貫通部を通して上記第1の金属板と上記第2の金属板の他方に対して当接する座面部を突出させ、上記座面部で上記第1の金属板と上記第2の金属板を接合させたことを特徴とする金属板の接合構造。
  2. 請求項1記載の金属板の接合構造において、上記第1の金属板と上記第2の金属板のいずれか一方と上記第3の金属板が密着して接合され、上記第1の金属板と上記第2の金属板の他方と上記第3の金属板との間に板厚方向の隙間が存在する金属板の接合構造。
  3. 請求項1記載の金属板の接合構造において、上記第3の金属板は、上記第1の金属板と上記第2の金属板の両方に対して密着して接合されている金属板の接合構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010240678A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Seki Kogyo Kk プレート積層構造、プレート補強構造、プレート接続構造及びプレート積層方法

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