JP5096948B2 - 建機キャブ構造 - Google Patents

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本発明は、上下に延びるピラー部と、そのピラー部の上端部に架け渡されたヘッダー部および下端部に架け渡されたクロスメンバー部とを有する建設機械のキャブ構造に関するものである。
従来、建設機械のキャブの構造として、例えば、特許文献1や図8に示すようなものが知られている。
図8に示すように、キャブ81の前部には、上下に延びる左右一対のフロントピラー部82が設けられる。それら一対のフロントピラー部82の上端部の間にはフロントヘッダー部83が架け渡され、下端部の間にはフロントクロスメンバー部86が架け渡される。
キャブ81の後部には、上下に延びる左右一対のリヤピラー部84が設けられ、そのリヤピラー部84とフロントピラー部82との間には、前後に延びる左右一対のルーフレール部85が架け渡される。
フロントピラー部82は、非円形の異型断面を有しており、そのフロントピラー部82はルーフレール部85と一体的に形成される。このように、異型鋼管のフロントピラー部82は後方まで伸展するルーフレール部85を含めて一体化される構造が一般的である。
フロントピラー部82およびルーフレール部85は、例えば、丸パイプにロールフォーミング加工や引き抜き加工などを施して、所定の断面形状の異型鋼管を形成し、その異型鋼管をL字状に曲げ加工して形成される。
特開2002−115268号公報
しかしながら、上述したキャブ構造では、フロントヘッダー部83は、フロントピラー部82とは別部材であり、フロントヘッダー部83をアーク溶接によりフロントピラー部82に接合する構造をとっていたので、フロントヘッダー部83とフロントピラー部82との接合部の強度が弱いという問題があった。
そのため、建設機械の横転時の荷重入力により、フロントヘッダー部83とフロントピラー部82との接合部が大変形し、作業者安全を満足しない虞があった。
また、フロントヘッダー部83とフロントピラー部82との溶接部(コーナー部)Wuおよびフロントクロスメンバー部86とフロントピラー部82との溶接部Wlに、建設機械の走行時の振動などによる応力が集中し、溶接部の亀裂、破断につながることがあった。
以上から、従来のキャブ構造では、フロントヘッダー部83とフロントピラー部82との接合部を補強する必要があったが、従来のキャブ構造の場合、予め所定断面に形成された異型鋼管を使用することから、断面の変化ができないために別部材のリブなどで補強を実施せざるを得ず、部品点数の増加、溶接箇所の増加を招き、コストアップにつながっていた。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、強度の向上と製造コストの低減とを図った建機キャブ構造を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、建設機械のキャブの前部に設けられ上下に延びる左右のフロントピラー部と、それらフロントピラー部の上端部の間に架け渡されたフロントヘッダー部と、上記フロントピラー部の下端部の間に架け渡されたフロントクロスメンバー部とを備えた建機キャブ構造において、上記左右のフロントピラー部と上記フロントヘッダー部と上記フロントクロスメンバー部とが、断面中空状の単一のフロントパイプ部材を矩形状に曲げると共にそのフロントパイプ部材の両端部を接合して体に形成されたものである。
好ましくは、上記フロントピラー部、上記フロントヘッダー部および上記フロントクロスメンバー部の断面形状が、上記矩形状に曲げたフロントパイプ部材をハイドロフォーム成形することにより形成されたものである。
好ましくは、上記フロントパイプ部材の上端部に、上記キャブの天井に沿って前後に延びる断面中空状のルーフレール部の前端を嵌め合わせるための突出部が形成されたものである。
好ましくは、上記フロントピラー部と上記フロントヘッダー部とが交わるコーナー部および上記フロントピラー部と上記フロントクロスメンバー部とが交わるコーナー部が、上記フロントパイプ部材をハイドロフォーム成形することにより、各々拡管されたものである。
上記目的を達成するために本発明は、建設機械のキャブの後部に設けられ上下に延びる左右のリヤピラー部と、それらリヤピラー部の上端部の間に架け渡されたリヤヘッダー部と、上記リヤピラー部の下端部の間に架け渡されたリヤクロスメンバー部とを備えた建機キャブ構造において、上記左右のリヤピラー部と上記リヤヘッダー部と上記リヤクロスメンバー部とが、断面中空状の単一のリヤパイプ部材を矩形状に曲げると共にそのリヤパイプ部材の両端部を接合して体に形成されたものである。
好ましくは、上記リヤピラー部、上記リヤヘッダー部および上記リヤクロスメンバー部の断面形状が、上記矩形状に曲げたリヤパイプ部材をハイドロフォーム成形することにより形成されたものである。
好ましくは、上記リヤパイプ部材の上端部に、上記キャブの天井に沿って前後に延びる断面中空状のルーフレール部の後端を嵌め合わせるための突出部が形成されたものである。
好ましくは、上記リヤピラー部と上記リヤヘッダー部とが交わるコーナー部および上記リヤピラー部と上記リヤクロスメンバー部とが交わるコーナー部が、上記リヤパイプ部材をハイドロフォーム成形することにより、各々拡管されたものである。
本発明によれば、建設機械のキャブの強度を向上させることができ、かつ製造コストを低減させることができるという優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本実施形態の建機キャブ構造は、例えば、パワーショベルなどの建設機械のキャブ(キャビン、運転室)に適用される。
建機キャブ構造は、閉断面形状(断面中空状)の部材(例えば、鋼管など)を複数組み合わせると共に、それらの部材の間をパネル、ドア、ウインドウなどで覆い構成される。
図1に基づき建機キャブ構造の概略構造を説明する。以下の説明において、前後、左右、上下とは、キャブ内の乗員から見た方向をいう。
図1に示すように、建機キャブ構造1は、キャブの前部に設けられ上下に延びる左右のフロントピラー部3と、それらフロントピラー部3の上端部の間に架け渡されたフロントヘッダー部4と、フロントピラー部3の下端部の間に架け渡されたフロントクロスメンバー部5と、キャブの後部に設けられ上下に延びる左右のリヤピラー部6と、それらリヤピラー部6の上端部の間に架け渡されたリヤヘッダー部7と、リヤピラー部6の下端部の間に架け渡されたリヤクロスメンバー部8(図5参照)と、フロントピラー部3の上端部とリヤピラー部6の上端部との間に各々架け渡された左右のルーフレール部9と、フロントピラー部3の下端部とリヤピラー部6の下端部との間に各々架け渡された左右のサイドメンバー部10(図5参照)とを備える。
左右のフロントピラー部3の間には、キャブの前面を覆うフロントウインドウ11が設けられ、リヤピラー部6の間には、後面を覆うリヤパネル(図示せず)が設けられる。
左右いずれか一方(図例では左側)のフロントピラー部3とリヤピラー部6の間には、上下に延びるサイドピラー部12が設けられる。サイドピラー部12の前方には、ドア13が設けられ、後方には、クォータウインドガラス41を有する左側サイドパネル14が設けられる。
他方(図例では右側)のフロントピラー部3とリヤピラー部6との間には、図示しない右側サイドパネルが設けられる。
左右のルーフレール部9の間には、キャブの天井面を覆うルーフパネル15が設けられる。
この建機キャブ構造1が、建設機械の旋回フレーム71(図7参照)上にキャブマウンティング部材72により取り付けられる。その旋回フレーム71によりキャブの床面が覆われる。
これら建機キャブ構造1、旋回フレーム71の上部および操作レバー類などからキャブが構成される。
図1から図3に基づき、建機キャブ構造1のフロント側を説明する。
本実施形態では、左右のフロントピラー部3とフロントヘッダー部4とフロントクロスメンバー部5とが、前後方向から視て矩形状に曲げられた断面中空状のフロントパイプ部材21で一体的に形成される。
フロントパイプ部材21は、上下に長い長方形状を有し、その長方形の長辺がフロントピラー部3を各々なし、上側の短辺がフロントヘッダー部4をなし、下側の短辺がフロントクロスメンバー部5をなす。
フロントパイプ部材21は、上端部側を後方に傾斜させて配置され、フロントピラー部3は斜め後方に傾斜しつつ上方に延びる。
フロントパイプ部材21は、丸パイプ(鋼管)などのパイプ材(以下、ブランクパイプ材という)を矩形状にプレス曲げ加工(プリベンド)し、その曲げ加工されたブランクパイプ材の両端を接合して形成される。
曲げ加工は、ブランクパイプ材の両端部が、矩形の辺部(直線部)で突き合わされるように、プレス加工などにより行われる。図例では、ブランクパイプ材の両端が、フロントクロスメンバー部5の中間部で突き合わされて、溶接接合される(接合部を図1の符号Jで示す)。
詳しくは後述するが、本実施形態では、ブランクパイプ材を曲げ加工した後、両端を接合する前に、ブランクパイプ材(フロントパイプ部材21)をハイドロフォーム成形(液圧プレス加工)する。
フロントパイプ部材21は、フロントピラー部3、フロントヘッダー部4およびフロントクロスメンバー部5の断面形状が、互いに異なる形状を有し、各部の必要機能(フロントウインドウ11などの取付けや強度など)に応じた形状に形成される。
すなわち、フロントヘッダー部4の断面は、死角を最小限に抑えつつ転倒時の入力に対し剛性が確保可能な構造に形成される。また、各機能断面の変化部は応力集中を避ける形状になっている。
具体的には、図2および図3に示すように、フロントパイプ部材21の内周面(フロントヘッダー部4の下面、フロントピラー部3の内側面およびフロントクロスメンバー部5の上面)の前縁部に、キャブの内方側に突出しフロントウインドウ11のサッシをなす枠部22が全周に亘り形成される。
また、フロントヘッダー部4の上面の後縁部に、キャブの内方側(下側)に凹みルーフパネル15が嵌め込まれるルーフパネル取付段差部23が形成され、フロントピラー部3の外側面の後縁部に、キャブの内方側に凹みドア13(または右側サイドパネル)が嵌め込まれるサイドパネル取付段差部24が形成される。
フロントピラー部3、フロントヘッダー部4およびフロントクロスメンバー部5の断面形状は、例えば、上述の曲げ加工したブランクパイプ材(フロントパイプ部材21)をハイドロフォーム成形することにより形成される。
すなわち、曲げ加工したブランクパイプ材を金型内に収容し、そのブランクパイプ材内に流体圧を付与することで、フロントピラー部3、フロントヘッダー部4およびフロントクロスメンバー部5の断面を同時に(一度に)成形する。
フロントピラー部3とフロントヘッダー部4とが交わるコーナー部(フロント上コーナー部)25、およびフロントピラー部3とフロントクロスメンバー部5とが交わるコーナー部(フロント下コーナー部)26は、転倒時の変形を防止すべく拡管されており、辺部(直線部)に比べて大きな断面積(断面係数)を有する。
より具体的には、フロント上コーナー部25とフロント下コーナー部26とのコーナー内側の面に、内方に突出する拡管部D(図2参照)が形成されており、その拡管部がガセット材として働くことになる。
これらフロント上コーナー部25およびフロント下コーナー部26の拡管は、例えば、上述したフロントパイプ部材21のハイドロフォーム成形により行われる。
フロントパイプ部材21の上端部には、ルーフレール部9の前端が嵌め合わされる突出部(以下、フロント突出部という)31が形成される。
フロント突出部31は、フロント上コーナー部25の後面から後方に突出し、ルーフレール部9の断面形状(中空部の形状)と相似かつ僅かに縮小された形状を有する。
フロント突出部31は、例えば、上述したフロントパイプ部材21のハイドロフォーム成形により形成される。
図1に戻り、フロントパイプ部材21の前面には、フロントウインドウ11が配置される。
フロントウインドウ11は、上下に2分割して構成され、上側のアッパーウインドウ32と下側のロアーウインドウ33とそれらアッパーウインドウ32とロアーウインドウ33との間のシール部材34とを有する。
アッパーウインドウ32は、キャブの前面から天井内側へと移動可能な跳ね上げ式の可動ウインドウであり、そのアッパーウインドウ32を案内するためのレール(図示せず)が、フロントピラー部3とルーフレール部9との内面に各々取り付けられる。
ここで、本実施形態の建機キャブ構造1を、パワーショベルに適用する場合はフロントウインドウ11を可動とするためレールの取付面が、一体化したフロントパイプ部材21とルーフレール部9とで、面一となるように形状を決めることが好ましい。
次に、図4から図6に基づき、建機キャブ構造1のリヤ側を説明する。
リヤ側は、フロント側と略同様の構造を、前後に対し逆にした構造を有する。
すなわち、左右のリヤピラー部6とリヤヘッダー部7とリヤクロスメンバー部8とが、矩形状に曲げた断面中空状のリヤパイプ部材35で一体的に形成される。
リヤピラー部6、リヤヘッダー部7およびリヤクロスメンバー部8は、互いに異なる断面形状を有し、各部の断面形状が必要機能(強度など)に応じた形状に形成される。
具体的には、図4および図5に示すように、リヤヘッダー部7の後面の下縁部、およびリヤピラー部6の後面の内縁部に、キャブの内方側(前側)に凹みリヤガラス(図示せず)が接着されるリヤガラス取付段差部36が形成される。
また、リヤピラー部6の外側面の前縁部に、キャブの内方側に凹みクォータウインドガラス41が接着されるクォータウインドガラス取付段差部38が形成される。
リヤピラー部6とリヤヘッダー部7とが交わるリヤ上コーナー部27およびリヤピラー部6とリヤクロスメンバー部8とが交わるリヤ下コーナー部28は、各々拡管され、ガセット材として働く拡管部が形成されると共に、辺部(直線部)に比べて大きな断面積(断面係数)を有する。
図6に示すように、リヤパイプ部材35の上端部の前面には、ルーフレール部9の後端を嵌め合わせるための突出部(リヤ突出部)39が形成される。そのリヤ突出部39は、リヤ上コーナー部27から前方に突出し、ルーフレール部9の後端内に挿入される。
リヤパイプ部材35は、フロントパイプ部材21と同様に、丸パイプ(鋼管)などのブランクパイプ材を矩形状に曲げ加工した後にハイドロフォーム成形し、その後、両端部を接合して形成される。
つまり、リヤピラー部6、リヤヘッダー部7およびリヤクロスメンバー部8の断面形状の形成と、リヤ上コーナー部27およびリヤ下コーナー部28の拡管と、リヤ突出部39の形成とは、フロント側と同様に、リヤパイプ部材35をハイドロフォーム成形することにより行われる。
図1に戻り、ルーフレール部9は、キャブの天井(ルーフパネル15の左右の外側縁部)に沿ってフロントパイプ部材21からリヤパイプ部材35まで前後に延びる。
ルーフレール部9は、断面中空状に形成され、前端がフロントパイプ部材21のフロント突出部31に嵌め合わされると共に後端がリヤパイプ部材35のリヤ突出部39に嵌め合わされる。
ルーフレール部9は、フロントパイプ部材21およびリヤパイプ部材35に溶接などにて接合され、その溶接の際に、フロント突出部31とリヤ突出部39とが裏当てとなる。
次に、図7に基づき本実施形態の建機キャブ構造1の作用について説明する。
建設機械の転倒時、その建設機械の自重や転倒の衝撃による荷重が建機キャブ構造1に加わる。
例えば、建設機械が左方に横転した場合には、建機キャブ構造1の左側面上部(ルーフレール部9や上コーナー部25、27)が接地し、その左側面上部からの横荷重Pが建機キャブ構造1に入力される。
その横荷重Pは、建機キャブ構造1のフロントパイプ部材21およびリヤパイプ部材35を剪断変形させるように作用する。
すなわち、横荷重Pは、フロントパイプ部材21側では、図7の仮想線Fで示すように、両フロントピラー部3を傾斜させると共にフロントヘッダー部4をフロントクロスメンバー部5に対して平行に移動させるように作用し、リヤパイプ部材35側でも同様に作用する。
このように建機キャブ構造1に入力される横荷重Pは、主に、フロントパイプ部材21およびリヤパイプ部材35の各コーナー部27−29での変形を引き起こすように働く。
ここで、本実施形態では、建機キャブ構造1のコーナー部27−29を、フロントパイプ部材21およびリヤパイプ部材35により継ぎ目なく連続して形成しているので、強度が高められており、建機キャブ構造1の上述した剪断変形が抑制される。
すなわち、図8の従来のキャブ構造では、キャブ81のコーナー部Wu、Wlが溶接接合により形成されていることから、コーナー部Wu、Wlはキャブ81の他の部位に比べて強度が弱い。そのため、建設機械の転倒時には、上述したような変形(図7符号F参照)が生じ易く、キャブ81(コーナー部Wu、Wl)が変形すると、その変形がきっかけとなってさらに変形が進み、その結果、コーナー部に荷重(応力)が集中することになってしまう。
これに対して、本実施形態では、コーナー部27−29は溶接箇所がないため十分な強度を有しており、建設機械の転倒時の上述したような変形が生じ難く、コーナー部27−29に応力が集中することがない。
特に、本実施形態では、建機キャブ構造1のコーナー部27−29を拡管してコーナー部27−29を補強しているので、これによっても転倒時の建機キャブ構造1の変形が抑制され、応力集中が緩和される。
このように、本実施形態の建機キャブ構造1によれば、転倒時にコーナー部27−29や接合部Jに加わる応力集中が緩和され、転倒時の荷重に対する剛性、強度を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、コーナー部27−29を拡管することで、コーナー部27−29に補強リブを設けたのと同様の効果が生じ、これによっても剛性を向上させることができる。その結果、補強リブなどが不要となり、部品点数および溶接箇所を低減することができ、製造コストを低減することができる。
また、コーナー部27−29の強度が高いことから、建設機械の走行時に地面から旋回フレーム71を介して建機キャブ構造1に伝達される振動による、コーナー部27−29での疲労破壊を防止できる。
その他にも、フロントパイプ部材21は、部品点数が少ないことから、各部品の精度のバラツキの総和が減じ、フロントウインドウ11周りの精度の向上が図れる。特に、アッパーウインドウ32が開閉可能な場合には、そのアッパーウインドウ32とフロントパイプ部材21との隙間のシール性を確保するために、フロントパイプ部材21には高い精度が要求されることになるが、本実施形態では、容易にアッパーウインドウ32のシール性を確保することができる。
また、フロントパイプ部材21の溶接が少ないことで溶接による入熱量が減じ、熱ひずみが減り、これによってもフロントウインドウ11周りの精度の向上が図れる。
フロントパイプ部材21およびリヤパイプ部材35の断面形状の形成に、ハイドロフォーム成形を用いることで、ロールフォーミングや引き抜き成形を用いる場合に比べて、局部的な延びが減じ残留応力が減り、精度を向上させることができる。
すなわち、図8の従来のキャブ構造では、フロントピラー部82およびルーフレール部85を一体的に形成するに際して、予め所定の断面形状に形成された異型鋼管をL字状に曲げ加工していたので、その曲げ加工により異型鋼管に局部的な延びが生じ、フロントピラー部82およびルーフレール部85に残留応力が発生していた。
これに対して、本実施形態では、丸パイプを曲げ加工(プリベンド)した後に、ハイドロフォーミングをして所定の断面形状を形成するので、曲げ加工による局部的な延びが少なく、残留応力の発生が抑制される。
また、フロントパイプ部材21およびリヤパイプ部材35が、連続した中空形状を有することから、ピラー部3、6、ヘッダー部4、8およびクロスメンバー部5、9の断面形状を、ハイドロフォームにより同時に成形することができ、キャブの製造に要する工程および時間を低減することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
図1は、本発明に係る一実施形態による建機キャブ構造の概略斜視図である。 図2は、キャブの内部から左上前方を視た斜視図であり、フロントピラー部およびフロントヘッダー部と、左側のルーフレール部とを示す。 図3は、キャブの内部から左下前方を視た斜視図であり、フロントピラー部およびフロントクロスメンバー部とを示す。 図4は、キャブの内部から左上後方を視た斜視図であり、リヤピラー部とリヤヘッダー部とを示す。 図5は、キャブの内部から左下後方を視た斜視図であり、リヤピラー部とリヤクロスメンバー部と、左側のサイドメンバー部を示す。 図6は、図4と同様に、キャブの内部から左上後方を視た斜視図であり、リヤピラー部およびリヤヘッダー部のみを示す。 図7は、本実施形態に係る建機キャブ構造の横転時の作用を説明するための図である。 図8は、従来の建機キャブ構造の概略斜視図である。
符号の説明
1 建機キャブ構造
3 フロントピラー部
4 フロントヘッダー部
5 フロントクロスメンバー部
6 リヤピラー部
7 リヤヘッダー部
8 リヤクロスメンバー部
9 ルーフレール部
10 サイドメンバー部
21 フロントパイプ部材
35 リヤパイプ部材

Claims (8)

  1. 建設機械のキャブの前部に設けられ上下に延びる左右のフロントピラー部と、それらフロントピラー部の上端部の間に架け渡されたフロントヘッダー部と、上記フロントピラー部の下端部の間に架け渡されたフロントクロスメンバー部とを備えた建機キャブ構造において、
    上記左右のフロントピラー部と上記フロントヘッダー部と上記フロントクロスメンバー部とが、断面中空状の単一のフロントパイプ部材を矩形状に曲げると共にそのフロントパイプ部材の両端部を接合して体に形成されたことを特徴とする建機キャブ構造。
  2. 上記フロントピラー部、上記フロントヘッダー部および上記フロントクロスメンバー部の断面形状が、上記矩形状に曲げたフロントパイプ部材をハイドロフォーム成形することにより形成された請求項1記載の建機キャブ構造。
  3. 上記フロントパイプ部材の上端部に、上記キャブの天井に沿って前後に延びる断面中空状のルーフレール部の前端を嵌め合わせるための突出部が形成された請求項1または2記載の建機キャブ構造。
  4. 上記フロントピラー部と上記フロントヘッダー部とが交わるコーナー部および上記フロントピラー部と上記フロントクロスメンバー部とが交わるコーナー部が、上記フロントパイプ部材をハイドロフォーム成形することにより、各々拡管された請求項1から3いずれかに記載の建機キャブ構造。
  5. 建設機械のキャブの後部に設けられ上下に延びる左右のリヤピラー部と、それらリヤピラー部の上端部の間に架け渡されたリヤヘッダー部と、上記リヤピラー部の下端部の間に架け渡されたリヤクロスメンバー部とを備えた建機キャブ構造において、
    上記左右のリヤピラー部と上記リヤヘッダー部と上記リヤクロスメンバー部とが、断面中空状の単一のリヤパイプ部材を矩形状に曲げると共にそのリヤパイプ部材の両端部を接合して体に形成されたことを特徴とする建機キャブ構造。
  6. 上記リヤピラー部、上記リヤヘッダー部および上記リヤクロスメンバー部の断面形状が、上記矩形状に曲げたリヤパイプ部材をハイドロフォーム成形することにより形成された請求項5記載の建機キャブ構造。
  7. 上記リヤパイプ部材の上端部に、上記キャブの天井に沿って前後に延びる断面中空状のルーフレール部の後端を嵌め合わせるための突出部が形成された請求項5または6記載の建機キャブ構造。
  8. 上記リヤピラー部と上記リヤヘッダー部とが交わるコーナー部および上記リヤピラー部と上記リヤクロスメンバー部とが交わるコーナー部が、上記リヤパイプ部材をハイドロフォーム成形することにより、各々拡管された請求項5から7いずれかに記載の建機キャブ構造。
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