JP2016054270A - 圧電素子利用装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッシベーション膜を形成する際に、圧電体膜が水素還元されるのを防止できる圧電素子利用装置を提供する。
【解決手段】圧電素子9の表面は、その一部を除いて、第1水素バリア膜14によって覆われている。第1水素バリア膜14上に絶縁膜15が積層されている。第1水素バリア膜14および絶縁膜15には、コンタクト孔33が形成されている。絶縁膜15上に、上部配線17が形成されている。上部配線17の一端部は、コンタクト孔33を介して圧電素子9の上部電極13に接続され、上部配線17の他端部は圧電素子9の外側に引き出されている。絶縁膜15上には、上部配線17を覆う第2水素バリア膜20が形成されている。第2水素バリア膜20上には、第2水素バリア膜20を覆うパッシベーション膜21が形成されている。
【選択図】図2B

Description

この発明は、圧電素子を利用した圧電素子利用装置およびその製造方法に関する。
特許文献1は、圧電素子を利用したインクジェットプリントヘッドを開示している。特許文献1のインクジェットプリントヘッドは、圧力室(キャビティ)を有するアクチュエータ基板と、圧力室に対向するようにアクチュエータ基板に支持された可動膜と、可動膜に接合された圧電素子とを備えている。圧電素子は、可動膜側から、下部電極、圧電体膜および上部電極を積層して構成されている。圧電素子の上面全域および側面全域は、Al(アルミナ)からなる水素バリア膜によって覆われている。水素バリア膜上にはSi0からなる絶縁膜(層間絶縁膜)が形成されている。
絶縁膜上には、上部電極に接続される配線が形成されている。配線の一端部は、上部電極の一端部の上方に配置されている。配線と上部電極との間において、水素バリア膜および絶縁膜を連続して貫通するコンタクト孔が形成されている。配線の一端部は、コンタクト孔に入り込み、コンタクト孔内で上部電極に接続されている。配線は、上部電極の上方から、圧力室の外縁を横切って圧力室の外方に延びている。絶縁膜上には、上部配線を覆うSiNからなるパッシベーション膜(表面保護膜)が形成されている。
特開2013−119182号公報
特許文献1のインクジェットプリントヘッドでは、絶縁膜上に配線を覆うSiNからなるパッシベーション膜が形成されている。このようなパッシベーション膜は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって形成されることが多い。SiNからなるパッシベーション膜をプラズマCVDで形成する際には、次に示すような化学反応によって、水素が発生する。
3SiH+4NH→Si+12H
パッシベーション膜を形成する際には、圧電素子の表面のほぼ全域は、水素バリア膜および絶縁膜によって覆われている。しかしながら、圧電素子の表面のうち、水素バリア膜および絶縁膜にコンタクト孔が形成されている部分は、水素バリア膜によって覆われていない。このため、パッシベーション膜形成時に発生した水素が、配線、コンタクト孔および上部電極を通過して、圧電体膜に達する。これにより、圧電体膜が水素還元される。この結果、圧電体膜の耐圧不良が生じたり、圧電体膜のヒストリシス(分極)特性劣化が生じたりするおそれがある。
この発明の目的は、パッシベーション膜を形成する際に、圧電体膜が水素還元されるのを防止できる圧電素子利用装置およびその製造方法を提供することである。
この発明による圧電素子利用装置は、キャビティと、前記キャビティ上に配置されかつ前記キャビティの天面部を区画する可動膜と、前記可動膜上に形成された下部電極、前記下部電極上に形成された圧電体膜および前記圧電体膜上に形成された上部電極を含む圧電素子と、前記圧電素子の表面を覆い、かつ前記上部電極の一部を露出させるコンタクト孔を有する第1水素バリア膜と、一端部が前記コンタクト孔を介して前記上部電極に接続され、他端部が前記圧電素子の外側に引き出された配線と、前記可動膜の主面に対して法線方向から見た平面視において、前記配線の表面における少なくとも前記コンタクト孔を含む領域を覆う第2水素バリア膜と、前記配線および前記第2水素バリア膜を覆うパッシベーション膜とを含む。
この構成では、パッシベーション膜を形成する際に、圧電素子の表面のうち、コンタクト孔が形成されている部分以外の領域を第1水素バリア膜で覆うことができるとともに、配線の表面における少なくともコンタクト孔を含む領域を第2水素バリア膜で覆うことができる。これにより、パッシベーション膜形成時に発生した水素が、配線、コンタクト孔および上部電極を通過して、圧電体膜に達するのを防止できる。これにより、パッシベーション膜を形成する際に、圧電体膜が水素還元されるのを防止できる。これにより、圧電体膜の水素還元による特性劣化を防止することができる。
この発明の一実施形態では、前記第1水素バリア膜と前記配線との間に介在し、前記第1水素バリア膜の前記コンタクト孔と連通するコンタクト孔を有する絶縁膜をさらに含み、前記配線の一端部は、前記絶縁膜の前記コンタクト孔および前記第1水素バリア膜の前記コンタクト孔を介して、前記上部電極に接続されている。
この発明の一実施形態では、前記第1水素バリア膜は、前記上部電極の上面中央に開口を有し、前記上部電極の上面周縁部と、前記上部電極および前記圧電体膜の側面全域を覆っている。
この構成では、第1水素バリア膜は上部電極の上面中央に開口を有しているので、圧電体膜が変形しやすくなる。これにより、可動膜の変位量を大きくすることができる。
この発明の一実施形態では、前記平面視において、前記上部電極および前記圧電体膜は、それぞれ、前記可動膜よりも前記キャビティの内方に後退した周縁を有し、前記圧電体膜の側面を覆う前記第1水素バリア膜と前記可動膜の周縁との間領域に、前記第1水素バリア膜が形成されていない領域が存在する。
この構成では、上部電極および圧電体膜は、可動膜の周縁部上には配置されていないので、可動膜の変位をより大きくすることができる。さらに、この構成では、圧電体膜の側面を覆う第1水素バリア膜と可動膜の周縁との間領域に、第1水素バリア膜が形成されていない領域が存在するので、可動膜の変位量をさらに大きくすることができる。
この発明の一実施形態では、前記キャビティは、前記平面視において矩形状に形成されている。前記可動膜は、前記平面視において前記キャビティの周縁と整合する矩形状に形成されている。前記圧電体膜は、前記平面視において、前記可動膜の短手方向の幅より短い幅と、前記可動膜の長手方向の長さより短い長さとを有する矩形であり、その両端縁および両側縁が前記可動膜の両端縁および両側縁よりも前記可動膜の内方にそれぞれ後退している。前記上部電極は、前記平面視において、前記可動膜の短手方向の幅より短い幅と、前記可動膜の長手方向の長さより短い長さとを有する矩形であり、その両端縁および両側縁が前記可動膜の両端縁および両側縁よりも前記可動膜の内方にそれぞれ後退している。
この構成では、上部電極および圧電体膜は、可動膜の周縁部上には配置されていないので、可動膜の変位を大きくすることができる。
この発明の一実施形態では、前記絶縁膜はSiO膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記第1水素バリア膜はAlからなる。
この発明の一実施形態では、前記第2水素バリア膜はAlからなる。
この発明の一実施形態では、前記パッシベーション膜はSiN膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記パッシベーション膜は、プラズマCVDによって形成されているSiN膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記可動膜はSiO単膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記可動膜は、前記基板上に形成されたSi膜と、前記Si膜上に形成されSiO膜と、前記SiO膜上に形成されたSiN膜との積層膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記圧電体膜はPZT膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記上部電極はPt単膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記上部電極は、前記圧電体膜上に形成されたIr0膜と、前記Ir0膜上に形成されたIr膜との積層膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記下部電極は、前記可動膜側に形成されたTi膜と、前記Ti膜上に形成されたPt膜との積層膜からなる。
この発明による第1の圧電素子利用装置の製造方法は、下部電極、前記下部電極上に形成された圧電体膜および前記圧電体膜上に形成された上部電極からなる圧電素子を、可動膜上に形成する工程と、前記可動膜上に前記圧電素子を覆う第1水素バリア膜を形成する工程と、前記圧電素子上において、前記第1水素バリア膜に、前記上部電極の一部を露出させるコンタクト孔を形成する工程と、前記第1水素バリア膜上に、一端部が前記コンタクト孔を介して前記上部電極に接触し、他端部が前記圧電素子の外側に引き出された配線を形成する工程と、前記第1水素バリア膜上に前記配線を覆う第2水素バリア膜を形成する工程と、前記第2水素バリア膜上に、パッシベーション膜を形成する工程とを含む。
この圧電素子利用装置の製造方法では、パッシベーション膜の形成工程時には、圧電素子の表面のうちコンタクト孔が形成されている部分以外の領域は第1水素バリア膜によって覆われているとともに、配線は第2水素バリア膜によって覆われている。したがって、パッシベーション膜の形成工程時に発生した水素が、配線、コンタクト孔および上部電極を通過して、圧電体膜に達するのを防止できる。これにより、パッシベーション膜の形成工程時に、圧電体膜が水素還元されるのを防止できる。これにより、圧電体膜の水素還元による特性劣化を防止することができる。
この発明による第2の圧電素子利用装置の製造方法は、下部電極、前記下部電極上に形成された圧電体膜および前記圧電体膜上に形成された上部電極からなる圧電素子を、可動膜上に形成する工程と、前記可動膜上に、前記圧電素子を覆う第1水素バリア膜を形成する工程と、前記第1水素バリア膜上に絶縁膜を形成する工程と、前記圧電素子上において、前記絶縁膜および前記第1水素バリア膜に、前記上部電極の一部を露出させるコンタクト孔を形成する工程と、前記絶縁膜上に、一端部が前記コンタクト孔を介して前記上部電極に接触し、他端部が前記圧電素子の外側に引き出された配線を形成する工程と、前記絶縁膜上に前記配線を覆う第2水素バリア膜を形成する第5工程と、前記第2水素バリア膜上に、パッシベーション膜を形成する第6工程とを含む。
この圧電素子利用装置の製造方法においても、前記第1の圧電素子利用装置の製造方法と同様な効果が得られる。
図1Aは、この発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの構成を説明するための図解的な平面図である。 図1Bは、図1の要部の拡大平面図である。 図2Aは、図1AのIIA-IIA線に沿う図解的な断面図である。 図2Bは、図2Aの要部の拡大断面図である。 図3は、図1AのIII-III線に沿った切断面のうちの一部を図解的に示す拡大断面図である。 図4は、図4は、図2BのIV-IV線に沿う図解的な拡大断面図である。 図5は、前記インクジェットプリントヘッドの下部電極のパターン例を示す図解的な平面図である。 図6は、前記インクジェットプリントヘッドの第1水素バリア膜のパターン例を示す図解的な平面図である。 図7は、前記インクジェットプリントヘッドの層間絶縁膜のパターン例を示す図解的な平面図である。 図8は、前記インクジェットプリントヘッドの第2水素バリア膜およびパッシベーション膜のパターン例を示す図解的な平面図である。 図9Aは、前記インクジェットプリントヘッドの製造工程の一例を示す断面図である。 図9Bは、図9Aの次の工程を示す断面図である。 図9Cは、図9Bの次の工程を示す断面図である。 図9Dは、図9Cの次の工程を示す断面図である。 図9Eは、図9Dの次の工程を示す断面図である。 図9Fは、図9Eの次の工程を示す断面図である。 図9Gは、図9Fの次の工程を示す断面図である。 図9Hは、図9Gの次の工程を示す断面図である。 図9Iは、図9Hの次の工程を示す断面図である。 図9Jは、図9Iの次の工程を示す断面図である。 図9Kは、図9Jの次の工程を示す断面図である。 図9Lは、図9Kの次の工程を示す断面図である。 図9Mは、図9Lの次の工程を示す断面図である。 図9Nは、図9Mの次の工程を示す断面図である。 図9Oは、図9Nの次の工程を示す断面図である。 図10は、前記インクジェットプリントヘッドの制限流路の他の例を説明するための図解的な拡大断面図である。 図11は、圧電体膜のパターンの他の例を図解的に示す平面図である。 図12は、圧電体膜のパターンのさらに他の例を図解的に示す平面図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1Aは、この発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの構成を説明するための図解的な平面図である。図1Bは、図1の要部の拡大平面図である。図2Aは、図1AのIIA-IIA線に沿う図解的な断面図である。図2Bは、図2Aの要部の拡大断面図である。図3は、図1AのIII-III線に沿った切断面のうちの一部を図解的に示す拡大断面図である。図4は、図2BのIV-IV線に沿う図解的な拡大断面図である。図5は、前記インクジェットヘッドの下部電極のパターン例を示す図解的な平面図である。
図2Aおよび図2Bを参照して、インジットプリントヘッド1の構成を概略的に説明する。
インジットプリントヘッド1は、アクチュエータ基板2と、ノズル基板3と、保護基板4とを備えている。アクチュエータ基板2の表面には、可動膜形成層10が積層されている。アクチュエータ基板2には、インク流路(インク溜まり)としての圧力室(キャビティ)5が形成されている。圧力室5は、この実施形態では、アクチュエータ基板2を貫通して形成されている。
ノズル基板3は、たとえばシリコン基板からなる。ノズル基板3は、アクチュエータ基板2の裏面2bに張り合わされている。ノズル基板3は、アクチュエータ基板2および可動膜形成層10とともに、圧力室5を区画している。より具体的には、ノズル基板3は、圧力室5の底面部を区画している。ノズル基板3は、圧力室5に臨む凹部3aを有し、凹部3aの底面にインク吐出通路3bが形成されている。インク吐出通路3bは、ノズル基板3を貫通しており、圧力室5とは反対側に吐出口3cを有している。したがって、圧力室5の容積変化が生じると、圧力室5に溜められたインクは、インク吐出通路3bを通り、吐出口3cから吐出される。
アクチュエータ基板2には、さらに、圧力室5に連通する制限流路6(図1A、図1Bおよび図4を合わせて参照)と、制限流路6に連通するインク流入部7とが形成されている。圧力室5は、図2Aおよび図2Bの左右方向であるインク流通方向41に沿って細長く延びて形成されている。
可動膜形成層10における圧力室5の天壁部分は、可動膜10Aを構成している。可動膜10A(可動膜形成層10)は、たとえば、アクチュエータ基板2上に形成された酸化シリコン(SiO)膜からなる。可動膜10A(可動膜形成層10)は、たとえば、アクチュエータ基板2上に形成されるシリコン(Si)膜と、シリコン膜上に形成される酸化シリコン(SiO)膜と、酸化シリコン膜上に形成される窒化シリコン(SiN)膜との積層膜から構成されていてもよい。この明細書において、可動膜10Aとは、可動膜形成層10のうち圧力室5の天面部を区画している天壁部を意味している。したがって、可動膜形成層10のうち、圧力室5の天壁部以外の部分は、可動膜10Aを構成していない。
可動膜10Aの厚さは、たとえば、0.4μm〜2μmである。可動膜10Aが酸化シリコン膜から構成される場合は、酸化シリコン膜の厚さは1.2μm程度であってもよい。可動膜10Aが、シリコン膜と酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層膜から構成される場合には、シリコン膜、酸化シリコン膜および窒化シリコン膜の厚さは、それぞれ0.4μm程度であってもよい。
圧力室5は、可動膜10Aと、アクチュエータ基板2と、ノズル基板3とによって区画されており、この実施形態では、略直方体状に形成されている。圧力室5の長さはたとえば800μm程度、その幅は55μm程度であってもよい。制限流路6は、圧力室5の長手方向一端部(この実施形態では、インク流通方向41の上流側の端部)に連通している。インク流入部7は、制限流路6の一端部(この実施形態では、インク流通方向41の上流側の端部)に連通している。
可動膜10Aの表面には、圧電素子9が配置されている。圧電素子9は、可動膜形成層10上に形成された下部電極11と、下部電極11上に形成された圧電体膜12と、圧電体膜12上に形成された上部電極13とを備えている。言い換えれば、圧電素子9は、圧電体膜12を上部電極13および下部電極11で上下から挟むことにより構成されている。
上部電極13は、白金(Pt)の単膜であってもよいし、たとえば、導電性酸化膜(たとえば、IrO(酸化イリジウム)膜)および金属膜(たとえば、Ir(イリジウム)膜)が積層された積層構造を有していてもよい。上部電極13の厚さは、たとえば、0.2μm程度であってもよい。
圧電体膜12としては、たとえば、ゾルゲル法またはスパッタ法によって形成されたPZT(PbZrTi1−x:チタン酸ジルコン酸鉛)膜を適用することができる。このような圧電体膜12は、金属酸化物結晶の焼結体からなる。圧電体膜12は、上部電極13の下面に接した能動部12Aと、能動部12Aの周壁の一部から圧力室5の周縁の外側まで延びた非能動部12Bとを含む。能動部12Aは、上部電極13と平面視で同形状に形成されている。
能動部12Aの厚さは、1μm〜5μm程度である。非能動部12Bの厚さは、能動部12Aの厚さの1/2程度であってもよい。可動膜10Aの全体の厚さは、能動部12Aの厚さと同程度か、能動部12Aの厚さの2/3程度とすることが好ましい。
下部電極11は、たとえば、Ti(チタン)膜およびPt(プラチナ)膜を可動膜形成層10側から順に積層した2層構造を有している。この他にも、Au(金)膜、Cr(クロム)層、Ni(ニッケル)層などの単膜で下部電極11を形成することもできる。下部電極11は、圧電体膜12の能動部12Aの下面に接した主電極部11Aと、能動部12Aの外方の領域まで延びた延長部11Bとを有している。下部電極11の厚さは、たとえば、0.2μm程度であってもよい。
下部電極11の延長部11B上および圧電素子9上には、第1水素バリア膜14が形成されている。第1水素バリア膜14は、たとえば、Al(アルミナ)からなる。第1水素バリア膜14の厚さは、50nm〜100nm程度である。第1水素バリア膜14は、圧電体膜12の水素還元による特性劣化を防止するために設けられている。
第1水素バリア膜14上に、絶縁膜15が積層されている。絶縁膜15は、たとえば、SiO、低水素のSiN等からなる。絶縁膜15の厚さは、200nm〜300nm程度である。絶縁膜15上には、上部配線17、下部配線18およびダミー配線19が形成されている。これらの配線17,18,19は、Al(アルミニウム)を含む金属材料からなっていてもよい。これらの配線17,18,19の厚さは、たとえば、1000nm程度である。
上部配線17の一端部は、上部電極13の一端部の上方に配置されている。上部配線17と上部電極13との間において、第1水素バリア膜14および絶縁膜15を連続して貫通するコンタクト孔33が形成されている。上部配線17の一端部は、コンタクト孔33に入り込み、コンタクト孔33内で上部電極13に接続されている。上部配線17は、上部電極13の上方から、圧力室5の外縁を横切って圧力室5の外方に延びている。
下部配線18は、圧力室5の外方領域において、下部電極11の延長部11Bに対向している。下部配線18と下部電極11の延長部11Bとの間において、第1水素バリア膜14および絶縁膜15を連続して貫通するコンタクト34が形成されている。下部配線18は、コンタクト孔34に入り込み、コンタクト34内で下部電極11の延長部11Bに接続されている。
ダミー配線19は、上部配線17および下部配線18のいずれにも、電気的に接続されておらず、電気的に絶縁された配線である。
絶縁膜15上には、配線17,18,19および絶縁膜15を覆う第2水素バリア膜20が形成されている。第2水素バリア膜20は、たとえば、Al(アルミナ)からなる。第2水素バリア膜20は、SiTaOx,SiZrOx等から構成されてもよい。第2水素バリア膜20は、スパッタ法またはALD(Atomic Layer Deposition)法によって形成されてもよい。第2水素バリア膜20の厚さは、50nm〜100nm程度である。
第2水素バリア膜20上には、パッシベーション膜21が形成されている。第2水素バリア膜20は、後に詳しく説明するように、パッシベーション膜21の形成工程時に、圧電体膜12の水素還元による特性劣化を防止するために設けられている。パッシベーション膜21は、たとえば、SiN(窒化シリコン)からなる。パッシベーション膜21の厚さは、たとえば、850nm程度であってもよい。
第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21には、上部配線17および下部配線18の一部をパッドとして露出させるパッド開口35,36が形成されている。パッド開口35は、圧力室5の外方領域に形成されており、たとえば、上部配線17の先端部(上部電極13へのコンタクト部の反対側端部)に形成されている。
インク流入部7に対応する位置に、パッシベーション膜21、第2水素バリア膜20、絶縁膜15、第1水素バリア膜14および下部電極11を貫通するインク供給路22が形成されている。下部電極11には、インク供給路22を含み、インク供給路22よりも大きな貫通孔23が形成されている。下部電極11の貫通孔23とインク供給路22との隙間には、第1水素バリア膜14が入り込んでいる。インク供給路22とインク流入部7との間において、可動膜形成層10にはインク流通孔24が形成されている。インク供給路22とインク流入部7とは、インク流通孔24を介して連通している。
保護基板4は、たとえば、シリコン基板からなる。保護基板4は、圧電素子9を覆うようにアクチュエータ基板2上に配置されている。保護基板4は、パッシベーション膜21に、接着剤50を介して接合されている。保護基板4は、アクチュエータ基板2の表面2aに対向する対向面51に収容凹所52を有している。収容凹所52内に圧電素子9が収容されている。さらに、保護基板4には、上部配線17のパッドを露出させる配線用貫通孔53と、下部配線18のパッドを露出させる配線用貫通孔54とが形成されている。
保護基板4上には、インクを貯留したインクタンク(図示せず)が配置されている。保護基板4には、収容凹所52と配線用貫通孔54との間に、インク供給路22に連通するインク供給路55が形成されている。インク供給路55は、保護基板4を貫通している。
圧電素子9は、可動膜10Aを挟んで圧力室5に対向する位置に形成されている。すなわち、圧電素子9は、可動膜10Aの圧力室5とは反対側の表面に接するように形成されている。インクタンクからインク供給路55、インク供給路22、インク流通孔24、インク流入部7および制限流路6を通って圧力室5にインクが供給されることによって、圧力室5にインクが充填される。可動膜10Aは、圧力室5の天面部を区画していて、圧力室5に臨んでいる。可動膜10Aは、アクチュエータ基板2における圧力室5の周囲の部分によって支持されており、圧力室5に対向する方向(換言すれば可動膜10Aの厚さ方向)に変形可能な可撓性を有している。
上部配線17および下部配線18は、駆動回路(図示せず)に接続されている。具体的には、上部配線17のパッドと駆動回路とは、保護基板4の接続配線用貫通孔53を通る接続金属部材(図示せず)を介して接続されている。同様に、下部配線18のパッドと駆動回路とは、保護基板4の配線用貫通孔54を通る接続金属部材(図示せず)を介して接続されている。駆動回路から圧電素子9に駆動電圧が印加されると、逆圧電効果によって、圧電体膜12が変形する。これにより、圧電素子9とともに可動膜10Aが変形し、それによって、圧力室5の容積変化がもたらされ、圧力室5内のインクが加圧される。加圧されたインクは、インク吐出通路3bを通って、吐出口3cから微小液滴となって吐出される。
図1A〜図5を参照して、インクジェットプリントヘッド1の構成についてさらに詳しく説明する。
アクチュエータ基板2には、複数の圧力室5が互いに平行に延びてストライプ状に形成されている。複数の圧力室5毎に、制限流路6およびインク流入部7が設けられている。複数の圧力室5毎に、圧電素子9が配置されている。複数の圧力室5は、それらの幅方向に微小な間隔(たとえば30μm〜350μm程度)を開けて等間隔で形成されている。各圧力室5は、平面視において、制限流路6から吐出通路3bに向かうインク流通方向41に沿って細長く延びた長方形形状を有している。つまり、圧力室5の天面部は、インク流通方向41に沿う2つの側縁5c,5dと、インク流通方向41に直交する方向に沿う2つの端縁5a,5bとを有している(図1B参照)。
制限流路6は、インク流入部7と圧力室6との間に形成された、液体抵抗の大きな流路である。制限流路6は、圧力室5内のインクが加圧されたときに、圧力室5内のインクが圧力室5からインク流入部7に向かって流れるのを防止するために形成されている。図4に示すように、制限流路6は、平面視で蛇行状に形成された蛇行状流路61を含んでいる。蛇行状流路61は、平面視において、インク流通方向41に間隔をおいて互いに平行に配された複数の直線状部分61aと、それらの直線状部分61aを繋いで1本の流路が形成されるように、隣接する直線状部分61aの端部を連結するする連結部分61bとを含む。蛇行状流路61の一端は圧力室5に接続され、蛇行状流路61の他端はインク流入部7に接続されている。この実施形態では、制限流路6の深さは圧力室5の深さと同じである。制限流路6の深さは、圧力室5よりも浅くてもよい。
制限流路6は蛇行状流路61を含んでいるので、特許文献1の制限流路に比べて、制限流路形成領域の長さ(インク流入部7と圧力室5との間の長さ)に対する、制限流路全体の流体抵抗を大きくすることができる。これにより、制限流路形成領域の長さを短くすることがきる。これにより、インクジェットプリントヘッドの小型化が図れる。
インク供給路22は、平面視において、インク流通方向41と直交する方向に複数のインク流入部7を跨いで延びた矩形状である(特に図1A参照)。インク供給路22は、複数のインク流入部7に対して共用される共通インク供給路である。インク供給路22は、可動膜形成層10に形成されたインク流通孔24を介して、複数のインク流入部7に連通している。
圧電素子9は、インク流通方向41に沿う長さが、可動膜10Aの長手方向の長さよりも短く形成されており、平面視矩形形状を有している。図1Bに示すように、圧電素子9の短手方向に沿う両端縁9aおよび9bは、可動膜10A(圧力室5の天面部)の対応する両端縁10Aaおよび10Abに対して、それぞれ、所定の間隔d1,d2を開けて内側に配置されている。また、圧電素子9は、短手方向の幅が、可動膜10Aの短手方向の幅よりも狭く形成されている。圧電素子9の長手方向に沿う両側縁9c,9dは、可動膜10Aの対応する両側縁10Ac,10Adに対して、所定の間隔d3を開けて内側に配置されている。
下部電極11は、可動膜形成層10の表面のほぼ全域に形成されている(特に図5参照)。下部電極11は、複数の圧電素子9に対して共用される共通電極である。下部電極11は、圧電素子9を構成する平面視矩形状の主電極部11Aと、主電極部11Aから可動膜形成層10の表面に沿う方向に引き出され、圧力室5の天面部の周縁の外方に延びた延長部11Bとを含んでいる。
主電極部11Aは、可動膜10Aの長手方向に沿って、可動膜10Aよりも短く形成されている。図1Bに示すように、主電極部11Aの両端縁は、可動膜10Aの対応する両端縁10Aaおよび10Abに対して、それぞれ、所定の前記間隔d1,d2を開けて内側に配置されている。また、主電極部11Aは、可動膜10Aの短手方向に沿う幅が、可動膜10Aの当該短手方向の幅よりも狭く形成されている。主電極部11Aの両側縁は、可動膜10Aの対応する両側縁10Ac,10Adに対して、前記間隔d3を開けて内側に配置されている。延長部11Bに形成された貫通孔23は、平面視でインク供給路22よりも大きな矩形状である。延長部11Bにおける貫通孔23の周縁部は、平面視において、インク供給路22を取り囲んでいる。
上部電極13は、平面視において、下部電極11の主電極部11Aと同じパターンの矩形状に形成されている。すなわち、上部電極13は、可動膜10Aの長手方向に沿って、可動膜10Aよりも短く形成されている。図1Bに示すように、上部電極13の両端縁は、可動膜10Aの対応する両端縁10Aaおよび10Abに対して、それぞれ、所定の前記間隔d1,d2を開けて内側に配置されている。また、上部電極13は、可動膜10Aの短手方向に沿う幅が、可動膜10Aの当該短手方向の幅よりも狭く形成されている。上部電極13の両側縁は、可動膜10Aの対応する両側縁10Ac,10Adに対して、前記間隔d3を開けて内側に配置されている。
圧電体膜12は、前述したように、能動部12Aと非能動部12Bとを含む。能動部12Aは、平面視において、上部電極13と同じパターンの矩形状に形成されている。すなわち、能動部12Aは、可動膜10Aの長手方向に沿って、可動膜10Aよりも短く形成されている。図1Bに示すように、能動部12Aの両端縁は、可動膜10Aの対応する両端縁10Aaおよび10Abに対して、それぞれ、所定の前記間隔d1,d2を開けて内側に配置されている。また、能動部12Aは、可動膜10Aの短手方向に沿う幅が、可動膜10Aの当該短手方向の幅よりも狭く形成されている。能動部12Aの両側縁は、可動膜10Aの対応する両側縁10Ac,10Adに対して、前記間隔d3を開けて内側に配置されている。能動部12Aの下面は下部電極11の主電極部11Aの上面に接しており、能動部12Aの上面は上部電極12の下面に接している。
非能動部12Bは、平面視において、能動部12Aのインク流通方向41の下流側端から上部配線17の下面に沿って圧力室5の端縁5aの外方に延びている。非能動部12Bの幅は、この実施形態では、能動部12Aの幅とほぼ等しい。非能動部12Bの厚さは、この実施形態では、能動部12Aの1/2程度である。非能動部12Bの先端部は、圧力室5の端縁5aの外方において、アクチュエータ基板2に支持されている。非能動部12Bの下面は下部電極11の延長部11Bの上面に接している。非能動部12Bの上面は、第1水素バリア膜14によって覆われている。
金属からなる上部配線17は、伸縮して応力を発生する。非能動部12Bは、上部配線17の応力によって、可動膜10Aにクラックが発生するのを防止するために設けられている。この点について、より詳しく説明する。可動膜10Aの周縁部には、可動膜10Aの変位量を大きくするために圧電素子9は設けられていない。可動膜10Aの周縁部のうち、上方に上部配線17が通っている領域には、上部配線17の応力がかかるため、クラックが発生するおそれがある。
この実施形態では、可動膜10Aの周縁部における上部配線17の直下の領域と上部配線17との間に、圧電体膜12の非能動部12Bが介在している。圧電体膜12の非能動部12Bの先端部は、アクチュエータ基板2における圧力室5の周壁に支持されている。したがって、上部配線17に発生して可動膜10Aへ加えられる応力が、圧電体膜12の非能動部12Bによって和らげられる。これにより、上部配線17の応力による可動膜10Aのクラックの発生を防止できる。
上部配線17は、一端部が上部電極12の一端部(圧電素子9の一方の端縁9a側の端部)に接続されかつ平面視においてインク流通方向41に沿って延びた引き出し部17Aと、引き出し部17Aと一体化し、引き出し部17Aの先端に接続された平面視矩形状のパッド部17Bとからなる。パッド部17Bは、圧力室5の一方の端縁5aよりも外方に配置されている。引き出し部17Aは、圧電素子9の一端部の上面からそれに連なる圧電素子9の端面に沿って延び、さらに圧電体膜12の非能動部12Bおよび下部電極11の表面に沿って、パッド部17Bまで延びている。パッシベーション膜21には、パッド部17B表面の中央部を露出させるパッド開口35が形成されている。
下部配線18は、平面視において、インク流通方向41と直交する方向に長い矩形状である。コンタクト孔34は、この実施形態では、各圧力室5の延長状に一つずつ形成されている。下部配線18は、複数のコンタクト孔34に入り込み、コンタクト孔34内で下部電極11の延長部11Bに接続されている。
保護基板4の収容凹所52は、平面視において、インク流通方向41と直交する方向に複数の圧力室5を跨いで延びた矩形状である。収容凹所52内に、複数の圧力室5にそれぞれ対応する複数の圧電素子9が収容されている。保護基板4の配線用貫通孔53は、平面視において、インク流通方向41と直交する方向に複数のパッド部17Bを跨いで延びた矩形状である。配線用貫通孔53に複数のパッド部17Bがパッド開口35を介して露出している。保護基板4の配線用貫通孔54は、平面視において、下部配線18に沿って延びた矩形状である。配線用貫通孔54に下部配線18がパッド開口36を介して露出している。保護基板4のインク供給路55は、平面視において、アクチュエータ基板2側のインク供給路22と同じパターンの矩形状である。インク供給路55は、平面視でインク供給路22に整合している。
ダミー配線19は、この実施形態では、平面視において、配線用貫通孔53の圧電素子9側の側縁に沿う仮想線と、配線用貫通孔54の圧電素子9側の側縁に沿う仮想線との間の領域のうち、収容凹所52およびインク供給路22を除いた領域(以下、「ダミー配線用領域」という。)に、所定のパターンで形成されている。ダミー配線19は、平面視において、インク供給路22を取り囲む矩形環状配線を含む。この矩形環状配線は、インク供給路22から一定の距離だけ離れた位置に内周縁を有している。ダミー配線19は、さらに、ダミー配線用領域における矩形環状配線の外側領域のうち、矩形環状配線の周囲近傍領域と、上部配線17およびその近傍領域とを除いた領域にも形成されている。
図6は、第1水素バリア膜14のパターン例を示す図解的な平面図である。
この実施形態では、第1水素バリア膜14は、アクチュエータ基板2上において、平面視で各圧力室5の外側領域のほぼ全域に形成されている。ただし、この領域において、第1水素バリア膜14には、インク供給路22およびコンタクト孔34が形成されている。
各圧力室5の内側領域においては、圧電体膜12および上部電極13の側面全域と、圧電体膜12の非能動部12Bの上面と、上部電極13の上面周縁部とに、第1水素バリア膜14が形成されている。つまり、第1水素バリア膜14には、上部電極13の上面中央部に平面視矩形状の開口31が形成されている。換言すれば、上部電極13の上面中央部には、第1水素バリア膜14は形成されていない。
また、第1水素バリア膜14には、平面視において、圧力室5の周縁と圧電体膜12の側面に形成された第1水素バリア膜14との間の領域に有端環状の開口32が形成されている。換言すれば、平面視において、圧力室5の周縁と圧電体膜12の側面に形成された第1水素バリア膜14との間に第1水素バリア膜14が形成されていない領域が存在する。
図7は、絶縁膜15のパターン例を示す図解的な平面図である。図8は、第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21のパターン例を示す図解的な平面図である。
この実施形態では、絶縁膜15、第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21は、アクチュエータ基板2上において、平面視で保護基板4の収容凹所52の外側領域のほぼ全域に形成されている。ただし、この領域において、絶縁膜15には、インク供給路22およびコンタクト孔34が形成されている。この領域において、第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21には、インク供給路22およびパッド開口35,36が形成されている。
保護基板4の収容凹所52の内側領域においては、絶縁膜15、第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21は、上部配線17が存在する上部配線領域のみに形成されている。この領域において、第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21は、絶縁膜15上の上部配線17の上面および側面を覆うように形成されている。換言すれば、絶縁膜15、第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21には、平面視で収容凹所52の内側領域のうち、上部配線領域を除いた領域に、開口37が形成されている。絶縁膜15には、さらに、コンタクト孔33が形成されている。
この実施形態では、平面視で圧力室5の周縁の内側領域において、絶縁膜15、第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21は、上部配線17の存在する上部配線領域のみに形成されている。したがって、圧電素子9の側面および上面の大部分は絶縁膜15、第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21によって覆われていない。これにより、圧電素子9の側面および上面の全域が絶縁膜およびパッシベーション膜によって覆われている特許文献1記載の従来例に比べて、可動膜10Aの変位を大きくすることができる。
さらに、この実施形態では、第1水素バリア膜14には、圧電素子9の上面中央部に開口31が形成されている。これにより、圧電体膜12が変形しやすくなるので、圧電素子9の上面全域が水素バリア膜および絶縁膜によって覆われている特許文献1記載の従来例に比べて、可動膜10Aの変位をより大きくすることができる。さらに、この実施形態では、第1水素バリア膜14には、平面視で圧力室5の周縁と圧電体膜12の側面上の第1水素バリア膜14との間領域に有端環状の開口32が形成されている。これにより、可動膜10Aの変位をさらに大きくすることができる。
図9A〜図9Oは、前記インジェットプリントヘッド1の製造工程の一例を示す断面図であり、図2Aに対応する切断面を示す。
まず、図9Aに示すように、アクチュエータ基板2の表面2aに可動膜形成層10が形成される。ただし、アクチュエータ基板2としては、最終的なアクチュエータ基板2の厚さより厚いものが用いられる。具体的には、アクチュエータ基板2の表面に酸化シリコン膜(たとえば、1.2μm厚)が形成される。可動膜形成層10が、シリコン膜と酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層膜で構成される場合には、アクチュエータ基板2の表面にシリコン膜(たとえば0.4μm厚)が形成され、シリコン膜上に酸化シリコン膜(たとえば0.4μm厚)が形成され、酸化シリコン膜上に窒化シリコン膜(たとえば0.4μm厚)が形成される。
可動膜形成層10の表面には、たとえば、Al、MgO、ZrOなどの下地酸化膜が形成されてもよい。これらの下地酸化膜は、後に形成される圧電体膜12からの金属原子の抜け出しを防ぐ。金属電子が抜け出すと、圧電体膜12の圧電特性が悪くなるおそれがある。また、抜け出した金属原子が可動膜10Aを構成するシリコン層に混入すると可動膜10Aの耐久性が悪化するおそれがある。
次に、図9Bに示すように、可動膜形成層10の上(前記下地酸化膜が形成されている場合には当該下地酸化膜の上)に、下部電極11の材料層である下部電極膜71が形成される。下部電極膜71は、たとえば、Ti膜(たとえば10nm〜40nm厚)を下層としPt膜(たとえば10nm〜400nm厚)を上層とするPt/Ti積層膜からなる。このような下部電極膜71は、スパッタ法で形成されてもよい。
次に、圧電体膜12の材料膜(圧電体材料膜)72が下部電極膜71上の全面に形成される。具体的には、たとえば、ゾルゲル法によって1μm〜5μm厚の圧電体材料膜72が形成される。このような圧電体材料膜72は、金属酸化物結晶粒の焼結体からなる。
次に、圧電体材料膜72の全面に上部電極13の材料である上部電極膜73が形成される。上部電極膜73は、たとえば、白金(Pt)の単膜であってもよい。上部電極膜73は、たとえば、IrO膜(たとえば40nm〜160nm厚)を下層とし、Ir膜(たとえば40nm〜160nm厚)を上層とするIr0/Ir積層膜であってもよい。このような上部電極膜73は、スパッタ法で形成されてもよい。
次に、図9C〜図9Eに示すように、上部電極膜73、圧電体材料膜72および下部電極膜73のパターニングが行われる。まず、フォトグラフィによって、上部電極13のパターンのレジストマスクが形成される。そして、図9Cに示すように、このレジストマスクをマスクとして、上部電極膜73がエッチングされることにより、所定パターンの上部電極13が形成される。この後、エッチングを継続してオーバーエッチングを行うことによって、圧電体材料膜72のうち上部電極13から露出している部分が薄膜化される。これにより、圧電体材料膜72のうち上部電極13から露出している部分の厚さが、上部電極13に覆われている部分の厚さの例えば1/2程度にされる。
次に、レジストマスクが剥離された後、フォトグラフィによって、圧電体膜12のパターンのレジストマスクが形成される。そして、図9Dに示すように、このレジストマスクをマスクとして、圧電体材料膜72がエッチングされることにより、所定パターンの圧電体膜12が形成される。これにより、上面が上部電極13の下面に接する能動部12Aと、能動部12Aよりも厚さの薄い非能動部12Bとからなる圧電体膜12が形成される。
次に、レジストマスクが剥離された後、フォトグラフィによって、下部電極11のパターンのレジストマスクが形成される。そして、図9Eに示すように、このレジストマスクをマスクとして、下部電極膜73がエッチングされることにより、所定パターンの下部電極11が形成される。これにより、主電極部11Aと、貫通孔23を有する延長部11Bとからなる下部電極11が形成される。このようにして、下部電極11の主電極部11A、圧電体膜12の能動部12Aおよび上部電極13からなる圧電素子9が形成される。
次に、図9Fに示すように、レジストマスクが剥離された後、全面を覆う第1水素バリア膜14が形成される。第1水素バリア膜14は、スパッタ法で形成されたAl膜であってもよく、その膜厚は、50nm〜100nmであってもよい。この後、第1水素バリア膜14上の全面に絶縁膜15が形成される。絶縁膜15は、SiO膜であってもよく、その膜厚は、200nm〜300nmであってもよい。続いて、絶縁膜15および第1水素バリア膜14が連続してエッチングされることにより、コンタクト孔33,34が形成される。
次に、図9Gに示すように、コンタクト孔33,34内を含む絶縁膜15上に、スパッタ法によって、上部配線17、下部配線18およびダミー配線19を構成する配線膜が形成される。この後、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、配線膜がパターニングされることにより、上部配線17、下部配線18およびダミー配線19が同時に形成される。
次に、図9Hに示すように、絶縁膜15の表面に配線17,18,19を覆う第2水素バリア膜20が形成される。第2水素バリア膜20は、スパッタ法で形成されたAl膜であってもよく、その膜厚は、50nm〜100nmであってもよい。この後、第2水素バリア膜20上の全面にパッシベーション膜21が形成される。パッシベーション膜21は、例えば、SiNからなる。パッシベーション膜21は、例えば、プラズマCVDによって形成される。
絶縁膜15の表面に配線17,18,19を覆う第2水素バリア膜20を形成することなく、パッシベーション膜21を形成すると、次のような問題が生じるおそれがある。パッシベーション膜21を形成する際には、水素が発生する。この水素が、上部配線17、コンタクト孔33および上部電極13を通過して、圧電体膜12に達する。これにより、圧電体膜12が水素還元される。この結果、圧電体膜12の耐圧不良が生じたり、圧電体膜12のヒストリシス特性劣化が生じたりするおそれがある。
この実施形態では、絶縁膜15の表面に配線17,18,19を覆う第2水素バリア膜20が形成された後に、第2水素バリア膜20上にパッシベーション膜21が形成される。したがって、パッシベーション膜21を形成する際には、上部配線17が第2水素バリア膜20で覆われている。このため、パッシベーション膜21を形成する際に発生した水素が、上部配線17、コンタクト孔33および上部電極13を通過して、圧電体膜12に達するのを防止できる。これにより、パッシベーション膜21の形成工程時に、圧電体膜12の水素還元による特性劣化を防止することができる。
次に、フォトグラフィによってパッド開口35,36に対応した開口を有するレジストマスクが形成され、このレジストマスクをマスクとして、第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21がエッチングされる。これにより、図9Iに示すように、第2水素バリア膜20およびパッシベーション膜21に、パッド開口35,36が形成される。
次に、レジストマスク剥離される。そして、フォトグラフィによって開口37およびインク供給路22に対応した開口を有するレジストマスクが形成され、このレジストマスクをマスクとして、パッシベーション膜21、第2水素バリア膜20および絶縁膜15が連続してエッチングされる。これにより、図9Jに示すように、パッシベーション膜21、第2水素バリア膜20および絶縁膜15に、開口37およびインク供給路22が形成される。
次に、レジストマスクが剥離される。そして、フォトグラフィによって開口31,32およびインク供給路22に対応した開口を有するレジストマスクが形成され、このレジストマスクをマスクとして、第1水素バリア膜14がパターニングされる。これにより、図9Kに示すように、第1水素バリア膜14に、開口31,32およびインク供給路22が形成される。
次に、レジストマスクが剥離される。そして、図9Lに示すように、フォトグラフィおよびエッチングにより、可動膜形成層10に、インク流通孔24が形成される。
次に、図9Mに示すように、保護基板4の対向面51に接着剤50が塗布され、インク供給路55とインク供給路22とが一致するように、アクチュエータ基板2に保護基板4が固定される。
次に、図9Nに示すように、アクチュエータ基板2を薄くするための裏面研削が行われる。アクチュエータ基板2が裏面2bから研磨されることにより、アクチュエータ基板2が薄膜化される。たとえば、初期状態で670μm厚程度のアクチュエータ基板2が、300μm厚程度に薄型化されてもよい。次に、アクチュエータ基板2に対して、アクチュエータ基板2の裏面からエッチング(ドライエッチングまたはウェットエッチング)を行うことによって、圧力室5、制限流路6およびインク流入部7が形成される。
このエッチングの際、可動膜形成層10の表面に形成される下地酸化膜は、圧電体膜12から金属元素(PZTの場合は、Pb,Zr,Ti)が抜け出すことを防止し、圧電体膜12の圧電特性を良好に保つ。また、前述のとおり、可動膜形成層10の表面に形成される下地酸化膜は、可動膜10Aを形成するシリコン層の耐久性の維持に寄与する。
この後、図9Oに示すように、ノズル基板3がアクチュエータ基板2の裏面に張り合わされることにより、インジェットプリントヘッド1が得られる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の実施形態で実施することもできる。前述の実施形態では、制限流路6は、図4に示されるような形態であるが、図10に示すような形態であってもよい。この制限流路6は、平面視で蛇行状に形成された蛇行状流路62を含んでいる。蛇行状流路62は、平面視において、インク流通方向41と直交する方向に間隔をおいて互いに平行に配された複数の直線状部分62aと、それらの直線状部分62aを繋いで1本の流路が形成されるように、隣接する直線状部分62aの端部を連結する連結部分62bとを含む。蛇行状流路62の一端は圧力室5に接続され、蛇行状流路62の他端はインク流入部7に接続されている。制限流路6の深さは圧力室5の深さと同じであってもよく、圧力室5よりも浅くてもよい。
また、前述の実施形態では、圧電体膜12は、能動部12Aと非能動部12Bとから構成されているが、非能動部12Bを有してなくてもよい。つまり、図11に示すように、圧電体膜12は、平面視において、上部電極13と同じパターンの矩形状に形成されていてもよい。この場合、上部電極13および圧電体膜12は、それぞれ、平面視において、可動膜10Aよりも圧力室5の内方に後退した周縁を有する。
また、図12に示すように、圧電体膜12は、平面視において、上部電極の周縁よりも外方に位置しかつ可動膜10Aよりも圧力室5の内方に後退した周縁を有するパターンの矩形状に形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、第1水素バリア膜14の表面の一部に絶縁膜15が形成されているが、第1水素バリア膜14の表面の全域に絶縁膜15が形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、第1水素バリア膜14表面の一部に絶縁膜15が形成されているが、絶縁膜15はなくてもよい。
また、前述の実施形態では、第1水素バリア膜14に開口31,32が形成されているが、第1水素バリア膜14にこれらの開口31,32を形成しなくてもよい。
また、前述の実施形態では、制限流路6は蛇行状流路61,62を有しているが、制限流路6は蛇行状流路61,62を有していなくてもよい。
また、前述の実施形態では、圧電体膜の材料としてPZTを例示したが、そのほかにも、チタン酸鉛(PbPO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、ニオブ酸ノチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO)などに代表される金属酸化物からなる圧電材料が適用されてもよい。
前述の実施形態では、この発明をインクジェットプリントヘッドに適用した場合について説明したが、この発明は、圧電素子を利用した圧電マイクロホン、圧力センサ等にも適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 インジットプリントヘッド
2 アクチュエータ基板
2a 表面
2b 裏面
3 ノズル基板
3a 凹部
3b インク吐出通路
3c 吐出口
4 保護基板
5 圧力室(キャビティ)
6 制限流路
7 インク流入部
9 圧電素子
10 可動膜形成層
10A 可動膜
11 下部電極
11A 主電極部
11B 延長部
12 圧電体膜
12A 能動部
12B 非能動部
13 上部電極
14 第1水素バリア膜
15 絶縁膜
17 上部配線
17A 引き出し部
17B パッド部
18 下部配線
19 ダミー配線
20 第2水素バリア膜
21 パッシベーション膜
22 インク供給路
23 貫通孔(下部電極)
24 インク流通孔(可動膜形成層)
31 開口
32 開口
33 コンタクト孔
34 コンタクト孔
35 パッド開口
36 パッド開口
37 開口(絶縁膜、第2水素バリア膜およびパッシベーション膜)
41 インク流通方向
50 接着剤
51 対向面
52 収容凹所
53 配線用貫通孔
54 配線用貫通孔
55 インク供給路
61,62 蛇行状流路

Claims (18)

  1. キャビティと、
    前記キャビティ上に配置されかつ前記キャビティの天面部を区画する可動膜と、
    前記可動膜上に形成された下部電極、前記下部電極上に形成された圧電体膜および前記圧電体膜上に形成された上部電極を含む圧電素子と、
    前記圧電素子の表面を覆い、かつ前記上部電極の一部を露出させるコンタクト孔を有する第1水素バリア膜と、
    一端部が前記コンタクト孔を介して前記上部電極に接続され、他端部が前記圧電素子の外側に引き出された配線と、
    前記可動膜の主面に対して法線方向から見た平面視において、前記配線の表面における少なくとも前記コンタクト孔を含む領域を覆う第2水素バリア膜と、
    前記配線および前記第2水素バリア膜を覆うパッシベーション膜とを含む、圧電素子利用装置。
  2. 前記第1水素バリア膜と前記配線との間に介在し、前記第1水素バリア膜の前記コンタクト孔と連通するコンタクト孔を有する絶縁膜をさらに含み、
    前記配線の一端部は、前記絶縁膜の前記コンタクト孔および前記第1水素バリア膜の前記コンタクト孔を介して、前記上部電極に接続されている、請求項1に記載の圧電素子利用装置。
  3. 前記第1水素バリア膜は、前記上部電極の上面中央に開口を有し、前記上部電極の上面周縁部と、前記上部電極および前記圧電体膜の側面全域を覆っている、請求項1または2に記載の圧電素子利用装置。
  4. 前記平面視において、前記上部電極および前記圧電体膜は、それぞれ、前記可動膜よりも前記キャビティの内方に後退した周縁を有し、
    前記圧電体膜の側面を覆う前記第1水素バリア膜と前記可動膜の周縁との間領域に、前記第1水素バリア膜が形成されていない領域が存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  5. 前記キャビティは、前記平面視において矩形状に形成されており、
    前記可動膜は、前記平面視において前記キャビティの周縁と整合する矩形状に形成されており、
    前記圧電体膜は、前記平面視において、前記可動膜の短手方向の幅より短い幅と、前記可動膜の長手方向の長さより短い長さとを有する矩形であり、その両端縁および両側縁が前記可動膜の両端縁および両側縁よりも前記可動膜の内方にそれぞれ後退しており、
    前記上部電極は、前記平面視において、前記可動膜の短手方向の幅より短い幅と、前記可動膜の長手方向の長さより短い長さとを有する矩形であり、その両端縁および両側縁が前記可動膜の両端縁および両側縁よりも前記可動膜の内方にそれぞれ後退している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  6. 前記絶縁膜はSiO膜からなる、請求項2に記載の圧電素子利用装置。
  7. 前記第1水素バリア膜はAlからなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  8. 前記第2水素バリア膜はAlからなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  9. 前記パッシベーション膜はSiN膜からなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  10. 前記パッシベーション膜は、プラズマCVDによって形成されているSiN膜からなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  11. 前記可動膜はSiO単膜からなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  12. 前記可動膜は、前記基板上に形成されたSi膜と、前記Si膜上に形成されSiO膜と、前記SiO膜上に形成されたSiN膜との積層膜からなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  13. 前記圧電体膜はPZT膜からなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  14. 前記上部電極はPt単膜からなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  15. 前記上部電極は、前記圧電体膜上に形成されたIr0膜と、前記Ir0膜上に形成されたIr膜との積層膜からなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  16. 前記下部電極は、前記可動膜側に形成されたTi膜と、前記Ti膜上に形成されたPt膜との積層膜からなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の圧電素子利用装置。
  17. 下部電極、前記下部電極上に形成された圧電体膜および前記圧電体膜上に形成された上部電極からなる圧電素子を、可動膜上に形成する工程と、
    前記可動膜上に前記圧電素子を覆う第1水素バリア膜を形成する工程と、
    前記圧電素子上において、前記第1水素バリア膜に、前記上部電極の一部を露出させるコンタクト孔を形成する工程と、
    前記第1水素バリア膜上に、一端部が前記コンタクト孔を介して前記上部電極に接触し、他端部が前記圧電素子の外側に引き出された配線を形成する工程と、
    前記第1水素バリア膜上に、前記配線を覆う第2水素バリア膜を形成する工程と、
    前記第2水素バリア膜上に、パッシベーション膜を形成する工程とを含む、圧電素子利用装置の製造方法。
  18. 下部電極、前記下部電極上に形成された圧電体膜および前記圧電体膜上に形成された上部電極からなる圧電素子を、可動膜上に形成する工程と、
    前記可動膜上に、前記圧電素子を覆う第1水素バリア膜を形成する工程と、
    前記第1水素バリア膜上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記圧電素子上において、前記絶縁膜および前記第1水素バリア膜に、前記上部電極の一部を露出させるコンタクト孔を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に、一端部が前記コンタクト孔を介して前記上部電極に接触し、他端部が前記圧電素子の外側に引き出された配線を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に、前記配線を覆う第2水素バリア膜を形成する工程と、
    前記第2水素バリア膜上に、パッシベーション膜を形成する工程とを含む、圧電素子利用装置の製造方法。
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