JP2016052167A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンデンサ電圧のコンデンサ電圧指令への追従性をより高めた電力変換装置を提供する。【解決手段】電源電圧または電源電圧を昇圧した電圧を出力電圧とするインピーダンスソース昇圧回路(Zソース昇圧回路2)と、出力電圧の高電位側および低電位側を短絡可能なスイッチング素子を有するインバータ回路8と、スイッチング素子9〜14を制御することによって、インピーダンスソース昇圧回路が有するコンデンサ6,7を充放電させて、出力電圧を制御可能な制御部20と、を備え、制御部は、出力電圧を所望の値とするための指令である出力電圧指令を、コンデンサの電圧を指定する昇圧率とスイッチング素子の制御信号の変調に用いられる変調率との積として演算し、昇圧率は、出力電圧指令が電源電圧未満である場合において、可変に設定される。【選択図】図1

Description

本発明はインピーダンスソース昇圧回路(Zソース昇圧回路)を備える電力変換装置に関する。
ハイブリッド自動車、燃料電池車両等では、電動機(モータ)によって生成される駆動力が車軸に伝達される。このとき、車両の走行状態に応じた最適な駆動力を得るため、バッテリの電源電圧を昇圧回路によって所望の電圧に昇圧して、電動機に供給することが行われる。
例えば特許文献1は、三相のインバータ回路の前段にZソース昇圧回路を設ける構成の電力変換装置を開示する。また、例えば非特許文献1は、このような構成の電力変換装置のインバータ回路のスイッチング制御について記載する。また、非特許文献2は、Zソース昇圧回路のコンデンサ電圧を指定する昇圧率を、所望する出力電圧(ただし、電源電圧以上を前提とする)に応じて調整する場合に電圧指令通りのコンデンサ電圧を得ることができることを記載する。
特開2008−295253号公報
Fang Zhen Peng "Z-source Inverter",IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS, VOL.39, NO.2, MARCH/APRIL 2003, pp.504-510 Miaosen Shen, Fang Zheng Peng "Operation Modes and Characteristics of the Z-Source Inverter With Small Inductance or Low Power Factor", IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRIAL ELECTRONICS, VOL. 55, NO.1, JANUARY 2008, pp.89-96
しかし、出力電圧指令が電源電圧未満の電圧を指定するような場合には、Zソース昇圧回路が電源電圧そのものを出力させるために、一般に昇圧率が1.0に固定される。つまり、非特許文献2の記載とは異なる制御がなされることがある。昇圧率を固定すると、コンデンサ電圧がコンデンサ電圧指令から乖離する(特に上昇する)ことが知られている。このとき、コンデンサ電圧の上昇によってインバータ回路に過電流が流れて、電力変換装置の動作に影響する可能性がある。なお、出力電圧指令とは、出力電圧を所望の値とするための指令である。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、コンデンサ電圧のコンデンサ電圧指令への追従性をより高めた電力変換装置を提供することにある。
前記課題を解決するために本発明に係る電力変換装置は、電源電圧または前記電源電圧を昇圧した電圧を出力電圧とするインピーダンスソース昇圧回路と、前記出力電圧の高電位側および低電位側を短絡可能なスイッチング素子を有するインバータ回路と、前記スイッチング素子を制御することによって、前記インピーダンスソース昇圧回路が有するコンデンサを充放電させて、前記出力電圧を制御可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記出力電圧を所望の値とするための指令である出力電圧指令を、前記コンデンサの電圧を指定する昇圧率と前記スイッチング素子の制御信号の変調に用いられる変調率との積として演算し、前記昇圧率は、前記出力電圧指令が前記電源電圧未満である場合において、可変に設定される。
そして、好ましくは、前記昇圧率は、前記出力電圧指令が、0以上かつ前記電源電圧未満の第1の閾値より大きく、かつ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下である場合に、可変に設定される。
また、好ましくは、直流電源を更に備え、前記インピーダンスソース昇圧回路は、前記直流電源からダイオードを介して前記電源電圧を取得する。
また、好ましくは、交流電源を更に備え、前記インピーダンスソース昇圧回路は、前記交流電源から整流回路を介して前記電源電圧を取得する。
本発明に係る電力変換装置によれば、コンデンサ電圧のコンデンサ電圧指令への追従性をより高めることができる。
第1の実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における制御部の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるZソース出力電圧演算器の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態においてZソース出力電圧演算器が実行する処理を示すフローチャートである。 図4の処理による第1の実施形態における変調率、コンデンサ電圧等の変化の例を示す図である。 第2の実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示すブロック図である。 比較例のZソース出力電圧演算器が実行する処理を示すフローチャートである。 図7の処理による比較例の変調率、コンデンサ電圧等の変化の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示すブロック図である。本実施形態に係る電力変換装置は、直流電源1と、Zソース昇圧回路2(本発明のインピーダンスソース昇圧回路に対応)と、インバータ回路8と、制御部20と、を備える。
直流電源1は、電力供給するための電源装置である。直流電源1は、バッテリやキャパシタなどの蓄電装置でもよい。本実施形態において、直流電源1は、Zソース昇圧回路2とインバータ回路8とを介して電動機15に電力供給する。図1に示されるように、Zソース昇圧回路2は、直流電源1からダイオード3を介して電源電圧を取得する。本実施形態に係る電力変換装置は直流電源1を備えるが、直流電源1は電力変換装置の外部に設けられてもよい。また、直流電源1が出力する電圧は、電圧検出部51によって検出されて、電源電圧Eとして制御部20に伝えられる。
Zソース昇圧回路2は、ダイオード3と、リアクトル4,5と、コンデンサ6,7と、を備える。Zソース昇圧回路2は、直流電源1からの電源電圧または電源電圧を昇圧した電圧を、出力電圧としてインバータ回路8に供給する。直流電源1の正極にダイオード3のアノード側が接続され、ダイオード3のカソード側にリアクトル4の一端が接続される。リアクトル4の他端には、コンデンサ6の一端が接続される。コンデンサ6の他端には、直流電源1の負極とリアクトル5の一端とが接続される。そして、ダイオード3のカソード側にはコンデンサ7の一端も接続され、コンデンサ7の他端にリアクトル5の他端が接続される。コンデンサ7に印加されるコンデンサ電圧(端子間電圧)は、電圧検出部52によって検出されて、コンデンサ電圧Vcとして制御部20に伝えられる。電圧検出部52は、コンデンサ7に代えて、コンデンサ6に印加されるコンデンサ電圧を検出してもよい。コンデンサ6,7は、後述するスイッチング素子9〜14のオン、オフに従って充放電する。つまり、後述する制御部20は、スイッチング素子9〜14のオン、オフを制御することによってZソース昇圧回路2の出力電圧を制御可能である。
インバータ回路8は、一端が出力電圧の高電位側に接続された第1のスイッチング素子と一端が出力電圧の低電位側に接続された第2のスイッチング素子とを少なくとも1組有する。ここで、第1のスイッチング素子の他端と第2のスイッチング素子との他端とは互いに接続されており、出力電圧の高電位側および低電位側を短絡可能である。本実施形態においては、インバータ回路8は、上述のスイッチング素子の組を3つ備える三相インバータ回路を構成し、具体的には図1に示されるようにスイッチング素子9〜14を備える。なお、スイッチング素子9,11,13は上述の第1のスイッチング素子に対応し、スイッチング素子10,12,14は第2のスイッチング素子に対応する。
スイッチング素子9,10は互いに直列接続され、インバータ回路8のU相の上下アームを構成する。スイッチング素子11,12は互いに直列接続され、インバータ回路8のV相の上下アームを構成する。スイッチング素子13,14は互いに直列接続され、インバータ回路8のW相の上下アームを構成する。各相の位相が120度ずつずれるようにスイッチング素子9〜14をオン、オフしてPWM制御することにより、インバータ回路8の出力側に接続される電動機15を駆動する。
スイッチング素子9〜14は、IGBT素子とフリーホイールダイオードとを逆並列接続したIGBT(insulated gate bipolar transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)である。IGBTの代わりに、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor:MOS型電界効果トランジスタ)でもよい。
制御部20は、例えば上位のコントローラから、トルク指令T*および磁束指令φ*を受け取り、スイッチング素子9〜14に対して、最終出力ゲート信号Gsup*,Gsun*,Gsvp*,Gsvn*,Gswp*,Gswn*を出力する。制御部20の構成の詳細については後述する。
電動機15は、インバータ回路8が出力する三相交流電圧で駆動される電動機(モータ)である。電流検出部53は、インバータ回路8のU相出力と電動機15との間に流れるU相電流Iuを検出して、制御部20に出力する検出部である。電流検出部54は、インバータ回路8のW相出力と電動機15との間に流れるW相電流Iwを検出して、制御部20に出力する検出部である。本実施形態において、電力変換装置は、電流検出部53,54をそれぞれU相、W相に設けて、V相の電流検出部を省略している。これは、U相電流Iuと、V相電流Ivと、W相電流Iwとの和が0であることから、V相電流Ivは計算によって算出可能だからである。しかし、この構成に限定されるものではなく、例えばU相と、V相と、W相とのうち、三相の全てまたは他の二相に電流検出部が設けられてもよい。
また、回転検出部55は電動機15の回転数ωを検出する検出部であって、検出された回転数ωは制御部20に伝えられる。
(制御部の構成)
図2は、本実施形態における制御部20の構成を示すブロック図である。制御部20は、積分器21と、電流指令演算器22と、Zソースベクトル制御演算器30と、キャリア生成器23と、基本ゲート演算器24と、短絡指令演算器25と、短絡ゲート演算器26と、短絡ゲート論理和27と、最終出力ゲート論理和28と、を備える。
積分器21は、回転検出部55が検出する回転数ωから、時間積分して位相θを演算する。
電流指令演算器22は、トルク指令T*と磁束指令φ*とからトルク分電流指令Iq*と磁束分電流指令Id*とを演算する。
Zソースベクトル制御演算器30は、位相θと、電源電圧Eと、コンデンサ電圧Vcと、トルク分電流指令Iq*と、磁束分電流指令Id*と、U相電流Iuと、W相電流Iwと、を受け取る。そして、Zソースベクトル制御演算器30は、U相電圧指令Vu*と、V相電圧指令Vv*と、W相電圧指令Vw*と、を生成して基本ゲート演算器24に出力し、昇圧率B*を生成して短絡指令演算器25に出力する。Zソースベクトル制御演算器30の構成の詳細については後述する。
キャリア生成器23は、三角波キャリアVsを生成し、基本ゲート演算器24および短絡ゲート演算器26へと出力する。ここで、キャリア生成器23は、鋸波を生成してもよい。
基本ゲート演算器24は、キャリア生成器23が生成した三角波キャリアVsと、Zソースベクトル制御演算器30から取得したU相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*、およびW相電圧指令Vw*とを比較する。
基本ゲート演算器24は、三角波キャリアVsとU相電圧指令Vu*とを比較し、U相電圧指令Vu*が三角波キャリアVsより大きいときにハイレベルの信号を、U相電圧指令Vu*が三角波キャリアVs以下のときにローレベルの信号を、U相正側基本ゲート信号Gup*として出力する。また、基本ゲート演算器24は、U相電圧指令Vu*が三角波キャリアVsより大きいときにローレベルの信号を、U相電圧指令Vu*が三角波キャリアVs以下のときにハイレベルの信号を、U相負側基本ゲート信号Gun*として出力する。基本ゲート演算器24は、V相電圧指令Vv*、W相電圧指令Vw*についても、上述のU相電圧指令Vu*と同様に三角波キャリアVsとの比較をして、V相正側基本ゲート信号Gvp*、V相負側基本ゲート信号Gvn*、W相正側基本ゲート信号Gwp*、W相負側基本ゲート信号Gwn*を生成して出力する。
短絡指令演算器25は、Zソースベクトル制御演算器30が演算した昇圧率B*から、後述する演算式に従って、正側短絡指令Np*と負側短絡指令Nn*とを演算する。
短絡ゲート演算器26は、キャリア生成器23が生成した三角波キャリアVsと短絡指令演算器25が演算した正側短絡指令Np*とを比較し、三角波キャリアVsが正側短絡指令Np*より大きいときにハイレベルの信号を、三角波キャリアVsが正側短絡指令Np*以下のときにローレベルの信号を、正側短絡ゲート信号Gsp*として出力する。また、短絡ゲート演算器26は、三角波キャリアVsが負側短絡指令Nn*より小さいときにハイレベルの信号を、三角波キャリアVsが負側短絡指令Nn*以上のときにローレベルの信号を、負側短絡ゲート信号Gsn*として出力する。
短絡ゲート論理和27は、短絡ゲート演算器26から取得した正側短絡ゲート信号Gsp*と負側短絡ゲート信号Gsn*との論理和を、短絡ゲート信号Gs*として出力する。
最終出力ゲート論理和28は、基本ゲート演算器24から取得したU相正側基本ゲート信号Gup*、U相負側基本ゲート信号Gun*、V相正側基本ゲート信号Gvp*、V相負側基本ゲート信号Gvn*、W相正側基本ゲート信号Gwp*、W相負側基本ゲート信号Gwn*のそれぞれについて、短絡ゲート論理和27から取得した短絡ゲート信号Gs*との論理和をとる。そして、最終出力ゲート論理和28は、論理和の結果をそれぞれU相正側最終出力ゲート信号Gsup*、U相負側最終出力ゲート信号Gsun*、V相正側最終出力ゲート信号Gsvp*、V相負側最終出力ゲート信号Gsvn*、W相正側最終出力ゲート信号Gswp*、W相負側最終出力ゲート信号Gswn*として出力する。
(Zソースベクトル制御演算器の構成)
図3は、本実施形態におけるZソースベクトル制御演算器30の構成を示すブロック図である。Zソースベクトル制御演算器30は、三相−dq軸座標変換器31と、電流制御演算器32と、Zソース出力電圧演算器33と、dq軸−三相座標変換器34と、を備える。
三相−dq軸座標変換器31は、U相電流Iuと、W相電流Iwと、積分器21が計算した位相θとから、三相−dq軸座標変換によって、q軸のトルク分電流Iqおよびd軸の磁束分電流Idを生成して出力する。
電流制御演算器32は、三相−dq軸座標変換器31が座標変換によって生成したトルク分電流Iqと磁束分電流Idとを、電流指令演算器22が演算したトルク分電流指令Iq*と磁束分電流指令Id*とに一致させるように、q軸電圧指令Vq*とd軸電圧指令Vd*とを出力する。例えば、電流制御演算器32はPI制御を行ってもよい。
Zソース出力電圧演算器33は、電圧検出部51が検出した電源電圧Eと、電流制御演算器32が出力したq軸電圧指令Vq*とd軸電圧指令Vd*とから、出力電圧指令MB*を演算する。また、Zソース出力電圧演算器33は、電圧検出部52が検出したコンデンサ電圧Vcと出力電圧指令MB*とから、インバータ回路8でPWM制御を行うための変調率M*と、Zソース昇圧回路2で昇圧動作を行うための昇圧率B*とを演算する。そして、Zソース出力電圧演算器33は、変調率M*から、インバータ回路8のPWM制御のためのインバータ分q軸電圧指令Vq**とインバータ分d軸電圧指令Vd**とを演算する。ここで、本実施形態において、出力電圧指令MB*は出力電圧を所望の値とするための指令であって、電源電圧Eとの比で表される。例えば、出力電圧指令MB*が1.0未満であれば、電源電圧Eより小さい電圧が指定されることを示す。
dq軸−三相座標変換器34は、Zソース出力電圧演算器33が演算したインバータ分q軸電圧指令Vq**とインバータ分d軸電圧指令Vd**と、位相θとから、dq軸−三相座標変換によって、U相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*、W相電圧指令Vw*を生成して出力する。
(演算式について)
上述のように、Zソース出力電圧演算器33は、電源電圧Eと、q軸電圧指令Vq*と、d軸電圧指令Vd*とから、出力電圧指令MB*を演算するが、これらの関係は下記の式(1)で表される。
Figure 2016052167
また、出力電圧指令MB*と、変調率M*と、昇圧率B*との関係は、下記の式(2)で表される。
Figure 2016052167
変調率M*と、インバータ分q軸電圧指令Vq**と、インバータ分d軸電圧指令Vd**と、電源電圧Eとの関係は下記の式(3)で表される。
Figure 2016052167
コンデンサ7に印加されるコンデンサ電圧を指定するコンデンサ電圧指令Vc*と、昇圧率B*と、電源電圧Eとの関係は下記の式(4)で表される。
Figure 2016052167
ここで、式(2)の通り、Zソース出力電圧演算器33は、出力電圧指令MB*を、昇圧率B*と変調率M*との積として演算する。また、電源電圧Eは通常一定の電圧値であるため、式(4)から、コンデンサ電圧指令Vc*と昇圧率B*とは比例関係にある。つまり、昇圧率B*はコンデンサ7に印加されるコンデンサの電圧を指定する。
また、上述のように、短絡指令演算器25は、昇圧率B*から正側短絡指令Np*を演算するが、この関係は下記の式(5)で表される。
Figure 2016052167
短絡指令演算器25は、昇圧率B*から負側短絡指令Nn*を演算するが、この関係は下記の式(6)で表される。
Figure 2016052167
(Zソース出力電圧演算器の処理)
図4は、本実施形態において、Zソース出力電圧演算器33が実行する処理を示すフローチャートである。
ステップS1で、Zソース出力電圧演算器33に、電流制御演算器32からq軸電圧指令Vq*およびd軸電圧指令Vd*が入力される。また、Zソース出力電圧演算器33に、電圧検出部51が検出した電源電圧E、電圧検出部52が検出したコンデンサ電圧Vcも入力される。
ステップS2で、Zソース出力電圧演算器33は、式(1)に従って、q軸電圧指令Vq*と、d軸電圧指令Vd*と、電源電圧Eとから出力電圧指令MB*を演算する。
ステップS3Aで、Zソース出力電圧演算器33は、出力電圧指令MB*から出力電圧閾値MB1と出力電圧閾値MB2とを演算する。ここで、出力電圧閾値MB1は本発明の第1の閾値に対応し、出力電圧閾値MB2は本発明の第2の閾値に対応する。また、以下において、単にMB1,MB2と記載した場合には、それぞれ出力電圧閾値MB1の値、出力電圧閾値MB2の値を意味するものとする。
このとき、出力電圧閾値MB1のとる範囲は下記の式(7)で表される。
Figure 2016052167
また、出力電圧閾値MB1と出力電圧閾値MB2との関係は下記の式(8)で表される。
Figure 2016052167
ステップS3Bで、Zソース出力電圧演算器33は、出力電圧指令MB*がMB1以下か否かを比較する。出力電圧指令MB*がMB1以下のとき(ステップS3BのYES)、Zソース出力電圧演算器33は、ステップS4Aで変調率M*に出力電圧指令MB*と等しい値を設定し、ステップS5Aで昇圧率B*に1.0を設定する。
ステップS3Bで、出力電圧指令MB*がMB1より大きいとき(ステップS3BのNO)、Zソース出力電圧演算器33は、ステップS3Cで出力電圧指令MB*がMB2以下か否かを比較する。
ステップS3Cで、出力電圧指令MB*がMB2以下のとき(ステップS3CのYES)、Zソース出力電圧演算器33は、ステップS4Bで変調率M*に出力電圧閾値MB1と等しい値を設定し、ステップS5Bで昇圧率B*にMB*/MB1を設定する。
ステップS3Cで、出力電圧指令MB*がMB2より大きいとき(ステップS3CのNO)、Zソース出力電圧演算器33は、ステップS4Cで変調率M*に(MB*)×(MB1/MB2)を設定し、ステップS5Cで昇圧率B*にMB2/MB1を設定する。
ステップS6で、Zソース出力電圧演算器33は、変調率M*からインバータ分q軸電圧指令Vq**とインバータ分d軸電圧指令Vd**とを、式(3)によって演算する。
ステップS7で、Zソース出力電圧演算器33は、昇圧率B*と、インバータ分q軸電圧指令Vq**と、インバータ分d軸電圧指令Vd**とを出力する。
図5は、本実施形態における、出力電圧指令MB*と、変調率M*と、昇圧率B*と、正側短絡指令Np*と、コンデンサ電圧指令Vc*と、コンデンサ電圧Vcとの関係を表した図である。図5では、出力電圧指令MB*が0から最大まで変化するときの時間軸に合わせて、他の値の変化も同時に示している。
図5に示されるように、出力電圧指令MB*について、0以上かつ1未満のMB1と、MB1よりも大きいMB2とが設定されている。この例においては、MB2は1以上の値であるとする。出力電圧指令MB*が0からMB1まで変化する間は、昇圧率B*は1.0に固定される(図4のステップS5A参照)。そして、コンデンサ電圧Vcが電源電圧Eのままであるように、コンデンサ電圧指令Vc*が生成される。しかし、出力電圧とは無関係に昇圧率B*を固定するような場合に、コンデンサ電圧Vcがコンデンサ電圧指令Vc*から乖離することが知られており、図5の例でも、わずかな上昇が確認できる。
しかし、出力電圧指令MB*がMB1からMB2まで変化する間は、昇圧率B*を固定値ではなく可変に設定することが可能である。本実施形態においては、昇圧率B*は出力電圧指令MB*に応じた値に設定されている(図4のステップS5B参照)。そのため、昇圧率B*を固定することに起因するコンデンサ電圧Vcとコンデンサ電圧指令Vc*との乖離の問題は生じない。
また、出力電圧指令MB*がMB2から最大値まで変化する間は、出力電圧指令MB*が1以上であるため、コンデンサ電圧Vcはコンデンサ電圧指令Vc*に追従する。すなわち、出力電圧指令MB*が0からMB1まで変化する期間を短くできれば、コンデンサ電圧Vcのコンデンサ電圧指令への追従性をより高めることが可能である。
ここで、出力電圧閾値MB1は、Zソース出力電圧演算器33によって演算で求められる。そのため、他の制約(例えば、スイッチング素子9〜14をオン、オフする制御信号のPWM方式の変調に用いられる変調率M*の値が小さくなること等)が許容される範囲で、MB1を小さくすることが可能である。
ここで、図7および図8を参照して、比較例の電力変換装置を示しながら、本実施形態の電力変換装置の効果について説明する。なお、比較例の電力変換装置の構成のブロック図は、本実施形態の電力変換装置の構成と同じであり説明を省略する。また、図7、図8はそれぞれ図4、図5に対応し、同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
図7は、比較例のZソース出力電圧演算器が実行する処理を示すフローチャートである。比較例の電力変換装置では、出力電圧指令MB*が1.0未満の場合に、Zソース昇圧回路2からは電源電圧Eが出力されればよいため、昇圧率B*を1.0に固定する制御が行われている。したがって、図4のステップS3A〜ステップS3Cに代えて、固定値である1.0と出力電圧指令MB*との比較が行われる(ステップS3)。
ステップS3で、出力電圧指令MB*が1.0より大きい場合には(ステップS3のNO)、Zソース出力電圧演算器33は、ステップS4Dで変調率M*に(MB*)/(2MB*−1)を設定し、ステップS5Dで昇圧率B*に2MB*−1を設定する。このとき、昇圧率B*は出力電圧指令MB*に応じたものとなっており、コンデンサ電圧Vcはコンデンサ電圧指令Vc*に追従する。
しかし、ステップS3で、出力電圧指令MB*が1.0以下の場合には(ステップS3のYES)、Zソース出力電圧演算器33は、前述の図4と同じステップS4A,S5Aを実行する。つまり、出力電圧指令MB*が0から1.0まで変化する間は、昇圧率B*は1.0に固定されて、コンデンサ電圧Vcがコンデンサ電圧指令Vc*から乖離する。
図8は、比較例における、出力電圧指令MB*と、変調率M*と、昇圧率B*と、正側短絡指令Np*と、コンデンサ電圧指令Vc*と、コンデンサ電圧Vcとの関係を表した図である。図8に示されるように、出力電圧指令MB*が0から1.0まで変化する間は、コンデンサ電圧Vcが電源電圧Eのままであるように、コンデンサ電圧指令Vc*が生成される。しかし、出力電圧とは無関係に昇圧率B*を固定しているため、コンデンサ電圧Vcがコンデンサ電圧指令Vc*から大きく乖離する。
本実施形態の電力変換装置では、コンデンサ電圧Vcがコンデンサ電圧指令Vc*から乖離するのは、出力電圧指令MB*が0からMB1まで変化する間だけである。このときMB1は1.0未満であるから、比較例と比べてコンデンサ電圧Vcのコンデンサ電圧指令Vc*からの乖離を抑えることができる。さらに、出力電圧閾値MB1は、Zソース出力電圧演算器33によって演算で求められる。よって、例えば変調率M*等についての他の制約が許容される範囲で、MB1を小さくすることが可能であり、さらに上述の乖離を抑えることができる。つまり、本実施形態の電力変換装置では、出力電圧指令MB*が電源電圧未満(1.0未満)である場合において、昇圧率B*を可変に設定できるので、コンデンサ電圧Vcのコンデンサ電圧指令Vc*への追従性をより高めることが可能である。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示すブロック図である。なお、図1と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。また、制御部20による処理等は第1の実施形態と同じであり説明を省略する。
本実施形態に係る電力変換装置は、第1の実施形態の電力変換装置とは異なり、直流電源1ではなく交流電源16を備える。そして、Zソース昇圧回路2は、交流電源16の三相出力R相、S相、T相を入力する整流回路17の出力を受け取る。
交流電源16は、電動機15にZソース昇圧回路2と、インバータ回路8と、整流回路17とを介して電力供給するための電源装置である。本実施形態において交流電源16は三相交流電源であるが、単相交流電源でも良い。
電圧検出部56は、交流電源16が出力するR相とS相との線間電圧Vrsを検出する検出部である。電圧検出部56では、R相とS相との線間電圧を検出するが、R相と、S相と、T相とのうち、他の二相の線間電圧を検出してもよい。また、電圧検出部56は、R相と、S相と、T相とのいずれかの相電圧を検出してもよい。
直流電源相当電圧演算器57は、電圧検出部56が検出した線間電圧Vrsから、直流電源1(図1参照)に相当する電圧E1を演算する。電圧検出部56および直流電源相当電圧演算器57は、第1の実施形態の電力変換装置の電圧検出部51に代わる機能ブロックである。
ここで、電圧検出部56が検出した線間電圧Vrsと直流電源1の相当の電圧E1との関係は、下記の式(9)で表される。
Figure 2016052167
本実施形態に係る電力変換装置は、交流電源16から電源電圧の供給が可能であり、第1の実施形態で説明した制御の手法を用いることができるため、第1の実施形態と同様にコンデンサ電圧Vcのコンデンサ電圧指令Vc*への追従性をより高めることが可能である。
本発明を図面および実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各ブロック、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数のブロックまたは複数のステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
1 直流電源
2 Zソース昇圧回路
3 ダイオード
4,5 リアクトル
6,7 コンデンサ
8 インバータ回路
9,10,11,12,13,14 スイッチング素子
15 電動機
16 交流電源
17 整流回路
20 制御部
21 積分器
22 電流指令演算器
23 キャリア生成器
24 基本ゲート演算器
25 短絡指令演算器
26 短絡ゲート演算器
27 短絡ゲート論理和
28 最終出力ゲート論理和
30 Zソースベクトル制御演算器
31 三相−dq軸座標変換器
32 電流制御演算器
33 Zソース出力電圧演算器
34 dq軸−三相座標変換器
51 電圧検出部
52 電圧検出部
53 電流検出部
54 電流検出部
55 回転検出部
56 電圧検出部
57 直流電源相当電圧演算器

Claims (4)

  1. 電源電圧または前記電源電圧を昇圧した電圧を出力電圧とするインピーダンスソース昇圧回路と、
    前記出力電圧の高電位側および低電位側を短絡可能なスイッチング素子を有するインバータ回路と、
    前記スイッチング素子を制御することによって、前記インピーダンスソース昇圧回路が有するコンデンサを充放電させて、前記出力電圧を制御可能な制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記出力電圧を所望の値とするための指令である出力電圧指令を、前記コンデンサの電圧を指定する昇圧率と前記スイッチング素子の制御信号の変調に用いられる変調率との積として演算し、
    前記昇圧率は、前記出力電圧指令が前記電源電圧未満である場合において、可変に設定される、電力変換装置。
  2. 前記昇圧率は、前記出力電圧指令が、0以上かつ前記電源電圧未満の第1の閾値より大きく、かつ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下である場合に、可変に設定される、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 直流電源を更に備え、
    前記インピーダンスソース昇圧回路は、前記直流電源からダイオードを介して前記電源電圧を取得する、請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 交流電源を更に備え、
    前記インピーダンスソース昇圧回路は、前記交流電源から整流回路を介して前記電源電圧を取得する、請求項1または2に記載の電力変換装置。
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