JP2016050618A - 工作機械用転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】工作機械に用いられる転がり軸受として、潤滑性や高温耐久性に優れる等、高速回転にも十分に対応しつつ、内部での錆の発生や水素脆性による転走面での剥離を防止でき、運転経費の削減を可能にする工作機械用転がり軸受を提供する。【解決手段】工作機械の回転軸を支持する転がり軸受1であり、内輪2と外輪3と転動体4とシール部材6とを有し、転動体4の周囲にグリース組成物が封入され、このグリース組成物は基油と増ちょう剤とアルカノールアミンとを含み、基油は40℃における動粘度が12〜30mm2/sであり、増ちょう剤はポリイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応して得られるウレア化合物であり、該モノアミン成分は脂肪族モノアミンおよび芳香族モノアミンから選ばれた少なくとも1つであり、アルカノールアミンは基油と増ちょう剤との合計量100重量部に対して0.1〜10重量部含まれる。【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械に用いられ、高速回転する主軸(スピンドル)などの回転軸を支持する転がり軸受に関する。
工作機械の主軸は、加工能率を上げるために高速で回転するものが好ましく、その軸受には種々の潤滑技術が適用されている。高速回転する主軸に適した潤滑方法としては、例えば、オイルミスト潤滑、エアオイル潤滑、ジェット潤滑などの方法が知られている。しかし、このような潤滑方法は、圧縮空気や給油装置などの付帯設備が必要なものであり、工作機械のイニシャルコストおよびランニングコストを高める原因の一つとなる。これに対してグリース潤滑は、メンテナンスの必要が少なくて好ましい潤滑方法であるといえる。例えば、2000〜8000rpmまたはそれ以上の高速で回転する回転軸を支持する転がり軸受として、アンギュラ玉軸受や円筒ころ軸受が使用されている。
図2に示すようにアンギュラ玉軸受11は、ラジアル荷重のほかに一方向からのアキシャル荷重を負荷することができるものであり、鋼球14と内輪12および外輪13との接触点を結ぶ直線がラジアル方向に対して角度(接触角)αをもっている。内輪12と外輪13と鋼球14とで形成される軸受空間に、グリースが封入されている。アンギュラ玉軸受や円筒ころ軸受などからなる工作機械用転がり軸受に使用される潤滑剤としては、給油などのメンテナンスが必要でなく、周囲の環境を汚染しないちょう度に調整された潤滑グリースを採用することが好ましい。
以下に、工作機械用転がり軸受のグリースに要求される潤滑特性と問題点をまとめて示す。
(a)転がり軸受の潤滑寿命を可及的に延長するためには、以下の(i)〜(iii)に説明するように、転がり軸受から潤滑剤(グリースまたはその基油)が漏れにくいこと、グリースの耐熱性に優れること、潤滑に必要な油膜厚さを形成できることが必要である。
(i)転がり軸受を高速運転するとき、遠心力によって転がり軸受内のグリースまたはグリースが軸受外部へ流出するか、またはグリース中の基油が分離流出して、潤滑への寄与が大きい転走面近傍に留まり難く、潤滑不良になりやすい。そのような事態を防止するために、シールド板などのシール部材を転がり軸受に装着する対応がなされるが、軸受の構造によっては装着できない場合があり、またシール部材を装着しても潤滑剤や潤滑油を完全に密封できない場合もある。高速運転されない転がり軸受の場合、転動体や保持器の運動により摩擦部分から押し出されてしまう余分なグリースは、回転条件によっては軸受内部をある程度還流して再び潤滑に寄与することが考えられる。しかし、高速で回転する主軸支持用の転がり軸受では、軸受内部に発生する風圧がこの還流を妨げるため潤滑不良を起こしやすくなる。このため、高速で回転する軸受では、僅かな量のグリースしか潤滑に寄与しておらず、グリースの性状は特に重要となる。また、少量のグリースでも潤滑性能を維持する必要がある。
(ii)運転条件が高速化すると軸受の転がり面は局部的に発熱して高温度になり、このとき耐熱性の乏しいグリースは熱劣化し、グリースの寿命は著しく縮まる。このような問題に対しては、耐熱性のある増ちょう剤や基油を使用したり、酸化防止剤を添加したりする試みがなされた。しかし、これらの試みは、耐久性の十分な向上には至らなかった。
(iii)潤滑性(油膜厚さ)を向上させた従来のグリースは、基油粘度を高くすると剪断摩擦抵抗が上昇して回転トルクが増加し、発熱量が増大するので、これらを抑制するために基油粘度は低く抑えている。そのため、高速に伴う温度上昇で低粘度となった潤滑油の油膜は薄くなって摺動摩耗を起こす場合があった。
(b)低トルク性(温度上昇の抑制性)について既存の高速軸受用のグリースは、前述のように基油粘度を低く抑えているが、軸受が高速度で回転すると、温度上昇により粘度が著しく低下し、潤滑に必要な厚さの油膜を形成できなくなるという問題がある。
(c)低振動性グリースについては、増ちょう剤の種類によって軸受の振動を増大させる場合がある。すなわち、大きくて硬い凝集体を形成する増ちょう剤を含有するグリースでは潤滑する転がり軸受の振動は大きくなる。
このように従来のグリースは、工作機械の高速転がり軸受に用いた場合に軸受の長寿命性、低トルク性および低振動性といった所要物性を満足させることができないという問題点があった。これらの対策として、所定のウレア化合物を配合したグリース組成物が提案されている(特許文献1〜特許文献3参照)。例えば、特許文献3には、40℃における動粘度が15mm/s以上40mm/s 以下である基油と、含有量がグリース組成物全体の9質量%以上14質量%以下であるジウレア化合物の増ちょう剤とを含有し、混和ちょう度が220以上320以下であるグリース組成物が記載されている。
また、工作機機械では加工時に使用する水溶性のクーラントが軸受内部に侵入した場合、錆発生の原因となり異音や軸受の破損が早まり、短時間で軸受の交換が必要となる。また、コンパクト化や高速化に伴い運転条件がさらに過酷になり、転走面に早期に剥離が発生する可能性が高くなっている。この剥離は、白色組織変化を伴った特異的な剥離であり、通常の金属疲労により生じる転走面内部からの剥離と異なり、転走面表面の比較的浅いところから生じる破壊現象で、グリースやクーラントの分解などによって発生する水素が原因の水素脆性と考えられている。
このような早期に発生する特異的な剥離を抑制する方法として、例えば、グリース組成物に不動態化剤を添加する方法(特許文献4参照)や、ビスマスジチオカーバメートを添加する方法(特許文献5参照)が提案されている。
その他、耐熱性、機械的安定性、耐水性、防錆性、耐荷重性、難燃性などに優れたグリース組成物として、鉱油や合成油からなる基油に、第三リン酸カルシウムと、ジエタノールアミン類などのグリース構造安定化剤を配合したものが提案されている(特許文献6参照)。
特開2000−169872号公報 特開2003−83341号公報 特開2006−29473号公報 特開平3−210394号公報 特開2005−42102号公報 特開2008−156624号公報
しかしながら、近年、転がり軸受の使用状態が過酷になり、ピッチ円径dm(mm)と回転数N(rpm)との積であるdmN値が170万以上という高速回転で使用される工作機械主軸用の転がり軸受なども多くなってきている。このような回転速度の高速化に伴って、特許文献1〜3のような既存のグリース組成物を封入した軸受では、要求される性能を全て満足させることは困難である。特許文献3のグリース組成物においても、グリース封入量を少なくすることが困難であり、軸受の高速回転に十分に対応でき、工作機械のコンパクト化や運転経費の削減を可能にすることは容易ではない。
また、このような過酷化された環境下では、特許文献4、5のような、不動態化剤やビスマスジチオカーバメートを添加する方法では、上述の剥離現象を防ぐ対策として不十分になってきている。また、特許文献6のグリース組成物については、上記剥離現象の防止能力については検討がなされておらず、必須成分の具体的な組み合わせによっては寧ろ悪影響を与える場合もある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、工作機械に用いられる転がり軸受として、潤滑性や高温耐久性に優れる等、高速回転にも十分に対応しつつ、内部での錆の発生や水素脆性による転走面での剥離を防止でき、運転経費の削減を可能にする工作機械用転がり軸受の提供を目的とする。
本発明の工作機械用転がり軸受は、工作機械の回転軸を支持する転がり軸受であり、該転がり軸受は、内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する複数の転動体と、上記内輪および外輪の軸方向両端開口部を覆うシール部材と、上記転動体の周囲に封入されるグリース組成物とを有し、上記グリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、アルカノールアミンとを含み、無機酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を含まず、上記基油は、40℃における動粘度が12〜30mm/sであり、上記増ちょう剤は、ポリイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応して得られるウレア化合物であり、該モノアミン成分は、脂肪族モノアミンおよび芳香族モノアミンから選ばれた少なくとも1つのモノアミンであり、上記アルカノールアミンは、上記基油と増ちょう剤との合計量100重量部に対して0.1〜10重量部含まれることを特徴とする。
上記アルカノールアミンは、ジエタノールアミンであることを特徴とする。
上記増ちょう剤において、上記脂肪族モノアミンがモノアミン全体に対して50モル%以上含まれることを特徴とする。
上記基油は、ポリ−α−オレフィン油(以下、PAOと記す)、エステル油およびアルキルジフェニルエーテル油から選ばれた少なくとも1つの油であることを特徴とする。
上記基油は、鉱油、高度精製鉱油、および水溶性潤滑油から選ばれる少なくとも1つの油であることを特徴とする。
上記転がり軸受は、アンギュラ玉軸受または円筒ころ軸受であることを特徴とする。
本発明の工作機械用転がり軸受は、転動体の周囲に、所定の動粘度を有する基油と、所定のウレア化合物からなる増ちょう剤と、所定量のアルカノールアミンとを含むグリースを封入してなるので、潤滑性や高温耐久性に優れ、高速回転にも十分に対応しつつ、内部での錆の発生や水素脆性による転走面での剥離を防止できる。軸受が長寿命になることで、その交換周期を延長でき、工作機械の運転経費の削減が可能になる。このため、旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、ホーニング盤、超仕上盤、ラップ盤などの高速で摺動・回転する工作機械の主軸支持部に組み込まれる転がり軸受として好適に利用できる。また、オイルエア潤滑法のように潤滑油を連続して供給する方式と異なり、軸受にグリースを封入して使用できるため、工作機械の運転コストの削減や省スペース化も可能になる。
本発明の工作機械用転がり軸受の一例であるアンギュラ玉軸受を示す断面図である。 アンギュラ玉軸受を示す断面図である。
本発明者らは、工作機械用転がり軸受において、潤滑に供するグリースについて鋭意検討を行なった結果、所定の基油と増ちょう剤を用いたグリースにアルカノールアミンを必須添加剤として配合することにより、高い高温耐久性を有しつつ、水素脆性による転走面での剥離と、軸受内部での錆の発生を効果的に防止できることを見出した。
転がり軸受において、転動体と軌道輪、転動体と保持器などの鉄系金属部材同士が、潤滑油またはグリースに接触しながら転がり接触・摺動する場合、鉄系金属部材同士の接触面(主に転走面)において、油膜が殆ど無くなり、部分的に金属同士の表面が直接触れ合っているような状態である境界潤滑条件となる場合がある。近年の工作機械用転がり軸受では、上述のとおり、高速化などの使用条件の過酷化により、転走面での油膜切れを起こしやすくなっている。このように、転走面において油膜が薄くなる場合であっても、摩擦摩耗面または摩耗により露出した鉄系金属新生面において、アルカノールアミンが吸着等することで、鉄系金属新生面とグリースや水溶性クーラントとの直接接触を防止できる。これにより、グリースやクーラントの分解による水素の発生を抑制して、水素脆性による特異な剥離を抑制でき、同時に錆の発生も防止でき、転がり軸受の寿命を延長できると考えられる。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明の工作機械用転がり軸受に用いるグリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、添加剤であるアルカノールアミンとを含み、無機酸のアルカリ金属塩および無機酸のアルカリ土類金属塩を含まない。ここで、無機酸としては、リン酸(オルトリン酸)、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸などが挙げられ、アルカリ金属およびアルカリ土類金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。具体的には、第三リン酸カルシウム(オルトリン酸のカルシウム塩)などが挙げられる。
上記グリース組成物に用いるアルカノールアミンとしては、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、およびモノ−n−プロパノールアミンなどの一級アルカノールアミン、N−アルキルモノエタノールアミン、およびN−アルキルモノプロパノールアミンなどの二級アルカノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルジエタノールアミン、トリ(n−プロパノール)アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジアルキルエタノールアミン、およびN−アルキル(又はアルケニル)ジエタノールアミンなどの三級アルカノールアミンが挙げられる。また、アルカノール基の数により、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミンに分類されるが、本発明では複数のヒドロキシル基(アルカノール基)とアミノ基のキレート作用により、鉄イオンを挟み込み、鉄系金属新生面の露出を防止しやすいことから、ジアルカノールアミンまたはトリアルカノールアミンを用いることが好ましい。
上記の中でも、基油との相溶性、錆や剥離現象の防止能力に優れ、入手性にも優れることから、下記式(1)のN−アルキル(又はアルケニル)ジエタノールアミンを用いることが好ましい。
Figure 2016050618
式中のRは、炭素原子数1〜20の直鎖もしくは分枝状のアルキル基またはアルケニル基を示す。また、炭素原子数は1〜12が好ましく、1〜8がより好ましい。具体的な化合物としては、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−ペンチルジエタノールアミン、N−ヘキシルジエタノールアミン、N−ヘプチルジエタノールアミン、N−オクチルジエタノールアミン、N−ノニルジエタノールアミン、N−デシルジエタノールアミン、N−ウンデシルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、N−トリデシルジエタノールアミン、N−ミリスチルジエタノールアミン、N−ペンタデシルジエタノールアミン、N−パルミチルジエタノールアミン、N−ヘプタデシルジエタノールアミン、N−オレイルジエタノールアミン、N−ステアリルジエタノールアミン、N−イソステアリルジエタノールアミン、N−ノナデシルジエタノールアミン、N−エイコシルジエタノールアミンなどが挙げられる。
アルカノールアミンは、1種単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、アルカノールアミンは、室温および使用温度で液状またはペースト状のものが好ましい。また、溶剤などに分散された状態であってもよい。このようなアルカノールアミンを用いることで、工作機械における過酷条件下で転走面の油膜が薄くなる場合でも該部分に入り込みやすい。アルカノールアミンの動粘度としては、40℃において10〜100mm/sが好ましく、40℃において40〜70mm/sがより好ましい。
アルカノールアミン(三級ジエタノールアミン)の市販品としては、例えば、ADEKA社製のアデカキクルーブFM−812、アデカキクルーブFM−832などが挙げられる。
上記グリース組成物におけるアルカノールアミンの配合割合は、基油と増ちょう剤の合計量100重量部に対して0.1〜10重量部とする。この範囲内であると、他の悪影響なく、錆の発生や、水素脆性による特異な剥離を防止し得る。10重量部をこえると、ちょう度が高くなりすぎて軸受内から漏洩するおそれがある。好ましくは0.3〜10重量部であり、より好ましくは1.0〜5.3重量部である。
上記グリース組成物の基油の40℃における動粘度(混合油の場合は、混合油の動粘度)は、12〜30mm/sである。より好ましくは15〜30mm/sである。動粘度が12mm/s未満の場合、粘度が低すぎて十分な耐荷重性などが得られないおそれがある。また、動粘度が30mm/sをこえる場合、高速回転に伴って転走面への油の供給が不足し、早期に軸受寿命に至るおそれがある。
上記グリース組成物の基油として、例えば、PAO、エステル油およびアルキルジフェニルエーテル油から選ばれた少なくとも1つの油を採用できる。これらの混合油とする場合、PAOを必須成分とすることが好ましく、また、PAOはエステル油またはアルキルジフェニルエーテル油よりも重量割合で同量以上であることが好ましい。
PAOは、通常、α−オレフィンまたは異性化されたα−オレフィンのオリゴマーまたはポリマーの混合物である。α−オレフィンの具体例としては、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラドコセンなどを挙げることができ、通常はこれらの混合物が使用される。
エステル油としては、ジブチルセバケート、ジ-2-エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレートなどのジエステル油、トリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテートなどの芳香族エステル油、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンベラルゴネート、ペンタエリスリトール-2-エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネートなどのポリオールエステル油、炭酸エステル油、りん酸エステル油などが挙げられる。
アルキルジフェニルエーテル油としては、モノアルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリアルキルジフェニルエーテルなどが挙げられる。
また、上記グリース組成物の基油として、例えば、鉱油、高度精製鉱油、および水溶性潤滑油から選ばれる少なくとも1つの油を採用できる。鉱油としては、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油などが挙げられる。高度精製鉱油は、例えば、減圧蒸留の残油から得られるスラッグワックスを接触水素化熱分解し、合成することにより得られる。また、フィッシャー・トロプシュ法により合成されるGTL油などが挙げられる。高度精製鉱油は、硫黄含有率が0.1重量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.01重量%未満である。水溶性潤滑油としては、水−グリコール系作動油などが挙げられる。
上記グリース組成物の増ちょう剤は、ポリイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応して得られるウレア化合物である。ウレア化合物は、耐熱耐久性に優れ、転走面への介入性と付着性にも優れる。ポリイソシアネート成分としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜などが挙げられる。また、モノアミン成分としては、脂肪族モノアミン、脂環族モノアミンおよび芳香族モノアミンが挙げられる。脂肪族モノアミンとしては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンなどが挙げられる。脂環族モノアミンとしては、シクロヘキシルアミンなどが挙げられる。芳香族モノアミンとしては、アニリン、p−トルイジンなどが挙げられる。
本発明では、モノアミンの中でも、脂肪族モノアミンおよび芳香族モノアミンから選ばれた少なくとも1つのモノアミンを用いる。特に、脂肪族モノアミンをモノアミン全体に対して50モル%以上含むことが好ましい。これにより、増ちょう剤のせん断安定性が強く、高速下でも容易に破壊されず、増ちょう剤の毛細管現象によりグリース中の基油を転走面に供給できる。
基油に増ちょう剤であるウレア化合物を配合してベースグリースが得られる。このベースグリースは、基油中で上記ポリイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応させて作製する。ベースグリース中に占める増ちょう剤の配合割合は、3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%である。増ちょう剤の含有量が3重量%未満では基油保持能力が十分ではなく、特に回転初期に一時に大量の油分が分離してグリースの漏洩が起こり、軸受耐久寿命が短くなるおそれがある。また、20重量%をこえると、相対的に基油の量が少なくなり、油供給性が不十分で、早期に潤滑不足に陥って同様に軸受耐久寿命が短くなるおそれがある。
上記グリース組成物の作製方法としては、まず、基油にアルカノールアミンを配合し、この基油を用いて増ちょう剤を作製する方法、アルカノールアミンを除いてグリース組成物を調整した後にこれに分散液を加える方法のいずれであってもよい。アルカノールアミンがアミノ基を含むので、ウレア化合物を増ちょう剤とする場合は、基油中で上記ポリイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応させてベースグリースを作製した後に、アルカノールアミンを添加することが好ましい方法である。
上記グリース組成物の混和ちょう度(JIS K 2220)は、200〜350の範囲にあることが好ましい。ちょう度が200未満である場合は、油分離が小さく潤滑不良となるおそれがある。一方、ちょう度が350をこえる場合は、グリースが軟質で軸受外に流出しやすくなり好ましくない。
本発明の工作機械用転がり軸受に用いるグリース組成物中において、アルカノールアミンは、酸との塩のように反応生成物の形ではなく、そのままの状態で存在している。よって、他の添加剤として、脂肪酸などのアルカノールアミンと塩を形成するような添加剤は含まないようにする。上記グリース組成物には、このような本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて公知の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、有機亜鉛化合物、アミン系、フェノール系化合物などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレンなどの粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑剤、金属スルホネート、多価アルコールエステルなどの防錆剤、エステル、アルコールなどの油性剤、他の摩耗防止剤などが挙げられる。これらを単独で、または2種類以上組み合せて添加できる。また、本発明では、ジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデンなどの有機モリブデン化合物を配合しない構成とする場合でも、水素脆性による転走面での剥離を防止できる。
本発明の工作機械用転がり軸受は構造的には特に制限されるものではなく、例えば図1に示されるアンギュラ玉軸受1を例示することができる。図1はグリース封入アンギュラ玉軸受を示す縦断面図である。このアンギュラ軸受は、図1に示すように、内輪2と外輪3との間に転動体4が保持器5に保持された軸受空間を、外輪3の内周面に設けられた係止溝に固定したシール部材6で密封したアンギュラ玉軸受である。少なくとも転動体4の周囲にグリース組成物が封入され、外輪3の内径面に周溝状のグリースポケット7を形成して、グリース組成物の漏洩を物理的に防止している。転動体4と、内輪2および外輪3との接触点を結ぶ直線がラジアル方向に対して接触角βを有しており、ラジアル荷重と一方向のアキシャル荷重を負荷することができる。また、転動体4は、窒化珪素や炭化珪素などのセラミック製とすることもできる。本発明においては、内輪2と外輪3と転動体4とで形成される軸受空間に、上述の所定のグリース組成物が封入される。
本発明の工作機械用転がり軸受は、軸受空隙部の容積の1体積%以上10体積%未満のグリースを封入することが好ましい。1体積%未満であると、潤滑に必要なグリース量が不足して枯渇し、耐久性に劣る。10体積%以上であると、撹拌によるトルク増による発熱で耐久性が向上しないし、また、コスト増につながり環境上も好ましくない。
本発明の工作機械用転がり軸受としては、図1に示すアンギュラ玉軸受の他、深溝玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト円すいころ軸受、スラスト針状ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受なども使用できる。これらの中で高速回転での回転精度と耐荷重性能を両方備えることから、アンギュラ玉軸受または円筒ころ軸受を用いることが好ましい。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、これらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例2
表1に示した基油の半量に、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業製ミリオネートMT、以下「MDI」と記す)を該表に示す割合で溶解し、残りの半量の基油にMDIの2倍当量となるモノアミンを溶解した。それぞれの配合割合および種類は該表のとおりである。MDIを溶解した溶液を撹拌しながらモノアミンを溶解した溶液を加えた後、100〜120℃で30分間撹拌を続けて反応させて、ジウレア化合物を基油中に生成させベースグリースを得た。これに各添加剤を表1に示す配合割合で加えてさらに十分撹拌した。その後、三本ロールで均質化し、供試グリースを得た。なお、基油(混合油)の動粘度は、いずれも22mm/s(40℃)である。
得られたグリースを転がり軸受に封入して以下に示す急加減速試験、高温耐久試験、および錆試験を行なった。試験方法および試験条件を以下に示す。
<急加減速試験>
回転軸を支持する内輪回転の転がり軸受(内輪・外輪・鋼球は軸受鋼SUJ2、型番:6203LLU(シール付き))に上記グリースを封入し、急加減速試験を行なった。急加減速試験条件は、室温(25℃)雰囲気下、回転軸先端に取り付けたプーリに対する負荷荷重を1960N、回転速度は0rpm〜20000rpmで運転条件を設定し、さらに、試験軸受内に0.5Aの電流が流れる状態で試験を実施した。そして、軸受内に異常剥離が発生し、振動検出器の振動が設定値以上になって停止する時間(剥離発生寿命時間、h)を計測した。結果を表1に示す。
<高温耐久試験>
上記グリースを転がり軸受(内径20mm×外径47mm×厚さ14mm、型番:6204ZZ(シール付き))に封入し、アキシャル荷重67Nとラジアル荷重67Nの下で、軸受温度150℃、10000rpmの回転速度で回転させ、焼き付きに至るまでの時間(高温耐久寿命時間、h)を測定した。結果を表1に示す。なお、当該結果は、試験回数3回の平均値(時間、h)である。
<錆試験>
ASTM D 1743に規定される錆試験法に準じて、試験条件を錆発生に対してより過酷な条件で行なった。あらかじめ有機溶剤により脱脂し、乾燥させた円錐ころ軸受30204に得られたグリースを2.0g封入した後、アキシャル荷重を98N加えて毎分1800回転で1分間慣らし運転した。次に、1重量%食塩水に浸漬した後、この軸受を40℃で飽和水蒸気圧に達した密封高湿容器に入れ、40℃で48時間放置した後、発錆状況を調べた。発錆状況は外輪レースを周方向に32等分して錆のあった区間を数え、錆発生確率を測定した。結果を表1に示す。なお、試験回数は4回(合計区間数は128)である。
Figure 2016050618
表1に示すように、アルカノールアミン(ジエタノールアミン)を配合することで錆の発生を防止できた。特に、アルカノールアミンを所定量配合することで、剥離防止性と高温耐久性を維持しつつ、錆の発生を防止できた。
本発明の工作機械用転がり軸受は、潤滑性や高温耐久性に優れる等、高速回転にも十分に対応しつつ、内部での錆の発生や水素脆性による転走面での剥離を防止できるので、旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、ホーニング盤、超仕上盤、ラップ盤などの高速で摺動・回転する工作機械の主軸支持部に組み込まれる転がり軸受として好適に利用できる。
1、11 アンギュラ玉軸受
2、12 内輪
3、13 外輪
4、14 転動体(鋼球)
5 保持器
6 シール部材
7 グリースポケット

Claims (6)

  1. 工作機械の回転軸を支持する転がり軸受であって、
    前記転がり軸受は、内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する複数の転動体と、前記内輪および外輪の軸方向両端開口部を覆うシール部材と、前記転動体の周囲に封入されるグリース組成物とを有し、
    前記グリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、アルカノールアミンとを含み、無機酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を含まず、
    前記基油は、40℃における動粘度が12〜30mm/sであり、
    前記増ちょう剤は、ポリイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応して得られるウレア化合物であり、該モノアミン成分は、脂肪族モノアミンおよび芳香族モノアミンから選ばれた少なくとも1つのモノアミンであり、
    前記アルカノールアミンは、前記基油と増ちょう剤との合計量100重量部に対して0.1〜10重量部含まれることを特徴とする工作機械用転がり軸受。
  2. 前記アルカノールアミンは、ジエタノールアミンであることを特徴とする請求項1記載の工作機械用転がり軸受。
  3. 前記増ちょう剤において、前記脂肪族モノアミンがモノアミン全体に対して50モル%以上含まれることを特徴とする請求項1または請求項2記載の工作機械用転がり軸受。
  4. 前記基油は、ポリ−α−オレフィン油、エステル油およびアルキルジフェニルエーテル油から選ばれた少なくとも1つの油であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の工作機械用転がり軸受。
  5. 前記基油は、鉱油、高度精製鉱油、および水溶性潤滑油から選ばれる少なくとも1つの油であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の工作機械用転がり軸受。
  6. 前記転がり軸受は、アンギュラ玉軸受または円筒ころ軸受であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載の工作機械用転がり軸受。
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