JP2016050243A - 耐高放射線性樹脂組成物並びにそれを用いてなる電線及びケーブル類 - Google Patents

耐高放射線性樹脂組成物並びにそれを用いてなる電線及びケーブル類 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐高放射線性に優れ、特に線量が100kGy以上である高放射線環境下においても、十分な機械的特性に優れる耐高放射線性樹脂組成物並びにそれを用いてなる電線及びケーブル類を提供する。【解決手段】 下記の成分(C)を有することを特徴とする耐高放射線性樹脂組成物、電線及びケーブル類。成分(C):エチレンと下記一般式(I)で示される環状アミノビニル化合物との共重合体【化1】(式中、R1及びR2は水素原子またはメチル基を、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す)【選択図】なし

Description

本発明は、耐高放射線性樹脂組成物並びにそれを用いてなる電線及びケーブル類に関し、より詳しくは、原子力関連施設等の高放射線環境下で使用される耐高放射線性樹脂組成物並びにそれを用いてなる電線及びケーブル類に関する。
原子力発電所、使用済核燃料再処理施設及び粒子加速器施設やその周辺等の原子力関連施設で使用される電線・ケーブル類には、高い電気的特性に加えて、耐高放射線性が要求される。また、原子力関連施設で火災や冷却材喪失事故等が起きた際には、さらに高いレベルの耐高放射性が必要となる。
ポリエチレン系樹脂等の樹脂材料は、電気的特性、加工特性等が優れることから、電線・ケーブル類の被覆材料として使用されている。しかし、高放射線環境下では、電線・ケーブル類に用いられる樹脂材料の放射線照射による劣化が起こり、機械的特性や電気的特性が低下するという問題がある。
従来、耐高放射線性を有するポリエチレン系樹脂組成物としては、例えば、特許文献1〜3に記載される樹脂組成物等が知られているが、さらなる耐高放射線性の向上が求められている。また、例えば特許文献3では、被覆材料のベースのポリマーとしてクロロスルホン化ポリエチレンを用いることが開示されているが、火災時の安全性や環境配慮の観点から、塩素などのハロゲン元素を含まない非ハロゲン電線・ケーブル類が望まれている。
特開平01−115949号公報 特開平04−315701号公報 特開平08−151490号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、耐高放射線性に優れ、特に線量が100kGy以上である高放射線環境下においても、十分な機械的特性に優れる耐高放射線性樹脂組成物並びにそれを用いてなる電線及びケーブル類を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、エチレンと特定の環状アミノビニル化合物との共重合体を含む樹脂組成物が、耐高放射線性を有し、かつ、電線及びケーブル類の被覆層として用いられる樹脂組成物として優れることを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、エチレンと下記一般式(I)(式中、R及びRは水素原子またはメチル基を、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す)で示される環状アミノビニル化合物との共重合体(成分(C))を有することを特徴とする耐高放射線性樹脂組成物が提供される。
成分(C):エチレンと下記一般式(I)で示される環状アミノビニル化合物との共重合体
Figure 2016050243
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記成分(C)を樹脂主成分として含有することを特徴とする耐高放射線性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記成分(C)と、前記成分(C)以外のポリエチレン系樹脂(A)とを含有すことを特徴とする耐高放射線性樹脂組成物が提供される。
成分(A):エチレン・α−オレフィン共重合体
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、前記ポリエチレン系樹脂(A)が、下記の成分(A1)〜(A4)から選ばれる一種以上であることを特徴とする耐高放射線性樹脂組成物が提供される。
成分(A1):高圧法低密度ポリエチレン
成分(A2):エチレン・α−オレフィン共重合体
成分(A3):エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体
成分(A4):エチレン・ビニルエステル共重合体
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、前記ポリエチレン系樹脂(A)が、前記成分(A1)であることを特徴とする耐高放射線性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記ポリエチレン系樹脂(A)が、下記の(1)及び(2)の特性を有する成分(A1)高圧法低密度ポリエチレンであることを特徴とする耐高放射線性樹脂組成物が提供される。
(1)MFRが0.1〜40g/10min
(2)密度が0.910〜0.930g/cm
さらに、本発明の第7の発明によれば、第1〜6の発明に係る耐高放射線性樹脂組成物を絶縁被覆材料として用いてなることを特徴とする耐高放射線性電線またはケーブル類が提供される。
本発明の耐高放射線性樹脂組成物は、耐放射線性に優れ、放射線線量が100kGy以上となる高放射線環境下においても、十分な機械的特性を有する。また、該耐高放射線性樹脂組成物を用いてなる本発明の電線及びケーブル類は、高放射線環境下においても、十分な機械的特性を有し、原子力関連施設等で好適に使用することができる。
図1は、γ線照射量と伸度残率の関係を示すグラフである。
以下、本発明の耐高放射線性樹脂組成物並びにそれを用いてなる電線及びケーブル類について詳細を説明する。
1.耐高放射線性樹脂組成物
本発明の耐高放射線性樹脂組成物は、下記の成分(C)を有することを特徴とする。
成分(C):エチレンと下記一般式(I)で示される環状アミノビニル化合物との共重合体
Figure 2016050243
(式中、R及びRは水素原子またはメチル基を、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す)
本発明の耐高放射線性樹脂組成物は、成分(C)を用いることにより、耐放射線性に優れ、放射線線量が100kGy以上である高放射線環境下においても、機械的特性が十分であるため、高放射線環境下で使用される電線・ケーブル類の被覆材料(絶縁層またはシース層)として好適に用いることができる。
成分(C)の具体例としては、下記の化合物等を挙げることができる。
1)4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
2)4−アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
3)4−アクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4)4−アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
5)4−アクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
6)4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
7)4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルペリジン
8)4−メタクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
9)4−メタクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
10)4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
11)4−クロトノイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
成分(C)中の環状アミノビニル化合物由来の構成単位の含有量は、成分(C)の総量100重量%に対して、0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%、さらに好ましくは1〜6重量%である。環状アミノビニル化合物由来の構成単位の含有量が多いほど、耐高放射線性の効果は向上するが、一方、含有量が多すぎると共重合体の製造が製造効率上難しくなる。
成分(C)のMFR(190℃、21.18N荷重)としては、好ましくは0.1〜200g/10分、より好ましくは0.5〜100g/10分、特に好ましくは0.7〜50g/10分である。MFRが上記範囲であると樹脂組成物として加工・使用しやすい。
成分(C)のGPC測定法により求めた重量平均分子量は、好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜500,000、さらに好ましくは10,000〜300,000である。分子量が小さすぎると、機械強度や耐衝撃性といった樹脂物性が充分ではなくなりやすく、一方、分子量が大きすぎると、溶融粘度が非常に高くなり、成形加工が困難となりやすい。
成分(C)は、例えば特開平4−80215号公報に記載されている高圧ラジカル重合法で製造することができ、具体的には、エチレンと環状アミノビニル化合物とを1,000〜5,000kg/cmの圧力、100〜400℃の温度でラジカル重合させることで製造する。このような成分(C)としては、従来、耐候剤として知られ、主に農業用フィルムで使用されている、日本ポリエチレン株式会社製「KOKANOX XJ100H」を用いることができる。
その他、成分(C)としては、他の製造方法で得られた共重合体、すなわち、特定の後期遷移金属触媒の存在下でエチレンと環状アミノビニル化合物を含有するコモノマーを共重合して得られた、線状かつランダムに共重合させた極性基含有エチレン共重合体を用いることもできる。その具体的な製造方法としては、当出願人の先願である特願2014−047080号に記載されている。
なお、成分(C)の一部を、分子量が1000以上の他のヒンダードアミン化合物で置換してもよい。その場合には、他のヒンダードアミン化合物に由来する官能基(ヒンダードアミン)含有量は、後述する他の樹脂成分も合わせた樹脂成分総量に対して、0.05重量%以下とするのが好ましい。
(第1の態様)
本発明の第1の態様の耐高放射線性樹脂組成物は、上記した成分(C)を、樹脂主成分、すなわち樹脂組成物を構成する樹脂成分中50重量%以上用いた耐高放射線性樹脂組成物である。好ましくは、樹脂成分中60重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、特に好ましくは樹脂成分の100重量%を成分(C)で構成すると、高い耐高放射線性を示すためには好ましい。
樹脂主成分である成分(C)以外の樹脂としては、後述する第2の態様で説明する樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
更に、樹脂組成物には、樹脂成分以外の成分として、防曇剤、帯電防止剤、造核剤、耐候安定剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。特に、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等公知の酸化防止剤を用いることができる。
(第2の態様)
本発明の第2の態様による耐高放射線性樹脂組成物は、上記した成分(C)と、成分(C)以外のポリエチレン系樹脂(A)とを含有することを特徴とする。ポリエチレン系樹脂(A)は1種でも2種以上でもよい。
特に、ポリエチレン系樹脂(A)を樹脂主成分として、成分(C)を樹脂副成分として用いると、本発明の耐高放射線性樹脂組成物を適用する用途、例えば電線・ケーブル類用に最適な絶縁性等の電気的特性や柔軟性、成形性等の物性を有する成分(A)を使用できるので、高耐放射線性と、電線・ケーブル類の絶縁被覆材用途等の各用途に最適な物性を併用して有する樹脂組成物を得ることができるため、好ましい。
その場合の配合量は成分(C)を0.05重量%〜50重量%未満、ポリエチレン系樹脂(A)を50重量%以上99.95重量%以下、好ましくは(C)を0.1重量%以上30重量%以下、(A)を70重量%以上99.9重量%以下、更に好ましくは(C)を0.5重量%以上15重量%以下、(A)を85重量%以上99.5重量%以下含有することが挙げられる。
なお、本発明の成分(C)がエチレンベースの共重合体であるため、ブレンドする樹脂として、同じくエチレンベースのポリエチレン系樹脂(A)を採用することにより、相溶性の良好な樹脂組成物を得ることができる。
ポリエチレン系樹脂(A)としては、エチレンモノマーのホモ重合体、エチレンと他のコモノマーの共重合体として知られている、公知の樹脂種からその用途に適した任意の樹脂を選択しうるが、特に好ましくは、下記の成分(A1)〜(A4)から選ばれる一種以上である。
成分(A1):高圧法低密度ポリエチレン
成分(A2):エチレン・α−オレフィン共重合体
成分(A3):エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体
成分(A4):エチレン・ビニルエステル共重合体
これらの樹脂(A1)〜(A4)は、絶縁性等の電気的特性と成形性に優れるため、高放射線環境下で特に必要とされる、電線・ケーブル類の絶縁被覆材料として好適に用いることができる。
成分(A1):高圧法低密度ポリエチレン:
成分(A1)は、エチレンモノマーを、高圧下ラジカル重合法により重合して得られる低密度のポリエチレンであって、好ましくは下記物性を有する重合体である。
(1)MFRが0.1〜40g/10min
(2)密度が0.910〜0.930g/cm
成分(A1)のMFRは、好ましくは0.1〜40g/10分であり、より好ましくは0.5〜30g/10分である。MFRが上記範囲であることにより、加工性が良好となる。
成分(A1)の密度は、好ましくは0.910〜0.930g/cm、より好ましくは0.912〜0.928g/cmである。密度が低すぎると、成形時に穴あきが発生しやすくなり、外観が良好な成形体が得られない恐れがある。一方、密度が高すぎると、成形体の加工安定性が得られない恐れがある。
成分(A2):エチレン・α−オレフィン共重合体
本発明に用いられる成分(A2)としては、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン並びにエチレン−プロピレン共重合体ゴム及びエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム等のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムなどが含まれる。
成分(A2)の製造方法は特に限定されず、例えば、高・中・低圧下においてチーグラー系触媒、フィリップス系触媒、メタロセン系触媒(シングルサイト系触媒とも称す)等のイオン重合により、溶液法、気相法等の重合法で製造されるが、特にシングルサイト系触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。
成分(A2)に用いられるα−オレフィンの種類としては、通常、炭素数3〜8のα−オレフィンであり、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1が挙げられ、これらは、1種類又は2種類以上を用いることができる。また、エチレン・α−オレフィン共重合体は、多元共重合体であってもよい。成分(A2)中のα−オレフィン由来の構成単位の含有量は、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%である。
成分(A2)のMFR(190℃、21.18N荷重)は、好ましくは0.01〜100g/10分、より好ましくは0.1〜50g/10分、更に好ましくは0.1〜20g/10分である。MFRが低すぎると溶融流れ性が悪く、加工が困難になるといった問題が生じる恐れがあり好ましくない。一方、大きすぎると溶融粘度が低すぎて、加工安定性が低下する恐れがあり好ましくない。メルトフローレート(MFR)は、JIS−K−7210により測定したメルトフローレート値である。
成分(A2)の密度は、好ましくは0.880〜0.940g/cmで、適用する樹脂組成物の用途に応じて好適範囲が異なるが、柔軟性を要する用途においては、更に好ましくは0.900〜0.940g/cmであり、より好ましくは0.910〜0.933g/cmである。密度が小さすぎるとべた付きが多く、樹脂組成物を成形する際、加工性に劣る恐れがある。一方、密度が大きすぎると、成形後の樹脂組成物が脆くなり、穴が開きやすくなる等の不具合が生じる恐れがある。
なお、密度は、JIS−K6922−2に基づいて測定する値である。
成分(A3):エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体
本発明に用いられる成分(A3)としては、特に限定されず、従来公知の重合体を用いることができ、例えば、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン・(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合体;エチレン・無水マレイン酸・酢酸ビニル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸エチル共重合体等の二元共重合体又は多元共重合体、あるいはそれらの金属塩等が挙げられる。
また、エチレンと共重合するコモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル等を挙げることができる。これらの中でも特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等のアキルエステルを挙げることができる。成分(a3)中の(メタ)アクリル酸エステル含有量は好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
また、上記金属塩の金属としては、K、Na、Li、Ca、Zn、Mg、Al等が挙げられる。
成分(A4):エチレン・ビニルエステル共重合体
成分(A4)は、エチレンとビニルエステルとの共重合体であり、高圧ラジカル重合法で製造される。成分(A4)としては、例えば、エチレンと、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体との共重合体を挙げることができる。これらの中でも特に好ましくは、エチレン・酢酸ビニル共重合体である。
成分(A4)中、エチレン由来の構成単位50〜99.5重量%、ビニルエステル由来の構成単位0.5〜50重量%であることが好ましい。また、成分(A4)全構成単位100重量%中、ビニルエステル由来の構成単位が、より好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%の範囲である。
さらに、成分(A4)は、他の共重合可能な不飽和単量体を成分(A)中、0〜49.5重量%を含んでもよい。
なお、第2の態様においても、第1の態様と同様に、上記ポリエチレン系樹脂以外の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
(その他の態様)
本発明のその他の態様としては、成分(C)と成分(A)と、成分(A)及び(C)以外の樹脂(B)とを含有することもできる。成分(A)、(C)以外の樹脂(B)としては、適用する用途に応じた任意の樹脂を用いることができ、これらは1種または2種以上を併用することもできる。
なお、成分(A)、(C)及び任意の樹脂(B)を含む樹脂成分合計100重量%に対して、成分(C)の環状アミノビニル化合物に由来する構造単位を好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上含有する。樹脂組成物中の環状アミノビニル化合物由来の構成単位の含有割合が少なすぎると耐放射線性が不十分となりやすい。また、多すぎると相溶性が悪くなり、実用性に欠けるようになる。
2.耐高放射線性樹脂組成物の用途
本発明の耐高放射線性樹脂組成物は、原子力発電所や核燃料再処理施設等の高放射線に長期間晒される環境下にて使用する用途に利用することができ、その成形方法や用途に応じた他の樹脂とのブレンド及び各種添加剤の使用は適宜その用途に応じて行うことができる。
ここで、高放射線環境下とは、樹脂組成物が吸収する積算吸収線量が、100kGy以上となる環境をいい、本発明に係る樹脂組成物は、さらに積算吸収線量が250kGy以上となる環境下でも好適に用いることができる。
特に好ましく使用できる用途として、下記電線及びケーブル類用途が挙げられる。
3.耐高放射線性電線及びケーブル類
本発明の電線又はケーブル類は、上述した耐高放射線性樹脂組成物を絶縁層及び/又はシース層に用いた、高放射線環境下で好適に使用される電線又はケーブル類である。特に耐放射線性の観点から、導体を被覆する絶縁層に用いられること、更にそれを複数本あわせた周囲のシース層にも用いることができる。なお、本発明の電線又はケーブル類の製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法で製造することができ、また、公知の添加剤を使用できる。
たとえば、電線又はケーブル類用の樹脂組成物の添加剤としては、難燃剤として公知の、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤などの有機系難燃剤あるいは無機系難燃剤が挙げられる。これら有機系難燃剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して5〜50重量部、無機系難燃剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して、40〜200重量部の範囲で添加される。また、他の熱可塑性樹脂、合成ゴム、天然ゴムあるいは有機・無機フィラー、酸化防止剤、滑剤、有機・無機の各種顔料、紫外線防止剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、流れ性改良剤、ウエルド強度改良剤、核剤等の添加剤を、樹脂組成物の特性を低下させない範囲で加えることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において使用した測定方法、評価方法及び材料は、以下の通りである。
1.測定方法、評価方法
(1)MFR:JIS−K7210(190℃、2.16kg荷重)に準拠して行った。
(2)密度:JIS−K6922−2(23℃)に準拠して行った。
(3)引張試験
放射線照射前後の試料を、JIS K 6251に規定する3号試験片に打ち抜いて試験片とした。200mm/minで引張試験を実施し、引張破壊強さ、引張破壊伸びを測定した。
強度残率及び伸度残率を以下の式で求めた。
強度残率(%)=γ線照射後の試料の引張破壊応力(MPa)/γ線照射前の試料の引張破壊応力(MPa)×100
伸度残率(%)=γ線照射後の試料の引張破壊歪み(%)/γ線照射前の試料の引張破壊歪み(%)×100
2.材料
(1)ポリエチレン系樹脂
・高圧法低密度ポリエチレン(MFR7g/10分、密度0.919g/cm;日本ポリエチレン社製ノバテック(登録商標)LD「ZF33」)
(2)エチレンと環状アミノビニル化合物との共重合体
・エチレン/4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン共重合体(MFR3g/10分、共重合体中に環状アミノビニル化合物を5.2重量%含有;日本ポリエチレン社製KOKANOX「XJ100H」)
(3)酸化防止剤
・BASF社製IRGANOX(登録商標) B 225
(リン系加工熱安定剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤の1:1ブレンド)
3.実施例及び比較例
表1に示す配合割合で、それぞれの材料を配合して混練温度160℃で5分押出し混練を行いペレット化して、エチレン系樹脂組成物を製造した。上記組成物ペレットから厚み1mm×15cm×15cmのシートを作成し、試料とした。
日本照射サービス株式会社の試験所において、該試料に、コバルト60を線源とするγ線を用いて、試料への放射線吸収線量が各々250kGy又は500kGyとなるように放射線照射を行った。用いた線量率及び照射時間は下記のとおりである。
吸収線量250kGy(平均値251.8kGy)
線量率:4.55kGy/hr、照射時間:199,200秒
吸収線量500kGy(平均値500.3kGy)
線量率:4.66kGy/hr、照射時間:386,800秒
放射線照射前後(初期、250kGy、500kGy)の各試料の引張試験による評価結果を表1に示す。
Figure 2016050243
(評価)
表1及び図1に示されるように、成分(C)を含有する樹脂組成物を用いた実施例1〜3では、γ線照射後も高い伸度残率を維持しており、優れた耐放射線性を有することが明かである。一方、成分(C)を含有しない樹脂組成物を用いた比較例1では、γ線照射後の伸度残率が、実施例と比較して、低いものとなっている。
また、γ線照射により、強度残率が実施例1〜3、比較例1ともに上昇するが、これはポリエチレン系樹脂では、γ線照射による架橋が分子鎖切断よりも多く起こるためであると考えられる。しかし、比較例1では、γ線照射量を500kGyとすると、強度残率が急激に低下するのに対して、実施例1〜3では、強度残率が維持される。
本発明の耐高放射線性樹脂組成物は、耐放射線性に優れ、放射線線量が100kGy以上である高放射線環境下においても、十分な機械的特性を有するため、原子力関連施設等の高放射線環境下で使用される電線及びケーブル類に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. エチレンと下記一般式(I)(式中、R及びRは水素原子またはメチル基を、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す)で示される環状アミノビニル化合物との共重合体(成分(C))を有することを特徴とする耐高放射線性樹脂組成物。
    Figure 2016050243
  2. 前記成分(C)を樹脂主成分として含有することを特徴とする請求項1に記載の高放射線性樹脂組成物。
  3. 前記成分(C)と、前記成分(C)以外のポリエチレン系樹脂(A)とを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐高放射線性樹脂組成物。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂(A)が、下記の成分(A1)〜(A4)から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項3に記載の耐高放射線性樹脂組成物。
    成分(A1):高圧法低密度ポリエチレン
    成分(A2):エチレン・α−オレフィン共重合体
    成分(A3):エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体
    成分(A4):エチレン・ビニルエステル共重合体
  5. 前記ポリエチレン系樹脂(A)が、前記成分(A1)であることを特徴とする請求項4に記載の耐高放射線性樹脂組成物。
  6. 前記ポリエチレン系樹脂(A)が、下記の(1)及び(2)の特性を有する成分(A1)高圧法低密度ポリエチレンであることを特徴とする、請求項5に記載の耐高放射線性樹脂組成物。
    (1)MFRが0.1〜40g/10min
    (2)密度が0.910〜0.930g/cm
  7. 請求項1〜6に記載の耐高放射線性樹脂組成物を絶縁被覆材料として用いてなることを特徴とする耐高放射線性電線またはケーブル類。
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