JP2016050233A - 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、それを用いた繊維強化複合材料及びその製造方法 - Google Patents

繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、それを用いた繊維強化複合材料及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】室温で繊維に含浸可能な低い粘度でありながら、ポットライフが長くて長時間の成形が可能な繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノールノボラック型エポキシ樹脂又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂との混合物であるエポキシ樹脂と、(A)3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと(B)3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンとからなる硬化剤と、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンからなる硬化触媒とを含有し、(A)成分と(B)成分との質量比(A/B)が2以上5以下である繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、それを用いた繊維強化複合材料及びその製造方法に関する。
繊維強化プラスチック(FRP)は、一般に、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維、ボロン繊維等の繊維にマトリックス樹脂を含浸して加熱成形することにより得られる複合材料である。これらの繊維を強化材とする複合材料は、ゴルフシャフト、釣竿、テニスラケット等のスポーツ・レジャー用品、航空機関係、印刷用ロール、圧力容器等の工業材料及び医療関係等に使用されており、近年では、高い機械特性及び熱特性が要求される工業材料部品に使用されることが多くなってきている。
これら複合材料の成形法の一つであるフィラメントワインディング法は、高い生産性を有する有望な成形方法である。フィラメントワインディング法で成形する場合、繊維に含浸させる樹脂の粘度が成形性に著しい影響を及ぼす。樹脂の粘度が高い場合、繊維に樹脂が均一に含浸せず、複合材料の内部にボイドが生成するといった成形不良が起こりやすい。そこで、繊維に樹脂を均一に含浸させるために、樹脂の粘度を低くするという対策が取られている。また、フィラメントワインディング法により大型の部品を成形するには、長時間にわたり樹脂の粘度を低く保持しなければならないため、樹脂のポットライフが長いことも必要である。更に、工業材料部品として用いられる複合材料は、高温で使用されることが多くあり、耐熱性が要求される。これらの要求を満たすため、樹脂組成物の選定が重要な課題となっている。
このような要求に応えるものとして、特許文献1には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂と、3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、硬化剤成分としてのジアミノジフェニルスルホンとを必須成分として含有する複合材料用エポキシ樹脂組成物が提案されている。
特開平8−92350号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエポキシ樹脂組成物は、耐熱性を得るために、室温で固体である硬化剤成分を用いるので室温における粘度が高いうえに、樹脂と硬化剤成分とを均一に混合するために加熱しながら混合するので樹脂の硬化反応が進行してしまい、粘度が高くなったり、ポットライフ(可使時間)が短くなるという問題があった。
従って、本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、室温で繊維に含浸可能な低い粘度でありながら、ポットライフが長くて長時間の成形が可能な繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた耐熱性に優れる繊維強化複合材料を提供することを目的とする。
本発明は、(A)3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと(B)3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンとからなる硬化剤及びエポキシ樹脂を含有し、(A)成分と(B)成分との質量比(A/B)が2以上5以下であることを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物である。
本発明は、上記繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を繊維に含浸させ、加熱硬化させて得られることを特徴とする繊維強化複合材料である。
本発明によれば、室温で繊維に含浸可能な低い粘度でありながら、ポットライフが長くて長時間の成形が可能な繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、ポットライフが長いので、大型成形物の製造に好適に用いることができる。また、本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料は、耐熱性に優れ、且つボイドレス化を実現することができる。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1にかかる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、主剤であるエポキシ樹脂と、下記式で表される(A)3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと(B)3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンとからなる硬化剤とを必須成分として含有するものである。本発明の実施の形態に係る繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、硬化触媒を更に含有してもよい。
Figure 2016050233
本発明の実施の形態に用いられるエポキシ樹脂としては、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する公知のものが挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂として、グリシジル化された樹脂、脂環式樹脂、エポキシ化されたオイル等が挙げられる。グリシジル化された樹脂は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAのようなビスフェノール化合物との反応生成物である。耐熱性を向上させつつ樹脂粘度を低くする観点から、エポキシ樹脂として、1分子中に2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、1分子中に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂との混合物を用いることが好ましく、1分子中に2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、1分子中に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂との質量比が99:1〜70:30である混合物を用いることがより好ましい。
1分子中に2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、耐熱性と樹脂粘度とのバランスの観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、三菱化学株式会社製の828及び825等が挙げられる。特にエポキシ当量が120以上400以下の範囲にあるものが、硬化剤との反応性の観点から好ましい。
1分子中に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、レゾルシノールジグリシジルエーテル(1,3−ビス−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン)、トリグリシジルp−アミノフェノール(4−(2,3−エポキシプロポキシ)−N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)、ブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル(2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)3−ブロモ−フェニル)プロパン)、及びテトラグリシジルメチレンジアニリン(N,N,N’,N’−テトラ(2,3−エポキシプロピル)4,4’−ジアミノジフェニルメタン)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの1分子中に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、添加量を増やせば耐熱性を高められるものの、一般的に粘度が高いのでエポキシ樹脂組成物の粘度上昇を招く恐れがある。これらのなかでも、樹脂粘度と耐熱性とのバランスの観点から、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、DIC株式会社製のエピクロン(登録商標)N−740等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、日本化薬株式会社製のEOCN1020等が挙げられる。これらの材料は常温において固形の性状を示す。特にエポキシ当量が150以上250以下の範囲にあるものが、耐熱性と樹脂粘度とのバランスに優れ、高い耐熱性を発現させつつエポキシ樹脂組成物の粘度の増大を抑制することが可能であるため好ましい。
エポキシ樹脂の配合は、成形物の大きさ及び使用する成形装置(例えばフィラメントワインディング装置)に応じて適宜調整することができる。耐熱性の向上と粘度上昇の抑制との観点から、エポキシ樹脂の好ましい配合は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種との質量比が99:1〜70:30の範囲にあるものである。
本発明の実施の形態に用いられる硬化剤は、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン(以下(A)成分と略記することがある)と3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン(以下(B)成分と略記することがある)とを特定の質量比で混合したものからなる。(A)成分及び(B)成分には、エポキシ基との反応点であるアミノ基が1分子中に2つ存在するため、エポキシ樹脂組成物の硬化物の架橋密度が高められ、高い耐熱性を発現することができる。(A)成分及び(B)成分はそれぞれ、室温で固体である。そのため、(A)成分及び(B)成分を単独で上記したエポキシ樹脂へ添加すると、エポキシ樹脂組成物の粘度が大幅に上昇するので、エポキシ樹脂組成物を繊維に均一に含浸させることができず、繊維強化複合材料の内部にボイドが生成する。
本発明では、(A)成分及び(B)成分を特定の質量比で混合することで、室温で液体状態の硬化剤とし、エポキシ樹脂組成物の粘度を低くしつつポットライフを長くすることができる。(A)成分及び(B)成分からなる室温で液体状態の硬化剤の調製方法について以下に説明する。
まず、(A)成分及び(B)成分をそれぞれトルエンに溶解させたものを、(A)成分と(B)成分との質量比(A/B)が2以上5以下となるように混合し、(A)成分及び(B)成分のトルエン溶液を調製する。次にエバポレータを用いて、トルエン溶液からトルエンのみを留去する。トルエンの留去は、例えば、(A)成分及び(B)成分のトルエン溶液をフラスコに入れ、フラスコをエバポレータに固定後、恒温槽で60℃に加熱しながらエバポレータ内を減圧することで実施することができる。(A)成分及び(B)成分のトルエン溶液からトルエンを留去することで、異性体の関係にある(A)成分及び(B)成分が均一に混合され、材料としての結晶性が抑えられ、(A)成分及び(B)成分からなる液体混合物を得ることができる。
(A)成分と(B)成分との質量比(A/B)が5以下であれば、混合物は室温で液体状態を示すので、エポキシ樹脂と硬化剤とを室温で混合することができる。また、得られるエポキシ樹脂組成物の粘度が低いので、繊維への含浸が容易である。(A)成分と(B)成分とではエポキシ樹脂との反応性が異なるので、反応基であるアミノ基周辺の立体障害が少ない(B)成分が多いほど、反応性が高くなり、エポキシ樹脂組成物のポットライフが短くなる。ポットライフが短いと、成形中に反応が進行してエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなる。このように成形中に粘度が上昇してしまうと、フィラメントワインディング法で大型成形物を成形することが困難となる。(A)成分と(B)成分との質量比(A/B)を2以上とすることで、ポットライフを長くすることができ、フィラメントワインディング法に用いる材料として好適なものとなる。(A)成分と(B)成分との好ましい質量比(A/B)は2以上5以下である。
(A)成分と(B)成分とからなる硬化剤の含有量は、樹脂粘度と耐熱性とのバランスの観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して、20質量部以上40質量部以下であることが好ましく、23質量部以上35質量部以下であることがより好ましい。
なお、(A)成分及び(B)成分を液体状態にするには、有機溶剤へ溶解させる手段もあるが、成形時の加熱硬化で有機溶剤が揮発し、成形体にボイドを発生させるため好ましくない。また、(A)成分及び(B)成分を液体状態にするには、(A)成分及び(B)成分を、エポキシ樹脂と反応する液状化合物(エポキシ樹脂用硬化剤として多用される酸無水物、ポリアミン等)と混合する手段もあるが、経時的に混合物中に析出物が発生するため好ましくない。
本発明の実施の形態に用いられる硬化触媒としては、上記した硬化剤と組み合わせたときに、硬化時間を短縮したり、硬化温度を低下させる効果を有するものであればよい。更に、成形温度における十分なポットライフを確保することができ、具体的には短時間で粘度上昇やゲル化を引き起こさない硬化触媒が好ましい。これらの要求を満たす硬化触媒として、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2016050233
上記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びt−ブチル基からなる群から選択されるが、R〜Rの少なくとも1つは水酸基であり、R〜Rの少なくとも1つはエチル基、プロピル基、ブチル基又はt−ブチル基である。
上記一般式(1)で表される硬化触媒の具体例としては、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,4−ジ−tert−ブチルヒドロキノン等が挙げられる。これらのなかでも、樹脂との相溶性の観点から、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンが好ましい。
硬化触媒の含有量は、成形物の大きさ及び成形時間に応じて適宜調整すればよいが、成形時のゲル化を抑制する観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.2質量部以上1質量部以下であることがより好ましい。
なお、上記した硬化剤と組み合わせたときに、硬化時間を短縮したり、硬化温度を低下させる効果を有する硬化触媒としては、上記一般式(1)で表される硬化触媒以外に、(1)没食子酸プロピル、(2)p−トルエンスルホン酸プロピル及び(3)p−トルエンスルホン酸メチルが挙げられる。ただし、(1)没食子酸プロピルは、融点が150℃と高いので、加熱しながら混合する必要があり、反応が進行してエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなるため好ましくない。また、(2)p−トルエンスルホン酸プロピル及び(3)p−トルエンスルホン酸メチルは、反応性を飛躍的に加速させる効果があるので、これを抑制するには添加量を極限まで少なくする必要がある。そのため、配合のばらつきをまねき、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の安定した樹脂特性が得難いため好ましくない。
本発明の実施の形態にかかる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、室温で繊維に含浸可能な低い粘度でありながら、ポットライフが長くて長時間の成形が可能である。また、本発明の実施の形態にかかる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の硬化物はガラス転移温度が高いので、それを用いた繊維強化複合材料は耐熱性に優れる。
次に、上記した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料及びその製造方法について説明する。
本発明の実施の形態にかかる繊維強化複合材料は、上記した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を繊維に含浸させ、加熱硬化させて得られる。より具体的には、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を繊維に室温で含浸させた後、フィラメントワインディング法により、含浸後の繊維を回転するマンドレルに巻き付け、マンドレルの外周面に巻き付けられた繊維を、通常、120℃〜200℃で5時間〜24時間加熱して繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を硬化させ、その後、マンドレルを脱芯することにより成形品としての繊維強化複合材料が得られる。マンドレルは架台に回転軸を中心として回転自在に支持されるものである。
本発明の実施の形態に用いられる繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウム繊維等が挙げられる。2種類以上の繊維を複合した繊維も用いることができる。
本発明の実施の形態にかかる繊維強化複合材料を得るための成形法としては、フィラメントワインディング法が最も好適であるが、プルトルージョン法、ハンドレイアップ法等であってもよい。
<実施例1>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製828、エポキシ当量184〜194)80質量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製エピクロンN−740、エポキシ当量177〜187)20質量部とからなる混合エポキシ樹脂100質量部に対して、(A)3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと(B)3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンと(いずれもナカライテスク株式会社製)の質量比(A/B)を2に調整した液状硬化剤30質量部を添加し、撹拌した。次に、硬化触媒としての2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンを、混合エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部添加し、70℃に加熱しながら10分間撹拌した。この時のエポキシ樹脂組成物の粘度は102mPa・sであった。
このエポキシ樹脂組成物を樹脂槽に投入し、樹脂槽内のエポキシ樹脂組成物にガラス繊維を浸漬してエポキシ樹脂組成物をガラス繊維に含浸させ、それを回転するマンドレルに5時間かけて連続的に200m巻き付けた。この間にエポキシ樹脂組成物の粘度の増大はなく、成形に問題のない十分なポットライフを有することを確認した。その後、ガラス繊維が巻き付けられたマンドレルを加熱炉内に移動させ、180℃で24時間加熱硬化させて繊維強化複合材料を得た。
得られた繊維強化複合材料の耐熱性評価及び樹脂含浸状態評価を以下の方法に従って行った。
<耐熱性評価>
動的粘弾性装置(セイコーインスツル株式会社製DMS6100)を用いて1Hzで測定した時のtanδのピーク温度を、繊維強化複合材料のガラス転移温度とした。
<樹脂含浸状態評価>
繊維強化複合材料を切断し、断面を研磨した後、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−X100)で観察し、ボイドの有無を観察した。
実施例1で得られた繊維強化複合材料は、ガラス転移温度が205℃で高い耐熱性を有していることが確認され、また、断面にボイドは観察されず、樹脂の含浸性に問題が無いことが確認された。
<実施例2>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製828、エポキシ当量184〜194)80質量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製エピクロン(登録商標)N−740、エポキシ当量177〜187)20質量部とからなる混合エポキシ樹脂100質量部に対して、(A)3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと(B)3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンと質量比(A/B)を5に調整した液状硬化剤25質量部を添加し、撹拌した。次に、硬化触媒としての2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンを、混合エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部添加し、70℃に加熱しながら10分間撹拌した。この時のエポキシ樹脂組成物の粘度は106mPa・sであった。
このエポキシ樹脂組成物を樹脂槽に投入し、樹脂槽内のエポキシ樹脂組成物にガラス繊維を浸漬してエポキシ樹脂組成物をガラス繊維に含浸させ、それを回転するマンドレルに5時間かけて連続的に200m巻き付けた。この間にエポキシ樹脂組成物の粘度の増大はなく、成形に問題のない十分なポットライフを有することを確認した。その後、ガラス繊維が巻き付けられたマンドレルを加熱炉内に移動させ、180℃で24時間加熱硬化させて繊維強化複合材料を得た。
実施例1と同様にして、得られた繊維強化複合材料の評価を行ったところ、ガラス転移温度が204℃で高い耐熱性を有していることが確認され、また、断面にボイドは観察されず、樹脂の含浸性に問題が無いことが確認された。
<実施例3>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製828、エポキシ当量184〜194)80質量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製エピクロン(登録商標)N−740、エポキシ当量177〜187)20質量部とからなる混合エポキシ樹脂100質量部に対して、(A)3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと(B)3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンとの質量比(A/B)を4に調整した液状硬化剤27質量部を添加し、撹拌した。次に、硬化触媒としての2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンを、混合エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部添加し、70℃に加熱しながら10分間撹拌した。この時のエポキシ樹脂組成物の粘度は115mPa・sであった。
このエポキシ樹脂組成物を樹脂槽に投入し、樹脂槽内のエポキシ樹脂組成物にガラス繊維を浸漬してエポキシ樹脂組成物をガラス繊維に含浸させ、それを回転するマンドレルに5時間かけて連続的に200m巻き付けた。この間にエポキシ樹脂組成物の粘度の増大はなく、成形に問題のない十分なポットライフを有することを確認した。その後、ガラス繊維が巻き付けられたマンドレルを加熱炉内に移動させ、180℃で24時間加熱硬化させて繊維強化複合材料を得た。
実施例1と同様にして、得られた繊維強化複合材料の評価を行ったところ、ガラス転移温度が202℃で高い耐熱性を有していることが確認され、また、断面にボイドは観察されず、樹脂の含浸性に問題が無いことが確認された。
<比較例1>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製828、エポキシ当量184〜194)80質量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製エピクロン(登録商標)N−740、エポキシ当量177〜187)20質量部とからなる混合エポキシ樹脂100質量部に対して、(A)3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと(B)3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンとの質量比(A/B)を1.8に調整した液状硬化剤30質量部を添加し、撹拌した。次に、硬化触媒としての2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンを、混合エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部添加し、70℃に加熱しながら10分間撹拌した。この時のエポキシ樹脂組成物の粘度は101mPa・sであった。
このエポキシ樹脂組成物を樹脂槽に投入し、樹脂槽内のエポキシ樹脂組成物にガラス繊維を浸漬してエポキシ樹脂組成物をガラス繊維に含浸させ、それを回転するマンドレルに5時間かけて連続的に200m巻き付けた。この間にエポキシ樹脂組成物の粘度は経時的に増大し、成形終了直前には、粘度が高いために、ガラス繊維にエポキシ樹脂組成物が多量に付着した状態となった。その後、ガラス繊維が巻き付けられたマンドレルを加熱炉内に移動させ、180℃で24時間加熱硬化させて繊維強化複合材料を得た。
実施例1と同様にして、得られた繊維強化複合材料の評価を行ったところ、ガラス転移温度が204℃で高い耐熱性を有していることが確認された。しかし、繊維強化複合材料の断面にはボイドが観察された。これはエポキシ樹脂組成物のポットライフが短く、成形終了直前には粘度が高くなったため、ガラス繊維にエポキシ樹脂組成物が十分に含浸しなかったためである。
<比較例2>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製828、エポキシ当量184〜194)80質量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製エピクロン(登録商標)N−740、エポキシ当量177〜187)20質量部とからなる混合エポキシ樹脂100質量部に対して、(A)3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと(B)3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンとの質量比(A/B)を6に調整した固体状硬化剤35質量部を添加し、撹拌した。このとき、硬化剤の一部が析出し、エポキシ樹脂と均一に混合することができなかった。次に、硬化触媒としての2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンを、混合エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部添加し、70℃に加熱しながら10分間撹拌した。この時のエポキシ樹脂組成物の粘度は153mPa・sであった。
このエポキシ樹脂組成物を樹脂槽に投入し、樹脂槽内のエポキシ樹脂組成物にガラス繊維を浸漬してエポキシ樹脂組成物をガラス繊維に含浸させ、それを回転するマンドレルに5時間かけて連続的に200m巻き付けた。この間にエポキシ樹脂組成物の粘度の増大はなく、成形に問題のない十分なポットライフを有することを確認した。その後、ガラス繊維が巻き付けられたマンドレルを加熱炉内に移動させ、180℃で24時間加熱硬化させて繊維強化複合材料を得た。
実施例1と同様にして、得られた繊維強化複合材料の評価を行ったところ、ガラス転移温度が204℃で高い耐熱性を有していることが確認された。しかし、繊維強化複合材料の断面にはボイドが観察された。これは析出した硬化剤が、ガラス繊維へのエポキシ樹脂組成物の含浸を阻害したためである。

Claims (6)

  1. (A)3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと(B)3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンとからなる硬化剤及びエポキシ樹脂を含有し、(A)成分と(B)成分との質量比(A/B)が2以上5以下であることを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  2. 下記一般式(1):
    Figure 2016050233
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びt−ブチル基からなる群から選択され、R〜Rの少なくとも1つは水酸基であり、R〜Rの少なくとも1つはエチル基、プロピル基、ブチル基又はt−ブチル基である)で表される硬化触媒を含有することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記硬化剤の含有量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して20質量部以上40質量部以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂が、1分子中に2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、1分子中に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂との混合物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を繊維に含浸させ、加熱硬化させて得られることを特徴とする繊維強化複合材料。
  6. 請求項1〜4の何れか一項に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を繊維に含浸させる工程と、含浸後の繊維を回転するマンドレルに巻き付ける工程と、マンドレルの外周面に巻き付けられた繊維を加熱して繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を硬化させる工程とを含むことを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
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