JP2016048102A - エアースピンドルユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】エアーベアリングを構成する隙間に面した部分を腐食させないエアースピンドルユニットを提供する。【解決手段】エアースピンドルユニット1は、回転スピンドル2と、ラジアルエアーベアリング10とスラストエアーベアリング20とを有し回転スピンドル2を回転可能に支持するハウジング3と、ラジアルエアーベアリング10とスラストエアーベアリング20とに高圧エアーを供給するエアー供給経路70とを少なくとも備え、少なくともスラストプレート21の表面210a,210bと、ハウジング3のスラスト面5bとに、保護被膜9が形成されているため、隙間8に水や湿気が浸入したとしても、スラスト面5bと表面210a,210bとに腐食を生じさせない。よって、腐食によって生じたゴミにより回転スピンドル2が回転できなくなるのを防止することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、加工具を回転させる回転スピンドルをエアーで支持する構造のエアースピンドルユニットに関する。
板状ワークなどの被加工物を加工する加工装置は、例えば、加工具を回転させる回転スピンドルと、回転スピンドルを回転可能に支持するハウジングと、ハウジング内に配設され回転スピンドルをエアーで支持するエアーベアリングとを少なくとも有するスピンドルユニットを備えている。
エアーベアリングは、回転スピンドルのスラスト方向を支持するスラストエアーベアリングと、回転スピンドルのラジアル方向を支持するラジアルエアーベアリングとにより構成されている。スラストエアーベアリングは、回転スピンドルの径よりも大きく形成された円板状のスラストプレートを備えている。このように構成されるエアーベアリングでは、回転スピンドルとハウジングとの間の隙間にエアーを噴出することにより、エアーの圧力でラジアル方向に回転スピンドルを非接触状態で支持するとともに、スラストプレートとハウジングとの間の隙間にエアーを噴出することにより、スラスト方向に回転スピンドルを非接触状態で支持することができる(例えば、下記の特許文献1及び特許文献2を参照)。
エアーベアリングを構成する上記隙間が狭いほうが、高精度かつ高剛性のエアースピンドルユニットを構成することが可能となるが、隙間の間隔を狭くしすぎすると、噴出されるエアーに混入した細かなゴミが隙間に詰まってしまう可能性がある。そのため、回転スピンドルに例えばエアーフィルタを備えることにより、隙間にゴミが侵入するのを防ぐことができる。
ここで、例えば、エアースピンドルユニットを所望の位置に搬送する際に、ハウジング内部に結露が生じて水や湿気がエアーベアリングを構成する隙間に浸入することがあり、隙間に面した部分が斑点状に腐食する場合がある。この場合に、隙間にエアーを供給しつづけると腐食部分が崩れてゴミが発生するとともに、ゴミが隙間に挟まって回転スピンドルが回転できなくなるという不具合が生じる。
また、エアースピンドルユニットを研削ホイールに装着させた研削装置においては、高い研削力を確保するために、高い荷重を加えて被加工物を研削する必要がある。そのため、被加工物に対して研削ホイールを鉛直方向に荷重をかけることから、スラストプレートとハウジングとの間の隙間が狭まり、スラストプレートとハウジングとが接触してゴミが発生することがある。
本発明は、上記の事情にかんがみてなされたものであり、エアーベアリングを構成する隙間に面する部分に腐食を生じさせないようにすることを目的としている。
本発明は、エアースピンドルユニットに関するもので、回転スピンドルと、ラジアルエアーベアリングとスラストエアーベアリングとを有し該回転スピンドルをエアーで回転可能に支持するハウジングと、該ラジアルエアーベアリングと該スラストエアーベアリングとに高圧エアーを供給するエアー供給経路とを少なくとも備えており、少なくとも、該スラストエアーベアリングを構成するスラストプレートの表面と、該高圧エアーを介して該スラストプレートを挟持する該ハウジングのスラスト面とに、保護被膜が形成される。
本発明は、上記ラジアルエアーベアリングを構成する上記回転スピンドルの外周面と、高圧エアーを介して該外周面を支持する上記ハウジングのラジアル面とに、上記保護被膜を形成してもよい。
本発明にかかるエアースピンドルユニットは、回転スピンドルと、ラジアルエアーベアリングとスラストエアーベアリングとを有し該回転スピンドルを回転可能に支持するハウジングとを備え、少なくともスラストエアーベアリングを構成するスラストプレートの表面とハウジングのスラスト面とに保護被膜が形成されているため、例えばエアースピンドルユニットを所望の位置に搬送するときに、ハウジング内部に結露が生じることで水や湿気が発生したとしても、保護被膜がハウジングのスラスト面とスラストプレートの表面とをカバーするため、ハウジングのスラスト面とスラストプレートの表面とが腐食することはなく、回転スピンドルに動作不良が生じることはない。
また、エアースピンドルユニットを用いて被加工物に荷重を加えて研削する際に、スラストプレートの表面とハウジングのスラスト面とが接触しても、保護被膜によってスラストプレートの表面及びハウジングのスラスト面が保護される。
また、エアースピンドルユニットを用いて被加工物に荷重を加えて研削する際に、スラストプレートの表面とハウジングのスラスト面とが接触しても、保護被膜によってスラストプレートの表面及びハウジングのスラスト面が保護される。
ラジアルエアーベアリングを構成する上記回転スピンドルの外周面と、高圧エアーを介して該外周面を支持する上記ハウジングのラジアル面とに、上記保護被膜を形成した場合についても、保護被膜によって水や湿気が回転スピンドルの外周面とハウジングのラジアル面とをカバーできるため、回転スピンドルの外周面とハウジングのラジアル面とが腐食するのを防止できる。
図1に示すエアースピンドルユニット1は、回転スピンドル2と、回転スピンドル2をエアーにより非接触状態で支持するハウジング3とを備えている。ハウジング3には、中央部分に回転スピンドル2を挿通させるための軸穴4が形成されている。軸穴4は、少なくとも回転スピンドル2の外径よりも大きい内径を有している。エアースピンドルユニット1は、この軸穴4に回転スピンドル2が挿通されハウジング3の下部から回転スピンドル2が突出した構成となっている。
回転スピンドル2の上端には、回転スピンドル2を回転させるモータ6が接続されている。モータ6は、回転スピンドル2の上端に連結されたロータ60と、ロータ60を回転させるステータ61とを備えている。一方、回転スピンドル2の下端には、被加工物に対して研削加工を施す研削ホイール30が装着されている。研削ホイール30は、ボルト33によってホイールマウント31に固定されたホイール基台32と、ホイール基台32の下部において環状に固着された複数の研削砥石34とにより構成されている。そして、電力供給源によってモータ6が駆動されて回転スピンドル2を回転させることにより、研削ホイール30を回転させることができる。
エアースピンドルユニット1は、ハウジング3の内部に配設され回転スピンドル2を非接触の状態で支持するエアーベアリングとを備えている。エアーベアリングは、ラジアル方向から回転スピンドル2を支持するラジアルエアーベアリング10とスラスト方向から回転スピンドル2を支持するスラストエアーベアリング20とにより構成されている。ラジアルエアーベアリング10は、回転スピンドル2に向けて高圧エアーを噴出するための噴出口11を複数備えており、噴出口11は、軸穴4の内周面であるハウジング3のラジアル面5aに形成されている。
スラストエアーベアリング20は、回転スピンドル2の下部に設けられた円板状のスラストプレート21と、スラストプレート21に向けて高圧エアーを噴出するための噴出口22を複数備えている。噴出口22は、ハウジング3のうちスラストプレート21に対面するスラスト面5bに設けられている。スラストプレート21とハウジング3のスラスト面5bとの間には、隙間8が形成されている。隙間8の間隔は、例えば10μmに設定されている。
スラストプレート21とハウジング3との間には、薄膜の保護被膜9が形成されている。具体的には、図2に示すように、保護被膜9は、スラストプレート21の表面210a,210bの全面に被覆されて形成されている。また、保護被膜9は、高圧エアーを介してスラストプレート21を挟持するハウジング3のスラスト面5bにも被覆されて形成されている。噴出口22には、保護被膜9が被覆されていない。
保護被膜9は、例えばフッ素樹脂によって膜厚が0.01μmに形成されている。保護被膜9をフッ素樹脂で構成することにより、極めて薄く保護被膜を形成することができ、隙間8の間隔を狭めることなくスラストエアーベアリング20を構成することができる。また、フッ素樹脂からなる保護被膜9は、耐性が高いため、スラストプレート21及びハウジング3の母材を保護するカバー材として機能する。
ハウジング3の内部には、ラジアルエアーベアリング10とスラストエアーベアリング20とに高圧エアーを供給するエアー供給経路70が形成されている。エアー供給経路70の一端には、エアー供給源7が接続されている。さらに、エアー供給経路70は、各噴出口11に接続されるエアー供給経路71と、各噴出口22に接続されるエアー供給経路72とに連通している。
このように構成されるエアースピンドルユニット1を用いて被加工物を研削する際には、ステータ61に電力を供給することによりロータ60を回転させる。このロータ60の回転にともなって回転スピンドル2が回転し、研削ホイール30を回転させて被加工物に対して所望の研削加工を行う。
このとき、エアースピンドルユニット1のエアー供給源7が作動し、エアー供給経路71を通じて各噴出口11から軸穴4に高圧エアーを噴出することにより回転スピンドル2をラジアル方向に非接触状態で支持するとともに、エアー供給経路72を通じて各噴出口22から隙間8に高圧エアーを噴出することにより回転スピンドル2をスラスト方向に非接触状態で支持する。そして、噴出口11,22から噴出された高圧エアーは、ハウジング3の下端に形成された排出口73から外部へ排出される。
エアースピンドルユニット1では、少なくともスラストエアーベアリング20を構成する隙間8に面したスラストプレート21の表面210a,210bと、ハウジング3のスラスト面5bとに保護被膜9を形成したため、研削砥石34で被加工物に荷重を加えて研削する際に、回転スピンドル2が下方に下がって隙間8が狭まりスラストプレート21の表面210a,210bとハウジング3のスラスト面5bとが接触しても、保護被膜9によってスラストプレート21の表面210a,210b及びハウジング3のスラスト面5bが保護される。
また、エアースピンドルユニット1を搬送する際等に、隙間8に水や湿気が浸入したとしても、ハウジング3のスラスト面5bとスラストプレート21の表面210a,210bとに水や湿気が付着するのを保護被膜9がカバーするため、スラストプレート21の表面210a,210bと、ハウジング3のスラスト面5bとが腐食するのを防止することができ、回転スピンドル2が回転できなくなるという不具合を生じさることがない。
なお、保護被膜9は、図2に示すスラストプレート21の側面211及びハウジング3の内壁面5cに形成してもよい。また、各噴出口22のエアー供給経路72の開口付近に至るまで保護被膜9を形成してもよい。これにより、隙間8に面した面全体の腐食を効果的に防止することができる。
図3に示すエアースピンドルユニット1Aのように、ラジアルエアーベアリング10側にも保護被膜9Aを形成することが望ましい。具体的には、回転スピンドル2の外周面2aと、高圧エアーを介して外周面2aを支持するハウジング3のラジアル面5aとに保護被膜9を被覆して形成する。
ラジアルエアーベアリング10を構成する回転スピンドル2の外周面2aと、高圧エアーを介して外周面2aを支持するハウジング3のラジアル面5aとに保護被膜9Aを形成した場合においても、水や湿気が外周面2aとラジアル面5aとに付着するのを保護被膜9Aによって防ぐことができるため、外周面2aとラジアル面5aとが腐食するのを防止することができる。
なお、エアースピンドルユニット1が適用される加工装置は、特に限定されるものではなく、例えば、研削装置、切削装置及び研磨装置といった回転スピンドルを備える各種加工装置に適用することができる。
1,1A:エアースピンドルユニット 2:回転スピンドル 2a:外周面
3:ハウジング 4:軸穴 5a:ラジアル面 5b:スラスト面 5c:内壁面
6:モータ 60:ロータ 61:ステータ
7:エアー供給源 70,71,72:エアー供給経路 73:排出口
8:隙間 9,9A:保護被膜
10,10A:ラジアルエアーベアリング 11:噴出口
20:スラストエアーベアリング 21:スラストプレート 210a,210b:表面
211:側面 22:噴出口
30:研削ホイール 31:ホイールマウント 32:ホイール基台 33:ボルト
34:研削砥石
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Claims (2)
- 回転スピンドルと、ラジアルエアーベアリングとスラストエアーベアリングとを有し該回転スピンドルをエアーで回転可能に支持するハウジングと、該ラジアルエアーベアリングと該スラストエアーベアリングとに高圧エアーを供給するエアー供給経路とを少なくとも備えるエアースピンドルユニットであって、
少なくとも、該スラストエアーベアリングを構成するスラストプレートの表面と、該高圧エアーを介して該スラストプレートを挟持する該ハウジングのスラスト面とに、保護被膜が形成されるエアースピンドルユニット。 - 前記ラジアルエアーベアリングを構成する前記回転スピンドルの外周面と、前記高圧エアーを介して該外周面を支持する前記ハウジングのラジアル面とに、前記保護被膜が形成される請求項1記載のエアースピンドルユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014173811A JP2016048102A (ja) | 2014-08-28 | 2014-08-28 | エアースピンドルユニット |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014173811A JP2016048102A (ja) | 2014-08-28 | 2014-08-28 | エアースピンドルユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016048102A true JP2016048102A (ja) | 2016-04-07 |
Family
ID=55649112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014173811A Pending JP2016048102A (ja) | 2014-08-28 | 2014-08-28 | エアースピンドルユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016048102A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112059902A (zh) * | 2020-08-18 | 2020-12-11 | 广州市昊志机电股份有限公司 | 一种气浮电主轴和磨削机床 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06307450A (ja) * | 1993-04-23 | 1994-11-01 | Nippon Seiko Kk | 静圧気体軸受 |
JPH11101238A (ja) * | 1997-09-30 | 1999-04-13 | Ntn Corp | 静圧空気軸受スピンドル |
-
2014
- 2014-08-28 JP JP2014173811A patent/JP2016048102A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH06307450A (ja) * | 1993-04-23 | 1994-11-01 | Nippon Seiko Kk | 静圧気体軸受 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112059902A (zh) * | 2020-08-18 | 2020-12-11 | 广州市昊志机电股份有限公司 | 一种气浮电主轴和磨削机床 |
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