JP2016047906A - 五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーの製造方法 - Google Patents

五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、いわゆるワンポットで、実質的に一工程で効率的に規則的な繰り返し構造を有する均一な五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーを製造する方法、発光特性に優れた色素増感型太陽電池用色素化合物、および、均一性が高く、当該色素増感型太陽電池用色素化合物の合成中間体化合物として使用できる五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーを提供することを目的とする。また、本発明は、上記五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーをさらに重合させて五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマーを製造する方法、当該方法で得られる五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマー、および当該五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマーから合成される色素増感型太陽電池用色素化合物を提供することも目的とする。【解決手段】本発明に係る五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーの製造方法は、塩基の存在下、五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー前駆体にグリニャール試薬を作用させる工程、および、さらに、金属触媒の存在下、ハロゲン化ビニル五員ヘテロアリール化合物を作用させる工程を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、いわゆるワンポットで、実質的に一工程で効率的に五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーを製造する方法、光吸収特性に優れた色素増感型太陽電池用色素化合物、および、均一性が高く、当該色素増感型太陽電池用色素化合物の合成中間体化合物として使用できる五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーに関するものである。また、本発明は、上記五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーをさらに重合させて五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマーを製造する方法、当該方法で得られる新規な五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマー、および当該五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマーから合成される色素増感型太陽電池用色素化合物に関するものである。
近年、太陽エネルギー変換効率の高さや製造コストの低さから、光増感剤として有機色素を用いた色素増感型太陽電池が注目されている。色素増感型太陽電池用の有機色素は、従来のルテニウム錯体に比べて安価であるといえ、改良が容易であり、また、π−π遷移により高いモル吸光係数を示す。色素増感型太陽電池用の有機色素としては、オリゴチオフェン骨格の一端に電子供与性部位であるカルバゾール基と電子吸引性部位であるシアノアクリル酸基を有するMK−2色素が知られている。
また、芳香族化合物と炭素−炭素二重結合が交互に連結されたアリーレンビニレンポリマーは、次世代の有機電子デバイスの導電性材料や発光材料として期待されている。
芳香族化合物やビニル化合物などを結合させた共役不飽和化合物は、古典的には、例えば化学論量の銅化合物の存在下、ベンゼン化合物同士を高温でカップリングすることにより合成されていた。ところがこのような方法で得られた化合物は着色してしまっており光学材料としては到底利用できるものではなく、また、有害な銅化合物を化学論量で用いる必要があるため、大量合成に適するものではなかった。
それに対して、近年、金属触媒を用いて比較的低温で実施でき着色の少ない目的化合物が得られるカップリング反応が開発され、光学材料の合成にも適用されている。このようなカップリング反応としては、例えば、溝呂木−Heck反応(非特許文献1,2)、ホーナー・ワズワース・エモンス(HWE)反応(非特許文献3)、マクマリーカップリング反応(非特許文献4)を挙げることができる。
また、非特許文献5には、ジブロモチオフェン化合物と1,2−ビス(トリブチルスタニル)エチレンを重合させて一工程でチエニレンビニレンポリマーを合成する方法と、ジハロゲン化チオフェン化合物とトリブチル(ビニル)スズから合成したモノマーを重合してチエニレンビニレンポリマーを合成する方法が開示されている。
T.Mizorokiら,Bull.Chem.Soc.Jpn.,44,p.581(1971) F.Heckら,J.Org.Chem.,37,p.2320(1972) J.Boutagyら,Chem.Rev.,74,p.87(1974) J.E.McMurry,Chem.Rev.,74,p.87(1974) Robert S.Loeweら,Chem.Mater.,12,p.3214(2000)
上述したように、高度に共役した不飽和化合物が有機電子デバイスの導電性材料や発光材料として用いられており、かかる不飽和化合物としては、ポリチオフェンなどのヘテロアリールポリマーや、アリーレンビニレンポリマーなどが知られている。オレフィン部位をスペーサーとして有するヘテロアリールポリマーは、対応するヘテロアリールホモポリマーに比べてより拡張されたπ共役系を有しており、長波長側に吸収帯を示すなど特徴的な物性を有するため、有機薄膜型太陽電池などへのπ共役系材料としての応用が期待される。
しかし、ヘテロアリーレンビニレン鎖は一般的には1ユニット毎に伸張していかざるを得ず、従来技術では各伸張反応につき複数工程を必要としていたため、製造効率が悪いという問題があった。
例えば溝呂木−Heck反応はハロゲン化合物とオレフィン化合物とのカップリング反応であるので、ヘテロアリール化合物の特定位置でのハロゲン化とカップリング反応との二工程が必要である。HWE反応はウィッティヒ反応に類似するものであるので、ヘテロアリール化合物の特定位置におけるホスホン酸ジエステル基またはアルデヒド基の導入が伸張反応毎に必要である。マクマリーカップリング反応はアルデヒド化合物やケトン化合物同士の還元的カップリング反応であるので、やはりヘテロアリール化合物の特定位置におけるアルデヒド基の導入が伸張反応毎に必要である。
また、非特許文献5に記載の方法のようにモノマーを重合してチエニレンビニレンポリマーを合成する方法もあるが、この方法では重合度を完全に制御することは不可能であるし、異性体も生成するので、均一な化合物が得られないという問題がある。
そこで本発明は、いわゆるワンポットで、実質的に一工程で効率的に規則的な繰り返し構造を有する均一な五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーを製造する方法、発光特性に優れた色素増感型太陽電池用色素化合物、および、均一性が高く、当該色素増感型太陽電池用色素化合物の合成中間体化合物として使用できる五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーを提供することを目的とする。また、本発明は、上記五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーをさらに重合させて五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマーを製造する方法、当該方法で得られる五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマー、および当該五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマーから合成される色素増感型太陽電池用色素化合物を提供することも目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、前駆体化合物に位置選択的にグリニャール試薬を作用させた上でカップリング反応を行うことにより規則的な繰り返し構造を有し均一性の高い五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーを効率的に合成できることを見出して、本発明を完成した。
以下、本発明を示す。
[1] 五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)を製造するための方法であって、
塩基の存在下、五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー前駆体(II)にグリニャール試薬(III)を作用させる工程、および、
さらに、金属触媒の存在下、ハロゲン化ビニル五員ヘテロアリール化合物(IV)を作用させる工程を含むことを特徴とする製造方法。
[式中、
Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を示し、
1はC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基または−Y−(SiR34O)mSiR567基[YはC1-6アルキレン基を示し、R3〜R7は、独立してC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基、C1-12アルコキシ基またはC3-12シクロアルキル基を示し、mは2以上、6以下の整数を示す]、
2はC1-6アルキル基を示し、
Hal1とHal2は独立してハロゲン原子を示し、
nは0以上の整数を示す]
[2] 上記nが0以上、20以下の整数を示す上記[1]に記載の製造方法。
[3] 上記塩基として非求核塩基を用いる上記[1]または[2]に記載の製造方法。求核性が弱い非求核塩基は、グリニャール試薬を用いる本発明方法に適している。
[4] 上記非求核塩基として2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを用いる上記[3]に記載の製造方法。当該非求核塩基は、グリニャール試薬の作用を阻害し難いばかりでなく、反応の位置選択性も高めることができる。
[5] 上記金属触媒としてニッケル触媒またはパラジウム触媒を用いる上記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 下記式(I)で表されることを特徴とする五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー。
[式中、X、R1およびnは、上記と同義を示す]
[7] 下記式(V)で表されることを特徴とする色素増感型太陽電池用色素化合物。
[式中、X、R1およびnは、上記と同義を示し、R8はC1-6アルキル基を示す]
[8] 五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマー(VII)を製造するための方法であって、
塩基と金属触媒の存在下、五員ヘテロアリーレン−ビニレンハロゲン化物(VI)を重合する工程を含むことを特徴とする製造方法。
[式中、XおよびR1は上記と同義を示し、Hal4はハロゲン原子を示し、pは0以上の整数を示し、qは2以上の整数を示す]
[9] 下記式(VII)で表されることを特徴とする五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマー。
[式中、X、R1、pおよびqは上記と同義を示す]
[10] 下記式(VIII)で表されることを特徴とする色素増感型太陽電池用色素化合物。
[式中、X、R1、pおよびqは上記と同義を示し、R9はC1-6アルキル基を示す]
本発明において「C1-12アルキル基」は、炭素数1以上、12以下の直鎖状または分枝鎖状の一価飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどを挙げることができる。R1として好ましくはC4-10アルキル基であり、より好ましくはC4-8アルキル基であり、最も好ましくはn−ヘキシルである。R3〜R7として好ましくはC1-6アルキル基であり、より好ましくはC1-4アルキル基であり、最も好ましくはC1-2アルキル基である。
「C2-12アルケニル基」は、炭素数が2以上、12以下であり、且つ少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖状または分枝鎖状の一価不飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、エテニル(ビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デシリデニル、ドデシリデニルを挙げることができる。R1として好ましくはC4-10アルケニル基であり、より好ましくはC4-8アルケニル基である。R3〜R7として好ましくはC2-6アルケニル基であり、より好ましくはC2-4アルケニル基であり、最も好ましくはC2-3アルケニル基である。
「C2-12アルキニル基」は、炭素数が2以上、12以下であり、且つ少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖状または分枝鎖状の一価不飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、デシリジニル、ドデシリジニルを挙げることができる。R1として好ましくはC4-10アルキニル基であり、より好ましくはC4-8アルキニル基である。R3〜R7として好ましくはC2-6アルキニル基であり、より好ましくはC2-4アルキニル基であり、最も好ましくはC2-3アルキニル基である。
「C1-6アルキレン基」は、炭素数1以上、6以下の直鎖状または分枝鎖状の二価飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、メチレン、エチレン、メチルメチレン、n−プロピレン、メチルエチレン、n−ブチレン、メチルプロピレン、ジメチルエチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレンなどを挙げることができる。好ましくはC2-6アルキレン基であり、より好ましくはC2-4アルキレン基であり、最も好ましくはエチレンである。
「C1-12アルコキシ基」とは、炭素数1以上、12以下の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素オキシ基をいう。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキシを挙げることができる。好ましくはC4-10アルコキシ基であり、より好ましくはC4-8アルコキシ基であり、最も好ましくはn−ヘキソキシである。
「C3-12シクロアルキル基」は、炭素数3以上、12以下の環状一価飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどを挙げることができる。好ましくはC4-10シクロアルキル基であり、より好ましくはC4-8シクロアルキル基であり、最も好ましくはC4-6シクロアルキル基である。
「C1-6アルキル基」は、炭素数1以上、6以下の直鎖状または分枝鎖状の一価飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル基などを挙げることがきる。好ましくはC1-4アルキル基である。
「ハロゲン原子」としては、クロロ原子、ブロモ原子およびヨード原子を例示することができ、クロロ原子またはブロモ原子が好ましい。
本発明方法によれば、規則的な繰り返し構造を有する五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーを、いわゆるワンポットで、実質的に一工程で効率的に製造することができる。また、本発明方法は五員ヘテロアリーレン−ビニレン構造を1ユニットずつ付加していくものであるので、得られるポリマーの分子量の制御が困難なモノマーの重合方法とは異なり、得られるポリマーの分子量(重合度)の完全な制御が可能であり、得られるポリマーの分子量は均一である。さらに、本発明に係る色素増感型太陽電池用色素化合物は、ポリマー部分が均一であり且つ優れた光吸収特性を示すことから色素増感型太陽電池用の色素として非常に有用である。また、本発明に係る五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーは、分子量が均一なものであって当該色素増感型太陽電池用色素化合物の合成中間体として有用であり、且つ上記のとおり本発明方法により効率的に製造することが可能である。よって本発明は、発電性能がより一層高い色素増感型太陽電池の開発に寄与できるものとして、産業上非常に優れている。
図1は、本発明に係る五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマーと色素増感型太陽電池用色素化合物の紫外・可視光吸収スペクトルである。
以下、まず、本発明方法を工程ごとに説明する。
1. グリニャール化合物の調製工程
本工程では、塩基の存在下、五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー前駆体(II)にグリニャール試薬(III)を作用させる。
n=0である五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー前駆体(II)は、3−置換五員ヘテロアリールであり、比較的シンプルな構造を有するため、市販されている化合物を使用するか、或いは当業者であれば市販化合物から容易に合成可能である。n≧1である五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー前駆体(II)は、本発明方法により合成することができる。
グリニャール試薬(III)は、市販化合物を使用するか、或いは当業者であれば市販化合物から容易に合成可能である。
本工程では、溶媒中、塩基とグリニャール試薬(III)に五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー前駆体(II)を添加して反応させればよい。
本工程の溶媒としては、基質化合物を適度に溶解することができ且つ反応を阻害しないものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;n−ペンタンやn−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒などを用いることができる。
塩基は、五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー前駆体(II)の五員ヘテロアリール環のヘテロ原子のα位のHを引き抜き、当該α位にグリニャール試薬(III)を作用させる役割を有する。この際、R1による立体障害により、R1側とは逆に位置するα位のHが選択的に引き抜かれる。
塩基としては、グリニャール試薬(III)の作用を阻害しないよう、塩基性は強いが求核性は弱い非求核塩基を用いることが好ましい。非求核塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TMP−H)などを挙げることができる。また、反応を促進するために、塩化リチウムを添加してもよい。
反応条件は特に制限されず、予備実験で決定したり、適宜調整すればよい。例えば、25℃以上、150℃以下程度で、1時間以上、50時間以下程度反応させることができる。また、加熱還流状態で反応を進めることもでき、また、反応時間も薄層クロマトグラフィで原料化合物が消失するまでとすることもできる。
反応終了後は、五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー前駆体(II)とグリニャール試薬(III)との反応生成物を単離精製してもよい。しかし、反応生成物が分解する可能性もあり、また、次工程もワンポットで効率的に行えることが本発明方法の大きな利点の一つであることから、反応生成物を単離精製することなく次工程に進むことが好ましい。
2. 五員ヘテロアリーレン−ビニル化合物の付加工程
本工程では、金属触媒の存在下、ハロゲン化ビニル五員ヘテロアリール化合物(IV)を作用させる。
本工程では、溶媒中、金属触媒の存在下、上記工程1の反応生成物にハロゲン化ビニル五員ヘテロアリール化合物(IV)を作用させる。好適には、上記工程1の反応液にハロゲン化ビニル五員ヘテロアリール化合物(IV)と金属触媒を添加する。
ハロゲン化ビニル五員ヘテロアリール化合物(IV)は、当業者であれば、後記の実施例1(1)〜(3)に準じて、五員ヘテロアリール化合物から合成することができる。
金属触媒は、不飽和化合物のカップリング反応に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、NiCl2(PPh32IPr、NiCl2(dppe)、NiCl2(dppp)、NiCl2(dppf)などのニッケル系触媒;Pd−PEPPSI−IPr、Pd−PEPPSI−SIPr、PdCl2(PPh32、Pd2(dba)3・CHCl3、Pd(PtBu32などのパラジウム系触媒;FeF3、FeCl3、FeF3−SIPr、FeCl3−SIPr、FeCl2(3,5−TMS2−SciOPP)、Fe(acac)3などの鉄系触媒などを挙げることができる。
反応条件は特に制限されず、予備実験で決定したり、適宜調整すればよい。例えば、25℃以上、150℃以下程度で、1時間以上、50時間以下程度反応させることができる。また、加熱還流状態で反応を進めることもでき、また、反応時間も薄層クロマトグラフィで原料化合物が消失するまでとすることもできる。
反応終了後は、カラムクロマトグラフィや再結晶法などの常法を用いて精製すればよい。
以上のとおり、本発明方法によれば、ワンポットで、実質的に一工程で五員ヘテロアリーレン−ビニレン鎖を効率的に伸長することが可能である。
本発明方法で得られた五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)は、それ自体が優れた光吸収特性を有する。また、上記のとおり本発明方法により五員ヘテロアリーレン−ビニレン鎖を伸長し、π共役系を高度に拡張することが可能である。よって、本発明に係る五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)に、電子供与性部位および電子吸引性部位としてそれぞれカルバゾール骨格とシアノアクリル酸基を導入することにより、色素増感型太陽電池用色素化合物(V)とすることができる。
なお、本発明方法は五員ヘテロアリーレン−ビニレン構造を1ユニットずつ付加していくものであるので、得られるポリマー(I)の分子量(重合度)の完全な制御が可能であり、得られるポリマー(I)の分子量は均一である。即ち、式(I)中のnは「0以上」という数値範囲を示すのではなく、「0以上の特定の整数」を示す。また、重合度が高いほど五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)のπ共役系は拡張されるので、nとしては1以上が好ましく、2以上がより好ましい。一方、nが大き過ぎると原料化合物の溶解性が低下して合成が難しくなるおそれがあり得るため、20以下が好ましく、10以下がより好ましい。
3. カルバゾール骨格の導入工程
本発明に係る五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)から色素増感型太陽電池用色素化合物(V)を製造するには、下記反応式のとおり、まずカルバゾール骨格を導入することが好ましい。
[式中、X、R1、R8およびnは上記と同義を示し、Hal3は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す]
上記のクロスカップリング反応は、上記の本発明方法と同様の条件で行うことができる。その際、五員ヘテロアリール基のヘテロ原子に対するα位は反応性が高いため、この位置にカルバゾール骨格がカップリングするが、R1による立体障害により、五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)の末端五員ヘテロアリール基のうち主に一方にのみカルバゾール骨格がカップリングする。
4. シアノアクリル酸基の導入工程
次に、上記反応生成物の末端五員ヘテロアリール基のヘテロ原子に対するα位にアルデヒド基を導入した後、さらに当該アルデヒド基にシアノ酢酸を反応させることによりシアノアクリル酸基を導入する。アルデヒド基の導入には、下記反応式のとおり、塩化ホスホリルとDMFを用いたビルスマイヤー・ハック反応を適用することができる。
上記反応式において、出発原料化合物で反応性の高い五員ヘテロアリール基のヘテロ原子に対するα位は1箇所しかない。よって、アルデヒド基、ひいてはシアノアクリル酸基を効率的に導入することができる。
本発明に係る色素増感型太陽電池用色素化合物(V)は、適切な有機溶媒に溶解し、当該溶液に酸化チタン粒子などの金属酸化物粒子や、金属酸化物粒子層を形成した基板を浸漬し、乾燥することにより金属酸化物粒子に吸着させ、色素増感型太陽電池に利用することができる。この際、本発明に係る色素増感型太陽電池用色素化合物(V)は、R1により有機溶媒に対する溶解性が高いため、溶液の調製は容易である。
上記のとおり、本発明に係る五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)は、優れた光吸収特性を示す。例えば、後記の実施例のとおり、これまで合成された五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)の最大吸収波長は350nmから472nmであった。しかし、可視光の下限は360〜400nm程度、上限は760〜830nm程度といわれていることから、ポリマー鎖をさらに延長してπ共役系を拡張し、最大吸収波長をさらに高めることによって光増感有機化合物としてのバリエーションを増やすことが望ましい。
そこで本発明者は、π共役系がより一層拡張されており、最大吸収波長がより大きい化合物を製造することを目的として、研究を継続した。その結果、上記五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)をさらに重合させることにより、五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマーの製造に成功した。また、原料として用いる五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)はポリマーであることから、各重合反応における活性化エネルギーが大きいため、得られる五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマーは、その分子量分布が狭く均一であるという特性を有する。
以下、本発明に係る五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマーの製造方法につき説明する。
5. ハロゲン化工程
本工程では、上記五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)の五員ヘテロアリール環のヘテロ原子のα位を位置選択的にハロゲン化する。この際、末端五員ヘテロアリール環において、R1が置換している第3位とヘテロ原子に挟まれた第2位のα位は最も電子密度が高いので、ポリマー(I)に対してハロゲン化試薬を同モルまたは略同モル、具体的には0.95倍モル以上、1.15倍モル以下程度用いることにより、当該α位を選択的にハロゲン化することができる。
本工程では、溶媒中、上記五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)にハロゲン化試薬を作用させる。なお、上記式中、ポリマー(I)のnとハロゲン化ポリマー(VI)のpは同数を示し、ハロゲン化ポリマー(VI)では末端五員ヘテロアリール環においてR1が置換している第3位とヘテロ原子に挟まれた第2位のα位がハロゲン化されていること以外、ポリマー(I)とハロゲン化ポリマー(VI)は同一の構造を有する。
本工程の溶媒としては、各化合物を適度に溶解することができ且つ反応を阻害しないものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;アセトニトリルなどのニトリル系溶媒;ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、ジブロモメタンなどのハロゲン化炭化水素溶媒などを用いることができる。
本工程で使用されるハロゲン化試薬としては、例えば、N−ブロモスクシンイミドやN−クロロスクシンイミドなどを挙げることができる。また、塩化鉄(III)や塩化アルミニウムなどのルイス酸を触媒として併用してもよい。
反応条件は特に制限されず、予備実験で決定したり、適宜調整すればよい。例えば、各試薬を氷冷下混合した後、常温で1時間以上、50時間以下程度反応させることができる。反応終了後は、カラムクロマトグラフィや再結晶法などの常法を用いて精製すればよい。
或いは、ハロゲン化ポリマー(VI)は、上記工程5以外に、後記の実施例8(1)のように、末端五員ヘテロアリール環においてR1が置換している第3位とヘテロ原子に挟まれた第2位のα位がハロゲン化されている五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー前駆体(II)を原料化合物として用い、上記工程1,2を実施することにより製造することも可能である。
6. 重合工程
本工程では、金属触媒の存在下、ハロゲン化ポリマー(VI)をさらに重合させる。
本工程では、溶媒中、塩基と金属触媒の存在下、ハロゲン化ポリマー(VI)を重合させる。好適には、ハロゲン化ポリマー(VI)にまず塩基を作用させることにより末端五員ヘテロアリール環におけるヘテロ原子に対するα位水素を引き抜き、次に金属触媒を作用させることにより重合する。塩基としては、上記工程1で用いたものと同様のものを用いることができ、金属触媒としては、上記工程2で用いたものと同様のものを用いることができる。
反応条件は特に制限されず、予備実験で決定したり、適宜調整すればよい。例えば、ハロゲン化ポリマー(VI)と塩基とを10℃以上、40℃以下程度で30分間以上、20時間以下程度反応させた後、金属触媒を加え、25℃以上、80℃以下程度で30分間以上、10時間以下程度反応させればよい。
以上で得られる五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマー(VII)は、例えば、酸性のC1-4アルコール水溶液やヘキサンなどの炭化水素溶媒などの貧溶媒を用いて沈殿させ、濾過や遠心分離などで反応混合液から分離した後、上記貧溶媒で十分に洗浄することにより精製することができる。
また、上記五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマー(VII)は、上記工程3と工程4によりカルバゾール骨格とシアノアクリル酸基を導入することにより、色素増感型太陽電池用色素化合物とすることも可能である。なお、式(VII)の両末端は必ずしも明らかではなく、水素原子であると考えられるが、ハロゲン原子Hal4である可能性もある。水素原子および/ハロゲン原子の何れであっても、上記工程3と工程4におけるカルバゾール骨格とシアノアクリル酸基の導入に問題はなく、色素増感型太陽電池用色素化合物とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1: 3−n−ヘキシル−2−[2−(3−n−ヘキシルチオフェン−2−イル)エテニル]チオフェンの合成
(1) 2−ホルミル−3−ヘキシルチオフェン
500mL容二口反応器に、エチルマグネシウムブロマイドの0.93M THF溶液(18.0mmol,19.4mL)を加えた。当該溶液へ、0℃で2−ブロモ−3−ヘキシルチオフェン(15.0mmol,3.708g)を加えた。当該反応液を60℃まで加温し、3時間攪拌した。当該反応液を0℃まで冷却した後、DMF(225mmol,17.4mL)を滴下した。当該反応液を室温で24時間攪拌した後、1.0M塩酸を加えて反応を停止させた。当該反応液をジエチルエーテル/水に添加し、分液した。水層をジエチルエーテルで2回抽出し、有機相と抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた粗油状物をシリカゲルクロマトグラフィ(溶離液:ヘキサン/酢酸メチル=50/1)に付し、淡黄色オイル状の目的化合物を得た(収量:2.68g,収率:91%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ0.88(t,J=6.7Hz,3H),1.18-1.48(m,6H),1.56-1.74(m,2H),2.96(t,J=7.7Hz,2H),7.01(d,J=5.0Hz,1H),7.64(dd,J=5.0,1.0Hz,1H),10.0(d,J=1.0Hz,1H)
(2) 2−(1,1−ジブロモエテニル)−3−ヘキシルチオフェン
500mL容二口反応器に、窒素雰囲気下、上記(1)で得た2−ホルミル−3−ヘキシルチオフェン(10.7mmol,2.10g)とジクロロメタン(107mL)を加えた。当該溶液にテトラブロモメタン(13.4mmol,4.44g)とトリフェニルホスフィン(26.8mmol,7.03g)を0℃で加えた。当該反応液を室温まで加温し、4時間攪拌した。当該反応液を減圧濃縮した。得られた粗油状物をシリカゲルクロマトグラフィ(溶離液:ヘキサン)に付し、無色オイル状の目的化合物を得た(収量:3.39g,収率:90%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ0.46-0.53(m,3H),0.85-1.02(m,6H),1.12-1.28(m,2H),2.23(t,J=7.7Hz,2H),6.51(d,J=5.2Hz,1H),6.89(s,1H),6.95(d,J=5.2Hz,1H)
(3) (E)−2−(2−ブロモエテニル)−3−ヘキシルチオフェン
50mL容二口管に、窒素雰囲気下、上記(2)で得た2−(1,1−ジブロモエテニル)−3−ヘキシルチオフェン(9.22mmol,3.24g)とDMF(7.37mL)を加えた。当該溶液にトリエチルアミン(46.08mmol,6.42mL)とホスホン酸ジメチル(36.9mmol,3.38mL)を加えた。当該反応液を一晩攪拌した。当該反応液に1.0M塩酸を加えて反応を停止させた。当該反応液をジエチルエーテル/水に添加し、分液した。水層をジクロロメタンで2回抽出し、有機相と抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた粗油状物をシリカゲルクロマトグラフィ(溶離液:ヘキサン)に付し、無色オイル状の目的化合物を得た(収量:1.58g,収率:63%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ0.89(t,J=6.3Hz,3H),1.21-1.38(m,6H),1.45-1.65(m,2H),2.57(t,J=7.7Hz,2H),6.54(d,J=13.7Hz,1H),6.83(d,J=5.2Hz,1H),7.10(d,J=5.2Hz,1H),7.20(d,J=13.7Hz,1H)
(4) 3−n−ヘキシル−2−[2−(3−n−ヘキシルチオフェン−2−イル)−エテニル]チオフェン
20mL容シュレンク管に、エチルマグネシウムクロライドのTHF溶液(0.645mL,0.6mmol)とTMP−H(0.008mL,0.050mmol)を加えた。当該溶液に3−ヘキシルチオフェン(0.090mL,0.5mmol)を加え、24時間加熱還流した。次いで、THF(0.65mL)、上記(3)で得た(E)−2−(2−ブロモエテニル)−3−ヘキシルチオフェン(163.9mg,0.6mmol)およびPd−PEPPSI−IPr(6.8mg,0.01mmol)を順次加えた。当該反応液を60℃で24時間攪拌した。当該反応液を室温まで冷却した後、当該反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(1.0mL)を加えて反応を停止させた。当該反応液をジエチルエーテル/水に添加し、分液した。水層をジエチルエーテルで2回抽出し、有機相と抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた粗油状物をシリカゲルクロマトグラフィ(溶離液:ヘキサン)に付し、淡黄色オイル状の目的化合物を得た(収量:139.6mg,収率:77%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ0.89(t,J=6.5Hz,6H),1.14-1.45(m,12H),1.50-1.68(m,4H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.65(t,J=7.6Hz,2H),6.76(s,1H),6.84(d,J=5.1Hz,1H),6.86(s,1H),6.93(d,J=15.7Hz,1H),7.02(d,J=15.7Hz,1H),7.07(d,J=5.1Hz,1H)
13C NMR(125MHz,CDCl3)δ14.1,22.6,28.3,28.95,28.97,30.3,30.4,30.9,31.6,31.7,118.6,119.5,121.0,122.6,127.0,129.7,135.9,140.8,142.4,143.7
IR(ATR)3017,2955,2926,2855,1525,1458,1377,1303,1272,1215,1085,934,843,814,724,694,670,659,646,627,614 cm-1
HRMS(DART-ESI+) Calcd for C22H33S2[M+H]+:361.2024;found:m/z 361.2035
(5) 触媒の検討
上記(4)において、特に断らない限り表1のとおり触媒のみを変更した以外は同様にして反応を行った。目的化合物の単離収率を表1に示す。
上記結果によれば、触媒を用いなければクロスカップリング反応は進行せず、また、ニッケル触媒よりもパラジウム触媒の方が反応は良好に進行することが明らかとなった。
実施例2: クロスカップリング反応
上記実施例1(4)と同様の条件で、トルエン(0.65mL)中、上記実施例1(4)で得た3−n−ヘキシル−2−[2−(3−n−ヘキシルチオフェン−2−イル)−エテニル]チオフェン(180mg,0.50mmol)、エチルマグネシウムクロライドの0.93M THF溶液(0.60mmol)、TMP−H(0.008mL,0.05mmol)、3−ヘキシルチオフェン(163.9mg,0.60mmol)およびPd−PEPPSI−IPr(6.80mg,0.01mmol)を120℃で24時間反応させることにより、黄色粘張オイル状の目的化合物を得た(収率:78%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ0.77-1.02(m,9H),1.17-1.45(m,18H),1.48-1.74(m,6H),2.56(t,J=7.6Hz,2H),2.60(t,J=7.6Hz,2H),2.66(t,J=7.6Hz,2H),6.77(s,2H),6.85(d,J=5.2Hz,1H),6.87(s,1H),6.89(d,J=15.7Hz,1H),6.91(d,J=15.7Hz,1H),6.99(d,J=15.7Hz,1H),7.00(d,J=15.7Hz,1H),7.08(d,J=5.1Hz,1H)
13C NMR(125MHz,CDCl3)δ14.09,14.10,14.12,22.59,22.61,22.62,28.3,28.4,28.97,28.98,29.0,30.3,30.4,30.7,30.9,31.66,31.67,31.69,118.8,119.3,119.9,120.8,121.0,122.9,127.1,129.0,129.8,134.9,136.0,139.9,141.2,141.8,142.5,143.9
IR(ATR)3016,2953,2926,2855,1537,1519,1462,1454,1433,1415,1377,1266
,1217,930,843,812,724,698,671,659,648 cm-1
HRMS(DART-ESI+)Calcd for C39H49S3[M+H]+:553.2996;found:m/z 553.3018
実施例3: クロスカップリング反応
上記実施例1(4)と同様の条件で、上記実施例2で得たチエニレンビニレンオリゴマー(259.5mg,0.469mmol)、エチルマグネシウムクロライドの0.93M THF溶液(0.563mmol)、TMP−H(0.00791mL,0.0469mmol)、3−ヘキシルチオフェン(153.8mg,0.563mmol)およびPd−PEPPSI−IPr(6.37mg,0.00938mmol)を120℃で24時間反応させることにより、暗赤色固体状の目的化合物を得た(収率:58%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ0.75-1.08(m,12H),1.18-1.46(br s,24H),1.49-1.73(br s,8H),2.51-2.74(m,8H),6.74-6.80(br s,3H),6.85(d,J=5.1Hz,1H),6.87(s,1H),6.86-6.94(m,3H),6.96(d,J=15.5Hz,1H),6.99(d,J=15.5Hz,1H),7.00(d,J=15.5Hz,1H),7.08(d,J=5.1Hz,1H)
13C NMR(125MHz,CDCl3)δ14.09,14.10,14.12,14.13,22.60,22.61,22.62,28.30,28.34,28.4,28.97,28.98,29.02,29.04,30.3,30.4,30.7,30.8,30.9,31.67,31.68,31.69,31.70,118.9,119.3,119.7,120.0,120.7,120.8,121.0,123.0,127.1,129.09,129.11,129.8,135.1,135.2,136.0,140.0,140.2,141.3,142.0,142.2,142.5,144.0
IR(ATR)3016,2956,2924,2853,1563,1554,1546,1536,1513,1502,1493,1478,1462,1453,1433,1423,1415,1377,1265,1239,1220,1158,1091,1025,924,893,865,842,807,725,698,678,669,653,629,614 cm-1
HRMS(DART-ESI+)Calcd for C46H65S4[M+H]+:745.3969;found:m/z 745.3851
実施例4: 色素増感型太陽電池用色素化合物の製造
(1) TVTとBrカルバゾールのカップリング反応
以下では、チエニレンビニレンオリゴマーのチエニレン単位を「T」と、ビニレン単位を「V」と略記する。内部を窒素雰囲気で置換した20mL容シュレンク反応管に、上記実施例1で合成したTVT(6)(0.64g,1.79mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を入れ、TMPMgCl塩化リチウム錯体の1M THF溶液(2.14mL,2.14mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。続いてブロモカルバゾール(0.53g,1.92mmol)、Pd−PEPPSI−SIPr(0.024g,0.035mmol)を加え、60℃に加熱して12時間撹拌した。次いで、反応溶液を1M塩酸に加え、クロロホルムで2回抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸イソプロピル=100/1)で精製し、目的化合物であるカルバゾール−TVT(10)を得た(収量:0.45g,収率:45%)。
(2) カルバゾール−TVT−CHOの合成
内部を窒素雰囲気で置換した20mL容シュレンク反応管に、氷冷下でオキシ塩化リン(0.09mL,0.96mmol)とDMF(0.19mL,2.4mmol)を加え、65℃で12時間撹拌した。次いで、反応混合物中に上記(1)で得たカルバゾール−TVT(10)(0.44g,0.80mmol)のクロロホルム溶液(3mL)を加え、さらに20時間撹拌を続けた。反応混合物を水中に加えて反応を停止させ、クロロホルムで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸イソプロピル=20/1)で精製し、目的化合物であるカルバゾール−TVT−CHO(11)が得られた(収量:0.46g,0.79mmol,収率:98%)。
(3) カルバゾール−TVT−シアノ酢酸の合成
上記(2)で得たカルバゾール−TVT−CHO(11)(0.21g,0.36mmol)、シアノ酢酸(0.09g,1.06mmol)、酢酸(1.4mL)、酢酸アンモニウム(0.014g,0.18mmol)およびトルエン(2.5mL)を20mL容シュレンク反応管に加え、115℃で12時間撹拌した。反応混合物を水中に加え、クロロホルムで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸イソプロピル=1/1)で精製し、目的化合物であるカルバゾール−TVT−シアノ酢酸(12)が得られた(収量:0.22g,0.34mmol,収率:95%)。
実施例5: 色素増感型太陽電池用色素化合物の製造
(1) (TV)2TとBrカルバゾールのカップリング反応
内部を窒素雰囲気で置換した20mL容シュレンク反応管に、上記実施例2で得た(TV)2T(7)(0.33g,0.6mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を入れ、TMPMgCl塩化リチウム錯体の1M THF溶液(0.72mL,0.72mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。続いてブロモカルバゾール(0.15g,0.72mmol)とPd−PEPPSI−SIPr(8.1mg,0.012mmol)を加え、60℃に加熱して12時間撹拌した。反応溶液を1M塩酸に加え、クロロホルムで2回抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン→ヘキサン/酢酸イソプロピル=100/:1)で精製し、目的化合物であるカルバゾール−(TV)2T(13)を得た(収量:0.19g,収率:43%)。
(2) カルバゾール−(TV)2T−CHOの合成
内部を窒素雰囲気で置換した20mL容シュレンク反応管に、氷冷下でオキシ塩化リン(0.05mL,0.31mmol)とDMF(0.06mL,0.78mmol)を加え、65℃で12時間撹拌した。反応混合物中に、上記(1)で得たカルバゾール−(TV)2T(13)(0.19g,0.26mmol)のクロロホルム溶液(3mL)を加え、さらに20時間撹拌を続けた。次いで、反応混合物を水中に加えて反応を停止させ、クロロホルムで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸イソプロピル=20/1)で精製し、目的化合物であるカルバゾール−(TV)2T−CHO(14)を得た(収量:0.13g,0.16mmol,収率:63%)。
(3) カルバゾール−(TV)2T−シアノ酢酸の合成
上記(2)で得たカルバゾール−(TV)2T−CHO(14)(0.13g,0.16mmol)、シアノ酢酸(0.04g,0.49mmol)、酢酸(0.6mL)、酢酸アンモニウム(0.006g,0.08mmol)およびトルエン(2.5mL)を20mL容のシュレンク反応管に加え、115℃で12時間撹拌した。次いで、反応混合物を水中に加え、クロロホルムで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸イソプロピル=1/1)で精製し、目的化合物であるカルバゾール−(TV)2T−シアノ酢酸(15)を得た(収量:0.13g,0.16mmol,収率:96%)。
実施例6: 紫外・可視光吸収スペクトル測定
上記実施例1で合成したTVT(6)、実施例2で合成した(TV)2T(7)、実施例3で合成した(TV)3T(8)、および実施例4で合成したカルバゾール−TVT−シアノ酢酸(12)をクロロホルムに溶解して1.0×10-6Mの溶液とし、1cm×1cmの石英セルに入れ、スペクトロメーター(ビー・エー・エス社「SEC−2000 UV/VISスペクトロメーター」)を用い、紫外・可視光吸収スペクトルを測定した。結果を図1に示す。
図1に示す結果のとおり、チエニレン−ビニレンの繰り返し単位が拡張していくにしたがって、吸収端も長波長側にシフトしていることが確認された。この結果から、本発明に係るチエニレンビニレンオリゴマーにおいてチエニレン−ビニレンの繰り返し単位の拡張に伴い、π共役系が拡張していると考えられる。チエニレンビニレンオリゴマー(6)〜(8)の最大吸収波長は、それぞれ350nm、424nm、472nmであった。Head−to−tail型オリゴチオフェンの6量体の最大吸収波長が402nmということを考えると、(TV)2T(7)と(TV)3T(8)はより長波長側に吸収波長領域を有していることが分かった。
実施例7: (TVT)qの合成
(1) TVTの塩素化
30mL容の二口フラスコにチューブを取り付け、また、攪拌子を挿入し、窒素雰囲気下、さらにTVT(6)(1.00g,2.78mmol)、アセトニトリル(5.56mL)およびTHF(3.0mL)を添加した。得られた溶液にN−クロロスクシンイミド(408mg,3.06mmol)とFeCl3(22.5mg,0.139mmol)を0℃で加えた。当該反応混合液を室温になるまで放置し、さらに19時間攪拌した。当該反応混合液に塩化アンモニウムの飽和水溶液(5.0mL)を添加して反応を止めた。当該反応混合液をヘキサン/水の混合液へ添加し、分液した。水相をヘキサンで2回抽出し、有機相を合わせた。当該有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥することによりオイル状の粗生成物を得た。ヘキサンを溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製することにより、目的化合物を淡黄色オイルとして得た(収量:0.966g,収率:88%)。
(2) 重合反応
20mL容のシュレンク反応管に攪拌子を入れ、上記(1)で得たTVT−Cl(16)(179mg,0.454mmol)を室温で添加した。さらに、TMP−MgCl・LiCl(0.545mmol,1.0M THF溶液)を添加し、3時間攪拌した。次いで、THF(0.400mL)とNiCl2(PPh3)IPr(7.09mg,0.009mmol)を連続的に添加した。得られた反応混合液を60℃で1時間攪拌した。当該反応混合液を室温まで放冷した後、1.0M塩酸(20mL)とメタノール(50mL)の混合液に注いだ。生じた不溶分を濾別した。得られた暗紫色固体をメタノールとヘキサンで繰り返し洗浄し、減圧乾燥することにより、目的化合物であるポリマー(17)を得た(収量:138mg,収率:85%)。
ポリスチレンを標準とするSEC(GPC)分析により、得られたポリマーの数平均分子量Mnと重量平均分子量MWを測定した。その結果、数平均分子量Mnは16000であり、分子量分布を示すMW/Mnの値は2.20であった。
実施例8: (TVTVT)qの合成
(1) TVTVT−Clの合成
30mL容の二口フラスコにチューブを取り付け、また、攪拌子を挿入し、EtMgClのTHF溶液(1.64mL,1.56mmol)とTMP−H(0.02mL,0.13mmol)を添加した。得られた溶液にTVT−Cl(16)(0.514g,1.3mmol)を加え、24時間加熱還流した。次いで、トルエン(1.69mL)、(E)−2−(2−ブロモエテニル)−3−ヘキシルチオフェン(0.426g,1.56mmol)およびPd−PEPPSI−IPr(17.6mg,0.03mmol)を連続的に加えた。得られた反応混合液を120℃で24時間攪拌した。当該反応混合液を室温まで冷却した後、塩化アンモニウムの飽和水溶液(3.0mL)を加えて反応を止めた。当該反応混合液をジエチルエーテル/水の混合液へ注ぎ、分液した。水相をジエチルエーテルで2回抽出し、有機相を合わせた。当該有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥することによりオイル状の粗生成物を得た。ヘキサンを溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製することにより、目的化合物を淡黄色の粘張オイルとして得た(収量:0.626g,収率:82%)。
(2) 重合反応
20mL容のシュレンク反応管に攪拌子を入れ、上記(1)で得たTVTVT−Cl(18)(275mg,0.468mmol)を室温で添加した。さらに、TMP−MgCl・LiCl(0.562mmol,1.0M THF溶液)を添加し、3時間攪拌した。次いで、THF(0.412mL)とNiCl2(PPh3)IPr(11.0mg,0.014mmol)を連続的に添加した。得られた反応混合液を60℃で1時間攪拌した。当該反応混合液を室温まで放冷した後、1.0M塩酸(20mL)とメタノール(50mL)の混合液に注いだ。生じた不溶分を濾別した。得られた暗紫色固体をメタノールとヘキサンで繰り返し洗浄し、減圧乾燥することにより、目的化合物であるポリマー(19)を得た(収量:149mg,収率:58%)。
ポリスチレンを標準とするSEC(GPC)分析により、得られたポリマーの数平均分子量Mnと重量平均分子量MWを測定した。その結果、数平均分子量Mnは8500であり、分子量分布を示すMW/Mnの値は1.74であった。

Claims (10)

  1. 五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー(I)を製造するための方法であって、
    塩基の存在下、五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー前駆体(II)にグリニャール試薬(III)を作用させる工程、および、
    さらに、金属触媒の存在下、ハロゲン化ビニル五員ヘテロアリール化合物(IV)を作用させる工程を含むことを特徴とする製造方法。
    [式中、
    Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を示し、
    1はC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基または−Y−(SiR34O)mSiR567基[YはC1-6アルキレン基を示し、R3〜R7は、独立してC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基、C1-12アルコキシ基またはC3-12シクロアルキル基を示し、mは2以上、6以下の整数を示す]、
    2はC1-6アルキル基を示し、
    Hal1とHal2は独立してハロゲン原子を示し、
    nは0以上の整数を示す]
  2. 上記nが0以上、20以下の整数を示す請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記塩基として非求核塩基を用いる請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 上記非求核塩基として2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを用いる請求項3に記載の製造方法。
  5. 上記金属触媒としてニッケル触媒またはパラジウム触媒を用いる請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 下記式(I)で表されることを特徴とする五員ヘテロアリーレン−ビニレンポリマー。
    [式中、
    Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を示し、
    1はC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基または−Y−(SiR34O)mSiR567基[YはC1-6アルキレン基を示し、R3〜R7は、独立してC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基、C1-12アルコキシ基またはC3-12シクロアルキル基を示し、mは2以上、6以下の整数を示す]、
    nは0以上の整数を示す]
  7. 下記式(V)で表されることを特徴とする色素増感型太陽電池用色素化合物。
    [式中、
    Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を示し、
    1はC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基または−Y−(SiR34O)mSiR567基[YはC1-6アルキレン基を示し、R3〜R7は、独立してC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基、C1-12アルコキシ基またはC3-12シクロアルキル基を示し、mは2以上、6以下の整数を示す]、
    8はC1-6アルキル基を示し、
    nは0以上の整数を示す]
  8. 五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマー(VII)を製造するための方法であって、
    塩基と金属触媒の存在下、五員ヘテロアリーレン−ビニレンハロゲン化物(VI)を重合する工程を含むことを特徴とする製造方法。
    [式中、
    Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を示し、
    1はC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基または−Y−(SiR34O)mSiR567基[YはC1-6アルキレン基を示し、R3〜R7は、独立してC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基、C1-12アルコキシ基またはC3-12シクロアルキル基を示し、mは2以上、6以下の整数を示す]、
    Hal4はハロゲン原子を示し、
    pは0以上の整数を示し、
    qは2以上の整数を示す]
  9. 下記式(VII)で表されることを特徴とする五員ヘテロアリーレン−ビニレン−五員ヘテロアリーレンポリマー。
    [式中、
    Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を示し、
    1はC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基または−Y−(SiR34O)mSiR567基[YはC1-6アルキレン基を示し、R3〜R7は、独立してC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基、C1-12アルコキシ基またはC3-12シクロアルキル基を示し、mは2以上、6以下の整数を示す]、
    pは0以上の整数を示し、
    qは2以上の整数を示す]
  10. 下記式(VIII)で表されることを特徴とする色素増感型太陽電池用色素化合物。
    [式中、
    Xは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を示し、
    1はC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基または−Y−(SiR34O)mSiR567基[YはC1-6アルキレン基を示し、R3〜R7は、独立してC1-12アルキル基、C2-12アルケニル基、C2-12アルキニル基、C1-12アルコキシ基またはC3-12シクロアルキル基を示し、mは2以上、6以下の整数を示す]、
    9はC1-6アルキル基を示し、
    pは0以上の整数を示し、
    qは2以上の整数を示す]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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