JP2016047109A - 光音響画像化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】LED素子(発光ダイオード素子)などの光放出半導体素子を光源として用いる場合に、検出信号のS/N比を改善することが可能な光音響画像化装置を提供する。
【解決手段】この光音響画像化装置100は、LED光源部10と、音響波AWを検出して、検出信号を出力する検出部20と、単一の検出サイクルCT内で、第1パルス光PL1および第2パルス光PL2を時間間隔Twで照射させるとともに、第1パルス光PL1に起因する第1検出信号S1と第2パルス光PL2に起因する第2検出信号S2とを含む基準検出信号RSを取得する制御部30とを備える。そして、制御部30は、基準検出信号RSを時間間隔Twだけシフトさせたシフト信号SSを生成するとともに、生成されたシフト信号SSと基準検出信号RSとを乗算することにより、画像化用信号PSを生成するように構成されている。
【選択図】図4

Description

この発明は、光音響画像化装置に関し、特に、検出部を備える光音響画像化装置に関する。
従来、検出部を備える光音響画像化装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、パルス光を照射する固体レーザ光源と、固体レーザ光源から照射されたレーザ光により人体などの被検体内の検出対象物から発生した超音波(音響波)を検出する検出部とを備える光音響画像化装置が開示されている。この光音響画像化装置は、検出部により検出された超音波に対応する検出信号に基づいて、被検体の断層画像を取得するように構成されている。
特開2010−42158号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の光音響画像化装置に、光源としてLED素子などの光放出半導体素子を用いる光源を適用した場合には、固体レーザ光源を用いる場合に比べて、光の出力が小さくなると考えられる。この場合、検出される超音波(音響波)の強度が小さくなるため、検出信号のS/N比(信号/ノイズ比:Signal−noise ratio)が低下してしまうという問題点が発生すると考えられる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、LED素子(発光ダイオード素子)などの光放出半導体素子を光源として用いる場合に、検出信号のS/N比を改善することが可能な光音響画像化装置を提供することである。
この発明の一の局面による光音響画像化装置は、光放出半導体素子光源部と、光放出半導体素子光源部から照射される光を吸収した被検体内の検出対象物から発生する音響波を検出して、検出信号を出力する検出部と、単一の検出サイクル内で、光放出半導体素子光源部により第1パルス光および第2パルス光を所定の時間間隔で照射させるとともに、第1パルス光に起因する第1検出信号と第2パルス光に起因する第2検出信号とを含む基準検出信号を取得する制御部と、を備え、制御部は、取得された基準検出信号に基づいて、基準検出信号を所定の時間間隔だけシフトさせたシフト信号を生成するとともに、生成されたシフト信号と基準検出信号とを乗算することにより、画像化のための画像化用信号を生成するように構成されている。
この発明の一の局面による光音響画像化装置では、上記のように、取得された基準検出信号に基づいて、基準検出信号を所定の時間間隔だけシフトさせたシフト信号を生成するとともに、生成されたシフト信号と基準検出信号とを乗算することにより、画像化のための画像化用信号を生成するように制御部を構成する。これにより、第1パルス光と第2パルス光とを所定の時間間隔分シフトさせたシフト信号と、元の基準検出信号とを乗算することにより、第1検出信号および第2検出信号から有効な信号を残しつつ、その他のランダムノイズを低減することができる。その結果、単に第1パルス光に起因する第1検出信号のみを取得して画像化用信号とする場合よりも、ランダムノイズが低減された画像化用信号を生成して取得することができる。したがって、光放出半導体素子を光源として用いる場合に、単一の検出サイクルの検出信号(画像化用信号)のS/N比を改善することができる。
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、所定の時間間隔は、第1パルス光のパルス幅よりも大きい。このように構成すれば、第1パルス光と第2パルス光とが重なった状態で照射されるのを抑制することができるので、第1パルス光に起因する第1検出信号と第2パルス光に起因する第2検出信号とが重なった状態で基準検出信号として取得されるのを抑制することができる。その結果、第1検出信号と第2検出信号とが重なった状態で基準検出信号とシフト信号とが乗算されるのを抑制することができるので、乗算により生成される画像化用信号をより正確に生成することができる。
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、制御部は、第1検出サイクルにおいて、光放出半導体素子光源部により第1パルス光および第2パルス光を第1時間間隔で照射させるとともに、第1検出サイクルの次の第2検出サイクルにおいて、光放出半導体素子光源部により第1パルス光および第2パルス光を、第1時間間隔とは異なる第2時間間隔で照射させるように構成されている。このように構成すれば、検出サイクル毎に同じ時間間隔で第1パルス光と第2パルス光とを照射させる場合と異なり、第1検出サイクルにおいて、第1検出信号と第2検出信号とが重なった状態で取得されたとしても、第1検出サイクルの次の第2検出サイクルでは、第1検出信号と第2検出信号とが重ならないようにすることができる。したがって、第1検出信号と第2検出信号とが重なった状態で基準検出信号とシフト信号とが乗算されることが連続的に行われるのを確実に抑制することができるので、乗算により生成される画像化用信号をより正確に生成することができる。
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、制御部は、取得された基準検出信号に基づいて、基準検出信号を所定の時間間隔だけ早める方向にシフトさせることにより、シフト信号を生成するとともに、生成されたシフト信号と基準検出信号とを乗算することにより、画像化用信号を生成するように構成されている。このように構成すれば、基準検出信号における第2検出信号と、シフト信号における第1検出信号とを不要な信号として容易に打ち消す(微小にする)ことができるとともに、基準検出信号における第1検出信号と、シフト信号における第2検出信号とが乗算された信号を含む有効な画像化用信号を容易に生成することができる。
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、制御部は、取得された基準検出信号に基づいて、基準検出信号を所定の時間間隔だけ遅れる方向にシフトさせることにより、シフト信号を生成するとともに、生成されたシフト信号と基準検出信号とを乗算することにより、画像化用信号を生成するように構成されている。このように構成すれば、基準検出信号における第1検出信号と、シフト信号における第2検出信号とを不要な信号として容易に打ち消す(微小にする)ことができるとともに、基準検出信号における第2検出信号と、シフト信号における第1検出信号とが乗算された信号を含む有効な画像化用信号を容易に生成することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、シフト信号と基準検出信号とを乗算する際に、基準検出信号を所定の時間間隔だけ遅れる方向にシフトさせることに起因して生じるシフト信号の信号欠落部分において、所定の値を乗算するように構成されている。このように構成すれば、シフト信号の信号欠落部分に対応する基準検出信号の位置に、第1検出信号または第2検出信号が存在した場合に、信号欠落部分と乗算されることに起因して、情報が欠落してしまうのを抑制することができる。また、信号欠落部分が生じないように検出サイクル内の検出期間を延長する場合と比べて、延長する検出期間がない分、信号保存にかかるメモリの容量を節約することができる。
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、光放出半導体素子光源部は、光放出半導体素子として発光ダイオード素子を含む。このように構成すれば、比較的消費電力の小さい発光ダイオード素子を用いることにより消費電力を低減することができる。
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、光放出半導体素子光源部は、光放出半導体素子として半導体レーザ素子を含む。このように構成すれば、発光ダイオード素子と比べて、比較的指向性の高いレーザ光を被検体に照射することができるので、半導体レーザ素子からの光の大部分を確実に被検体に照射することができる。
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、光放出半導体素子光源部は、光放出半導体素子として有機発光ダイオード素子を含む。このように構成すれば、薄型化容易な有機発光ダイオード素子を用いることにより、光放出半導体素子光源部を容易に小型化することができる。
本発明によれば、上記のように、LED素子(発光ダイオード素子)などの光放出半導体素子を光源として用いる場合に、検出信号のS/N比を改善することが可能な光音響画像化装置を提供することができる。
本発明の第1〜第3実施形態による光音響画像化装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1〜第3実施形態による光音響画像化装置における被検体内に1つの検出対象物の検出を説明するための図である。 本発明の第1実施形態による光音響画像化装置のパルス発光と対応する基準検出信号の取得とを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による光音響画像化装置の基準検出信号に関する信号処理を説明するための図である。 本発明の第1実施形態による光音響画像化装置における被検体内に2つの検出対象物の検出を説明するための図である。 本発明の第1実施形態による光音響画像化装置の2つのパルス光による検出信号が重なった状態で取得されるのを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による光音響画像化装置のパルス光の時間間隔を説明するための図である。 本発明の第2実施形態による光音響画像化装置のパルス発光と対応する基準検出信号の取得とを説明するための図である。 本発明の第2実施形態による光音響画像化装置の基準検出信号に関する信号処理を説明するための図である。 本発明の第3実施形態による光音響画像化装置のパルス発光と対応する基準検出信号の取得とを説明するための図である。 本発明の第3実施形態による光音響画像化装置の基準検出信号に関する信号処理を説明するための図である。 本発明の第1実施形態による光音響画像化装置の第1および第2変形例における光源部を説明するための図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による光音響画像化装置100の構成について説明する。
本発明の第1実施形態による光音響画像化装置100は、図1に示すように、LED光源部10と、検出部20と、制御部30と、画像表示部40とを備えている。なお、LED光源部10は、本発明の「光放出半導体素子光源部」の一例である。
LED光源部10は、2つのLED光源11を含み、2つのLED光源11のそれぞれから被検体Pに向けて測定のためのパルス光を照射するように構成されている。また、図2に示すように、2つのLED光源11は、検出部20近傍において、検出部20に対して一方側および他方側に配置されるとともに、検出部20を挟むように配置されている。したがって、2つのLED光源11は、互いに異なる位置で被検体Pに向けてパルス光を照射するように構成されている。
また、図1に示すように、2つのLED光源11は、共に、光源基板11aと、LED素子11bとを有している。光源基板11aには、下面側に複数のLED素子11bがアレイ状に実装されている。また、光源基板11aには、光源駆動回路が形成されており、制御部30から出力される光制御信号に基づいて、LED素子11bをパルス発光させるように構成されている。なお、LED素子11bは、本発明の「光放出半導体素子」の一例である。
2つのLED素子11bは、共に、人体などの被検体Pの測定に適した赤外領域の測定波長の光(たとえば、約700nm〜約1000nmにピーク波長を有する光)を発生するように構成されている。なお、2つのLED素子11bは、互いに異なる測定波長の光を発生するように構成されてもよいし、略同一の測定波長の光を発生するように構成されてもよい。また、測定波長は、検出を所望する検出対象物に応じて適宜決定されればよい。
図1および図2に示すように、検出部20は、超音波振動子20aを有している。検出部20では、超音波振動子20aは、複数設けられるとともに、複数の超音波振動子20aは、アレイ状に配列されている。また、検出部20は、LED光源部10から照射された光を吸収した被検体P内の検出対象物Aや後述する検出対象物Bなどの検出対象物から発生する音響波AWによって超音波振動子20aが振動されることにより、音響波(超音波)AWを検出するように構成されている。また、検出部20は、制御部30から出力される超音波制御信号に基づいて、超音波振動子20aを振動させて、超音波UWを発生することが可能なように構成されている。その際、検出部20は、被検体P内で反射された超音波UWによって超音波振動子20aが振動されることにより、超音波UWも検出するように構成されている。また、検出部20は、検出された音響波AWまたは超音波UWに対応する検出信号を制御部30に出力するように構成されている。
なお、本明細書では、説明の都合上、被検体P内の検出対象物が光を吸収することにより発生する超音波を「音響波」として、超音波振動子20aにより発生されるとともに、被検体P内で反射される超音波を「超音波」として区別して記載する。
図1に示すように、制御部30は、信号処理部31と、信号制御部32とを含んでいる。制御部30の信号処理部31は、検出部20により検出された音響波AWおよび超音波UWに基づいて、被検体P内を画像化するための信号処理を行うように構成されている。
具体的には、制御部30の信号処理部31は、受信回路51と、A/Dコンバータ52と、受信メモリ53と、データ処理部54と、音響波画像再構成部55と、検波・対数コンバータ56と、音響波画像構築部57と、超音波画像再構成部58と、検波・対数コンバータ59と、超音波画像構築部60と、画像合成部61とを含んでいる。
受信回路51は、カップリングコンデンサを含み、超音波振動子20aから検出信号(交流成分)を受信(取得)するように構成されている。また、受信回路51は、受信された検出信号をA/Dコンバータ52に出力するように構成されている。
A/Dコンバータ52は、受信回路51から入力されたアナログ信号としての検出信号を、信号制御部32から出力されるサンプリングトリガ信号に基づいて、デジタル信号に変換するように構成されている。また、A/Dコンバータ52は、デジタル信号に変換された検出信号を受信メモリ53に出力するように構成されている。
受信メモリ53は、デジタル信号に変換された検出信号を一時的に格納するように構成されている。また、受信メモリ53は、格納された検出信号をデータ処理部54に出力するように構成されている。
データ処理部54は、受信メモリ53から入力された検出信号に各種の信号処理を行うように構成されている。この信号処理の詳細については、後述する。また、データ処理部54は、信号処理された音響波AWに対応する検出信号を、音響波画像再構成部55に出力するように構成されている。また、データ処理部54は、信号処理された超音波UWに対応する検出信号を超音波画像再構成部58に出力するように構成されている。
音響波画像再構成部55は、データ処理部54から入力された音響波AWに対応する検出信号を、整相加算などにより画像データとして再構成する処理を行うように構成されている。また、音響波画像再構成部55は、検出信号を再構成して得られた画像データを検波・対数コンバータ56に出力するように構成されている。
検波・対数コンバータ56は、音響波画像再構成部55から入力された画像データに対して包絡線検波などの波形処理を行うように構成されている。また、検波・対数コンバータ56は、波形処理された画像データを音響波画像構築部57に出力するように構成されている。
音響波画像構築部57は、波形処理された画像データに基づいて、被検体P内の断層画像を構築する処理を行うように構成されている。また、音響波画像構築部57は、音響波AWに基づく断層画像を画像合成部61に出力するように構成されている。
超音波画像再構成部58、検波・対数コンバータ59および超音波画像構築部60は、音響波AWを超音波UWと読み替えれば、それぞれ、音響波画像再構成部55、検波・対数コンバータ56および音響波画像構築部57と略同様の構成を有している。そして、超音波画像構築部60は、超音波UWに基づく断層画像を画像合成部61に出力するように構成されている。
画像合成部61は、音響波AWに基づく断層画像と超音波UWに基づく断層画像とを合成する処理を行い、合成された画像を画像表示部40に出力するように構成されている。その結果、画像表示部40に被検体P内の画像が表示される。画像表示部40は、一般的な液晶パネルなどにより構成される。
制御部30の信号制御部32は、CPUを含み、各種の制御信号によりLED光源部10や検出部20などの光音響画像化装置100の各構成要素の制御を行うように構成されている。
次に、図3および図4を参照して、光音響画像化装置100における音響波AWの検出信号の取得に関する制御部30の構成について説明する。ここでは、理解の容易のため、図2に示すように、被検体P内の所定の位置に検出対象物Aのみが存在する場合を例として説明する。
まず、光音響画像化装置100における音響波AWの検出信号の取得について概略的に説明する。図3に示すように、この光音響画像化装置100では、検出サイクルCTを1周期として所定の周波数(たとえば、約1〜約10kHzのいずれかの周波数)で、パルス発光と、このパルス発光に対応する音響波AWの検出信号の取得とが行われる。なお、図3に示すように、検出サイクルCTとは、ある第1パルス光PL1が発光される時点t1から、ある第1パルス光PL1の次の第1パルス光PL1が発光される時点t4までの間の時間である。
ここで、第1実施形態では、図3に示すように、制御部30の信号制御部32は、光制御信号を出力することにより、単一の検出サイクルCT内で、LED光源部10により第1パルス光PL1および第2パルス光PL2を時間間隔Twで照射(パルス発光)させるように構成されている。この際、制御部30の信号制御部32は、時間間隔Twが第1パルス光PL1および第2パルス光PL2のパルス幅τよりも大きくなるように、LED光源部10により第1パルス光PL1および第2パルス光PL2を照射させるように構成されている。なお、時間間隔Twは、第1パルス光PL1の発光時点から、第2パルス光PL2の発光時点までの時間である。
なお、第1パルス光PL1および第2パルス光PL2は、互いに、略同一の波長、略同一のパルス幅τおよび略同一の強度を有し、互いに略等価とみなせるパルス光である。
また、第1実施形態では、制御部30の信号制御部32は、サンプリングトリガ信号を出力することにより、第1パルス光PL1に起因する第1検出信号S1と第2パルス光PL2に起因する第2検出信号S2とを含む基準検出信号RSを信号処理部31により取得するように構成されている。なお、第1検出信号S1および第2検出信号S2は、それぞれ、略等価な第1パルス光PL1および第2パルス光PL2に起因して、同じ検出対象物Aにより発生した音響波に基づくものであるので、互いに時間間隔Twの時点で、略等価な検出信号として取得される。なお、時間間隔Twは、本発明の「所定の時間間隔」の一例である。
この際、制御部30の信号制御部32は、第1パルス光PL1が発光される時点t1から信号処理部31による検出信号の取得を開始するように構成されている。なお、この検出信号の取得の開始時点は、第1パルス光PL1が発光される時点t1以外の任意の時点が設定されてもよい。
また、制御部30の信号制御部32は、被検体P内の所望の深度の情報を取得可能な時点t2よりも、時間間隔Twだけ後の時点t3まで信号処理部31による検出信号の取得を行うように構成されている。すなわち、図3に示すように、時点t1の開始点から、時点t3の終了点までの間の検出信号が単一の検出サイクルCTにおける基準検出信号RSとして取得される。これにより、所望の深度の情報を取得可能な時点t2まで検出信号の取得を行う場合と異なり、基準検出信号RSを早める方向にシフトさせて後述するシフト信号SSを生成する際に、シフト信号SSに信号欠落部分が生じるのを抑制することが可能である。なお、被検体P内の所望の深度とは、ユーザ(測定を行う者)が画像化を所望する被検体P内の深度のことである。たとえば、被検体Pの表面から深さ約40mmの位置まで画像化を所望する場合には、約40mmが所望の深度である。なお、図示していないものの、基準検出信号RSには、第1検出信号S1および第2検出信号S2とは別にランダムノイズが含まれている。
そして、第1実施形態では、図4に示すように、制御部30の信号処理部31は、取得された基準検出信号RSに基づいて、基準検出信号RSを時間間隔Twだけ早める方向にシフトさせたシフト信号SSを生成するように構成されている。すなわち、図4に示すように、時点t0から、時点t2までの間の検出信号が単一の検出サイクルCTにおけるシフト信号SSとして生成される。これにより、基準検出信号RSの第1検出信号S1および第2検出信号S2と時間間隔Twだけ早い方向にずれた状態の第1検出信号S1aおよび第2検出信号S2aを含むシフト信号SSが生成される。なお、図示していないものの、シフト信号SSには、基準検出信号RSに対して時間間隔Twだけずれた状態でランダムノイズが含まれている。
また、第1実施形態では、制御部30の信号処理部31は、生成されたシフト信号SSと基準検出信号RSとを乗算することにより、画像化のための画像化用信号PSを生成するように構成されている。
具体的には、時点t1から時点t2までの間のシフト信号SSと、基準検出信号RSとが乗算される。この際、シフト信号SSにおける第1検出信号S1aおよび基準検出信号RSにおける第2検出信号S2は、共に、信号が略無い部分で乗算されるので、打ち消される(微小になる)。また、シフト信号SSにおける第2検出信号S2aと、基準検出信号RSにおける第1検出信号S1とは、互いに乗算されるので、画像化用信号PSで有効な検出信号(検出対象物Aの情報を有する信号)S3として残る。また、画像化用信号PSでは、シフト信号SSのランダムノイズと基準検出信号RSのランダムノイズとが互いに時間間隔Twずれた状態で乗算されるので、ランダムノイズが低減されている。
これらの結果、時点t1から、時点t2までの間の検出信号が単一の検出サイクルCTにおける画像化用信号PSとして生成される。したがって、有効な検出信号S3を含み、かつ、乗算することによりランダムノイズが低減された画像化用信号PSが生成(取得)される。そして、制御部30の信号処理部31は、この画像化用信号PSにさらに平均化または積算処理などの信号処理を行うとともに、処理後の画像化用信号PSに基づいて、音響波AWに基づく画像を生成するように構成されている。その結果、LEDを光源として用いる場合にも、鮮明な画像を生成することが可能になる。
なお、画像化用信号PSを生成する際に、第1検出信号S1と第2検出信号S2aとが乗算されることにより、乗算後の有効な検出信号S3の信号強度は、第1検出信号S1と第2検出信号S2aとは異なると考えられる。したがって、画像化用信号PSが生成された後、有効な検出信号S3の信号強度を調整するための信号処理(たとえば、パルス光の数と同じべき乗根を求めることにより信号強度を調整する信号処理)を行ってもよい。また、上記したシフト信号SSを生成する信号処理や、画像化用信号RSを生成する信号処理は、受信メモリ53に格納された検出信号に基づいて、信号処理部31のデータ処理部54により行われる。
この光音響画像化装置100では、制御部30は、検出サイクルCT毎に、上記画像化用信号PSを生成する信号処理を行うように構成されている。
また、第1実施形態では、制御部30の信号制御部32は、時間的に連続する検出サイクルCTにおいて、第1パルス光PL1と第2パルス光PL2とを照射させる時間間隔Twをランダムに変化させるように構成されている。以下、図5〜図7を参照して、この構成について詳細に説明する。ここでは、理解の容易のため、図5に示すように、被検体P内の所定の位置に検出対象物Aおよび検出対象物Bの2つが存在する場合を例として説明する。
図5に示すように、検出対象物AおよびBは、被検体P内に存在し、共に、LED光源部10からのパルス光を吸収して音響波AWを発生する。また、検出対象物Bは、検出対象物Aの位置に対して深さ方向に深い位置に離間間隔Dだけ離れて存在している。
そして、図6に示すように、第1検出サイクルCT1において、時間間隔Twaで第1パルス光PL1および第2パルス光PL2が照射される。そして、パルス光の照射間隔である時間間隔Twa(秒)と被検体P内での音速(m/秒)とを乗算した値と、離間間隔Dの値とが略一致する場合には、図6に示すように、一部の検出信号が重なった状態で取得されてしまう。具体的には、第1パルス光PL1に起因して検出対象物Bから得られる第1検出信号と、第2パルス光PL2に起因して検出対象物Aから得られる第2検出信号とが略同一のタイミングで検出されてしまうので、重畳検出信号S12として取得されてしまう。この重畳検出信号S12は、重畳している分、信号強度が強く、その結果、光音響画像化装置100が識別可能な信号強度を越えてオーバーフローしてしまう虞がある。
この場合、本来、第1パルス光PL1および第2パルス光PL2に起因して検出対象物AおよびBから合計4つの検出信号が得られるところ、図6に示すように、検出対象物Aから得られる第1検出信号S11と、検出対象物AおよびBから得られる重畳検出信号S12と、検出対象物Bから得られる第2検出信号S13との3つの検出信号しか得られない。
そこで、第1実施形態では、時間的に連続する検出サイクルCTにおいて、第1パルス光PL1と第2パルス光PL2とを照射させる時間間隔Tw(TwaおよびTwbなど)をランダムに変化させるように構成されている。具体的には、制御部30の信号制御部32は、図7に示すように、第1検出サイクルCT1において、LED光源部10により第1パルス光PL1および第2パルス光PL2を時間間隔Twaで照射させるとともに、第1検出サイクルCT1の次の第2検出サイクルCT2において、LED光源部10により第1パルス光PL1および第2パルス光PL2を、時間間隔Twaとは異なる時間間隔Twbで照射させるように構成されている。なお、時間間隔TwaおよびTwbは、それぞれ、本発明の「第1時間間隔」および「第2時間間隔」の一例である。また、図7では、時間間隔Twaよりも時間間隔Twbが長い場合について示しているが、時間間隔Twbは、時間間隔Twaよりも短くともよい。
この場合、図7に示すように、第1検出サイクルCT1において、第1検出信号S11と、重畳検出信号S12と、第2検出信号S13との3つの検出信号しか得られないのに対して、第2検出サイクルCT2において、検出対象物Aから得られる第1検出信号S21および第2検出信号S22と、検出対象物Bから得られる第1検出信号S23および第2検出信号S24との4つの検出信号を得ることが可能である。
なお、時間間隔Twをランダムに変化させる場合には、制御部30は、変化させた時間間隔Twに整合するように、検出信号の取得の終了点と、シフト信号SSの生成の際のシフト時間の調整を行う。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、取得された基準検出信号RSに基づいて、基準検出信号RSを時間間隔Twだけシフトさせたシフト信号SSを生成するとともに、生成されたシフト信号SSと基準検出信号RSとを乗算することにより、画像化のための画像化用信号PSを生成するように制御部30を構成する。これにより、第1パルス光PL1と第2パルス光PL2とを時間間隔Tw分シフトさせたシフト信号SSと、元の基準検出信号RSとを乗算することにより、第1検出信号S1および第2検出信号S2から有効な検出信号S3を残しつつ、その他のランダムノイズを低減することができる。その結果、単に第1パルス光PL1に起因する第1検出信号S1のみを取得して画像化用信号PSとする場合よりも、ランダムノイズが低減された画像化用信号PSを生成して取得することができる。したがって、LEDを光源として用いる場合に、単一の検出サイクルCTの検出信号(画像化用信号PS)のS/N比を改善することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、時間間隔Twが、第1パルス光PL1のパルス幅よりも大きい。これにより、第1パルス光PL1と第2パルス光PL2とが重なった状態で照射されるのを抑制することができるので、第1パルス光PL1に起因する第1検出信号S1と第2パルス光PL2に起因する第2検出信号S2とが重なった状態で基準検出信号RSとして取得されるのを抑制することができる。その結果、第1検出信号S1と第2検出信号S2とが重なった状態で基準検出信号RSとシフト信号SSとが乗算されるのを抑制することができるので、乗算により生成される画像化用信号PSをより正確に生成することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1検出サイクルCT1において、LED光源部により第1パルス光PL1および第2パルス光PL2を時間間隔Twaで照射させるとともに、第1検出サイクルCT1の次の第2検出サイクルCT2において、LED光源部10により第1パルス光PL1および第2パルス光PL2を、時間間隔Twaとは異なる時間間隔Twbで照射させるように制御部30を構成する。これにより、検出サイクルCT毎に同じ時間間隔で第1パルス光PL1と第2パルス光PL2とを照射させる場合と異なり、第1検出サイクルCT1において、第1検出信号と第2検出信号とが重なった状態で重畳検出信号S12として取得されたとしても、第1検出サイクルCT1の次の第2検出サイクルCT2では、第1検出信号S21およびS23と第2検出信号S22およびS24とが重ならないようにすることができる。したがって、第1検出信号と第2検出信号とが重なった状態で基準検出信号RSとシフト信号SSとが乗算されることが連続的に行われるのを確実に抑制することができるので、乗算により生成される画像化用信号PSをより正確に生成することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、取得された基準検出信号RSに基づいて、基準検出信号RSを時間間隔Twだけ早める方向にシフトさせることにより、シフト信号SSを生成するとともに、生成されたシフト信号SSと基準検出信号RSとを乗算することにより、画像化用信号PSを生成するように制御部30を構成する。これにより、基準検出信号RSにおける第2検出信号S2と、シフト信号SSにおける第1検出信号S1aとを不要な信号として容易に打ち消す(微小にする)ことができるとともに、基準検出信号RSにおける第1検出信号S1と、シフト信号SSにおける第2検出信号S2aとが乗算された信号(有効な検出信号S3)を含む有効な画像化用信号PSを容易に生成することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、LED光源部10に、光放出半導体素子として発光ダイオード素子(LED素子)11bを設ける。これにより、比較的消費電力の小さいLED素子11bを用いることにより消費電力を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、図1、図2、図8および図9を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、基準検出信号RSを早める方向にシフトさせることによりシフト信号SSを生成した上記第1実施形態の構成とは異なり、基準検出信号RSを遅れる方向にシフトさせることによりシフト信号SSを生成する例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
本発明の第2実施形態による光音響画像化装置200は、図1に示すように、制御部130を備えている。制御部130は、信号処理部131および信号制御部132を含んでいる。
図8に示すように、制御部130の信号制御部132(図1参照)は、上記第1実施形態と同様に、光制御信号を出力することにより、単一の検出サイクルCT内で、LED光源部10により第1パルス光PL1および第2パルス光PL2を時間間隔Twで照射(パルス発光)させるように構成されている。なお、ここでは、理解の容易のため、図2に示すように、被検体P内の所定の位置に検出対象物Aのみが存在する場合を例として説明する。
そして、制御部130の信号制御部132は、上記第1実施形態と同様に、サンプリングトリガ信号を出力することにより、第1パルス光PL1に起因する第1検出信号S1と第2パルス光PL2に起因する第2検出信号S2とを含む基準検出信号RSを信号処理部131により取得するように構成されている。
この際、第2実施形態では、制御部130の信号制御部132は、第1パルス光PL1が発光される時点t11から信号処理部131による検出信号の取得を開始するとともに、被検体P内の所望の深度の情報を取得可能な時点t12まで信号処理部131による検出信号の取得を行うように構成されている。すなわち、第2実施形態では、図8に示すように、時点t11の開始点から、時点t12の終了点までの間の検出信号が単一の検出サイクルCTにおける基準検出信号RSとして取得される。
そして、第2実施形態では、図9に示すように、制御部130の信号処理部131は、取得された基準検出信号RSに基づいて、基準検出信号RSを時間間隔Twだけ遅れる方向にシフトさせたシフト信号SSを生成するように構成されている。これにより、基準検出信号RSの第1検出信号S1および第2検出信号S2と時間間隔Twだけ遅い方向にずれた状態の第1検出信号S1bおよび第2検出信号S2bを含むシフト信号SSが生成される。この際、シフト信号SSでは、基準検出信号RSを時間間隔Twだけ遅れる方向にシフトさせることに起因して時点t11から時点t14までの間に、信号欠落部分Vが生じる。この第2実施形態では、信号欠落部分Vも含めて、時点t11から、時点t15までの間の検出信号が単一の検出サイクルCTにおけるシフト信号SSとして生成される。
第2実施形態では、制御部130の信号処理部131は、生成されたシフト信号SSと基準検出信号RSとを乗算することにより、画像化用信号PSを生成するように構成されている。この際、制御部130の信号処理部131は、シフト信号SSの信号欠落部分Vにおいて、1を乗算するように構成されている。なお、1は、本発明の「所定の値」の一例である。
具体的には、時点t11から時点t12までの間のシフト信号SSと、基準検出信号RSとが乗算される。この際、シフト信号SSにおける第2検出信号S2bおよび基準検出信号RSにおける第1検出信号S1は、共に、信号が略無い部分で乗算されるので、打ち消される(微小になる)。また、シフト信号SSにおける第1検出信号S1bと、基準検出信号RSにおける第2検出信号S2とは、互いに乗算されるので、画像化用信号PSで有効な検出信号(検出対象物Aの情報を有する信号)S33として残る。また、図示していないものの、シフト信号SSと基準検出信号RSは、共に、ランダムノイズを含み、画像化用信号PSでは、このランダムノイズが、上記第1実施形態と同様に、乗算により低減される。
これらの結果、時点t11から、時点t12までの間の検出信号が単一の検出サイクルCTにおける画像化用信号PSとして生成される。したがって、この第2実施形態においても、有効な検出信号S33を含み、かつ、乗算することによりランダムノイズが低減された画像化用信号PSが生成(取得)される。そして、制御部130の信号処理部131は、検出信号の取得の開始点に対する時間を整合させるように、画像化用信号PSの有効な検出信号S33の検出時点を調整するように構成されている。そして、制御部130の信号処理部131は、この画像化用信号PSにさらに平均化または積算処理などの信号処理を行うとともに、処理後の画像化用信号PSに基づいて、音響波AWに基づく画像を生成するように構成されている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、生成されたシフト信号SSと基準検出信号RSとを乗算することにより、画像化のための画像化用信号PSを生成するように制御部130を構成する。これにより、第2実施形態においても上記第1実施形態と同様に、LEDを光源として用いる場合に、単一の検出サイクルCTの検出信号(画像化用信号PS)のS/N比を改善することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、取得された基準検出信号RSに基づいて、基準検出信号RSを時間間隔Twだけ遅れる方向にシフトさせることにより、シフト信号SSを生成するとともに、生成されたシフト信号SSと基準検出信号RSとを乗算することにより、画像化用信号PSを生成するように制御部130を構成する。これにより、基準検出信号RSにおける第1検出信号S1と、シフト信号SSにおける第2検出信号S2bとを不要な信号として容易に打ち消す(微小にする)ことができるとともに、基準検出信号RSにおける第2検出信号S2と、シフト信号SSにおける第1検出信号S1bとが乗算された信号(有効な検出信号S33)を含む有効な画像化用信号PSを容易に生成することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、シフト信号SSと基準検出信号RSとを乗算する際に、基準検出信号RSを時間間隔Twだけ遅れる方向にシフトさせることに起因して生じるシフト信号SSの信号欠落部分Vにおいて、所定の値を乗算するように制御部130を構成する。これにより、シフト信号SSの信号欠落部分Vに対応する基準検出信号RSの位置に、第1検出信号S1または第2検出信号S2が存在した場合に、信号欠落部分Vと乗算されることに起因して、情報が欠落してしまうのを抑制することができる。また、信号欠落部分Vが生じないように検出サイクルCT内の検出期間を延長する場合と比べて、延長する検出期間がない分、信号保存にかかるメモリの容量(受信メモリ53の容量)を節約することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図1、図2、図10および図11を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、2つのパルス光を照射した上記第1および第2実施形態の構成とは異なり、3つのパルス光を照射する例について説明する。なお、上記第1および第2実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
本発明の第3実施形態による光音響画像化装置300は、図1に示すように、制御部230を備えている。制御部230は、信号処理部231および信号制御部232を含んでいる。
第3実施形態では、図10に示すように、制御部230の信号制御部232(図1参照)は、光制御信号を出力することにより、単一の検出サイクルCT内で、LED光源部10により第1パルス光PL1、第2パルス光PL2および第3パルス光PL3を互いに時間間隔Twで照射(パルス発光)させるように構成されている。なお、ここでは、理解の容易のため、図2に示すように、被検体P内の所定の位置に検出対象物Aのみが存在する場合を例として説明する。
また、第1パルス光PL1、第2パルス光PL2および第3パルス光PL3は、互いに、略同一の波長、略同一のパルス幅τおよび略同一の強度を有し、互いに略等価とみなせるパルス光である。
そして、制御部130の信号制御部132は、サンプリングトリガ信号を出力することにより、第1パルス光PL1に起因する第1検出信号S1と、第2パルス光PL2に起因する第2検出信号S2と、第3パルス光PL3に起因する第3検出信号S3とを含む基準検出信号RSを信号処理部231により取得するように構成されている。なお、第1検出信号S1、第2検出信号S2および第3検出信号S3は、それぞれ、略等価な第1パルス光PL1、第2パルス光PL2および第3パルス光PL3に起因して、同じ検出対象物Aにより発生した音響波に基づくものであるので、互いに時間間隔Twの時点で、略等価な検出信号として取得される。
この際、制御部230の信号制御部232は、第1パルス光PL1が発光される時点t21から信号処理部231による検出信号の取得を開始するように構成されている。また、第3実施形態では、制御部230の信号制御部232は、被検体P内の所望の深度の情報を取得可能な時点t22よりも、時間間隔Twの2倍の時間(2×Tw)だけ後の時点t23まで信号処理部231による検出信号の取得を行うように構成されている。すなわち、図3に示すように、時点t21の開始点から、時点t23の終了点までの間の検出信号が単一の検出サイクルCTにおける基準検出信号RSとして取得される。
そして、第3実施形態では、図11に示すように、制御部230の信号処理部231は、取得された基準検出信号RSに基づいて、2つのシフト信号(第1シフト信号SS1および第2シフト信号SS2)を生成するように構成されている。
具体的には、制御部230の信号処理部231は、基準検出信号RSを時間間隔Twだけ早める方向にシフトさせた第1シフト信号SS1、および、基準検出信号RSを時間間隔Twの2倍の時間だけ早める方向にシフトさせた第2シフト信号SS2の2つのシフト信号を生成するように構成されている。すなわち、図11に示すように、時点t24から、時点t25までの間の検出信号が単一の検出サイクルCTにおける第1シフト信号SS1として生成されるとともに、時点t26から、時点t22までの間の検出信号が単一の検出サイクルCTにおける第2シフト信号SS2として生成される。
これにより、基準検出信号RSの第1検出信号S1、第2検出信号S2および第3検出信号S3と時間間隔Twだけ早い方向にずれた状態の第1検出信号S1c、第2検出信号S2cおよび第3検出信号S3cを含む第1シフト信号SS1が生成される。また、基準検出信号RSの第1検出信号S1、第2検出信号S2および第3検出信号S3と時間間隔Twの2倍の時間だけ早い方向にずれた状態の第1検出信号S1d、第2検出信号S2dおよび第3検出信号S3dを含む第2シフト信号SS2が生成される。
また、第3実施形態では、制御部230の信号処理部231は、生成された第1シフト信号SS1と第2シフト信号SS2と基準検出信号RSとを乗算することにより、画像化用信号PSを生成するように構成されている。
具体的には、時点t21から時点t22までの間の第1シフト信号SS1、第2シフト信号SS2、および、基準検出信号RSが乗算される。この際、上記第1および第2実施形態と同様に、第1シフト信号SS1、第2シフト信号SS2および基準検出信号RSにおいて、信号が略無い部分で乗算される信号成分は打ち消される(微小になる)。また、第1シフト信号SS1における第2検出信号S2cと、第2シフト信号における第3検出信号S3dと、基準検出信号RSにおける第1検出信号S1とは、互いに乗算されるので、画像化用信号PSで有効な検出信号(検出対象物Aの情報を有する信号)S43として残る。また、図示していないものの、第1シフト信号SS1と、第2シフト信号SS2と、基準検出信号RSとは、共に、ランダムノイズを含み、このランダムノイズが、基準検出信号RSと1つのシフト信号SSが乗算される場合に比べて、乗算によってより低減される。
これらの結果、時点t21から、時点t22までの間の検出信号が単一の検出サイクルCTにおける画像化用信号PSとして生成される。したがって、この第3実施形態においても、有効な検出信号S43を含み、かつ、乗算することによりランダムノイズが低減された画像化用信号PSが生成(取得)される。そして、制御部230の信号処理部231は、この画像化用信号PSにさらに平均化または積算処理などの信号処理を行うとともに、処理後の画像化用信号PSに基づいて、音響波AWに基づく画像を生成するように構成されている。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、生成された第1シフト信号SS1と、第2シフト信号SS2と、基準検出信号RSとを乗算することにより、画像化のための画像化用信号PSを生成するように制御部230を構成する。これにより、第3実施形態においても上記第1実施形態と同様に、LEDを光源として用いる場合に、単一の検出サイクルCTの検出信号(画像化用信号PS)のS/N比を改善することができる。また、第3実施形態では、2つのシフト信号(第1シフト信号SS1および第2シフト信号SS2)を生成して乗算する分、よりランダムノイズを低減することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、LED光源部10が2つのLED光源11および12を含んだ例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、LED光源部が1つまたは3つ以上のLED光源を含んでいてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、2つのパルス光を照射して、1つのシフト信号SSを生成した例を、上記第3実施形態では、3つのパルス光を照射して2つのシフト信号(第1シフト信号SS1および第2シフト信号SS2)を生成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、単一の検出サイクル内で、さらに4つのパルス光や、5つのパルス光を照射するように光音響画像化装置を構成してもよい。この場合、パルス光の数をNとして、(N−1)個のシフト信号を生成するとともに、生成した(N−1)個のシフト信号と基準検出信号とを乗算することにより、画像化用信号を生成することが可能である。
また、上記第1〜第3実施形態では、時間間隔Twが第1〜第3パルス光(PL1〜PL3)のパルス幅τよりも大きい例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、時間間隔がパルス光のパルス幅以下でもよい。
また、上記第1実施形態では、第1パルス光PL1と第2パルス光PL2とを照射させる時間間隔Twをランダムに変化させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1検出サイクルと、第1検出サイクルの次の第2検出サイクルとにおいて、第1パルス光と第2パルス光とを照射させる時間間隔が異なれば、ランダムに変化させなくともよい。たとえば、予め設定される所定のパターンで、第1パルス光と第2パルス光とを照射させる時間間隔を変化させることにより、第1パルス光と第2パルス光とを照射させる時間間隔が、第1検出サイクルと、第1検出サイクルの次の第2検出サイクルとにおいて異なるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、基準検出信号RSを早める方向にシフトさせることにより、シフト信号SSを生成し、上記第2実施形態では、基準検出信号RSを遅れる方向にシフトさせることにより、シフト信号SSを生成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基準検出信号を早める方向にシフトさせたシフト信号と、遅れる方向にシフトさせたシフト信号との両方を生成してもよい。この場合には、たとえば、基準検出信号と上記早める方向にシフトさせたシフト信号とを乗算した信号と、基準検出信号と上記遅れる方向にシフトさせたシフト信号とを乗算した信号とを生成するとともに、生成した2つの信号を適切に乗算することにより、ランダムノイズがより低減された状態で、画像化用信号を取得することが可能である。
また、上記第1〜第3実施形態では、光放出半導体素子として、LED素子11bを用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、光放出半導体素子として、LED素子以外の光放出半導体素子を用いてもよい。たとえば、図12に示す第1変形例のように、光放出半導体素子として半導体レーザ素子311bを、光放出半導体素子光源部310に設けてもよい。これにより、発光ダイオード素子と比べて、比較的指向性の高いレーザ光を被検体に照射することができるので、半導体レーザ素子311bからの光の大部分を確実に被検体に照射することができる。また、図12に示す第2変形例のように、光放出半導体素子として有機発光ダイオード素子411bを、光放出半導体素子光源部410に設けてもよい。これにより、薄型化容易な有機発光ダイオード素子411bを用いることにより、有機発光ダイオード素子411bが設けられる光放出半導体素子光源部410を容易に小型化することができる。なお、半導体レーザ素子311bおよび有機発光ダイオード素子411bは、共に、本発明の「光放出半導体素子」の一例である。
10 LED光源部(光放出半導体素子光源部)
11b LED素子(光放出半導体素子)
20 検出部
30、130、230 制御部
100、200、300 光音響画像化装置
310、410 光放出半導体素子光源部
311b 半導体レーザ素子(光放出半導体素子)
411b 有機発光ダイオード素子(光放出半導体素子)
CT 検出サイクル
CT1 第1検出サイクル
CT2 第2検出サイクル
PL1 第1パルス光
PL2 第2パルス光
RS 基準検出信号
SS シフト信号
PS 画像化用信号
Tw 時間間隔(所定の時間間隔)
Twa 第1時間間隔
Twb 第2時間間隔

Claims (9)

  1. 光放出半導体素子光源部と、
    前記光放出半導体素子光源部から照射される光を吸収した被検体内の検出対象物から発生する音響波を検出して、検出信号を出力する検出部と、
    単一の検出サイクル内で、前記光放出半導体素子光源部により第1パルス光および第2パルス光を所定の時間間隔で照射させるとともに、前記第1パルス光に起因する第1検出信号と前記第2パルス光に起因する第2検出信号とを含む基準検出信号を取得する制御部と、を備え、
    前記制御部は、取得された前記基準検出信号に基づいて、前記基準検出信号を前記所定の時間間隔だけシフトさせたシフト信号を生成するとともに、生成された前記シフト信号と前記基準検出信号とを乗算することにより、画像化のための画像化用信号を生成するように構成されている、光音響画像化装置。
  2. 前記所定の時間間隔は、前記第1パルス光のパルス幅よりも大きい、請求項1に記載の光音響画像化装置。
  3. 前記制御部は、第1検出サイクルにおいて、前記光放出半導体素子光源部により前記第1パルス光および前記第2パルス光を第1時間間隔で照射させるとともに、前記第1検出サイクルの次の第2検出サイクルにおいて、前記光放出半導体素子光源部により前記第1パルス光および前記第2パルス光を、前記第1時間間隔とは異なる第2時間間隔で照射させるように構成されている、請求項1または2に記載の光音響画像化装置。
  4. 前記制御部は、取得された前記基準検出信号に基づいて、前記基準検出信号を前記所定の時間間隔だけ早める方向にシフトさせることにより、前記シフト信号を生成するとともに、生成された前記シフト信号と前記基準検出信号とを乗算することにより、前記画像化用信号を生成するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光音響画像化装置。
  5. 前記制御部は、取得された前記基準検出信号に基づいて、前記基準検出信号を前記所定の時間間隔だけ遅れる方向にシフトさせることにより、前記シフト信号を生成するとともに、生成された前記シフト信号と前記基準検出信号とを乗算することにより、前記画像化用信号を生成するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光音響画像化装置。
  6. 前記制御部は、前記シフト信号と前記基準検出信号とを乗算する際に、前記基準検出信号を前記所定の時間間隔だけ遅れる方向にシフトさせることに起因して生じる前記シフト信号の信号欠落部分において、所定の値を乗算するように構成されている、請求項5に記載の光音響画像化装置。
  7. 前記光放出半導体素子光源部は、光放出半導体素子として発光ダイオード素子を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光音響画像化装置。
  8. 前記光放出半導体素子光源部は、光放出半導体素子として半導体レーザ素子を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光音響画像化装置。
  9. 前記光放出半導体素子光源部は、光放出半導体素子として有機発光ダイオード素子を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光音響画像化装置。
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