JP5895802B2 - 超音波画像診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波画像診断装置に関する。
従来、超音波の生体等の被検体での非線形伝搬で発生した高調波成分を取得して画像化するティッシュハーモニックイメージング(THI:Tissue Harmonic Imaging)法が適用された超音波画像診断装置が広く知られている。
このTHI法は、超音波の基本波成分よりも分解能に優れ、グレーティングローブ等のアーチファクトを低減できるという利点を有する反面、発生した高調波成分は、周波数依存減衰の影響を受けやすく、ペネトレーションが低下するという問題がある。
このような問題に鑑み、従来の超音波画像診断装置では、2つの周波数成分を持つ超音波を送信し、各周波数成分のピークの差分による差音成分を発生させることにより、非線形成分(高調波成分)イメージングにおいて、従来よりも低周波な高調波成分を発生させて、ペネトレーションを向上させ、画質を向上させるようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
特許第4723747号公報
上記特許文献1に示される技術において、差音成分を効率よく発生させるためには、送信する超音波に2つの周波数成分を持たせるとともに、これらの周波数成分が同じ強度となるようにされることが理想的である。このような2つの周波数成分を有する超音波を、正弦波による送信信号で発生させるとすると、周波数成分毎の強度の調整のための回路規模が大きくなり、装置が複雑化し、コストもかかるようになる。一方、2つの周波数成分を有する超音波を、矩形波による送信信号で発生させる場合には、回路規模の小型化及び装置の簡略化が可能となり、コストの低減が図れるが、周波数成分毎の強度の調整が困難である。
本発明の課題は、矩形波による送信信号で差音成分を効率よく発生させることができる超音波画像診断装置を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、パルス信号の入力によって被検体に向けて送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を出力する超音波探触子と、
前記超音波探触子に入力させる前記パルス信号を出力する送信部と、
を備えた超音波画像診断装置において、
前記送信部は、第1の周波数成分と、該第1の周波数成分よりも高周波数である第2の周波数成分とが含まれるようにデューティー比が設定された矩形波のパルス信号を出力し、
前記超音波探触子は、前記送信部から出力されたパルス信号を入力して出力される送信超音波の前記第1の周波数成分及び前記第2の周波数成分の強度の比が、前記パルス信号の前記第1の周波数成分及び前記第2の周波数成分の強度の比よりも、1:1に近づくように周波数帯域が設定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波画像診断装置において、
前記超音波探触子は、送信超音波の送信フォーカス位置における前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分との強度の比が1:0.5となるように周波数帯域が設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の超音波画像診断装置において、
前記第2の周波数成分は、前記第1の周波数成分の2倍の周波数の成分であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の超音波画像診断装置において、
前記超音波探触子は、前記送信超音波の前記第1の周波数成分及び前記第2の周波数成分の強度差が2dB以下となるように周波数帯域が設定されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の超音波画像診断装置において、
前記送信部は、デューティー比が2:7:13である矩形波のパルス信号を出力し、
前記超音波探触子は、帯域幅がピークの6dB下方において70〜85%で、ピークの20dB下方において125〜160%となり、前記第1の周波数成分をAとし、前記第2の周波数成分をBとしたときに、下記式(1)を満たすような中心周波数Cとなるように周波数帯域が設定されていることを特徴とする。
(C−A)/(B−A)=80〜95%・・・(1)
本発明によれば、矩形波による送信信号で差音成分を効率よく発生させることができる。
超音波画像診断装置の外観構成を示す図である。 超音波画像診断装置の概略構成を示すブロック図である。 超音波探触子を通過する周波数成分について説明する図である。 周波数依存減衰率について説明するグラフである。 超音波探触子にパルス信号が与えられて出力された送信超音波の波形と周波数解析の結果を示す図である。 本実施の形態における超音波探触子の送信帯域形状について説明する図である。 超音波探触子の中心周波数と高調波成分のパルス幅との関係について説明するグラフである。 超音波探触子の送信帯域幅と高調波成分のパルス幅との関係について説明するグラフである。 超音波探触子の送信帯域幅と高調波成分のパルス幅との関係について説明するグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る超音波画像診断装置について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る超音波画像診断装置Sは、図1及び図2に示すように、超音波画像診断装置本体1と超音波探触子2とを備えている。超音波探触子2は、図示しない生体等の被検体に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体で反射した超音波の反射波(反射超音波:エコー)を受信する。超音波画像診断装置本体1は、超音波探触子2とケーブル3を介して接続され、超音波探触子2に電気信号の駆動信号を送信することによって超音波探触子2に被検体に対して送信超音波を送信させるとともに、超音波探触子2にて受信した被検体内からの反射超音波に応じて超音波探触子2で生成された電気信号である受信信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像として画像化する。
超音波探触子2は、圧電素子からなる振動子2aを備えており、この振動子2aは、例えば、方位方向に一次元アレイ状に複数配列されている。本実施の形態では、例えば、192個の振動子2aを備えた超音波探触子2を用いている。なお、振動子2aは、二次元アレイ状に配列されたものであってもよい。また、振動子2aの個数は、任意に設定することができる。また、本実施の形態では、超音波探触子2について、リニア走査方式の電子スキャンプローブを採用したが、電子走査方式あるいは機械走査方式の何れを採用してもよく、また、リニア走査方式、セクタ走査方式あるいはコンベックス走査方式の何れの方式を採用することもできる。
超音波画像診断装置本体1は、例えば、図2に示すように、操作入力部11と、送信部12と、受信部13と、画像生成部14と、画像処理部15と、DSC(Digital Scan Converter)16と、表示部17と、制御部18とを備えて構成されている。
操作入力部11は、例えば、診断開始を指示するコマンドや被検体の個人情報等のデータの入力などを行うための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を備えており、操作信号を制御部18に出力する。
送信部12は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2にケーブル3を介して電気信号である駆動信号を供給して超音波探触子2に送信超音波を発生させる回路である。また、送信部12は、例えば、クロック発生回路、遅延回路、パルス発生回路を備えている。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。遅延回路は、駆動信号の送信タイミングを振動子2a毎に対応した個別経路毎に遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させて送信超音波によって構成される送信ビームの集束を行うための回路である。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。パルス発生回路は、例えば、3値の電圧を切り替えて出力することにより、矩形波によるパルス信号を発生させることができる。本実施の形態では、デューティー比の異なるパルス信号を発生させることにより、2つの周波数成分についてピークを有する超音波を出力することができる。本実施の形態では、16ns、56ns、104nsのタイミングで電圧を切り換えてデューティー比が16:56:104であるパルス信号を発生させている。パルス信号のデューティー比は任意に設定することができるが、好ましくは、2:7:13に設定されるのがよい。本実施の形態では、後述する高調波成分を抽出するために、パルスインバージョン法を実施する。すなわち、送信部12は、第1のパルス信号と、この第1のパルス信号とは位相の反転した第2のパルス信号を時分割で送信することができる。
このように構成された送信部12は、制御部18の制御に従って、駆動信号を供給する複数の振動子2aを、超音波の送受信毎に所定数ずらしながら順次切り替え、出力の選択された複数の振動子2aに対して駆動信号を供給することによりスキャンを行う。
受信部13は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2からケーブル3を介して電気信号の受信信号を受信する回路である。受信部13は、例えば、増幅器、A/D変換回路、整相加算回路を備えている。増幅器は、受信信号を、振動子2a毎に対応した個別経路毎に、予め設定された所定の増幅率で増幅させるための回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号をアナログ−デジタル変換(A/D変換)するための回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、振動子2a毎に対応した個別経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算(整相加算)して音線データを生成するための回路である。
画像生成部14は、受信部13からの音線データに対して包絡線検波処理や対数増幅などを実施し、ゲインの調整等を行って輝度変換することにより、Bモード画像データを生成する。すなわち、Bモード画像データは、受信信号の強さを輝度によって表したものである。画像生成部14にて生成されたBモード画像データは、画像処理部15に送信される。また、画像生成部14は、高調波成分抽出部14aを備えている。
高調波成分抽出部14aは、受信部13から出力された受信信号からパルスインバージョン法を実施して高調波成分を抽出する。本実施の形態では、高調波成分抽出部14aにより、差音成分と2次高調波成分とを抽出することができる。差音成分は、上述のようにして出力された2つの周波数成分についてピークを有する送信超音波の被検体の非線形伝搬によって発生する高調波成分であって、2つの周波数成分のピークの差音により生ずるものである。高調波成分は、上述した第1のパルス信号及び第2のパルス信号からそれぞれ発生した2つの送信超音波にそれぞれ対応する反射超音波から得られる受信信号を加算して受信信号に含まれる基本波成分を除去した上でフィルタ処理を行うことにより抽出することができる。
画像処理部15は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーによって構成された画像メモリー部15aを備えている。画像処理部15は、画像生成部14から出力されたBモード画像データをフレーム単位で画像メモリー部15aに記憶する。フレーム単位での画像データを超音波画像データ、あるいはフレーム画像データということがある。画像処理部205は、画像メモリー部15aに記憶した超音波画像データを適宜読み出してDSC16に出力する。
DSC16は、画像処理部15より受信した超音波画像データをテレビジョン信号の走査方式による画像信号に変換し、表示部17に出力する。
表示部17は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electronic Luminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示装置が適用可能である。表示部17は、DSC16から出力された画像信号に従って表示画面上に超音波画像の表示を行う。また、本実施の形態では、表示部17として、白色もしくはフルカラーLED(Light-Emitting Diode)のバックライトを備えた15インチのLCDが適用されている。なお、LEDのバックライトを備えたLCDにおいて、例えば、超音波画像データを分析してLEDの輝度を調整するように構成されていてもよい。このとき、1画面を複数の領域に分割し、その領域毎にLEDの輝度調整を実施するようにしてもよい。また、画面全体でLEDの輝度調整を実施するようにしてもよい。また、表示部17に適用される画面サイズについては任意のものを適用することができる。
制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えて構成され、ROMに記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って超音波画像診断装置Sの各部の動作を集中制御する。
ROMは、半導体等の不揮発メモリー等により構成され、超音波画像診断装置Sに対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な各種処理プログラムや、各種データ等を記憶する。これらのプログラムは、コンピューターが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
本実施の形態では、上述したようにして構成される超音波画像診断装置Sにより、以下に説明するようにして、矩形波によるパルス信号によって差音成分を効率よく発生させることができる。
まず、差音成分を発生させるため、図3(A)に示すように、第1の周波数からなる第1の周波数成分と、第1の周波数の2倍の周波数である第2の周波数からなる第2の周波数成分とを含む送信超音波を送信する。本実施の形態では、上述したように、送信部12によって16ns、56ns、104nsのタイミングで電圧が切り換えられて発生した矩形波のパルス信号によって、5.7MHzの第1の周波数成分と、11.4MHzの第2の周波数成分とを含む送信超音波を送信することができる。なお、第1の周波数成分と第2の周波数成分は、何れも超音波探触子2の送信帯域(周波数帯域)の範囲内である。また、第2の周波数は第1の周波数の2倍とすると、差音成分が超音波探触子2の送信帯域の範囲内となりやすく良好な高調波成分を抽出することができるが、第2の周波数は必ずしも第1の周波数の2倍でなくてもよい。
この送信超音波が被検体内で反射して発生した反射超音波を超音波探触子2で受信すると、図3(B)に示すように、2次高調波のほか、第1の周波数成分と第2の周波数成分との差音から生ずる差音成分が含まれるようになる。この差音成分は、2次高調波成分よりも低周波数なので、ペネトレーションが向上するという利点がある。
ここで、第1の周波数成分と第2の周波数成分とが含まれる送信超音波によって生ずる高調波成分は、下記式(1)によって表すことができる。なお、ωは第1の周波数成分、ωは第2の周波数成分を表している。
(sinωt+a・sinωt)
=1/2{cos2ωt−2a・cos(ω−ω)t+cos2ωt+2a・cos(ω+ω)t}・・・(1)
上記式(1)において、第1項は第1の周波数成分から生ずる2次高調波成分を表し、第2項は第1の周波数成分と第2の周波数成分とから生ずる差音成分を表し、第3項は第2の周波数成分から生ずる2次高調波成分を表し、第4項は第1の周波数成分と第2の周波数成分との和音から生ずる和音成分を表している。なお、第2の周波数成分から生ずる2次高調波成分及び和音成分は、超音波探触子2の送信帯域の範囲外となるため、無視することができる。
これらの高調波成分は合成された信号として抽出されるが、合成された高調波成分が広帯域となるためには、送信フォーカス点において、第1の周波数成分から生ずる2次高調波成分及び差音成分の強度ができるだけ同じであるのが好ましい。したがって、これらの高調波成分が合成されて最も広帯域になるのは上記式(1)においてaが1/2のときということがわかる。すなわち、第2の周波数成分の強度は、送信フォーカス点において、第1の周波数成分の1/2であるのが効果的である。
ところで、被検体内において超音波は減衰する性質を有している。この減衰量は、伝搬距離が大きいほど大きくなる。
図4は、脂肪、脂肪と筋肉、及び、皮膚近傍の各媒質における1MHz、3MHz、5MHzのそれぞれの周波数依存減衰率を表したものである。図4に示すように、脂肪における周波数依存減衰率はy=1.3642x1.062で表され、脂肪と筋肉における周波数依存減衰率はy=3.3739x0.9448で表され、皮膚近傍における周波数依存減衰率はy=1.8074x1.0683で表される。このように、被検体の何れの媒質においても減衰率は周波数が大きくなるにつれて線形に変化している。この周波数依存減衰率(Q)については、下記式(2)によって表すことができる。ここで、下記式(2)において、αは傾きを表し、βは周波数依存減衰のべき乗則を表し、f0はα測定時の周波数を表し、ここでは1MHzで計算した。fは送信周波数を表す。
Q=α(f/fβ・・・(2)
このように、周波数が2倍になると減衰率も約2倍になることがわかる。
上記を考慮すると、超音波探触子2から送信超音波が出力されたときは、第1の周波数成分と第2の周波数成分との強度が同じであるのが好ましいことが理解できる。
図5(A)に示すように、16ns、56ns、104nsのタイミングで電圧が切換られた矩形波のパルス信号を出力した場合、これを周波数解析すると、図5(B)によって表すことができる。このときのパルス信号のデューティー比t1:t2:t3は、2:7:13である。図5(B)に示すように、この矩形波のパルス信号には、第1の周波数である5.7MHzと、第2の周波数である11.4MHzとにおいてピークを有する。図5(B)において、これらのピークを矢印で示す。
そして、図5(B)において矢印で示された各ピークを比較すると、第1の周波数におけるピークと第2の周波数におけるピークとでおよそ5dBの信号強度の差がある。このようなパルス信号をそのまま送信超音波に変換した場合には、減衰率は上述の通り約2倍であるので、送信フォーカス点における第1の周波数成分と第2の周波数成分との強度の差がより大きくなる。そのため、差音が効率よく発生しなくなってしまう。その結果、高調波成分の帯域が狭く、パルス長が長くなるため、分解能が低下してしまう。
しかしながら、このような矩形波によるパルス信号では、駆動波形の調整がデューティー比によることに限定され、駆動波形を変更しながら第1の周波数成分と第2の周波数成分の強度を調整して、差音成分を効率よく発生させるのは困難である。
そこで、本実施の形態では、以下のようにして超音波探触子2の送信帯域を調整することにより、第1の周波数成分と第2の周波数成分との強度が同じになるようにして差音成分を効率よく発生し得るようにしている。超音波探触子2の送信帯域の調整は、例えば、超音波探触子2を構成する材料の選択、マッチング層の構造、振動子2aの加工方法等を適宜設定することによって行うことができる。
本実施の形態では、超音波探触子2は、送信超音波の第1の周波数成分と第2の周波数成分との強度がほぼ同じになるような送信帯域形状とされており、例えば、図6に示すような、ガウス型の送信帯域形状が適用される。このように、ガウス型の送信帯域形状とすると、基本波成分のパルス幅も短くなる傾向となるため、例えば、基本波成分と高調波成分との周波数コンパウンドを行う場合に高画質化できるという効果がある。
このような超音波探触子2に対して上述した矩形波のパルス信号を与えると、図5(C)に示すような送信超音波を送信することができる。この送信超音波を周波数解析した結果を図5(D)に示す。図5(D)の矢印で示されたピークの部分を比較すると、本実施の形態によれば、パルス信号を生成した際に第1の周波数におけるピークと第2の周波数におけるピークとの信号強度の差が5dBあったものが、送信超音波ではおよそ1.5dBとなって1:1に近づいているため、差音成分を効率よく発生させることができるようになる。これにより、周波数依存減衰の影響を小さくすることができる。また、高調波成分の中心周波数の偏位量を抑制でき、パルス長が大きくなるのを抑制することができる。よって、良好な高調波成分を抽出することができるようになる。なお、本実施の形態では、上述のようにして構成された超音波探触子2により、2つのピークの強度の差がおよそ1.5dBになるようにしたが、2dB以下であれば差音成分を良好に発生させることができる。
本実施の形態において使用する超音波探触子2の好ましい態様は以下の通りである。
まず、超音波探触子2の送信帯域の中心周波数を設定する。このため、周波数が5.7MHzである第1の周波数成分と、周波数が11.4MHzである第2の周波数成分とを含む上述した矩形波のパルス信号により送信超音波を、超音波探触子2の送信帯域の中心周波数を1MHzずつずらしながら送受信し、それぞれで受信した高調波成分のパルス幅を測定する。この高調波成分のパルス幅の測定結果を図7に示す。図7中、実線で表されるグラフは、高調波成分のピークの6dB下方におけるパルス幅を示し、破線で表されるグラフは、ピークの20dB下方におけるパルス幅を示し、鎖線で表されるグラフは、ピークの40dB下方におけるパルス幅を示す。図7に示すように、高調波成分は、超音波探触子2の送信帯域の中心周波数が10.5〜11MHzに設定されたときが最も短いパルス幅となる。すなわち、広帯域な高調波成分を抽出することができる。
または、第1の周波数成分の周波数をAとし、第2の周波数成分の周波数をBとし、(C−A)/(B−A)=80〜95%を満たすような超音波探触子2の送信帯域の中心周波数Cを設定することにより、高調波成分のパルス幅を好適に短くすることができる。より好ましくは、84〜93%を満たすように設定されるのがよい。
次に、超音波探触子2の送信帯域の帯域幅を設定する。このため、超音波探触子2の6dBにおける送信帯域幅を変更しながら、それぞれについて高調波成分のパルス幅を測定する。この高調波成分のパルス幅の測定結果を図8に示す。図8中、実線で表されるグラフは、高調波成分のピークの6dB下方におけるパルス幅を示し、破線で表されるグラフは、ピークの20dB下方におけるパルス幅を示し、鎖線で表されるグラフは、ピークの40dB下方におけるパルス幅を示す。図8に示すように、高調波成分のパルス幅は、超音波探触子2の送信帯域のピークの6dB下方における帯域幅が70〜85%に設定されたときが最も短くなっていることがわかる。
また、同様に、超音波探触子2の送信帯域のピークの20dB下方における帯域幅を変更しながら、それぞれについて高調波成分のパルス幅を測定する。この高調波成分のパルス幅の測定結果を図9に示す。図9中、実線で表されるグラフは、高調波成分のピークの6dB下方におけるパルス幅を示し、破線で表されるグラフは、ピークの20dB下方におけるパルス幅を示し、鎖線で表されるグラフは、ピークの40dB下方におけるパルス幅を示す。図9に示すように、高調波成分のパルス幅は、超音波探触子2の送信帯域のピークの20dB下方における帯域幅が125〜160%に設定されたときが最も短くなっている。
すなわち、本実施の形態における超音波探触子2は、送信帯域がガウス型の形状であって、送信帯域のピークの6dB下方における帯域幅が70〜85%、送信帯域のピークの20dB下方における帯域幅が125〜160%であり、中心周波数が(C−A)/(B−A)=80〜95%を満たすものに調整されるのが好適であるということができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、超音波探触子2は、パルス信号の入力によって被検体に向けて送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を出力する。送信部12は、超音波探触子2に入力させるパルス信号を出力する。送信部12は、第1の周波数成分と、第1の周波数成分よりも高周波数である第2の周波数成分とが含まれるようにデューティー比が設定された矩形波のパルス信号を出力する。超音波探触子2は、送信部12から出力されたパルス信号を入力して出力される送信超音波の第1の周波数成分及び第2の周波数成分の強度の比が、パルス信号の第1の周波数成分及び第2の周波数成分の強度の比よりも、1:1に近づくように周波数帯域を設定する。その結果、安価で送信超音波を発生させることができる矩形波による送信信号で差音成分を効率よく発生させることができるようになる。
また、本実施の形態によれば、超音波探触子2は、送信超音波の送信フォーカス位置における第1の周波数成分と第2の周波数成分との強度の比が1:0.5となるように周波数帯域を設定する。その結果、差音成分をより効率よく発生させることができるようになる。
また、本実施の形態によれば、第2の周波数成分は、第1の周波数成分の2倍の周波数の成分としたので、差音成分が超音波探触子の周波数帯域の範囲内となりやすく良好な高調波成分を抽出することができるようになる。
また、本実施の形態によれば、超音波探触子2は、送信超音波の第1の周波数成分および第2の周波数成分の強度差が2dB以下となるように周波数帯域を設定する。その結果、差音成分をより良好に発生させることができるようになる。
また、本実施の形態によれば、送信部12は、デューティー比が2:7:13である矩形波のパルス信号を出力する。超音波探触子2は、帯域幅がピークの6dB下方において70〜85%で、ピークの20dB下方において125〜160%となり、第1の周波数成分をAとし、第2の周波数成分をBとしたときに、下記式(3)を満たすような中心周波数Cとなるように周波数帯域を設定する。
(C−A)/(B−A)=80〜95%・・・(3)
その結果、差音成分をより良好に発生させることができるとともに、高調波成分のパルス幅を短くすることができ、画質の向上を図ることができるようになる。
なお、本発明の実施の形態における記述は、本発明に係る超音波画像診断装置の一例であり、これに限定されるものではない。超音波画像診断装置を構成する各機能部の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
S 超音波画像診断装置
1 超音波画像診断装置本体
2 超音波探触子
12 送信部

Claims (5)

  1. パルス信号の入力によって被検体に向けて送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を出力する超音波探触子と、
    前記超音波探触子に入力させる前記パルス信号を出力する送信部と、
    を備えた超音波画像診断装置において、
    前記送信部は、第1の周波数成分と、該第1の周波数成分よりも高周波数である第2の周波数成分とが含まれるようにデューティー比が設定された矩形波のパルス信号を出力し、
    前記超音波探触子は、前記送信部から出力されたパルス信号を入力して出力される送信超音波の前記第1の周波数成分及び前記第2の周波数成分の強度の比が、前記パルス信号の前記第1の周波数成分及び前記第2の周波数成分の強度の比よりも、1:1に近づくように周波数帯域が設定されていることを特徴とする超音波画像診断装置。
  2. 前記超音波探触子は、送信超音波の送信フォーカス位置における前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分との強度の比が1:0.5となるように周波数帯域が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波画像診断装置。
  3. 前記第2の周波数成分は、前記第1の周波数成分の2倍の周波数の成分であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波画像診断装置。
  4. 前記超音波探触子は、前記送信超音波の前記第1の周波数成分及び前記第2の周波数成分の強度差が2dB以下となるように周波数帯域が設定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の超音波画像診断装置。
  5. 前記送信部は、デューティー比が2:7:13である矩形波のパルス信号を出力し、
    前記超音波探触子は、帯域幅がピークの6dB下方において70〜85%で、ピークの20dB下方において125〜160%となり、前記第1の周波数成分をAとし、前記第2の周波数成分をBとしたときに、下記式(1)を満たすような中心周波数Cとなるように周波数帯域が設定されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の超音波画像診断装置。
    (C−A)/(B−A)=80〜95%・・・(1)
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