JP6784310B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
前記超音波探触子に、第1の駆動波形の駆動信号と前記第1の駆動波形とは異なる第2の駆動波形の駆動信号を出力する駆動信号出力部と、
前記第1の駆動波形の駆動信号に基づき出力された送信超音波の反射超音波に基づく第1の信号、及び前記第2の駆動波形の駆動信号に基づき出力された送信超音波の反射超音波に基づく第2の信号を生成する信号生成手段と、
前記第1の信号と前記第2の信号を演算することにより、画像化に用いる高調波信号成分を抽出する抽出手段と、
を有し、
前記第1の駆動波形の駆動信号及び前記第2の駆動波形の駆動信号の周波数スペクトルは、それぞれ、前記超音波探触子の−20dBの送信周波数帯域内に、前記送信周波数帯域の中心周波数よりも低周波側であって、前記送信周波数帯域に含まれる強度ピークの中で最も低周波側の強度ピークである第1の強度ピークと、前記中心周波数よりも高周波側であって、前記送信周波数帯域に含まれる強度ピークの中で最も高周波側の強度ピークである第2の強度ピークと、第1の強度ピークと第2の強度ピークとの間の周波数に第3の強度ピークとを含んでおり、
前記第1の強度ピークと前記第2の強度ピークとの間の周波数領域全体における強度は、前記送信周波数帯域に含まれる強度ピークの強度の最大値を基準として−20dB以上であることを特徴とする。
前記第2の駆動波形の極性は、前記第1の駆動波形の極性とは反転の関係にあり、
前記抽出手段は、前記第1の信号及び前記第2の信号を加算することにより、前記高調波信号成分を抽出することを特徴とする。
前記第1の駆動波形の駆動信号に基づき出力される送信超音波と前記第2の駆動波形の駆動信号に基づき出力される送信超音波は、同一走査線上に時間間隔をおいて出力されることを特徴とする。
前記第1の強度ピーク及び前記第2の強度ピークは、前記超音波探触子の−20dBの送信周波数帯域の中心周波数と同一の周波数の周波数成分の強度よりも大きいことを特徴とする。
前記超音波探触子は、−20dBの比帯域が110%以上であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
前記第1の駆動波形の駆動信号及び前記第2の駆動波形の駆動信号は、パルス信号であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
前記第3の強度ピークは、前記中心周波数よりも高周波側の強度ピークであることを特徴とする。
パルス発生回路122は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。パルス発生回路122は、例えば、図4に示すように、5値(+HV/+MV/0/−MV/−HV)の電圧を切り替えて出力することにより、矩形波によるパルス信号を発生させることができる。このとき、パルス信号の振幅については、正極性及び負極性で同一となるようにしたが、これに限定されない。本実施の形態では、5値の電圧を切り替えてパルス信号を出力するようにしたが、5値に限定されず、適宜の値に設定することができるが、5値以下が好ましい。これにより、低コストで周波数成分の制御の自由度を向上させることができ、より高分解能である送信超音波を得ることができる。
デューティー設定部123は、パルス発生回路122から出力されるパルス信号のデューティー比を設定する。すなわち、パルス発生回路122は、デューティー設定部123によって設定されたデューティー比に従ったパルス波形によるパルス信号を出力する。デューティー比は、例えば、操作入力部11による入力操作により可変することができる。
例えば、図5(a)に示すような超音波探触子2は、ピーク周波数が14.2MHz、−20dBにおける下限周波数(FL20)が3.4MHz、上限周波数(FH20)が21.2MHz、中心周波数(FC20)が12.3MHz、−20dBの比帯域が145%である。
この超音波探触子2に対して、例えば、図5(b)に示すような駆動波形を有するパルス信号Sgを与える。このパルス信号Sgは、矩形波からなり、5値の電圧を切り替えることにより生成することができる。このパルス信号Sgを周波数解析して得られる周波数パワースペクトルは、図5(c)に示すように、超音波探触子2の−20dBの送信周波数帯域の中心周波数(FC20)よりも低周波側に1つの強度ピーク(PK1:5.8MHz)を有し、高周波側に2つの強度ピーク(PK2:13.2MHz、PK3:19.2MHz)を有していることがわかる(なお、解析結果を図5(c)中、Sfで示す)。すなわち、図5(a)に示すような特性を有する超音波探触子2に図5(b)に示すような駆動波形を有するパルス信号を与えると、超音波探触子2の送信周波数帯域(FL20−FH20)の中心周波数(FC20)の低周波側及び高周波側にそれぞれ超音波探触子2の送信周波数帯域に含まれるピーク(PK1〜PK3)が発生することがわかる。このとき、各強度ピークにおける強度(P1:3.8dB、P2:2.0dB、P3:1.4dB)は、超音波探触子2の送信周波数帯域の中心周波数と同一の周波数(12.3MHz)の周波数成分の強度(1.1dB)よりも大きくなっている。また、各強度ピークの間の周波数領域における強度は、強度ピークの強度の最大値であるPK1における強度を基準として−20dB以上となっている。その結果、図5(d)に示すような特性の送信超音波が超音波探触子2から出力される。
また、本実施の形態では、パルス信号の複数の強度ピークのうちの全てが超音波探触子2の送信周波数帯域の中心周波数と同一の周波数の周波数成分の強度よりも大きいものとしているが、少なくとも1つ以上について、超音波探触子2の送信周波数帯域の中心周波数と同一の周波数の周波数成分の強度よりも大きいものであればよい。
また、本実施の形態では、超音波探触子2の送信周波数帯域の中心周波数(FC20)の高周波側に強度ピークを2つ有するようなパルス信号を出力するようにしたが、3つ以上であってもよい。超音波探触子2の送信周波数帯域の中心周波数(FC20)の高周波側に強度ピークを2つ以上有するようなパルス信号とすると、より高周波側に広帯域なパルス信号を出力することができるようになる。なお、超音波探触子2の送信周波数帯域の中心周波数(FC20)の高周波側に強度ピークを1つだけ有するようなパルス信号としてもよい。
ROMは、半導体等の不揮発メモリー等により構成され、超音波画像診断装置Sに対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な各種処理プログラムや、各種データ等を記憶する。これらのプログラムは、コンピューターが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
まず、上述した超音波探触子2として、送信−20dBにおける下限周波数(FL20)が3.4MHz、上限周波数(FH20)が21.2MHz、中心周波数(FC20)が12.3MHz、送信−20dBの比帯域が145%である超音波探触子を用い、これを超音波探触子Aとした。この超音波探触子Aの送信帯域形状を図6においてAで示す。なお、図6中、横軸は周波数を示し、縦軸は感度を示している。
上述した超音波探触子2としては、実施例1と同じ超音波探触子Aを使用した。
上述した超音波探触子2としては、実施例1と同じ超音波探触子Aを使用した。
上述した超音波探触子2としては、実施例1と同じ超音波探触子Aを使用した。
上述した超音波探触子2としては、実施例1と同じ超音波探触子Aを使用した。また、上述した送信部12から出力されるパルス信号の駆動波形を、実施例1と同じ駆動波形1とした。
上述した超音波探触子2としては、実施例1と同じ超音波探触子Aを使用した。また、上述した送信部12から出力されるパルス信号の駆動波形を、実施例2と同じ駆動波形2とした。
上述した超音波探触子2としては、実施例1と同じ超音波探触子Aを使用した。
上述した超音波探触子2として、送信−20dBにおける下限周波数(FL20)が4.9MHz、上限周波数(FH20)が19.7MHz、中心周波数(FC20)が12.3MHz、送信−20dBの比帯域が120%である超音波探触子を用い、これを超音波探触子Bとした。この超音波探触子Bの送信帯域形状を図6においてBで示す。
上述した超音波探触子2として、送信−20dBにおける下限周波数(FL20)が5.6MHz、上限周波数(FH20)が19.1MHz、中心周波数(FC20)が12.3MHz、送信−20dBの比帯域が109%である超音波探触子を用い、これを超音波探触子Cとした。この超音波探触子Cの送信帯域形状を図6においてCで示す。
上述した超音波探触子2としては、実施例1と同じ超音波探触子Aを使用した。
上述した超音波探触子2としては、実施例1と同じ超音波探触子Aを使用した。
上述した超音波探触子2としては、実施例1と同じ超音波探触子Aを使用した。
上述した超音波探触子2としては、実施例1と同じ超音波探触子Aを使用した。また、上述した送信部12から出力されるパルス信号の駆動波形を、比較例2と同じ駆動波形4とした。
Gammex社製のRMI 404GS−LE0.5と同一の音響等価材の深度15mmの位置に50μmのSUSワイヤーを埋設した。そして、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2にあっては、下記表1に示された条件の駆動波形であるパルス信号を超音波探触子に与えて超音波の送受信を行い、受信した超音波から得られた受信信号に基づき、基本波による超音波画像を得た。一方、実施例3〜実施例9、比較例3及び比較例4にあっては、下記表1に示された条件の駆動波形である第1のパルス信号と、この第1のパルス信号とは極性反転した第2のパルス信号とを同一走査線上に時間間隔をおいて超音波探触子に与えて第1の超音波及び第2の超音波の送受信を行い、受信した第1の超音波及び第2の超音波からそれぞれ得られた受信信号を上述したパルスインバージョン法により合成し、THI(Tissue Harmonic Imaging)による超音波画像を得た。このとき、送信焦点を15mmとした。そして、画像化を行った際のワイヤー描出輝度を音響強度(dB)に変換し、その20dB分解能(距離分解能、方位分解能)を得た。また、上述のようにして2フレーム分の超音波画像を取得し、この2フレームの超音波画像の相関を求め、この相関が0.5を下回る深度を特定し、これを深達度とした。また、実施例1〜9及び比較例1〜4のそれぞれの条件にて手根、MP関節(MetacarpoPhalangeal joint)屈筋
腱、上腕二頭筋長頭腱、内側半月板の描出を行い、整形外科関連に従事する医師及び臨床検査技師の合計10名により下記の評価基準により評点を得、その値を平均してこれを描出性スコアとした。
[評価基準]
10:組織状態の把握に対して申し分ない程度の描出性
8:組織状態の把握に対して実用上問題ない程度の描出性
6:良好ではないが組織状態の把握は可能な程度の描出性
4:組織状態の把握に支障がある程度の描出性
2:組織状態の把握が困難な程度の描出性
以上の評価結果を下記表1に示す。
上記表1の結果より、実施例1〜9によれば、駆動波形3及び8のパルス信号による超音波の送受信を行った比較例1及び3と比較すると、距離分解能がよく、また、深達度(Penetration)も大きいことがわかった。また、実施例1〜9によれば、比較例1及び3に比べ、手根、MP関節屈筋腱、上腕二頭筋長頭腱及び内側半月板の描出評価が高いことがわかった。
また、比較例2及び4によれば、駆動波形4のパルス信号による超音波の送受信を行った場合、基本波に基づく超音波画像では特に見劣りする点はないが、THIによって得られた超音波画像では、特に内側半月板の描出評価が実施例3〜9に比べて劣っていることがわかった。
2 超音波探触子
12 送信部
14 画像生成部
Claims (7)
- 駆動信号に応じた送信超音波を出力し、被検体からの反射超音波を受信する超音波探触子と、
前記超音波探触子に、第1の駆動波形の駆動信号と前記第1の駆動波形とは異なる第2の駆動波形の駆動信号を出力する駆動信号出力部と、
前記第1の駆動波形の駆動信号に基づき出力された送信超音波の反射超音波に基づく第1の信号、及び前記第2の駆動波形の駆動信号に基づき出力された送信超音波の反射超音波に基づく第2の信号を生成する信号生成手段と、
前記第1の信号と前記第2の信号を演算することにより、画像化に用いる高調波信号成分を抽出する抽出手段と、
を有し、
前記第1の駆動波形の駆動信号及び前記第2の駆動波形の駆動信号の周波数スペクトルは、それぞれ、前記超音波探触子の−20dBの送信周波数帯域内に、前記送信周波数帯域の中心周波数よりも低周波側であって、前記送信周波数帯域に含まれる強度ピークの中で最も低周波側の強度ピークである第1の強度ピークと、前記中心周波数よりも高周波側であって、前記送信周波数帯域に含まれる強度ピークの中で最も高周波側の強度ピークである第2の強度ピークと、第1の強度ピークと第2の強度ピークとの間の周波数に第3の強度ピークとを含んでおり、
前記第1の強度ピークと前記第2の強度ピークとの間の周波数領域全体における強度は、前記送信周波数帯域に含まれる強度ピークの強度の最大値を基準として−20dB以上であることを特徴とする超音波診断装置。 - 前記第2の駆動波形の極性は、前記第1の駆動波形の極性とは反転の関係にあり、
前記抽出手段は、前記第1の信号及び前記第2の信号を加算することにより、前記高調波信号成分を抽出することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記第1の駆動波形の駆動信号に基づき出力される送信超音波と前記第2の駆動波形の駆動信号に基づき出力される送信超音波は、同一走査線上に時間間隔をおいて出力されることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波診断装置。
- 前記第1の強度ピーク及び前記第2の強度ピークは、前記超音波探触子の−20dBの送信周波数帯域の中心周波数と同一の周波数の周波数成分の強度よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
- 前記超音波探触子は、−20dBの比帯域が110%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
- 前記第1の駆動波形の駆動信号及び前記第2の駆動波形の駆動信号は、パルス信号であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
- 前記第3の強度ピークは、前記中心周波数よりも高周波側の強度ピークであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
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