JP2016046910A - グロメット - Google Patents

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Abstract

【課題】グロメット本体と樹脂製のインナー部材との結合作業が容易で、これらが正規の結合位置から周方向にずれた横ずれ状態が生じても、グロメット本体とインナー部材の凹凸係合部分のシール性を安定確保できる低コストのグロメットを提供する。【解決手段】弾性を有する筒状のグロメット本体14に樹脂製のインナー部材12を組み合わせたグロメットであって、インナー部材12が、グロメット本体14の外周カバー部44を貫通するように突出する突起部25を有するとともに、グロメット本体14が、少なくとも突起部25の先端側で突起部25に気密的に嵌合するようグロメット本体14の外周カバー部44から突起部25と同じ方向に膨出する嵌合孔付きの膨出部47を有しており、インナー部材12の周壁面23aからの突起部の突出方向における膨出部の高さhが、突出方向と直交する方向における膨出部の外径Dより大きくなっている。【選択図】図4

Description

本発明は、グロメットに関し、特にワイヤハーネスの電線群が通るパネルの開口をシールするグロメットに関する。
従前より、自動車の車室の内外にわたってワイヤハーネスを配索する場合、その車室の内外を仕切る車体パネルに開口を形成し、その開口縁部に筒状のグロメットを装着して、ワイヤハーネスの電線群を保護しつつシール性や遮音性を確保することがなされている。
また、車体パネルの開口が比較的大径である場合、弾性を有するグロメット本体に、パネルの開口縁部に係止可能な樹脂製のインナー部材を組み合わせたグロメットが多用されている。
この種のグロメットとして、例えば樹脂製のインナー部材の基板部からグロメット本体側に向って突起するロック棒を設け、ロック棒の先端側の係止球部をグロメット本体の固定用凹部(ガイド突起部の内方)の内奥側に係止可能にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、インナー部材から半径方向外側に突出する複数の固定爪を設け、グロメット本体とインナー部材の結合時に、固定爪の先端の鉤状部をグロメット本体の外周部に形成された挿入孔に通して抜け止め結合させるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−139664号公報 特開2011−61930号公報
しかしながら、ロック部材の基板から板厚方向に突出させたロック棒をグロメット本体の固定用凹部に係止させる従来の前者のグロメットでは、樹脂製のインナー部材を複数に分割する構成であるため、部品点数が多くなってしまう。しかも、基板、周壁および底壁を一体に有するロック部材内に長いロック棒付きのロック用板を組み込む作業が非常に困難にならざるを得ない。そればかりか、ロック棒が板厚方向に突出したロック部材の基板をグロメット本体に対し径方向に凹凸係合させる作業と、基板から板厚方向に突出するロック棒をグロメット本体のガイド突起部内の嵌合孔に深く嵌め入れる作業とを同時に行う必要がある。そのため、グロメット本体と樹脂製のインナー部材との結合作業がきわめて困難で、コスト高のグロメットとなっていた。
一方、インナー部材から複数の固定爪を半径方向外側に突出させる従来の後者のグロメットでは、樹脂製のインナー部材の成形が容易であり、グロメット本体と樹脂製のインナー部材の組付けも、インナー部材のフランジ部をグロメット本体内に入れ込む程度で済み、前者のグロメットに比べ、組付け作業性がよい。また、グロメット本体の外周壁部に対しインナー部材の固定爪を径方向に貫通させるため、グロメット本体とインナー部材の結合位置が周方向における正規の位置の近傍に規定される。しかしながら、グロメット本体の弾性により、グロメット本体と樹脂製のインナー部材が正規の結合位置から周方向に若干ずれた横ずれ状態で組み付けられる場合がある。その場合、特に固定爪の貫通部がグロメット本体のシールリップ部より外(車外)側に配置されるときに、インナー部材の固定爪とグロメット本体の貫通孔の内壁部分との間に横ずれに開いた隙間ができてしまい、グロメットの防水性やシール性が低下することが懸念されていた。
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、グロメット本体と樹脂製のインナー部材との結合作業が容易で、しかも、グロメット本体と樹脂製のインナー部材が正規の結合位置から周方向にずれた横ずれ状態が生じても、グロメット本体とインナー部材の凹凸係合部分のシール性を安定確保できる低コストのグロメットを提供することを目的とする。
本発明に係るグロメットは、上記目的達成のため、弾性を有する筒状のグロメット本体に樹脂製のインナー部材を組み合わせたグロメットであって、前記インナー部材が、前記グロメット本体の周壁を貫通するように突出する少なくとも1つの突起部を有するとともに、前記グロメット本体が、少なくとも前記突起部の先端側で前記突起部に気密的に嵌合するよう前記グロメット本体の前記周壁から前記突起部と同じ方向に膨出する嵌合孔付きの膨出部を有しており、前記インナー部材の周壁面からの前記突起部の突出方向における前記膨出部の高さが、前記突出方向と直交する方向における前記膨出部の外径より大きくなっているものである。
この構成により、インナー部材とグロメット本体が正規の組合せ位置から相対回転した横ずれ状態で組み付けられ、両者間の摩擦抵抗によりグロメット本体の弾性変形が残留したような場合に、突起部の基端側で縦長の膨出部の裾部分と突起部の間に横ずれ方向に開く隙間が形成される程度に横ずれが大きくなったとしても、突起部の先端側では縦長の膨出部と突起部とが気密的に嵌合する状態が容易に維持され、所要のシール機能が維持されることになる。
本発明のグロメットにおいては、前記膨出部の筒状の壁の厚さが前記突起部の直径より小さいとよい。
この場合、膨出部の高さは、膨出部の筒状の壁の厚さの3倍以上となり、膨出部の基端側の径方向の弾性変形が先端側の気密的嵌合部分に対しより波及し難くなり、インナー部材とグロメット本体の横ずれ時における突起部の先端側のシール機能が安定確保されることになる。
本発明のグロメットにおいては、前記インナー部材と前記グロメット本体が正規の組合せ位置から最大組付け誤差相当の所定角度だけ相対回転したとき、前記突起部の先端側では、前記膨出部および前記突起部が気密的に嵌合する一方、前記突起部の基端側では、前記膨出部と前記突起部の間に前記相対回転の方向に開く隙間が形成されるのがよい。
この構成により、膨出部の基端側の径方向の弾性変形が先端側の気密的嵌合部分に実質的に波及しなくなり、インナー部材とグロメット本体の横ずれ時における突起部の先端側のシール機能が安定確保される。
本発明のグロメットにおいては、前記インナー部材の前記突起部が前記インナー部材の径方向に突出するとともに、前記突起部の前記先端側の端部が前記突起部の前記基端側の部分に対して拡径された頭部を構成しており、前記グロメット本体の前記膨出部が、前記グロメット本体の径方向に膨出するとともに前記頭部に接触しているのが好ましい。
このようにすると、グロメット本体で樹脂製のインナー部材の軸方向の一部、例えばフランジ状の一端部を取り囲む結合に際して、インナー部材の突起部とグロメット本体の膨出部とを容易に嵌合させることができ、両者の結合強度が高まる。また、インナー部材の成形も容易になる。さらに、突起部の先端側の拡径した端部に膨出部の先端部を突き当て可能になるので、シール性も向上する。
本発明によれば、グロメット本体と樹脂製のインナー部材との結合作業が容易で、しかも、グロメット本体と樹脂製のインナー部材が正規の結合位置から周方向にずれた横ずれ状態が生じても、グロメット本体とインナー部材の凹凸係合部分のシール性を安定確保できる低コストのグロメットを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るグロメットの外観斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るグロメットの要部分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るグロメットの要部斜視断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るグロメットの要部断面で示す作用説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係るグロメットのグロメット本体の要部構成を示す図であり、(a)はその要部の正面図、(b)は(a)のB5矢視図、(c)は(a)のC5−C5矢視断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るグロメットの樹脂製のインナー部材の要部構成を示す図であり、(a)はその要部の平面図、(b)は(a)のB6矢視図、(c)は(a)のC6矢視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るグロメットのパネルの開口縁部への実装状態の説明図である。 比較例のグロメットの要部断面図であり、(a)はそのグロメット本体と樹脂製のインナー部材が横ずれ無く組み付けられたときの要部平面断面図、(b)は(a)のB8−B8断面図、(c)はそのグロメット本体と樹脂製のインナー部材が横ずれ状態で組み付けられたときの要部平面断面図、(d)は(c)のD8−D8断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るグロメットの要部断面で示す作用説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図7に示す第1の実施の形態のグロメットは、自動車の車室の内外を仕切る車体パネルに形成された開口の内周縁部(開口縁部)に係止される状態で車体パネルに固定され、パネルを貫通するワイヤハーネスの電線群Wを保護しつつ貫通部分でのシール性や遮音性を確保するものである。
まず、本実施形態のグロメットの構成を説明する。
図1および図7に示すように、本実施形態のグロメット10は、樹脂製のインナー部材12と、ゴム弾性を有する弾性素材で形成されたグロメット本体14とを備えている。
インナー部材12は、ワイヤハーネスの電線群Wより大径の筒状部21と、その筒状部21の軸方向の一端側に設けられたパネル固定用の係止部22と、筒状部21の軸方向の他端側に設けられた外フランジ部23と、を有している。
筒状部21は、少なくとも1本(1束)、例えば2本のワイヤハーネスの電線群Wが挿通される比較的軸長の小さい略円筒状をなしている。この筒状部21は、図1中に示すように電線群Wが中心軸線方向に対し所定角度だけ傾斜した傾斜姿勢をとる場合に対応できる程度に大径に形成されている。勿論、グロメット10は、ワイヤハーネスの電線群Wがインナー部材12およびグロメット本体14をそれらの中心軸線方向に貫通するものであってもよい。
係止部22は、筒状部21の軸方向の一端側に周方向等間隔(等角度間隔)に設けられた複数、例えば3つの矢先形の鉤状の係止爪22aを有しており、これら係止爪22aは、それぞれの矢先側の一端部で図1中の筒状部21の上端側に一体に支持されている。
複数の係止爪22aは、インナー部材12が車体パネル1の開口2に挿入されるときに矢先側の一端部22bを支点に全体として縮径するように撓み、車体パネル1の開口2を通過して車体パネル1の背面1a側に達すると、図7に示すように矢先側の一端部22bを支点に全体として拡径するように弾性回復する弾性を有している。
また、複数の係止爪22aは、開口2を形成する車体パネル1の開口縁部3に対して車体パネル1の背面1a側および開口2の内周面側で係合する段付き形状の他端部22cを有している。これにより、係止部22は、インナー部材12の筒状部21を車体パネル1に対して抜止め可能に係止することができる。
外フランジ部23は、筒状部21の図1および図7中における下端側から径方向外側に突出する円環板状体であり、筒状部21に対し直交するように筒状部21と一体に形成されている。
グロメット本体14は、例えば加硫ゴムまたは樹脂系のエラスマーから成形され、インナー部材12の筒状部21の他端側を閉塞する略円形のカバー状をなしている。また、グロメット本体14の中心部には、2本のワイヤハーネスの電線群Wが貫通する略楕円形断面の貫通孔41が形成されている。
具体的には、図1および図5(a)ないし図5(c)に示すように、グロメット本体14は、貫通孔41を有する筒部42と、筒部42に一体結合された円形カバー部43と、インナー部材12の外フランジ部23を取り囲む外周カバー部44とを有している。
グロメット本体14は、さらに、インナー部材12の外フランジ部23より係止部22側で車体パネル1に係合可能なスカート状のシールリップ部45と、シールリップ部45の基端側を支持する環状板部46とを含んで構成されている。そして、環状板部46は、係止部22側の外フランジ部23の片面に密着状態で接触している。
図2および図3に示すように、インナー部材12は、外フランジ部23の外周面23aからグロメット本体14の外周カバー部44(周壁)を貫通するよう半径方向外側に突出する少なくとも1つの突起部25を有している。この突起部25は、図6(a)ないし図6(c)に示すように、先端側の頭部25aと、外フランジ部23の外周面23aから頭部25aに延びる軸部25bとを有している。
また、図5(a)ないし図5(c)に示すように、グロメット本体14の外周カバー部44は、その外周の一部に、グロメット10およびインナー部材12の中心に対し突起部25と同じ方向に膨出する膨出部47を有している。
膨出部47は、少なくとも突起部25の先端側で突起部に気密的に嵌合するよう、グロメット本体14の外周カバー部44(周壁)から突起部25と同じ半径方向外方側に膨出している。
具体的には、この膨出部47は、例えば図3に点線で示すように、その自由形状では、外周カバー部44の外周面側(膨出部47の先端側)の嵌合孔47cの開口径が、外周カバー部44の内周面側の開口径よりも小さくなる先細りの略筒状をなしている。そして、突起部25が嵌合した組付け後の状態では、少なくとも突起部25の先端側で、膨出部47が突起部25に気密的に嵌合している。
なお、ここにいう突起部25の先端側とは、軸部25bの長さt2の範囲内で先端側となる領域であるが、少なくとも突起部25の先端側とは、専ら膨出部47が外周カバー部44の外周面から外方に突出する突出高さhaの範囲内となる突出高さ領域を含む。また、少なくとも突起部25の先端側とは、勿論、外フランジ部23の外周面23a(周壁面)からの膨出部47の半径方向外方側への突出高さhの全域であってもよい。
図3および図4に示すように、外フランジ部23の外周面23aからの突起部25の突出方向におけるこの膨出部47の突出高さh(外周カバー部44の内周面からの高さ)は、その突出方向と直交する径方向における膨出部47の外径Dより大きくなっている。
また、膨出部47の筒状の壁47bの厚さtcは、突起部25の直径d1、好ましくは楕円形断面(非円形横断面)の短径より小さくなっており、それにより、膨出部47の突出高さhは、膨出部47の筒状の壁47bの厚さtcの3倍の値より大きくなっている。
さらに、膨出部47の外周カバー部44の外周面からの突出高さhaは、突起部25の直径d1、好ましくは楕円形断面(非円形横断面)の長径より大きくなっている。
これにより、インナー部材12とグロメット本体14が周方向における正規の組合せ位置から最大組付け誤差相当の所定角度だけ相対回転したとき、突起部25の先端側では、膨出部47および突起部25が気密的に嵌合する一方、突起部25の基端側では、膨出部47と突起部25の間に相対回転の方向に開く隙間g(図4参照)が形成され得るようになっている。
ここにいう最大組付け誤差相当の所定角度とは、グロメット本体14の弾性変形がインナー部材12とグロメット本体14の間の相対回転方向の摩擦抵抗により保持され得る最大の角度であり、例えば実際の組み付け誤差相当の相対回転角度のばらつきデータを基に確率的に生じ得る組付け誤差相当の所定角度の最大値として設定できる。
前述のように、インナー部材12の突起部25は、インナー部材12の半径方向の外方側に突出するとともに、突起部25の先端側の端部である頭部25aは、突起部25の基端側の部分である軸部25bに対して拡径されている。そして、グロメット本体14の膨出部47は、グロメット本体14の半径方向の外方側に膨出するとともに、突起部25の拡径した頭部25aに突き当たるように接触している。
また、膨出部47は、その自由形状において、突起部25の頭部25aまたは軸部25bの外周輪郭形状と略相似形でそのいずれよりも小径となる内周断面形状を有しており、さらに、内周断面形状と相似する外周断面形状を有している。さらに、膨出部47には、先端部47a側で略楕円形の開口形状をなすように、嵌合孔47cが形成されている。
グロメット本体14に対しインナー部材12が組み付けられるグロメット10の組立時には、図2に示すように、突起部25の矢先状の頭部25aが膨出部47内に挿入される。このとき、突起部25の頭部25aが嵌合孔47cに入り込むとともに、膨出部47が突起部25の頭部25aの外形に応じて拡径するように弾性変形する。
そして、突起部25の頭部25aが膨出部47を概ね貫通したとき、図3に示すように、膨出部47は、先端部47aから突起部25の頭部25aを露出させつつ、軸部25bに気密的に圧接し嵌合するように弾性回復することができるようになっている。
このようにして、膨出部47は、図3中に点線で示す自由形状に対し、軸部25bによって嵌合孔47cを押し広げられるとともに、頭部25aによって軸方向の基端側に押し付けられた弾性変形状態となる。
膨出部47における突起部25の貫通部分には、所要のシール機能を生じ得る程度の締め代または接触面圧が設定されている。すなわち、膨出部47の嵌合孔47cの孔径は、突起部25の軸部25bに対して所要の径方向の締め代分だけ小径に設定され、外フランジ部23の外周面23aからの膨出部47の突出高さhは、突起部25の軸部25bの長さt2より所要の高さ方向の締め代分だけ大きい値に設定されている。
膨出部47の基端付近では、突起部25の軸部25bの任意のまたはすべての径方向で軸部25bから膨出部47が離間してもよい。
外周カバー部44の半径方向における厚さt4と膨出部47の筒状の壁47bの厚さtcとは、例えば略同一であるが、筒状の壁47bの厚さtcが外周カバー部44の厚さt4より薄くてもよい。
インナー部材12の突起部25における軸部25bの長さt2(外フランジ部23の外周面23aから頭部25aに達するまでの半径方向長さ)と、外フランジ部23の外周面23a(外周カバー部44の内周面)からの膨出部47の突出高さhとは、それぞれ外周カバー部44の半径方向の厚さt4の2倍より大きい値、好ましくは3倍以上に大きい値に設定されている。
このように、本実施形態では、インナー部材12の突起部25が、インナー部材12の径方向に突出するとともに、突起部25の先端側の端部である頭部25aが、基端側の部分である軸部25bに対して拡径されている。そして、グロメット本体14の径方向に膨出する膨出部47が、嵌合孔47cに突起部25を貫通させつつ、所要のシール性を発揮し得る程度の締め付け状態で軸部25bに嵌合し、頭部25aに圧接または近接している。
次に、作用を説明する。
上述のように構成された本実施形態のグロメット10においては、グロメット本体14と樹脂製のインナー部材12との結合作業に際して、グロメット本体14の膨出部47内に樹脂製のインナー部材12の突起部25を挿入する作業がなされる。
そして、少なくとも突起部25の先端側で、膨出部47が突起部25の軸部25bに気密的に嵌合する。さらに、膨出部47の先端部47aが頭部25aに圧接するか近接する。
本実施形態では、グロメット本体14でインナー部材12の外フランジ部23を取り囲む結合作業に際して、インナー部材12の突起部25とグロメット本体14の膨出部47とを容易に嵌合させることができ、しかも、両者の結合強度も高まる。また、突起部25が径方向に突出するので、インナー部材12の成形型も簡素で済み、成形が容易になる。さらに、突起部25の頭部25aと膨出部47の先端部47aを軸方向に突き当てて圧接状態にすることができる。その結果、所要のシール機能が発揮されることになる。
ところで、グロメット本体14とインナー部材12の組付けに際して、インナー部材12とグロメット本体14が正規の組合せ位置から相対回転した横ずれ状態で組み付けられ、両者間の摩擦抵抗によりグロメット本体14の弾性変形が残留することがある。
本実施形態では、膨出部47が前述のように縦長に形成されているので、グロメット本体14とインナー部材12の相互組付け時に正規の結合位置から横ずれしても、膨出部47がその基端側を横ずれ方向に拡径させるように弾性変形させる一方で、その先端側ではシール状態を保持する。
すなわち、組付け時に突起部25の基端側で縦長の膨出部47の裾部分と突起部25の間に横ずれ方向に開く隙間gが形成される程度に横ずれが大きくなったとしても、突起部25の先端側では、縦長の膨出部47と突起部25とが所定値以上の接触面圧で気密的に嵌合する封止状態が容易に維持され、所要のシール機能が維持されることになる。
特に、本実施形態では、膨出部47の筒状の壁47bの厚さtcが突起部25の直径d1より小さいので、膨出部47の高さhは、筒状の壁47bの厚さtcの3倍以上となっている。したがって、膨出部47の基端側の径方向の弾性変形が膨出部47の先端側の気密的嵌合部分に実質的に波及しなくなり、インナー部材12とグロメット本体14の横ずれ時における突起部25の先端側のシール機能が安定確保されることとなる。
本実施形態では、また、従来のように、樹脂製のインナー部材12を複数ピースに分割する必要が無く、部品点数も抑えられる。
その結果、グロメット本体14の膨出部47とインナー部材12の突起部25との凹凸係合部分におけるシール性を安定確保できる低コストのグロメット10を提供できる。
このように、本実施形態においては、グロメット本体14と樹脂製のインナー部材12との結合作業が容易で、しかも、グロメット本体14と樹脂製のインナー部材12が正規の結合位置から周方向にずれた横ずれ状態が生じても、グロメット本体14とインナー部材12の凹凸係合部分のシール性を安定確保できる低コストのグロメットを提供することができる。
(比較例)
このような本発明の作用効果をより明確にするために、図8に比較例を示す。
この比較例のグロメット100は、上述の第1の実施の形態のインナー部材12およびグロメット本体14と全体形状において類似するものの、第1の実施の形態における突起部25や膨出部47とは相違する凹凸係合部形状を有するインナー部材112およびグロメット本体114を有している。他の構成については第1の実施の形態と同一または類似である。よって、同一または類似部分については、第1の実施の形態の対応する構成要素の符号を用いて説明する。
図8(a)に示すように、グロメット本体114に対しインナー部材112が組み付けられ、インナー部材112の外フランジ部23から吐出する突起部125の矢先状の頭部125aが,グロメット本体114の外周カバー部44の一部に形成された厚肉筒部147内に挿入されている。
厚肉筒部147は、図8(a)および図8(b)中に点線で示す自由形状に対し、突起部125の軸部125bによって内周部を押し広げられており、厚肉筒部147における突起部125の貫通部分に所要のシール機能が生じるように適当な締め代が設定されている。
ここで、外周カバー部44の半径方向における厚肉筒部147の厚さtaは、グロメット本体14の外周カバー部44の半径方向の厚さt4よりわずかに大きい値、例えば2倍未満の値である。また、突起部125との嵌合状態下での厚肉筒部147の図8(a)中の左右方向における壁厚trは、外周カバー部44の半径方向の厚さt4より大きい値であり、自由形状では厚肉筒部147の厚さta以上の壁厚となるよう設定されている。
この場合、図8(c)および図8(d)に示すように、インナー部材112がグロメット本体114に対し相対的に周方向にずれた横ずれを生じた状態で組み付けられると、厚肉筒部147と突起部125の軸部125bとの間に周方向一方側に開いた隙間gができてしまう。そのため、突起部25の貫通部がグロメット本体114のシールリップ部45より外(車外)側に配置される場合に、グロメット100の防水性やシール性の低下が懸念されることとなる。上述の第1の実施の形態では、そのような問題が解消される。
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態に係るグロメットを示している。
なお、第2の実施の形態は、上述の第1の実施の形態とはグロメット本体の膨出部の形状が相違するものの、他の構成については第1の実施の形態と同一または類似である。したがって、第1の実施の形態と同一または類似する構成については第1の実施の形態中の対応する構成要素の符号を用いつつ、第1の実施の形態との相違点について説明する。
図9に示すように、第2の実施の形態においては、グロメット本体14の膨出部47の筒状の壁47bのうち基端側部分(以下、この部分を基端側筒部47bという)の内径が、突起部25の頭部25aの外径より突起部25の軸部25bの直径に近いものの、締め付けが生じない程度の内径(軸部25bより大径の内径)に設定されている。
一方、膨出部47の筒状の壁47bのうち先端側部分(以下、この部分を先端部47aという)は、第1の実施の形態の場合と同様に、外周カバー部44より半径方向の外側において所定の締め代を設定されており、シール機能を発揮するよう突起部25の軸部25bに気密的に嵌合している。また、膨出部47の先端部47aと突起部25の頭部25aは、所定の接触面圧で接触しているか、非接触状態で近接している。
この場合、膨出部47の基端側筒部47bの筒壁厚さは、グロメット本体14の外周カバー部44の半径方向の厚さt4と同等か、それ以下である。膨出部47の基端側筒部47bに周方向に延びる環状溝を形成して基端側筒部47bを部分的に薄肉にしてもよい。
本実施形態においても第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。しかも、本実施形態では、膨出部47を小径にできるので、グロメットの搭載性が向上する。
なお、上述の各実施形態では、突起部25を略楕円形の横断面形状を有するものとしたが、円柱形、あるいは楕円形以外の非円形形状の横断面を有するものであってもよいことはいうまでもない。また、上述の各実施形態では、突起部25および膨出部47がグロメット10およびインナー部材12の半径方向に突出するものとしたが、これらをインナー部材の外フランジ部の板厚方向に突出させたり、傾斜もしくは湾曲させたりすることも考えられる。外フランジ部23の周方向に離間する複数の突起部25を設けてもよいことも勿論である。
また、第2の実施の形態では、膨出部47の基端側筒部47bは、突起部25の軸部25bに圧接しないものとしたが、突起部25の軸部25bに対して先端部47aの締め代や締付け力を、基端側筒部47bでの締め代や締付け力より十分に大きい値(例えば、3倍以上の値)に設定して、膨出部47の基端側筒部47bを突起部25の軸部25bに圧接させるようなことも考えられる。
以上説明したように、本発明は、グロメット本体と樹脂製のインナー部材との結合作業が容易で、しかも、グロメット本体と樹脂製のインナー部材が正規の結合位置から周方向にずれた横ずれ状態が生じても、グロメット本体とインナー部材の凹凸係合部分のシール性を安定確保できる低コストのグロメットを提供することができる。かかる本発明は、ワイヤハーネスの電線群が通るパネルの開口をシールするグロメット全般に有用である。
1 車体パネル
3 開口縁部
10 グロメット
12 インナー部材
14 グロメット本体
21 筒状部
22 係止部
22a 係止爪
23 外フランジ部
23a 外周面(周壁面)
25 突起部
25a 頭部
25b 軸部
44 外周カバー部(グロメット本体の周壁)
45 シールリップ部
46 環状板部
47 膨出部
47a 先端部(筒状の壁のうち先端側部分)
47b 筒状の壁(基端側筒部)
47c 嵌合孔
D 膨出部の外径
h 高さ(膨出部の半径方向の高さ)
t2 長さ(突起部の軸部の長さ)
t4 厚さ(グロメット本体の外周カバー部の半径方向の厚さ)
W ワイヤハーネスの電線群

Claims (4)

  1. 弾性を有する筒状のグロメット本体に樹脂製のインナー部材を組み合わせたグロメットであって、
    前記インナー部材が、前記グロメット本体の周壁を貫通するように突出する少なくとも1つの突起部を有するとともに、
    前記グロメット本体が、少なくとも前記突起部の先端側で前記突起部に気密的に嵌合するよう前記グロメット本体の前記周壁から前記突起部と同じ方向に膨出する嵌合孔付きの膨出部を有しており、
    前記インナー部材の周壁面からの前記突起部の突出方向における前記膨出部の高さが、前記突出方向と直交する方向における前記膨出部の外径より大きくなっていることを特徴とするグロメット。
  2. 前記膨出部の筒状の壁の厚さが前記突起部の直径より小さいことを特徴とする請求項1に記載のグロメット。
  3. 前記インナー部材と前記グロメット本体が正規の組合せ位置から最大組付け誤差相当の所定角度だけ相対回転したとき、前記突起部の先端側では、前記膨出部および前記突起部が気密的に嵌合する一方、前記突起部の基端側では、前記膨出部と前記突起部の間に前記相対回転の方向に開く隙間が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグロメット。
  4. 前記インナー部材の前記突起部が前記インナー部材の径方向に突出するとともに、前記突起部の前記先端側の端部が前記突起部の前記基端側の部分に対して拡径された頭部を構成しており、
    前記グロメット本体の前記膨出部が、前記グロメット本体の径方向に膨出するとともに前記頭部に接触していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のグロメット。
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