JP2016045155A - 破砕体回収方法 - Google Patents

破砕体回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016045155A
JP2016045155A JP2014171380A JP2014171380A JP2016045155A JP 2016045155 A JP2016045155 A JP 2016045155A JP 2014171380 A JP2014171380 A JP 2014171380A JP 2014171380 A JP2014171380 A JP 2014171380A JP 2016045155 A JP2016045155 A JP 2016045155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
crushed
water
debris
guide pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014171380A
Other languages
English (en)
Inventor
小林 俊雄
Toshio Kobayashi
俊雄 小林
雅洋 中村
Masahiro Nakamura
雅洋 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Drilling Co Ltd
Original Assignee
Japan Drilling Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Drilling Co Ltd filed Critical Japan Drilling Co Ltd
Priority to JP2014171380A priority Critical patent/JP2016045155A/ja
Publication of JP2016045155A publication Critical patent/JP2016045155A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)

Abstract

【課題】原子炉内に堆積した燃料デブリの破砕により生成された燃料デブリの破砕体を安全に回収する破砕体回収方法を提供する。
【解決手段】燃料デブリの破砕体に向けてポンプ用ガイドパイプおよびデブリ回収用ガイドパイプを垂下させ、ポンプ用ガイドパイプに案内させて、破砕体を取り巻く水に流れを生じさせるポンプ38を吊り下ろすとともに、破砕体のうちの水に混入して流れる粉体29bを捕集するバスケット39をデブリ回収用ガイドパイプに案内させて吊り下ろし、ポンプ38を作動させることにより破砕体を取り巻く水に粉体29bを巻き込んでバスケット39に導く流れを生じさせることにより、粉体29bをバスケット39に捕集させ、バスケット39をデブリ回収用ガイドパイプに案内させて引き上げる。
【選択図】図16

Description

本発明は、原子炉内に堆積した燃料デブリの破砕により生成された燃料デブリの破砕体を回収する破砕体回収方法に関する。
核燃料のメルトダウンにより原子炉格納容器内底部に堆積した燃料デブリを除去する技術の開発が大きな課題となっている。原子炉格納容器内においては、高線量(オペレーションフロアー線量:〜880mSu/h)のため、燃料デブリへのアクセスが極めて困難となっており、燃料デブリの性状に応じて多様な作業を遠隔実施することが必要となる。
このため、遠隔操作ロボットが検討されている。遠隔操作ロボットには、無線操縦のタイプと有線操縦のタイプがあるが、無線操縦の遠隔操作ロボットの場合、障害物の多い場所では電波が届かず操作が出来なくなるという問題がある。一方、有線操縦の遠隔操作ロボットは、障害物があるとケーブルの取扱いが問題となる。このため、燃料デブリを加工ないし除去するための装置をその燃料デブリ近傍まで如何にして搬入するかが課題となる。また、遠隔操作ロボットには高度な電子回路技術が組み込まれることが多い。しかしながら、そういった電子回路を高線量から防護して長期間使用し続けるには耐久性について大きな課題が残る。
また、燃料デブリを取り出すには、冠水工法と気中工法のうちの冠水工法で行なうのが作業被ばく低減の観点から最も確実であるとされている。冠水工法は、燃料デブリの切断や破砕と安全な容器への収納との双方を水中で行なう工法である。一方、気中工法は、それらのうちの一方あるいは双方を気中で行なう工法である。
冠水工法を実行するには、原子炉の圧力容器やその下にあるコンクリートペデスタル内を水で満たすことが好ましい。しかしながら水の洩出を完全に抑えるのが難しく、強引に注水し続けると放射能で汚染された水を大量に増やすことにもなりかねない。
ここではこのような新規な課題に取り組んでいるため、従来技術として適当なものはほとんど皆無と思われるが、ここでは、COレーザによる水中岩石掘削技術を挙げておく(特許文献1)。この技術を応用すれば、水中にある燃料デブリを破砕することができると考えられる。
特開2008−183737号公報
本発明は、上記事情に鑑み、原子炉内に堆積した燃料デブリの破砕により生成された燃料デブリの破砕体を安全に回収する破砕体回収方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の破砕体回収方法のうちの第1の破砕体回収方法は、原子炉内に堆積した燃料デブリの破砕により生成された燃料デブリの破砕体を回収する破砕体回収方法であって、
破砕体に向けて第1のパイプおよび第2のパイプを垂下させ、
第1のパイプに案内させて、破砕体を取り巻く流体に流れを生じさせる動力源を吊り下ろすとともに、破砕体のうちの流体に混入して流れる破砕粉を捕集するバスケットを第2のパイプに案内させて吊り下ろし、
上記動力源を作動させることにより破砕体を取り巻く流体に破砕粉を巻き込んで上記バスケットに導く流れを生じさせて、破砕粉を該バスケットに捕集させ、
バスケットを第2のパイプに案内させて引き上げることを特徴とする。
また、本発明の破砕体回収方法のうちの第2の破砕体回収方法は、原子炉内に堆積した燃料デブリの破砕により生成された燃料デブリの破砕体を回収する破砕体回収方法であって、
破砕体に向けて垂下させる第1のパイプおよび第2のパイプの上部に、破砕体のうちの、第1のパイプおよび第2のパイプを垂下させた先に堆積している破砕体を取り巻く流体に混入して流れる破砕粉を捕集する捕集部を備えて第1のパイプから第2のパイプへと受け渡す流体流路を設置し、
第1のパイプおよび第2のパイプを破砕体に向けて垂下させ、
第1のパイプに案内させて、破砕体を取り巻く流体を第1のパイプ内に汲み上げる動力源を吊り下ろし、
動力源を作動させることにより、破砕体を取り巻く流体に破砕粉を巻き込み、その流体を第1のパイプ内に取り込んで上昇させ、その流体を捕集部を経由させることにより破砕粉を捕集部に捕集させ、流体を第2のパイプに導いて破砕体の堆積部に還流させることを特徴とする。
本発明の第1および第2の破砕体回収方法によれば、人間が容易に近づくことができない環境下であっても、パイプに案内させることで破砕粉を安全に回収することができる。
なお、本発明にいう流体は、水であってもよく空気であってもよい。
ここで、本発明の第1の破砕体回収方法において、
第1のパイプおよび第2のパイプの垂下に先立って、動力源を作動させることにより生じた流体の流れを、その流体に破砕粉を巻き込んでバスケットに導くように誘導するデブリ捕集装置を、
第1のパイプおよび第2のパイプの下端部に設置し、第1のパイプおよび第2のパイプの垂下にあたっては、第1のパイプおよび第2のパイプを、デブリ捕集装置とともに垂下させることが好ましい。
このようなデブリ捕集装置を設置してパイプと一緒に垂下させることで、より効率の良い破砕粉の回収が可能となる。
また、本発明の第1および第2の破砕体回収方法において、
第1のパイプおよび第2のパイプの垂下に先立って、第1のパイプおよび第2のパイプの途中において第1のパイプおよび第2のパイプそれぞれを開放自在に閉鎖し第1のパイプおよび第2のパイプそれぞれを通過する気体および水の流れを遮断する第1の気・水遮断バルブおよび第2の気・水遮断バルブを設置し、
第1のパイプおよび第2のパイプの垂下にあたっては、第1のパイプおよび第2のパイプを、第1の気・水遮断バルブおよび第2の気・水遮断バルブとともに垂下させることが好ましい。
このような気・水遮蔽バルブを設置してパイプと一緒に垂下させることで、必要に応じて気・水遮蔽バルブを作動させながら、破砕粉の一層安全な回収が可能となる。
さらに、本発明の第1および第2の破砕粉回収方法において、
上記破砕体のうちの、流体の流れへの巻込みを免れるサイズの小片を把持するマニピュレータを、第1のパイプおよび第2のパイプのうちのいずれかのパイプに送り込み、
マニピュレータに上記小片を把持させ、
小片をに把持した状態のマニピュレータを、マニピュレータを送り込んだパイプに案内させながら引き上げることが好ましい。
こうすることで、流体の流れに巻き込まれる破砕粉だけでなく、その破砕粉を越えるサイズの小片についても、安全に引き上げることができる。
また、本発明の第1および第2の破砕粉回収方法において、
原子炉上部に、底に第1のパイプおよび第2のパイプをそれぞれ通過させる第1の貫通孔および第2の貫通孔が形成されるとともに、底部に第1の貫通孔および第2の貫通孔それぞれに連通するように設置され、第1のパイプおよび第2のパイプそれぞれを通過させ第1のパイプおよび第2のパイプそれぞれを囲繞して第1のパイプおよび第2のパイプそれぞれの周りからの気体および水の洩れを防止する第1の気・水遮断装置および第2の気・水遮断装置を備えた水槽を設置し、
第1のパイプおよび前記第2のパイプの垂下にあたっては、第1の貫通孔および第2の貫通孔それぞれを通過させた第1のパイプおよび第2のパイプを垂下させることが好ましい。
原子炉上部に上記の水槽を設置すると、その水槽内の水で放射能が遮蔽され、また、その水槽内で、燃料デブリの破砕体を安全な容器に収納することなどの放射能遮蔽処理を行なうことができ、破砕体の一層安全な回収を行なうことができる。
さらに、本発明の第1および第2の破砕体回収方法において、
鉛直方向に延びる回転中心線の周りに回転自在であって、第1のパイプおよび第2のパイプをさらに下方へと通過させる通路を有し、さらに、その通路を通過した第1のパイプおよび第2のパイプのうちの少なくとも第2のパイプを半径方向に移動させる移動機構を備えた支持装置を設置し、
第1のパイプおよび第2のパイプの垂下にあたっては、上記通路を通過させた第1のパイプおよび第2のパイプを垂下させることが好ましい。
上記の支持装置を設置すると、パイプを広範囲に移動させることができ、広い領域内の破砕粉を回収することができる。
以上の本発明によれば、燃料デブリの破砕体を安全に回収することができる。
燃料デブリ回収システムの第1例の全体構成を示す模式図である。 燃料デブリ回収システムの主要部を懸架する懸架装置の模式図である。 原子炉の上部に搬送された状態の燃料デブリ回収システムを示した模式図である。 原子炉に設置された状態の燃料デブリ回収システムを示した図である。 原子炉の上に設置され、かつ水槽に水が溜められた状態の模式図である。 図1に示す矢印A−A’に沿う、上段の支持装置の模式横断面図である。 2段の支持装置の模式縦断面図である。 可撓性ガイドパイプに挿入されてCOレーザ光を伝送する伝送ラインの構造を示した模式図である。 破砕された燃料デブリの回収時の走査方法を示した模式図である。 COレーザ光照射による燃料デブリ破砕のイメージ(A)、および燃料デブリ破砕の、走査領域および回収領域のイメージ(B),(C)を示した図である。 水槽底部に設置される気・水遮蔽装置の第1例を示した模式図である。 気・水遮蔽装置の第2例を示した模式図である。 気・水遮蔽装置の第3例を示した模式図である。 パイプを接続する手順を示した模式図である。 破砕後の燃料デブリを運び上げるときの水槽内の様子を示した模式図である。 破砕した燃料デブリ回収時における圧力容器底部の様子を示した模式図である。 デブリ回収バスケットの設置方法および回収方法の説明図である。 破砕後の燃料デブリの小片を引き上げるときの水槽内の様子を示した模式図である。 破砕後の燃料デブリの小片を引き上げる際の圧力容器底部の様子を示した模式図である。 別例における、破砕された燃料デブリ回収時の水槽内の様子を示した模式図である。 別例における、破砕した燃料デブリ回収時における圧力容器底部の様子を示した模式図である。 別例における、破砕した燃料デブリの小片を回収する際の、水槽内の様子を示した模式図である。 別例における、破砕した燃料デブリの小片を回収する際の、圧力容器底部の様子を示した模式図である。 圧力容器の底部の開削時の、その底部を示した模式図である。 開削中の圧力容器の底を上方向から見て示した図である。 図25における矢印X−Xに沿う拡大断面図である。 圧力容器底部開削の別例における、圧力容器底部を示した模式図である。 圧力容器底部を開削した後のコンクリートペデスタル底部に堆積した燃料デブリ回収時の様子を示した模式図である。 燃料デブリ回収システムの第2例を示した図である。 燃料デブリ回収システムの第3例を示した図である。 図30に示す第3例の燃料デブリ回収システムにおける、圧力容器底部の様子を示した模式図である。 乾燥状態の圧力容器内の燃料デブリの回収方法の一例を示した図である。
以下では、本発明の一形態としての破砕体回収方法の実施を含む、燃料デブリ回収システムについて説明する。
東京電力福島第一発電所原子炉内において、圧力容器底部や、圧力容器を支持するコンクリートペデスタル内底部に、核燃料が溶融し流れて固まった燃料デブリがある。この燃料デブリを放置する事は、将来の安全の観点から好ましい事ではない。そのため燃料デブリを回収して安定化させる事が必要である。圧力容器を冠水状態にして燃料デブリの破砕、収納を行うのが作業被ばくの低減の観点から最も安全であるが、圧力容器の破損により漏水があり、これを補修する事ができない事が予想される。その場合、放射線量の高い雰囲気がアクセスを困難にするため、燃料デブリ取り出し作業が危険に晒されるおそれがあるという課題がある。このため放射能線量の低い作業環境を作り出し、安全度の高い状態で燃料デブリを取り出す事が急務である。燃料デブリは強い放射能を放っており、人間が近づける状態にない。このため、遠隔操作技術を駆使して燃料デブリを回収する手法が必要となる。
以下に、本発明の技術分野と直接に関連する技術分野とは異なるものの、本発明の一形態としての破砕体回収方法の実施を含むシステムを構築するのに好適な、いくつかの技術を紹介する。
人間の近付けない場所にある地下資源を掘削採取する場合、遠隔操作機器を利用して行われている。例えば、海洋石油掘削では、BOPと称する暴墳防止装置(気・水遮蔽装置)が使われている。この暴墳防止装置は、海底に設置され、洋上の掘削船上からの井戸の掘削中に、石油,ガス,水蒸気等が噴出してきた場合は、遠隔操作により海底に設置された暴墳防止装置のバブルを閉め、暴墳による事故を防止している。
また、地熱井掘削作業では、高温の水蒸気の発生が不可避である。地熱井の掘削作業は、ドリルパイプ(岩盤掘削用パイプ)を回転させながら降下させる必要がある。この時、高温の水蒸気が地下から吹き上げてくる。そこで作業の安全を確保するため、ロータリシール装置を使用している。この装置は、その内部にドリルパイプを貫通させた状態でシールする機能があり、ドリルパイプの降下・回転中でも高温の水蒸気の噴出を防ぐ事ができる装置である。
さらに、COレーザによる水中岩石掘削技術がある(前掲の特許文献1参照)。
この技術は、レーザ照射により石英ガラスや二酸化珪素が溶融ドロスとなって析出しても穿孔が可能な方法を提供する。加工物のレーザ照射位置に、レーザ発振装置から波長2.0μm以上で液体への吸収率の大きいレーザ光、例えば、COレーザ光を液体を通って照射し、液体中に発生する微細な泡の進行流の泡中に生ずる高圧力により、溶融ドロスを飛散させて岩石に穿孔等の加工を施す。このレーザ光による水中岩石穿孔技術は、反力の小さい技術であるため遠隔操作により人の近付けない箇所での加工に適しており、原子炉内圧力容器底部に存する燃料デブリ除去技術として利用される可能性がある。
以上の視点を踏まえ、本発明の一形態としての破砕体回収方法を適用した燃料デブリ回収システムについて説明する。
図1は、本発明の一形態として破砕体回収方法の実施を含む、燃料デブリ回収システムの第1例の全体構成を示す模式図である。
ここでは、燃料デブリ回収システム1が原子炉2に設置された状態が示されている。
原子炉2は、圧力容器21と、その圧力容器21を下から支えるコンクリートペデスタル22を有する。それら圧力容器21の底部およびコンクリートペデスタル22の底部には、核燃料が溶融して固まった燃料デブリ29が堆積している。
また、ここに示す例では、圧力容器21の底部およびコンクリートペデスタル22の底部には、それぞれ水Wが溜まっていて、燃料デブリ29は、その溜まっている水Wに浸されている。
一方、ここに示す燃料デブリ回収システム1は、水槽10を備えている。この水槽10は、本発明にいう水槽の一例に相当する。この水槽10内は水Wで満たされている。この水槽10は、台座11の上に、ボールベアリング12を挟んで設置されている。台座11は、圧力容器21の上部に固定的に設置される。水槽10は、その上部に円環形状のギア13を備えている。このギア13は、モータ31の回転軸31aに固定されたギア32と噛み合っている。すなわち、この水槽10は、モータ31の回転駆動力により、鉛直に延びるドライビングパイプ41を回転中心線として矢印X−X方向に回転する。ただし、ドライビングパイプ41は、水槽10の回転には関与していない。このドライビングパイプ41については後述する。なお、この水槽10の回転は、ゆっくりとその角度を調整するための回転である。
この水槽10を取り囲むように換気設備35を備えた隔壁36が設置されている。さらにこの隔壁36の上部には、水槽10の周りに隔壁36とともに閉空間を形成する、開閉自在なスライディングドア37が設置されている。
原子炉2からの上部への放射能洩れは、水槽10に満たされた水Wでブロックされ、さらに、隔壁36およびスライディングドア37でブロックされて、その外側はかなり安全な環境に保たれている。
水槽10の底には、本実施形態では4つの貫通孔が設けられていて、それらの貫通孔それぞれを、上述したドライビングパイプ41、可撓性ガイドパイプ42、ポンプ用ガイドパイプ43、およびデブリ回収用ガイドパイプ44が通過して圧力容器21内に延びている。これらのパイプ41〜44のうち、可撓性ガイドパイプ42は、可撓性のある、もともと十分な長さに形成されたパイプである。ドライビングパイプ41、ポンプ用ガイドパイプ43、およびデブリ回収用ガイドパイプ44は、後述するようにして複数本繋ぎ合わされたパイプである。また、可撓性に関しては、ポンプ用ガイドパイプ43およびデブリ回収用ガイドパイプ44も、図9を参照して説明する程度には可撓性を有するパイプである。ドライビングパイプ41については、本実施形態では可撓性は特には不要であるが、可撓性を有するパイプであってもよい。また、水槽10の底部には、各貫通孔それぞれに連通するように気・水遮蔽装置51〜54が備えられている。これらの気・水遮蔽装置51〜54は、各パイプ41〜44のそれぞれを通過させて各パイプ41〜44のそれぞれを囲繞し、各貫通孔の各パイプ41〜44の囲りからの空気および水の洩れを防止する装置である。これらの気・水遮蔽装置51〜54は、石油,天然ガス,地熱井掘削時に用いられている装置として実績のある原理が適用されている装置である。気・水遮蔽装置51〜54の詳細構造については後述する。
ここで、ポンプ用ガイドパイプ43およびデブリ回収用ガイドパイプ44は、本発明にいう、それぞれ第1のパイプおよび第2のパイプの各一例である。また、これに対応して、水槽10の底に設けられている貫通孔のうちの、ポンプ用ガイドパイプ43が貫通している貫通孔は、本発明にいう第1の貫通孔の一例に相当し、デブリ回収用ガイドパイプ44が貫通している貫通孔は、本発明にいう第2の貫通孔の一例に相当する。さらに、それらに対応して、ポンプ用ガイドパイプ43およびデブリ回収用ガイドパイプ44のそれぞれを囲繞している気・水遮蔽装置43,44は、本発明にいう、それぞれ第1の気・水遮蔽装置および第2の気・水遮蔽装置の各一例に相当する。
ドライビングパイプ41は、水槽よりも下方に設置されている支持装置60の中央に固定されている。この燃料デブリ回収システム1では、支持装置60は、上下2段に設置されている。
これら上下2段の支持装置60のうちの上段側の支持装置60は、本発明にいう支持装置の一例に相当する。
上下2段の支持装置60は、その周縁部分に複数本のアーム611を備えている。それらのアーム611は、圧力容器21の内壁(図27に示すコンクリートペデスタル22の内壁の場合もある)に油圧で押し当てられて、その支持装置60をその高さ位置に固定する役割を担っている。また、この支持装置60の周縁を除く部分は、回転自在な回転支持体62として構成されている。ドライビングパイプ41は、支持装置60の回転支持体62の中央に固定されている。ドライビングパイプ41の上部は、スライディングドア37の上に設置されたモータ33の回転軸33aに連結された回転駆動装置34に連結されている。この回転駆動装置34は、モータ33の回転駆動力を受けて、ドライビングパイプ41を、そのドライビングパイプ41が延びる鉛直軸の回り(図示の矢印Y方向)に回転する。これにより、このドライビングパイプ41が固定されている、支持装置60の回転支持体62が、そのドライビングパイプ41を回転軸として回転する。この回転支持体62の回転も水槽10の回転と同様、ゆっくりした角度調整の回転である。
2段に設けられた支持装置60の回転支持体62は、可撓性ガイドパイプ42、ポンプ用ガイドパイプ43、およびデブリ回収用ガイドパイプ44を更に下方へ通過させる通路を有し、それらのパイプ42〜44は支持装置60よりも更に下方へと延びている。
可撓性ガイドパイプ42は、COレーザ光を伝送する伝送ライン71を案内するガイドパイプである。この伝送ライン71の後端はCOレーザ発振器70に接続されていて、COレーザ発振器70から出射したCOレーザ光が伝送ライン71に入射される。伝送ライン71に入射したCOレーザ光はその伝送ライン71により伝送され、その伝送ライン71の下端部に備えられた照射ノズル72から水中の燃料デブリ29に向けてCOレーザ光Lが照射される。燃料デブリ29は、COレーザ光Lというエネルギーを受けて破砕される。
また、ポンプ用ガイドパイプ43には、上方からポンプ38が導入され、下方に吊り降ろされる。ポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44の下端部には、破砕された燃料デブリを捕集する捕集装置80が備えられている。この捕集装置80は、本発明にいうデブリ捕集装置の一例に相当する。
ポンプ用ガイドパイプ43内を下降してきたポンプ38は、その捕集装置80の一構成部品となる。このポンプ38は、故障等による交換の必要性を生じるため、捕集装置80に固定的に配置しておくのではなく、ポンプ用ガイドパイプ43に案内させながら上に引き上げて交換できるようにしている。このポンプ38は、本発明にいう動力源の一例に相当する。
また、デブリ回収用ガイドパイプ44には、上方からデブリ回収バスケット39が下方に降ろされて捕集装置80内に配置される。そして、COレーザ光Lにより燃料デブリ29を破砕した後、その破砕された燃料デブリがポンプ38による水流とともにデブリ回収バスケット39に送り込まれる。このデブリ回収バスケット39は、燃料デブリ29の細かな粉体をその中に閉じ込めて水だけを流し出す構造のものである。したがって燃料デブリの粉体は、ポンプ38による水流とともにデブリ回収バスケット39内に運ばれて、そのデブリ回収バスケット39内に収集される。この燃料デブリの粉体が収集されたデブリ回収バスケット39は、デブリ回収用ガイドパイプ44の中を上方に引き上げられる。このデブリ回収バスケット39は、本発明にいうバスケットの一例に相当する。
また、この図1には、重量物を吊り下げて搬送する搬送装置81、ポンプ38を吊り下げるポンプケーブル82、ポンプケーブルリール83、ワイヤラインホイスト84、および格納コンテナ85が示されている。格納コンテナ85は、水槽10内にまで運び上げられてその水槽10内で放射能遮蔽処理(容器等への封入)が行なわれた燃料デブリを一時的に水中に格納しておく設備である。
また、この図1や後述する各図において、油圧ラインについての図示および説明は省略されている。油圧ラインに関しては、他のパイプ41〜44と同様にして、水槽10の底を通過するように油圧ライン用のパイプを設置し、そのパイプの中を通過するように油圧ラインを配設してもよい。あるいは、油圧ラインは、台座11内を通過するように構成してもよい。
次に、この燃料デブリ回収システム1の初期の設置方法の一例を説明する。
図2は、燃料デブリ回収システムの主要部を懸架する懸架装置の模式図である。図2(A)は、懸架装置100のみを示しており、図2(B)は、燃料デブリ回収システム1の主要部を懸架した状態の懸架装置100を示している。
この燃料デブリ回収システム1は、水槽10や支持装置60等の主要部が、安全な場所で組み立てられる。またここには、図示を省略したが、水槽10を突き抜けるパイプ41〜45なども、少なくとも下部の一部が組み立てられている。
この懸架装置100は、上下2段の把持部101,102を備えていて、これらの把持部101,102は、燃料デブリ回収システム1の主要部(以下、主要部のみの場合も、燃料デブリ回収システム1と称する)を懸架する前は、図2(A)に示す矢印Aの向きに移動させておく。そして、組み立てられた燃料デブリ格納システム1の上に降下させ、把持部101,102を図2(B)に示す矢印B方向に移動させて、燃料デブリ回収システム1を周囲から把持する。そしてその懸架装置100を上昇させて燃料デブリ回収システム1を吊り上げ、今度はその燃料デブリ回収システム1を原子炉の上部に搬送する。
図3は、原子炉の上部に搬送された状態の燃料デブリ回収システムを示した模式図である。
また、図4は、原子炉に設置された状態の燃料デブリ回収システムを示した図である。
ここでは、隔壁35とスライディングドア37が上下2段に積み重ねられている。燃料デブリ回収システム1が懸架装置100に把持されて原子炉2の上方にまで搬送されると。2段のスライディングドア37のうちの上段のスライディングドア37を開放し、下段のスライディングドア37の直上にまで下降させる。下段のスライディングドア37と上段のスライディングドア37との間の間隔は、懸架装置100とその懸架装置100に把持された燃料デブリ回収システム1とを合わせた高さ寸法以上となっている。
懸架装置100を図3に示す位置まで下降させると、上段のスライディングドア37が閉じられて、次に下段のスライディングドア37が開放される。そして懸架装置100をさらに下降させて、燃料デブリ回収システム1を原子炉2に設置する。その後、懸架装置100は、把持していた燃料デブリ回収システム1を開放し、図4に示すように、その燃料デブリ回収システム1を原子炉2に載せたまま、懸架装置100のみ上下2段のスライディングドア37の中間の位置まで持ち上げられる。その後、下段のスライディングドア37が閉じられ、上段のスライディングドア37が開かれて、懸架装置100がさらに上に持ち上げられ、保管場所(不図示)に搬送される。
図5は、原子炉の上に設置され、かつ水槽に水が溜められた状態の模式図である。
この燃料デブリ回収システム1は、原子炉2の上に図4に示すように設置され、その後、図5に示すように水槽10に水が溜められる。
なお、図3〜図5では、隔壁35およびスライディングドア37が上下2段に重ねられた構造であるが、燃料デブリ回収システム1を原子炉2の上に設置して水槽10に水を溜めた後、不要の場合は、上段の側の隔壁35とスライディングドア37は取り外してもよい。
以下、本実施形態の燃料デブリ回収システム1の各構成要素について詳細に説明する。
図6は、図1に示す矢印A−A’に沿う、上段の支持装置の模式横断面図である。
また、図7は、2段の支持装置の模式縦断面図である。
この支持装置60は、固定リング61と回転支持体62を備えている。固定リング61は、油圧で伸縮する4本のアーム611を備えている。なお、油圧ラインについては図示を省略している。これらのアーム611は、4方に延びて圧力容器21(あるいはコンクリートペデスタル22)の内壁に突き当たり、突っ張ることによりこの支持装置60をその高さ位置に固定する役割りを担っている。
また、この固定リング61は、回転支持体62を回転自在に支持している。
この回転支持体62は、その中心にドライビングパイプ41を貫通させる通路631、可撓性ガイドパイプ42を通過させる通路632、および、ポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44の双方を通過させる通路633が設けられている。
ドライビングパイプ41は、回転支持体62の通路631の上部に設置されている着脱装置411により、回転支持体62に着脱自在に固定されている。ドライビングパイプ41は、図3を参照して説明した通り、上部に設置されているモータ33により回転駆動される。ドライビングパイプ41が回転支持体62に固定されている状態にあるときにドライビングパイプ41が回転駆動されると、それに伴って回転支持体62も矢印R−R’方向に回転する。この回転支持体62の回転は、前述の通り、回転支持体62の角度調整用のゆっくりとした回転であり、一回転分の回転が行なわれれば十分である。
なお、以下では、指示装置60の回転支持体62の回転について、回転支持体62の回転であることを明記せずに、指示装置60の回転と称することがある。
可撓性ガイドパイプ42は、ポジショナ651に支持されて通路632を通過している。また、これと同様に、ポンプ用ガイドパイプ43およびデブリ回収用ガイドパイプ44は、それぞれポジショナ652,653に支持されて、双方のパイプ43,44が通路633を通過している。ポジショナ651〜653は、いずれもX−X’方向、すなわち回転中心であるドライビングパイプ41に接離する半径方向に移動可能である。すなわち、これらのパイプ42〜44は、支持装置60の、図6に示す矢印R−R’方向の回転と、ポジショナ651〜653の、矢印X−X’方向(半径方向)への移動により、圧力容器21(またはコンクリートペデスタル22)の底部の任意の位置に移動し、燃料デブリの破砕および回収を行なうことができる。
ここで、前述の通り、上下2段の支持装置60のうちの上段の支持装置60は、本発明にいう支持装置の一例に相当する。また、ポジショナ653は、本発明にいう移動機構の一例に相当する。
図7に示すように、ポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44の下部には、破砕された燃料デブリを捕集する捕集装置80が備えられている。ポンプ用ガイドパイプ43からはポンプ38が吊り降ろされ、デブリ回収用ガイドパイプ44からはデブリ回収バスケット39が吊り降ろされる。
また、ポジショナ652,653の移動により、ポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44との間の間隔は可変となっている。このため、この捕集装置80では、ポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44との間は伸縮自在なパイプあるいは少し長めに弛ませたゴムホース等で繋がれている。
本実施形態では上下2段の支持装置60を備えており、図7に示すように、ポジショナ651〜653は、上段の支持装置60に備えられている。ただし、下段の支持装置60にもパイプ42〜44を通過させる通路632,633が形成されている。このため、上段の支持装置60のポジショナ651〜653が矢印X−X’方向に移動すると、パイプ42〜44は、下段の支持装置60に妨げられることなく、上段の支持装置651〜653のポジショナ651〜653に移動に応じて移動する。
一方、下段のポジショナ60には、気・水遮断バルブ651,652が設置されている。これらの気・水遮断バルブ651,652は、それぞれ、ポンプ用ガイドパイプ43およびデブリ回収用ガイドパイプ44による通路を開放自在に遮断するバルブである。これらの気・水遮断バルブ651,652は、本発明にいう、それぞれ、第1の気・水遮断バルブおよび第2の気・水遮断バルブの各一例に相当する。
ポンプ38やデブリ回収バスケット39を下に降ろす際は、水槽10(図1参照)中でポンプ38やデブリ回収バスケット39をポンプ用ガイドパイプ43やデブリ回収用ガイドパイプ44内に差し入れ、それらのパイプ43,44の上端部が塞がれる。水槽10内の水がパイプ43,44を通って流れ落ちてしまわないようにするためである。この場合、多少の水の洩れは問題ない。次に気・水遮断バルブ651,652が開かれる。すると、パイプ43,44の水は下に流れ落ちる。ポンプ38やデブリ回収バスケット39を下に降ろした後、気・水遮断バルブ651,652が閉じられる。デブリ回収バスケット39内には後述するようにして破砕された燃料デブリが収集される。また、ポンプ38も寿命があるため引き上げて新たなポンプに交換する必要が生じる。引き上げる際は、ポンプ38は放射能に汚染されており、デブリ回収バスケット39内には破砕された燃料デブリが収集されている。したがって、放射能に対する安全対策を万全にして引き上げる必要がある。そこで以下の手順が採用される。このときも、パイプ43,44の上部を閉じておいて気・水遮断バルブ651,652が開放される。すると、パイプ651,652内の水は下に流れ落ちる。ポンプ38やデブリ回収バスケット39を気・水遮断バルブ651,652の直上まで引き上げて気・水遮断バルブ651,652を閉じ、パイプ43,44に水を満たす。その後、ポンプ38やデブリ回収バスケット39が水槽10の中にまで引き上げられる。こうすることにより、ポンプ38やデブリ回収バスケット39を安全に引き上げることができる。
図8は、可撓性ガイドパイプに挿入されてCOレーザ光を伝送する伝送ラインの構造を示した模式図である。
この伝送ライン71には、外筒711が備えられており、この外筒711には曲がり部711aが設けられている。この曲がり部711aは、この外筒711をどの向きにも曲げることができる構造となっている。
外筒711の中にはレーザ伝送管712が配置され、支持部材713に支持されている。ここには、レーザ伝送管712が2本示されており、それら2本のレーザ伝送管712は、曲がり部711aで終端している。そしてこれら2本のレーザ伝送管712の端部どうしの間には、1本のレーザ伝送管712から出射されたレーザ光を反射してもう1本のレーザ伝送管に入射する、2つの反射ミラーからなる結合光学系714が備えられている。これにより、外筒711の曲がり部711aおよび結合光学系714からなる可撓性ジョイントが構成され、図8(B),(C)ように自在に曲げることができ、かつ曲げた状態においても1本のレーザ伝送管712からもう1本のレーザ伝送管712へとCOレーザ光Lを伝送することが可能となっている。
このように、この伝送ライン71は、図8に示すような、外筒711に所定のピッチで曲がり部711aが設けられ、レーザ伝送管712と結合光学系714が交互に配置された構造の伝送ラインである。
また、この伝送ライン71の先端には、伝送ライン71によって伝送されてきたCOレーザ光Lを受け取ってそのCOレーザを燃料デブリに照射するレーザ照射ノズル72(図1および後述する図10参照)が備えられている。
この伝送ライン71を使ってCOレーザ光を伝送させる際は、そのCOレーザ光のエネルギーに起因する過度な温度上昇を抑えるために、外筒711の内側、あるいは、その伝送ライン71が通過する可撓性ガイドパイプ42に水が供給され、水で冷却させながら、COレーザ光の伝送、すなわち燃料デブリの破砕が行われる。
ここでは、可撓性ガイドパイプ42、上述の伝送ライン71(その伝送ライン71の先端のノズル72を含む)、およびCOレーザ発振器70の組合せを、燃料デブリ29を破砕する破砕装置と称する。
また、詳細説明は後に譲るが、ポンプ用ガイドパイプ43、デブリ回収用ガイドパイプ44を含む、破砕後の燃料デブリ29を図1に示す水槽10内に運び上げる装置を運上装置と称する。
さらに、それら破砕装置と運上装置を含む、燃料デブリ29を破砕して回収する装置全体を、回収装置と称する。
図9は、破砕された燃料デブリの回収時の走査方法を示した模式図である。
図7を参照して説明した通り、ポンプ用ガイドパイプ43およびデブリ回収用ガイドパイプ44は、各ポジショナ652,653に支持されていて、それらのポジショナ652,653は、半径方向(矢印X−X’方向)に移動する。この図9では、デブリ回収用ガイドパイプ44について、実線と一点鎖線とで移動前後の状態が示されている。
水槽10の底の貫通孔の位置や気・水遮蔽装置53,54の位置は不変なので、ポンプ用ガイドパイプ43やデブリ回収用ガイドパイプ44の半径方向(矢印X−X’方向)への移動は、パイプ43,44を撓ませることにより行なわれる。ここで、前述の通り、水槽10は、図1に示すモータ31により回転し、上下2段の支持装置60は、モータ33によりドライビングパイプ41を介して水槽10の回転中心線と同一の回転中心線(すなわちドライビングパイプ41の、鉛直方向の中心軸)の回りに回転する。したがって、回転方向については、水槽10と支持装置60を同期して回転させることにより、パイプ43,44の姿勢に変化は生じない。これら水槽10および支持装置60の回転およびポジショナ653,654による半径方向(矢印X−X’方向)への移動により、捕集装置80(この図9には不図示、図7参照)を圧力容器21の底部やコンクリートペデスタル22の底部を広範囲にわたって走査させることができる。なお、捕集装置80には、前述の通り、伸縮自在なパイプあるいはゴムホース等が使われており、ポジショナ651,652の移動によりポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44との間の間隔が変化しても対応できる構造となっている。
また、ここでは、ポジショナ651,652により、ポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44との双方が半径方向(矢印X−X’方向)に移動可能であるとしたが、ポンプ用ガイドパイプ43は半径方向には移動せずに固定とし、デブリ回収用ガイドパイプ44のみ半径方向に移動するように構成してもよい。この場合であっても、圧力容器21の底部やコンクリートペデスタル22の底部を広範囲にわたって走査することができる。ただし、ポンプ用ガイドパイプ43を固定した場合、ポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44との間が大きく広がる場面が生じるため、捕集装置80については、その大きく広がることに対応した伸縮性を持たせる必要がある。
デブリ回収バスケット39を引き上げる際は、デブリ回収用ガイドパイプ44を図9に実線で示す鉛直に延びる状態にして、ワイヤラインキャッチャ111で引き上げられる。この図9に示すワイヤラインキャッチャ111の下端部は鉛容器に封じ込められた状態のデブリ回収バスケット39を示している。鉛容器への封じ込めについては後述する。また、デブリ回収バスケット39では回収不能な燃料デブリの小片は、後述するようにして、テレスコピックキャッチャ112を使って引き上げられる。このテレスコピックキャッチャ112は、デブリ回収ガイドパイプ44に案内させることで、このデブリ回収用ガイドパイプ44が図9に一点鎖線で示すように撓んだ状態にも追随して撓み、圧力容器21等の底部の任意の位置にある小片を把持して持ち上げることができる。あるいは、テレスコピックキャッチャ112で小片を把持した後はデブリ回収用ガイドパイプ44を実線で示すように鉛直な姿勢とし、その後、小片を持ち上げてもよい。
ポンプ38を引き上げるときも同様であり、ポンプ用ガイドパイプ43を鉛直に延びる姿勢にしておいてワイヤ等で引き上げられる。
図10は、COレーザ光照射による燃料デブリ破砕のイメージ(A)、および燃料デブリ破砕の、走査領域および回収領域のイメージ(B),(C)を示した図である。
ここでは、燃料デブリ29にCOレーザ光によるエネルギーを照射して、燃料デブリ29を長手方向10cm以下の小片29aとなるように破砕する。この小片29aは、ポンプ38による水流には乗らずに底にとどまるが、この破砕により、水流により巻き上げられる多数の、燃料デブリの粉体29bも発生する。燃料デブリ29の破砕にあたっては、可撓性ガイドパイプ44をポジショナ651で半径方向に移動させ、かつ支持装置60の回転により、圧力容器21の底部(あるいはコンクリートペデスタル22の底部)のうちの図10(B)に破線で示す領域の燃料デブリを破砕する。次に図10(C)に示すように、支持装置60を約半周回転させる。そして、その破砕した燃料デブリが堆積している、破線で示す領域の燃料デブリが回収される。
このような燃料デブリ29の破砕および回収を、圧力容器21の底部(あるいはコンクリートペデスタル22の底部)の各領域について順次に繰り返すことにより、底部全域の燃料デブリの破砕および回収が行なわれる。
図11は、水槽底部に設置される気・水遮蔽装置の第1例を示した模式図である。この図11に示す気・水遮蔽装置は、ポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44に適用される装置であり、図1に示す気・水遮蔽装置53,54に対応する。ここでは、気・水遮蔽装置50Aと表現する。
この図11に示す気・水遮蔽装置50Aには、上から順に、パイプ締付装置501、上側のパイプ保持用ラム502、上下2段の圧潰用ラム503,504、上下2段のシール用ラム505,506、下側のパイプ保持用ラム507、およびパイプ用ロータリシール508が備えられている。ここで、上下2段の圧潰用ラム503,504は、気・水遮蔽装置50Aに組み込まれているが、燃料デブリを回収する回収装置を構成する要素である。ポンプ用ガイドパイプ43およびデブリ回収用ガイドパイプ44は、比較的短い寸法のパイプが複数本繋ぎ合わされる。図2〜図5を参照して説明した、この燃料デブリ回収システム1の設置の際は、ポンプ用ガイドパイプ43およびデブリ回収用ガイドパイプ44は、比較的短い状態にある。そして、燃料デブリ回収システム1を原子炉2の上に設置した後に、パイプが継ぎ足される。
この図11に示す気・水遮蔽装置50Aを構成しているパイプ締付装置501は、上から継ぎ足されたパイプをその下のパイプに締め付けて繋ぎ合わせる装置である。上下2つのパイプ保持用ラム502,507は、ポンプ用ガイドパイプ53あるいはデブリ回収用ガイドパイプ54を落下しないように保持しておく装置である。上下2段の圧潰用ラム503,504は、ここに設置される対象物を圧潰する装置である。具体的には、ここに放射能防護用の鉛の筒が配置され、下から引き上げられてきた、燃料デブリの粉体29b(図10参照)が収集されれたデブリ回収バスケット39(図7参照)、あるいは下から引き上げられてきた放射能で汚染されているポンプ38がその鉛の筒の内側に配置され、上下2段の圧潰用ラム503,504でその鉛の筒の上下の開口が圧潰される。これによりデブリ回収バスケット39あるいはポンプ38が放射線防護用の鉛で覆われる。この鉛で覆われたデブリ回収バスケット39あるいはポンプ38は、水槽10から取り出されて、図1に示す格納コンテナ85内に一時保管される。
上下2段のシール用ラム505,506のうちの上段側のシール用ラム505は、その部分にパイプが存在しない状況下においてその通路を塞いで、気体や水の通過を阻止する装置である。また、それら上下2段のシール用ラム505,506のうちの下段のシール用ラム506は、ポンプ用ガイドパイプ53あるいはデブリ回収用ガイドパイプ54を全周にわたって着脱自在にしっかりと押え、パイプ43,44の周囲からの気体や水の通過を遮断する装置である。ただし、このシール用ラム506は、パイプ43,44を押えた状態においては、パイプ43,44を上下動あるいは回転することは不能である。
この図11に示す気・水遮蔽装置50Aの最下部に配置されているパイプ用ロータリシール508は、パイプ43,44の回転および上下動の際にもそのパイプ43,44の周囲を全周にわたってしっかりとシールし、気体や水の通過を阻止する装置である。
ここで、シール用ラム505を備えているのは、水槽10内の水がパイプ43,44を通って流れ落ちてしまわないように、あるいは放射能を含んだ水が不用意に上昇してこないように、必要なときにパイプ43,44の上端を塞ぐためである。また、このシール用ラム505は、パイプ用ロータリシール508に万が一にも破損等が発生した場合における、気体や水のシールを担っている。また、下段側のシール用ラム506は、パイプ用ロータリシール508に万が一にも破損等が発生した場合であって、そこにパイプ43,44が存在していた場合における、気体や水に対するパイプ周りのシールも担っている。
この図11に示す気・水遮蔽装置50Aを構成している各要素としての装置は、いずれも原理的には、石油・天然ガス・地熱井掘削時に用いられている、多くの実績と高い信頼性を備えた装置であり、燃料デブリ回収システム1に適用した場合にも高い信頼性を持って気体や水を遮蔽し、放射能漏れを防止することができる。
図12は、気・水遮蔽装置の第2例を示した模式図である。この図12に示す気・水遮蔽装置50Bは、ドライビングパイプ41用の気・水遮蔽装置であって、図1に示す気・水遮蔽装置51に対応する。
この図12に示す第2例としての気・水遮蔽装置50Bには、上から順に、パイプ締付装置501、上側のパイプ保持用ラム502、2段のシール用ラム505,506、下側のパイプ保持用ラム507、およびパイプ用ロータリシール508が備えられている。この図12の気・水遮蔽装置50Bを図11の気・水遮蔽装置50Aと比べると、この図12の気・水遮蔽装置50Bには図11の気・水遮蔽装置50Aに備えられている上下2段の圧潰用ラム503,504が備えられていない点のみ異なっている。その他の装置は図11の気・水遮蔽装置50Aの説明において説明済であるため、重複説明は省略する。
この図12に示す気・水遮蔽装置50Bに圧潰用ラム503,504が備えられていない理由は、ドライビングパイプ41自体がこの気・水遮蔽装置50Bを上下に貫いており、何かを圧潰するという作業は不要であるためである。ただし、ドライビングパイプ41も短いパイプを何本か繋ぎ合わされるため、パイプ締付装置501は必要となる。
図13は、気・水遮蔽装置の第3例を示した模式図である。この図13に示す気・水遮蔽装置50Cは、COレーザ光を導く伝送ライン71(図8参照)を案内する可撓性ガイドパイプ53用の気・水遮蔽装置であって、図1に示す気・水遮蔽装置52に対応する。
なお、後述する燃料デブリ回収システムの別例では、燃料デブリの破砕部分を写し出す放射線から保護された耐放射線カメラ49を案内する耐放射線カメラガイドパイプ45が用いられる(図27参照)。この図13に示す第3例としての気・水遮蔽装置50Cは、その耐放射線カメラガイドパイプ45用の気・水遮蔽装置としても採用される。
この図13に示す第3例としての気・水遮蔽装置50Cには、上から順に、上側のパイプ保持用ラム502、2段のシール用ラム505,506、および下側のパイプ保持用ラム507、およびパイプ用ロータリシール508が備えられている。
この図13の気・水遮蔽装置50Cは、図12の気・水遮蔽装置からパイプ締付装置501を取り外した構成となっている。本実施形態では、可撓性ガイドパイプ42、および後述する実施形態における耐放射線カメラガイドパイプ45については、リール(不図示)に巻回された長尺かつ可撓性のパイプが用いられる。したがって、図12に示す、パイプどうしを繋ぎ合わせるためのパイプ締付装置501は不要であり、取り外されている。なお、この第3例の気・水遮蔽装置50Cにも上下2つのパイプ保持用ラム502,507が備えられている。この第3例の気・水遮蔽装置50Cについては、機能上は2つのパイプ保持用ラム502,506のうちの1つのみ備えられていればよいが、ここでは、図12に示す第2例の気・水遮蔽装置50Bからパイプ締付装置501のみ取り外して、その他の部分の構造の共通化を図っている。
なお、ここでは、可撓性ガイドパイプ42および耐放射線カメラガイドパイプ45については、途中で繋ぎ合わせる必要のない、十分に長尺なパイプである旨説明したが、それらのパイプ42,45についても、例えばドライビングパイプ41等と同様に短いパイプを繋ぎ合わせるタイプのパイプであってもよい。その場合は、図13に示す気・水遮蔽装置50Cに代えて、図12に示すパイプ締付装置501が備えられたタイプの気・水遮蔽装置50Bが使用される。ただし、その場合であっても、何かを圧潰する機能は不要であり、図11に示す気・水遮蔽装置50Aに備えられている圧潰用ラム503,504は不要である。
図14は、パイプを接続する手順を示した模式図である。ここでは、図11に示す気・水遮蔽装置50Aを用い、ポンプ用ガイドパイプ43を接続する場合を例に挙げて説明する。デブリ回収用ガイドパイプ54を接続する場合も同様である。また、図12に示す気・水遮蔽装置50Bを用いてドライビングパイプ41を接する場合も同様である。
先ず、図14(A)に示すように、下側のパイプ43aの上部を、上側のパイプ保持用ラム502で、その下側のパイプ43aの上端がパイプ締付装置501内に位置するように保持する。
次に、パイプキャッチャ113で上側のパイプ43bを吊り下げて、上側のパイプ43bの下端部をパイプ締付装置501内に配置する。これら下側のパイプ43aの上端と上側のパイプ43bの下端には、互いに螺合する、それぞれ雄ねじと雌ねじが形成されており、パイプ締付装置501の下部と上部が下側のパイプ43aと上側のパイプ43bをそれぞれ把持して図14(A)に示す矢印のように互いに逆向きに回転する。これにより、下側のパイプ43aと上側のパイプ43bが互いに繋ぎ合わされる。
その後、この図14では省略しているが、パイプをさらに継ぎ足す場合は、パイプ締付装置501を開くとともにパイプ保持用ラム502を開き、繋ぎ合わされたパイプ43a,43bを、上側のパイプ43bの上端がパイプ締付装置501内となるように下げ、上側のパイプ保持用ラム502にパイプを保持させて、パイプキャッチャー113は上に引き上げられる。その後、パイプキャッチャ113でさらに次のパイプの下端部がパイプ締付装置501内に配置され、同様に接続して繋ぎ合わさせる。これを必要回数繰り返した後、最上段のパイプ43nについては、図14(B)に示すように、その上端が下側のパイプ保持用ラム507の直ぐ上に位置するまでパイプキャッチャ113により吊り降ろされ、その最上段のパイプ43nの上端部を下側のパイプ保持用ラム507に保持させる。その後、パイプキャッチャ113が引き上げられる。
図15は、破砕後の燃料デブリを運び上げるときの水槽内の様子を示した模式図である。
ここでは、気・水遮蔽装置については、図1において付した符号に合わせている。
この図15には、水槽10内に設置されたドライビングパイプ41用の気・水遮蔽装置51、ポンプ用ガイドパイプ43用の気・水遮蔽装置53、およびデブリ回収用ガイドパイプ44用の気・水遮蔽装置54が示されている。ドライビングパイプ41は、気・水遮蔽装置51を上下に貫いて延びている。また、ポンプ用ガイドパイプ43は、その上端部が、気・水遮蔽装置53を構成する下側のパイプ保持用ラム507に保持されて下に延びている。また、デブリ回収用ガイドパイプ44も同様であり、その上端部が、気・水遮蔽装置54を構成する下側のパイプ保持用ラム507に保持されて下に延びている。
さらに、この図15には、図9にも示すワイヤラインキャッチャ111およびテレスコピックキャッチャ112も示されている。ワイヤラインキャッチャ111には、押し潰された鉛容器に封じ込められたデブリ回収バスケット39が示されている。ワイヤラインキャッチャ111は、ワイヤを下方に延ばしていき、対象物に引っ掛けて、その対象物を引き上げる装置である。また、テレスコピックキャッチャ112は、アームを長く伸ばしていき、対象物を把持して持ち上げる装置である。
図16は、破砕した燃料デブリ回収時における圧力容器底部の様子を示した模式図である。
圧力容器21の底部には水Wが溜まっており、その水中に捕集装置80が配置される。
その捕集装置80には、ポンプ用ガイドパイプ43に案内されながらポンプ38が吊り下げられている。またこの捕集装置80には、デブリ回収用ガイドパイプ44に案内されてデブリ回収バスケット39が配置される。本実施形態では、このデブリ回収バスケット39は、吊り降ろされると一旦この捕集装置80内に置き放しにされる。
この捕集装置80には、ポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44とを繋ぐように設置されて水流をガイドする水流ガイドパイプ801が設けられている。
前述したように、ポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44との間の間隔は必要に応じて調整されるため、この水流ガイドパイプ801は伸縮自在なパイプである。あるいは、弛みをもたせたゴムホース等で構成してもよい。
この捕集装置80は、燃料デブリ29(図1参照)のうちの、細かく破砕された燃料デブリの粉体29bを捕集する装置である。この粉体29bは、本発明にいう、燃料デブリの破砕体のうちの流体に混入して流れる破砕粉の一例である。
上述のようにして、COレーザ光の照射により圧力容器21の底に堆積した燃料デブリ29(図1参照)を破砕した後、破砕した燃料デブリが溜まった領域の真上に捕集装置80を配置する。この配置は、支持装置60の回転(さらには、水槽10(図1参照)の回転)と、ポジショナ652,653(この図16には図示省略、図7参照)の半径方向への移動により実現される。また、このとき下段の支持装置60に設けられている気・水遮断バルブ611,612は閉じられ、パイプ43,44内には水が満たされている。これは、今から始まる捕集動作により粉体29bがパイプ43,44を通って上昇してこないようにするためである。ただし、パイプ43,44内に水を満たすことや気・水遮断バルブ661,662によるパイプ43,44の閉鎖は、不要な場合もあり、状況によって判断される。
破砕した燃料デブリが溜まった領域の直上に捕集装置80を配置した後、ポンプ38を作動させる。すると、そのポンプ38の作動により、この図16に矢印で示すように水が循環する。すなわち、ポンプ38の作動により下向きの水流が発生し、斜面802や邪魔板803等によりその水流が圧力容器21の底に斜めに向かい、燃料デブリの粉体29bをその水流中に巻き上げてデブリ回収バスケット39に入る。このデブリ回収バスケット39は、粉体29bをその中に捕集し水のみを流出させる細かな網状のバスケットである。捕集しようとしている粉体29bの粒径に応じて網の細かさが異なる複数種類のデブリ回収バスケット39を用意しておいてもよい。
デブリ回収バスケット39から流出した水は、取水口801aから新たに取り込まれた水とともに水流ガイドパイプ801を通ってポンプ38側に戻る。この循環する水流により、燃料デブリの粉体29bがデブリ回収バスケット39に集められる。
図17は、デブリ回収バスケットの設置方法および回収方法の説明図である。
図17(A)は、デブリ回収バスケット設置時の様子を示している。
デブリ回収バスケット39は、ワイヤラインキャッチャ111に吊り下げられ、ワイヤラインホイスト84の作動により、デブリ回収用ガイドパイプ44に案内されながら吊り降ろされて、図16に示すように捕集装置80内に配置される。ワイヤラインキャッチャ111は、デブリ回収バスケット39を捕集装置80内に配置した後、一旦引き上げられる。その後、図16を参照して説明したようにして燃料デブリの粉体29bを捕集する。
燃料デブリの粉体29bを捕集したデブリ回収バスケット39の引き上げにあたっては、その引き上げの前に、図17(B)に示すように、ワイヤラインキャッチャ111により、気・水遮蔽装置54の2つの圧潰用ラム503,504の間に放射能防護用の鉛の筒391が配置される。この鉛の筒391は、本発明にいう放射能遮蔽容器の一例に相当する。その後、ワイヤラインキャッチャ111を捕集装置80(図16参照)まで降ろしていき、図17(C)に示すようにデブリ回収バスケット39を引き上げて、鉛の筒391の内側に配置する。
こうしておいて、次に図17(D)に示すように上下の圧潰用ラム503,504を作動させ、鉛の筒391の上下の開口を塞ぐようにその鉛の筒を押し潰す。これにより、燃料デブリの粉体29bを捕集したデブリ回収バスケット39(図16参照)が鉛の容器内に封じ込められる。
その後、図17(E)に示すように鉛の容器に封じ込められたデブリ回収バスケット39は、ワイヤラインキャッチャ111に持ち上げられ、水槽10から取り出されて、図1に示す格納コンテナ85内に一時保管される。ここで、デブリ回収バスケット39を、ワイヤラインキャッチャ111に代わりテレスコピックキャッチャ112を使って引き上げてもよい。
次に、破砕されたものの図16に示すような水流には巻き上げられない、燃料デブリの小片29a(図10(A)参照)の回収方法について説明する。ここでは、一辺が10cm以下の小片29aを回収対象としている。それ以上に大きな塊は、さらなる破砕の対象とされる。
図18は、破砕後の燃料デブリの小片を引き上げるときの水槽内の様子を示した模式図である。
このときはテレスコピックキャッチャ112が、気・水遮蔽装置54を通してデブリ回収用ガイドパイプ44内に差し込まれる。また、ここには水槽10内に引き上げられた燃料デブリの小片29aを収容するコンテナ92が用意されている。このコンテナ92は、放射線防護の役割を担っている。その他の点は図5の場合と同様である。
図19は、破砕後の燃料デブリの小片を引き上げる際の圧力容器底部の様子を示した模式図である。
捕集装置80は、その中にデブリ回収バスケット39(図16参照)が置かれていないことを除き、図16と同じ状態にある。この捕集装置80の、デブリ回収用ガイドパイプ44に繋がる底部は、デブリ回収バスケット39(図16参照)を支持するとともに、テレスコピックキャッチャ112の先端部を通過させる穴が形成されている。テレスコピックキャッチャ112は、その穴から捕集装置80の下に先端を突き出し、燃料デブリの小片29aを把持して引き上げる。引き上げられた小片29aは、水槽10内の水中でコンテナ92(図18参照)に収容される。この小片29aは、本発明にいう、燃料デブリの破砕体のうちの、流体の流れへの巻込みを免れるサイズの小片の一例である。
また、このときのテレスコピックキャッチャ112は、本発明にいうマニピュレータの一例に相当する。
なお、ここでは、テレスコピックキャッチャ112をデブリ回収用ガイドパイプ44内に差し込む旨、説明したが、捕集装置80内に吊り下げられたポンプ38を一旦引き上げ、テレスコピックキャッチャ112をポンプ用ガイドパイプ43内に差し込んでもよい。
次に、破砕された燃料デブリの破砕体回収方法の別例について説明する。
図20は、この別例における、破砕された燃料デブリ回収時の水槽内の様子を示した模式図である。
デブリ回収用ガイドパイプ44用の気・水遮蔽装置54の上にコンテナ91が設置され、そのコンテナ91内にデブリ収容バスケット911が配置されている。このデブリ収容バスケット911は、不図示の入口から水流とともに燃料デブリの粉体29bを取り込み、水のみをデブリ回収用ガイドパイプ44に向けて流出させるバスケットである。
ここで、気・水遮蔽装置54は、この場面において必要とするパイプ保持用ラム507とパイプ用ロータリシール508のみ示している。この気・水遮蔽装置54は、ポンプ用ガイドパイプ43用の気・水遮蔽装置53と同様、図11に示す気・水遮蔽装置50Aの構造を備えたものであっても構わない。
ポンプ用ガイドパイプ43用の気・水遮蔽装置53とコンテナ91との間が水流ガイドパイプ94で接続されている。その水流ガイドパイプ94の途中には、その水流ガイドパイプ94を開閉するバルブ95が配置されている。
また、ここには、もう1つのコンテナ92も用意されている。気・水遮蔽装置54の上に設置されたコンテナ91の中に置かれたデブリ収容バスケット911には、以下に説明するようにして燃料デブリの粉体29b(図21参照)が捕集される。この粉体29bが捕集されたデブリ収容バスケット911は、テレスコピックキャッチャ112で取り出され、もう1つのコンテナ92に収容される。このコンテナ92は放射線防護用のコンテナである。デブリ収容バスケット911は、このコンテナ92に収容された後、そのコンテナ92ごと水槽10から取り出されて、図1に示す格納コンテナ85に一時保管される。
図21は、ここで説明している別例における、破砕した燃料デブリ回収時における圧力容器底部の様子を示した模式図である。
ここでは、ポンプ用ガイドパイプ43の下部に揚水ポンプ381が配置されている。この揚水ポンプ37は、前述のポンプ38と同様、ポンプ用ガイドパイプ43内を吊り降ろされたものである。このポンプ用ガイドパイプ43の下部には、開口431で代表的に示すような、破砕された燃料デブリの粉体29bを巻き込んだ水が入り込み易いような工夫がなされている。この揚水ポンプ381を作動させると、圧力容器21に溜まっている水がポンプ用ガイドパイプ43内を上昇する。このとき、燃料デブリの粉体29bを水流に乗せて一緒に上昇させる。上昇した水流は、図20に示すコンテナ91に導かれ、デブリ収容バスケット911に捕集される。粉体29bが捕集された後の水は、デブリ回収用ガイドパイプ44を経由して圧力容器21内に戻される。このデブリ回収用ガイドパイプ44から流出した水によっても、燃料デブリの粉体29bが水中に巻き上げられる。
ここで、この別例においても、前述の実施形態に合わせて同一の名前を用いているが、この別例におけるポンプ用ガイドパイプ43は、揚水用ガイドパイプと称してもよく、デブリ回収用ガイドパイプ44は、戻り流用ガイドパイプと称してもよい役割を担っている。
図22,図23は、ここで説明している別例における、破砕した燃料デブリの小片を回収する際の、それぞれ水槽内の様子、圧力容器底部の様子を示した模式図である。
ここでは、図22に示すように、気・水遮蔽装置54の上に置かれたコンテナ91の蓋91aが開かれ、テレスコピックキャッチャ112がそのコンテナ91および気・水遮蔽装置54を経由してデブリ回収用ガイドパイプ44内に挿入されている。このテレスコピックキャッチャ112は、図23に示すように圧力容器21の底部にある破砕後の燃料デブリの小片29aを把持して、水槽10内に運び上げる。そしてその運び上げられた小片29aは、テレスコピックキャッチャ112により、水槽10内に別に用意した、放射線防護機能を備えたコンテナ92に収容される。小片29aを収容したコンテナ92は、そのコンテナ92ごと水槽から取り出されて、図1に示す格納コンテナ85に一時保管される。
図20〜図23を参照して説明した別例においても、前述の、図15〜図19を参照して説明した例の場合と同様、設備の変更なく、同一の設備で燃料デブリの粉体29bと小片29aとの双方を回収することができる。
これまでは圧力容器21の底部に堆積している燃料デブリ19の回収方法を中心に説明してきたが、次に、コンクリートペデスタル22の底部に堆積している燃料デブリ29の回収方法の一例について説明する。
コンクリートペデスタル22の底部に堆積している燃料デブリ29を回収するにあたっては、ここでは、圧力容器21の底部に堆積していた燃料デブリ29を除去した後、圧力容器21自体の底が開削される。
図24は、圧力容器の底部の開削時の、その底部を示した模式図である。
また、図25は、開削中の圧力容器の底を上方向から見て示した図、図26は図25における矢印X−Xに沿う拡大断面図である。
ここでは、圧力容器21内の燃料デブリを除去した後、圧力容器21自体の底にCOレーザ光Lが照射され、圧力容器21の底に開口が形成される。
圧力容器21の底を開削するにあたっては、円環状の穴212(図25参照)が開けられる。このとき、可撓性ガイドパイプ41を円を描くように移動させる。
この円環状の穴212は、図26に示すように最初は幅広に抉られ、徐々に狭幅に深く抉られて最終的に貫通する形状となっている。
このようにして円環状の穴212が貫通すると、圧力容器21の切断された底部が下のコンクリートペデスタル22内に落下し、その圧力容器21の底に開口が形成される。
なお、圧力容器21の底に一部でも穴が開くと、その穴から下に水が漏れることになる。ただし、前述の通り、COレーザ光による開削の際は冷却のために水を流し続けているため、圧力容器21の底に向かって照射されるCOレーザ光の通路上に水を満たしておくことは可能である。あるいは底に開いた穴からの大きな水漏れを抑えるようにある程度のシールを施しながら開削作業を進めてもよいし、デブリ回収パイプ内にセメント注入パイプを挿入して水漏箇所まで導き、セメンチングにより塞いでもよい。また、他のパイプ、例えば、デブリ回収用ガイドパイプ等からも水を供給しながら開削作業を行ってもよい。
コンクリートペデスタル22に落下した圧力容器21の底部は、細かく切断あるいは破砕され、燃料デブリと同様な方法で除去される。
次に圧力容器21の底部の開削方法の別例を説明する。
図27は、別例における、圧力容器の底部の開削時の底部を示した模式図である。
ここでも、圧力容器21内の燃料デブリを除去した後、圧力容器21自体の底にCOレーザ光Lが照射され、圧力容器21の底に開口が形成される。ただし、この別例の場合、この開口を形成するにあたっては、先ずは底の中央に穴211が開けられ、その穴211に落下防止部材99が挿入される。
ここで、COレーザ光Lを伝送する伝送ライン71(図8参照)の先端のレーザ照射ノズル72は、COレーザ光Lを照射する向きを変更することができる構成を有する。したがって、この図27に示すように、圧力容器21の底の中央(ドライビングパイプ41の真下)にもCOレーザ光Lを照射して、その部分を破砕することができる。
落下防止部材99は、ワイヤ98により上から吊り下げられ、ドライビングパイプ41に案内させて吊り降ろされたものである。ドライビングパイプ41の下端は、本実施形態では下段の指示装置60で終端しているが、落下防止部材99の案内のために必要であれば、圧力容器21の底近くまで延びていてもよい。
次いで、その中央の穴211を取り巻くように円環状の穴212(図25参照)が開けられる。このときは、可撓性ガイドパイプ41を円を描くように移動させる。
中央の穴211および円環状の穴212は、図24〜図26を参照した例と同様に、最初は幅広に抉られ、徐々に狭幅に深く抉られて最終的に貫通する形状となっている。
このようにして円環状の穴212が貫通すると、ワイヤ98により、圧力容器21の切断された底部が引き上げられ、その圧力容器21に、下のコンクリートペデスタル22の内部に通じる開口が形成される。切断された底部を引き上げるにあたり、デブリ回収システム1が邪魔になるときは、そのデブリ回収システム1が図3〜図5を参照して説明したデブリ回収システム1の設置手順とは逆の手順で一旦引き上げられる。
なお、この別例においても、圧力容器21の底に穴が開くと、その穴から下に水が漏れることになるが、その水漏れに対する対策は、図24〜図26を参照して説明した例と同一である。
なお、ここでは、圧力容器21の底にCOレーザ光を照射して開削する例を2例説明したが、圧力容器21の底の開削にあたっては、COレーザ光を用いるのではなく、例えば、可撓性ガイドパイプ42を利用して、圧力容器21の底に機械的なエネルギーを加える装置を差し込んで開削してもよい。
図28は、圧力容器底部を開削した後のコンクリートペデスタル底部に堆積した燃料デブリ回収時の様子を示した模式図である。
ここでは、支持装置60が再配置され、かつパイプ長が延長されたことを除き、圧力容器21の底部に堆積した燃料デブリの除去の場合と同じ方法で、コンクリートペデスタル22の底部に堆積した燃料デブリ29が回収される。
なお、ここでは、圧力容器21の底部に堆積した燃料デブリとコンクリートペデスタル22の底部に堆積した燃料デブリとの双方を、本実施形態のデブリ回収システム1を共通に用いて回収する旨、説明したが、本実施形態の燃料デブリ回収システム1は、圧力容器21内の燃料デブリのみを回収対象とするものであってもよい。そのときは、コンクリートペデスタル22内の燃料デブリは、そのコンクリートペデスタル22の横壁を斫って開口を形成し、そこから回収するなど、全く別異の方法で回収してもよい。
図29は、燃料デブリ回収システムの第2例を示した図である。
ここでは、図1において付した符号と同一の符号を付して示し、ここでは前述した第1例の燃料デブリ回収システムとの相違点のみ説明する。
この図29には、図1に示す燃料デブリ回収システムにさらに、耐放射線カメラガイドパイプ45と、その耐放射線カメラガイドパイプ45用の気・水遮蔽装置55と、その耐放射線カメラガイドパイプ45に案内されて圧力容器21内に吊り下げられた耐放射線カメラ49が示されている。この耐放射線カメラ49は、圧力容器21の底部の様子やそこに堆積した燃料デブリ29の様子を写し出すカメラである。耐放射線カメラガイドパイプ45は、前述したCOレーザ光を伝送する伝送ライン71(図8参照)を案内する可撓性ガイドパイプ42と同様のパイプである。したがってその耐放射線カメラガイドパイプ45用の気・水遮蔽装置55も可撓性ガイドパイプ42用の気・水遮蔽装置52と同じく、図13に示すタイプの気・水遮蔽装置50Cが使用されている。
なお、ここでは図示を省略したが、上段の支持装置60には、耐放射線カメラガイドパイプ45を半径方向に移動させるポジショナが備えられている。また、この耐放射線カメラガイドパイプ45には、耐放射線カメラ49自体のみでなく、その耐放射線カメラ49の姿勢や組みを制御するための設備も通過している。
ここでは、耐放射線カメラガイドパイプ45について説明したが、他の目的の様々なパイプ、例えば圧力容器内の水位計測用のメジャーを挿し込むためのパイプや水Wや燃料デブリ29の成分を分析するための分析器を案内するためのパイプなどを設置してもよい。
図30は、燃料デブリ回収システムの第3例を示した図である。
この第3例においても、前述の第1例および第2例を説明する各図面において付した符号と同一の符号を付して示し、相違点のみ説明する。
図30に示す燃料デブリ回収システム1には、前述の第1例(図1参照)および第2例(図29参照)に備えられていた支持装置60は備えられていない。したがってそれに付随するドライビングパイプ41、ドライビングパイプ41用の気・水遮蔽装置51、モータ33、および回転駆動装置34も備えられていない。この図30には、それに代わり、1つには、可撓性ガイドパイプ42の先端部に接続された2本のワイヤ901a,901bと、それらのワイヤ901a,901bの長さを制御するワイヤ制御装置903a,903bが備えられている。また、この図30には、デブリ回収用ガイドパイプ44の先端部に接続された2本のワイヤ902a,902bと、それらのワイヤ902a,902bの長さを制御するワイヤ制御装置904a,904bが備えられている。これら合計4本のワイヤ901a,901b;902a,902bは、水槽10の肉厚内に設けられた通路を通って水槽10の上部に延び、それぞれワイヤ制御装置903a,903b;904a,904bに接続されている。ワイヤ制御装置903a,903bにより、可撓性ガイドパイプ42に接続された2本のワイヤ901a,901bの長さが制御されると、それらのワイヤ901a,901bの長さに応じて可撓性ガイドパイプ42が撓んでその先端部が移動する。したがって、水槽10の回転と、可撓性ガイドパイプ42の撓みによるその先端部の移動とにより、COレーザ光Lを広い領域に亘って照射することができる。
また、これと同様に、デブリ回収用ガイドパイプ44も、ワイヤ902a,902bの長さに応じて撓んでその先端部が移動し、その移動と水槽10の回転とにより、その先端を広い領域内の任意の位置に向けることができる。なお、ポンプ用ガイドパイプ43についても同様な構造により撓ませてもよい。あるいはポンプ用ガイドパイプ43とデブリ回収用ガイドパイプ44と下部で相互に連結して一緒に撓ませてもよい。
このように、この図30に示す第3例の場合、図1等に示す支持装置60に代わる、パイプ先端の位置制御システムが備えられている。
図31は、図30に示す第3例の燃料デブリ回収システムにおける、圧力容器底部の様子を示した模式図である。この図31は、第1例における図16に対応する図である。
第1例の場合、図16に示すように、気・水遮断バルブ661,662は、支持装置60上に置かれている。これに対し、ここで説明している第3例の場合は、支持装置は備えられておらず、このため、ポンプ用ガイドパイプ43およびデブリ回収用ガイドパイプ44自体にバルブ支持部905,906が固定され、気・水遮断バルブ661,662は、それらのバルブ支持部905,906に支持されている。この図31におけるその他の点は、図16と同様であり、説明は省略する。
図32は、乾燥状態の圧力容器内の燃料デブリの回収方法の一例を示した図である。この図32は、圧力容器21内に水が溜まっていることを前提とした図16に対応する図である。
図16では、ポンプ用ガイドパイプ43から、水流を発生させるポンプ38が吊り下げられているが、この図32では、気流を発生させるファン382が吊り下ろされている。このファン382は、本発明にいう動力源の一例に相当する。ファン382が作動すると、図16における水流と同様に、ここでは気流(風)が発生し、燃料デブリの粉体29bは、その風に巻き上げられる。その風は、バスケット39を経由して流れるように、補修装置80で風向きが制御されている。ファン82により生じた気流は、バスケット39を通過する。図示の矢印に沿う循環路上を循環し燃料デブリの粉体29bがバスケット39に捕集される。
なお、ここでは、捕集装置80の構成要素として図16において付した符号と同一の符号を付しているが、圧力容器21の底部に水が溜まっている場合と同一の捕集装置80である必要はなく、気流による捕集に適した装置が採用されている。
ここでは、水槽10の回転と支持装置60あるいはワイヤ901a,901b,902a,902bでパイプの位置を調整する例について説明したが、本発明は、パイプの位置調整方法の如何を問うものではない。あるいは、特別な位置調整機構を設けることなく、特定の狭い領域内の燃料デブリの破砕体を回収するシステムであってもよい。あるいは、多数本のパイプを垂下させ、それら多数本のパイプを、破砕体の回収領域によって使い分けてもよい。
また、ここでは、原子炉2の上に水槽10が配置されているシステムについて説明したが、水槽10は必ずしも必要ではなく、水槽10以外の手段で放射線防護を行なってもよい。
さらに、ここでは破砕装置として燃料デブリ29にCOレーザ光を照射する装置について説明したが、本発明は、必ずしもCOレーザ光を用いることに限定するものではない。ただし、水に浸った燃料デブリ29をレーザ光を用いて破砕するときは、波長2.0μm以上のレーザ光を用いることが好適である。
あるいは、レーザ光を離れ、本発明で燃料デブリ29に機械的なエネルギーを与えて破砕する破砕装置を採用してもよい。
1 燃料デブリ回収システム
2 原子炉
10 水槽
11 台座
12 ボールベアリング
13,32 ギア
21 圧力容器
22 コンクリートペデスタル
29 燃料デブリ
29a 小片
29b 粉体
31,33 モータ
35 換気設備、隔壁
36 隔壁
37 スライディングドア
38 ポンプ
39 デブリ回収バスケット
41 ドライビングパイプ
42 可撓性ガイドパイプ
43 ポンプ用ガイドパイプ
44 デブリ回収用ガイドパイプ
45 耐放射線カメラガイドパイプ
49 耐放射線カメラ
50A,50B,50C,51〜55 気・水遮蔽装置
60 支持装置
61 固定リング
62 回転支持体
70 レーザ発振器
71 伝送ライン
72 レーザ照射ノズル
80 捕集装置
81 搬送装置
82 ポンプケーブル
83 ポンプケーブルリール
84 ワイヤラインホイスト
85 格納コンテナ
91,92 コンテナ
94 水流ガイドパイプ
95 バルブ
98 ワイヤ
99 落下防止部材
100 懸架装置
101,102 把持部
111 ワイヤラインキャッチャ
112 テレスコピックキャッチャ
381 揚水ポンプ
382 ファン
391 鉛の筒
501 パイプ締付装置
502,507 パイプ保持用ラム
503,504 圧潰用ラム
505,506 シール用ラム
508 パイプ用ロータリーシール
611 アーム
611,662 気・水遮断バルブ
631,632,633 通路
651〜653 ポジショナ
651,652 気・水遮蔽バルブ
711 外筒
711a 曲がり部
712 レーザ伝送管
713 支持部材
714 結合光学系
801 水流ガイドパイプ
901a,901b,902a,902b ワイヤ
903a,903b,904a,904b ワイヤ制御装置
905,906 バルブ支持部
911 デブリ収容バスケット

Claims (7)

  1. 原子炉内に堆積した燃料デブリの破砕により生成された該燃料デブリの破砕体を回収する破砕体回収方法であって、
    前記破砕体に向けて第1のパイプおよび第2のパイプを垂下させ、
    前記第1のパイプに案内させて、前記破砕体を取り巻く流体に流れを生じさせる動力源を吊り下ろすとともに、前記破砕体のうちの前記流体に混入して流れる破砕粉を捕集するバスケットを前記第2のパイプに案内させて吊り下ろし、
    前記動力源を作動させることにより前記破砕体を取り巻く流体に前記破砕粉を巻き込んで前記バスケットに導く流れを生じさせて、該破砕粉を該バスケットに捕集させ、
    前記バスケットを前記第2のパイプに案内させて引き上げることを特徴とする破砕体回収方法。
  2. 原子炉内に堆積した燃料デブリの破砕により生成された該燃料デブリの破砕体を回収する破砕体回収方法であって、
    前記破砕体に向けて垂下させる第1のパイプおよび第2のパイプの上部に、前記前記破砕体のうちの、該第1のパイプおよび該第2のパイプを垂下させた先に堆積している該破砕体を取り巻く流体に混入して流れる破砕粉を捕集する捕集部を備えて該第1のパイプから第2のパイプへと受け渡す流体流路を設置し、
    前記第1のパイプおよび前記第2のパイプを前記破砕体に向けて垂下させ、
    前記第1のパイプに案内させて、前記破砕体を取り巻く流体を該第1のパイプ内に汲み上げる動力源を吊り下ろし、
    前記動力源を作動させることにより、前記破砕体を取り巻く流体に前記破砕粉を巻き込み該流体を前記第1のパイプ内に取り込んで上昇させ、該流体を前記捕集部を経由させることにより該破砕粉を該捕集部に捕集させ、該流体を前記第2のパイプに導いて該破砕体の堆積部に還流させることを特徴とする破砕体回収方法。
  3. 前記第1のパイプおよび前記第2のパイプの垂下に先立って、前記動力源を作動させることにより生じた前記流体の流れを、該流体に前記破砕粉を巻き込んで前記バスケットに導くように誘導するデブリ捕集装置を、前記第1のパイプおよび前記第2のパイプの下端部に設置し、
    前記第1のパイプおよび前記第2のパイプの垂下にあたっては、該第1のパイプおよび該第2のパイプを、前記デブリ捕集装置とともに垂下させることを特徴とする請求項1記載の破砕体回収方法。
  4. 前記第1のパイプおよび前記第2のパイプの垂下に先立って、該第1のパイプおよび該第2のパイプの途中において該第1のパイプおよび該第2のパイプそれぞれを開放自在に閉鎖し該第1のパイプおよび該第2のパイプそれぞれを通過する気体および水の流れを遮断する第1の気・水遮断バルブおよび第2の気・水遮断バルブを設置し、
    前記第1のパイプおよび前記第2のパイプの垂下にあたっては、該第1のパイプおよび第2のパイプを、前記第1の気・水遮断バルブおよび前記第2の気・水遮断バルブとともに垂下させることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の破砕体回収方法。
  5. 前記破砕体のうちの、前記流体の流れへの巻込みを免れるサイズの小片を把持するマニピュレータを、前記第1のパイプおよび前記第2のパイプのうちのいずれかのパイプに送り込み、
    前記マニピュレータに前記小片を把持させ、
    前記小片をに把持した状態の前記マニピュレータを、該マニピュレータを送り込んだパイプに案内させながら引き上げることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項記載の破砕体回収方法。
  6. 原子炉上部に、底に前記第1のパイプおよび前記第2のパイプをそれぞれ通過させる第1の貫通孔および第2の貫通孔が形成されるとともに、底部に該第1の貫通孔および該第2の貫通孔それぞれに連通するように設置され、該第1のパイプおよび該第2のパイプそれぞれを通過させ該第1のパイプおよび該第2のパイプそれぞれを囲繞して該第1のパイプおよび該第2のパイプそれぞれの周りからの気体および水の洩れを防止する第1の気・水遮断装置および第2の気・水遮断装置を備えた水槽を設置し、
    前記第1のパイプおよび前記第2のパイプの垂下にあたっては、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔それぞれを通過させた該第1のパイプおよび該第2のパイプを垂下させることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項記載の破砕体回収方法。
  7. 鉛直方向に延びる回転中心線の周りに回転自在であって、前記第1のパイプおよび前記第2のパイプをさらに下方へと通過させる通路を有し、さらに、該通路を通過した該第1のパイプおよび該第2のパイプのうちの少なくとも該第2のパイプを半径方向に移動させる移動機構を備えた支持装置を設置し、
    前記第1のパイプおよび第2のパイプの垂下にあたっては、前記通路を通過させた該第1のパイプおよび該第2のパイプを垂下させることを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか1項記載の破砕体回収方法。
JP2014171380A 2014-08-26 2014-08-26 破砕体回収方法 Pending JP2016045155A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014171380A JP2016045155A (ja) 2014-08-26 2014-08-26 破砕体回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014171380A JP2016045155A (ja) 2014-08-26 2014-08-26 破砕体回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016045155A true JP2016045155A (ja) 2016-04-04

Family

ID=55635838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014171380A Pending JP2016045155A (ja) 2014-08-26 2014-08-26 破砕体回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016045155A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109967502A (zh) * 2019-05-06 2019-07-05 浙江顺得机械有限公司 一种汽车解体机

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109967502A (zh) * 2019-05-06 2019-07-05 浙江顺得机械有限公司 一种汽车解体机
CN109967502B (zh) * 2019-05-06 2024-04-12 浙江顺得机械有限公司 一种汽车解体机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5782320B2 (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質の搬出方法
JP5997761B2 (ja) 水中ロボット式ベント及び検査システム
JP5937474B2 (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法
JP5981324B2 (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質取り出し方法
JP6916239B2 (ja) 原子炉建屋全体カバー装置及び原子炉建屋準備作業方法
US9416903B2 (en) Method and device for removal of a hydrate plug
KR101534675B1 (ko) 원자로 압력용기 원격 해체 작업용 로봇 시스템
JP6349059B2 (ja) 放射性物質の処理設備
JP2016045155A (ja) 破砕体回収方法
JP6129646B2 (ja) 沸騰水型原子力プラントにおける燃料デブリの搬出方法
JP6360458B2 (ja) 燃料デブリの取出し方法
JP5905947B2 (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質の搬出方法
JP2016045152A (ja) 燃料デブリ回収システムおよび燃料デブリ回収方法
JP2016045153A (ja) 位置決め装置
JP4432112B2 (ja) 原子炉圧力容器の解体工法
JP2016045154A (ja) 原子炉開削システムおよび原子炉開削方法
JP2008046032A (ja) 再処理施設のカメラ点検システム及び点検カメラ
JP2016114486A (ja) 燃料デブリの回収方法及び回収装置
JP6518511B2 (ja) 原子炉圧力容器を開放する方法及び燃料デブリの取出し方法
JP6473775B2 (ja) 原子力プラントにおける炉内構造物の搬出方法
JP2015049060A (ja) 沸騰水型原子力プラントにおける燃料デブリ搬出装置及び搬出方法
JP6253444B2 (ja) 沸騰水型原子力プラントにおける炉内機器の搬出方法及び燃料搬出方法
JP2016200535A (ja) 放射線遮蔽方法、および、これに用いる中空金属球とバッグ構造体
JP6793212B2 (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質の搬出方法
KR101278196B1 (ko) 수직공동을 이용한 용융된 원자로 연료봉을 처리하는 장치