JP2016044509A - 建物 - Google Patents

建物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016044509A
JP2016044509A JP2014171673A JP2014171673A JP2016044509A JP 2016044509 A JP2016044509 A JP 2016044509A JP 2014171673 A JP2014171673 A JP 2014171673A JP 2014171673 A JP2014171673 A JP 2014171673A JP 2016044509 A JP2016044509 A JP 2016044509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chianti
frame
damping device
building
vibration damping
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014171673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6418848B2 (ja
Inventor
宏志 松原
Hiroshi Matsubara
宏志 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Homes Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Homes Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Homes Corp filed Critical Asahi Kasei Homes Corp
Priority to JP2014171673A priority Critical patent/JP6418848B2/ja
Publication of JP2016044509A publication Critical patent/JP2016044509A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6418848B2 publication Critical patent/JP6418848B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】制振装置を備えながらも間取りの設計に対して制約を受け難い建物を提供する。【解決手段】建物1は、柱4と柱4間に設けられる梁6とで構成される建物本体の本体架構10Aと、本体架構10Aに一端側が固定されているキャンティ架構20Aとを備え、キャンティ架構20Aは、上部キャンティ架構25Aと、上部キャンティ架構25Aの下方に設けられる下部キャンティ架構21Aとを有し、上部キャンティ架構25Aと下部キャンティ架構21Aとの間にわたって制振装置30が固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、建物に関し、特に制振装置を備えた建物に関する。
従来、地震等による建物の振動を抑制する制振装置を備えた建物が知られている。例えば、特許文献1には、上部梁と下部梁との中央部間に設けられた制振装置を備えた建物が開示されている。この建物における制振装置は、上部梁に接合された上部間柱と、下部梁に接合された下部間柱と、これら上下部間柱間に配置されたダンパとを備えている。
特開2005−314917号公報
しかしながら、上記のような従来の建物では、柱及び梁によって構成される建物本体の架構内に制振装置が設けられている。そのため、制振装置が配置されるスペースを建物本体の架構内に確保する必要があり、建物本体における間取りの設計に一定の制約を受けていた。特に狭小住宅では、制振装置の配置によって、例えば広いリビングの確保が困難になる場合や、窓の配置を変更しなければならない場合があった。
そこで、本発明は、制振装置を備えながらも間取りの設計に対して制約を受け難い建物を提供することを目的とする。
本発明の建物は、柱と柱間に設けられる梁とで構成される建物本体の本体架構と、本体架構に一端側が固定されているキャンティ架構とを備えた建物であって、キャンティ架構は、上部キャンティ架構と、上部キャンティ架構の下方に設けられる下部キャンティ架構とを有し、上部キャンティ架構と下部キャンティ架構との間にわたって制振装置が固定されていることを特徴とする。
このような建物によれば、制振装置が固定されるキャンティ架構と、建物本体の架構とが別に構成されることになる。そのため、キャンティ架構に対する制振装置の配置をどのように設計したとしても、建物本体の架構内における間取りの設計に対して制約を受けることがない。したがって、建物全体でみたときに、制振装置を備えながらも間取りの設計に対して制約を受け難いものとなる。
また、下部キャンティ架構は、基礎梁であってもよい。基礎梁は、上部キャンティ架構に比べて曲げ剛性高いため、付加される垂直力が大きくなっても変形し難い。そのため、キャンティ架構が過度に変形することを抑制でき、効果的に制振することができる。
また、上部キャンティ架構は、柱又は梁に一端側が固定されている少なくとも2本のキャンティ梁と、2本のキャンティ梁間にわたって設けられる小梁とを有し、制振装置の上端は小梁に隣接し、制振装置が上部キャンティ架構に対して固定されている幅は、小梁の長手方向の長さよりも小さくてもよい。これによれば、制振装置の固定されている幅が小梁の長さよりも大きい場合に比べて、制振装置から上部キャンティ梁に付加される垂直力が小さくなる。そのため、キャンティ梁の変形を小さく抑えることができ、効果的に制振することができる。
また、制振装置は、所定の振動減衰手段を備え、振動減衰手段は、上部キャンティ架構と下部キャンティ架構との中間位置よりも上部キャンティ架構側に配置されていてもよい。これによれば、制振装置から上部キャンティ架構に作用する偶力(垂直力)が小さくなり、制振装置から下部キャンティ架構に作用する偶力が大きくなる。下部キャンティ架構は、上部キャンティ架構よりも曲げ剛性が高いため、作用する偶力が大きくなっても大きく変形しない。一方、上部キャンティ架構は、作用する偶力が小さくなっているため、大きく変形しない。これにより、効果的に制振することができる。
また、上部キャンティ架構は、柱又は梁に一端側が固定されている少なくとも2本のキャンティ梁と、2本のキャンティ梁間にわたって設けられる小梁とを有し、制振装置は、小梁と下部キャンティ架構との間にわたって固定され、平面視において小梁の長さ方向に直交する方向に向かって制振装置を建物本体に対して平行に投影して形成される投影領域を想定した場合に、建物本体における投影領域の少なくとも一部が開放部になっていてもよい。キャンティ架構のない建物本体に対して開放部を設けたい場合に、当該開放部の位置が制振装置の配置に適していることがある。このような場合であっても、開放部に対して平行に投影される位置に制振装置が設けられることで、建物本体に対して自由に開放部を形成することができる。
本発明の建物によれば、制振装置を備えながらも間取りの設計に対して制約を受け難くすることができる。
一の実施形態に係る建物の架構を示す斜視図である。 図1の制振装置を示す正面図である。 (a)は建物の梁伏図であり、(b)は建物の軸組図である。 (a)は建物の梁伏図であり、(b)は建物の軸組図である。 建物の各階を示す間取り図である。 建物の各階を示す間取り図である。 (a)〜(d)は、他の実施形態に係る建物の架構を示す斜視図である。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図1に示されるように、本実施形態に係る建物1は、建物本体を構成する本体架構10Aと、この本体架構10Aから張り出して設けられるキャンティ架構20Aとを備えている。なお、本実施形態では鉄骨ラーメン構造の本体架構を例に説明するが、ピンブレース構造や木造の本体架構であってもよい。また、図1では一階部分のみを示しているが、後述するように複数の階層を備えていてもよい。
本体架構10Aは、コンクリート製の基礎梁3と、水平方向に所定距離離間して基礎梁3に立設された複数の柱4と、柱4間に設けられた梁6とを備える。基礎梁3は、例えば布基礎であり、水平方向に延在して柱4の下端(柱脚)間にわたって設けられている。柱4は例えば角形鋼管からなり、梁6は例えばH形鋼からなる。なお、本体架構10Aは柱勝ち又は梁勝ちのいずれであってもよいが、ここでは柱勝ちを例に説明する。基礎梁3と梁6とは、上下方向において対向するようにして、互いに平行に延在する。すなわち、基礎梁3と梁6とは、同じ水平方向に延在している。
本体架構10Aからは、一端側が本体架構10Aに固定され、他端側が自由であるキャンティ架構20Aが張り出している。本実施形態におけるキャンティ架構20Aは、上部キャンティ架構25Aと下部キャンティ架構21Aとを備えている。上部キャンティ架構25Aは、本体架構10Aにおける柱4から張り出して設けられる2本のキャンティ梁26A,26Bと、キャンティ梁26A,26B間に設けられる小梁27とを備えている。キャンティ梁26A,26B及び小梁27は、梁6と同様に例えばH形鋼からなる。下部キャンティ架構21Aは、基礎梁3から連続して形成されるキャンティ基礎梁23A,23Bと、キャンティ基礎梁23A,23B間に設けられる基礎小梁24とを備えている。すなわち、下部キャンティ架構21Aは、例えばコンクリート製の布基礎等によって形成される基礎梁であり、水平方向に延在して設けられる。上部キャンティ架構25Aと下部キャンティ架構21Aとは、上下方向において対向するようにして、互いに平行に延在している。
図1及び図2に示されるように、上部キャンティ架構25Aの小梁27と下部キャンティ架構21Aの基礎小梁24との間には、制振装置30が設けられている。制振装置30は、水平方向及び鉛直方向に沿って配置された面状を呈している。すなわち、制振装置30は、小梁27と、基礎小梁24とによって形成される面内に配置された耐力パネルである。このような制振装置30は、地震等により建物に水平力が加わった場合に、水平力による振動を効果的に減衰させるための装置である。ここで、コンクリート製である下部キャンティ架構21Aでは、架構面(梁に沿った垂直面)における面内方向の曲げ剛性(以下、単に「曲げ剛性」という)が、上部キャンティ架構25Aよりも大きくなっている。なお、複数の階層を備える場合において、隣接する階層から張り出すキャンティ架構のうち上方側を上部キャンティ架構とし、下方側を下部キャンティ架構としたときにも、下部キャンティ架構は、上部キャンティ架構よりも大きな曲げ剛性を有する。
制振装置30は、基礎小梁24の上面24aに立設されて上方に向けて突出する第1部材31と、小梁27に隣接した状態で小梁27のフランジ27aに固定されて垂下する第2部材41とを備える。第1部材31及び第2部材41は、いずれも基礎小梁24及び小梁27の架構面に沿って配置されている。この第1部材31と第2部材41とは、振れ止め部39,49を介して互いに水平方向に摺動可能に支持されている。また、第1部材31と第2部材41との間には、第1部材31と第2部材41とに連結されて振動を減衰させる減衰装置(振動減衰手段)40が設けられている。
第1部材31は、板状をなすウェブ部32と、水平方向におけるウェブ部32の両側(図示左右両側)に配置される一対のフランジ部33,34と、を備えている。ウェブ部32は、長方形状の鋼板からなり、水平方向及び鉛直方向に沿って延在する。フランジ部33及びフランジ部34は、例えば角形鋼管からなり、筒状に形成されている。ウェブ部32は、各フランジ部33,34の側面に対して溶接等によって接合されている。
第1部材31は、各フランジ部33,34が基礎小梁24に剛接合されることにより、基礎小梁24に対して固定されている。本実施形態では、各フランジ部33,34の下端部(すなわち基礎小梁24側の端部)に、貫通孔35a,36aが形成された平板状のエンドプレート35,36が設けられている。各エンドプレート35,36は、各フランジ部33,34の下端に溶接されている。基礎小梁24には予めアンカーボルト24bが固着・立設されており、このアンカーボルト24bが各エンドプレート35,36の貫通孔35a,36aに挿通されて、筒状のフランジ部33,34の内部においてナット24cが螺着される。これにより、基礎小梁24に対して第1部材31が接合される。
各フランジ部33,34は、下端部(すなわち基礎小梁24側の端部)の一側面に、鉛直方向に長い長孔状の開口33a,34aを有している。開口33a,34aは、大人の一般的な手を挿入可能な大きさに形成されており、各開口33a,34aの下端は、各エンドプレート35,36に至っている。これらの開口33a,34aが形成されることにより、エンドプレート35,36の貫通孔35a,36aに挿通されたアンカーボルト24bに対し、ナット24cを螺着することができ、アンカーボルト接合が容易になっている。
図2に示されるように、フランジ部33の上端には、フランジ部34及びウェブ部32よりも上方に突出するプレート37が溶接等によって固定されている。プレート37は、ウェブ部32と同一の平面内に配置されている。また、フランジ部34の上端には、第2部材41との面外方向(図2の紙面垂直方向)における振れを防止する振れ止め部39が設けられている。
第2部材41は、板状をなすウェブ部42と、水平方向におけるウェブ部42の両側(図示左右両側)に配置される一対のフランジ部43,44と、を備えている。ウェブ部42は、長方形状の鋼板からなり、水平方向及び鉛直方向に沿って延在する。フランジ部43及びフランジ部44は、例えば角形鋼管からなり、筒状に形成されている。ウェブ部42は、各フランジ部43,44の側面に対して溶接等によって接合されている。
第2部材41は、各フランジ部43,44が小梁27に剛接合されることにより、小梁27に対して固定されている。各フランジ部43,44は、上端部(すなわち小梁27側の端部)に平板状のエンドプレート45,46を備えている。各エンドプレート45,46は、小梁27のフランジ27aに対してボルト及びナットによって固定されている。これにより、小梁27に対して第2部材41が接合される。第2部材41のフランジ部44の下端には、フランジ部43及びウェブ部42よりも下方に突出するプレート47が溶接等によって固定されている。プレート47は、ウェブ部42と同一の平面内に配置されている。また、フランジ部43の下端には、第1部材31との面外方向(図2の紙面垂直方向、図4及び図5の左右方向)における振れを防止する振れ止め部49が設けられている。
このような構成により、第1部材31における振れ止め部39が第2部材41におけるプレート47を摺動可能に支持し、第2部材41における振れ止め部49が第1部材31におけるプレート37を摺動可能に支持する。本実施形態では、振れ止め部39,49が例えば断面U字状からなる部材となっており、このような振れ止め部39,49がプレート47,37をそれぞれ挟持する構造となっている。
減衰装置40は、第1部材31と第2部材41とを連結するように設けられている。本実施形態では、減衰装置40は、上下方向に並んで配置される2本の油圧ダンパ40a,40bを有している。各油圧ダンパ40a,40bは、水平方向に伸縮可能に配置されている。各油圧ダンパ40a,40bのシリンダ側の端部(図示左側の一端)が、プレート37に対してピン接合により連結されている。また、各油圧ダンパ40a,40bのピストンロッド側の端部(図示右側の他端)が、プレート47に対してピン接合により連結されている。制振装置30に対して地震等による水平力が加わった場合には、油圧ダンパ40a、40bが伸縮することにより、振動が減衰されることになる。
ここで、地震等によって制振装置30に水平力が加わった場合、制振装置30において偶力が発生する。この偶力は鉛直力として上部キャンティ架構25A及び下部キャンティ架構21Aに作用することになる。図2に示されるように、減衰装置40は、上部キャンティ架構25Aと下部キャンティ架構21Aとの中間位置Cよりも上部キャンティ架構25A側に寄せて設けられている。この場合、上部キャンティ架構25Aから減衰装置40までの距離(上部キャンティ架構25Aから2本の油圧ダンパ40a、40bの高さ方向の中心位置までの距離)をHとし、制振装置30が上部キャンティ架構25Aに対して固定されている幅(フランジ部43,44間の幅)をBとし、制振装置30に加わる水平力をAとすると、上部キャンティ架構25A側に発生する偶力Pは、以下の式(1)によって得ることができる。
P=A×H/B・・・(1)
そのため、上部キャンティ架構25Aに近接して減衰装置40が設けられることで、上部キャンティ架構25A側に発生する偶力Pが小さくなる。これにより、キャンティ梁26A,26Bの変形が抑制され、より効果的な制振効果が得られる。一方で、このように減衰装置40を上部キャンティ架構25A側に寄せた場合には、下部キャンティ架構21Aから減衰装置40までの距離が大きくなるため、下部キャンティ架構21A側に発生する偶力は大きくなる。しかしながら、下部キャンティ架構21Aは上部キャンティ架構25Aに比べて曲げ剛性が高いため、大きく変形し難い。
また、本実施形態では、図3(a)に示されるように、制振装置30が上部キャンティ架構25Aに対して固定されている幅は、小梁27の長手方向の長さよりも小さくなっている。ここで、図3(b)に示されるように、キャンティ梁26A,26B間の距離(小梁27の長手方向の長さ)をLとし、図2同様に制振装置30が上部キャンティ架構25Aに対して固定されている幅をBとした場合、偶力Pによってキャンティ梁26A,26Bに付加される鉛直力Fは、以下の式(2)によって得ることができる。
F=P×B/L・・・(2)
なお、本実施形態では、制振装置30の各フランジ部43,44がいずれも小梁27に接合されているが、上述のように、キャンティ梁26A,26Bに作用する鉛直力は、式(2)で得られる。そのため、例えばフランジ部43,44のいずれかがキャンティ梁26A又は26Bに接合されていてもキャンティ梁26A,26Bに作用する鉛直力Fは同様となる。
ここで、例えば図4に示される実施形態を考えてみる。図4(a)に示されるように、この実施形態は、建物1の構成に加えて、さらにキャンティ梁26Cを備えている。このキャンティ梁26Cは、キャンティ梁26Aとキャンティ梁26Bとの間において、キャンティ梁26B側に寄って設けられている。また、キャンティ梁26Cの一端は、本体架構10Aの内側を構成する梁6bに接合されている。キャンティ梁26A,26C間及びキャンティ梁26C,26B間にはそれぞれ小梁27B,27Cが設けられている。制振装置30の各フランジ部43,44(図4において図示省略)は、キャンティ梁26B及びキャンティ梁26Cに接合されている。この場合、図4(b)に示されるように、式(2)における距離Lに相当するのは、キャンティ梁26B,26C間の距離(小梁27Cの長さ)であり、幅Bと同等となる。すなわち、発生した偶力Pと同等の鉛直力Fがキャンティ梁26B,26Cに作用することになる。
上述のように、減衰装置40の位置を上部キャンティ架構25A側に寄せたとしても、少なからず上部キャンティ架構25A側に偶力Pが発生する。そこで、図3に示されるように、制振装置30が固定されている幅Bをキャンティ梁26A,26B間の距離よりも小さくすることで、付加される鉛直力Fをさらに小さくすることができる。
次に、このような本実施形態を備えた具体的な間取りのプランの例について、図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6は、いずれも建物1と同様の本体架構10A及びキャンティ架構20Aを備えた鉄骨3階建ての住宅の間取り図である。なお、2階及び3階の柱梁の構造は、1階部分と同様である。図5に示される第1のプランでは、1階に玄関51a、廊下51b、トイレ51c及びLDK51dを備え、2階にユニットバス52a、洗面所52b、トイレ52c、居室52d、物入52e、廊下52f及びベランダ52gを備え、3階に居室53a,53b、廊下53c及びベランダ53dを備えている。各階は階段Sによって繋がっている。
例えば、1階の間取りにおいて、制振装置30が本体架構10Aに対して固定されている場合を想定してみる。例えば、二点鎖線で示された位置に制振装置30が配置されたとする。この場合、キャンティ架構20A側まで張り出してLDK51dを設計したとしても、LDK51d内に制振装置30が壁部として存在してしまうことになる。しかしながら、本実施形態では、キャンティ架構20Aにおける小梁27に制振装置30が設けられることで、制振装置30を建物1の外周に配置することができる。これにより、壁部のない連続した広い空間のLDKを実現することができる。この場合、平面視において小梁27の長さ方向に直交する方向に向かって、制振装置30を建物本体に対して平行に投影して形成される投影領域R1を想定した場合に、投影領域R1は壁部等の遮蔽物のない開放部になっている。
また、2階の間取りにおいて、制振装置30が本体架構10Aに対して固定されている場合を想定してみる。例えば、二点鎖線で示された位置に制振装置30が配置されたとする。この場合、図示のように制振装置30と窓(開放部)Wとが干渉してしまう虞があるため、干渉をさけて窓の位置を設計する必要がある。しかしながら、本実施形態では、ベランダ52gを構成するキャンティ架構20Aの小梁27に制振装置30が設けられることで、広い窓を設計することができる。この場合、平面視において小梁27の長さ方向に直交する方向に向かって、制振装置30を建物本体に対して平行に投影して形成される投影領域R2を想定した場合に、投影領域R2の少なくとも一部が窓(開放部)Wに重なっている。
図6に示される第2のプランでは、1階に玄関61a、シューズクローク61b、廊下61c、物入61d及びピロティ車庫61eを備え、2階にトイレ62a及びLDK62bを備え、3階にユニットバス63a、洗面所63b、廊下63c、トイレ63d、物入63e、居室63f及びベランダ63gを備えている。各階は階段Sによって繋がっている。
1階の間取りにおいて、制振装置30が本体架構10Aに対して固定されている場合を想定する。例えば、ピロティ車庫61e内の二点鎖線で示された位置に制振装置30が配置されたとする。この場合には、ピロティ車庫61eの一部が壁部(制振装置30)によって分断されるため、例えば図示するように自動車65を駐車したときにバイク等の二輪車66を駐車し難くなることがある。しかしながら、本実施形態では、キャンティ架構20Aに制振装置30が設けられることで、壁部のない連続したスペースのピロティ車庫61eを実現することができる。この場合、制振装置30を本体架構10Aに対して平行に投影して形成される投影領域R3を想定した場合に、投影領域R3は壁部のない開放部になっている。
また、第1のプランにおける1階の間取りと同様に、第2のプランにおける2階の間取りでは壁部のない連続した広い空間のLDK62bを実現することができる。
以上のように、本実施形態に係る建物1は、建物本体を構成している本体架構10Aと、制振装置30が固定されるキャンティ架構20Aとを備えている。そのため、キャンティ架構20Aに対する制振装置30の配置をどのように設計したとしても、建物本体の本体架構10A内における間取りの設計が制約を受けることがない。したがって、建物1全体でみたときに、制振装置30を備えながらも間取りの設計に対して制約を受け難いものとなる。また、キャンティ架構20Aに対して制振装置30が設けられることで、制振装置30が建物1の剛心から離れた位置に配置されることになる。これにより、建物1の振動を効果的に減衰することができる。
また、建物1の1階部分に制振装置30が設けられる場合には、制振装置30の下端が下部キャンティ架構21Aとしての基礎小梁24に固定される。基礎小梁24は、上部キャンティ架構25Aに比べて曲げ剛性が高いため、作用する偶力P(鉛直力F)が大きくなっても変形し難い。そのため、キャンティ架構20Aが過度に変形することを抑制することができ、効果的に制振することができる。
また、制振装置30が上部キャンティ架構25Aに対して固定されている幅Bが、小梁27の長手方向の長さよりも小さいため、制振装置30の固定されている幅Bが小梁27の長さよりも大きい場合に比べて、制振装置30からキャンティ梁26A,26Bに作用する鉛直力Fが小さくなる。そのため、キャンティ梁26A,26Bの変形を小さく抑えることができ、効果的に制振することができる。
また、減衰装置40が上部キャンティ架構25Aと下部キャンティ架構21Aとの中間位置Cよりも上部キャンティ架構25A側に配置されていているため、制振装置30から上部キャンティ架構25Aに作用する偶力Pが小さくなる。これにより、上部キャンティ架構25Aが大きく変形することを抑制できる。一方で、制振装置30から下部キャンティ架構21Aに作用する偶力は大きくなる。しかしながら、下部キャンティ架構21Aは、上部キャンティ架構25Aよりも曲げ剛性が高いため、作用する偶力が大きくなっても大きく変形しない。これにより、効果的に制振することができる。
また、キャンティ架構20Aを備えない建物に対して窓Wのような開放部を設けたい場合に、制振設計上、開放部の位置が制振装置30の配置に適していることがある。このような場合であっても、開放部に対して平行に投影される位置に制振装置30が設けられることで、建物本体に対して自由に開放部を形成することができる。また、キャンティ架構20Aを備えた建物1においてキャンティ架構20A側に制振装置30を配置することで、本体架構10Aの投影領域に制振装置30を設けなくて済み、連続した広い空間(例えばLDK51d,62bやピロティ車庫61e)を形成することができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られない。
例えば、キャンティ架構20Aにおける上部キャンティ架構25Aが、キャンティ梁26A,26B及び小梁27によって構成されている例を示したが、これに限定されない。例えば、図7(a)に示されるように、キャンティ梁26Bに代えてキャンティ梁26Cを用いて構成されてもよい。この実施形態では、上部キャンティ架構25Aを構成する2本のキャンティ梁26A,26Cのうち、キャンティ梁26Aが柱4から張り出し、キャンティ梁26Cが梁6cから張り出している。下部キャンティ架構21Aは、上部キャンティ架構25Aに対向するようにキャンティ基礎梁23A,23B及び基礎小梁24を有している。そして、制振装置30は、キャンティ梁26A,26C間に設けられる小梁27Bと、基礎小梁24との間に設けられている。
また、図7(b)に示されるように、キャンティ架構内のいずれの位置に制振装置が設けられてもよい。この実施形態では、図7(a)と同様の本体架構及びキャンティ架構を備えている。そして、キャンティ基礎梁23Aとキャンティ梁26Aとの間に制振装置30が設けられるとともに、キャンティ基礎梁23Bとキャンティ梁26Cとの間にも制振装置30が設けられている。
また、図7(c)に示されるように、キャンティ架構は、複数の小梁を備えて構成されてもよい。この実施形態では、図7(a)の構成に加えて、さらに小梁27Dを備えている。小梁27Dは、キャンティ梁26Aとキャンティ梁26Cとの略中間同士を結ぶように設けられている。また、下部キャンティ架構では、小梁27B,27Dに対向する位置に基礎小梁24が設けられている。制振装置30は、小梁27Bと基礎小梁24との間に設けられるとともに、小梁27Dと基礎小梁24との間に設けられる。
また、図7(d)に示されるように、キャンティ架構は、小梁を備えない構成であってもよい。この実施形態では、図7(a)における本体架構及びキャンティ架構から、小梁27Bを除いた構成を備えている。そして、キャンティ基礎梁23Aとキャンティ梁26Aとの間に制振装置30が設けられるとともに、キャンティ基礎梁23Bとキャンティ梁26Cとの間にも制振装置30が設けられている。
また、制振装置は、架構に加わる水平力を減衰することができる構成であればよい。例えば、減衰装置として油圧ダンパではなく他の粘弾性ダンパ等を用いてもよい。また、減衰装置の数(例えば油圧ダンパ)は、1個であっても3個以上であってもよい。さらに、減衰装置と第1部材及び第2部材との接合は剛接合であってもよい。
また、上部キャンティ架構が3本のキャンティ梁26A〜26Cを有した場合に、キャンティ梁26A,26C間及びキャンティ梁26C,26B間にそれぞれ小梁27B,27Cが設けられている例を示したが、これに限定されない。例えば、小梁がキャンティ梁26A〜26Cに対して勝つように構成されてもよい。すなわち、キャンティ梁26Aとキャンティ梁26Bとの間にわたって設けられる1本の小梁を備え、該小梁に対してキャンティ梁26Cが接合されてもよい。このような構成により、制振装置が固定される小梁の長手方向の長さが長くなる。これにより、制振装置からキャンティ梁26A〜26Cに付加される鉛直力が小さくなる。そのため、キャンティ梁26A〜26Cの変形を小さく抑えることができ、効果的に制振することができる。
1…建物、4…柱、6…梁、10A…本体架構、20A…キャンティ架構、21A…下部キャンティ架構、25A…上部キャンティ架構、30…制振装置。

Claims (5)

  1. 柱と前記柱間に設けられる梁とで構成される建物本体の本体架構と、前記本体架構に一端側が固定されているキャンティ架構とを備えた建物であって、
    前記キャンティ架構は、上部キャンティ架構と、前記上部キャンティ架構の下方に設けられる下部キャンティ架構とを有し、
    前記上部キャンティ架構と前記下部キャンティ架構との間にわたって制振装置が固定されていることを特徴とする建物。
  2. 前記下部キャンティ架構は、基礎梁であることを特徴とする請求項1に記載の建物。
  3. 前記上部キャンティ架構は、前記柱又は前記梁に一端側が固定されている少なくとも2本のキャンティ梁と、前記2本のキャンティ梁間にわたって設けられる小梁とを有し、
    前記制振装置の上端は前記小梁に隣接し、
    前記制振装置が前記上部キャンティ架構に対して固定されている幅は、前記小梁の長手方向の長さよりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の建物。
  4. 前記制振装置は、所定の振動減衰手段を備え、
    前記振動減衰手段は、前記上部キャンティ架構と前記下部キャンティ架構との中間位置よりも前記上部キャンティ架構側に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物。
  5. 前記上部キャンティ架構は、前記柱又は前記梁に一端側が固定されている少なくとも2本のキャンティ梁と、前記2本のキャンティ梁間にわたって設けられる小梁とを有し、
    前記制振装置は、前記小梁と前記下部キャンティ架構との間にわたって固定され、
    平面視において前記小梁の長さ方向に直交する方向に向かって前記制振装置を前記建物本体に対して平行に投影して形成される投影領域を想定した場合に、前記建物本体における前記投影領域の少なくとも一部が開放部になっていることを特徴とする請求項1に記載の建物。
JP2014171673A 2014-08-26 2014-08-26 建物 Active JP6418848B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014171673A JP6418848B2 (ja) 2014-08-26 2014-08-26 建物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014171673A JP6418848B2 (ja) 2014-08-26 2014-08-26 建物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016044509A true JP2016044509A (ja) 2016-04-04
JP6418848B2 JP6418848B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=55635326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014171673A Active JP6418848B2 (ja) 2014-08-26 2014-08-26 建物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6418848B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01275865A (ja) * 1988-04-25 1989-11-06 Shimizu Corp 跳ね出し部に形成した耐震壁を有する中高層建築物
JP2006161338A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Taisei Corp 制震壁
JP2007107250A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Misawa Homes Co Ltd 制振壁構造
JP2009097255A (ja) * 2007-10-17 2009-05-07 Sekisui House Ltd 集合住宅
JP2012219577A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Toyota Motor Corp 制振システム
JP2013213338A (ja) * 2012-04-02 2013-10-17 Hitoshi Shiobara 制震補強架構付き構造物
JP2014105545A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Asahi Kasei Homes Co 制振構造

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01275865A (ja) * 1988-04-25 1989-11-06 Shimizu Corp 跳ね出し部に形成した耐震壁を有する中高層建築物
JP2006161338A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Taisei Corp 制震壁
JP2007107250A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Misawa Homes Co Ltd 制振壁構造
JP2009097255A (ja) * 2007-10-17 2009-05-07 Sekisui House Ltd 集合住宅
JP2012219577A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Toyota Motor Corp 制振システム
JP2013213338A (ja) * 2012-04-02 2013-10-17 Hitoshi Shiobara 制震補強架構付き構造物
JP2014105545A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Asahi Kasei Homes Co 制振構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP6418848B2 (ja) 2018-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2475829B1 (en) Structural protection system for buildings
JP6418848B2 (ja) 建物
JP2019085779A (ja) 制震装置の取付構造
JP5541728B2 (ja) 木造建物の制振構造
JP5503200B2 (ja) ユニット建物
JP5682035B2 (ja) 制振構造
JP7037320B2 (ja) 制振建物
JP4030447B2 (ja) 免震装置付きユニット式建物
JP7359655B2 (ja) 建物の制振構造
JP2015221976A (ja) 建物用の制振装置
JP6224357B2 (ja) 制振構造
JP7373382B2 (ja) 制振構造
JP2019085786A (ja) 構造物及び構造物の設計方法
JP5339216B2 (ja) 制震構造
JP6143055B2 (ja) 制振構造物
JP7456128B2 (ja) 構造物
JP7286904B2 (ja) 建物
JP7228336B2 (ja) 制振建物
JP2004176348A (ja) 高層建築物の免震構造
JP7009726B2 (ja) 免震構造
JPH0860895A (ja) 曲げ変形制御型制震架構
JP6924599B2 (ja) 床構造
JP2020101051A (ja) 制振建物
JP2005180089A (ja) 建物の制震構造および建物の制震方法
JP2017133315A (ja) 建物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181009

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6418848

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350