JP2016044197A - 粘着シート、タッチパネル用積層体および静電容量式タッチパネル - Google Patents

粘着シート、タッチパネル用積層体および静電容量式タッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】異物の少ない粘着シート、上記粘着シートを備えるタッチパネル用積層体および静電容量式タッチパネルを提供する。【解決手段】光硬化性組成物を硬化させることで得られる粘着シートであって、上記光硬化性組成物が、ゴムと、光硬化性(メタ)アクリレートモノマーと、アシルフォスフィンオキサイドと、リン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含有する、粘着シート。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着シート、タッチパネル用積層体および静電容量式タッチパネルに関する。
近年、携帯電話や携帯ゲーム機器等へのタッチパネルの搭載率が上昇しており、例えば、多点検出が可能な静電容量方式のタッチパネル(以後、単にタッチパネルとも称する)が注目を集めている。
通常、タッチパネルを製造する際には、表示装置やタッチパネルセンサーなどの各部材間を密着させるために粘着シートが使用されている。
例えば、特許文献1には、ゴムと(メタ)アクリレートモノマーとアシルフォスフィンオキサイドとを含有する重合性組成物を光重合させることによって得られる粘着シートが開示されている(実施例等)。
国際公開第2013/146015号
このようななか、本発明者らが特許文献1を参考に、ゴムと(メタ)アクリレートモノマーとアシルフォスフィンオキサイドとを含有する光硬化性組成物を硬化させて粘着シートを作製したところ、得られる粘着シートには異物が多く見られる場合があることが明らかになった。このように粘着シートに異物が存在すると、タッチパネルなどに使用したときに視認性が低下するなどの問題が生じ得る。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、異物の少ない粘着シート、上記粘着シートを備えるタッチパネル用積層体および静電容量式タッチパネルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、重合開始剤として使用されるアシルフォスフィンオキサイドが、溶解性が低いために析出して異物となる場合があることが明らかになった。そして、光硬化性組成物にリン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を配合することで、アシルフォスフィンオキサイドの析出が抑制され上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 光硬化性組成物を硬化させることで得られる粘着シートであって、
上記光硬化性組成物が、ゴムと、
光硬化性(メタ)アクリレートモノマーと、
アシルフォスフィンオキサイドと、
リン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含有する、粘着シート。
(2) 上記化合物がリン酸エステル化合物を含む、上記(1)に記載の粘着シート。
(3) 上記リン酸エステル化合物が芳香族縮合リン酸エステル化合物を含む、上記(2)に記載の粘着シート。
(4) 上記リン酸エステル化合物が2種以上の芳香族縮合リン酸エステル化合物を含む、上記(3)に記載の粘着シート。
(5) 上記光硬化性組成物中の上記化合物の含有量に対する上記アシルフォスフィンオキサイドの含有量の割合が0.90〜15.0である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着シート。ただし、上記割合は質量比を表す。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着シートと、静電容量式タッチパネルセンサーとを備える、タッチパネル用積層体。
(7) さらに、保護基板を備え、
上記保護基板と、上記粘着シートと、上記静電容量式タッチパネルセンサーとをこの順に備える、上記(6)に記載のタッチパネル用積層体。
(8) 静電容量式タッチパネルセンサーと、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着シートと、表示装置とをこの順に備える、静電容量式タッチパネル。
以下に示すように、本発明によれば、異物の少ない粘着シート、上記粘着シートを備えるタッチパネル用積層体および静電容量式タッチパネルを提供することができる。
本発明のタッチパネル用積層体の一態様の断面図である。 本発明のタッチパネル用積層体の別の態様の断面図である。 本発明の静電容量式タッチパネルの断面図である。
以下に、本発明の粘着シート、上記粘着シートを備えるタッチパネル用積層体および静電容量式タッチパネルについて説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を表し、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを表す。
また、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、成分が2種以上の化合物を含む場合、上記成分の含有量とは、合計の含有量を指す。
[粘着シート]
本発明の粘着シートは、光硬化性組成物を硬化させることで得られる。ここで、上記光硬化性組成物は、ゴムと、光硬化性(メタ)アクリレートモノマーと、アシルフォスフィンオキサイドと、リン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含有する。
本発明の粘着シートはこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
上述のとおり、重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイドを使用した場合、アシルフォスフィンオキサイドが析出して異物となる場合がある。一方、本発明では光硬化性組成物がリン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有するため、上記化合物がアシルフォスフィンオキサイドの溶解性を向上し、アシルフォスフィンオキサイドの析出が抑制されるものと考えられる。すなわち、上記化合物はアシルフォスフィンオキサイドの溶解性向上剤として機能するものと考えられる(以下、「リン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物」を「溶解性向上剤」とも言う)。なお、上記化合物によりアシルフォスフィンオキサイドの溶解性が向上する理由は明らかではないが、上記化合物がπ−πスタッキングなどのスタッキング可能な高い平面性と、水素結合可能な部位とを有するため、上記化合物とアシルフォスフィンオキサイドとが親和して相溶するためと考えられる。このことは、後述する比較例が示すように、上記化合物を含有しない光硬化性組成物を使用した場合(比較例1および2)には粘着シートに異物が多く見られることからも推測される。
まず、本発明の粘着シートに使用される光硬化性組成物について詳述し、その後、本発明の粘着シートの製造方法について詳述する。
〔光硬化性組成物〕
本発明で使用される光硬化性組成物は、ゴムと、光硬化性(メタ)アクリレートモノマーと、アシルフォスフィンオキサイドと、リン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含有する。
以下、各成分について詳述する。
<ゴム>
上記光硬化性組成物に含有されるゴムは特に制限されないが、例えば、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブテン、スチレンブタジエン共重合体、あるいはこれらの群から任意に選ばれた組み合わせの共重合体や、これらの混合物などが挙げられる。
なお、ゴムとしては、重合性基を有するゴムが含まれていてもよい。つまり、光硬化性組成物には、重合性基を有するゴム、および/または、重合性基を有さないゴムが含有されていてもよい。光硬化性組成物は、重合性基を有するゴムおよび重合性基を有さないゴムを含有するのが好ましい。なお、重合性基としては、公知のラジカル重合性基((メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、アリル基など)や、公知のカチオン重合性基(エポキシ基など)が挙げられる。重合性基を有するゴムとしては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、および、水添ポリイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1つが挙げられる。
なお、本明細書において、重合性基を有するゴムは、上述した光硬化性(メタ)アクリレートモノマーに該当しない。
上記光硬化性組成物中の上記ゴムの含有量は特に制限されないが、上記光硬化性組成物中、10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。なお、光硬化性組成物が溶媒を含有する場合、ゴムの含有量とは、溶媒以外の全ての成分中の含有量を意味する。
<光硬化性(メタ)アクリレートモノマー>
上記光硬化性組成物に含有される光硬化性(メタ)アクリレートモノマーは特に制限されないが、取り扱い性に優れる点で、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、式(A)で表される単官能性(メタ)アクリレートモノマーがより好ましい。
式(A) CH=CR−COO−R
式(A)中、Rは、水素原子、または、アルキル基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜3が好ましく、炭素数1がより好ましい。
は、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基を表す。
なかでも、Rで表される炭化水素基中の炭素原子の数(炭素数)は6個以上が好ましく、6〜16個がより好ましく、8〜12個がさらに好ましい。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または、これらを組み合わせた基が好ましく挙げられる。脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖、または、環状であってもよく、より具体的には、直鎖状脂肪族炭化水素基、分岐鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基(脂環式炭化水素基)などが挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
光硬化性(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシノニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ジシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグルコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−モルホリノエチル(メタ)アクリレート、9−アントリル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トランス−1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記光硬化性(メタ)アクリレートモノマーの好適態様の一つとしては、2種の(メタ)アクリレートモノマーを併用する態様が挙げられ、なかでも、上記式(A)中のRが鎖状脂肪族炭化水素基(好ましくは、分岐鎖状脂肪族炭化水素基)であるモノマーXと、上記式(A)中のRが環状脂肪族炭化水素基であるモノマーYとを併用する態様がより好ましく挙げられる。
上記光硬化性組成物中の上記光硬化性(メタ)アクリレートモノマーの含有量は特に制限されないが、上記光硬化性組成物中、10〜45質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましく、20〜30質量%がさらに好ましい。なお、光硬化性組成物が溶媒を含有する場合、光硬化性(メタ)アクリレートモノマーの含有量とは、溶媒以外の全ての成分中の含有量を意味する。
<アシルフォスフィンオキサイド>
上記光硬化性組成物に含有されるアシルフォスフィンオキサイドは特に制限されず、公知のモノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイドなどを使用することができる。
(モノアシルフォスフィンオキサイド)
上記モノアシルフォスフィンオキサイドは特に制限されないが、好適な態様としては、例えば、下記式(A1)で表されるモノアシルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
上記式(A1)中、RA11は、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。炭化水素基としては特に制限されないが、具体例としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基などが挙げられ、なかでも、芳香族炭化水素基であることが好ましい。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1〜20)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2〜20)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2〜20)などが挙げられる。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状または分岐状のアルキル基であることが好ましい。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、ナフチル基などが挙げられる。上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基などが挙げられる。
炭化水素基が有してもよい置換基としては特に制限されないが、具体例としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)などが挙げられる。脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基の具体例および好適な態様は、上述のとおりである。置換基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
上記式(A1)中、RA12およびRA13は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい、炭化水素基または炭化水素オキシ基(−OR:ここでRは炭化水素基を表す)を表す。置換基を有してもよい炭化水素基の炭化水素基、および、炭化水素オキシ基の炭化水素基(R)の具体例は上述した炭化水素基と同じである。また、炭化水素基または炭化水素オキシ基が有してもよい置換基の具体例および好適な態様は、上述した置換基と同じである。
A12とRA13のうち一方は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であることが好ましい。RA12とRA13のうち一方が置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である場合、他方は置換基を有してもよい、アリール基(特に炭素数6〜18のもの)またはアルコキシ基(特に炭素数1〜5のもの)であることが好ましく、置換基を有してもよいアリール基(特に炭素数6〜18もの)であることがより好ましく、置換基を有してもよいフェニル基であることがさらに好ましい。
モノアシルフォスフィンオキサイドの具体例としては、ベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、3,4−ジメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルエトキシフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
(ビスアシルフォスフィンオキサイド)
上記ビスアシルフォスフィンオキサイドは特に制限されないが、好適な態様としては、例えば、下記式(A2)で表されるビスアシルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
上記式(A2)中、RA21〜RA23は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。炭化水素基および置換基の具体例および好適な態様は上述したRA11と同じである。
ビスアシルフォスフィンオキサイドの具体例としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−エチルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
上記光硬化性組成物中の上記アシルフォスフィンオキサイドの含有量は特に制限されないが、上記光硬化性組成物中、1.0〜5.0質量%であることが好ましく、1.5〜4.0質量%であることがより好ましい。なお、光硬化性組成物が溶媒を含有する場合、アシルフォスフィンオキサイドの含有量とは、溶媒以外の全ての成分中の含有量を意味する。
<溶解性向上剤>
光硬化性組成物は、リン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(溶解性向上剤)を含有する。上述のとおり、上記化合物はアシルフォスフィンオキサイドの溶解性を向上させる役割を有するものと考えられる。
溶解性向上剤はリン酸エステル化合物を含むのが好ましい。
(リン酸エステル化合物)
上記リン酸エステル化合物はリン酸のエステル化合物であれば特に制限されない。
上記リン酸エステル化合物は、芳香族リン酸エステル化合物を含むのが好ましく、芳香族縮合リン酸エステル化合物を含むのがより好ましく、2種以上の芳香族縮合リン酸エステル化合物を含むのがさらに好ましい。
ここで芳香族リン酸エステル化合物は、芳香族化合物とリン酸とのエステルである。また、芳香族縮合リン酸エステル化合物は芳香族リン酸エステル化合物の縮合化合物である。
上記芳香族リン酸エステル化合物の好適な態様としては、例えば、下記式(B1)で表される化合物が挙げられる。
上記式(B1)中、Rは、水素原子、または、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。複数あるRは同一であっても、異なってもよい。ただし、複数あるRのうち、少なくとも1つは芳香族炭化水素基である。上記置換基を有してもよい炭化水素基の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(A1)中のRA11と同じである。
なお、上記芳香族リン酸エステルの具体例としては、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、クレジル2,6−キシレニルホフォスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルフォスフェートなどが挙げられる。
また、上記芳香族縮合リン酸エステル化合物の好適な態様としては、例えば、下記式(B2)で表される化合物が挙げられる。
上記式(B2)中、Rは、水素原子、または、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。2つのRは同一であっても、異なってもよい。ただし、2つのRのうち、少なくとも1つは芳香族炭化水素基である。上記置換基を有してもよい炭化水素基の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(A1)中のRA11と同じである。
上記式(B2)中、Rは、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アリーレン基を構成する環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環(2個のフェニル基は任意の連結様式で連結してもよい)、ターフェニル環(3個のフェニル基は任意の連結様式で連結してもよい)などが挙げられる。置換基の具体例および好適な態様は、上述した式(A1)中のRA11(置換基を有してもよい炭化水素基)の置換基と同じである。
上記式(B2)中、Rは、水素原子、または、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。2つのRは同一であっても、異なってもよい。ただし、2つのRのうち、少なくとも1つは芳香族炭化水素基である。上記置換基を有してもよい炭化水素基の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(A1)中のRA11と同じである。
なお、上記芳香族縮合リン酸エステルの具体例としては、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルフォスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシレニルフォスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルフォスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジフェニルフォスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジフェニルフォスフェート)、4,4′−ビフェニレンビス(ジフェニルフォスフェート)などが挙げられる。
(ベンゾトリアゾール化合物)
上記ベンゾトリアゾール化合物としては特に制限されないが、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾールの誘導体などが挙げられる。誘導体としては特に制限されないが、例えば、ベンゾトリアゾールにアルキル基、カルボキシ基、ハロゲン原子等が置換したものが挙げられ、より具体的には、例えば、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、4−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
(ベンゾジアゾール化合物)
上記ベンゾジアゾール化合物としては特に制限されないが、例えば、ベンゾジアゾール、ベンゾジアゾールの誘導体などが挙げられる。誘導体としては特に制限されないが、例えば、ベンゾジアゾールにアルキル基、カルボキシ基、ハロゲン原子等が置換したものが挙げられる。
上記光硬化性組成物中の上記溶解性向上剤の含有量は特に制限されないが、上記光硬化性組成物中、0.01〜10.0質量%であることが好ましく、0.10〜5.0質量%であることがより好ましく、0.20〜3.2質量%であることがさらに好ましい。なお、光硬化性組成物が溶媒を含有する場合、溶解性向上剤の含有量とは、溶媒以外の全ての成分中の含有量を意味する。
上記光硬化性組成物中の上記溶解性向上剤の含有量(B)に対する上記アシルフォスフィンオキサイドの含有量(A)の割合(A/B)(質量比)は特に制限されないが、0.50〜20.0であることが好ましく、0.90〜15.0であることがより好ましい。
<任意成分>
上記光硬化性組成物は、必要に応じて、上述した成分以外の成分を含有していてもよい。
そのような成分としては、例えば、光硬化性(メタ)アクリレートモノマー以外の重合性モノマー、粘着付与剤、上述したアシルフォスフィンオキサイド以外の光重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒、増感色素、重合阻害抑制剤などが挙げられる。
(光硬化性(メタ)アクリレートモノマー以外の重合性モノマー)
上記重合性モノマーは重合性化合物(重合性基含有化合物)であれば特に制限されない。
重合性基としては特に制限されないが、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。ラジカル重合性基としては、例えば、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、ビニル基、アクリルアミド基、(メタ)アクリルアミド基などが挙げられる。
(粘着付与剤)
上記光硬化性組成物は、粘着付与剤を含有するのが好ましい。
粘着付与剤としては、貼付剤または貼付製剤の分野で公知のものを適宜選択して用いればよい。粘着付与剤としては、粘着付与樹脂が挙げられ、例えば、ロジンエステル、水添ロジンエステル、不均化ロジンエステル、重合ロジンエステル等のロジン系樹脂;クマロンインデン樹脂、水添クマロンインデン樹脂、フェノール変性クマロンインデン樹脂、エポキシ変性クマロンインデン樹脂等のクマロンインデン系樹脂;α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂;ポリテルペン樹脂、水添テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂;脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、芳香族変性脂肪族系石油樹脂等の石油系樹脂等が挙げられる。これらは単独で、または、2種類以上組み合わせて使用でき、特にロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂が好ましい。
上記光硬化性組成物中の上記粘着付与剤の含有量は特に制限されないが、上記光硬化性組成物中、5〜50質量%であることが好ましく、20〜45質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。
<アシルフォスフィンオキサイド以外の光重合開始剤>
アシルフォスフィンオキサイド以外の光重合開始剤としては特に制限されず、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(Irgacure369、BASF社製)などのアミノケトン系光重合開始剤;ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure184)、ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(Darocure1173)などのヒドロキシケトン系光重合開始剤;ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;ベンジルメチルケタール(EsacureKB1、日本シーベルヘグナー社製);2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー(EsacureKIP150、日本シーベルヘグナー社製)などが挙げられる。
(連鎖移動剤)
上記光硬化性組成物は連鎖移動剤を含有してもよい。
連鎖移動剤の種類は特に制限されず、公知の連鎖移動剤(例えば、1−ドデカンチオール、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等)が使用される。
上記光硬化性組成物中の連鎖移動剤の含有量は特に制限されないが、上記光硬化性組成物中、1〜4質量%であることが好ましい。
(溶媒)
上記光硬化性組成物には、必要に応じて、溶媒が含有されていてもよい。使用される溶媒としては、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、またはこれらの混合溶媒を挙げることができる。
上記光硬化性組成物には、上記以外にも、表面潤滑剤、レベリング剤、上述したフェノール性化合物以外の酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、顔料などの粉体、粒子状、箔状物などの従来公知の各種の添加剤を使用する用途に応じて適宜添加することができる。
上記光硬化性組成物の調製方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、上記各成分を混合した後、公知の手段により撹拌することによって調製することができる。
〔粘着シートの製造方法〕
本発明の粘着シートは、上述した光硬化性組成物を硬化させることで得られる。
光硬化性組成物を硬化させる方法は特に制限されないが、例えば、上記光硬化性組成物を所定の基材(例えば、離型PETなどの離型シート)上に塗布し、光(紫外線、可視光線、X線など)照射することで光硬化させる方法が挙げられる。
組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーター、コンマコーター、バーコーター、ナイフコーター、ダイコーター、ロールコーターなどによる方法が挙げられる。
光照射する方法としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、Deep−UV光、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯などによる方法が挙げられる。光照射のエネルギーは特に制限されないが、1〜10J/cm2であるのが好ましい。
粘着シートの形成後、必要に応じて、形成された粘着シートの露出した表面上に離型PETなどの離型シートを積層してもよい。
なお、粘着シートは、基材を有しないタイプ(基材レス粘着シート)であっても、基材の少なくとも一方の主面に粘着層が配置された基材を有するタイプ(基材付き粘着シート。例えば、基材の両面に粘着層を有する基材付き両面粘着シート、基材の片面にのみ粘着層を有する基材付き片面粘着シート)であってもよい。
本発明の粘着シートの厚みは特に制限されないが、5〜2500μmであることが好ましく、10〜500μmであることがより好ましく、50〜250μmであることがさらに好ましい。
[タッチパネル用積層体、静電容量式タッチパネル]
本発明のタッチパネル用積層体は、上述した本発明の粘着シートと、静電容量式タッチパネルセンサーとを備える。
本発明のタッチパネル用積層体の一態様について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のタッチパネル用積層体の一態様を模式的に表す断面図である。図1において、タッチパネル用積層体100は、粘着シート12と、静電容量式タッチパネルセンサー18とを備える。
また、図2は、本発明のタッチパネル用積層体の別の態様を模式的に表す断面図である。図2において、タッチパネル用積層体200は、保護基板20と、粘着シート12と、静電容量式タッチパネルセンサー18とを備える。
また、本発明の静電容量式タッチパネルは、静電容量式タッチパネルセンサーと、上述した本発明の粘着シートと、表示装置とをこの順に備える。
本発明の静電容量式タッチパネルの一態様について図面を参照して説明する。
図3(A)は、本発明の静電容量式タッチパネルの一態様を模式的に表す断面図である。図3(A)において、静電容量式タッチパネル300は、静電容量式タッチパネルセンサー18と、粘着シート12と、表示装置40とを備える。
また、図3(B)は、本発明の静電容量式タッチパネルの別の態様を模式的に表す断面図である。図3(B)において、静電容量式タッチパネル400は、保護基板20と、粘着シート12と、静電容量式タッチパネルセンサー18と、粘着シート12と、表示装置40とを備える。
静電容量式タッチパネルセンサー18とは、表示装置上(操作者側)に配置され、人間の指などの外部導体が接触(接近)するときに発生する静電容量の変化を利用して、人間の指などの外部導体の位置を検出するセンサーである。
静電容量式タッチパネルセンサー18の構成は特に制限されないが、通常、検出電極(特に、X方向に延びる検出電極およびY方向に延びる検出電極)を有し、指が接触または近接した検出電極の静電容量変化を検出することによって、指の座標を特定する。
保護基板20は、粘着シート上に配置される基板であり、外部環境から後述する静電容量式タッチパネルセンサー18を保護する役割を果たすと共に、その主面はタッチ面を構成する。保護基板20として、透明基板であることが好ましくプラスチックフィルム、プラスチック板、ガラス板などが用いられる。基板の厚みはそれぞれの用途に応じて適宜選択することが望ましい。
表示装置40は、画像を表示する表示面を有する装置であり、表示画面側に各部材が配置される。表示装置40の種類は特に制限されず、公知の表示装置を使用することができる。例えば、陰極線管(CRT)表示装置、液晶表示装置(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)表示装置、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、電界放出ディスプレイ(FED)または電子ペーパー(E−Paper)などが挙げられる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(光硬化性組成物の調製)
ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物(商品名UC102、(株)クラレ製、分子量19000)19.9質量部、ポリブタジエン(商品名Polyvest110、エボニックデグサ社製)11.6質量部、イソボルニルアクリレート(東京化成社製)19.2質量部、2−エチルヘキシルアクリレート(和光純薬社製)5質量部、テルペン系水素添加樹脂(商品名クリアロンP−135、ヤスハラケミカル(株)製)38.8質量部を130℃の恒温槽中で混練機にて混練し、続いて、恒温槽の温度を80℃に調整し、1−ドデカンチオール(DDT、東京化成社製)1.7質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF社製)3質量部、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルフォスフェート)(商品名:PX−200、大八化学工業社製)0.8質量部を投入し、混練機にて混練し、光硬化性組成物を調製した。
(粘着シートの作製)
得られた光硬化性組成物を室温で3か月保管後、剥離PET上に塗布して光硬化性塗膜を形成し、形成された塗膜上に別の剥離PETを貼り合せて、2枚の剥離PETで挟まれた光硬化性塗膜を得た。次いで、一方の剥離PETの上からUV光(1.0J/cm)を照射し、光硬化性塗膜を硬化させ、剥離PETで挟まれた粘着シート(粘着シートの厚み:200μm)を得た。
<実施例2〜21、比較例1〜2>
イソボルニルアクリレートの質量部を表1に示される質量部に変更し、PX−200(大八化学工業社製)を0.8質量部投入する代わりに表1に示される溶解性向上剤を表1に示される質量部投入した以外は、実施例1と同様の手順に従って、光硬化性組成物を調製した。次いで、得られた光硬化性組成物を用いて、実施例1と同様の手順に従って、粘着シートを作製した。なお、実施例11〜17では、溶解性向上剤として、表1に示される2種の化合物(質量比で1:1)を投入した。例えば、実施例11では、溶解性向上剤としてPX−200(0.4質量部)とPX−201(0.4質量部)を投入した。
<粘着シート中の異物観察>
得られた粘着シートを光学顕微鏡で観察し、10cm×10cmの範囲に存在する異物数を調べた。そして、以下の基準に従って評価した。結果を表1に示す(異物数)。実用上、AA、AまたはBであることが好ましく、AAまたはAであることがより好ましく、AAであることがさらに好ましい。
・AA:異物数が0個
・A:異物数が1〜4個
・B:異物数が5〜9個
・C:異物数が10〜99個
・D:異物数が100個以上
<温度依存性評価試験>
得られた粘着シートの露出している面を縦20mm×横20mm、厚さ0.5mmのAl基板上に貼り合せ、その後、離型PETを剥離して、剥離した面に上記Al基板と同じサイズのAl基板を貼り合せた。次いで、40℃、5気圧、60分の加圧脱泡処理をして、温度依存性評価試験用サンプルを作製した。
なお、各サンプル中における粘着シートの厚みは、マイクロメーターで温度依存性評価試験用サンプルの厚さを5か所測定し、その平均値からAl基板2枚分の厚さを差し引き、粘着シートの厚さを算出した。
上記で作製した温度依存性評価試験用サンプルを用いて、インピーダンスアナライザー(Agilent社4294A)にて1MHzでのインピーダンス測定を行い、粘着シートの比誘電率を測定した。
具体的には、温度依存性評価試験用サンプルを−40℃から80℃まで20℃ずつ段階的に昇温して、各温度においてインピーダンスアナライザー(Agilent社4294A)を用いた1MHzでのインピーダンス測定により静電容量Cを求めた。なお、各温度では、サンプルの温度が一定になるまで5分間静置した。
その後、求められた静電容量Cを用いて、以下の式(X)より各温度における比誘電率を算出した。
式(X):比誘電率=(静電容量C×厚みT)/(面積S×真空の誘電率ε0
なお、厚みTは粘着シートの厚みを、面積Sはアルミニウム電極の面積(縦20mm×横20mm)を、真空の誘電率ε0は物理定数(8.854×10-12F/m)を意図する。
算出された比誘電率のなかから、最小値と最大値とを選択し、式[(最大値−最小値)/最小値×100]より温度依存度(%)(Δε%)を求めた。そして、以下の基準に従って評価した。結果を表1に示す(温度依存度)。タッチパネルに使用した場合に誤動作の発生が抑制される観点から、AまたはBであることが好ましく、Aであることがより好ましい。
A:温度依存度が10%未満
B:温度依存度が10%以上20%未満
C:温度依存度が20%以上
なお、温度の調整は、低温の場合は液体窒素冷却ステージを用いて、高温の場合はホットプレートを用いて実施した。
<ゲル分率の評価>
得られた粘着シートを酢酸エチル中に浸漬し、40℃で18時間静置した。そして、以下の式から、ゲル分率を算出した。
「ゲル分率」=(浸漬後の粘着シートの質量)/(浸漬前の粘着シートの質量)×100(%)
そして、以下の基準に従って評価した。結果を表1に示す(ゲル分率)。粘着シートの保存安定性および加工安定性の観点から、AまたはBであることが好ましく、Aであることがより好ましい。
・A:ゲル分率が36%以上
・B:ゲル分率が30%以上36%未満
・C:ゲル分率が30%未満
表1中、各成分の数値は質量部を表す。
また、表1中、「A/B」は光硬化性組成物中の溶解性向上剤の含有量(B)に対するアシルフォスフィンオキサイドの含有量(A)の割合(質量比)を表す。
表1中の各成分の詳細は以下のとおりである。なお、PX−200、PX−201、PX−202、ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、ベンゾジアゾールおよびTPPは上述した溶解性向上剤に該当し、ヒドロキノンは上述した溶解性向上剤に該当しない。
・ゴム1:ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物(商品名UC102、(株)クラレ製、分子量19000)
・ゴム2:ポリブタジエン(商品名Polyvest110、エボニックデグサ社製)
・モノマー1:イソボルニルアクリレート(東京化成社製)
・モノマー2:2−エチルヘキシルアクリレート(和光純薬社製)
・アシルフォスフィンオキサイド:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF社製)
・粘着付与剤:テルペン系水素添加樹脂(商品名クリアロンP−135、ヤスハラケミカル(株)製)
・1−ドデカンチオール:1−ドデカンチオール
・PX−200:1,3−フェニレンビス(ジキシレニルフォスフェート)(商品名:PX−200、大八化学工業社製)
・PX−201:1,4−フェニレンビス(ジキシレニルフォスフェート)(商品名:PX−201、大八化学工業社製)
・PX−202:4,4′−ビフェニレン(ジフェニルフォスフェート)(商品名:PX−202、大八化学工業社製)
・ベンゾトリアゾール:ベンゾトリアゾール
・5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール:5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール
・ベンゾジアゾール:ベンゾジアゾール
・TPP:TPP(大八化学工業社製)
・ヒドロキノン:ヒドロキノン
以下に実施例で使用された溶解性向上剤の構造を示す。
表1から分かるように、リン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(溶解性向上剤)を含有する本願実施例の粘着シートは異物が少なかった。なかでも、溶解性向上剤がリン酸エステル化合物を含む実施例1〜17および21は比誘電率の温度依存性が小さかった。
また、実施例1と9〜11と17〜21との対比から、溶解性向上剤がリン酸エステル化合物を含む実施例1、9〜11、17および21は比誘電率の温度依存性が小さく、また、ゲル分率が高かった。
また、実施例1と9〜11と17と21との対比から、溶解性向上剤がリン酸エステル化合物を含み、上記リン酸エステル化合物が芳香族縮合リン酸エステル化合物を含む実施例1、9〜11および17は異物がより少なかった。なかでも、上記リン酸エステル化合物が2種以上の芳香族縮合リン酸エステル化合物を含む実施例11および17は異物がさらに少なかった。
また、実施例1〜17の対比から、A/Bが0.90〜15.0である実施例1、3〜7および9〜17は異物がより少なかった。
一方、リン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(溶解性向上剤)を含有しない光硬化性組成物を使用した比較例1および2の粘着シートは異物が多く見られた。
12 粘着シート
18 静電容量式タッチパネルセンサー
20 保護基板
40 表示装置
100,200 タッチパネル用積層体
300,400 静電容量式タッチパネル

Claims (8)

  1. 光硬化性組成物を硬化させることで得られる粘着シートであって、
    前記光硬化性組成物が、ゴムと、
    光硬化性(メタ)アクリレートモノマーと、
    アシルフォスフィンオキサイドと、
    リン酸エステル化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびベンゾジアゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含有する、粘着シート。
  2. 前記化合物がリン酸エステル化合物を含む、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記リン酸エステル化合物が芳香族縮合リン酸エステル化合物を含む、請求項2に記載の粘着シート。
  4. 前記リン酸エステル化合物が2種以上の芳香族縮合リン酸エステル化合物を含む、請求項3に記載の粘着シート。
  5. 前記光硬化性組成物中の前記化合物の含有量に対する前記アシルフォスフィンオキサイドの含有量の割合が0.90〜15.0である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着シート。ただし、前記割合は質量比を表す。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着シートと、静電容量式タッチパネルセンサーとを備える、タッチパネル用積層体。
  7. さらに、保護基板を備え、
    前記保護基板と、前記粘着シートと、前記静電容量式タッチパネルセンサーとをこの順に備える、請求項6に記載のタッチパネル用積層体。
  8. 静電容量式タッチパネルセンサーと、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着シートと、表示装置とをこの順に備える、静電容量式タッチパネル。
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