JP2016043844A - 三輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】押手棒を押して使用する際の取り回しを向上できる三輪車を提供する。
【解決手段】ロック機構40をロックしてハンドルと、フロントフォーク16及び前輪と、の操舵軸線L1を中心とした回動を連動させた場合、ハンドルの操舵により方向転換する通常の三輪車として使用できる。一方、ロック機構40を解除した場合、フロントフォーク16及び前輪は、ハンドルと独立して操舵軸線L1を中心に回動可能である。このため押手棒を押してベビーカーのように使用する際に前輪の切れ角が大きくなり、三輪車1の回転半径が小さくなる。また、ハンドルの操作により押手棒による操作を阻害しない。なお、何れの場合も、回動角度制限機構30により、操舵の際にハンドルがサドルに座った幼児に接近し過ぎることを抑制できる。以上により、押手棒を押して使用する際の取り回しを向上できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、三輪車に関する。
従来、車体後部に設けた押手棒を保護者等が押してベビーカーのようにも使用することができる三輪車として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1には、着脱可能な押し棒(押手棒)を備え、座席ベースに乳母車(ベビーカー)用座席と、足漕ぎ車(三輪車)用座席と、を選択的に取り付け可能な三輪車が記載されている。
特開2011−131787号公報
ところで、三輪車では、ハンドル及び前輪の回動可能な角度を制限することにより、操舵の際にハンドルが座席(サドル)に座った幼児に接近し過ぎることを抑制している。しかしながら、ハンドル及び前輪の回動可能な角度を制限すると、前輪の切れ角が小さくなるため、三輪車の回転半径が大きくなり易い。このため、押手棒を保護者等が押してベビーカーのように使用する際の取り回しが良くない場合がある。
そこで、本発明は、押手棒を押して使用する際の取り回しを向上できる三輪車を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る三輪車は、操舵軸線を中心に回動可能に設けられるハンドルと、ハンドルの操舵軸線を中心とした回動可能な角度を制限する回動角度制限機構と、ハンドルと独立して、操舵軸線を中心に回動可能に設けられる前輪と、ハンドル及び前輪の操舵軸線を中心とした回動を連動させるロック機構と、車体後部に設けられる押手棒と、を備える。
本発明に係る三輪車によれば、ロック機構をロックしてハンドル及び前輪の操舵軸線を中心とした回動を連動させた場合、運転者によるハンドルの操舵によって方向転換する通常の三輪車として使用することができる。一方、ロック機構を解除した場合、前輪は、ハンドルと独立して操舵軸線を中心に回動可能である。このため、押手棒を保護者等が押してベビーカーのように使用する際、前輪の切れ角が大きくなるため、三輪車の回転半径が小さくなる。また、ハンドル操作により押手棒による操作を阻害しない。なお、いずれの場合も、回動角度制限機構によって、操舵の際にハンドルがサドルに座った幼児に接近し過ぎることを抑制できる。以上により、押手棒を押して使用する際の取り回しを向上できる。
また、ロック機構は、ハンドル、及び前輪を支持する前輪支持部の何れか一方にヒンジを介して取り付けられるアームと、ハンドル、及び前輪支持部の何れか他方に設けられてアームが嵌合する第1アーム受け部と、を有してもよい。これにより、簡便な構造でハンドル及び前輪の操舵軸線を中心とした回動を連動させることができる。
また、ロック機構の少なくとも一部を覆い、且つ、アームが嵌合する第2アーム受け部が設けられるカバーを更に備えてもよい。これにより、幼児がロック機構に直接触れることを抑制できると共に、ロック機構をロックした状態を保持することができる。
また、前輪の車輪軸線が操舵軸線に対してオフセットされていてもよい。これにより、押手棒を押して使用する際の取り回しを更に向上できる。
本発明によれば、押手棒を押して使用する際の取り回しを向上できる。
実施形態に係る三輪車を示す側面図である。 車体フレームの下面側を示す斜視図である。 ハンドルを示す斜視図である。 車体フレーム、ハンドル、及びフロントフォークを示す断面図である。 操舵軸、及びフロントフォークを示す斜視図である。 操舵軸、及びフロントフォークを示す断面図である。 解除した状態のロック機構を説明するための斜視図である。 カバーの下面側を示す斜視図である。 カバーによりロック機構を覆っていない状態の三輪車を示す部分正面図である。 カバーによりロック機構を覆った状態の三輪車を示す部分正面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る三輪車の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書中において、三輪車を水平面に立てた場合に、三輪車が直進する方向を「前方」とし、運転者から見たときの左右方向及び上下方向を「左右」及び「上下」とする。また、図面中の同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図1は、実施形態に係る三輪車を示す側面図である。図2は、車体フレームの下面側を示す斜視図である。本実施形態に係る三輪車1は、図1及び図2に示すように、車体フレーム2を備えている。車体フレーム2は、ハンドル3を保持するヘッドチューブ4と、サドル5を保持するサドルシャフト6と、を備えている。また、車体フレーム2には、運転者である幼児が漕いで三輪車1を駆動させるための左右一対のペダル7と、駆動輪である左右一対の後輪8と、保護者等が押して三輪車1を移動させるための押手棒9と、が取り付けられている。
ヘッドチューブ4は、ハンドル3を回動可能に保持する。ヘッドチューブ4は、筒状をなし、車体フレーム2の前部に固定されている。ヘッドチューブ4は、上下方向に対して5度程度後方に倒れるように傾いて固定されている。
図3は、ハンドルを示す斜視図である。図4は、車体フレーム、ハンドル、及びフロントフォークを示す断面図である。ハンドル3は、図3及び図4に示すように、三輪車1の前部に設けられており、操舵軸10と、中間部11と、グリップ部12と、を備えている。
操舵軸10は、直線状に形成されており、操舵軸10の中心軸線である操舵軸線L1を中心として回動可能となるようにヘッドチューブ4によって保持されている。操舵軸線L1は、ヘッドチューブ4と同様に、上下方向に対して5度程度後方に倒れるように傾いている。なお、操舵軸10は、第1円筒部10a及び第2円筒部10bを連結して形成されており、第1円筒部10a及び第2円筒部10bは連動する。第1円筒部10aは、上部にスリット13が設けられた筒状をなす。
中間部11は、第1円筒部10aとグリップ部12とを連結する。中間部11は、第1円筒部10aの上側の開口から筒内に挿入され、第1円筒部10aの上部のスリット13が設けられた部位を締め付け金具14で締め付けられることによって第1円筒部10aに着脱可能に固定される。
グリップ部12は、中間部11の上部に連結され、中間部11の上端付近から左右に分かれるように設けられている。グリップ部12は、運転者が把持し易いように左右の中央から両端に向かうに連れて後方へと湾曲するU字状をなし、略水平に配置されている。中間部11とグリップ部12とは、着脱することができない。
以上により、操舵軸10、中間部11、及びグリップ部12は、一体のハンドル3として、操舵軸線L1を中心に連動して回動する。
ハンドル3、及び車体フレーム2には、回動角度制限機構30が設けられている。回動角度制限機構30は、ハンドル3が操舵軸線L1を中心に回動可能な角度を制限する。なお、回動角度制限機構30については後述する。
図5は、操舵軸、及びフロントフォークを示す斜視図である。図6は、操舵軸、及びフロントフォークを示す断面図である。操舵軸10は、図5及び図6に示すように、下部にフロントフォーク16が取り付けられる。フロントフォーク16は、筒状部18と、筒状部18の左右に設けられた一対の腕部17と、を備えている。
筒状部18は、操舵軸線L1方向に開口して操舵軸10の下部が挿入される。また、筒状部18は、操舵軸10に取り付けられた軸受19,20によって上下から挟み込まれる。これにより、フロントフォーク16は、操舵軸線L1方向への移動が制限されると共に、操舵軸10に対して操舵軸線L1を中心に回動可能となる。
腕部17は、一対の腕部17のそれぞれの下部を連結するように設けられた車輪軸21で前輪22を軸支している(図9参照)。これにより、前輪22は、車輪軸21の中心軸線である車輪軸線L2を中心に回動可能となると共に、フロントフォーク16と連動して操舵軸線L1を中心に回動可能となる。なお、フロントフォーク16及び前輪22は、操舵軸線L1を中心とした回動可能な角度を制限されない。
腕部17は、筒状部18に対する取り付け中心位置24から下方に向かって、操舵軸線L1に対して前方へ傾斜するように延びている(図6の線L3参照)。これにより、車輪軸線L2は、操舵軸線L1に対して前方へオフセットされる。操舵軸線L1に対する車輪軸線L2のオフセット距離Dは30mm〜40mm程度である。なお、オフセット距離Dとは、車輪軸線L2方向に見て、車輪軸線L2から操舵軸線L1への垂線の長さを表す。
上述したように、フロントフォーク16及び前輪22は、操舵軸10とは連動しないで、操舵軸線L1を中心に回動する。従って、ハンドル3と、フロントフォーク16及び前輪22とは、互いに独立して操舵軸線L1を中心に回動可能となる。
ハンドル3、及びフロントフォーク16には、ロック機構40が設けられている。ロック機構40は、ロックすることによってハンドル3と、フロントフォーク16及び前輪22と、の操舵軸線L1を中心とした回動を連動させる。なお、ロック機構40については後述する。
サドルシャフト6は、図1に示すように、車体フレーム2の中央部に固定されている。サドルシャフト6は、筒状をなし、車体フレーム2の上方に向かって立設されている。また、サドルシャフト6は、上端にサドル5が固定されており、サドル5を支持すると共にサドル5の位置を上下方向に調節する機能を有する。
ペダル7は、車体フレーム2の中央部のうち、サドル5の下方に配置されている。ペダル7は、運転者がサドル5に座った状態で脚を下した位置に配置されているため、運転者にとって漕ぎ易い。ペダル7は、ペダル板25と、クランク軸26とを備えている。ペダル板25はクランク軸26の両端に回動可能に支持されており、クランク軸26は、車体フレーム2に対して回動可能に取り付けられている。クランク軸26は、車体フレーム2に隣接する位置にクランクスプロケット(不図示)を備えている。
後輪8は、車体フレーム2の後部に軸支されている。左右一対の後輪8は、後輪シャフト(不図示)で連結されており、後輪シャフトは後輪スプロケット(不図示)を備えている。後輪スプロケットは、クランクスプロケットと左右方向の位置が揃うように配置されており、後輪スプロケット及びクランクスプロケットはチェーン(不図示)で連結されている。従って、三輪車1は、ペダル7から後輪8へチェーンを介して動力が伝達されて後輪8によって駆動される。なお、後輪スプロケット、クランクスプロケット、及びチェーンは、チェーンカバー27によって覆われており、幼児が直接触れたり、衣服がチェーン等に絡まったりすることが抑制される。
押手棒9は、車体後部(例えば、車体フレーム2の後部)から上方に向かって設けられており、押手棒9の上端は保護者等が押し易い高さに位置している。保護者等は、押手棒9を押し引きすることで三輪車1を進行、後退することができる。また、保護者等は、押手棒9を持って左右に操作することで、三輪車1を方向転換することができる。このように、押手棒9が設けられていることによって、三輪車1は、保護者等が押手棒9を押してベビーカーのようにも使用することができる。
続いて、回動角度制限機構30について説明する。
図2及び図5に示すように、ヘッドチューブ4の下側には、第1フランジ部31が下方に延びるように固定されている。第1フランジ部31は、周状の外壁32と、外壁32の内周側の対向する位置に設けられた一対の突起部33と、を備えている。一方、操舵軸10には、第2フランジ部34が固定されている。第2フランジ部34の上面には、操舵軸10を挟んで対向する位置に一対の突起部35が設けられている。
操舵軸10がヘッドチューブ4の筒内に配置されると、第1フランジ部31の突起部33の間に第2フランジ部34の突起部35が入る。そして、ハンドル3がヘッドチューブ4に対して操舵軸線L1を中心に所定の角度まで回動すると、突起部33と突起部35とが突き当たる。これにより、ハンドル3は、ヘッドチューブ4に対して操舵軸線L1を中心とした回動可能な角度を制限される。三輪車1では、ハンドル3は、右回転、左回転共に約40度を超える角度の回動を制限するように突起部33,35が形成されている。このため、回動角度制限機構30は、操舵の際にハンドル3がサドル5に座った幼児に接近し過ぎることを抑制できる。
続いて、ロック機構40について説明する。
図7は、解除した状態のロック機構を説明するための斜視図である。ロック機構40は、図5〜図7に示すように、アーム41と、アーム41が嵌合する第1アーム受け部43と、を備えている。アーム41は、フロントフォーク16の筒状部18の前部に、ヒンジ42を介して取り付けられている。アーム41は、扁平な略六面体形状をなし、長手方向の一方の端部付近を支点としてヒンジ42により回動する。アーム41は、操舵軸線L1を通る面内で回動する。例えば、図5に示すように、ヒンジ42の支点となる軸線L4と、車輪軸線L2と、が平行となるように設けられ、アーム41は、車輪軸線L2に対して垂直な面内で回動してもよい。なお、アーム41は、例えばPOM(ポリアセタール)、PA(ポリアミド)、ABS、PC(ポリカーボネート)等の樹脂によって形成され、三輪車1の使用開始から長期間経過後も錆び付き等が抑制される。
第1アーム受け部43は、操舵軸10の下部であって、第2フランジ部34の下方に設けられている。第1アーム受け部43は、操舵軸10に設けられた鍔状の部材に2本の突起が設けられ、突起同士の間に凹部43aが形成されている。第1アーム受け部43の凹部43aは、操舵軸10の前部に設けられている。第1アーム受け部43の凹部43aの幅は、アーム41の幅と略一致している。
ロック機構40は、図7に示すように、アーム41をヒンジ42により回動させ、第1アーム受け部43の凹部43aに嵌合させることでロックすることができる。ロック機構40をロックすることにより、ハンドル3と、フロントフォーク16及び前輪22と、の操舵軸線L1を中心とした回動を連動させることができる。また、アーム41は、操舵軸10に対して操舵軸線L1を中心に回動可能なフロントフォーク16の筒状部18の前部に設けられているのに対し、第1アーム受け部43は、操舵軸10の前部に設けられている。このため、フロントフォーク16の前部と、操舵軸10の前部とが同じ方向を向いている場合に限り、アーム41は、第1アーム受け部43に嵌合することができる。このように、運転者によるハンドル3の操舵に対して前輪22がハンドル3と同じ方向を向くため、運転者によるハンドル3の操舵によって方向転換する通常の三輪車1として使用することができる。なお、ハンドル3は、回動角度制限機構30により操舵軸線L1を中心とした回動可能な角度を制限されているため、ロック機構40をロックすることによって、フロントフォーク16及び前輪22の操舵軸線L1を中心とした回動可能な角度も制限される。
また、ロック機構40をロックした状態からアーム41をヒンジ42により回動させ、第1アーム受け部43の凹部43aに嵌合したアーム41を外すことで、ロック機構40を解除することができる。これにより、ハンドル3と、フロントフォーク16及び前輪22とが、互いに独立して操舵軸線L1を中心に回動する状態に戻すことができる。なお、ロック機構40を解除することによって、フロントフォーク16及び前輪22は、回動角度制限機構30により操舵軸線L1を中心とした回動可能な角度を制限されなくなるため、前輪22の切れ角が大きくなり、三輪車1の回転半径が小さくなる。従って、押手棒9を保護者等が押してベビーカーのように使用する際の取り回しを向上できる。
なお、フロントフォーク16及び前輪22が回動角度制限機構30により操舵軸線L1を中心とした回動可能な角度を制限されないことに加え、上述したように、車輪軸線L2は操舵軸線L1に対して前方にオフセットされていることにより、押手棒を押して使用する際の取り回しを更に向上できる。具体的には、例えばフロントフォーク16及び前輪22が前方を向いている状態から、保護者等が押手棒9を右に動かした場合、三輪車1は、前部が左に移動する。このとき、フロントフォーク16及び前輪22が回動角度制限機構30により操舵軸線L1を中心とした回動可能な角度を制限されないことにより、フロントフォーク16及び前輪22は、例えば約90度回動する。これにより、三輪車1は、その場で左に方向転換をすることができる。また、その後、保護者等が押手棒9を左に動かした場合、フロントフォーク16及び前輪22が回動角度制限機構30により操舵軸線L1を中心とした回動可能な角度を制限されないことにより、フロントフォーク16及び前輪22は、例えば約180度回動する。これにより、三輪車1は、その場で右に方向転換をすることができる。更に、このとき、車輪軸線L2は操舵軸線L1に対して前方にオフセットされていることにより、フロントフォーク16及び前輪22の向きを変えるために過大な力を要しない。従って、保護者等は、非常に軽い力で押手棒9を動かすことが可能となり、三輪車1の取り回しが更に向上する。
続いて、ロック機構40を覆うカバー50について説明する。
図8は、カバーの下面側を示す斜視図である。図9は、カバーによりロック機構を覆っていない状態の三輪車を示す部分正面図である。図10は、カバーによりロック機構を覆った状態の三輪車を示す部分正面図である。カバー50は、図8〜図10に示すように、上部の径が窄まった筒状であり、下部の一部に凹状の切り欠き50aが形成されている。カバー50は、筒内を操舵軸10が貫通しており、操舵軸10に設けられた車体フレーム2とフロントフォーク16との間に配置されている。また、カバー50は、下面50b側であって、凹状の切り欠き50aの上方に互いに平行に立設された板状部材51〜54からなる第2アーム受け部55を備える。板状部材52及び53の間隔は、アーム41の幅と略一致している。
カバー50は、図9に示すように、上側(すなわち、操舵軸10と車体フレーム2との接続部側)に移動させることで、ロック機構40が露出した状態となる。この状態では、ロック機構をロック及び解除の操作を行うことができる。
一方、カバー50は、図10に示すように、下側(すなわち、フロントフォーク16側)に移動させることで、ロック機構40の上部及び側部を覆った状態となる。これにより、幼児がロック機構に直接触れることを抑制できる。また、このとき、ロック機構40のアーム41を、第2アーム受け部55を構成する板状部材52,53の間に嵌合させることができる。これにより、例えば三輪車1の走行時の振動等によって、アーム41と第1アーム受け部43との嵌合が外れることによるロック機構40の予期しない解除が抑制できるため、ロック機構40をロックした状態を保持することができると共に、カバー50の回転、揺動等を抑制できる。
以上説明したように、本実施形態に係る三輪車1によれば、ロック機構40をロックしてハンドル3と、フロントフォーク16及び前輪22と、の操舵軸線L1を中心とした回動を連動させた場合、運転者によるハンドル3の操舵によって方向転換する通常の三輪車1として使用することができる。一方、ロック機構40を解除した場合、フロントフォーク16及び前輪22は、ハンドル3と独立して操舵軸線L1を中心に回動可能である。このため、押手棒9を保護者等が押してベビーカーのように使用する際、前輪22の切れ角が大きくなるため、三輪車1の回転半径が小さくなる。また、ハンドル3の操作により押手棒9による操作を阻害しない。なお、いずれの場合も、回動角度制限機構30によって、操舵の際にハンドル3がサドル5に座った幼児に接近し過ぎることを抑制できる。以上により、押手棒9を押して使用する際の取り回しを向上できる。
また、ロック機構40は、前輪22を軸支するフロントフォーク16の筒状部18にヒンジ42を介して取り付けられるアーム41と、操舵軸10に設けられてアーム41が嵌合する第1アーム受け部43と、を有する。これにより、簡便な構造でハンドル3と、フロントフォーク16及び前輪22と、の操舵軸線L1を中心とした回動を連動させることができる。
また、ロック機構40の上部及び側部を覆い、且つ、アーム41が嵌合する第2アーム受け部55が設けられるカバー50を更に備える。これにより、幼児がロック機構40に直接触れることを抑制できると共に、ロック機構40をロックした状態を保持することができる。
また、前輪22の車輪軸線L2が操舵軸線L1に対してオフセットされている。これにより、押手棒9を押して使用する際の取り回しを更に向上できる。
本発明は、本実施形態に限定されるものではない。本実施形態において、ロック機構40は、アーム41がフロントフォーク16の筒状部18にヒンジ42を介して取り付けられ、アーム41が嵌合する第1アーム受け部43が操舵軸10に設けられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ロック機構40は、アーム41が操舵軸10にヒンジ42を介して取り付けられ、アーム41が嵌合する第1アーム受け部43がフロントフォーク16の筒状部18に設けられていてもよい。
また、本実施形態においては、ロック機構40は、ヒンジ42により回動するアーム41が第1アーム受け部43に嵌合することでロックするが、本発明はこれに限定されない。例えば、ボルト、かんぬき、スナップリング等を用いてロックしてもよい。
また、本実施形態においては、第1アーム受け部43は、凹状をなしていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1アーム受け部43を凸状の突起とし、当該突起と嵌合する凹状の形状をアーム41に設けてもよい。
また、本実施形態において、カバー50は、上部の径が窄まった筒状であり、下部の一部が凹状に切り欠かれた形状としたが、本発明はこれに限定されず、カバー50はロック機構40の少なくとも一部を覆い、且つ、アーム41が嵌合する第2アーム受け部55が設けられている限りあらゆる形状とすることができる。例えば、操舵軸10にヒンジを介して取り付けられ、ロック機構40の全体を前方から覆う蓋としてもよく、内部に第2アーム受け部55を備え、ロック機構40を囲うように設けられた蛇腹でもよい。
また、押手棒9は、保護者等が三輪車1を押し易い形状であれば特に形状は限定されず、例えば車体フレーム2と左右2箇所で接続して、上部で曲線を描きながら連結した逆U字状でもよく、車体フレーム2と1箇所で接続して、上部で二股に分かれて保護者等が握るためのグリップを形成するT字状でもよい。また、押手棒9が車体後部に設けられている構成は、必ずしも押手棒9と車体フレーム2との接続部位が車体フレーム2の後部に設けられている必要はない。例えば押手棒9と車体フレーム2との接続部位が車体フレーム2の中央部又は前部に設けられ、押手棒9の上端が、車体後部であって保護者等が押し易い高さに位置していてもよい。また、押手棒9と車体フレーム2との接続部位は、押手棒9と車体フレーム2との間に別の部材が介在していてもよい。
1…三輪車、3…ハンドル、9…押手棒、16…フロントフォーク(前輪支持部)、22…前輪、30…回動角度制限機構、40…ロック機構、41…アーム、42…ヒンジ、43…第1アーム受け部、50…カバー、55…第2アーム受け部、L1…操舵軸線、L2…車輪軸線。

Claims (4)

  1. 操舵軸線を中心に回動可能に設けられるハンドルと、
    前記ハンドルの前記操舵軸線を中心とした回動可能な角度を制限する回動角度制限機構と、
    前記ハンドルと独立して、前記操舵軸線を中心に回動可能に設けられる前輪と、
    前記ハンドル及び前記前輪の前記操舵軸線を中心とした回動を連動させるロック機構と、
    車体後部に設けられる押手棒と、を備える三輪車。
  2. 前記ロック機構は、
    前記ハンドル、及び前記前輪を支持する前輪支持部の何れか一方にヒンジを介して取り付けられるアームと、
    前記ハンドル、及び前記前輪支持部の何れか他方に設けられて前記アームが嵌合する第1アーム受け部と、を有する請求項1に記載の三輪車。
  3. 前記ロック機構の少なくとも一部を覆い、且つ、前記アームが嵌合する第2アーム受け部が設けられているカバーを更に備える請求項2に記載の三輪車。
  4. 前記前輪の車輪軸線が前記操舵軸線に対してオフセットされている請求項1〜3の何れか一項に記載の三輪車。
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