JP2016041913A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化、優れた耐久性及び軽量化を実現可能であり、かつ製造コストの低廉化を実現可能であるとともに、高い制御性を実現可能な圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、ピストン9と、変換機構11と、アクチュエータ13と、制御機構15とを備えている。アクチュエータ13は、区画体13bと、移動体13aと、制御圧室13cとを有する。区画体13bは駆動軸3に設けられている。移動体13aは斜板5と連結され、駆動軸心O方向に移動可能になっている。制御圧室13cは区画体13bと移動体13aとにより区画されている。移動体13aは、制御圧室13c内の圧力が高くなることにより、斜板5を牽引して傾斜角度を増大するように配置されている。区画体13bと移動体13aとの間には、傾斜角度が最小であるときに傾斜角度を増大させるコイルばね50が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機では、ハウジングに吸入室、吐出室、斜板室及び複数個のシリンダボアが形成されている。ハウジング内には駆動軸が回転可能に支持されている。斜板室内には、駆動軸の回転によって回転可能な斜板が設けられている。駆動軸と斜板との間には、リンク機構が設けられている。リンク機構は斜板の傾斜角度を変更する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する斜板の角度である。各シリンダボアには、ピストンが往復動可能に収納されている。スラスト軸受、揺動板及び連結ロッドは、変換機構として、斜板の回転により、傾斜角度に応じたストロークで各ピストンをシリンダボア内で往復動させる。アクチュエータは、制御圧室の容積を変更することにより傾斜角度を変更可能である。制御機構はアクチュエータを制御する。
アクチュエータは区画体及び移動体を有している。区画体は駆動軸に固定されている。移動体は駆動軸に対して駆動軸心方向に移動可能である。この移動体は、駆動軸に駆動軸心方向で移動可能なヒンジ球を介して斜板と連結されている。区画体と移動体とにより、制御圧室が区画されている。これらは、斜板室内において、斜板の前方側に位置している。移動体は、制御圧室内の圧力が高くなることにより、ヒンジ球を介して斜板を押圧し、傾斜角度を縮小するように配置されている。斜板室内において、斜板の後方側には、傾斜角度を増大させるように付勢する押圧ばねが設けられている。
この圧縮機では、制御機構が吐出室内の高圧の冷媒を制御圧室内に導入すれば、移動体が押圧ばねの付勢力に抗して斜板を押圧するため、斜板の傾斜角度が小さくなる。こうして、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が減少する。他方、制御機構が吐出室内の高圧の冷媒を制御圧室内に導入しなければ、制御圧室の容積は徐々に低圧になる。このため、移動体は、押圧ばねの付勢力により元の位置に戻るため、斜板の傾斜角度が大きくなる。こうして、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が増大する。
また、特許文献2に他の圧縮機が開示されている。この圧縮機では、前方から後方に向かって第1連結体、斜板、第2連結体、スラスト軸受及び移動体が駆動軸に装着されている。移動体の後方に制御圧室が形成されている。第2連結体は、駆動軸とともに回転可能であり、かつ駆動軸心方向に移動可能となっている。移動体は、駆動軸とともに回転することはないが、駆動軸心方向に移動可能となっている。第2連結体と移動体との間にはスラスト軸受が設けられている。制御圧室内には押圧ばねが設けられている。押圧ばねは移動体を前方側に付勢している。
この圧縮機では、制御機構が吐出室内の高圧の冷媒を制御圧室内に導入すれば、移動体が押圧ばねに付勢されつつ、第2連結体を押圧する。これにより、斜板の傾斜角度が大きくなる。こうして、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が増大する。他方、制御機構が吐出室内の高圧の冷媒をアクチュエータの制御圧室内に導入しなければ、斜板の傾斜角度が小さくなる。こうして、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が減少する。
特開昭52−131204号公報 特開平05−172052号公報
しかし、上記特許文献1、2記載の圧縮機は、斜板の傾斜角度を変更させる際、いずれも制御圧室内の圧力を高くすることにより移動体や第2連結体が斜板を押圧している。このため、高い制御性を実現するために、移動体や第2連結体を径方向に大型化すると、移動体や第2連結体は、押圧方向に移動した際、傾斜角度を増大させた斜板と干渉し易い。このため、そのような干渉を回避しようとすれば、移動体や第2連結体の形状が複雑化することから、圧縮機が大型化してしまう。特に、特許文献2の圧縮機では、付勢部材である押圧ばねが移動体、スラスト軸受及び第2連結体を介して斜板を押圧するため、軸長が長く、大型化を免れない。この場合、車両等への搭載性が損なわれてしまう。
また、特許文献2の圧縮機では、斜板の傾斜角度を増大する際に、移動体、スラスト軸受及び第2連結体は、増加傾向にある圧縮反力に抗して斜板を押圧しなければならず、複雑化した形状の第2連結体では変形が懸念される。このために、第2連結体の剛性を確保しようとすれば、第2連結体の重量が増加し、ひいては圧縮機の重量が増加してしまうとともに、圧縮機の製造コストも増大してしまう。
さらに、特許文献2の圧縮機では、付勢部材である押圧ばねが移動体、スラスト軸受及び第2連結体を介して斜板を押圧するため、これらの駆動軸心方向の移動時の抵抗力により付勢部材の付勢力が斜板に伝わり難く、斜板の傾斜角度を増大させ難い。つまり、制御性に難点がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、小型化、優れた耐久性及び軽量化を実現可能であり、かつ製造コストの低廉化を実現可能であるとともに、高い制御性を実現可能な圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、吸入室、吐出室、斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記斜板室に設けられ、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
前記アクチュエータは、前記駆動軸に設けられる区画体と、前記斜板と連結され、前記斜板室内で前記駆動軸心方向に移動可能な移動体と、前記区画体と前記移動体とにより区画され、前記吐出室からの冷媒を導入することによって前記移動体を移動させる制御圧室とを有し、
前記移動体は、前記制御圧室内の圧力が高くなることにより、前記斜板を牽引して前記傾斜角度を増大するように配置され、
前記区画体と前記移動体との間には、前記傾斜角度が最小であるときに前記傾斜角度を増大させる付勢部材が設けられていることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、斜板の傾斜角度を増大する際、移動体が斜板を牽引する。つまり、この圧縮機では、斜板が傾斜角度の増大方向へと変位する際、移動体は斜板から遠隔する。このため、この圧縮機では、斜板に対する牽引力を大きくするために移動体を大型化しても、移動体と斜板との干渉が生じ難い。これにより、この圧縮機では、干渉を回避するために移動体を複雑な形状にする必要がなく、移動体にさほど大きな剛性も要求されない。
このため、この圧縮機では、高い制御性を実現するため、移動体をある程度薄肉化して径方向に大型化することも可能である。さらに、移動体を軽量化することも可能である。
また、この圧縮機では、斜板の傾斜角度を変更する制御圧室内を利用して付勢部材を配置しているため、制御圧室外に付勢部材を設けた場合と比べて、圧縮機の軸長が短くなる。
さらに、この圧縮機では、付勢部材がアクチュエータの移動体を介するだけで斜板を牽引できる。このため、付勢部材の付勢力は、移動体のみが駆動軸心方向に移動する時の抵抗力により損なわれるだけである。このため、付勢部材の付勢力が斜板に伝わり易く、斜板の傾斜角度を増大させ易い。
特に、本発明の圧縮機では、付勢部材は傾斜角度が最小であるときに傾斜角度を増大させる。このため、斜板が継続して回転することにより、ピストンがある程度のストロ−クでシリンダボア内を往復動することとなる。このため、ピストンが圧縮室内で圧縮仕事をし、吐出室に高圧の冷媒を貯留できる。このため、アクチュエータの制御圧室を吐出室内の冷媒によって高圧にすることができ、アクチュエータの移動体が駆動軸心方向に移動することができるようになる。つまり、圧縮機は、傾斜角度が最小である状態から、アクチュエータが傾斜角度を増大するようになるまで、付勢部材が傾斜角度の復帰を助勢できる。
したがって、本発明の圧縮機は、小型化、優れた耐久性及び軽量化を実現可能であり、かつ製造コストの低廉化を実現可能であるとともに、高い制御性を実現できる。
付勢部材は、一端部から他端部まで駆動軸心方向に延びる単一のコイルばねであり得る。そして、このコイルばねは、一端部は区画体に固定され、他端部は移動体に固定されていることが好ましい。また、このコイルばねは、斜板角度が最大であるときに、斜板角度を縮小させることが好ましい。この場合、単一のコイルばねは、短縮状態から自由長への伸張により傾斜角度を増大させる付勢部材として機能するとともに、延長状態から自由長への収縮により傾斜角度を減少させる付勢部材として機能する。このため、複数の付勢部材を要せず、部品点数の削減を実現できる。
区画体には、一端部の内周に係合する第1係合部が形成されていることが好ましい。また、移動体には、他端部の内周に係合する第2係合部が形成されていることが好ましい。この場合、第1係合部がコイルばねの一端部の内周に係合し、第2係合部が他端部の内周に係合するため、コイルばねを第1係合部及び第2係合部に容易に係合できる。
移動体は、駆動軸心方向に延びて区画体を取り囲む周壁と、周壁から駆動軸に向けて延びる移動底壁と、斜板に近づく方向に移動底壁から延び、駆動軸と摺動する摺動部とを有し得る。また、区画体は、区画底壁と、周壁の内面に沿って、斜板から遠ざかる方向に区画底壁から延びるガイド部とを有し得る。そして、斜板角度が最小であるときに、ガイド部と摺動部とは、オーバーラップするように配置されることが好ましい。また、コイルばねはガイド部と摺動部との間に収納されていることが好ましい。
この場合、ガイド部と摺動部とはオーバーラップするため、軸長が長くならず、圧縮機のより小型化が可能である。また、コイルばねもガイド部と摺動部との間に収納されるため、コイルばねが圧縮機の小型化を阻害しない。また、コイルばねもガイド部及び摺動部とオーバーラップするため、駆動軸心方向に長いコイルばねを採用することができ、コイルばねが十分な付勢力を発揮できる。
本発明の圧縮機では、小型化、優れた耐久性及び軽量化を実現可能であり、かつ製造コストの低廉化を実現できるとともに、高い制御性を実現できる。
図1は、実施例の圧縮機における斜板の最大傾斜時の断面図である。 図2は、実施例の圧縮機における斜板の最小傾斜時の断面図である。 図3は、実施例の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図4は、実施例の圧縮機に係り、斜板の最大傾斜時の要部拡大断面図である。 図5は、実施例の圧縮機に係り、斜板の最小傾斜時の要部拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
(実施例)
図1及び図2に示すように、実施例の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、複数対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13と、図3に示す制御機構15とを備えている。尚、図1及び図2において、左側が前方を示し、右側が後方を示す。
ハウジング1は、フロントハウジング17と、第1シリンダブロック21と、第2シリンダブロック23と、リヤハウジング19と、第1弁ユニット39と、第2弁ユニット41とを有している。
フロントハウジング17は圧縮機の前方に位置している。リヤハウジング19は圧縮機の後方に位置している。第1、2シリンダブロック21、23は、フロントハウジング17とリヤハウジング19との間に位置している。第1弁ユニット39は、フロントハウジング17と第1シリンダブロック21との間に設けられている。第2弁ユニット41は、第2シリンダブロック23とリヤハウジング19との間に設けられている。
フロントハウジング17には、ボス17aと、第1吸入室27aと、第1吐出室29aと、第1フロント連通路17bとが形成されている。
ボス17aは、フロントハウジング17の前方側の中央部に設けられ、前方に向かって突出している。このボス17a内には軸封装置25が設けられている。
また、第1吸入室27a及び第1吐出室29aは、フロントハウジング17の後方側に設けられている。第1吸入室27aは、フロントハウジング17の内周側に位置している。第1吐出室29aは、環状に形成され、第1吸入室27aの外周側に位置している。
第1フロント連通路17bは、前端側が第1吐出室29aに連通しており、後端側がフロントハウジング17の後端に開いている。
リヤハウジング19には、第2吸入室27bと、第2吐出室29bと、圧力調整室31と、リヤ連通路19aとが形成されている。
圧力調整室31はリヤハウジング19の中心部分に位置している。第2吸入室27bは、環状に形成され、圧力調整室31の外周側に位置している。第2吐出室29bは、環状に形成され、第2吸入室27aの外周側に位置している。
リヤ連通路19aは、後端側が第2吐出室29bに連通しており、前端側がリヤハウジング19の前端に開いている。
第1シリンダブロック21と第2シリンダブロック23との間には、斜板室33が形成されている。この斜板室33は、ハウジング1における前後方向の略中央に位置している。
第1シリンダブロック21には、複数個の第1シリンダボア21aが周方向に等角度間隔でそれぞれ平行に形成されている。また、第1シリンダブロック21には、駆動軸3を挿通させる第1軸孔21bが形成されている。この第1軸孔21b内には、第1滑り軸受22aが設けられている。
さらに、第1シリンダブロック21には、第1軸孔21bと連通して第1軸孔21bと同軸をなす第1凹部21cが形成されている。第1凹部21cは、斜板室33とも連通しており、斜板室33の一部となっている。
第1凹部21cは、前端に向かって段状に縮径する形状に形成されている。第1凹部21cの前端には、第1スラスト軸受35aが設けられている。この第1スラスト軸受35aは駆動軸3に作用するスラスト力を支持している。
さらに、第1シリンダブロック21には、斜板室33と第1吸入室27aとを連通する複数本の第1連絡路37aが形成されている。
さらに、第1シリンダブロック21には、第2フロント連通路21dが形成されている。この第2フロント連通路21dは、前端が第1シリンダブロック21の前端側に開いており、後端が第1シリンダブロック21の後端側に開いている。
第2シリンダブロック23には、第1シリンダボア21aと同数の第2シリンダボア23aが周方向に等角度間隔でそれぞれ平行に形成されている。また、第2シリンダブロック23には、駆動軸3を挿通させる第2軸孔23bが形成されている。第2軸孔23bは第1軸孔21bと同軸である。第2軸孔23bは圧力調整室31と連通している。第2軸孔23b内には、第2滑り軸受22bが設けられている。駆動軸3は第1、2滑り軸受22a、22bに支持されている。
また、第2シリンダブロック23には、第2軸孔23bと連通し、第2軸孔23bと同軸をなす第2凹部23cが形成されている。第2凹部23cも、斜板室33と連通しており、斜板室33の一部となっている。
第2凹部23cは、後端に向かって段状に縮径する形状に形成されている。第2凹部23cの後端には、第2スラスト軸受35bが設けられている。この第2スラスト軸受35bは、駆動軸3に作用するスラスト力を支持している。
さらに、第2シリンダブロック23には、斜板室33と第2吸入室27bとを連通する複数本の第2連絡路37bが形成されている。
第2シリンダブロック23には、吐出ポート23gと、合流連通路23hと、吸入ポート23iとが形成されている。吐出ポート23gと合流連通路23hとは、互いに連通している。合流連通路23hは、前端側が第2フロント連通路21dに開いており、後端側がリヤ連通路19aに開いている。
第1弁ユニット39は、第1バルブプレート390と、第1吸入弁プレート391と、第1吐出弁プレート392と、第1リテーナプレート393とを有している。
第1弁ユニット39には、第1シリンダボア21aと同数の第1吸入孔390aと、第1シリンダボア21aと同数の第1吐出孔390bと、複数個の第1吸入連通孔390cと、1個の第1吐出連通孔390dとが形成されている。また、各第1吸入孔390a及び各第1吐出孔390bには、それぞれ図示しないリード弁が形成されている。
各第1シリンダボア21aは、各第1吸入孔390aを通じて、第1吸入室27aと連通している。また、各第1シリンダボア21aは、各第1吐出孔390bを通じて、第1吐出室29aと連通している。さらに、第1吸入室27aは、各第1吸入連通孔390cを通じて、各第1連絡路37aと連通している。また、第1フロント連通路17bは、第1吐出連通孔390dを通じて、第2フロント連通路21dと連通している。
第2弁ユニット41は、第2バルブプレート410と、第2吸入弁プレート411と、第2吐出弁プレート412と、第2リテーナプレート413とを有している。
第2弁ユニット41には、第2シリンダボア23aと同数の第2吸入孔410aと、第2シリンダボア23aと同数の第2吐出孔410bと、複数個の第2吸入連通孔410cと、第2吐出連通孔410dとが形成されている。また、各第2吸入孔410a及び各第2吐出孔410bには、それぞれ図示しないリード弁が形成されている。
各第2シリンダボア23aは、各第2吸入孔410aを通じて、第2吸入室27bと連通している。また、各第2シリンダボア23aは、各第2吐出孔410bを通じて、第2吐出室29bと連通している。さらに、第2吸入室27bは、第2吸入連通孔410cを通じて、第2連絡路37bと連通している。また、リヤ連通路19aは、第2吐出連通孔410dを通じて、合流連通路23hと連通している。
また、この圧縮機では、第1、2連絡路37a、37b及び第1、2吸入連通孔390c、410cにより、第1、2吸入室27a、27bと斜板室33とが互いに連通している。このため、第1、2吸入室27a、27b内と斜板室33内とは、圧力がほぼ等しくなっている。そして、蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが吸入ポート23iを通じて斜板室33に流入する。これにより、斜板室33内及び第1、2吸入室27a、27b内の各圧力は、第1、2吐出室29a、29b内よりも低圧になっている。
駆動軸3は、軸本体30と第1軸支持部材43aと第2軸支持部材43bとにより構成されている。軸本体30は、ボス17aから後方に向かって延びている。軸本体30の前端はボス17a内に位置し、後端は圧力調整室31内に位置している。
また、軸本体30内には、軸路3a及び径路3bが形成されている。軸路3aは、軸本体30の後端から前方に向かって駆動軸心O方向に延びている。径路3bは、軸路3aの前端から径方向に延びて軸本体30の外周面に開いている。軸路3aの後端は圧力調整室31に開いている。一方、径路3bは、制御圧室13cに開いている。これにより、制御圧室13cは、径路3b及び軸路3aを通じて、圧力調整室31と連通している。
また、軸本体30には、斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とが設けられている。これらの斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とは、それぞれ斜板室33内に配置されている。
第1軸支持部材43aは、軸本体30の前端側に圧入されている。第1軸支持部材43aは、駆動軸3が駆動軸心O周りで回転することにより、第1滑り軸受22a内を摺動する。また、この第1軸支持部材43aには、第1スラスト軸受35aと当接する第1フランジ部430が形成されているとともに、後述する第2ピン47bが挿通される取付部(図示略)が形成されている。
第2軸支持部材43bは、軸本体30の後端側に圧入されている。第2軸支持部材43bは、駆動軸3が駆動軸心O周りで回転することにより、駆動軸3を支持しつつ、第2滑り軸受22b内を摺動する。また、第2軸支持部材43bは、後述する移動体13aとリヤハウジング19との間に設けられている。
また、第2軸支持部材43bは駆動軸3上に設けられている。第2軸支持部材43bには、第2スラスト軸受35bを固定する第2フランジ部431が形成されている。
また、第2凹部23cと第2軸支持部材43bとの間に第2スラスト軸受35bが設けられている。第2スラスト軸受35bは、第2フランジ部431よりも大径に形成されている。
斜板5は、環状の平板形状に形成されている。斜板5は、前面5aと後面5bとを有している。前面5aは、斜板室33内において圧縮機の前方に面している。また、後面5bは、斜板室33内において圧縮機の後方に面している。
斜板5はリングプレート45に固定されている。リングプレート45は、環状の平板形状に形成され、その中心部に挿通孔45aが形成されている。斜板5は、挿通孔45aに軸本体30が挿通されることにより、駆動軸3に取り付けられる。
リンク機構7はラグアーム49を有している。ラグアーム49は、斜板5よりも前方に配置され、斜板5と第1軸支持部材43aとの間に位置している。ラグアーム49は、前端側から後端側に向かって略L字形状に形成されている。図2に示すように、駆動軸心Oに対する斜板5の傾斜角度が最小になった時に、ラグアーム49は、第1軸支持部材43aの第1フランジ部430と当接するようになっている。これにより、この圧縮機では、ラグアーム49によって、斜板5の傾斜角度を最小値に維持することが可能となっている。また、ラグアーム49の後端側には、ウェイト部49aが形成されている。ウェイト部49aは、アクチュエータ13の周方向におよそ半周にわたって延びている。
図1に示すように、ラグアーム49の後端側は、第1ピン47aによってリングプレート45の一端側と接続されている。これにより、ラグアーム49の後端側は、第1ピン47aの軸心を第1揺動軸心M1として、リングプレート45の一端側、すなわち斜板5に対し、第1揺動軸心M1周りで揺動可能に支持されている。この第1揺動軸心M1は、駆動軸3の駆動軸心Oと直交する方向に延びている。
ラグアーム49の前端側は、第2ピン47bによって第1軸支持部材43aと接続されている。これにより、ラグアーム49の前端側は、第2ピン47bの軸心を第2揺動軸心M2として、第1軸支持部材43a、すなわち駆動軸3に対し、第2揺動軸心M2周りで揺動可能に支持されている。この第2揺動軸心M2は第1揺動軸心M1と平行に延びている。これらのラグアーム49、第1、2ピン47a、47bが本発明におけるリンク機構7に相当する。
ウェイト部49aは、ラグアーム49の後端側、つまり、第1揺動軸心M1を基準として第2揺動軸心M2とは反対側に延在して設けられている。ラグアーム49は、第1ピン47aによってリングプレート45に支持される。ウェイト部49aは、リングプレート45の溝部45bを通って、リングプレート45の後面、つまり斜板5の後面5b側に位置している。これにより、斜板5の回転によって発生する遠心力がウェイト部49aにも作用するようになっている。
この圧縮機では、斜板5は駆動軸3と接続されることにより、斜板5は駆動軸3と共に回転することが可能となっている。また、ラグアーム49の両端がそれぞれ第1揺動軸心M1及び第2揺動軸心M2周りで揺動することにより、斜板5は傾斜角度を変更することが可能となっている。
各ピストン9は、前端側に第1頭部9aを有し、後端側にも第2頭部9bを有している。各第1頭部9aは各第1シリンダボア21a内を往復動可能に収納されている。これらの各第1頭部9aと第1弁ユニット39とにより、各第1シリンダボア21a内にそれぞれ第1圧縮室21eが区画されている。同様に、各第2頭部9bも各第2シリンダボア23a内を往復動可能に収納されている。これらの各第2頭部9bと第2弁ユニット41とにより、各第2シリンダボア23a内にそれぞれ第2圧縮室23fが区画されている。各第1頭部9aと各第2頭部9bとは同径に形成されている。
また、各ピストン9の中央には凹部9cが形成されている。各凹部9c内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。これらのシュー11a、11bによって斜板5の回転がピストン9の往復動に変換される。シュー11a、11bが本発明における変換機構に相当する。こうして、斜板5の傾斜角度に応じたストロークで、第1、2頭部9a、9bがそれぞれ第1、2シリンダボア21a、23a内を往復動することが可能となっている。
図3に示すように、制御機構15は、低圧通路15aと高圧通路15bと制御弁15cとオリフィス15dと軸路3aと径路3bとを有している。
低圧通路15aは、圧力調整室31と第2吸入室27bとに接続されている。これにより、この低圧通路15aと軸路3aと径路3bとによって、制御圧室13cと圧力調整室31と第2吸入室27bとは、互いに連通している。また、低圧通路15aには制御弁15cが設けられている。この制御弁15cは、第2吸入室27b内の圧力に基づき、低圧通路15aの開度を調整する。
高圧通路15bは、圧力調整室31と第2吐出室29bとに接続されている。これにより、この高圧通路15bと軸路3aと径路3bとによって、制御圧室13cと圧力調整室31と第2吐出室29bとが連通している。また、高圧通路15bには、オリフィス15dが設けられている。
この圧縮機では、図1に示す吸入ポート23iに対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、吐出ポート23gに対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
図4及び図5に示すように、このアクチュエータ13は、移動体13aと区画体13bと制御圧室13cとを有する。アクチュエータ13は、斜板室33内に配置されている。アクチュエータ13は、斜板5よりも後方側に位置し、第2凹部23c内に進入することが可能となっている。
区画体13bは、駆動軸3に固定され、駆動軸3と共に回転可能となっている。区画体13bは、区画底壁136とガイド部137とを有している。区画底壁136には、駆動軸3を挿通する挿通孔136aが貫設されている。区画底壁136は、この挿通孔136aによって、駆動軸3に圧入されている。区画底壁136は、駆動軸3から径方向に延びている。ガイド部137は、斜板5から遠ざかるように区画底壁136から駆動軸心O方向に延び、駆動軸心Oと同心の筒状をなしている。ガイド部137には、駆動軸3に向けて突設した第1係合部137aが形成されている。ガイド部137は、後述する移動体13aの周壁130の内面に沿って摺動する。ガイド部137の外周面と周壁130の内周面との間には、Oリング138が設けられている。
移動体13aは、駆動軸3が挿通されることにより、駆動軸3と共に回転されるようになっている。移動体13aは、区画体13bに対して駆動軸心O方向に移動可能とされている。また、移動体13aは斜板5と連結されている。移動体13aは、制御圧室13c内の圧力が高くなることにより、斜板5を牽引して傾斜角度を増大するように配置されている。
より具体的には、移動体13aは、周壁130と、移動底壁131と、摺動部132とを有している。周壁130は、移動底壁131から斜板5に向かって駆動軸心O方向に延び、区画体13bを取り囲んでいる。周壁130は、駆動軸心Oと同心の筒状をなしている。また、周壁130の前端には、斜板5と連結される連結部133が形成されている。移動底壁131は、周壁130から駆動軸3に向けて延びている。摺動部132は、斜板5に近づくように移動底壁131から駆動軸心O方向に延びている。摺動部132には、径方向に突設した第2係合部132aが形成されている。摺動部132には、駆動軸3を挿通する挿通孔132bが貫設されている。この挿通孔132bによって、摺動部132は駆動軸3の外周上を摺動可能とされている。摺動部132の内周面と駆動軸3の外周面との間には、Oリング135が設けられている。
移動体13aには、移動底壁131と周壁130との間に、内側収納部140が形成されている。内側収納部140は、ガイド部137を収納することが可能になっている。具体的には、斜板角度が最小であるときに、ガイド部137と摺動部132とは、オーバーラップするように配置される
また、移動体13aには、移動底壁131と摺動部132との間に、外側収納部141が形成されている。外側収納部141は、第2フランジ部431を収納することが可能になっている。具体的には、斜板角度が最大であるときに、移動底壁131と第2フランジ部431とは、オーバーラップするように配置されている。
移動体13aの連結部133には、リングプレート45の他端側が第3ピン47cによって接続されている。これにより、リングプレート45の他端側、すなわち、斜板5は、第3ピン47cの軸心を作用軸心M3として、作用軸心M3周りで移動体13aに揺動可能に支持されている。この作用軸心M3は、第1、2揺動軸心M1、M2と平行に延びている。こうして、移動体13aは斜板5と連結されている。
制御圧室13cは、区画体13bと移動体13aとにより区画されている。制御圧室13cは、第2吐出室29bからの冷媒を導入することによって移動体13aを移動可能にしている。また、制御圧室13cは、移動体13aの移動により、制御圧室13c内の容積が変更するようになっている。この制御圧室13cは、移動体13aと、区画体13bと、軸本体30とによって斜板室33から区画されている。
制御圧室13c内には、コイルばね50が設けられている。また、コイルバネ50の一端部50aの内周は第1係合部137aに係合され、その他端部50bの内周は第2係合部132aに係合されている。また、コイルバネ50の自由長時には、斜板5の傾斜角度が最大と最少との中間角度にされるように設定されている。このため、コイルばね50は、斜板5の傾斜角度が最小であるときに傾斜角度を増大させるように付勢する。また、コイルばね50は、斜板5の傾斜角度が最大であるときに傾斜角度を縮小させるように付勢する。コイルばね50が本発明における付勢部材に相当する。
コイルばね50は区画体13b及び移動体13aとともに回転されるようになっている。コイルばね50は、制御圧室13cの容積が最も小さいときに、ガイド部137と摺動部132との間に収納される。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、斜板5が回転し、各ピストン9が第1、2シリンダボア21a、23a内を往復動する。このため、第1、2圧縮室21e、23fがピストンストロークに応じて容積変化を生じる。これにより、この圧縮機では、第1、2圧縮室21e、23fにそれぞれ冷媒ガスを吸入する吸入行程と、第1、2圧縮室21e、23fにおいて冷媒ガスが圧縮される圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスが第1、2圧縮室21e、23fからそれぞれ吐出される吐出行程等とが繰り返し行われることとなる。
そして、これらの吸入行程等が行われる間、斜板5、リングプレート45、ラグアーム49及び第1ピン47aからなる回転体には斜板5の傾斜角度を変更するピストン圧縮力が作用する。そして、斜板5の傾斜角度が変更されれば、ピストン9のストロークの増減による容量制御を行うことが可能である。
より具体的には、制御機構15において、図3に示す制御弁15cが低圧通路15aの開度を大きくすれば、圧力調整室31内の圧力が小さくなり、ひいては制御圧室13c内の圧力が小さくなる。これにより、制御圧室13c内の圧力は第2吸入室27b内の圧力とほぼ等しくなる。このため、図2及び図5に示すように、アクチュエータ13では、移動体13aの摺動部132が、斜板室33の前方側に向かって駆動軸3の外周面を摺動するとともに、周壁130も、斜板室33の前方側に向かって区画体13bのガイド部137上を摺動する。つまり、斜板室33の圧力によって移動体13aは前方へ移動する。この際、移動体13aは、コイルバネ5の付勢力に抗しながら、前方へ移動する。これにより、この圧縮機では、移動体13aが斜板室33の前方側に移動し、ラグアーム49に近接する。
これにより、斜板5の他端側は作用軸心M3周りで時計回り方向に揺動する。また、ラグアーム49の後端が第1揺動軸心M1周りで反時計回り方向に揺動するとともに、ラグアーム49の前端が第2揺動軸心M2周りで反時計回り方向に揺動する。このため、ラグアーム49が第1軸支持部材43aの第1フランジ部430に近接する。これらにより、斜板5は、第1揺動軸心M1を支点として揺動する。このため、駆動軸3の駆動軸心Oに対する斜板5の傾斜角度が減少し、ピストン9のストロークが減少する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が小さくなる。斜板5の傾斜角度は、制御圧室13cの最少容積時に、最小傾斜角度となる。
一方、制御機構15において、図3に示す制御弁15cが低圧通路15aの開度を小さくすれば、圧力調整室31の圧力が大きくなり、ひいては制御圧室13c内の圧力が大きくなる。このため、図1及び図4に示すように、アクチュエータ13では、移動体13aの摺動部132が、斜板室33の後方側に向かって駆動軸3の外周面を摺動するとともに、周壁130も、斜板室33の後方側に向かって区画体13bのガイド部137上を摺動する。つまり、制御圧室13cの内部の圧力によって移動体13aは後方へ移動する。この際、移動体13aは、コイルバネ5の付勢力に屈しながら、後方へ移動する。これにより、この圧縮機では、移動体13aが斜板室33の後方側に移動し、ラグアーム49から遠隔する。
これにより、作用軸心M3において、連結部133を通じて移動体13aが斜板5の下端側を斜板室33の後方側へ牽引する状態となる。これにより、斜板5の他端側が作用軸心M3周りで反時計回り方向に揺動する。また、ラグアーム49の後端が第1揺動軸心M1周りで時計回り方向に揺動するとともに、ラグアーム49の前端が第2揺動軸心M2周りで時計回り方向に揺動する。このため、ラグアーム49が第1軸支持部材43aの第1フランジ部430から離間する。これにより、斜板5は、第1揺動軸心M1を支点として揺動し、上述の傾斜角度が小さくなる場合と反対方向に揺動する。このため、駆動軸3の駆動軸心Oに対する斜板5の傾斜角度が増大し、ピストン9のストロークが増大する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が大きくなる。斜板5の傾斜角度は、制御圧室13cの最大容積時に、最大傾斜角度となる。
この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を増大する際、移動体13aが斜板5を牽引する。つまり、この圧縮機では、斜板5が傾斜角度の増大方向へと変位する際、移動体13aは斜板5から遠隔する。このため、この圧縮機では、斜板5に対する牽引力を大きくするために移動体13aを大型化しても、移動体13aと斜板5との干渉が生じ難い。これにより、この圧縮機では、干渉を回避するために移動体13aを複雑な形状にする必要がなく、移動体13aにさほど大きな剛性も要求されない。
このため、この圧縮機では、高い制御性を実現するため、移動体13aをある程度薄肉化して径方向に大型化することも可能である。さらに、移動体13aを軽量化することも可能である。
また、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を変更する制御圧室13c内を利用してコイルバネ50を配置しているため、制御圧室13c外に付勢部材を設けた場合と比べて、圧縮機の軸長が短くなる。
さらに、この圧縮機では、コイルバネ50がアクチュエータ13の移動体13aを介するだけで斜板5を牽引できる。このため、コイルバネ50の付勢力は、移動体13aのみが駆動軸心O方向に移動する時の抵抗力により損なわれるだけである。このため、コイルバネ50の付勢力が上記従来の圧縮機よりも斜板5に伝わり易く、斜板5の傾斜角度を増大させ易い。
特に、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最小であるとき、コイルバネ50は斜板5の傾斜角度を増大させる。このため、斜板5が継続して回転することにより、ピストン9がある程度のストロ−クで第1、2シリンダボア21a、23a内を往復動することとなる。このため、ピストン9が第1、2圧縮室21e、23f内で圧縮仕事をし、第1、2吐出室29a、29bに高圧の冷媒を貯留できる。このため、アクチュエータ13の制御圧室13cを第1、2吐出室29a、29b内の冷媒によって高圧にすることができ、アクチュエータ13の移動体13aが駆動軸心O方向に移動することができるようになる。つまり、圧縮機は、斜板5の傾斜角度が最小である状態から、アクチュエータ13が斜板5の傾斜角度を増大するようになるまで、コイルバネ50が斜板5の傾斜角度の復帰を助勢できる。
したがって、この圧縮機は、小型化、優れた耐久性及び軽量化を実現可能であり、かつ製造コストの低廉化を実現可能であるとともに、高い制御性を実現できる。
また、この圧縮機では、コイルバネ50の一端部50aの内周は第1係合部137aに係合され、その他端部50bの内周は第2係合部132aに係合されている。このため、斜板5の傾斜角度が最大であるとき、コイルばね50は、自由長に戻ろうとするため、斜板5の傾斜角度は減少する方向に移動体13aを付勢する。これにより、斜板5が最大の傾斜角度から傾斜角度の減少方向へと変位し易くなり、より優れた制御性を実現できる。
また、単一のコイルばね50は、短縮状態から自由長への伸張により付勢部材として機能するとともに、延長状態から自由長への収縮により付勢部材として機能する。このため、複数の付勢部材を制御圧室13c内に設ける必要がなく、部品点数の削減を実現できる。
また、第1係合部137aがコイルばね50の一端部50aの内周に係合し、第2係合部132aが他端部50bの内周に係合するため、コイルばね50を第1係合部137a及び第2係合部132aに容易に係合できる。
さらに、斜板角度が最小であるときに、ガイド部137と摺動部132とはオーバーラップするため、軸長が長くならず、圧縮機のより小型化が可能である。また、コイルばね50もガイド部137と摺動部132との間に収納されるため、コイルばね50が圧縮機の小型化を阻害しない。また、コイルばね50もガイド部137及び摺動部132とオーバーラップするため、駆動軸心O方向に長いコイルばね50を採用することができ、コイルばね50が十分な付勢力を発揮できる。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、本発明の圧縮機の制御機構15において、高圧通路15bに対して制御弁15cを設けるとともに、低圧通路15aにオリフィス15dを設ける構成としても良い。この場合には、制御弁15cによって、高圧通路15bの開度を調整することが可能となる。これにより、第2吐出室29b内の高圧によって制御圧室13cを迅速に高圧とすることで、迅速な圧縮容量の増大を行うことが可能となる。
また、アクチュエータ13を斜板5の前面5a側に配置し、ラグアーム49を斜板5の後面5b側に配置して圧縮機を構成しても良い。
また、第1シリンダブロック21又は第2シリンダブロック23の一方のみに圧縮室が形成されるように圧縮機を構成しても良い。
本発明は冷凍回路、暖房回路、暖房冷凍回路等に利用可能である。
1…ハウジング
3…駆動軸
5…斜板
7…リンク機構
9…ピストン
11a…シュー(変換機構)
11b…シュー(変換機構)
13…アクチュエータ
13a…移動体
13b…区画体
13c…制御圧室
15…制御機構
21a…第1シリンダボア(シリンダボア)
23a…第2シリンダボア(シリンダボア)
27a…第1吸入室(吸入室)
27b…第2吸入室(吸入室)
29a…第1吐出室(吐出室)
29b…第2吐出室(吐出室)
33…斜板室
47a…第1ピン(リンク機構)
47b…第2ピン(リンク機構)
50…コイルばね(付勢部材)
50a…一端部
50b…他端部
130…周壁(移動体)
131…移動底壁(移動体)
132…摺動部(移動体)
132a…第2係合部
136…区画底壁(区画体)
137…ガイド部(区画体)
137a…第1係合部

Claims (4)

  1. 吸入室、吐出室、斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記斜板室に設けられ、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
    前記アクチュエータは、前記駆動軸に設けられる区画体と、前記斜板と連結され、前記斜板室内で前記駆動軸心方向に移動可能な移動体と、前記区画体と前記移動体とにより区画され、前記吐出室からの冷媒を導入することによって前記移動体を移動させる制御圧室とを有し、
    前記移動体は、前記制御圧室内の圧力が高くなることにより、前記斜板を牽引して前記傾斜角度を増大するように配置され、
    前記区画体と前記移動体との間には、前記傾斜角度が最小であるときに前記傾斜角度を増大させる付勢部材が設けられていることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記付勢部材は、一端部から他端部まで前記駆動軸心方向に延びる単一のコイルばねであり、
    前記一端部は前記区画体に固定され、前記他端部は前記移動体に固定されており、
    前記付勢部材は、前記斜板角度が最大であるときに、前記斜板角度を縮小させる請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記区画体には、前記一端部の内周に係合する第1係合部が形成され、
    前記移動体には、前記他端部の内周に係合する第2係合部が形成されている請求項2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  4. 前記移動体は、前記駆動軸心方向に延びて前記区画体を取り囲む周壁と、前記周壁から前記駆動軸に向けて延びる移動底壁と、前記斜板に近づく方向に前記移動底壁から延び、前記駆動軸と摺動する摺動部とを有し、
    前記区画体は、区画底壁と、前記周壁の内面に沿って、前記斜板から遠ざかる方向に前記区画底壁から延びるガイド部とを有し、
    前記斜板角度が最小であるときに、前記ガイド部と前記摺動部とは、オーバーラップするように配置されると共に、
    前記コイルばねは前記ガイド部と前記摺動部との間に収納されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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