JP2016041914A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

容量可変型斜板式圧縮機 Download PDF

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山本 真也
Shinya Yamamoto
真也 山本
秀晴 山下
Hideharu Yamashita
秀晴 山下
圭 西井
Kei Nishii
圭 西井
昇平 藤原
Shohei Fujiwara
昇平 藤原
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Abstract

【課題】極めて厳しい小型化の要求を満たしながら、斜板室内に必要な付勢部材を設けることができる容量可変型斜板式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、ハウジング1、駆動軸3、リンク機構7及びアクチュエータ13等を備えている。リンク機構7は、駆動軸3又は第1小径部31aに連結される第1ピン51と、斜板5に連結される第2ピン52と、第1ピン51及び第2ピン52に回動可能に連結されるラグアーム70とからなる。アクチュエータ13は、区画体63と、移動体64と、制御圧室65とを有している。移動体64は、斜板5に連結される第3ピン53を備えるとともに制御圧室65内の圧力が高くなることにより、斜板5を牽引して傾斜角度を増大可能に設けられている。ラグアーム70と駆動軸3との間には、コイルばね71が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機では、ハウジングに吐出室、斜板室及び複数個のシリンダボアが形成されている。ハウジングには駆動軸が回転可能に支持されている。斜板室内には、駆動軸の回転によって回転可能な斜板が設けられている。駆動軸と斜板との間には、リンク機構が設けられている。リンク機構は、斜板の傾斜角度の変更を許容する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する斜板の角度である。各シリンダボアには、ピストンが往復動可能に収納されている。ピストン毎に対をなすシューは、変換機構として、斜板の回転により、傾斜角度に応じたストロークで各ピストンをシリンダボア内で往復動させる。アクチュエータは、制御圧室の容積を変更することにより、傾斜角度を変更可能である。制御機構はアクチュエータを制御する。
駆動軸には、後方から前方に向けて、支持部材、スラスト軸受、第1連結体及び第2連結体が装着されている。第1連結体及び第2連結体がリンク機構を構成している。前方に位置する第2連結体は、第1連結部材を有している。第2連結体は、第1連結部材を介して斜板と揺動可能に連結されている。後方に位置する第1連結体は、第1連結部材と平行な第2連結部材を有している。第1連結体は、第2連結部材を介して斜板と揺動可能に連結されている。第1、2連結体は駆動軸とともに回転可能である。第1連結体は駆動軸心方向に移動可能となっている。
ハウジングはシリンダブロック及びリヤハウジングを有している。シリンダブロックとリヤハウジングとの間には弁板が設けられている。アクチュエータの制御圧室は、支持部材と、リヤハウジングと、弁板とによって区画されている。制御圧室内には、支持部材と弁板との間に押圧ばねが設けられている。押圧ばねは、傾斜角度を増大させるように支持部材を付勢する。
この圧縮機では、制御機構が制御圧室内を高圧にすれば、押圧ばねの付勢力とともに、支持部材が第1連結体を押圧し、斜板の傾斜角度が大きくなる。こうして、この圧縮機では、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が増大する。他方、制御機構が制御圧室の圧力を低圧にすれば、押圧ばねの付勢力にかかわらず、支持部材が第1連結体を押圧しなくなり、斜板の傾斜角度が小さくなる。こうして、この圧縮機では、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が減少する。
特開平5−172052号公報
上記のように、圧縮機においては、内部に押圧ばね等の付勢部材を設けることが必要である。この際、上記従来の圧縮機のように、制御圧室内に付勢部材を設けることもあり得るが、制御圧室外の斜板室内に付勢部材を設けざるを得ない場合もある。
ところが、近年の圧縮機においては、車両等への搭載性の向上の観点から極めて厳しい小型化が要求されており、斜板室内にスペースを確保し難い。このため、斜板室内のいずれの箇所にそのような付勢部材を設けるべきか苦慮することが常である。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、極めて厳しい小型化の要求を満たしながら、斜板室内に必要な付勢部材を設けることができる容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、吐出室、斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記斜板室に設けられ、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
前記リンク機構は、前記駆動軸又は前記駆動軸と一体回転する回転体に連結される第1連結部材と、前記斜板に連結される第2連結部材と、前記第1連結部材及び前記第2連結部材に回動可能に連結されるラグアームとからなり、
前記アクチュエータは、前記駆動軸に設けられる区画体と、前記斜板室内で前記駆動軸心方向に移動可能な移動体と、前記区画体と前記移動体とにより区画され、前記吐出室からの冷媒を導入することによって前記移動体を移動させる制御圧室とを有し、
前記移動体は、前記斜板に連結される第3連結部材を備えるとともに前記制御圧室内の圧力が高くなることにより、前記斜板を牽引して前記傾斜角度を増大可能に設けられ、
前記ラグアームと前記駆動軸又は前記回転体との間には、付勢部材が設けられ、
前記付勢部材は、前記第1連結部材を回動中心とした前記ラグアームの前記駆動軸へ向けた回動方向の回動により、前記ラグアームが前記駆動軸に近づく際、前記回動方向とは逆方向に付勢していることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、ラグアームが駆動軸又は回転体に第1連結部材に回動可能に連結されている。このため、ラグアームと駆動軸又は回転体との間には、ラグアームが回動可能なスペースが確保されている。このスペースを有効に活用して付勢部材を設けることができる。
したがって、本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、極めて厳しい小型化の要求を満たしながら、斜板室内に必要な付勢部材を設けることができる。
付勢部材は、傾斜角度が最小であるときに傾斜角度を増大させるように付勢することが好ましい。
この圧縮機では、傾斜角度が最小であるとき、斜板は継続して回転したとしても、ピストンのストロークが0又は0に極めて近いものとなるため、シリンダボア内でピストンを全く又はほとんど往復動させることができない。この状態では、ピストンとシリンダボアとで形成される圧縮室内において、ピストンは圧縮仕事を全く又はほとんど行わないため、吐出室に高圧の冷媒が貯留されない。このため、アクチュエータの制御圧室を吐出室内の冷媒によって高圧にすることができず、アクチュエータの移動体が駆動軸心方向に移動することができない。これでは、圧縮機は、傾斜角度が最小である状態から、たとえアクチュエータがあっても、傾斜角度の復帰を実現できない。
この点、傾斜角度が最小であるときに付勢部材が傾斜角度を増大させるように付勢すれば、斜板が継続して回転することにより、ピストンがある程度のストロ−クでシリンダボア内を往復動することとなる。このため、ピストンが圧縮室内で圧縮仕事をし、吐出室に高圧の冷媒を貯留できる。このため、アクチュエータの制御圧室を吐出室内の冷媒によって高圧にすることができ、アクチュエータの移動体が駆動軸心方向に移動することができるようになる。つまり、圧縮機は、傾斜角度が最小である状態から、アクチュエータが傾斜角度を増大するようになるまで、付勢部材が傾斜角度の復帰を助勢できる。
駆動軸にはガイド面が形成され得る。斜板には、ガイド面に案内されるガイドピンが固定され得る。付勢部材は、ガイドピンをガイド面に向けて付勢することが好ましい。
駆動軸にガイド面が形成され、斜板にガイドピンが固定され、ガイドピンがガイド面に案内されれば、斜板の傾斜角度の変更がスムーズになる。ここで、付勢部材がガイドピンをガイド面に向けて付勢しないと、斜板の傾斜角度が小さいとき、圧縮反力が小さいため、ガイドピンがガイド面から離間しやすくなる。この際、斜板が径外方向へ変位し、ピストンの上死点がより先行側に移動し、ピストンがハウジングに干渉するおそれがある。この場合、異音を生じるとともに、耐久性が損なわれる。
他方、付勢部材がガイドピンをガイド面に向けて付勢すれば、斜板の傾斜角度の大小にかかわらず、ガイドピンがガイド面から離間しない。このため、斜板が径外方向へ変位せず、ピストンの上死点は維持され、ピストンがハウジングに干渉することを防止できる。このため、異音を生じ難く、優れた耐久性を発揮する。
第1連結部材及び第3連結部材と、第2連結部材及びガイドピンとは駆動軸心を挟んだ位置に配置されていることが好ましい。この場合、付勢部材がガイドピンをガイド面に向けて好適に付勢する。
ラグアームにはばね室が凹設され得る。ばね室には、付勢部材であるコイルばねと、コイルばねによってばね室から突出され、付勢部材の付勢力を駆動軸又は回転体に伝達する付勢力伝達部材とが収納されていることが好ましい。この場合、ラグアームにばね室が凹設されているため、その分だけ、ラグアームの軽量化を図ることができる。また、ラグアームのばね室にコイルばねと付勢力伝達部材とを収納しているため、斜板室内に長尺のコイルばねをより設けやすい。このため、この圧縮機では、軽量化及び小型化を確実に実現できる。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、極めて厳しい小型化の要求を満たしながら、斜板室内に必要な付勢部材を設けることができる。
図1は、実施例1の容量可変型斜板式圧縮機における最大容量時の断面図である。 図2は、実施例1の容量可変型斜板式圧縮機における最少容量時の断面図である。 図3は、実施例1の容量可変型斜板式圧縮機における最大容量時の部分拡大断面図である。 図4は、実施例1の容量可変型斜板式圧縮機における最少容量時の部分拡大断面図である。 図5は、実施例1の容量可変型斜板式圧縮機に係り、第1軸心、第2軸心、第3軸心及び第4軸心に作用する付勢力をベクトルで表した説明図である。 図6は、実施例1の容量可変型斜板式圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図7は、実施例2の容量可変型斜板式圧縮機における最少容量時の部分拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1、2について、図面を参照しつつ説明する。この容量可変型斜板式圧縮機(以下、圧縮機という。)は、車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、複数対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13と、図6に示す制御機構15とを備えている。
図1に示すように、ハウジング1は、圧縮機の前方に位置するフロントハウジング21と、圧縮機の後方に位置するリヤハウジング22と、フロントハウジング21とリヤハウジング22との間に位置する第1、2シリンダブロック23、24とを有している。
フロントハウジング21内には、第1吸入室21aと第1吐出室21bとが形成されている。第1吸入室21aは、環状に形成されており、第1吐出室21bに対して、内周側に位置している。第1吐出室21bは、環状に形成されている。フロントハウジング21には、前方に向かって突出するボス21cが形成されている。このボス21c内には軸封装置17が設けられている。
フロントハウジング21には、フロント側連絡通路21dが形成されている。このフロント側連絡通路21dは、前端側が第1吐出室21bに連通しており、後端側がフロントハウジング21の後端で開いている。
リヤハウジング22内には、第2吸入室22aと第2吐出室22bと圧力調整室22cとが形成されている。圧力調整室22cは、リヤハウジング22の中心付近に位置している。第2吸入室22aは、環状に形成され、圧力調整室22cの外周側に位置している。第2吐出室22bは、環状に形成され、第2吸入室22aの外周側に位置している。
リヤハウジング22には、リヤ側連絡通路22dが形成されている。リヤ側連絡通路22dは、後端側が第2吐出室22bに連通しており、前端側がリヤハウジング22の前端で開いている。
第1シリンダブロック23は、第2シリンダブロック24とともに斜板室50を形成している。フロントハウジング21、第1シリンダブロック23、第2シリンダブロック24及びリヤハウジング22は、駆動軸心O方向で締結されている。
第1シリンダブロック23には、駆動軸3を挿通させる第1軸孔23hと、複数個の第1シリンダボア23sと、1個の第1凹部23cと、1本の第1シリンダブロック側連絡通路23dと、複数本の第1連絡通路23eとが形成されている。
第1軸孔23h内には、第1ラジアル軸受19aが設けられている。各第1シリンダボア23sは、第1軸孔23hの外周に形成されている。各第1シリンダボア23sは、駆動軸3の前端側に位置している。第1凹部23cは、第1軸孔23hと同軸をなして連通している。第1凹部23cは、斜板室50の一部を構成している。第1凹部23cの前端には、第1スラスト軸受25aが設けられている。第1凹部23cの前端面は、駆動軸心Oと直交する平坦面に形成されている。
第1シリンダブロック側連絡通路23dは、前端がフロント側連絡通路21dの後端と連通し、後端が第1シリンダブロック23の後端側に開いている。各第1連絡通路23eは、後端が斜板室50と連通し、前端が第1シリンダブロック23の前端で開いている。
第2シリンダブロック24には、駆動軸3を挿通させる第2軸孔24hと、第1シリンダボア23sと同数の第2シリンダボア24sと、1個の第2凹部24cと、1本の第2シリンダブロック側連絡通路24dと、複数本の第2連絡通路24eと、第2シリンダブロック側連絡通路24dと連通する吐出ポート24tと、吸入ポート24kとが形成されている。
第2軸孔24h内には、第2ラジアル軸受19bが設けられている。第2軸孔24hは、第1軸孔23hと同軸をなしてリヤハウジング22の圧力調整室22cと連通している。各第2シリンダボア24sは、第2軸孔24hの外周に形成されている。各第2シリンダボア24sは、第1シリンダボア23sと対向して駆動軸3の後端側に位置している。第2凹部24cは、第2軸孔24hと同軸をなして連通している。第2凹部24cは、斜板室50の一部を構成している。第2凹部24cの後端には、第2スラスト軸受25bが設けられている。第2凹部24cの前端面も、駆動軸心Oと直角する平坦面に形成されている。
第2シリンダブロック側連絡通路24dは、前端が第1シリンダブロック側連絡通路23dの後端と連通し、後端がリヤ側連絡通路22dの前端と連通するように形成されている。各第2連絡通路24eは、前端が斜板室50と連通し、後端が第2シリンダブロック24の後端で開いている。吐出ポート24tは、図示しない凝縮器と接続している。吸入ポート24kは、図示しない蒸発器と接続している。
フロントハウジング21と第1シリンダブロック23との間には、第1弁ユニット26が設けられている。
第1弁ユニット26は、第1バルブプレート27と、第1吸入弁プレート28と、第1吐出弁プレート29と、第1リテーナプレート30とを有している。第1バルブプレート27、第1吐出弁プレート29及び第1リテーナプレート30には、第1シリンダボア23sと同数の第1吸入孔26aが形成されている。各第1吸入孔26aは、各第1シリンダボア23sと第1吸入室21aとを連通させている。
また、第1バルブプレート27及び第1吸入弁プレート28には、第1シリンダボア23sと同数の第1吐出孔26bが形成されている。各第1吐出孔26bは、各第1シリンダボア23sと第1吐出室21bとを連通させている。
さらに、第1弁ユニット26には、複数個の第1吸入連通孔26cが形成されている。各第1吸入連通孔26cは、第1吸入室21aと第1連絡通路23eとを連通させている。また、第1バルブプレート27及び第1吸入弁プレート28には、1個の第1吐出連通孔26dが形成されている。第1吐出連通孔26dは、フロント側連絡通路21dと第1シリンダブロック側連絡通路23dとを連通させている。
第1吸入弁プレート28は、第1バルブプレート27の後面に設けられている。第1吸入弁プレート28には、弾性変形により各第1吸入孔26aを開閉可能な第1吸入リード弁28aが複数形成されている。各第1吸入リード弁28aは、第1シリンダブロック23に凹設されている第1リテーナ溝23gによって最大開度が規制されている。また、第1吐出弁プレート29は、第1バルブプレート27の前面に設けられている。第1吐出弁プレート29には、弾性変形により各第1吐出孔26bを開閉可能な第1吐出リード弁29aが複数形成されている。第1リテーナプレート30は、第1吐出弁プレート29の前面に設けられている。この第1リテーナプレート30は、各第1吐出リード弁29aの最大開度を規制する。
リヤハウジング22と第2シリンダブロック24との間には、第2弁ユニット36が設けられている。
第2弁ユニット36は、第2バルブプレート37と、第2吸入弁プレート38と、第2吐出弁プレート39と、第2リテーナプレート40とを有している。第2バルブプレート37、第2吐出弁プレート39及び第2リテーナプレート40には、第2シリンダボア24sと同数の第2吸入孔36aが形成されている。各第2吸入孔36aは、各第2シリンダボア24sと第2吸入室22aとを連通させている。
また、第2バルブプレート37及び第2吸入弁プレート38には、第2シリンダボア24sと同数の第2吐出孔36bが形成されている。各第2吐出孔36bは、各第2シリンダボア24sと第2吐出室22bとを連通している。
さらに、第2弁ユニット36には、複数個の第2吸入連通孔36cが形成されている。各第2吸入連通孔36cは、第2吸入室22aと第2連絡通路24eとを連通している。第2バルブプレート37及び第2吸入弁プレート38には、1個の第2吐出連通孔36dが形成されている。第2吐出連通孔36dは、第2シリンダブロック側連絡通路24dとリヤ側連絡通路22dとを連通している。
第2吸入弁プレート38は、第2バルブプレート37の前面に設けられている。この第2吸入弁プレート38には、弾性変形により各第2吸入孔36aを開閉可能な第2吸入リード弁45aが複数形成されている。各第2吸入リード弁45aは、第2シリンダブロック24に凹設されている第2リテーナ溝41jによって最大開度が規制されている。また、第2吐出弁プレート39は、第2バルブプレート37の後面に設けられている。この第2吐出弁プレート39には、弾性変形により各第2吐出孔36bを開閉可能な第2吐出リード弁39aが複数形成されている。第2リテーナプレート40は、第2吐出弁プレート39の後面に設けられている。この第2リテーナプレート40は、各第2吐出リード弁39aの最大開度を規制する。
駆動軸3は、第1、2軸孔23h、24hに駆動軸心O周りで回転可能に支持されている。駆動軸3は、前後に延びる駆動軸本体31と、第1支持部材32と、第2支持部材33とを有している。駆動軸本体31には、斜板5と、リンク機構7とが設けられている。駆動軸本体31の中央付近は、図3に示すように、前後に延びるように削り取られている。この削り取られた面がガイド面31sとされている。駆動軸本体31は後述するガイドピン54及びラグアーム70を回動可能に削り取られている。駆動軸本体31は、図1に示すように、前方に位置する第1小径部31aと、後方に位置する第2小径部31bとを有している。第1支持部材32が回転体に相当する。
第1小径部31aは、駆動軸本体31よりも小径である。第1小径部31aには、第1支持部材32が圧入されている。第1支持部材32は、駆動軸3が駆動軸心O周りで回転することにより、第1ラジアル軸受19a内で摺動するように設けられている。第1支持部材32には第1フランジ部32fが形成されている。第1フランジ部32fからは、接続片32cが突出している。接続片32cには、第1ピン51が挿通されている。第1ピン51の軸心は、駆動軸心Oと直交する第1軸心L1とされている。第1ピン51が本発明の第1連結部材に相当する。第1フランジ部32fの後端には、当接面32sが形成されている。当接面32sは、ガイド面31sと連続している。第1フランジ部32fの前方は第1スラスト軸受25aと当接している。第1スラスト軸受25aは、駆動軸3に作用する第1スラスト力を支持する。第2小径部31bの後端は、圧力調整室22c内に収容されている。
第2支持部材33は、第2軸孔24h内に位置し、駆動軸3の後端側から前端側に向かって第2小径部31bに圧入されている。第2支持部材33は、筒部33aと、第2フランジ部33fとを有している。
筒部33aは、筒状をなして駆動軸心O方向に延び、前後で開いている。筒部33aは、第2小径部31bに嵌合されている。筒部33aの外周面には、第2ラジアル軸受19bが設けられている。第2支持部材33は、駆動軸3が駆動軸心O周りで回転することにより、第2ラジアル軸受19b内を摺動する。筒部33aは、第2小径部31bの後端側に作用するラジアル力を支持している。筒部33aの前方には、第2スラスト軸受25bが圧入されている。筒部33aの外周面には、2個のOリング61、62が設けられている。各Oリング61、62は筒部33aと第2シリンダブロック24との間を封止している。
第2フランジ部33fは、筒部33aの前方から駆動軸心Oと直交する方向に延びている。第2フランジ部33fの後端は、第2スラスト軸受25bと当接している。第2フランジ部33fは、第2スラスト軸受25bを介して第2シリンダブロック24との間で駆動軸3に作用する第2スラスト力を支持している。
斜板5は環状の平板形状をなしている。斜板5は、リングプレート55を有している。リングプレート55は、環状の平板形状をなしており、中心部分に挿通孔55aが形成されている。斜板5は、挿通孔55aに挿通されることにより駆動軸本体31に圧入され、駆動軸3の回転によって斜板室50内で回転可能となっている。
リングプレート55には、第2ピン52、第3ピン53及びガイドピン54が挿通されている。第2ピン52は、第1ピン51に対して駆動軸3を挟んだ位置に配置されている。第2ピン52の軸心は、第1軸心L1と平行な第2軸心L2とされている。ガイドピン54は、第2ピン52に対して斜板を挟んだ位置に配置されている。ガイドピン54はリングプレート55に固定され、ガイド面31sに摺接するように設けられている。ガイドピン54の軸心は、第1、2軸心L1、2と平行な第4軸心L4とされている。第3ピン53は、ガイドピン54に対して駆動軸3を挟んだ位置に配置されている。第3ピン53の軸心は、第1、2、4軸心L1、L2、L4と平行な第3軸心L3とされている。第2ピン52が本発明の第2連結部材に相当する。第3ピン53が本発明の第3連結部材に相当する。
リンク機構7は、第1軸心L1と、第2軸心L2と、略L字形状のラグアーム70とからなる。リンク機構7は、駆動軸3と斜板5との間に位置し、駆動軸3の駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度の変更を許容することが可能なように斜板室50内に設けられている。第1軸心L1は、第1支持部材32に挿通されている第1ピン51の軸心であり、駆動軸心Oと直交している。
ラグアーム70は、第1支持部材32と斜板5との間に位置している。ラグアーム70の前端側は、第1ピン51によって第1支持部材32と連結されている。ラグアーム70の後端側は、第2ピン52によってリングプレート55と連結され、挿通孔55a内及び駆動軸本体31のガイド面31s上を回動可能である。すなわち、ラグアーム70は、第1軸心L1周りで回動可能に支持されるとともに、第2軸心L2周りで回動可能に支持されている。
ラグアーム70の前端側には、第2ピン52に向かって延びるばね室70rが凹設されている。ばね室70rには、付勢部材であるコイルばね71と、コイルばね71によってばね室70rから突出するキャップ72とが収納されている。コイルばね71は、図2に示すように、斜板5の傾斜角度が最小であるときに傾斜角度を増大させるように付勢している。言い換えれば、コイルばね71は、図5に示すように、第1ピン51を回動中心としたラグアーム70の駆動軸3へ向けた回動方向R1の回動により、斜板5の傾斜角度が最小であるとき、回動方向R1とは逆方向R2に付勢している。コイルばね71の一端側は、図2に示すように、ばね室70rの底部に当接している。コイルばね71の他端は、キャップ72の一端側に固定されている。コイルばね71及びキャップ72は、サークリップ73によって抜け止めされている。キャップ72は、駆動軸心Oに対する斜板5の傾斜角度が最小になった時に第1支持部材32における第1フランジ部32fの当接面32sと当接するようになっている。キャップ72は、コイルばね71の付勢力を第1支持部材32に伝達することが可能に設けられている。キャップ72が本発明の付勢力伝達部材に相当する。
図1に示すように、各ピストン9は、それぞれ前端側に第1ヘッド部9aと、後端側に第2ヘッド部9bとを有している。各第1ヘッド部9aは各第1シリンダボア23s内を往復動可能に収納されている。各第1ヘッド部9aと第1弁ユニット26とにより、各第1シリンダボア23s内にそれぞれ第1圧縮室23rが区画されている。
各第2ヘッド部9bは、各第1ヘッド部9aと一体をなし、各第2シリンダボア24sに往復動可能に収納されている。これらの各第2ヘッド部9bと第2弁ユニット36とにより、各第2シリンダボア24s内にそれぞれ第2圧縮室24rが区画されている。
また、各ピストン9の中央には凹部9cが形成されている。各凹部9c内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。これらのシュー11a、11bによって斜板5の回転がピストン9を往復動可能に変換されるようになっている。シュー11a、11bが本発明における変換機構に相当している。斜板5の傾斜角度に応じたストロークで、第1、2ピストンヘッド9a、9bがそれぞれ第1、2シリンダボア23s、24s内を往復動することが可能となっている。
アクチュエータ13は、斜板室50に設けられ、斜板5の傾斜角度を変更可能である。アクチュエータ13は、斜板5よりも後方側に位置しており、斜板室50と第2凹部24cとを移動することが可能となっている。アクチュエータ13は、区画体63と、移動体64と、制御圧室65とを有している。
区画体63は、駆動軸3の第2小径部31bに固定されている。区画体63の外周には、移動体64が設けられている。区画体63の外周端には、Oリング67が設けられている。Oリング67は、区画体63と移動体64との間を封止している。区画体63とリングプレート55との間には、図示しない復帰ばねが設けられている。復帰ばねの後端は区画体63に固定されており、復帰ばねの前端はリングプレート55の後端側に固定されている。
移動体64は、駆動軸本体31の第2小径部31bに挿通され、第2シリンダブロック24の第2凹部24cに収納されている。移動体64は、有底の円筒状をなしている。移動体64の内径は、区画体63の外径とほぼ同径とされている。移動体64は、基部64aと周壁部64bと連結部64cとを有している。基部64aは、移動体64の後方に位置しており、回転軸心Oから離れる方向で径方向に延びている。基部64aには、第2小径部31bを挿通可能な挿通孔64sが貫設されている。挿通孔64sには、Oリング68が設けられている。Oリング68は、基部64aと第2小径部31bとの間を封止している。
周壁部64bは、基部64aの外周縁と連続し、回転軸心O方向で後方から前方に向かって延びている。また、周壁部64bの前端には、連結部64cが形成されている。連結部64cには長穴64hが形成されている。長穴64hには、リングプレート55の第3ピン53が挿通されている。すなわち、斜板5は、第3ピン53の軸心を第3軸心L3として、第3軸心L3周りで移動体64に揺動可能に連結されている。長穴64hは、第3ピン53を案内することが可能に設定している。第3ピン53は、斜板5の傾斜角度が最大になった時に、長穴64hの上方に位置するようになっている。第3ピン53は、図2に示すように、斜板5の傾斜角度が最小になった時に、長穴64hの下方に位置するようになっている。
図1に示すように、周壁部64bは、内部に区画体63を配置しており、区画体63の周囲を取り囲んでいる。これにより、区画体63と移動体64とにより制御圧室65が形成されている。
制御圧室65は、区画体63と移動体64とによって区画され、第1、2吐出室21b、22bからの冷媒を導入することによって移動体64を移動可能にしている。制御圧室65はOリング67、68によって封止されている。
移動体64は、駆動軸3とともに回転可能となっているとともに、第2小径部31bの外周面に摺接しつつ回転軸心O方向に移動可能となっている。区画体63は、駆動軸3と共に回転し、移動体64のように移動することは不可能となっている。すなわち、移動体64は、回転軸心O方向に移動するに当たり、区画体63に対して相対移動する。
駆動軸3の第2小径部31b内には、後端から前方に向かって駆動軸心O方向に延びる軸路31cと、軸路31cの前端から径方向に延びて第2小径部31bの外周面に開く径路31dとが形成されている。軸路31cの後端は圧力調整室22cに開いている。一方、径路31dは、制御圧室65に開いている。これにより、制御圧室65は、径路31d及び軸路31cを通じて、圧力調整室22cと連通している。
駆動軸3の先端には、ネジ部3aが形成されている。駆動軸3は、ネジ部3aを介して図示しないプーリ又は電磁クラッチと接続されている。
図6に示すように、制御機構15は、低圧通路15aと、高圧通路15bと、制御弁80と、オリフィス81と、軸路31cと、径路31dとを有し、アクチュエータ13を制御している。
低圧通路15aは、圧力調整室22cと第2吸入室22aとに接続されている。これにより、低圧通路15aと軸路31cと径路31dとによって、制御圧室65と圧力調整室22cと第2吸入室22aとは、互いに連通した状態となっている。高圧通路15bは、圧力調整室22cと第2吐出室22bとに接続されている。高圧通路15bと軸路31cと径路31dとによって、制御圧室65と圧力調整室22cと第2吐出室22bとが連通している。また、高圧通路15bには、オリフィス81が設けられている。
制御弁80は低圧通路15aに設けられている。制御弁80は、第2吸入室22a内の圧力に基づき、低圧通路15aの開度を調整することが可能となっている。
この圧縮機では、吸入ポート24kに対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、吐出ポート24tに対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
以上のように構成された圧縮機では、図1及び図2に示すように、駆動軸3が回転することにより、斜板5が回転し、各ピストン9が第1、2シリンダボア23s、24s内を往復動する。このため、第1、2圧縮室23r、24rがピストン9のストロークに応じて容積変化を生じる。これにより、この圧縮機では、第1、2圧縮室23r、24rにそれぞれ冷媒ガスを吸入する吸入行程と、第1、2圧縮室23r、24rにおいて冷媒ガスを圧縮する圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスを第1、2圧縮室23r、24rからそれぞれ吐出する吐出行程とが繰り返し行われることとなる。
これらの間、制御機構15において、制御弁80が低圧通路15aの開度を大きくすれば、圧力調整室22c内の圧力及び制御圧室65内の圧力が第2吸入室22a内の圧力とほぼ等しくなる。このため、アクチュエータ13の移動体64が前方側に向かって移動し、ラグアーム70に近接する。これにより、斜板5が第3軸心L3周りで時計回り方向に揺動するとともに、第2軸心L2周りで時計回り方向に揺動する。また、ラグアーム70は、第2軸心L2周りで反時計回り方向に回動するとともに、第1軸心L1周りで反時計回り方向に回動する。このため、斜板5の傾斜角度が減少し、各ピストン9のストロークが短くなる。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が減少する。
また、この圧縮機では、図4に示すように、斜板5の傾斜角度が最小となった際、ラグアーム70のキャップ72が第1支持部材32における第1フランジ部32fの当接面32sに押し付けられる。押し付けられたキャップ72は、ばね室70r内でコイルばね71をラグアーム70に向けて押す。この際、コイルばね71の付勢力がラグアーム70に働く。そして、第2ピン52には、図5に示すように、ラグアーム70に作用する付勢力と平行な力F1が働く。力F1は、第1軸心L1と第2軸心L2とを結ぶ直線に対して垂直方向の成分である分力F1vと、第1軸心L1と第2軸心L2とを結ぶ直線と平行方向の成分である分力F1pとに分けられる。このため、ラグアーム70には第1軸心L1周りで時計周りに分力F1vが作用する。
この分力F1vは、第2ピン52を介して、斜板5のリングプレート55に作用する。この分力F1vは、リングプレート55のガイドピン54にも作用する。すなわち、ガイドピン54には、分力F1vと等しい方向で等しい力F2が作用する。力F2は、駆動軸心O方向の成分である分力F2xと、駆動軸心O方向に垂直の成分である分力F2yとに分けられる。こうして、ガイドピン54は力F2によってガイド面31sに向けて付勢される。ここでは、ガイドピン54に作用する力について、斜板5に作用する圧縮反力、第3ピン53に作用する力、斜板5に作用する遠心力及び重力等を考慮しない。
一方、制御弁80が低圧通路15aの開度を小さくすれば、圧力調整室22cの圧力が高くなり、制御圧室65内の圧力が高くなる。このため、アクチュエータ13の移動体64が斜板5を牽引しながら後方側に向かって移動し、ラグアーム70から遠隔する。これにより、上記とは逆に、図3に示すように、斜板5の傾斜角度が増大し、各ピストン9のストロークが長くなる。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が増大する。
この際、この圧縮機では、駆動軸本体31の中央付近が前後に延びるように削り取られている。この削り取られたスペースには、ラグアーム70が第1軸心L1周りで回動可能に支持されている。すなわち、ラグアーム70と駆動軸3との間には、ラグアーム70が回動可能なスペースが確保されている。このスペースを有効に活用してばね室70r、コイルばね71及びキャップ72を設けることができる。
この圧縮機では、コイルばね71及びキャップ72を用いない場合、斜板5の傾斜角度が最小であるとき、斜板5は継続して回転したとしても、ピストン9のストロークが0又は0に極めて近いものとなるため、第1、2シリンダボア23s、24s内でピストン9を全く又はほとんど往復動させることができない。この状態では、ピストン9と第1、2シリンダボア23s、24sとで形成される第1、2圧縮室23r、24r内において、ピストン9は圧縮仕事を全く又はほとんど行わないため、第1、2吐出室21b、22bに高圧の冷媒が貯留されない。このため、アクチュエータ13の制御圧室65を第1、2吐出室21b、22b内の冷媒によって高圧にすることができず、アクチュエータ13の移動体64が駆動軸心O方向に移動することができない。これでは、圧縮機は、傾斜角度が最小である状態から、たとえアクチュエータ13があっても、傾斜角度の復帰を実現できない。
この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最小であるときにばね室70r、コイルばね71及びキャップ72が傾斜角度を増大させるように付勢されているため、斜板5が継続して回転することにより、ピストン9がある程度のストロ−クで第1、2シリンダボア23s、24s内を往復動することとなる。このため、ピストン9が第1、2圧縮室23r、24r内で圧縮仕事をし、第1、2吐出室21b、22bに高圧の冷媒を貯留できる。このため、アクチュエータ13の制御圧室65を第1、2吐出室21b、22b内の冷媒によって高圧にすることができ、アクチュエータ13の移動体64が駆動軸心O方向に移動することができるようになる。つまり、圧縮機は、傾斜角度が最小である状態から、アクチュエータ13が傾斜角度を増大するようになるまで、コイルばね71が傾斜角度の復帰を助勢できる。
また、この圧縮機では、斜板5のガイドピン54が駆動軸本体31のガイド面31sに案内されている。ピストン9に圧縮反力が働くと、第3ピン53に時計回りの方向に力が働く。この力は、斜板5が揺動する際の接線方向に作用する。この力は、駆動軸心O方向の成分である分力と、駆動軸心O方向の垂直の成分である分力とに分けられる。この圧縮機では、第3ピン53には駆動軸心O方向の垂直方向に力が作用するものの、ガイドピン54がガイド面31sと当接しているため、この分力が移動体64にほとんど作用せず、移動体64が傾くことはない。このため、斜板5の傾斜角度の変更がスムーズになる。
さらに、この圧縮機では、コイルばね71がガイドピン54をガイド面31sに向けて付勢しないと、斜板5の傾斜角度が小さいとき、圧縮反力が小さいため、ガイドピン54がガイド面31sから離間しやすくなる。この際、斜板5が径外方向へ変位し、ピストンの上死点がより先行側に移動し、ピストン9がハウジング1に干渉するおそれがある。この場合、異音を生じるとともに、耐久性が損なわれる。
他方、コイルばね71がガイドピン54をガイド面31sに向けて付勢すれば、斜板5の傾斜角度の大小にかかわらず、ガイドピン54がガイド面31sから離間しない。このため、斜板5が径外方向へ変位せず、ピストン9の上死点は維持され、ピストン9がハウジング1に干渉することを防止できる。このため、異音を生じ難く、優れた耐久性を発揮する。
ラグアーム70にばね室70rが凹設されているため、その分だけ、ラグアーム70の前端側の軽量化を図ることができる。ラグアーム70の後端側は、前端側に比べ重くなるため、斜板5の回転に伴う遠心力を相殺するバランスウェイトの役割を果たす。
また、この圧縮機では、ラグアーム70のばね室70rにコイルばね71とキャップ72とを収納しているため、斜板室5内に長尺のコイルばね71をより設けやすい。このため、この圧縮機では、軽量化及び小型化を確実に実現できる。
したがって、この圧縮機は、極めて厳しい小型化の要求を満たしながら、斜板室5内に必要なコイルばね71を設けることができる。
(実施例2)
図7に示すように、実施例2の圧縮機では、ラグアーム170の後端側には、第2ピン52に向かって延びるばね室170rが凹設されている。ばね室170rには、付勢部材であるコイルばね171と、コイルばね171によってばね室170rから突出するキャップ172とが収納されている。コイルばね171は、斜板5の傾斜角度が最大であるときに傾斜角度を減少させるように付勢している。言い換えれば、コイルばね171は、図5に示すように、第1ピン51を回動中心としたラグアーム70の駆動軸3へ向けた回動方向R2の回動により、斜板5の傾斜角度が最大であるとき、回動方向R2とは逆方向R1に付勢している。図7に示すように、コイルばね171の一端側は、ばね室170rの底部に当接している。コイルばね171の他端は、キャップ172の一端側に固定されている。コイルばね171及びキャップ172は、サークリップ173によって抜け止めされている。キャップ172は、駆動軸心Oに対する斜板5の傾斜角度が最大になった時にガイド面31sと当接するようになっている。他の構成は実施例1と同様である。
この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最大となった際、ラグアーム170のキャップ172がガイド面31sに押し付けられる。押し付けられたキャップ172は、ばね室170r内でコイルばね171をラグアーム170に向けて押す。この際、コイルばね171の付勢力がラグアーム170に働く。こうして、ラグアーム70は、第1軸心L1周りで反時計周りに回動し、斜板5の傾斜角度が減少する。他の作用効果は実施例1と同様である。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、この圧縮機では、第1スラスト軸受25aを回転体としてもよい。
本発明は空調装置等に利用可能である。
21b、22b…吐出室(21b…第1吐出室、22b…第2吐出室)
5…斜板室
23s、24s…シリンダボア(23s…第1シリンダボア、24s…第2シリンダボア)
1、21、22、23、24…ハウジング(21…フロントハウジング、22…リヤハウジング、23…第1シリンダブロック、24…第2シリンダブロック)
3…駆動軸
5…斜板
O…駆動軸心
7…リンク機構
9…ピストン
11a、11b…シュー(変換機構)
13…アクチュエータ
15…制御機構
31a…第1小径部(回転体)
51…第1ピン(第1連結部材)
52…第2ピン(第2連結部材)
70…ラグアーム
63…区画体
64…移動体
65…制御圧室
53…第3ピン(第3連結部材)
71、171…コイルばね(付勢部材)
R1、R2…回動方向
31s…ガイド面
54…ガイドピン
70r、170r…ばね室
72、172…キャップ(付勢力伝達部材)

Claims (5)

  1. 吐出室、斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記斜板室に設けられ、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
    前記リンク機構は、前記駆動軸又は前記駆動軸と一体回転する回転体に連結される第1連結部材と、前記斜板に連結される第2連結部材と、前記第1連結部材及び前記第2連結部材に回動可能に連結されるラグアームとからなり、
    前記アクチュエータは、前記駆動軸に設けられる区画体と、前記斜板室内で前記駆動軸心方向に移動可能な移動体と、前記区画体と前記移動体とにより区画され、前記吐出室からの冷媒を導入することによって前記移動体を移動させる制御圧室とを有し、
    前記移動体は、前記斜板に連結される第3連結部材を備えるとともに前記制御圧室内の圧力が高くなることにより、前記斜板を牽引して前記傾斜角度を増大可能に設けられ、
    前記ラグアームと前記駆動軸又は前記回転体との間には、付勢部材が設けられ、
    前記付勢部材は、前記第1連結部材を回動中心とした前記ラグアームの前記駆動軸へ向けた回動方向の回動により、前記ラグアームが前記駆動軸に近づく際、前記回動方向とは逆方向に付勢していることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記付勢部材は、前記傾斜角度が最小であるときに前記傾斜角度を増大させるように付勢する請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記駆動軸にはガイド面が形成され、
    前記斜板には、前記ガイド面に案内されるガイドピンが固定され、
    前記付勢部材は、前記ガイドピンを前記ガイド面に向けて付勢する請求項1又は2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  4. 前記第1連結部材及び前記第3連結部材と、前記第2連結部材及び前記ガイドピンとは前記駆動軸心を挟んだ位置に配置されている請求項3記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  5. 前記ラグアームにはばね室が凹設され、
    前記ばね室には、前記付勢部材であるコイルばねと、前記コイルばねによって前記ばね室から突出され、前記付勢部材の付勢力を前記駆動軸又は前記回転体に伝達する付勢力伝達部材とが収納されている請求項3又は4記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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