JP2015190430A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

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和也 本田
Kazuya Honda
和也 本田
隆容 鈴木
Takayasu Suzuki
隆容 鈴木
秀晴 山下
Hideharu Yamashita
秀晴 山下
博道 小川
Hiromichi Ogawa
博道 小川
昇平 藤原
Shohei Fujiwara
昇平 藤原
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【課題】アクチュエータによって吐出容量を変更する圧縮機において、高い制御性を発揮可能であるとともに搭載性に優れた容量可変型斜板式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機では、区画体13b及び移動体13aが駆動軸本体30に対して駆動軸心O方向に移動する。そして、区画体13bと斜板5のとの間には、第1付勢ばね44aが設けられている。第1付勢ばね44aは、斜板5と区画体13bとが駆動軸心O方向で離間するように付勢する。これにより、この圧縮機では、制御圧室13c内の圧力の変化によって、斜板5が傾斜角度を増大させる方向と傾斜角度を減少させる方向とにそれぞれ付勢することが可能となっている。【選択図】図1

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機では、フロントハウジングとシリンダブロックとリヤハウジングとによってハウジングが形成されている。フロントハウジングとリヤハウジングとには、吸入室と吐出室とがそれぞれ形成されている。シリンダブロックには、斜板室及び複数個のシリンダボアが形成されている。ハウジングには、駆動軸が回転可能に支持されている。斜板室内には、駆動軸の回転によって回転可能な斜板が設けられている。駆動軸と斜板との間には、リンク機構が設けられている。リンク機構は、斜板の傾斜角度の変更を許容する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する斜板の角度である。各シリンダボアには、ピストンが往復動可能に収納されている。ピストン毎に対をなすシューは、変換機構として、斜板の回転により、傾斜角度に応じたストロークで各ピストンをシリンダボア内で往復動させる。アクチュエータは、移動体及び制御圧室を有しており、傾斜角度の変更を行う。制御機構は、制御圧室の圧力を調整することによって、アクチュエータを制御する。
リンク機構は、ラグアーム、第1、2アーム、第1、2ピン及び移動体によって構成されている。ラグアームは駆動軸に設けられており、斜板室の前方に位置している。第1アームは斜板の前面に設けられており、フロントハウジング側に向かって延びている。第2アームは斜板の後面に設けられており、リヤハウジング側に向かって延びている。第1アームとラグアームとは、第1ピンによって連結されている。また、第2アームと移動体とは、第2ピンによって連結されている。
移動体は駆動軸に設けられており、駆動軸心方向に移動可能となっている。この圧縮機では、フロントハウジング側からリヤハウジング側に向かって、ラグアーム、斜板及び移動体の順でこれらが駆動軸に設けられている。つまり、この圧縮機では、ラグアームと斜板の前面とが対向しているとともに、移動体と斜板の後面とが対向している。
この圧縮機では、制御機構が吐出室内の冷媒の圧力によって制御圧室内の圧力を上昇させ、リンク機構を通じて斜板の傾斜角度を増大させる。この際、移動体は、第2アームを通じて斜板を押圧する。また、移動体によって押圧された斜板は、第1アームを通じてラグアームを押圧する。こうして、この圧縮機では、駆動軸の1回転当たりの吐出容量を増大させる。
特開平5−172052号公報
このようなアクチュエータによって吐出容量を変更する圧縮機では、搭載される車両等の運転状況に応じて、好適に吐出容量を変更可能であることが要求され得る。
そこで、上記従来の圧縮機において、例えば、傾斜角度を増大させる方向に斜板を付勢する第1付勢部材を設けるとともに、傾斜角度を減少させる方向に斜板を付勢する第2付勢部材を圧縮機内に設けることが考えられる。これにより、この圧縮機では、斜板は、第1付勢部材によって付勢されることにより、傾斜角度を増大させ易くなる。反対に、斜板は、第2付勢部材によって付勢されることによって、傾斜角度を減少させ易くなる。これらにより、この圧縮機では、斜板の傾斜角度を好適に変更することが可能となる。
しかし、この場合には、圧縮機内に第1付勢部材及び第2付勢部材移動体を設けるための空間を確保する必要がある。このため、この圧縮機では、軸長の長大化が不可避となり、車両等への搭載性が低下する。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、アクチュエータによって吐出容量を変更する圧縮機において、高い制御性を発揮可能であるとともに搭載性に優れた容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、吸入室、吐出室、斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸に挿通され、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記斜板室内に配置され、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
前記アクチュエータは、前記駆動軸に対して前記駆動軸心方向に移動可能に設けられる区画体と、前記区画体に対して前記駆動軸心方向に移動することにより、前記傾斜角度の変更を行う移動体と、前記区画体と前記移動体とにより区画され、前記吐出室からの冷媒を導入することによって前記移動体を移動させる制御圧室とを有し、
前記移動体は、前記斜板との連結を行う連結部を有し、
前記リンク機構は、前記斜板を揺動可能に支持する支持部を有し、
前記移動体は、前記制御圧室内の圧力が高くなることにより、前記斜板を牽引して前記傾斜角度を増大するように配置され、
前記区画体と前記斜板との間には、前記区画体と前記斜板とが前記駆動軸心方向で離間するように付勢する付勢部材が設けられ、
前記連結部は、前記付勢部材を間に挟んで、前記支持部と対向するように配置され、
前記移動体の前記駆動軸心方向の移動は、前記区画体に当接することで規制されていることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、区画体及び移動体が駆動軸に対して駆動軸心方向に移動する。区画体と斜板との間に設けられた付勢部材は、区画体と斜板とが駆動軸心方向で離間するように付勢する。
制御圧室内の圧力が最も小さく、移動体の駆動軸心方向の移動が区画体に規制されている際には、区画体と移動体とが互いに当接している。ここで、付勢部材は、斜板を付勢する一方で、区画体を付勢することで、移動体及び連結部を付勢する。移動体の連結部は、付勢部材を間に挟んで支持部と対向するように配置されていることから、斜板は、移動体の連結部によって牽引される方向に付勢される。このため、斜板には、傾斜角度が大きくなるようにモーメントが作用し、斜板が傾斜角度を増大させ易くなる。
また、制御圧室内の圧力が大きくなり、例えば傾斜角度が最大傾角である際には、区画体と移動体とが離間しており、区画体は斜板のみを付勢する。つまり、付勢部材によって斜板が区画体から駆動軸心方向で離間する方向のみに付勢される。このため、斜板は、傾斜角度を最大傾角から減少させ易くなる。
こうして、この圧縮機では、制御圧室内の圧力の変化によって、斜板が傾斜角度を増大させる方向と傾斜角度を減少させる方向とにそれぞれ付勢される。このため、この圧縮機では、移動体の移動によって、斜板の傾斜角度を変更させ易い。
そして、この圧縮機では、付勢部材が区画体と斜板との間に設けられているだけであるため、傾斜角度を増大させる方向に付勢する第1付勢部材と、傾斜角度を減少させる方向に付勢する第2付勢部材とを設ける場合と比較して、付勢部材を設けるための空間を小さくすることができる。このため、この圧縮機では、軸長の縮小化が可能となる。
したがって、本発明の圧縮機は、アクチュエータによって吐出容量を変更する圧縮機において、高い制御性を発揮可能であるとともに搭載性に優れている。
また、この圧縮機では、区画体が駆動軸心方向に移動可能であることから、傾斜角度の変更を行うに当たって移動体が区画体と摺接しつつ移動する際において、移動体が区画体に対して移動し易い。
本発明の圧縮機には、傾斜角度を増大させる方向に斜板に対して補助付勢力を付与する補助付勢部材が設けられていることが好ましい。この場合には、補助付勢部材の補助付勢力によって、斜板は、傾斜角度を増大させ易くなる。
上記のように、この圧縮機では、付勢部材の付勢力によって傾斜角度を増大させる方向に斜板を付勢することが可能である。このため、補助付勢部材は補助付勢力を付与すれば足りる。このため、この圧縮機では、補助付勢部材を小型化することが可能となる。これにより、この圧縮機では、例え斜板を挟んで付勢部材と補助付勢部材とを駆動軸心方向に並べて配置したとしても、軸長の長大化を抑制することができる。
補助付勢部材は、区画体と斜板との間で付勢部材と同軸に配置され得る。補助付勢部材の駆動軸心方向の一端は区画体に支持され得る。補助付勢部材の駆動軸心方向の他端は駆動軸に支持され得る。そして、補助付勢部材は、区画体が駆動軸心方向で斜板から離間するように区画体を付勢することが好ましい。
この場合には、付勢部材と補助付勢部材とが同軸に配置されるため、付勢部材の他に補助付勢部材を設けた場合であっても、軸長の縮小化が可能となる。
本発明の圧縮機は、アクチュエータによって吐出容量を変更する圧縮機において、高い制御性を発揮可能であるとともに搭載性に優れている。
図1は、実施例の圧縮機における最大容量時の断面図である。 図2は、実施例の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図3は、実施例の圧縮機に係り、リンク機構及びアクチュエータ等示す要部拡大断面図である。 図4は、実施例の圧縮機における最小容量時の断面図である。 図5は、実施例の圧縮機に係り、斜板に作用する付勢力及び分力を示す模式図である。
以下、本発明を具体化した実施例について、図面を参照しつつ説明する。実施例の圧縮機は容量可変型両頭斜板式圧縮機である。この圧縮機は、車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
図1に示すように、実施例の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、一対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13と、図2に示す制御機構15とを備えている。
図1に示すように、ハウジング1は、圧縮機の前方に位置するフロントハウジング17と、圧縮機の後方に位置するリヤハウジング19と、フロントハウジング17とリヤハウジング19との間に位置する第1、2シリンダブロック21、23と、第1、2弁形成プレート39、41とを有している。
フロントハウジング17には、前方に向かって突出するボス17aが形成されている。このボス17a内には軸封装置25が設けられている。また、フロントハウジング17内には、第1吸入室27a及び第1吐出室29aが形成されている。第1吸入室27aはフロントハウジング17の内周側に位置している。第1吐出室29aは環状に形成されており、フロントハウジング17において、第1吸入室27aの外周側に位置している。
さらに、フロントハウジング17には、第1フロント側連通路18aが形成されている。この第1フロント側連通路18aは、前端側が第1吐出室29aに連通しており、後端側がフロントハウジング17の後端に開いている。この後端が本発明における一端に相当しており、前端が本発明における他端に相当している。
リヤハウジング19には、上記の制御機構15が設けられている。また、リヤハウジング19には、第2吸入室27b、第2吐出室29b及び圧力調整室31が形成されている。圧力調整室31はリヤハウジング19の中心部分に位置している。第2吸入室27bは環状に形成されており、リヤハウジング19において、圧力調整室31の外周側に位置している。第2吐出室29bも環状に形成されており、リヤハウジング19において、第2吸入室27bの外周側に位置している。
さらに、リヤハウジング19には、第1リヤ側連通路20aが形成されている。この第1リヤ側連通路20aは、後端側が第2吐出室29bに連通しており、前端側がリヤハウジング19の前端に開いている。
第1シリンダブロック21と第2シリンダブロック23との間には、斜板室33が形成されている。この斜板室33は、ハウジング1における前後方向の略中央に位置している。
第1シリンダブロック21には、複数個の第1シリンダボア21aが周方向に等角度間隔でそれぞれ平行に形成されている。また、第1シリンダブロック21には、駆動軸3を挿通させる第1軸孔21bが形成されている。この第1軸孔21b内には、第1滑り軸受22aが設けられている。
さらに、第1シリンダブロック21には、第1軸孔21bと連通して第1軸孔21bと同軸をなす第1凹部21cが形成されている。第1凹部21cは斜板室33と連通しており、斜板室33の一部となっている。第1凹部21cの前端には、第1スラスト軸受35aが設けられている。さらに、第1シリンダブロック21には、斜板室33と第1吸入室27aとを連通する第1連絡路37aが形成されている。また、第1シリンダブロック21には、後述する各第1吸入リード弁391aの最大開度を規制する第1リテーナ溝21eが凹設されている。
さらに、第1シリンダブロック21には、第2フロント側連通路18bが形成されている。この第2フロント側連通路18bは、前端が第1シリンダブロック21の前端側に開いており、後端が第1シリンダブロック21の後端側に開いている。
第2シリンダブロック23にも、第1シリンダブロック21と同様、複数個の第2シリンダボア23aが形成されている。各第2シリンダボア23aは、各第1シリンダボア21aと前後で対になっている。各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとは同径に形成されている。
また、第2シリンダブロック23には、駆動軸3を挿通させる第2軸孔23bが形成されている。また、この第2軸孔23内には、第2滑り軸受22bが設けられている。なお、上記の第1滑り軸受22a及び第2滑り軸受22bに換えて、それぞれ転がり軸受を設けても良い。
また、第2シリンダブロック23には、第2軸孔23bと連通して第2軸孔23bと同軸をなす第2凹部23cが形成されている。第2凹部23cも斜板室33と連通しており、斜板室33の一部となっている。第2凹部23cと圧力調整室31とは、第2軸孔23bを介して区画されている。第2凹部23cの後端には、第2スラスト軸受35bが設けられている。さらに、第2シリンダブロック23には、斜板室33と第2吸入室27bとを連通する第2連絡路37bが形成されている。また、第2シリンダブロック23には、後述する各第2吸入リード弁411aの最大開度を規制する第2リテーナ溝23eが凹設されている。
第2シリンダブロック23には、吐出ポート230と、合流吐出室231と、第3フロント側連通路18cと、第2リヤ側連通路20bと、吸入ポート330とが形成されている。吐出ポート230と合流吐出室231とは、互いに連通している。この合流吐出室231は、吐出ポート230を介して管路を構成する図示しない凝縮器と接続している。斜板室33は、吸入ポート330を介して管路を構成する図示しない蒸発器と接続している。
第3フロント側連通路18cは、前端側が第2シリンダブロック23の前端に開いており、後端側が合流吐出室231に連通している。この第3フロント側連通路18cは、第1シリンダブロック21と第2シリンダブロック23とが接合することで、第2フロント側連通路18bの後端側と連通する。
第2リヤ側連通路20bは、前端側が合流吐出室231に連通しており、後端側が第2シリンダブロック23の後端に開いている。
第1弁形成プレート39は、フロントハウジング17と第1シリンダブロック21との間に設けられている。また、第2弁形成プレート41は、リヤハウジング19と第2シリンダブロック23との間に設けられている。
第1弁形成プレート39は、第1バルブプレート390と、第1吸入弁プレート391と、第1吐出弁プレート392と、第1リテーナプレート393とを有している。第1バルブプレート390、第1吐出弁プレート392及び第1リテーナプレート393には、第1シリンダボア21aと同数の第1吸入孔390aが形成されている。また、第1バルブプレート390及び第1吸入弁プレート391には、第1シリンダボア21aと同数の第1吐出孔390bが形成されている。さらに、第1バルブプレート390、第1吸入弁プレート391、第1吐出弁プレート392及び第1リテーナプレート393には、第1吸入連通孔390cが形成されている。また、第1バルブプレート390及び第1吸入弁プレート391には、第1吐出連通孔390dが形成されている。
各第1シリンダボア21aは、各第1吸入孔390aを通じて第1吸入室27aと連通する。また、各第1シリンダボア21aは、各第1吐出孔390bを通じて第1吐出室29aと連通する。第1吸入連通孔390cを通じて、第1吸入室27aと第1連絡路37aとが連通している。第1吐出連通孔390dを通じて、第1フロント側連通路18aと第2フロント側連通路18bとが連通している。
第1吸入弁プレート391は、第1バルブプレート390の後面に設けられている。この第1吸入弁プレート391には、弾性変形により各第1吸入孔390aを開閉可能な第1吸入リード弁391aが複数形成されている。また、第1吐出弁プレート392は、第1バルブプレート390の前面に設けられている。この第1吐出弁プレート392には、弾性変形により各第1吐出孔390bを開閉可能な第1吐出リード弁392aが複数形成されている。第1リテーナプレート393は、第1吐出弁プレート392の前面に設けられている。この第1リテーナプレート393は、各第1吐出リード弁392aの最大開度を規制する。
第2弁形成プレート41は、第2バルブプレート410と、第2吸入弁プレート411と、第2吐出弁プレート412と、第2リテーナプレート413とを有している。第2バルブプレート410、第2吐出弁プレート412及び第2リテーナプレート413には、第2シリンダボア23aと同数の第2吸入孔410aが形成されている。また、第2バルブプレート410及び第2吸入弁プレート411には、第2シリンダボア23aと同数の第2吐出孔410bが形成されている。さらに、第2バルブプレート410、第2吸入弁プレート411、第2吐出弁プレート412及び第2リテーナプレート413には、第2吸入連通孔410cが形成されている。また、第2バルブプレート410及び第2吸入弁プレート411には、第2吐出連通孔410dが形成されている。
各第2シリンダボア23aは、各第2吸入孔410aを通じて第2吸入室27bと連通している。また、各第2シリンダボア23aは、各第2吐出孔410bを通じて第2吐出室29bと連通している。第2吸入連通孔410cを通じて、第2吸入室27bと第2連絡路37bとが連通している。第2吐出連通孔410dを通じて、第1リヤ側連通路20aと第2リヤ側連通路20bとが連通している。
第2吸入弁プレート411は、第2バルブプレート410の前面に設けられている。この第2吸入弁プレート411には、弾性変形により各第2吸入孔410aを開閉可能な第2吸入リード弁411aが複数形成されている。また、第2吐出弁プレート412は、第2バルブプレート410の後面に設けられている。この第2吐出弁プレート412には、弾性変形により各第2吐出孔410bを開閉可能な第2吐出リード弁412aが複数形成されている。第2リテーナプレート413は、第2吐出弁プレート412の後面に設けられている。この第2リテーナプレート413は、各第2吐出リード弁412aの最大開度を規制する。
この圧縮機では、第1フロント側連通路18a、第1吐出連通孔390d、第2フロント側連通路18b及び第3フロント側連通路18cによって、第1吐出連通路18が形成されている。また、第1リヤ側連通路20a、第2吐出連通孔410d及び第2リヤ側連通路20bによって、第2吐出連通路20が形成されている。
また、この圧縮機では、第1、2連絡路37a、37b及び第1、2吸入連通孔390c、410cにより、第1、2吸入室27a、27bと斜板室33とが互いに連通している。このため、第1、2吸入室27a、27b内と斜板室33内とは、圧力がほぼ等しくなっている。そして、斜板室33には、吸入ポート330を通じて蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが流入することから、斜板室33内及び第1、2吸入室27a、27b内の各圧力は、第1、2吐出室29a、29b内よりも低圧である。
駆動軸3は、駆動軸本体30と第1支持部材43aと第2支持部材43bとで構成されている。この駆動軸本体30は、ハウジング1の前方側から後方側に向かって延びており、ボス17aから後方に向かって挿通されて、第1、2滑り軸受22a、22b内に挿通されている。これにより、駆動軸本体30、ひいては、駆動軸3は、駆動軸心O周りで回転可能にハウジング1に軸支されている。駆動軸本体30の前端はボス17a内に位置しており、後端は圧力調整室31内に突出している。
また、この駆動軸本体30には、斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とが設けられている。これらの斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とは、それぞれ斜板室33内に配置されている。
第1支持部材43aは、駆動軸本体30の前端側に圧入されており、第1軸孔21b内において第1滑り軸受22aとの間に位置している。また、この第1支持部材43aには、第1スラスト軸受35aと当接するフランジ430が形成されているとともに、後述する第2ピン47bが挿通される取付部(図示略)が形成されている。
第2支持部材43bは、駆動軸本体30の後端側に圧入されており、第2軸孔23b内に位置している。第2支持部材43bの前端側には、第2スラスト軸受35bと当接するフランジ431が形成されている。また、第2支持部材43bの後端側は、圧力調整室31内に突出している。
斜板5は環状の平板形状をなしており、前面5aと後面5bとを有している。前面5aは、斜板室33内において圧縮機の前方に面している。また、後面5bは、斜板室33内において圧縮機の後方に面している。
斜板5はリングプレート45を有している。このリングプレート45は環状の平板形状に形成されており、中心部に挿通孔45aが形成されている。斜板5は、斜板室33内において挿通孔45aに駆動軸本体30が挿通されることにより、駆動軸3に取り付けられている。
リンク機構7はラグアーム49を有している。ラグアーム49は、斜板室33内において、斜板5よりも前方に配置されており、斜板5と第1支持部材43aとの間に位置している。ラグアーム49は、前端側から後端側に向かって略L字形状となるように形成されている。また、ラグアーム49の後端側には、ウェイト部49aが形成されている。ウェイト部49aは、アクチュエータ13の周方向におよそ半周にわたって延びている。なお、ウェイト部49aの形状は適宜設計することが可能である。
ラグアーム49の後端側は、第1ピン47aによってリングプレート45の上端側と連結されている。この第1ピン47aが本発明における支持部に相当する。これにより、ラグアーム49は、第1ピン47aの軸心を第1揺動軸心M1として、リングプレート45の上端側、すなわち斜板5に対し、第1揺動軸心M1周りで揺動可能に支持されている。この第1揺動軸心M1は、駆動軸3の駆動軸心Oと直交する方向に延びている。
ラグアーム49の前端側は、第2ピン47bによって第1支持部材43aと連結されている。これにより、ラグアーム49の後端側は、第2ピン47bの軸心を第2揺動軸心M2として、第1支持部材43a、すなわち駆動軸3に対し、第2揺動軸心M2周りで揺動可能に支持されている。この第2揺動軸心M2は第1揺動軸心M1と平行に延びている。これらのラグアーム49、第1、2ピン47a、47bによって、本発明におけるリンク機構7が構成されている。
ウェイト部49aは、ラグアーム49の後端側、つまり、第1揺動軸心M1を基準として第2揺動軸心M2とは反対側に延在して設けられている。このため、ラグアーム49が第1ピン47aによってリングプレート45に支持されることで、ウェイト部49aはリングプレート45の溝部45bを通って、リングプレート45の後面、つまり斜板5の後面5b側に位置する。そして、斜板5が駆動軸心O周りに回転することにより発生する遠心力が斜板5の後面5b側でウェイト部49aにも作用することとなる。
この圧縮機では、斜板5と駆動軸3とがリンク機構7によって連結されることにより、斜板5は駆動軸3と共に回転することが可能となっている。また、ラグアーム49の両端がそれぞれ第1揺動軸心M1及び第2揺動軸心M2周りで揺動することにより、斜板5は傾斜角度を変更することが可能となっている。
各ピストン9は、それぞれ前端側に第1頭部9aを有しており、後端側に第2頭部9bを有している。各第1頭部9aは各第1シリンダボア21a内を往復動可能に収納されている。これらの各第1頭部9aと第1弁形成プレート39とにより、各第1シリンダボア21a内にそれぞれ第1圧縮室21dが区画されている。各第2頭部9bは各第2シリンダボア23a内を往復動可能に収納されている。これらの各第2頭部9bと第2弁形成プレート41とにより、各第2シリンダボア23a内にそれぞれ第2圧縮室23dが区画されている。
アクチュエータ13は、斜板室33内に配置されている。アクチュエータ13は、斜板室33内において、斜板5よりも後方側に位置しており、第2凹部23c内に進入することが可能となっている。このアクチュエータ13は、移動体13aと区画体13bと制御圧室13cとを有している。制御圧室13cは、移動体13aと区画体13bとの間に形成されている。
図3に示すように、移動体13aは、内側摺動部131と、底壁部132と、周壁部133と、一対の牽引アーム134とを有している。内側摺動部131は移動体13aの後方に位置しており、駆動軸本体30と摺動可能となっている。この内側摺動部131にはOリング51aが設けられている。底壁部132は、内側摺動部131から移動体13aの後方に傾斜しつつ、径方向に延びている。周壁部133は底壁部132から斜板5に向かって駆動軸心O方向に延びており、駆動軸心Oと同心の筒状をなしている。各牽引アーム134は、周壁部133の前端に設けられており、それぞれ斜板5側に向かって延びている。各牽引アーム134が本発明における連結部に相当する。そして、これらの内側摺動部131、底壁部132、周壁部133及び各牽引アーム134により、移動体13aは有底の円筒状を呈している。
区画体13bは、後面135と前面136と外周面137とを有しており、移動体13aの内径とほぼ同径をなす有底の円筒状に形成されている。外周面136にはOリング51bが設けられている。
移動体13a及び区画体13bには、駆動軸本体30が挿通されている。これにより、移動体13aは、第2凹部23cに収納された状態で、斜板5を挟んでリンク機構7と対向した状態で配置されている。一方、区画体13bは、斜板5よりも後方で移動体13a内に配置されており、その周囲が周壁部133によって取り囲まれた状態となっている。これにより、移動体13aと区画体13bとの間に制御圧室13cが形成されている。また、区画体13bには、駆動軸本体30との間となる位置にOリング51cが設けられている。
そして、移動体13aは、駆動軸本体30が挿通されることにより、駆動軸3と共に回転可能となっているとともに、斜板室33内において、駆動軸心O方向に移動することが可能となっている。また、区画体13bについても、駆動軸本体30が挿通されることにより、駆動軸3と共に回転可能となっているとともに、斜板室33内において、駆動軸心O方向に移動することが可能となっている。このように、移動体13a及び区画体13bが駆動軸心O方向に移動するに当たり、移動体13aの周壁部133の内壁面133aと、区画体13bの外周面137とが摺動する。
各牽引アーム134と、リングプレート45の下端U側とは、第3ピン47cによって連結されている。この第3ピン47cも本発明における連結部に相当する。これにより、図1に示すように、斜板5は、第3ピン47cの軸心を作用軸心M3として、作用軸心M3周りで移動体13aに揺動可能に支持されている。この作用軸心M3は、第1、2揺動軸心M1、M2と平行に延びている。こうして、移動体13aは斜板5と連結された状態となっている。これにより、斜板5は、駆動軸心O方向でアクチュエータ13とリンク機構7との間に配置されている。
こうして、この圧縮機では、駆動軸心O方向の前方から後方にかけて、斜板5、区画体13b及び移動体13aの順で駆動軸本体30に設けられている。これにより、区画体13bは、後面135側で移動体13aの底壁部132と対向しており、前面136側で斜板5の後面5bと対向している。
区画体13bの前面136とリングプレート45の後面、すなわち、区画体13bの前面136と斜板5の後面5bとの間には、第1付勢ばね44aが設けられている。これにより、第1付勢ばね44aは、後端が区画体13bの前面136と当接しており、前端側がリングプレート45の後面、すなわち、斜板5の後面5bと当接している。この第1付勢ばね44aが本発明における付勢部材に相当する。
第1付勢ばね44aは駆動軸本体30と同軸に配置されており、区画体13bと斜板5とを駆動軸心O方向で離間するように付勢している。つまり、第1付勢ばね44aは、斜板5を区画体13bから駆動軸心O方向で離間するように付勢している一方、区画体13bを斜板5から駆動軸心O方向で離間するように付勢している。
また、駆動軸本体30において、区画体13bの前面136と斜板5の後面5bとの間となる位置には、サークリップ53が嵌合されている。そして、このサークリップ53と、区画体13bの前面136との間には、第2付勢ばね44bが設けられている。これにより、第2付勢ばね44aは、後端が区画体13bの前面136と当接して区画体13bに支持されており、前端側がサークリップ53と当接して駆動軸本体30に支持されている。この第2付勢ばね44bが本発明における補助付勢部材に相当する。
第2付勢ばね44bも駆動軸本体30と同軸に配置されており、第1付勢ばね44aの内側に配置されている。第2付勢ばね44bは、区画体13bを駆動軸心O方向で斜板5から離間するように付勢している。この第2付勢ばね44bは、第1付勢ばね44aと比較して小型に形成されており、第1付勢ばね44aよりも付勢力が小さく設定されている。これらのように第1、2付勢ばね44a、44bが設けられることにより、連結部としての各牽引アーム134及び第3ピン47cと、支持部としての第1ピン47aとは、第1、2付勢ばね44a、44bを間に挟んで対向している。
図1に示すように、駆動軸本体30内には、後端から前方に向かって駆動軸心O方向に延びる軸路3aと、軸路3aの前端から径方向に延びて駆動軸本体30の外周面に開く径路3bとが形成されている。軸路3aの後端は圧力調整室31に連通している。一方、径路3bは、制御圧室13cに連通している。これにより、制御圧室13cは、径路3b及び軸路3aを通じて、圧力調整室31と連通している。
駆動軸本体30の前端にはねじ部3cが形成されている。このねじ部3cを介して駆動軸3は、図示しないプーリ又は電磁クラッチと連結されている。
図2に示すように、制御機構15は、抽気通路15aと給気通路15bと制御弁15cとオリフィス15dと、軸路3aと、径路3bとを有している。
抽気通路15aは、圧力調整室31と第2吸入室27bとに接続されている。この抽気通路15aと軸路3aと径路3bとによって、制御圧室13cと圧力調整室31と第2吸入室27bとが連通している。給気通路15bは、圧力調整室31と第2吐出室29bとに接続されている。この給気通路15bと軸路3aと径路3bとによって、制御圧室13cと圧力調整室31と第2吐出室29bとが連通している。また、給気通路15bには、オリフィス15dが設けられている。
制御弁15cは抽気通路15aに設けられている。この制御弁15cは、第2吸入室27b内の圧力に基づき、抽気通路15aの開度を調整することが可能となっている。
この圧縮機では、図1に示す吸入ポート330に対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、吐出ポート230に対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、斜板5が回転し、各ピストン9が第1、2シリンダボア21a、23a内を往復動する。このため、第1、2圧縮室21d、23dがピストンストロークに応じて容積変化を生じる。このため、この圧縮機では、第1、2圧縮室21d、23dへ冷媒ガスを吸入する吸入行程と、第1、2圧縮室21d、23dにおいて冷媒ガスが圧縮される圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスが第1、2吐出室29a、29bに吐出される吐出行程等とが繰り返し行われることとなる。
第1吐出室29aに吐出された冷媒ガスは、第1吐出連通路18を経て合流吐出室231に至る。同様に、第2吐出室29bに吐出された冷媒ガスは、第2吐出連通路20を経て合流吐出室231に至る。そして、合流吐出室231に至った冷媒ガスは、吐出ポート230から配管を介して凝縮器に吐出される。
そして、これらの吸入行程等が行われる間、斜板5、リングプレート45、ラグアーム49及び第1ピン47aからなる回転体には斜板5の傾斜角度を小さくするピストン圧縮力が作用する。そして、斜板5の傾斜角度が変更されれば、ピストン9のストロークの増減による容量制御を行うことが可能である。
具体的には、制御機構15において、図2に示す制御弁15cが抽気通路15aの開度を大きくすれば、圧力調整室31内の圧力、ひいては制御圧室13c内の圧力が第2吸入室27b内の圧力とほぼ等しくなる。このため、斜板5に作用するピストン圧縮力によって、図3に示すように、アクチュエータ13では、移動体13aが駆動軸心O方向で斜板室33の前方側に向かって移動する。この際、第1、2付勢ばね44a、44bの各付勢力により、区画体13bは、駆動軸心O方向で後方に移動する。
これにより、この圧縮機では、ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力によって、斜板5は傾斜角度が減少する方向に付勢され、作用軸心M3において、各牽引アーム134を通じて移動体13aが斜板室33の前方側へ牽引される。また、第1、2付勢ばね44a、44bの各付勢力により、斜板5は駆動軸心O方向で前方側に付勢される。このため、図4に示すように、この圧縮機では、斜板5の下端U側が作用軸心M3周りで時計回り方向に揺動する。また、ラグアーム49の後端が第1揺動軸心M1周りで反時計回り方向に揺動するとともに、ラグアーム49の前端が第2揺動軸心M2周りで反時計回り方向に揺動する。このため、ラグアーム49が第1支持部材43aのフランジ430に接近する。これらにより、斜板5は、作用軸心M3を作用点とし、第1揺動軸心M1を支点として揺動する。このため、駆動軸3の駆動軸心Oに対する斜板5の傾斜角度が減少し、ピストン9のストロークが減少する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が小さくなる。図4に示す斜板5の傾斜角度がこの圧縮機における最小傾角である。
ここで、この圧縮機では、ウェイト部49aに作用した遠心力も斜板5に付与される。このため、この圧縮機では、斜板5が傾斜角度を減少させる方向に変位し易くなっている。そして、図3に示すように、傾斜角度が最小傾角の状態では、移動体13aの底壁部132と区画体13bの後面135とが当接する。これにより、移動体13aにおける上記の駆動軸心O方向の移動が規制される。底壁部132と区画体13bの後面135とが当接すると、第1、2付勢ばね44a、44bの各付勢力は、区画体13bを介して移動体13aに作用し、各牽引アーム134及び第3ピン47cを介して斜板5に伝達される。つまり、区画体13b、移動体13a、各牽引アーム134及び第3ピン47cを介して、斜板5は第1、2付勢ばね44a、44bによって傾斜角度を増大させる方向に付勢されている。一方で、第1付勢ばね44aは、斜板5を直接付勢して、傾斜角度を減少させる方向にも付勢している。
ここで、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が小さくなり、ピストン9のストロークが減少することにより、第2頭部9bの上死点位置が第2弁形成プレート41から遠隔する。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度がゼロ度に近づくことで、第1圧縮室21d側では僅かに圧縮仕事が行われる一方、第2圧縮室23d側では圧縮仕事が行われなくなる。
一方、図2に示す制御弁15cが抽気通路15aの開度を小さくすれば、第2吐出室29b内の冷媒ガスの圧力によって圧力調整室31内の圧力が上昇し、制御圧室13c内の圧力が上昇する。このため、斜板5に作用するピストン圧縮力に抗して、アクチュエータ13では、図1に示すように、移動体13aが斜板5から離間するように駆動軸心O方向で斜板室33の後方側に向かって移動する。また、このように制御圧室13c内の圧力が上昇することにより、区画体13bは、第1、2付勢ばね44a、44bの各付勢力に抗して、駆動軸心O方向で前方に移動する。これらのため、移動体13aの底壁部132と区画体13bの後面135とが当接しなくなる。これにより、斜板5には、上記の第1、2付勢ばね44a、44bによる傾斜角度を増大させる方向の付勢力が作用しなくなる。一方、第1付勢ばね44aは斜板5を直接付勢しているため、この場合であっても傾斜角度が減少する方向に斜板5を付勢している。
そして、移動体13aが斜板5から離間するように斜板室33の後方側に向かって移動することにより、この圧縮機では、斜板5の下端U側において、各牽引アーム134を通じて移動体13aが斜板5の下端U側を斜板室33の後方側へ牽引する。また、上記のように、第1付勢ばね44aの付勢力により、斜板5は駆動軸心O方向で前方側に付勢される。このため、この圧縮機では、斜板5の下端U側が作用軸心M3周りで反時計回り方向に揺動する。また、ラグアーム49の後端が第1揺動軸心M1周りで時計回り方向に揺動するとともに、ラグアーム49の前端が第2揺動軸心M2周りで時計回り方向に揺動する。このため、ラグアーム49が第1支持部材43aのフランジ430から離間する。これらにより、斜板5は、作用軸心M3及び第1揺動軸心M1をそれぞれ作用点及び支点とし、上述の傾斜角度が小さくなる場合と反対方向に揺動する。このため、駆動軸3の駆動軸心Oに対する斜板5の傾斜角度が増大する。このため、この圧縮機では、ピストン9のストロークが増大して、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が大きくなる。この図1に示す斜板5の傾斜角度がこの圧縮機における最大傾角である。
このように、この圧縮機では、区画体13b及び移動体13aが駆動軸本体30に対して駆動軸心O方向に移動する。そして、区画体13bの前面136と斜板5の後面5bとの間に設けられた第1付勢ばね44aは、最大傾角時に斜板5を区画体13bから駆動軸心O方向で離間するように付勢する一方、区画体13bを斜板5から駆動軸心O方向で離間するように付勢する。これらにより、この圧縮機では、最大傾角から最小傾角に移行する際に、第1付勢ばね44aが斜板5を傾角減少方向に付勢しているため、移動体13aの移動によって、斜板5の傾斜角度を変更させ易くなっている。
本実施例の作用について、図5を基に以下で詳細に説明する。なお、図5では、第1付勢ばね44aの付勢力をF1とし、第2付勢ばね44bの付勢力をF2とする。そして、斜板5の最小傾角をθ度とする。
この圧縮機では、制御圧室13c内の圧力が最も小さい、すなわち、傾斜角度が最小傾角のθ度である際には、上記のように、区画体13bの後面135と移動体13aの底壁部132とが互いに当接する。このため、第1、2付勢ばね44a、44bによって付勢されている区画体13bは、付勢力F1及び付勢力F2で斜板5及び移動体13aを付勢する。
ここで、この圧縮機では、第1付勢ばね44aの前端は斜板5を直接付勢している。このため、斜板5が付勢力F1で区画体13bから駆動軸心O方向で離間する方向、つまり、斜板室33の前方側に付勢される。
一方、移動体13aの各牽引アーム134及び第3ピン47cは、第1、2付勢ばね44a、44bを間に挟んでリンク機構7の第1揺動軸心M1を有する第1ピン47aと対向するように配置されている。このため、区画体13bの後面135と移動体13aの底壁部132とが当接することにより、斜板5は、第3揺動軸心M3において、その下端U側が付勢力F1と付勢力F2との合力で各牽引アーム134及び第3ピン47cによって後方に牽引されるように付勢される。この際、斜板5は、傾斜角度θ度で傾斜しており、かつ第1揺動軸心M1回りで揺動しようとすることから、斜板5には、第1揺動軸心M1から距離rだけ離れた第3揺動軸心M3において、付勢力F1の分力F1’と付勢力F2の分力F2’との合力(F1’+F2’)が作用する。このため、斜板5には、傾斜角度が大きくなるように、(F1’+F2’)×rのモーメントが作用する。一方で、斜板5は、第1付勢ばね44aの前端に直接付勢されているため、第1揺動軸心M1から距離sだけ離れた駆動軸心O近傍で付勢力F1の分力F1’が作用する。このため、斜板5には、傾斜角度が小さくなるように、F1’×sのモーメントが作用する。各牽引アーム134及び第3ピン47cは、第1、2付勢ばね44a、44bを間に挟んで第1ピン47aと対向するように配置しているため、距離sより距離rの方が長くなっている。このため、この圧縮機では、傾斜角度を最小傾角のθ度から増大させ易くなっている。
また、制御圧室13c内の圧力が大きくなり、例えば傾斜角度が最大傾角である際には、区画体13bの後面135と移動体13aの底壁部132とが離間しており、区画体13bは制御圧室13c内の圧力によって第1、2付勢ばね44a、44bに抗して斜板5に近づく方向に付勢されている。つまり、第1付勢ばね44aは、斜板5及び区画体13bのみを付勢する。このため、この圧縮機では、第1付勢ばね44aにより、斜板5が付勢力F1で区画体13bから駆動軸心O方向で離間する方向のみに直接付勢される。つまり、この場合には、第1付勢ばね44aによって斜板5が傾斜角度を減少させる方向に付勢され、斜板5は傾斜角度を最大傾角から減少させ易くなっている。
このように、この圧縮機では、第1付勢ばね44aは、制御圧室13c内の圧力の変化によって、斜板5が傾斜角度を増大させる方向と傾斜角度を減少させる方向とにそれぞれ付勢することが可能となっている。
そして、この圧縮機では、第2付勢ばね44bが区画体13bの前面136と駆動軸本体30に設けられたサークリップ53との間に設けられている。このため、この圧縮機では、最小傾角時に、第1付勢ばね44aによる傾斜角度を増大させる方向に付勢する付勢力に加えて、第2付勢ばね44bによって、傾斜角度を増大させる方向に斜板5を付勢することが可能となっている。
上記のように、この圧縮機では、最小傾角で区画体13bと底壁部132との当接時に、第1付勢ばね44aの付勢力によって、区画体13bと斜板5とを互いに離間させる方向に付勢することが可能である。つまり、第1付勢ばね44aの付勢力によって、傾斜角度を増大させる方向に斜板5を付勢することが可能である。このため、第2付勢ばね44bは、第1付勢ばね44を補助する補助付勢力を付与すれば足りる。これにより、この圧縮機では、小型の第2付勢ばね44bを採用することが可能となっている。そして、第1付勢ばね44aと第2付勢ばね44bとは、同軸に配置されている。このため、この圧縮機では、区画体13bと斜板5との間にのみ第1、2付勢ばね44a、44bを設けるための空間を確保すれば足りる。これらのため、第1、2付勢ばね44a、44bを設けていても、この圧縮機では軸長の縮小化が可能となっている。
したがって、実施例の圧縮機は、アクチュエータ13によって吐出容量を変更する圧縮機において、高い制御性を発揮可能であるとともに車両への搭載性に優れている。
特に、この圧縮機では、区画体13bが駆動軸心O方向に移動可能であることから、傾斜角度の変更を行うに当たって移動体13aが区画体13bと摺接しつつ移動する際において、移動体13aが区画体13bに対して移動し易くなっている。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、第1シリンダブロック21又は第2シリンダブロック23のいずれか一方のみにシリンダボアを形成して、容量可変型片頭斜板式圧縮機として構成しても良い。
また、制御機構15について、給気通路15bに対して制御弁15cを設けるとともに、抽気通路15aにオリフィス15dを設ける構成としても良い。この場合には、制御弁15cによって、給気通路15bの開度を調整することが可能となる。これにより、第2吐出室29b内の冷媒ガスの圧力によって制御圧室13bを迅速に高圧とすることができ、迅速に吐出容量を増大させることが可能となる。
本発明は空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
3…駆動軸
5…斜板
7…リンク機構
9…ピストン
11a、11b…シュー(変換機構)
13…アクチュエータ
13a…移動体
13b…区画体
13c…制御圧室
15…制御機構
21a…第1シリンダボア
21d…第1圧縮室
23a…第2シリンダボア
23d…第2圧縮室
27a…第1吸入室
27b…第2吸入室
29a…第1吐出室
29b…第2吐出室
33…斜板室
44a…第1付勢ばね(付勢部材)
44b…第2付勢ばね(補助付勢部材)
47a…第1ピン(支持部)
47c…第3ピン(連結部)
134…牽引アーム(連結部)
O…駆動軸心

Claims (3)

  1. 吸入室、吐出室、斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸に挿通され、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記斜板室内に配置され、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
    前記アクチュエータは、前記駆動軸に対して前記駆動軸心方向に移動可能に設けられる区画体と、前記区画体に対して前記駆動軸心方向に移動することにより、前記傾斜角度の変更を行う移動体と、前記区画体と前記移動体とにより区画され、前記吐出室からの冷媒を導入することによって前記移動体を移動させる制御圧室とを有し、
    前記移動体は、前記斜板との連結を行う連結部を有し、
    前記リンク機構は、前記斜板を揺動可能に支持する支持部を有し、
    前記移動体は、前記制御圧室内の圧力が高くなることにより、前記斜板を牽引して前記傾斜角度を増大するように配置され、
    前記区画体と前記斜板との間には、前記区画体と前記斜板とが前記駆動軸心方向で離間するように付勢する付勢部材が設けられ、
    前記連結部は、前記付勢部材を間に挟んで、前記支持部と対向するように配置され、
    前記移動体の前記駆動軸心方向の移動は、前記区画体に当接することで規制されていることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記傾斜角度を増大させる方向に前記斜板に対して補助付勢力を付与する補助付勢部材が設けられている請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記補助付勢部材は、前記区画体と前記斜板との間で前記付勢部材と同軸に配置され、
    前記補助付勢部材の前記駆動軸心方向の一端は前記区画体に支持され、
    前記補助付勢部材の前記駆動軸心方向の他端は前記駆動軸に支持され、
    前記補助付勢部材は、前記区画体が前記駆動軸心方向で前記斜板から離間するように前記区画体を付勢する請求項2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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