JP2016041853A - 超硬合金、マイクロドリル、及び超硬合金の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明者は、従来の超硬合金からなる工具(特にマイクロドリルのような径の小さい工具)において、製品間の性能のばらつきを生じさせる突発的な折損の原因を鋭意検討した。
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施形態に係る超硬合金は、炭化タングステン(WC)を主体とする硬質相粒子と、鉄族金属を主体とし、硬質相粒子同士を結合する結合相金属とを備える。この超硬合金の主たる特徴とするところは、特定サイズのポアの数が少ない点にある。まず、実施形態に係る超硬合金を説明し、続いて超硬合金の製造方法を説明する。
硬質相粒子は、WCを含むセラミックスの粉末の構成粒子である。WCを「含む(主体とする)」とは、質量%で硬質相の過半数、特に90%以上をWCとすることを言う。勿論、実質的にWCのみで構成されている場合も含む。硬質相粒子は、超硬合金のうち結合相金属や後述する粒成長抑制剤を除く残部を構成するものとする。硬質相粒子を構成するWCの粒径は、小さいほど好ましく、例えば、0.7μm以下が好ましい。そうすれば、抗折力や耐摩耗性が向上し易い。また、WCの平均粒径は、0.1μm以上とすることが好ましい。そうすれば、平均粒径が小さすぎることがないため、熱亀裂を抑制し易い。
結合相金属は、上述した硬質相粒子間に比較的薄くかつ均一的に存在して硬質相粒子同士を結合する。具体的には、結合相金属の平均厚さが0.14μm以下、かつ、厚さが0.5μm以上である割合が0.15%以下である。即ち、結合相金属の厚さが大きい部分の割合が小さく、結合相金属の99%以上は、厚さが0.5μm未満であるといえる。平均厚さが0.14μm以下、及び厚さが0.5μm以上の割合が0.15%以下の少なくとも一方を満たす超硬合金は、結合相のミクロな凝集や偏在を抑制でき、工具(例えば、マイクロドリル)を作製して穴加工などを行った際、微細な偏摩耗を抑制できて長寿命化を図ることができる。平均厚さが小さいだけでなく、結合相のミクロな凝集や偏在といった結合相金属の厚さが厚い部分がほとんど生じておらず、結合相金属中に硬質相粒子が均一的に分散した状態であるからである。
硬質相粒子として超微粒のWC粉末を用いると共に、製造過程の焼結時などでの硬質相粒子の粒成長を抑制するために、粒成長抑制剤を含有することが好ましい。粒成長抑制剤は、バナジウム(V)の炭化物(VC)やクロム(Cr)の炭化物(Cr3C2)といった化合物が挙げられる。VC及びCr3C2の少なくとも一方を含有してもよいが、好ましくは双方を含有する。
超硬合金の微小なサイズのポア(微小巣)の数は、少ないほど好ましい。具体的には、0.020個/μm2以下とすることが挙げられる。そうすれば、長寿命で製品間のばらつきの小さい工具が得られる。ここでいう微小巣とは、円相当径が1μm未満のポアを言う。微小巣の数は、0.015個/μm2以下、更に0.010個/μm2以下、特に0.005個/μm2以下が好ましい。微小巣は存在しないこと、即ち微小巣の数は理論上0(ゼロ)となることが望まれるが、現実には0とすることは難しい。そこで、微小巣の数は、検出限界で微小巣が見出せなければ、微小巣の数をゼロと見なす。
超硬合金は、抗折力が高く、耐摩耗性に優れ(高硬度で)、高靭性であることから、このような特性が望まれる種々の部材の素材に好適に利用することができる。例えば、切削工具素材、特に、微細な加工を行う切削工具の素材に適する。具体的な工具は、ドリル径0.01〜0.3mmのマイクロドリルが挙げられる。その他、タイバーカットパンチ及びタイバーカットダイやガラスレンズ用金型、薄刃スリッタ、ウォータージェットノズル、高硬度木材用のこ刃などの素材に利用することができる。
上述の超硬合金によれば、長寿命な上に、製品間の性能のばらつきの小さい工具が得られる。超硬合金は上記微小巣の数が少ないので、この超硬合金で切削工具を構成すると、突発的な折損を抑制できるからである。また、超硬合金は、微細かつ均一的な組織を有するので、この超硬合金で切削工具を構成すると、微細な偏摩耗を低減して長寿命化を図ることができるからである。
超硬合金の製造方法は、原料準備工程と、混合工程と、成形工程と、焼結工程と、プレス工程とを備える。この超硬合金の製造方法の主たる特徴とするところは、混合工程で混合と分散とを個々に行い、プレス工程を特定の雰囲気圧下かつ特定の温度で行う点にある。以下、各工程を詳細に説明する。
硬質相粉末と鉄族金属粉末とを含む原料粉末を準備する。
硬質相粉末は、超微粒のWC粉末を用いることが好ましい。具体的には、WC粉末の平均粒径は、0.1μm以上0.7μm以下が好ましい。WC粉末の平均粒径を0.1μm以上とすることで、焼結時などで再析出する際、粒成長して粗大な粒子になることを抑制できる。WC粉末の平均粒径を0.7μm以下とすることで、超硬合金中に存在するWC粒子を微細にすることができる。WC粉末の平均粒径は、0.1μm以上0.5μm以下が特に好ましい。このような超微粒のWC粉末は、酸化タングステンを直接炭化する直接炭化法などにより製造することができる。
鉄族金属粉末も微粒であることが好ましい。具体的には、鉄族金属粉末の平均粒径は、0.2μm以上0.6μm以下が好ましい。鉄族金属粉末の平均粒径を0.2μm以上とすることで、後述する混合工程で再凝集することを抑制できるため、鉄族金属の粗大化を抑制できる。鉄族金属粉末の平均粒径を0.6μm以下とすることで、超硬合金中に粗大な鉄族金属が存在することを抑制できる。特に、BET法により求められる比表面積が1m2/g以上の鉄族金属粉末を用いることが好ましい。SEMなどで形状観察を行って、一次粒子の凝集体や粗大粒子が少なくなるように、更には含まなくなるように選定すること好ましい。上記範囲のサイズの鉄族金属粉末の含有量αは、上述したように0質量%超15質量%以下含有することが挙げられる。
粒成長抑制剤を含有する場合、粒成長抑制剤も微粒であることが好ましい。具体的には、VCの平均粒径は0.2μm以上0.4μm以下、Cr3C2の平均粒径は0.3μm以上2.0μm以下が好ましい。VCの平均粒径を0.2μm以上、Cr3C2の平均粒径を0.3μm以上とすることで、後述する混合工程で再凝集することを抑制できる。VCの平均粒径を0.4μm以下、Cr3C2の平均粒径を2.0μm以下とすることで、超硬合金中に炭化物として存在した場合、破壊の起点となることを抑制でき、耐折損性が低下を抑制できる。VCの含有量βは、上述したように、鉄族金属粉末の含有量αに対する割合(β/α)×100を2%以上7%以下とすることが好ましい。上記割合(β/α)×100を4%以上5.5%以下を満たすことがより一層が好ましい。この場合、後述する混合工程において、分散装置にビーズミルを用いることが特に好ましい。また、上記割合(γ/α)×100を4%以上7%以下、及び上記割合((β+γ)/α)×100を8%以上11.5%以下の少なくとも1つを満たすようにすることもできる。一方、上記割合(β/α)×100を4%以上6%以下とすることが好ましい。この場合、後述する混合工程において、分散装置にジェットミルを用いることが特に好ましい。また、上記割合((β+γ)/α)×100を10.5%以上13%以下を満たすようにすることもできる。超硬合金全体に対するVCの含有量βは、上述したように0.2質量%以上0.6質量%以下とすることが好ましく、同Cr3C2の含有量γは、上述したように0.5質量%以上1.0質量%以下とすることが好ましい。
原料粉末の混合と分散とを個々に行って混合粉末を作製する。このように混合と分散とを併用することで、粉砕及び分散の双方を良好に行え、全体に亘って微細で均一的な組織を有する超硬合金が得られる。その上、上記粗大巣(円相当径が1μm以上)が実質的に存在しない超硬合金が得られる。混合と分散とを個々に行うとは、混合装置により混合処理を行った後、分散装置により分散処理を行ってもよいし、混合装置と分散装置とを接続し、両者の間で原料を循環させて処理を行ってもよい。原料粉末の混合には、例えば、アトライタと呼ばれる湿式粉砕分散装置やボールミルを用いることができ、原料粉末の分散には、例えば、ビーズミル、サンドミル、湿式ジェットミルなどを利用できる。
混合粉末を成形して成形体を作製する。成形は、プレス成形又は押出することが挙げられる。プレス成形の圧力は、49MPa以上200MPa以下(500〜2000kg/cm2)とすることが好ましい。
成形体を焼結して焼結体を作製する。焼結温度は、1340℃以上1400℃以下とすることが挙げられ、特に1360℃以上1380℃以下が好ましい。そうすれば、硬質相の粒成長を抑制し易い。焼結の雰囲気は、真空又はAr雰囲気(Ar:50Torr(6.7kPa)以上)が好ましい。焼結時間は、0.2〜2時間が好ましい。
焼結体に熱間静水圧プレス(HIP)して超硬合金を作製する。HIPの雰囲気は、不活性ガス雰囲気(特に、Ar雰囲気)で、雰囲気圧は、8MPa以上とすることが挙げられ、特に10MPa以上が好ましい。HIPの温度は、1360℃以上1430℃以下が挙げられ、特に1360℃以上1410℃以下が好ましい。この温度範囲内において、焼結温度よりも高くする。このように、上記特定の雰囲気圧下でかつ特定の温度でHIPを施すことで、微小巣の数をより低減し易い。雰囲気圧を高くすると共に、HIPの温度を高く、特に、HIPの温度を焼結温度よりも高くすることで、焼結体の緻密化の効果が得られ易くなるため、微小巣の数を低減できる。HIP温度は、焼結温度よりも30℃以上高く、更には30℃超、特に50℃以上高くすることができる。この場合、上記混合工程の分散において例えばジェットミルを用いることが特に好ましい。また、HIP温度は、焼結温度よりも20℃以上高く、更には30℃以上高くすることができる。この場合、上記混合工程の分散において例えばビーズミルを用いることが特に好ましい。
上述の超硬合金の製造方法によれば、長寿命な上に、突発的な折損を抑制できて製品間のばらつきの小さい工具に好適に利用できる超硬合金を製造できる。混合工程で混合と分散とを個々に行い、HIPを特定の雰囲気圧下で、特定の温度範囲かつ焼結の温度よりも高い温度で行うことで、全体に亘って微細で均一的な組織とすると共に、上記微小巣の数の少ない超硬合金が得られるからである。
超硬合金の試料を、原料粉末の準備⇒原料粉末の混合⇒成形⇒焼結⇒HIPにより作製して組織観察及び微小巣の数の測定を行った。
超硬合金の表面をSEMにて、倍率は8000〜20000倍、観察視野数は5〜30、総観察面積は1000mm2以上となるように観察視野をとって観察した観察像を画像解析装置にて解析した。そして、WC粒子の平均粒径(μm)は、各視野に存在する全てのWC粒子の円相当径を算出し、それを平均して求めた。一方、WC粒子の粒径1.0μm超の割合は、各視野に存在する全てのWC粒子について面積及び合計面積を求め、WC粒子の合計面積に対して、粒径が1.0μm超である粒子の面積の割合を算出して求めた。
超硬合金の丸棒をその長手方向に平行な断面が得られるように切断し、この断面(縦断面)において、各箇所をFE−SEM(電界放出型走査型電子顕微鏡)にて倍率は5000倍〜10000倍、総視野数は5以上30以下、総視野面積1000μm2以上となるように観察視野をとって観察し、この観察像を撮影した。撮影像では、WC粒子が灰色、結合相金属が黒色で表示される。この撮影像を画像処理装置により処理した。ここでは、黒色の結合相金属領域の面積比率が、表1に示す結合相金属組成の体積分率と等しくなるように2値化処理し、WC粒子と結合相金属とを分別した。このような2値化処理をすることでより測定し易い。そして、各黒色領域をそれぞれ円に近似した。即ち、複数の結合相金属領域をそれぞれ円に見なす。これら各円の直径を測定し、各直径を一つの結合相金属領域の厚さとした。結合相金属の厚さ(μm)は、選択した5箇所について各円の直径を測定し、それを平均して求めた。一方、結合相金属の厚さが0.5μm以上の割合(%)は、直径が0.5μm以上である円の数を求め、全ての円の数に対して、直径が0.5μm以上である円の数の割合を算出して求めた。
FE−SEMを利用して、イオンビーム加工により加工した超硬合金の任意の断面における3つ以上の箇所において、総視野数が10以上60以下で総視野面積が30000μm2以上となるように観察視野をとった。ここでは、展伸部が生じない断面の形成手法を用いた。イオンビームの照射条件は、イオン種をAr、放電電圧を1.5kV、加速電圧を6kV、上記突き出し量を50μm、照射時間を3時間とした。そして、微小巣の数(個/μm2)は、全ての観察視野における円相当径が1μm未満の巣の数を数え、1μm2当たりに換算して求めた。上記微小巣かどうかの判定が不確かなものは、拡大して判定した。
混合工程で混合と分散とを個々に行い、HIPを特定の雰囲気下で、HIPの温度を焼結温度よりも高くして作製した試料No.3〜6、試料No.8〜11はいずれも、上記微小巣の数が0.020個/μm2以下であった。その上、試料No.3,4,6、試料No.8〜11はいずれも、(1)WC粒子の平均粒径が小さい、(2)WC粒子の粒径が1μm超の割合が少ない、(3)結合相金属の平均厚さが小さい、(4)結合相金属の厚さが0.5μm以上の割合が少ない。混合工程で混合と分散とを個々に行うことで、粉砕及び分散の双方を良好に行え、全体に亘って微細で均一的な組織とすることができ、焼結後の時点での微小巣の数を低減できたと考えられる。その上、HIPを特定の雰囲気下、及び特定の温度域で行った(即ち、HIPの温度を焼結温度よりも高くした)ことで、上記微小巣の数を更に低減できたからだと考えらえる。
上述の試験例1で作製した各試料の超硬合金からなるマイクロドリルを作製し、穴あけ加工試験(貫通孔)を行って工具寿命(ドリル性能)を評価した。
被削材:ガラス層とエポキシ樹脂層との交互20層の積層板からなるプリント基板(厚さ:2.4mm)を1枚
回転数:250Krpm
送り速度:1.5m/min
切削油:不使用(乾式)
微小巣の数が0.020個/μm2以下の試料No.3〜6、8〜11は、最小加工数が7000以上で、加工数のばらつきが30%以下であった。一方、微小巣の数が0.020個/μm2超の試料No.1,2,7は、最小加工数が最も多くても6000であり、加工数のばらつきが最も小さくても44%であった。即ち、試料No.3〜6、8〜11は、上述した従来の超硬合金からなる試料No.1,2や、試料No.7に比べて、最小加工数が1000以上も向上し、加工数のばらつきが14%以上も向上した。このように、微小巣の数が0.020個/μm2以下の試料は、微小巣の数が0.020個/μm2超に比べて、長寿命な上に、製品間の性能のばらつきが小さいことが分かる。そして、微小巣の数が少なくなるほど、最小加工数が多い上に、加工数のばらつきが小さく、長寿命で製品間の性能のばらつきが小さい傾向にあることが分かる。具体的には、微小巣の数が0.015個/μm2以下の試料No.3,4,9〜11は、微小巣の数が0.020個/μm2以下の試料No.6,8よりも長寿命な上に、製品間の性能のばらつきが小さいことが分かる。更には、微小巣の数が0.010個/μm2未満(微小巣の数が0.005個/μm2以下)の試料No.4,10,11が、微小巣の数が0.015個/μm2以下の試料No.3,5,9よりも、長寿命な上に、製品間の性能のばらつきが小さいことが分かる。試料No.4,10,11は、最小加工数が最も少なくても9500であり、加工数のばらつきが最も大きくても13%であった。即ち、この試料No.4,10,11は、微小巣の数が0.020個/μm2超の試料No.1,2,7に比べて、最小加工数が3500以上も向上し、加工数のばらつきが30%以上も向上した。
Claims (13)
- 炭化タングステンを主体とする硬質相粒子と、鉄族金属を主体とし、前記硬質相粒子同士を結合する結合相金属とを備える超硬合金であって、
イオンビーム加工により加工してなる前記超硬合金の任意の断面における3つ以上の箇所において、総視野数が10以上60以下で総視野面積が30000μm2以上となるように観察視野をとり、円相当径が1μm未満のポアの数を測定した際、前記ポアの数が0.02個/μm2以下である超硬合金。 - 前記超硬合金の表面において、総視野数5以上30以下で総視野面積1000μm2以上となるように観察視野をとり、前記炭化タングステンの粒子の円相当径を算出した際、前記炭化タングステンの粒子の合計面積に対して、粒径が1.0μm超である前記炭化タングステンの粒子の面積の割合が、1.00%以下である請求項1に記載の超硬合金。
- 前記超硬合金の任意の断面において、総視野数5以上30以下で総視野面積1000μm2以上となるように観察視野をとり、前記観察視野内の前記炭化タングステンの粒子間に存在する各結合相金属を1つの円に近似した際、前記円の直径の平均を前記結合相金属の平均厚さとし、前記円の全数に対して直径が0.5μm以上である円の数の割合を前記結合相金属の厚さが0.5μm以上である割合とするとき、
前記結合相金属の平均厚さが0.14μm以下であり、
前記結合相金属の厚さが0.5μm以上である割合が0.15%以下である請求項1または請求項2に記載の超硬合金。 - 前記超硬合金は、バナジウム及びクロムを含有しており、
前記鉄族金属の含有量をα(質量%)とし、炭化物換算による総量を前記バナジウムの含有量とするときの前記バナジウムの含有量をβ(質量%)とする際、前記鉄族金属の含有量αに対する前記バナジウムの含有量βの割合(β/α)×100が2%以上7%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の超硬合金。 - 前記超硬合金全体に対する前記バナジウムの含有量が、0.35質量%以上0.60質量%以下である請求項4に記載の超硬合金。
- 前記ポアの数が、0.005個/μm2以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の超硬合金。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の超硬合金からなるマイクロドリル。
- 平均粒径が0.1μm以上0.7μm以下の炭化タングステン粉末と、平均粒径が0.2μm以上0.6μm以下で含有量が0質量%超15質量%以下の鉄族金属粉末とを含む原料粉末を準備する原料準備工程と、
前記原料粉末の混合と分散とを個々に行って混合粉末を作製する混合工程と、
前記混合粉末を成形して成形体を作製する成形工程と、
前記成形体を1340℃以上1400℃以下で焼結して焼結体を作製する焼結工程と、
前記焼結体を8MPa以上の不活性ガス雰囲気下において、1360℃以上1430℃以下かつ前記焼結の温度以上で熱間静水圧プレスするプレス工程とを備える超硬合金の製造方法。 - 前記原料粉末は、炭化バナジウム粉末及び炭化クロム粉末を含み、
前記鉄族金属粉末の含有量をα(質量%)、前記炭化バナジウム粉末の含有量をβ(質量%)とするとき、前記鉄族金属粉末の含有量αに対する前記炭化バナジウム粉末の含有量βの割合(β/α)×100が2%以上7%以下である請求項8に記載の超硬合金の製造方法。 - 前記熱間静水圧プレスの温度と前記焼結の温度との差が30℃以上である請求項9に記載の超硬合金の製造方法。
- 前記割合(β/α)×100が、4%以上5.5%以下である請求項10に記載の超硬合金の製造方法。
- 前記割合(β/α)×100が、4%以上6%以下である請求項9に記載の超硬合金の製造方法。
- 前記熱間静水圧プレスの温度と前記焼結の温度との差が30℃超である請求項12に記載の超硬合金の製造方法。
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