JP2016041754A - ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸を治療するための、抗A抗体および抗B抗体を減少させた免疫グロブリンG(IgG)濃縮物の使用 - Google Patents

ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸を治療するための、抗A抗体および抗B抗体を減少させた免疫グロブリンG(IgG)濃縮物の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸の治療に用いる免疫グロブリンG組成物を提供すること等。【解決手段】本発明の免疫グロブリンG組成物は、間接クームス試験(ヨーロッパ薬局方の方法2.6.20)に対する陰性の結果に基づく抗A抗体の抗体価および抗B抗体の抗体価をそれぞれ含有している。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は、ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸を治療することを目的とした医薬を製造するための、抗A抗体(AcaA)および抗B抗体(AcaB)を減少させた免疫グロブリンG(IgG)濃縮物の使用に関する。
以下の説明において、大括弧([ ])内の参考文献は、実施例の後に示した参考文献一覧を参照する。
〔背景技術〕
新生児溶血性疾患(NHD)は、母親の抗赤血球抗体と子供の赤血球との間の不適合に起因する、胎児または新生児の障害である。抗赤血球抗体は、子宮内で既に生じている溶血の原因となり、そして、臨床像の重大さによっては、子供における重度の貧血の原因となることもある。(ヘモグロビンを構成している)ヘムの分解産物であるビリルビンが血液中に輸送されると、上記臨床像は、子供における黄疸を伴う高ビリルビン血症から、浮腫(胎児水腫)を有する非常に重度の病変および死産児の出産へと及ぶ可能性がある。未治療の高ビリルビン血症は、新生児における核黄疸を引き起こす可能性がある。
有効な治療(子宮内/出生後の交換輸血、UV新生児療法)に加えて、今日の有効な手段はNHDを予防するために利用できるので(抗D予防またはRH因子)、臨床像の知識およびその診断用調査の知識は、一層、非常に重要である。
それでもなお、危険性が時間内に認識された場合、すなわち妊娠前に(特に、母親の血液型および場合によっては父親の血液型を決定することによって)、妊娠開始時に(場合によっては、血液型の確認および抗A/抗B免疫抗体を含むアロ抗体の調査によって)、または妊娠中に(3〜4週毎に抗体価における変化を調査することによって)認識された場合に限り、この全てが可能である。さらに、子供の推定血液型を推定することが可能であるので、子供の父親の血液型を決定することは、非常に有用(推定Rh遺伝子型についての結論に至るための指針を有する有用な表現型)であるかもしれない。
NHDの真の危険性は、母親の血液型またはアロ抗体の低い抗体価および子供の推定血液型に従って推定され得る。子供の推定血液型は、父親の血液型から決定される。母親が、危険性を有する血液型(例えば、OまたはRh D陰性)の一部をなしている場合は、いかなる状況であっても、中止された抗体価における変化を調査すべきである。
まれに、種々の類似した危険性がある場合に、絨毛生検から子供の血液型の生体分子を決定することが示唆されるかもしれない。
ABO不適合は、通常、血液型Oの母親と、血液型AまたはBの子供との場合に生じる。
IgMアイソタイプの抗ABO抗体は、自然の状態において存在し、胎盤関門を通過しない。ABO式血液型は、出生時には、まだ完全に発達して発現していない。このため、血液型の最終的な決定は、子供が6ヶ月齢になる前に行われるべきではないが、血液型AまたはBは、妊娠の初期段階にて、胎児の赤血球において検出される可能性がある。このような理由で、この一群においてさえも、母親の免疫が、比較的頻繁におこる。さらに、抗A IgG免疫抗体および抗B IgG免疫抗体は、妊娠または過去の輸血に関わらず、異種タンパク質によって誘導される可能性がある。しかし、抗A IgG抗体または抗B IgG抗体は、ほとんどの場合は、Rh不適合の場合における同様の抗体よりも低い溶血能を有している。それゆえ、NHDにおける変化は、より目立たないものである。
黄疸は、出生後24時間〜72時間の間に、70%の患者において出現する。全ての患者において、多くの場合に、光線療法の成功する開始の根拠となる臍帯血の結果を受理する前に、黄疸は、視覚的または機器によって検出される。黄疸の診断が提示されない限りは、どのような場合であっても、血液型の結果の知見は、治療学的、予防的または治癒的な手段をもたらさない。血液型の結果の知見によって、せいぜい、新生児の着色化が現れる危険性が高いことがわかるだけである。
黄疸は、新生児期において観察される、特に最も頻度の高い症状である。
第1の特徴は、大人とは異なり、新生児における黄疸は、極めて多くの場合に、間接型ビリルビン(BR)を伴っている。
組織体における蓄積によるこの着色は、全ての組織、特に、肝臓(中でも、この蓄積に注意が払われる。)、血液(部分的に運搬し、そして色素を蓄える。)、皮膚および脳に関連し、ビリルビン性脳障害の一定の潜在的な危険性を有し、これによって、診断行為および治療行為において最大の困難を示す。
伝統的に、子供は、静脈注射用免疫グロブリン(IVIG)および光線療法によって治療され、そして、最も深刻な場合は、交換輸血によって治療される。
研究は、ABO不適合溶血性疾患および/またはRh不適合溶血性疾患に罹患している新生児の、高用量のIVIG(静脈注射用免疫グロブリン)を用いた治療に関係し、そして、研究によって、IVIGの投与によって、光線療法による治療の継続期間のみならず、交換輸血を必要としている子供の数が減少することが示された(Gottstein et al. (2003), Archives of Disease in Childhood; Fetal and Neonatal Edition; vol. 88, no. 1, p. F6-F10[2])。
また、研究によって、ABO不適合溶血性疾患および/またはRh不適合溶血性疾患に罹患している新生児に対する、高用量のIVIGを用いた治療が、溶血、血清中のビリルビンのレベルおよび交換輸血を実施する必要性を軽減することが示された(Alplay et al (1999), Acta Paediatrica, International Journal of Paediatrics; vol. 88, no. 2, p. 216-219[3])。
しかし、研究によって、Rh不適合およびABO不適合に起因する同種免疫性の溶血性黄疸に罹患している新生児に対するIVIGの投与が、ABO同種免疫の治療よりも、Rh同種免疫の治療に対して有意によい結果を生じさせることが示された。これは、光線療法による治療と比較して、IVIGの投与による治療の終わりに、Rh不適合に起因する高ビリルビン血症を有している新生児の交換輸血の必要性が低下するためである。一方で、ABO不適合を有している新生児の場合には、光線療法およびIVIGの投与は、結果の点では違いを示さなかった(Nasseri et al. (2006) Saudi Med J.; 27(12): 1827-30[4])。
さらに、高用量のIVIGの投与は、ABO不適合を有している一部の患者において危険性を伴う治療であることが考慮されるべきである。これは、IVIGがヒト血漿に由来する免疫グロブリンの濃縮物であり、そして、この点で、抗A抗体および抗B抗体を誘導するためである。
多くの科学的な刊行物は、エタノールを用いた沈殿またはオクタン酸による沈殿(Steinbuch et al. (1969) Rev. Franc. Et. Clin, et Biol., XIV, 1054 [5])のような従来の分画技術によって取得された免疫グロブリンG(IgG)の注射が、治療を受けている患者において、偶発的な溶血を引き起こし、いくつかの重篤な溶血を誘発することを示唆している。一例として、Buchta C. et al, Biologicals. 33, 2005, 41-48 ([6])、Wilson J.R. et al, Muscle & Nerve, 29(9), 1997, 1142-1145 ([7]、Copelan E.A. et al, Transfusion, 26, 1986, 410-412 ([8])およびMisbah S.A. et al, Drug Safety, 9, 1993, 254-262([9])による刊行物が引用され得る。特に、直接クームス試験(DCT)によって実施される、溶血を有している患者の血液におけるこれらのIgGの作用の研究は、赤血球が、その表面に存在しているA抗原、B抗原またはD抗原に対する免疫グロブリンによって覆われ、それゆえ赤血球の溶血を引き起こすことを示した。
このような理由で、現在市販されているIgGは、高い抗体価の抗Aまたは抗Bの存在を回避するために、選ばれた血漿から取得されている。
ヨーロッパ薬局方(間接クームス試験(ICT)としても言及された方法2.6.20,1997)によれば、IVIGは、in vitroにおける間接クームス試験(ICT)において、30g/lに調整された初期濃度を有するIgGの溶液を用いた1/64希釈にて、A赤血球またはB赤血球の凝集を示してはいけない。言い換えれば、ヨーロッパ薬局方によって許容される最大の抗体価は、ヨーロッパ薬局方の方法2.6.20に従って、64(希釈度の逆数(“自然数として与えられた結果−希釈比の分母”))より低い必要がある。すなわち、1/64に希釈されたIVIGの組成物は、赤血球の凝集を引き起こしてはいけない。
ヨーロッパ薬局方に従った1/64よりも低い希釈のIVIGの溶液の存在下において、ICT試験に対する陰性の結果、すなわち赤血球の凝集がなければ、抗A抗体および抗B抗体がヨーロッパ薬局方によって許容される低いレベルであることを証明している。しかし、ヨーロッパ薬局方によって規定された試験に対して陰性の結果を与えるIgGの濃度、すなわち、1/64より低い希釈であっても、溶血反応の危険性を排除することができない([6])。
さらに、米国および日本の薬局方は、残留している抗A抗体および抗B抗体の含有量を制御する必要性に関する規定を全く含んでいない。
抗A抗体および抗B抗体は、エタノール分画のような従来の方法によるIgG濃縮物の調製の間に、部分的に排除される。しかし、残留している含有量は、ヨーロッパ薬局方の高い基準の制限値よりも多い可能性があることが観察されている。さらに、出願人によって開発された方法、すなわち出願人の特許出願WO02/092632に従って調製された濃縮物は、エタノール分画によって得られたIgG濃縮物よりも抗A抗体および抗B抗体を多く含有している。IgG濃縮物のいくつかのバッチは、抗A抗体および抗B抗体のそれぞれに関して、ヨーロッパ薬局方によって許容される閾値よりも含有量が多い可能性がある。
従って、ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸のために、溶血を引き起こす虞がなくABO不適合に罹患している新生児に対して投与可能な、利用可能な治療の必要性がある。
〔本発明の説明〕
この目的のために、そしてその広範囲の研究の間に、出願人は、驚くべきことに、in vitroでの間接クームス試験に対する陰性の結果に一致する抗A抗体および抗B抗体の各抗体価を有している免疫グロブリンGの組成物が、従来技術の組成物に関して認められる好ましくない副次的効果を引き起こすことなく、ABO式血液型に関する母体−胎児不適合よって引き起こされる新生児の黄疸またはABO不適合によって引き起こされる新生児の溶血性疾患の治療のために用いられ得ることを示した。
それゆえ、本発明は、ABO式血液型に関する母体−胎児不適合よって引き起こされる新生児の黄疸またはABO不適合によって引き起こされる新生児の溶血性疾患を治療するための医薬としての、治療学的な使用のためのヘモグロビンG(IgG)組成物に関し、間接クームス試験(ヨーロッパ薬局方の方法2.5.20)に対する陰性の結果に一致する抗A交代および抗B抗体の各抗体価を含んでいる。
“免疫グロブリンG”は、本発明の意味の範囲内で、ポリクローナルIgGを意味し、これは、血漿または既にIgGが豊富な血漿の画分から取得され得る。治療学的な使用のためのIgGの組成物または濃縮物は、有利に、一般に使用される濃度のIgG、好ましくは、50g/l〜100g/lの濃度のIgGを有している。
“治療学的な使用”は、本発明の意味の範囲内で、患者の健康状態の改善、例えば、黄疸の毒性の軽減、またはその全体的もしくは部分的な消失、さらには患者の治癒を目的とした使用を意味する。
“抗A抗体および抗B抗体の各抗体価”は、本発明の意味の範囲内で、ヨーロッパ薬局方(ヨーロッパ薬局方2.6.20)において規定され、そして間接クームス試験(ICT試験)によって測定される抗体価を意味する。言い換えれば、上記抗体価は、ヨーロッパ薬局方の方法2.6.20に従って凝集が検出される希釈である。同様に言い換えれば、上記抗体価は、溶血が観察される希釈である。
ICT試験(ヨーロッパ薬局方の方法2.6.20)は、本発明のIgG組成物、すなわちヒトIgGの単位を対象にする抗体(抗グロブリン)の溶液と接触する、赤血球の懸濁液からなる。これらの抗体は、赤血球に付着する抗A抗体または抗B抗体に対して固定され、そしてそれゆえ、IgG同士の架橋を形成することによってこれらを凝集させ得る。抗A抗体または抗B抗体に関する調査からなる試験は、この従来の血液学的な血清試験(間接クームス試験)に直接的に端を発する。
本発明の背景において、ヨーロッパ薬局方の方法2.6.20は、以下の方法において用いられ得る:本発明のIgG組成物の2つの同一のシリーズの希釈を、9g/lの塩化ナトリウムR溶液において調製する。第1シリーズの各希釈に対して、塩化ナトリウム溶液を用いて予め3回洗浄された5%V/Vの赤血球Aの懸濁液を等量添加する。第2シリーズの各希釈に対して、塩化ナトリウム溶液を用いて予め3回洗浄された5%V/Vの赤血球Bの懸濁液を等量添加する。懸濁液を、37℃にて30分間インキュベートし、その後、塩化ナトリウム溶液を用いて細胞を洗浄する。各懸濁液を、多目的ヒト抗グロブリン試薬と30分間接触させる。混合物を遠心分離することなく、あらゆる凝集物が顕微鏡検査によって探し出される。希釈前のIgG組成物が30g/lよりも多い免疫グロブリン含有量を有している場合は、この試験に用いられる希釈物を調製するために、30g/lの濃度を達成するための希釈が行われるべきである。1/64に希釈すると、いかなる凝集の徴候も現れない。
IgG濃縮物において、抗A抗体および抗B抗体のレベルが非常に低い場合は、ICT試験は陰性であり、ヨーロッパ薬局方の条件下においては一層、ヒト抗IgG抗体を添加したとしても赤血球の凝集反応はもはや起こらない。これは、赤血球およびヒト抗IgG抗体に対して固定される抗A抗体および抗B抗体の結合による赤血球同士の架橋を形成するには、抗A抗体および抗B抗体の密度が低すぎるためである。
ヨーロッパ薬局方試験2.6.20、すなわちICT試験は、規制レベルにて認識される唯一の試験であり、そして、欧州において販売されている全てのIVIGは、この試験に従わなければならない。すなわち、1/64希釈において凝集が生じないようにしなければならない。薬局方によって許容された最小の抗体価は、64未満(<64)(希釈度の逆数(“自然数として与えられた結果−希釈比の分母”)でなければならない。すなわち、1/64希釈にて、試験された産物は、ヨーロッパ薬局方の方法2.6.20の記載に基づき、凝集を引き起こさない。
“間接クームス試験に対する陰性の結果”は、本発明の意味の範囲内で、多目的ヒト抗グロブリンの存在において、本発明に係る組成物のIgGと接触させる場合に、ヨーロッパ薬局方の方法2.6.20に従って測定された、赤血球の凝集が存在しないことを意味する。
本発明に係る免疫グロブリンGの組成物は、それゆえ、64(希釈度の逆数(“自然数として与えられた結果(希釈比の分母)”)のin vitroにおける間接クームス試験に対する陰性の結果、すなわち1/64倍の希釈に対する陰性の結果に基づいて、有利に、それぞれの抗A抗体抗体価および抗B抗体抗体価を有し得る。
本発明に係る免疫グロブリンG組成物は、有利に、0〜8(有利に0は排除される)の抗体価(希釈度の逆数(“自然数として与えられた結果−希釈比の分母”))を有している。これらの抗A抗体抗体価および抗B抗体抗体価では、本発明に係るIgG組成物は、ICTに従った結果を有する。すなわち凝集がない。すなわち、0(希釈なし)〜1/8(有利に0は排除される)の希釈において、本発明に係るIgG組成物は、ヨーロッパ薬局方の方法2.6.20の記載に従って凝集を引き起こさない。それゆえ、8の抗体価は、試料の第8番目の希釈(1/8希釈)を超えると凝集が観察されることを意味する。0の抗体価は、試料が希釈されない場合であっても検出される凝集がないことを意味する。
有利に、自然数(希釈画分の下方部分)として与えられた抗A抗体抗体価および抗B抗体抗体価は、4より小さい、または2より小さい。そのようなIgG組成物は、それぞれ4回希釈(□に希釈)または2回希釈(□に希釈)した場合に、凝集を引き起こさない。
それゆえ、本発明を実施するためのIgG組成物(または濃縮物)は、標準的なIgG濃縮物、すなわち、エタノール分画および/または問題となっている抗体を排除する補助的な工程を経ることなくクロマトグラフに関連する精製技術を使用することによって取得されたIgG濃縮物において観察されるよりもかなり低い抗A抗体抗体価および抗B抗体抗体価を有している。
さらに、この抗体価は、ヨーロッパ薬局方によって許容される閾値よりもかなり低く、治療中の一部の患者における溶血の危険性を極めて有意に抑制する。本発明に係るIgG組成物を用いた間接クームス試験の実施は、それ自体が希釈されていないIgGの試料を用いたとしても陰性の結果となり得る。
本発明に係るIgG濃縮物は、それゆえ、赤血球に存在しているエピトープに対する抗A抗体および抗B抗体の活性化原理の顕著な欠如によって規定される。
出願人は、記載されたIgG組成物が、ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸の治療に特に適していることを見出した。
有利に、本発明に係る免疫グロブリンG組成物は、それゆえ、有利に、それぞれの抗A抗体抗体価および抗B抗体抗体価が、64、希釈度の逆数(“自然数として与えられた結果(希釈比の分母”)と同等、または0〜8、または4より小さい、例えば、2より小さい。有利に、これらの場合において、クームス試験は、30g/lに調整された初期濃度を有するIgG溶液を用いて実施される。
“ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸”は、本発明の意味の範囲内において、ABO式血液型に関する不適合によって引き起こされる新生児の溶血性疾患(NHD)に付随して起こる黄疸を意味する(ABO溶血性疾患、ABO不適合を有する新生児の溶血性疾患またはABO不適合が原因である同種免疫性溶血性黄疸ともいう)。この黄疸は、いくつかの臓器におけるビリルビンの蓄積が原因である。ビリルビンは、血液中に輸送されたヘムの分解産物である。
より具体的には、記載されたIgG組成物が投与される可能性がある患者は、早産の新生児、または、例えば、出生から出生後第28日目までの時期に生まれた新生児であり得る。これらの新生児は、通常、ABO溶血性疾患を原因とする高ビリルビン血症を示し、抗グロビン新生児試験(間接クームス試験)に対して陽性であり、そして、網状赤血球の数が多い(10%以上)。これらの幼児は、男児または女児であり得る。
本発明の組成物は、それゆえ、ABO不適合によって引き起こされる新生児の溶血性疾患を治療するための医薬としても用いられ得る。
上記で規定されたようなIgG組成物、IgG濃縮物は、多反応性のIgGの含有量が非常に少ない。例えば、0.01%〜0.1%、特に、0.7%〜0.1%であり得る。この状況において、多反応性のIgGの含有量は、モル%または重量%を意味する。この含有量は、特許出願EP1 059 088において、出願人によって記載された方法によって決定される。
例えば、本発明に係る免疫グロブリンG組成物は、有利に、30g/lに調整された初期濃度を有するIgG溶液を用いて実施されたクームス試験において、それぞれ、抗A抗体抗体価および抗B抗体抗体価が、64、希釈度の逆数(“自然数として与えられた結果(希釈比の分母”)、または0〜8、または4より小さい、例えば、2より小さく、例えば、0.01%〜0.1%、特に0.07%〜0.1%である多反応性のIgG含有量を有している可能性がある。
“多反応性のIgG”は、本発明の意味の範囲内において、上記で規定したIgG組成物に含まれているIgG画分を意味し、意図的な免疫に由来せず、且つ自己抗原に対する可変的な親和性を発現しない天然の抗体と、抗イディオタイプ抗体(いわゆる、他の抗体の可変領域に対する抗体)と、上記で規定されたIgG組成物の精製方法の異なる工程の間に行われた処理の後で多反応性となる抗体との合計に相当する。有利に、本発明において用いられるIgG組成物は、多反応性をほぼ完全に有さない点で、市販されている他のIgG組成物と区別される。しかし、出願人は、全く驚くべきことに、非常に低いレベルの抗A抗体および抗B抗体の組み合わせを有するIgG組成物において多反応性をほぼ完全に有さないことが、ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸またはABO不適合によって引き起こされる新生児の溶血性疾患の治療にとって重要な特徴であることを発見した。それゆえ、本発明において用いられるIgG組成物は、ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸またはABO不適合によって引き起こされる新生児の溶血性疾患を治療するための医薬として有効である。さらには、(具体的には、抗A抗体および抗B抗体を低下させることによって)赤血球に関する望ましくない反応を回避すること、および多反応性のIgGの存在に起因する望ましくない副次的反応(具体的には、熱、悪心および頭痛)を軽減する。
本発明の組成物は、1以上の安定化剤を含有してもよい。
“安定化剤”は、本発明の意味の範囲内において、IgG組成物を長期間に渡って保存するための化合物を意味する。安定化剤は、具体的には、IgG組成物を特定の期間に渡って維持し得る。さらに、安定化剤は、有利に、治療学的な使用に適用される。
安定化剤は、有利に、特許出願WO2204/091656において出願人によって開発された安定化剤の内の1種、すなわち、糖アルコール(好ましくはマンニトール、ソルビトールまたはこれらの異性体)、グリシンおよびTweenTM80、TweenTM20、Triton □ X100またはPluronic □ F68のような非イオン性の界面活性剤の混合物であり得、これらの全ては、薬学的な水準において許容され得る化合物である。
IgG組成物におけるマンニトールの最終濃度は、30g/l〜50g/lであり得、グリシンの最終濃度は、7g/l〜10g/lであり得る。これらの化合物の濃度は、IgG組成物における最終濃度を表している。
有利に、製剤の濃度は、液体および/または凍結乾燥された形態を安定化するために、出願人によって決定される。
本発明の組成物は、静脈内または皮下に投与され得る。この目的のために、本発明に係るIgG濃縮物は、例えば、Tween□ 80/TnBPまたはTriton□ X 100/TnBP、これらの混合物を用いる、従来技術から公知の従来の溶媒/界面活性剤処理によって、および/または、感染性海綿状脳症の原因物質であるプリオンのような、溶媒/界面活性剤による殺ウイルス処理によって排除されないウイルスおよび/またはその他の高分子を排除する必要がある場合に、順番にろ過工程を行うことによって、ウイルスから保護されている必要がある。
本発明に係るIgG濃縮物は、ナノろ過工程に供されてもよい。
本発明の組成物は、適切な安定化剤の存在下において液体または凍結乾燥された形態になるように、または次の使用を待っている間、保存されるように、形成され得る。
有利に、上記組成物は、静脈内に投与され得る。
この実施形態において、本発明の組成物は、注射のための溶液、例えば、5g/100ml(5%)にて用いられる静脈内注射のための正常ヒト免疫グロブリンの溶液であり得る。
有利に、注射の溶液は、1g/100ml(1%)、または2g/100ml(2%)、または3g/100ml(3%)、または4g/100ml(4%)、または5g/100ml(5%)にて投与され得る。
有利に、注射可能な溶液のIgG投与量は、1g/100ml〜5g/100ml、または2g/100ml〜5g/100ml、3g/100ml〜5g/100ml、または5g/100mlであり得る。
本発明を実施するための組成物は、例えば、500mg/kg〜2000mg/kgの量にて、光線療法による治療と同時に、または光線療法による治療に引き続いて投与され得る。500mg/kgの投与にて開始し、その後、ビリルビンのレベルが低下しない場合は(公知のビリルビン血症試験によって試験され得る。)、ビリルビンのレベルが正常になるまで、500mg/kgずつ投与量を増加させることが可能である。投与は、反復して行われ得る。
本発明を実施するための組成物は、光線療法を同時に行うことなく投与されてもよい。投与される量は、500mg/kg〜2000mg/kgであり得る。500mg/kgの投与にて開始し、その後、ビリルビンのレベルが低下しない場合は(公知のビリルビン血症試験によって試験され得る。)、ビリルビンのレベルが正常になるまで、500mg/kgずつ投与量を増加させることが可能である。投与は、反復して行われ得る。
本発明の実施に適した組成物は、WO2007/077365公報に記載の組成物と同一であってもよい。
IgG組成物は、当業者に公知の任意の方法によって取得され得る。
具体的には、上記組成物は、以下の工程を包含している方法によって取得され得る:
a)ウイルス不活性化工程を含む、エタノール分画及びクロマトグラフィー分離によってIgG組成物を調製する工程、
b)担体、すなわちA血液型およびB血液型と抗原性が類似したオリゴ糖基がグラフトされた充填材の混合物においてIgG組成物を透過することによる免疫親和性クロマトグラフィーを行う工程、および
c)ウイルスおよび/または20nmよりも大きい粒子を排除ろ過する工程。
有利に、そのような方法は、WO2007/077365公報において記載されている。
そのような方法は、非常に有利に、工業規模において実施され得る。さらに、IgG組成物を調製する工程と、抗A抗体および抗B抗体を排除する特定の工程とを組み合わせることによって、治療学的な使用のための、好ましくは、全IgG含有量に対して0.1%より少ないレベルの多反応性のIgGを含有しているIgG組成物を取得することが可能となる。さらに、そのような組成物は、望ましくないAcaAおよびAcaBを、ヨーロッパ薬局方において記載された試験の規制値、すなわち、64(希釈度の逆数(“自然数として与えられた結果−希釈比の分母”))よりもはるかに少なく、そして希釈していない試料を用いたICT試験の実施によって陰性の結果が得られるほどの抗体価で含有している。すなわち、抗体価は0である。
好ましくは、上記方法の工程a)は、当業者によって周知の方法のような、それ自体が、IgG濃縮物を取得するための方法であり得る。それは、Cohnら(Cohn et al. 1946, J. Am. Chem. Soc. 68, 459; Oncley et al. 1949, J. Am. Chem. Soc. 71, 541 [11])によって開発されたエタノール分画、または、例えばEP0 703 922およびWO99/64462において記載されたようなクロマトグラフ分離の場合である。特許出願WO94/29334およびWO02/092632において出願人によって開発された方法が特に好ましい。そして、特に、WO02/092632に記載された方法が好ましい。この場合に、本発明の方法の工程a)は、血漿またはIgGを豊富に含む血漿の画分から脂質汚染物質を沈殿させることによる前精製、アルカリpHにて行われる陰イオン交換樹脂担体における1回のクロマトグラフィー、およびpH4〜7の適切な緩衝液による1工程におけるIgGの選択的な溶出を含んでいる。
“脂質汚染物質”は、本発明の意味の範囲内において、免疫グロブリン以外の血漿の構成物質を意味する。
“IgGを豊富に含む血漿の画分”は、本発明の意義の範囲において、既に精製工程を経て、この画分のIgG濃度を増加させた血漿画分を意味する。
“1回のクロマトグラフィー”は、本発明の意義の範囲において、クロマトグラフィー工程が連続して繰り返されないことを意味する。
“1工程におけるIgGの選択的溶出”は、本発明の意義の範囲において、免疫グロブリンの主要部分を溶出するための溶出工程を意味する。
本発明の目的のために、1工程におけるIgGの選択的溶出のための緩衝液は、当業者に周知の任意の緩衝液であり得る。
上記方法の工程a)は、特許US4 764 369においてHorowitzによって記載されたような、好ましくは、溶媒/界面活性剤によって行われるウイルスを不活性化する処理を含んでいる。特にこの処理の化学残留物を排除するために、続くクロマトグラフィー工程の前に必要である場合には、特に注意深く行われる。
この濃縮物は、その後、血液型AおよびBと抗原性が類似している基がグラフトされた2つの担体の混合物において、好ましくは、担体の混合物が充填されたカラムにおいて、免疫親和性クロマトグラフィー工程に供される。好ましくは、クロマトグラフィーの担体は、アガロース型の架橋された天然の重合体から作られた充填材からなり、スペーサーまたは連結アームがグラフトされている。すなわち、血液型AおよびBのエピトープに対応する三糖類(オリゴ糖)を有利に代表するオリゴ糖がそれぞれグラフトされている。
“血液型AおよびBと抗原性が類似するオリゴ糖基”は、本発明の意義の範囲において、血液型AおよびBと同じ抗体または同じ免疫グロブリンによって認識されるオリゴ糖基を意味している。
具体的には、そのような担体、すなわち血液型Aのエピトープに対応し、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)−ガラクトース(Gal)−フコース(Fuc)構造を有する三糖類と、血液型Bのエピトープに対応し、ガラクトース−ガラクトース−フコース構造を有している三糖類とを用いることによって、非常によい結果が得られる。そのような担体は、非常に有利に、ゲルまたはGlycorex Transplantation AS(スウェーデン)から製造される、GLYCOSORB ABO□という名前で市販されている樹脂を代表する。
一例として、この担体が用いられる場合、血液型Aのエピトープに対応する三糖類は、以下の構造を有している:
Figure 2016041754
一例として、この担体が用いられる場合、血液型Bのエピトープに対応する三糖類は、以下の構造を有している:
Figure 2016041754
“担体”は、本発明の意義の範囲において、充填材を支持するために役に立つ不活性物質を意味する。有利に、ある種の官能基、すなわち、ある種のオリゴ糖基を有している充填材が、担体に対してグラフトされている。
これらの担体は、当業者に周知である。
充填材は、任意の適切な充填材であり得る。これらの充填材は、当業者に周知である。セファロース充填材、例えば、Glycosorb ABO(Glycorex Transplantation)を、特に、例として挙げることができる。
Glycosorb ABO充填材(Glycorex Transplantation)を用いることができる。この充填材は、血液型AおよびBの三糖類がグラフトされている。
“担体の混合物”は、本発明の意義の範囲において、血液型Aと抗原性が類似しているオリゴ糖を用いてグラフトされた充填剤を有している担体と、血液型Bと抗原性が類似しているオリゴ糖を用いてグラフトされた充填剤を有している担体との混合物を意味している。
異なる種の充填材は、それゆえ、変更可能な比率において見出され得る。
有利に、血液型Aおよび血液型Bに抗原性が類似している基を用いてグラフトされた担体の混合物は、それぞれ、25/75〜75/25(v/v)の割合である。実際に、ドナーの血液型の配分に応じて、ドナーの集団に対してカラムにおける2つの担体の割合を調整することは可能である。習慣的な使用の状況において、カラムは、好ましくは、上記のそれぞれの特異的な担体の50/50(v/v)の混合物を用いて充填されているだろう。長さが15cm〜25cmで、且つ直径が0.5cm〜1cmの分析用カラムを用いることが可能である。試験的な規模において実施する場合に、長さが40cm〜60cmで、且つ直径が40mm〜60mmのカラムを用いることが可能である。この場合、600mlの免疫親和性の担体を用いてカラムを充填することが可能である。
そのような担体は、2つの使用周期の間に、1M NaOH中で保存することができる。使用の前に、担体は、水を用いて洗浄される。
免疫親和性クロマトグラフィーカラムは、その後、担体1ミリリットル当たり、好ましくは、0.2〜4リットル、特に、1〜2リットルの範囲のIgG濃縮物を用いて満たされ得る。そのような担体の特異性は、IgG画分の事前の調整を必要としない。すなわち、従来技術の血漿分画技術によって取得されたIgGの濃縮物のあらゆる画分が適合し得る。
濃縮物の透過は、溶出機構に関与しない。従って、IgG濃縮物が取得される方法であれば何でも、必要に応じてポンプを用いて、カラムを通して透過させることができる。この透過は、AcaAおよびAcaBおよび多反応性のIgGを保持させることができる。有利に、カラムは、その後、カラムのデッド・ボリュームにまだ存在しているIgGを回収するために、水を用いて洗浄される。
IgG濃縮物の透過後に、製造工程に由来する多反応性のIgGのみならず、AcaAおよびAcaBを減少させたIgGの画分が取得される。これは、クロマトグラフィーの担体の抗原単位にAcaAおよびAcaBが保持され、これらの立体構造が改変されるためである。
二次的な方法において保持されたこれらの多反応性IgGの親和性は、AcaAおよびAcaBの親和性よりも非常に強い。IgGの通過後に、例えば、pH3〜8.6にて0.1〜1.5Mの濃度を有するアルカリ土類金属を含有している溶出用緩衝液を用いることによって、分画された状態でIgGを溶出することができる。
クロマトグラフィーカラムおよび担体は、その後、担体に保持されたAcaAおよびAcaBの脱離のために、グリシン−HCl(pH2.8)のような酸性溶液を用いて洗浄され得る。この担体は、その後、水を用いて洗い流され、そして、1M NaOH溶液を用いて処理される。
AcaAおよびAcaBを大幅に減少させたIgG濃縮物は、その後、溶媒/界面活性剤処理に耐性を示すウイルスおよび/またはプリオン、その製造工程の間に生成されたIgG重合体、ミセル化されたリポ多糖類、核酸および凝集したタンパク質のような20nmより大きいその他の粒子を排除するためにろ過に供される。そのような処理は、有利に、ナノろ過を意味し、ナノろ過は、100から15nmに減少する空隙率のフィルターによって実施され、具体的には、100、50および20nmの連続して且つ減少する保持閾値を処理する、3つのフィルターにおいて実施される。
有利に、上記方法は、ウイルス不活性化工程を包含している。
“ウイルス不活性化”は、本発明の意義の範囲において、ウイルス粒子を不活性化する、すなわち、血漿タンパク質の機能性を保持しながらウイルス粒子を効果的に変性させるための、あらゆる方法または工程を意味する。
ウイルス不活性化の方法は、当業者に周知である。これらの方法の中で、ウイルス不活性化工程は、溶媒/界面活性剤工程または低温殺菌から選択され得る。
有利に、ウイルス不活性化工程は、溶媒/界面活性剤工程によって実施され得る。
このようにして取得されたIgG画分は、既に、十分に濃縮されている。そして、その後、限外ろ過および滅菌ろ過によって、さらなる濃縮工程を受けることができる。
上記方法は、工程b)の後で、限外ろ過および滅菌ろ過による濃縮工程を包含し得る。
有利に、滅菌ろ過工程は、ナノろ過によって実施され得る。
上記方法は、工程c)の後で、第1に、長期間に渡る保存の間のIgG濃縮物の安定性を保証し、そして第2に、凍結乾燥によって、関連する種々の段階におけるIgGの変性を防ぐことができるように、安定化剤を添加するさらなる工程を包含し得る。好ましくは、薬学的に許容され得る単一の安定化させる製剤が添加され、同時に、IgGの2つの想定される保存の形態、すなわち、液体または凍結乾燥された形態の安定化を保証するという目的を満足する。そして、特許出願WO2004/091656において記載されたように、これらのIgGの治療学的な有効性を維持するか、さらに改善するために安定化剤が添加される。
IgG組成物は、必要に応じて、限外ろ過による濃縮の次工程に供され、そして、その後、滅菌ろ過に供される。そして、フラスコに包装され、好ましくは、およそ4℃の温度にて保持され得る。
分析方法は、本発明において記載されたIgG組成物の抗A抗体および抗B抗体を分析するために用いられ得る。
そのような、IgG濃縮物における抗A抗体および/または抗B抗体を分析する方法は、以下の工程を包含し得る:
a)血液型O Rh+の赤血球の懸濁液を調製し、且つ測定する工程、
b)生物学的に許容され得る緩衝液において、0〜200ng/mlの濃度範囲におけるモノクローナル抗D抗体溶液を調製する工程、
c)上記赤血球を、モノクローナル抗D抗体溶液と接触させ、且つそのようにして得られた赤血球の混合物を、所定の期間に渡ってインキュベートする工程、
d)赤血球の各混合物に、蛍光色素によって標識されたヒト抗IgG抗体F(ab’)2の断片を添加し、且つ当該赤血球をインキュベートする工程、
e)工程d)にて得られた赤血球の各混合物を、フローサイトメトリーに供する工程、および
f)蛍光の関数として、抗Dモノクローナル抗体濃度の標準曲線を作成する工程。
その後、以下の方法を用いることによって、抗A抗体および抗B抗体を分析することが可能である:
a)血液型A、B−の赤血球の懸濁液を調製し、且つ測定する工程、
b)生物学的に許容され得る緩衝液において、0〜200ng/mlの濃度範囲におけるモノクローナル抗D抗体溶液を調製する工程、
c)上記赤血球を、IgGの溶液の試料と接触させ、且つそのようにして得られた赤血球の混合物を、所定の期間に渡ってインキュベートする工程、
d)赤血球の各混合物に、蛍光色素によって標識されたF(ab’)2ヒト抗IgG抗体の断片を添加し、且つ当該赤血球をインキュベートする工程、
e)工程d)にて得られた赤血球の各混合物を、フローサイトメトリーに供する工程、および
g)ng/mlにおいて有利に発現された抗Dを割り当てるために確立された標準曲線によって、IgG濃縮物における抗A抗体抗体価および/または抗B抗体抗体価を決定する工程。
抗A抗体抗体価および/または抗B抗体抗体価を決定するそのような方法を実施するための1つの方法は、0.8〜1.5重量%のウシ血清アルブミンBSAを含有しているPBS緩衝液(pH7.0〜7.4)における血液型A、Bおよび/またはOの1%(v/v)赤血球懸濁液の調製を包含していてもよい。懸濁液の赤血球は、その後、懸濁液1mlあたり37〜43.106個赤血球にて懸濁液を測定するために、当業者に使用が公知の通常のフローサイトメトリー装置において計測される。モノクローナル抗D抗体溶液が調製され、緩衝液、好ましくは適切な0.8〜1.5重量%のウシ血清アルブミンBSAを含有しているPBS緩衝液(pH7.0〜7.4)において、0〜200ng/mlの濃度範囲にて含有されている。そのようにして調製された各溶液は、そのモル吸光係数(□)を決定するために、吸光光度分析法によって分析される。
IgG組成物は、その後、0.8〜1.5重量%のウシ血清アルブミンBSAを含有しているPBS緩衝液(pH7.0〜7.4)によって、1〜5mg/ml、好ましくは1mg/mlの閾値における濃度に調製される。
50〜100μlの体積の各血液型の赤血球の懸濁液は、例えば96ウェルを有するマイクロプレートの各ウェルに入れられ、そして、その後、この赤血球の懸濁液に、50〜100μlのIgGの溶液、または50〜100μlの抗D抗体溶液が入れられる。全体を、1時間30分〜2時間30分にわたって、特に2時間にわたって、通常30℃〜40℃の温度、好ましくは37℃にてインキュベートする。
そのようにして取得された赤血球の異なる混合物は、その後、好ましくは、前述のBSAを含有しているPBS緩衝液を用いて洗浄され、そして遠心分離される。そして、その後、マイクロプレートウェルに入れられた赤血球の各混合物に、PBS緩衝液および上記において規定されたBSA中に存在している、例えばフィコエリスリンのような蛍光色素を用いて標識された50〜100μlの抗ヒトIgGヤギF(ab’)2抗体が添加される。
全体のインキュベーションは、遮光して、およそ20〜30分間実施される。
そのようにして取得された赤血球の異なる混合物は、その後、洗浄され、そして、分析される化合物の蛍光検出のための装置を備えている任意の適切な市販の装置を用いて実施されるフローサイトメトリーに供される。
平均蛍光強度(NFI)は、抗Dモノクローナル抗体濃度に従って報告され、そして直線回帰方程式がエクセルソフトウェアによって取得される。その後、各試料について、当量の抗D抗体濃度が直線状の直線回帰方程式を用いて取得される。3つ組みにおいて分析された試料は、濃度平均が確立され、そして、変動係数がエクセルソフトウェアによって計算される。
本発明に係るIgG濃縮物における抗A抗体および抗B抗体の含有量は、予め有利に得られた値から推定される。
好ましくは、上記IgG濃縮物のAcaAおよびAcaBを分析する方法は、本発明の状況に適合したフローサイトメトリーによって実施され、その原理は、これらの抗体の含有量に比例する蛍光信号の検出を利用した、要求されるAcaA抗体価およびAcaB抗体価の特異的な決定法に従った、血液型AまたはBのヒト赤血球の使用に基づいている。
そのような分析方法は、以下からなる工程を包含している:
a)血液型AまたはBの赤血球の懸濁液を調製し、且つ測定する工程、
b)上記赤血球をIgGの溶液の希釈された試料と接触させ、且つそのようにして得られた混合物を、所定の期間に渡ってインキュベートする工程、
c)蛍光色素によって標識された抗IgG抗体の存在下において、上記赤血球をインキュベートする工程、および
d)工程c)にて得られた赤血球の懸濁液を、フローサイトメトリーに供する工程。
血液型AまたはBの赤血球の1%(v/v)懸濁液は、0.8〜1.5重量%のウシ血清アルブミンBSA(BSA)を含有しているPBS緩衝液(pH7.0〜7.4)において調製される。懸濁液の赤血球は、その後、懸濁液1mlあたり37〜43.10個の赤血球にて懸濁液を測定するために、使用が当業者に公知である通常のフローサイトメトリー装置において計測される。
50〜100μlの体積の懸濁液は、96ウェルマイクロプレートの各ウェルに入れられ、そして、その後、0.234g/lのIgGの溶液が得られるまで30glの溶液から2つずつ希釈した50〜100μlのIgGの異なる溶液が入れられる。
全体を、1時間30分〜2時間30分間、特に2時間にわたって、通常30℃〜40℃の温度、好ましくは37℃にてインキュベートする。
赤血球は、その後、前述のBSAを含有しているPBS緩衝液を用いて洗浄され、そして、遠心分離される。そして、その後、例えばフィコエリスリンのような蛍光色素を用いて標識された、50〜100μlの抗ヒトIgGヤギF(ab’)2抗体が、各ウェルに添加される。
全体(工程c)のインキュベーションは、遮光して、およそ20〜30分間実施される。
そのようにして取得された懸濁液は、その後、洗浄され、そして、分析される化合物の蛍光検出のための装置を備えている任意の適切な市販の装置を用いて実施されるフローサイトメトリーに供される。
一例として、抗A抗体および抗B抗体の減少に関して、コーン(Cohn)法に従ったエタノール分画(B1)、特許出願WO02/092632に従った方法(B2)、および特許出願WO02/092632の後に免疫親和性クロマトグラフィーを行う方法(B3)によってそれぞれ調製したB1、B2およびB3と称される3つのIgG濃縮物の抗A抗体および抗B抗体の含有量が、以下の表1において示される。結果は、参照として、試料B1の参照となる抗A抗体抗体価および抗B抗体抗体価、すなわち、1にて適宜固定したこれらの抗体の比率に対して示される。
Figure 2016041754
この表の結果は、まず第1に、コーン法に従って調製したIgG濃縮物(B1)の抗A抗体および抗B抗体の含有量は、WO02/092632に記載の方法に従って調製したIgG濃縮物(B2)よりも、含有量がおよそ4倍少ないことを示している。さらに、特異的な免疫親和性カラムによるこれらのIgG濃縮物の続く処理は、抗A抗体抗体価をおよそ5倍低下させ、そして、抗B抗体抗体価に関してはおよそ7倍低下させる(b3)。
抗A抗体および抗B抗体の含有量を決定する他の方法として、当業者に公知であるが本発明の要件のために特別に開発された、in vitroにおける補体による溶解からなる方法を有利に用いることができる。そのような分析方法は、以下からなる工程を包含している:
a)予め計測された血液型A,B、ABおよびOから選択されたパパイン処理された赤血球の懸濁液を、適切な放射性標識によって放射標識する工程、
b)放射標識された赤血球を、所定の体積にて、IgG濃縮物の試料と接触させる工程、
c)工程b)の血液型ABの正常血清と同じ体積を添加する工程、
d)工程c)にて取得した混合物を、所定の期間に渡ってインキュベートする工程、および
e)そのようにして取得した、インキュベートされた溶液の放射活性を側定する工程。
血液型A、B、ABまたはOのパパイン処理された赤血球の1%(v/v)懸濁液が調製され、そして、その後、106個の赤血球を得るために、マラッセ細胞(Malassez cell)において計測される。100μCiの51Crが添加される(1体積の赤血球あたり1体積)。全体が1〜2時間に渡ってインキュベートされ、そして、放射標識された赤血球は、その後4〜6回洗浄される。
放射標識された赤血球は、その後、例えば100μlの体積において、4〜6.106個の放射標識された赤血球に対して、好ましくは、1〜3mg/ml、特に1.2mg/mlの濃度にて、IgG濃縮物の試料と接触させられる。
相補的な方法の異なる要素を添加するために、前述のものと同じ体積、例えば、100μlの血液型ABの正常血清が、前述の混合物に対してさらに添加される。
そのようにして得られた反応混合物は、その後、好ましくは、3〜5時間、特に4時間に渡って、通常、30℃〜40℃、好ましくは37℃の温度にてインキュベートされる。
反応混合物は、その後、好ましくは、遠心分離され、そして、適切な市販の装置を用いて、インキュベートされた溶液の放射活性が測定される。測定された溶液の放射活性は、処理された赤血球の溶血の程度に比例し、その結果、抗A抗体および抗B抗体の含有量と比例する。
一例として、本発明のIgG濃縮物(B3)と、市販の濃縮物のなかでも、より低い溶血レベルを有している従来技術のIgG濃縮物(C1)とを考慮して得られた血液型A、BおよびABの赤血球の溶血の程度が、以下の表2において示される。
Figure 2016041754
本発明の他の主題は、ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸を治療することを目的とした医薬を製造するための、上記で規定された組成物の使用である。
上記で述べた本発明の全ての局面は、この使用に適合し、そして本発明のこの他の主題の一部となる。
本発明の他の主題は、ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸またはABO新生児溶血性疾患を治療するための方法であり、上記で規定したIgG組成物の投与を包含している。
この実施形態において、本発明の組成物は、注射のための溶液、例えば、5g/100ml(5%)にて用いられる静脈注射のための正常ヒト免疫グロブリンの溶液であり得る。
有利に、注射用の溶液は、1g/100ml(1%)、または2g/100ml(2%)、または3g/100ml(3%)、または4g/100ml(4%)、および有利に、最大で5g/100ml(5%)にて投与され得る。
有利に、注射可能な溶液のIgGの投与量は、1g/100ml〜5g/100ml、または2g/100ml〜5g/100ml、または3g/100ml〜5g/100mlであり得る。
本発明を実施するための組成物は、例えば、500mg/kg〜2000mg/kgの量にて、光線療法処置と同時にまたは光線療法治療に引き続いて投与され得る。この投与は、繰り返されてもよい。
上記の本発明の全ての局面は、この治療方法に適合し、そして、本発明のこの他の主題の一部となる。
他の利点についても、以下の実施例を読み取ることによって当業者に対して明らかになり得る。
〔実施例〕
実施例1:抗A抗体および抗B抗体を減少させたIgG組成物の調製
40g/l IgG濃縮物(B2)の試料を、WO02/092632に記載された方法を実施することによって取得する。
長さ50cm、直径44mmのクロマトグラフィーカラムを、血液型Aのエピトープおよび血液型Bのエピトープに対応する三糖類を用いてグラフトされたGlycosorb ABO担体の混合物(50/50(v/v))で満たし、そして、その後、1200mlの水による前洗浄工程に供する。
IgG濃縮物B2を、ポンプを用いて、担体1mlに対して0.2lの割合で注入する。この量をカラムを介して浸透させた時点で、カラムのデッド・ボリュームに存在しているIgGを回収するために、カラムを、注射可能な調製(IPP)のための最小限の体積の水によって洗浄する。
AcaA、AcaBおよび多反応性のIgGを減少させた、およそ40g/lのIgG濃縮物B3を回収し、そして濃度が60g/lとなるように限外ろ過に供し、そして、順番に配置された100、50および20nmの減少する保持閾値を有する3つのフィルターにおいて、ウイルス排出ナノろ過に供した。
60g/lのIgG濃縮物に、7g/lのグリシン、30g/lのマンニトールおよび20ppmのTween□ 80の混合物からなる安定化賦形剤を溶解し、その後、水IPP法によって、IgG濃度を50g/lに調整する。その後、濃縮物を無菌的にろ過し、そしてフラスコに分配する。
実施例2:IVIGにおける抗A/Bの定量化
1)投与の原理
1.1)ヒト赤血球の調製
血液型A Rh+、血液型B Rh+または血液型O Rh+のヒト赤血球の懸濁液を、PBS緩衝液+1%BSA(pH=7.4)において、40×106赤血球/mlの濃度に規格化する。
1.2)モノクローナル抗Dレンジの調製
PBS緩衝液(pH7.4)に対する280nmにおける光学密度(OD)のために、モノクローナル抗D(R297と称する。)の調合液を投与する。タンパク質のモル吸光係数(□)を、そのアミノ酸組成物について計算し、そしてモノクローナル抗Dの濃度(C)を、式C=OD/□に、1=ODを測定するための容器の幅を適用することによって求める。
0〜200ng/mの範囲の抗Dモノクローナル抗体を、12点(200ng/ml;150ng/ml;100ng/ml;75ng/ml;50ng/ml;25ng/ml;12.5ng/ml;6.25ng/ml;3.13ng/ml;1.56ng/ml;0.78ng/mlおよび0ng/ml)にて作製する。
1.3)免疫グロブリン溶液の調製
市販の異なる静脈注射用免疫グロブリンを調査した。これらの免疫グロブリンの主な特徴を、以下の表に列挙する。
Figure 2016041754
免疫グロブリンの異なる調合液を、PBS緩衝液+1%BSA(pH=7.4)を用いて、1mg/mlの濃度に調整する。
1.4)赤血球の感作
丸底マイクロプレートにおいて、以下をウェル中に沈殿させる:
− 40×106赤血球/mlの濃度の赤血球A Rh+、B Rh+またはO Rh+の50μl懸濁液、
− 50μlの抗Dレンジまたは解析すべき50μlの試料(IgIV)。当該解析すべき試料を、三つ組み(triplicate)にて加える。
プレートを、その後、振とうしながら、37℃にて2時間インキュベートする。
1.5)洗浄
プレートを770gにて1分間遠心する。反転させて上清を分離し、そしてその後、200μlのPBS+1%BSAを各ウェルに加える。この操作を3回繰り返す。
1.6)複合体(conjugate)の添加および洗浄
フィコエリスリン(PE)を用いて標識した(Fc特異的な)抗ヒトIgGヤギのF(ab’)2(Beckman Coulter ref: PN IM0550)を、PBS緩衝液+1%BSA(pH=7.4)において1/20に希釈し、そしてその後、50μlの溶液を各ウェルに加える。プレートを、その後、遮光して、室温にて、20〜30分間インキュベートする。段落1−5)に記載したように、3回の連続的な洗浄を行う。
1.7)フローサイトメトリーを用いた解析
赤血球懸濁液を、適切なプログラムに従って、フローサイトメトリー(Beckman Coulter FC500)によって解析する。
50,000事象に対して解析が行われ、そして、装置は、各範囲地点または各試料の平均蛍光強度(MFI)を自動的に算出する。
1.8)結果の解釈
MFIは、抗Dモノクローナル抗体の濃度に従って報告され、そして直線回帰方程式がエクセルソフトウェアを用いて取得される。その後、この直線回帰放擲式を用いて、各試料に関して、抗D抗体の当量濃度が取得される。試料は三つ組みにて分析され、濃度の平均が算出され、そしてエクセルソフトウェアによって変動係数が計算される。
2)結果:
2.1)抗A抗体濃度
Figure 2016041754
2.2)抗B抗体の濃度
Figure 2016041754
3)結論:
親和性工程は、実際、抗A抗体および抗B抗体の排除に役立つ。市場に存在している研究されている異なる免疫グロブリンの中で、IgNG2は、わずかな抗A抗体および抗B抗体を含有している製品である。
実施例3:実施例1にて得られたIgG B濃縮物中の抗Aおよび抗Bの定量化
血液型Aの赤血球の1%(v/v)懸濁液を、1重量%のウシ血清アルブミンBSAを含有しているPBS緩衝液(pH7.4)において調製する。50μlの赤血球の懸濁液を取り、そして、流量を測定する50μlの内部マーカー溶液と一緒に、Beckmann Coulter Epics XLフローサイトメーター用のチューブに入れる。懸濁液を40.106赤血球/mlに調整する。
実施例1にて得られたIgG濃縮物(v/v)(B3)、30g/lである最も濃縮されたバッチおよび0.234g/lにて最も希釈されたバッチの内の2つの要素によって、IgG溶液の8つのバッチを、連続的な希釈によって調製する。次いで、50μlの体積の懸濁液を96ウェルマイクロプレートの各ウェルに加え、そして、その後、希釈された50μlの異なるIgG溶液を加える。全体を、振とうさせながら、37℃の温度にて2時間インキュベートする。
各ウェルを、その後、先のBSAをいくらか含有しているPBS緩衝液を200μl用いて洗浄し、そしてマイクロプレートを2000回転/分にて1分間遠心分離する。上清を除去した後に、フィコエリスリン蛍光色素(Beckman-Coulter)を用いて標識した抗ヒトIgGヤギF(ab’)2抗体をPBS−BSAを用いて1/20に希釈した50μlの溶液を、各ウェルに加える。
全体のインキュベーションを、遮光して30分間実施する。
このようにして得られた懸濁液は、その後、上述したように洗浄される。
各ウェルの残留物を100μlのPBS−BSAによって回収する。マイクロプレートの各ウェルに含まれている体積をチューブに移し、次いで、アイソフローダクト(Coulter)からの500μlの液体を、その後添加し、そしてデータ収集ソフトウェアおよび結果を利用するためのソフトソフトウェアを備えているBeckman Coulter Epics XL装置を用いて実施するフローサイトメトリーに供する。フローサイトメトリー測定を各試料に関して行う。
同じ手順を、血液型B由来の赤血球を用いて行う。
この操作様式を、IgG(B3)の3つの異なるバッチに関して用い、そしてコーン法(前に掲載した)に従ったエタノール分画によって調製されたIgG(B1)の3つの異なるバッチに対しても適用する。
得られた結果を以下の表3に示す。
Figure 2016041754
実施例4:赤血球の溶血の測定
パパイン処理した血液型A,B、ABまたはOの赤血球の1%(v/v)懸濁液を調製し、そして、その後、10個の赤血球を取得するために、マラッセ細胞において数を数える。100μCiの51Cr(1体積の赤血球あたり1体積)を加える。全体を1時間インキュベートし、そして放射性標識した赤血球を、その後、5回洗浄する。
放射性標識した赤血球を、その後、100μlの体積における5.106個の放射性標識赤血球に対して1.2mg/mlの濃度にて、実施例1にて得られたIgG濃縮物(B2)の試料と接触させる。
100μlの血液型ABの正常な血清の前述の1つと同一の体積を、その後、残留物の種々の要素を添加するために、前述の混合物に対して添加する。
得られた反応混合物を、その後、37℃の温度にて4時間インキュベートする。
反応混合物を、その後、2000回転/分にて、1分間遠心分離し、そして、適切な市販の利用できる装置を用いて、インキュベートした上清の放射活性を測定する。溶液の測定された放射活性は、処理された赤血球の溶血の程度に比例し、従って、抗A抗体含有量および抗B抗体含有量に比例する。同一の手順を、全てRh+である血液型B、ABおよびOの赤血球、および血液型O+の血清の試料に関して行う。この操作を、IgG(B2)の3つの異なるバッチに関して用いる。さらに、上記方法を、C2〜C4の名称であるIgG濃縮物の市販の試料の3つのバッチ、および陰性対照としてインキュベートした血液型O+の血清の試料C5に対して適用する。
溶液の測定された放射活性は、処理された赤血球の溶血の程度に比例し、従って、赤血球に対して固定された抗A抗体および抗B抗体の量と比例する。
得られた溶血の結果を、以下の表4に示す。
Figure 2016041754
得られた結果は、本発明に係る親和性クロマトグラフィーに供したIgG濃縮物Bが、異なる血液型由来の赤血球の溶血の程度を最も低くする、最も少ない量のAcaAおよびAcaBを含有していることを示す。陰性対照としてインキュベートした表現型O+の赤血球に関して、溶血は観察されない。
実施例5:IgG濃縮物B2(免疫親和性クロマトグラフィー前)およびこのクロマトグラフィー後の、実施例1に記載の(IgG濃縮物B3)の多反応性の測定
これらのIgG濃縮物の多反応性を、多反応性のIgGに対して反応する2つの抗原を用いて、特許EP1 059 088に従って測定する。これらは、ミオシンおよびジニトロフェニル基によって改変されたアルブミン(DNPアルブミン)である。
表5は、実施例3の試料B2、B3およびC4、並びに参照として任意に1で固定したIgG含有物の多反応性のIgGの濃縮係数を示す。
これらの測定を、考慮されたIgG濃縮物の3つの異なるバッチにおいて行った。
Figure 2016041754
結果は、本発明のIgG濃縮物B3は、従来技術のC4の濃縮物よりも多反応性のIgGの含有量が5〜8倍少ないことを示唆している。
実施例6:IgG濃縮物(B1)と、AcaA、AcaBおよび多反応性のIgGを減少させたIgG濃縮物(B3)との有効性に対する比較例
研究は、本発明に係るIgG濃縮物の免疫調整活性を評価する目的で処理されたFc□RI受容体およびFc□RIII受容体を欠損するマウスに関する。これらの動物は、血小板減少性紫斑病のためのモデルとなる。コーン法に従ったエタノール分画によって取得されたIgG濃縮物(B1)が、参照として用いられる。
Teeling J.L.ら(Blood, 15/08/2001, vol. 98, number 4, pp. 1095-1099 [10])によって記載された実験のプロトコルが適用される。1g/kgの治療学的な投与量にて、IgG B1およびB3を用いて処理した動物において、抗血小板モノクローナルIgGの注入によって9.108/mlから2.108/mlのレベルに破壊された血小板が、再び、7.108/mlに上昇する。
本発明に係るIgG濃縮物B3の免疫調整活性は、免疫親和性クロマトグラフィーの使用によって改変されなかった。
実施例7:実施の例
投与されるべき投与量および治療に対する寛容の評価。
本発明を実施するためのIgG組成物、例えば、B3組成物または市場で入手できる他のIgG組成物を、ABO溶血性疾患、すなわち、高ビリルビン血症で、直接新生児抗グロビン試験(直接クームス試験)が陽性であり、且つ高網状赤血球数(10%以上)である症状に罹患している新生児、すなわち、28日齢に満たない男児および女児に対して投与する。
患者の除外基準は、IgAの欠如、抗IgE/IgG抗体の存在、4mg以上の臍帯におけるビリルビンレベルを有する出産に対する交換輸血の指示、胎児胎盤浮腫(胎児水腫)、心不全、および母体IVIGの出産前治療および/または子宮の輸血における出産前治療である。
治療プロトコルは、500mg/kgおよび2000mg/kgにおけるIgGの投与(n=約10)の投与のみ、または反復可能な光線療法との組合せである。
一次評価基準は、交換輸血の必要性であり、そして、血清中のビリルビンの合計レベルを、組成物の第1回目の投与後3日目に測定する。
主な2次評価基準は、光線療法の合計の継続期間、入院期間の継続期間、分娩後第27日目における後期貧血(late anemia)の発症、および免疫グロブリン組成物の第1回目の投与後24時間目の血清における総ビリルビンレベルである。
結果の比較分析をカプラン・マイアー法を用いて実行する。
停止基準は、高ビリルビン血症に関する小児科の小委員会の米国学会による臨床業務の指示(the directives of the clinical practices of the American Academy of Paediatric Subcommittee on Hyperbilirubinemia)(Paediatrics. 2004 July; 114(1): 297-316)に基づく交換輸血の開始である。
公知の試験の1つによってビリルビンレベルを測定し、患者の回復における変化をモニターする。
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Claims (18)

  1. ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸の治療またはABO不適合によって引き起こされる新生児の溶血性の疾患の治療のための医薬としての、間接クームス試験(ヨーロッパ薬局方の方法2.6.20)に対する陰性の結果に基づく抗A抗体の抗体価および抗B抗体の抗体価をそれぞれ含有していることを特徴とする治療学的な使用のための免疫グロブリンG(IgG)組成物。
  2. 上記間接クームス試験に対する陰性の結果に基づく上記抗A抗体の抗体価および上記抗B抗体の抗体価が、希釈度の逆数(“自然数として与えられた結果(希釈比の分母)”)で、それぞれ、64であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 上記間接クームス試験に対する陰性の結果に基づく上記抗A抗体の抗体価および上記抗B抗体の抗体価が、希釈度の逆数(“自然数として与えられた結果(希釈比の分母)”)で、それぞれ、0〜8であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. 上記間接クームス試験は、30g/lに調整された初期濃度を有しているIgG溶液を用いて行われることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の組成物。
  5. 残留している多反応性のIgGの含有量が、IgGの総含有量に対して0.01%〜0.1%であることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の組成物。
  6. 安定化剤をさらに含有していることを特徴とする、請求項1から5の何れか1項に記載の組成物。
  7. 上記安定化剤は、糖アルコール、好ましくはマンニトールまたはソルビトール、グリシンおよび非イオン性の界面活性剤の混合物であることを特徴とする、請求項1から6の何れか1項に記載の組成物。
  8. 静脈内に注射可能であることを特徴とする、請求項1から7の何れか1項に記載の組成物。
  9. 以下の工程を包含している方法によって取得されることを特徴とする、請求項1から8の何れか1項に記載の組成物:
    a)ウイルスを不活性化する工程を含んでいる、エタノール分画および/またはクロマトグラフ分離によってIgG濃縮物を調製する工程、
    b)担体の混合物、すなわち血液型AおよびBに免疫原性が類似したオリゴ糖基を用いてグラフトされた充填材における上記IgG濃縮物の透過によって、免疫親和性クロマトグラフィーを行う工程、および
    c)ウイルスおよび/または20nmよりも大きい粒子を排除ろ過する工程。
  10. 上記方法の工程a)が、血漿またはIgGを豊富に含む血漿の画分を用いた脂質混入物の沈殿による前精製、アルカリpHにて行われる陰イオン交換樹脂担体における一回のクロマトグラフィー、およびpH4〜7の適切な緩衝液を用いた1工程におけるIgGの選択的な溶出を含んでいることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
  11. 上記方法の上記オリゴ糖基は、血液型AおよびBのエピトープに対応する三糖類であることを特徴とする、請求項9または10に記載の組成物。
  12. 上記方法の上記ウイルスを不活性化する工程は、溶媒/界面活性剤によって実施されることを特徴とする、請求項8から11の何れか1項に記載の組成物。
  13. 血液型Aに抗原性が類似している基がグラフトされた担体および血液型Bに抗原性が類似している基がグラフトされた担体の上記混合物は、上記各担体が、それぞれ、25/75〜75/25(v/v)、好ましくは、50/50(v/v)の割合であることを特徴とする、請求項8から12の何れか1項に記載の組成物。
  14. 上記方法は、限外ろ過および滅菌ろ過によって濃縮する工程を包含していることを特徴とする、請求項8から13の何れか1項に記載の組成物。
  15. 上記滅菌ろ過は、ナノろ過によって行われることを特徴とする、請求項14に記載の組成物。
  16. 上記方法は、工程c)の後に、上記IgG濃縮物に対して、保存安定化剤を添加する工程を包含していることを特徴とする、請求項9から15の何れか1項に記載の組成物。
  17. ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸の治療が意図された医薬を製造するための、請求項1から16の何れか1項に記載の組成物の使用。
  18. ABO式血液型に関する母体−胎児不適合によって引き起こされる新生児の黄疸またはABO新生児溶血性疾患を治療する方法であって、
    請求項1から17の何れか1項に記載のIgG組成物を、これを必要とする人に対して投与する工程を含んでいることを特徴とする方法。
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