JP2016040157A - 気球格納箱、気球運搬装置、及び係留気球を放球する方法 - Google Patents

気球格納箱、気球運搬装置、及び係留気球を放球する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】屋外で気球にガスが充填可能であり、且つアンカ等により地面に係留索を直接固定することなく、気球を係留可能な装置を提供する。【解決手段】本発明に係る気球格納箱3は、気球90を係留する気球係留装置80と、気球係留装置80が配置された底面と、下辺が底面の周囲に沿って配置された側面41〜43と、側面41〜43の下辺と対向する上辺に接するように配置された上面51〜53と、側面41〜43の少なくとも一部を、対向する側面との間の距離を広げるように移動する側面移動機構60〜63と、上面51〜53の少なくとも一部を開閉させるように側面41〜43に回転させる上面移動機構とを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、気球格納箱、気球運搬装置、及び係留気球を放球する方法に関する。
災害等で基地局の動作が停止した場合、動作を停止した基地局がカバーしていたエリアでは、携帯電話等の携帯端末の通信ができなくなる通信障害が発生する。通信障害が発生した場合に、動作を停止した基地局を早急に回復して通信障害を解消することが求められる。しかしながら、基地局が倒壊した場合等、基地局の機能を早急に復旧することが困難な場合がある。
一方、気球と、気球を係留するために気球に接続された係留索とを有す係留気球が知られている。係留気球は、風力発電装置等の大型構造物を建設するときの上空の風速調査、風速及び気温等の鉛直分布の調査、及び災害時の被害状況の確認のための映像撮影等に使用されることが知られている。
特許文献1には、係留気球が記載されている。特許文献1に記載される係留気球は、気球と、気球に接続された係留索と、係留索を巻き取る気球係留装置(リール)と、リールを大地に固定するために使用される接地索及びアンカを有する。
米国特許第5065163号明細書
本願発明者は、災害等で動作を停止した基地局を早急に復旧することが困難な場合に、基地局の機能を代替する中継局を気球に搭載して、動作を停止した基地局がカバーしていたエリアの通信障害を早急に回復することを見出した。中継局を搭載した気球を約100[m]の高度まで上昇させて係留することにより、半径3[km]以上のエリアをカバーする中継局を実現することができる。
中継局を搭載した気球は、通信障害の状況に応じて迅速に移動することを求められる場合があるので、中継局を搭載した気球を牽引車両に搭載して運搬することが考えられる。中継局を搭載した気球を牽引車両に搭載して運搬することにより、通信障害の状況が生じた基地局の近辺に中継局を搭載した気球を迅速に移動させることが可能になる。
しかしながら、気球の幅が2.5mよりも長い場合、道路法に従って道路を通行することができないため、気球にヘリウムガスを充填せずに、気球を折りたたむなどして、気球の幅が2.5m以下になるようにして運搬する必要がある。牽引車での気球の運搬後に気球にヘリウムガスを充填する場合には、気球ヘのヘリウムガスの充填作業は屋外で行われるので、ヘリウムガスを充填中の気球が風を受けることにより気球の姿勢が変動し、ヘリウムガスの充填作業に支障をきたすおそれがある。
さらに、特許文献1に記載されるように、アンカにより、気球に接続された係留索を大地に固定する場合、岩が多い地面、地盤が軟弱な地面及び舗装面等のアンカを容易に打ち込めない場所では、気球を地面に係留するために何らかの対策を講じる必要がある。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、屋外で風の影響を受けないで気球にガスが充填可能であり、且つアンカ等により地面に係留索を直接固定することなく、気球を係留可能な装置を提供することを目的とする。
上記目的を実現するため、本発明に係る気球格納箱は、気球を係留する係留装置と、係留装置が配置された底面と、下辺が底面の周囲に沿って配置された側面と、側面の下辺と対向する上辺に接するように配置された上面と、側面の少なくとも一部を、対向する側面との間の距離を広げるように移動する側面移動機構と、上面の少なくとも一部を開閉させるように側面に回転させる上面移動機構とを有する。
また、本発明に係る気球格納箱では、底面は、方形であり、側面移動機構は、底面の第1辺に沿って配置された第1側面と、第1辺に対向する第2辺に沿って配置された第2側面とを移動することが好ましい。
また、本発明に係る気球格納箱では、側面移動機構は、底面の第1辺の頂点から第2辺の頂点に延伸する第3辺に沿って配置された第3側面を更に移動することが好ましい。
本発明に係る気球運搬装置では、気球を係留する気球係留装置と、気球係留装置が配置された底面と、下辺が底面の周囲に沿って配置された側面と、側面の下辺と対向する上辺に接するように配置された上面と、側面の少なくとも一部を、対向する側面との間の距離を広げるように移動する側面移動機構と上面の一辺を軸として上面を回転する上面回転機構を有する気球格納箱と、気球格納箱を搭載する車両とを有する。
本発明に係る気球運搬装置は、気球の運搬時は底面の平面形状は長方形であり、底面の幅は2.5m以下であることが好ましい。
また、本発明に係る係留気球を放球する方法は、気球を係留する気球係留装置が配置される底面と、下辺が底面の周囲に沿って配置され且つ少なくとも一部を、対向する側面との間の距離を広げるように移動可能な側面と、側面の下辺と対向する上辺に接するように配置され且つ一辺を軸として回転可能な上面と、を有する気球格納箱に格納されている係留気球を放球する方法であって、側面の移動可能な部分を、対向する側面との間の距離を広げるように移動し、気球格納箱の上面に開口部を形成するように、上面を回転して移動させ、係留気球にガスを充填し、ガスが充填された係留気球を上面の開口部から放球し、係留気球を放球した後に、側面の移動可能な部分を底面の周囲に沿う移動前の元の位置に移動させる、ことを含む。
本発明によれば、屋外で風に影響されることなく気球にガスを充填することができると共に、アンカ等により地面に係留索を直接固定することなく、気球を係留することが可能になった。
実施形態に係る気球運搬装置の斜視図である。 (a)は図1のA−A´線に沿う断面図であり、(b)は図1のB−B´線に沿う断面図である。 図2(b)に示す第1側面移動機構の斜視図である。 図2(b)に示す第1上面移動機構の動作を説明する側面図であり、(a)は第1上面移動機構が第1上面を回転する前の状態を示す図であり、(b)は第1上面移動機構が第1上面を回転した後の状態を示す図である。 気球を放球中の気球運搬装置の斜視図である。 気球運搬装置における気球を放球するときの動作を示す右側方向からの概略断面図であり、(a)は第1の動作を示し、(b)は第2の動作を示し、(c)は第3の動作を示し、(d)は第4の動作を示し、(e)は第5の動作を示し、(f)は第6の動作を示し、(g)は第7の動作を示し、(h)は第8の動作を示し、(i)は第9の動作を示す。 気球運搬装置における気球を放球するときの動作を示す後方からの概略断面図であり、(a)は第1の動作を示し、(b)は第2の動作を示し、(c)は第3の動作を示し、(d)は第4の動作を示し、(e)は第5の動作を示し、(f)は第6の動作を示し、(g)は第7の動作を示し、(h)は第8の動作を示し、(i)は第9の動作を示す。 気球運搬装置における気球を放球するときの動作を示す概略平面図であり、(a)は第1の動作を示し、(b)は第2の動作を示し、(c)は第3の動作を示し、(d)は第4の動作を示し、(e)は第5の動作を示し、(f)は第6の動作を示し、(g)は第7の動作を示し、(h)は第8の動作を示し、(i)は第9の動作を示す。
以下の図面を参照して、本発明に係る気球格納箱、気球運搬装置、及び係留気球を放球する方法について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明との均等物に及ぶ点に留意されたい。
実施形態に係る気球格納箱は、底面の周囲に沿って配置され且つ少なくとも一部が外側に向けて移動可能な側面を有する。実施形態に係る気球格納箱は、内部に格納された気球にヘリウムガスを充填するときに、側面の移動可能な部分を外側に移動させ、対向する側面との間の距離を広げることにより、ヘリウムガスが充填された気球を格納可能なように、気球格納箱の容積を増大させる。側面に囲まれた気球格納箱の内部で気球を充填させることにより、ヘリウムガスの充填中に風の影響で気球の姿勢が変動することを防止できる。
図1は、気球格納箱を搭載した気球運搬装置の斜視図である。
気球運搬装置1は、貨物車両2と、貨物車両2に搭載された気球格納箱3とを有する。貨物車両2は、キャビンとも称される乗員室21と、乗員室21の後方に配置される荷台22とを有する。貨物車両2の幅は、道路法に従って道路を通行することができるように、2.5メートル以下である。
図2(a)は図1のA−A´線に沿う断面図であり、図2(b)は図1のB−B´線に沿う断面図である。
気球格納箱3は、長方形の底面30と、下辺が底面30の周囲に沿って配置された側面40と、側面の上辺に接するように配置された上面50とを有する。気球格納箱3は、側面の一部を底面30の周囲から外周に向けて移動する側面移動機構60と、上面50の一辺を軸として上面50を回転する上面移動機構70とを有する。底面30の表面には気球係留装置80が固定され、気球係留装置80の上面には、ヘリウムガスがほとんど充填されていない気球90が配置される。
気球格納箱3の幅は、貨物車両2の幅以下である。すなわち、気球格納箱3の幅は、2.5メートル以下である。気球格納箱3の幅を2.5メートル以下にすることにより、貨物車両2は、気球格納箱3を搭載した状態で、道路法に従って道路を通行することができる。
側面40は、乗員室21から後方に向かって延伸する底面30の第1辺から上方に延伸する方形の第1側面41と、底面30の第1辺と対向する第2辺から上方に延伸する方形の第2側面42とを有する。側面40は、底面30の第1辺の後方の頂点から第2辺の後方の頂点に延伸する第3辺から上方に延伸する方形の第3側面43と、底面30の第1辺の前方の頂点から第2辺の前方の頂点に延伸する第4辺から上方に延伸する方形の第4側面44とを更に有する。
上面50は、第1側面41の上辺から第1側面41に垂直の方向に延伸する第1上面51と、第2側面42の上辺から第2側面42に垂直の方向に延伸する第2上面52と、第3側面43の上辺から第3側面43に垂直の方向に延伸する第3上面53とを有する。第1上面51及び第2上面52は、互いの先端部が重なるように配置され、第3上面53は、第1上面51及び第2上面52の下方に位置するよう配置される。
側面移動機構60は、第1側面41を移動する第1側面移動機構61と、第2側面42を移動する第2側面移動機構62と、第3側面43を移動する第3側面移動機構63とを有する。
図3は、第1側面移動機構61の斜視図である。図3は第1側面移動機構61の構成の一例を示すものであり、第1側面移動機構61の構成は図3に示す構成に限定されるものではない。第2側面移動機構62及び第3側面移動機構63のそれぞれは、第1側面移動機構61と同様の構成及び機能を有するので、第2側面移動機構62及び第3側面移動機構63の詳細な説明は省略する。
第1側面移動機構61は、第1腕部611〜第3腕部613と、ラック614と、ピニオン615と、駆動部616とを有する。第1腕部611〜第3腕部613及びラック614のそれぞれは、一端が第1側面41に接合される。ピニオン615は、ラック614に嵌合され、駆動部616の回転に応じて、ピニオン615に接合された第1側面41を移動する。駆動部616は、不図示の電源から電源供給されるモータ及び減速機を有し、第1側面41を移動することを示す第1側面移動指示を受けると、回転を開始し、所定の時間が経過した後に回転を停止する。第1側面移動機構61のラック614、ピニオン615及び駆動部616は、リニアヘッドとも称される一体型の直線移動機構としてもよい。
第1側面移動機構61は、第1側面41を、前方から後方に向かって延伸する底面30の第1辺から外側に向けて移動する。第2側面移動機構62は、第1側面41を底面30の第1辺と対向する第2辺から外側に向けて移動する。第2側面移動機構62は、第1側面41を底面30の第1辺と対向する第2辺から外側に向けて移動する。第3側面移動機構63は、底面30の第1辺の後方の頂点から第2辺の後方の頂点に延伸する第3辺から外側に向けて移動する。
上面移動機構70は、第1上面51を回転させる第1上面移動機構71と、第2上面52を回転させる第2上面移動機構72と、第3上面53を回転させる第3上面移動機構73とを有する。
図4は第1上面移動機構71の動作を説明する側面図であり、図4(a)は第1上面移動機構71が第1上面51を回転する前の状態を示す図であり、図4(b)は第1上面移動機構71が第1上面51を回転した後の状態を示す図である。図4は第1上面移動機構71の構成の一例を示すものであり、第1上面移動機構71の構成は図4に示す構成に限定されるものではない。第2上面移動機構72及び第3上面移動機構73のそれぞれは、第1上面移動機構71と同様の構成及び機能を有するので、第2上面移動機構72及び第3上面移動機構73の詳細な説明は省略する。
第1上面移動機構71は、回転部711と、駆動部712とを有する。回転部711は、第1側面41と、第1上面51とを接続する。駆動部712は、コボレーンとも称される電導回転機構であり、不図示の電源から電源供給されるモータ及び減速機で形成される。駆動部712が回転部711を回転することにより、第1側面41に接続された第1上面51が回転して、水平方向に延伸するように配置されていた第1上面51は、鉛直方向に延伸するように移動する。
底面30に固定された気球係留装置80は、電動のウインチを有し、ヘリウムガスが十分に充填されて上昇可能になった気球90を係留する。係留索の他端に接続されるウインチから主係留索が巻き出されるとき、ヘリウムガスが充填された気球90はウインチからの係留索の巻出量に応じて空中に上昇し、ウインチから主係留索が巻き取られるとき、気球90は巻取量に応じて空中から下降する。気球90を気球係留装置80は、気球格納箱3の底面30に固定されているので、アンカ等により地面に係留索を直接固定する必要はない。
気球90は、合成繊維等の堅固、軽量且つ風を通さない材料で形成される外袋と、ヘリウムガスが充填されるヘリウム収納袋とを有する。気球90は、ヘリウム収納袋及び空気収納袋と外袋との二重構造となっているので、外袋は、ガスバリア性を有する材料で形成される必要はない。尚、気球90は本構成の一例を示すものであり、ヘリウム収納袋だけで構成される気球でも可能であり、その構成に限定されるものではない。
図5は、気球90を放球中の気球運搬装置1の斜視図である。
気球90は、第1係留索910〜第3係留索912と、第1係留索910〜第3係留索912に結節点914を介して接続される主係留索913とにより、気球係留装置80に係留される。気球運搬装置1では、気球90を放球する前に、第1側面移動機構61〜第3側面移動機構63のそれぞれが第1側面41〜第3側面43のそれぞれを移動する。また、気球90を放球する前に、第1上面移動機構71〜第3上面移動機構73のそれぞれが第1上面51〜第3上面53のそれぞれを回転して、第1側面41〜第3側面43に対向する位置に移動する。第1側面41〜第3側面43を底面30の周囲から外側に向けて移動して対向する側面との間の距離を広げることにより、気球格納箱3の容積が大きくなり、ヘリウムガスが充填された気球90を収納することができる容積を気球格納箱3が確保可能になる。気球格納箱3は、第1上面51〜第3上面53を第1側面41〜第3側面43に対向する位置に回転することにより、気球90を係留する気球係留装置80が配置される底面30の上方に、気球90が放球可能な開口部を確保することができる。
図6〜8は、気球運搬装置1における気球90を放球するときの動作を示す概略図である。図6は右側方向からの気球運搬装置1の断面図であり、図7は後方からの気球運搬装置1の断面図であり、図7は後方からの気球運搬装置1の平面図である。図6(a)、7(a)及び8(a)は第1の状態を示し、図6(b)、7(b)及び8(b)は第1の状態に続く第2の状態を示す。以下同様に、図6(c)〜6(h)、7(c)〜7(h)及び8(c)〜8(h)のそれぞれは前の状態に続く状態を示し、図6(i)、7(i)及び8(i)は第8の状態に続く第9の状態を示す。
まず、気球運搬装置1は、所望の係留点に停車される(図6(a)、7(a)及び8(a)を参照)。ここでは、貨物車両2により運搬されるために気球格納箱3の側面40は、底面30の周囲に沿って配置され、上面50は底面30に対向する位置に配置されている。気球格納箱3に格納されている気球90はヘリウムガスが充填されていない。なお、気球90を迅速に放球するために、気球90は、気球格納箱3に格納可能な大きさになる程度にヘリウムガスが充填されていてもよい。
次いで、側面移動機構60は、側面40を底面30の周囲から外側に向けて移動して、対向する側面との間の距離を広げる(図6(b)、7(b)及び8(b)を参照)。第1側面移動機構61は第1側面41を底面30の端部から外側に移動し、第2側面移動機構62は第2側面42を底面30の端部から外側に移動し、第3側面移動機構63は第3側面43を底面30の端部から外側に移動する。第1側面移動機構61〜第3側面移動機構63のそれぞれが第1側面41〜第3側面43のそれぞれを底面30の周囲から外側に向けて移動することにより、気球格納箱3の容積は第1側面41〜第3側面43が移動する前よりも大きくなる。気球格納箱3の容積が気球の大きさに応じて大きくなることにより、気球90は、気球格納箱3の内部でヘリウムガスを充填することが可能になる。
次いで、上面移動機構70は、上面50の一辺を軸として上面50を回転して上面50が側面40に対向する位置となるように移動する(図6(c)、7(c)及び8(c)を参照)。第1上面移動機構71は第1側面41と接する第1上面51の辺を軸として第1上面51を回転し、第2上面移動機構72は第2側面42と接する第2上面52の辺を軸として第2上面52を回転する。第3上面移動機構73は、第3側面43と接する第3上面53の辺を軸として第3上面53を回転する。第1上面移動機構71〜第3上面移動機構73のそれぞれは、第1上面51〜第3上面53のそれぞれを回転して、第1上面51〜第3上面53のそれぞれを第1側面41〜第3側面43のそれぞれと対向する位置に移動する。第1上面51〜第3上面53のそれぞれを回転することにより、気球格納箱3の底面30の上方には開口部が形成される。気球格納箱3の底面30の上方には開口部が形成されることにより、気球格納箱3の内部でヘリウムガスが充填された気球90は、気球格納箱3の外部に移動されることなく、気球格納箱3の内部から放球されることが可能になる。
次いで、気球90は、不図示のガス貯蔵容器に貯蔵されたヘリウムガスが充填される(図6(d)、7(d)及び8(d)を参照)。ヘリウムガスが充填された気球90は、気球係留装置80から係留索が巻き出されるまで気球格納箱3の内部で保持される。
次いで、気球90は、放球され、上昇する(図6(e)、7(e)及び8(e)を参照)。気球係留装置80がウインチから主係留索913が巻き出すに従って、気球90は上昇する。気球90の高さが所望の高さになると、気球係留装置80は主係留索913の巻き出しを終了する。
次いで、側面移動機構60は、底面30の周囲の外側に配置された側面40を底面30の周囲に向けて移動する(図6(f)、7(f)及び8(f)を参照)。第1側面移動機構61は第1側面41を底面30の端部に移動し、第2側面移動機構62は第2側面42を底面30の端部に移動し、第3側面移動機構63は第3側面43を底面30の端部に移動する。側面40を底面30の周囲に位置させることにより、側面が元の位置に戻り、気球格納箱の内部に側面からの風を受けることがない。また、気球格納箱の内部に側面から人々が侵入することを防止できる。気球90が放球されている間、側面40は、索底面30の周囲に沿って配置される(図6(g)、7(g)及び8(g)を参照)。
次いで、放球されている気球90を収容するために、側面移動機構60は、側面40を底面30の周囲から外側に向けて移動する(図6(h)、7(h)及び8(h)を参照)。第1側面移動機構61は第1側面41を底面30の端部から外側に移動し、第2側面移動機構62は第2側面42を底面30の端部から外側に移動し、第3側面移動機構63は第3側面43を底面30の端部から外側に移動する。
そして、気球90は、降下して、収容される(図6(i)、7(i)及び8(i)を参照)。気球係留装置80がウインチに主係留索913を巻き取るに従って、気球90は降下する。気球90を格納位置まで降下させると、気球係留装置80は主係留索913の巻き取りを終了する。
実施形態に係る気球格納箱3は、側面40を底面30の周囲から外側に向けて移動する側面移動機構60を有するので、気球格納箱3の内部で気球90にヘリウムガスを充填することが可能になる。気球格納箱3の内部で気球90にヘリウムガスを充填することができるので、ヘリウムガスを充填中の気球90は風の影響を抑制することができ、気球90の姿勢が変動することによりヘリウムガスの充填作業に支障をきたすおそれは低い。また、気球90は、底面30に固定された気球係留装置80によって係留されるので、アンカ等により地面に係留索を直接固定する必要はない。
また、実施形態に係る気球格納箱3は、上面50の一辺を軸として上面50を回転して上面50が側面40に対向する位置となるように移動にする上面移動機構70を有するので、気球格納箱3の底面30の上方には開口部が形成される。気球格納箱3の底面30の上方には開口部が形成されることにより、気球格納箱3の内部でヘリウムガスが充填された気球90は、気球格納箱3の外部に移動することなく、気球90を気球格納箱3の内部から放球することが可能になる。
また、実施形態に係る気球格納箱3では、気球90の放球中は、側面40を元の位置に戻すことで、気球格納箱の内部に側面からの風を受けることがない。また、気球格納箱の内部に側面から人々が侵入することを防止できる。
また、実施形態に係る気球運搬装置1は、気球格納箱3と、気球格納箱3を搭載する貨物車両2とを有するので、気球運搬装置1は、気球90を所望の場所に運搬可能であると共に、運搬先で迅速に気球90を放球することができる。
また、実施形態に係る気球運搬装置1では、貨物車両2の幅及び気球格納箱3の幅が2.5メートル以下であるので、貨物車両2は、気球格納箱3を搭載した状態で、道路法に従って道路を通行することができる。
実施形態に係る気球格納箱3は、第1側面41、第2側面42及び第3側面43の3つの側面が移動可能であるが、1つ又は2つの側面が移動可能な構造としてもよく、4つの側面全てを移動可能にしてもよい。例えば、気球格納箱3の長さが、ヘリウムガスが充填された気球90の直径よりも長い場合、第3側面43は移動可能にしなくてもよい。また、また、第1側面41又は第2側面42の何れかが移動可能な構造にしてもよい。気球格納箱3の底面30は方形であるが、円形、三角形等の他の形状としてもよい。また、気球格納箱3は、貨物車両2に搭載されていなくてもよい。
また、実施形態に係る気球格納箱3では、第1上面51、第2上面52及び第3上面53の3つの上面が回転可能であるが、1つ又は2つの側面が回転可能な構造としてもよく、上面50を回転可能な構造にしなくてもよい。
また、実施形態に係る気球格納箱3では、側面40を底面30の周囲から外側に移動したとき、第1側面41と第3側面43との間、第1側面41と第4側面44との間、第2側面42と第3側面43との間、第2側面42と第4側面44との間に空隙が形成される。しかしながら、第1側面41〜第4側面44の間に形成される空隙から風が気球格納箱3の内部に侵入することを防止するために、気球格納箱は、第1側面41〜第4側面44の間に形成される空隙に配置可能な空隙用側面を更に有してもよい。気球格納箱が第1側面41〜第4側面44の間に形成される空隙に配置可能な空隙用側面を有することにより、気球格納箱3の内部に人が侵入することを防止することが可能になる。
1 気球運搬装置
2 貨物車両
3 気球格納箱
30 底面
40〜44 側面
50〜53 上面
60〜63 側面移動機構
70〜73 上面移動機構
80 気球係留装置
90 気球

Claims (6)

  1. 気球を係留する気球係留装置と、
    前記気球係留装置が配置された底面と、
    下辺が前記底面の周囲に沿って配置された側面と、
    前記側面の前記下辺と対向する上辺に接するように配置された上面と、
    前記側面の少なくとも一部を、対向する側面との間の距離を広げるように移動する側面移動機構と、
    前記上面の少なくとも一部を開閉させるように側面に回転させる上面移動機構と、
    を有することを特徴とする気球格納箱。
  2. 前記底面は、方形であり、
    前記側面移動機構は、前記底面の第1辺に沿って配置された第1側面と、前記第1辺に対向する第2辺に沿って配置された第2側面とを移動する、請求項1に記載の気球格納箱。
  3. 前記側面移動機構は、前記第1辺の頂点から前記第2辺の頂点に延伸する第3辺に沿って配置された第3側面を更に移動する、請求項2に記載の気球格納箱。
  4. 気球を係留する気球係留装置と、
    前記気球係留装置が配置された底面と、
    下辺が前記底面の周囲に沿って配置された側面と、
    前記側面の前記下辺と対向する上辺に接するように配置された上面と、
    前記側面の少なくとも一部を、対向する側面との間の距離を広げるように移動する側面移動機構と
    前記上面の少なくとも一部を開閉させるように側面に回転させる上面移動機構と、を有する気球格納箱と、
    前記気球格納箱を搭載する車両と、
    を有することを特徴とする気球運搬装置。
  5. 前記底面の平面形状は、長方形であり、前記底面の幅は2.5m以下である、請求項4に記載の気球運搬装置。
  6. 気球を係留する気球係留装置が配置される底面と、
    下辺が前記底面の周囲に沿って配置され且つ少なくとも一部を、対向する側面との間の距離を広げるように移動可能な側面と、
    前記側面の前記下辺と対向する上辺に接するように配置され且つ一辺を軸として回転可能な上面と、を有する気球格納箱に格納されている係留気球を放球する方法であって、
    前記側面の移動可能な部分を、対向する側面との間の距離を広げるように移動し、
    前記気球格納箱に開口部を形成するように、前記上面を回転して移動し、
    前記係留気球にガスを充填し、
    ガスが充填された前記係留気球を放球し、
    前記係留気球を放球した後に、前記側面の移動可能な部分を前記底面の周囲に沿う位置に移動する、
    ことを含むことを特徴とする係留気球を放球する方法。
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