JP2016037881A - 3気筒エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】3気筒エンジンにおいて、簡単な構造により、偶力及び慣性振動を抑制する。【解決手段】第1クランクピン21に対する第3クランクピン23のクランク角の位相差が360度を超えかつ480度未満の範囲で調整し、その位相差に対して第1クランクピンに対する第2クランクピンのクランク角の位相差が約半分とする。第1クランクピンに対して、第2クランクピンのクランク角の位相差が180度または540度であり、第3クランクピンのクランク角の位相差が360度である場合には、偶力は生じないが慣性振動が大きく、一方、各クランク角の位相差が240度である場合には、慣性振動は生じないが偶力が大きいという問題に対して、偶力と慣性振動とを共に改善することができる。【選択図】図4

Description

本発明は、3気筒エンジンに関し、特に、偶力及び慣性振動を抑制し得る3気筒エンジンに関するものである。
直列3気筒エンジンでは、各気筒のクランク角の位相が0度、120度、240度とし、等間隔爆発させる構成では、偶力が発生するという問題がある。上記偶力の発生に対しては、各気筒のクランク角の位相を0度、180度(または540度)、360度とする平面クランクで対応できるが、この場合には慣性振動のバランスが取れなくなるという問題が発生する。上記平面クランクにおいて、例えば、第2気筒のピストン径を大きくして、第2気筒のピストンの重量を、第1及び第3気筒のピストンの各重量の2倍にして、第2気筒の慣性力を他の気筒の倍にする対策をしたものがある(例えば特許文献1)。
上記特許文献1のものでは、第2気筒のピストン径を変えるため、シリンダブロックの加工性や、シリンダブロック及びシリンダヘッドのサイズの整合性や、ピストンの組み付け性に多大な影響を及ぼすため、エンジンの製造コストが増加するという問題があった。また、各気筒のクランク角の位相差が等間隔でなく、かつ第2気筒のピストン径を大きくすることによって気筒間で爆発力にばらつきが生じるため、特にエンジン回転数が低回転域にあるときには大きな回転変動が生じる可能性があるという問題もある。
それに対して、1番及び3番気筒は4ストロークサイクルで、2番気筒だけ2ストロークサイクルに変更し、爆発間隔を90度の等間隔としたものがある(例えば特許文献2)。
特開2001−214751号公報 特開2010−48087号公報
上記特許文献2によれば、慣性振動の悪化を抑制し得るが、2ストロークサイクルを利用すると4ストロークサイクルに比べて排気エミッションが悪化するという問題が生じる。また、構造の複雑さは解消されていない。
本発明は、以上の背景に鑑み、3気筒エンジンにおいて、簡単な構造により、偶力及び慣性振動を抑制することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、直列に配置された第1、第2及び第3気筒(14〜16)と、前記各気筒にそれぞれ配置された第1、第2及び第3ピストン(31〜33)と、前記各ピストンに対応してクランク軸(11)に設けられた第1、第2及び第3クランクピン(21〜23)と、前記各ピストンと前記各クランクピンとをそれぞれ連結する第1、第2及び第3コンロッド(34〜36)とを有する4ストロークサイクルの3気筒エンジン(1)であって、前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が360度を超えかつ480度未満であり、前記第1クランクピンに対する前記第2クランクピンのクランク角の位相差が、前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差の約半分であることを特徴とする。
上記構成では、第1クランクピンに対する第3クランクピンのクランク角の位相差を360度から増加させることによって、偶力は増加するが、第1〜第3気筒の慣性質量の釣り合いを取り、慣性振動を低下させることができる。偶力及び慣性振動が共に低い状態となるようにクランク角を設定することで、偶力及び慣性振動が小さい3気筒エンジンを実現することができる。また、第1クランクピンに対する第3クランクピンのクランク角の位相差を360度から離していくと、爆発間隔の不均一性の低減効果があり、爆発間隔の不均一性の改善に有効である。
特に、前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が390度以上450度以下であること、または、前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が405度以上435度以下であるとよい。この構成によれば、偶力と慣性振動とをバランス良く改善することができる。または、第3クランクピンのクランク角の位相差が405度以上435度以下とすることにより、より一層バランスの取れた3気筒エンジンを実現し得る。
または、直列に配置された第1、第2及び第3気筒(14〜16)と、前記各気筒にそれぞれ配置された第1、第2及び第3ピストン(31〜33)と、前記各ピストンに対応してクランク軸(11)に設けられた第1、第2及び第3クランクピン(21〜23)と、前記各ピストンと前記各クランクピンとをそれぞれ連結する第1、第2及び第3コンロッド(34〜36)とを有する4ストロークサイクルの3気筒エンジン(1)であって、前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が240度を超えかつ360度未満であり、前記第1クランクピンに対する前記第2クランクピンのクランク角の位相差が、前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差の約半分に360度を加算した値であるとよい。
この構成によれば、第1クランクピンに対する第3クランクピンのクランク角の位相差を240度から増加させることによって、慣性振動は増加するが、偶力を低下させることができる。偶力及び慣性振動が共に低い状態となるようにクランク角を設定することで、偶力及び慣性振動が小さい3気筒エンジンを実現することができる。また、第1クランクピンに対する第3クランクピンのクランク角の位相差を240度から大きく離さないようにすると、爆発間隔の不均一性の低減効果があり、爆発間隔の不均一性の改善に有効である。
特に、前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が270度以上330度以下であること、または、前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が285度以上315度以下であるとよい。この構成によれば、偶力と慣性振動とをバランス良く改善することができる。または、第3クランクピンのクランク角の位相差が285度以上315度以下とすることにより、より一層バランスの取れた3気筒エンジンを実現し得る。
また、前記第1及び前記第3気筒のクランク半径が互いに同一であり、前記第2気筒(15)のクランク半径(R)は、前記第1気筒及び前記第3気筒のクランク半径よりも長く、3倍未満であるとよい。
この構成によれば、第2気筒のクランク半径の長さを第1気筒及び第3気筒における長さの1倍よりも長く、3倍未満にすることから、第2気筒の慣性質量を増大することができる。これにより、各気筒の慣性質量が同じ場合に、第1クランクピンに対して、第2クランクピンのクランク角の位相差が180度または540度であり、第3クランクピンのクランク角の位相差が360度である場合には偶力は生じないが慣性振動が大きいという問題に対して、第2気筒の慣性質量を増大することにより、慣性振動を抑制することができる。上述した各クランクピンのクランク角の位相差の調整と、第2気筒の慣性質量の増大とを合わせることにより、より一層偶力が小さくかつ慣性振動を抑制し得るバランスの取れた3気筒エンジンを実現し得る。
特に、前記第2気筒(15)のコンプレッションハイト(CH)とコンロッド長さ(L)とクランク半径(R)とを合わせた長さと、前記第1及び前記第3気筒のコンプレッションハイトとコンロッド長さとクランク半径とを合わせた長さとが略同一に設定されているとよい。
この構成によれば、第2気筒のコンロッド長さ及びクランク半径の全長を他の気筒よりも長く設定しても、第2気筒のコンプレッションハイトを他の気筒のコンプレッションハイトに対して変えることにより、各気筒のピストン上死点の位置を揃えることができ、シリンダヘッドの形状等を変更する必要がなくなるため、大幅な設計変更や組立の煩雑さが生じることがない。
このように本発明によれば、3気筒エンジンにおいて、偶力と慣性振動とを共に改善することができる。
本発明が適用された内燃機関の模式図 内燃機関の要部を破断して示す正面図 第1気筒の位相を0度とした場合の第2及び第3気筒の位相を表す図 図3のA1−B1の線分上の各クランクピンの関係を示す図 図3のA2−B2の線分上の各クランクピンの関係を示す図 本発明と従来の平面クランクとによる偶力の比較を示す図であり、(a)はロール偶力単体を、(b)はヨー偶力単体を、(c)は偶力合成値をそれぞれ示す図 第2の実施形態を示す図2に対応する図
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明が適用された内燃機関の模式図であり、図2は内燃機関の要部を破断して示す正面図である。なお、以下の説明では、内燃機関が搭載される車両を基準として図1に示すように、前後、左右及び上下を定める。
図1及び図2に示すように、内燃機関1は直列3気筒であり、4ストロークサイクルのエンジンである。図2に示すように、内燃機関1は、本体をなすシリンダブロック2と、シリンダブロック2の上部に設けられたシリンダヘッド3と、シリンダブロック2の下部に設けられたオイルパン4と、シリンダヘッド3の上部に設けられたヘッドカバー5とを有する。シリンダブロック2の下部は下方に向けて開口したクランクケース6をなし、オイルパン4によって閉じられている。シリンダヘッド3の上部と、ヘッドカバー5との間には動弁室7が画成されている。動弁室7には動弁機構が設けられているが、公知のオーバーヘッドカムシャフトの機構を用いたものであってよく、その説明を省略する。
シリンダブロック2のクランクケース6には、クランクシャフト11が回転可能に支持されている。図における内燃機関1は、クランクシャフト11の軸線が左右方向に延在するように、車体に対して横置きに配置されている。
シリンダブロック2の、クランクシャフト11の上方に位置する部分には、図1に示すように、左側から順に、第1気筒14、第2気筒15、第3気筒16が形成されている。第1〜第3気筒14〜16は、それぞれ軸線が上下に延在し、協働してシリンダ列17を構成する。第1〜第3気筒14〜16には、それぞれの軸線方向に移動可能に第1ピストン31、第2ピストン32、第3ピストン33が受容されている。
シリンダヘッド3の下端面には、各気筒14〜16と連続する燃焼室18が凹設されている。燃焼室18は、凹状の略円錐面により形成され、燃焼室18には、動弁機構を構成する吸気バルブ7a及び排気バルブ7bにより開閉される吸気ポート3a及び排気ポート3bが開口している。また、燃焼室18の中央部には、図示省略の点火プラグの接地電極が露出している。
クランクシャフト11は、クランクケース6に複数箇所で回転可能に支持される複数のクランクジャーナル24と、隣り合うクランクジャーナル24の軸線方向端部からそれぞれ径方向に延びる各一対のクランクウェブ25と、各一対のクランクウェブ25の延出端部間に設けられかつクランクジャーナル24の軸線と平行に延在する第1〜第3クランクピン21〜23とを一体的に有する。なお、第1クランクピン21は第1気筒14に、第2クランクピン22は第2気筒15に、第3クランクピン23は第3気筒16に対応し、それぞれ対応するコンロッド34〜36を介して、各ピストン31〜33と連結されている。これにより、各ピストン31〜33の往復運動と、クランクシャフト11の回転運動とが同期して行われる。
次に、このように構成された内燃機関1における各クランクピン21〜23のクランク角の位相差について説明する。クランクシャフト11の回転方向が図1の円弧状の矢印Rcの向きであり、第1クランクピン21のクランク角の位相を0度とし、回転方向Rcにおける位相(角度)を正とする。なお、第1〜第3クランクピン21〜23の図2におけるクランクシャフト11の軸線周りの機械的角度を表す場合には0〜360度の範囲となるが、以下の説明では、4ストロークサイクルの1サイクルが720度であることから、位相を0〜720度の範囲で表す。
第1実施形態では、第1クランクピン21に対して、第2クランクピン22のクランク角の位相差が180度より大きくかつ240度未満であり、第3クランクピン23のクランク角の位相差は360度より大きくかつ480度未満となるように、第1〜第3クランクピン21〜23がそれぞれ配置されている。
この第1実施形態の各位相間隔は図3のA1及びB1を結ぶ線上となる。図3は、第1気筒14の位相(第1クランクピン21のクランク角の位相)を0度とした場合の第1気筒14に対して、第2気筒15の位相(第2クランクピン22のクランク角の位相差)θ2を縦軸に、第3気筒16の位相(第3クランクピン23のクランク角の位相差)θ3を横軸に表す図である。A1は、第1気筒14に対する第3気筒16の位相θ3が360度の位置であり、第1気筒14に対する第2気筒15の位相θ2がθ3の半分(θ3/2=180度)の位置であることを示している。また、B1は、第1気筒14に対する第3気筒16の位相θ3が480度の位置であり、第1気筒14に対する第2気筒15の位相θ2が同じくθ3の半分(θ3/2=240度)の位置であることを示している。
第3気筒16の位相θ3が360度の場合には、第1気筒14と第3気筒16との位相間隔が360度になり、図のA1、A2の位置では第2気筒15の位相が180度、540度であり、各位置A1、A2では偶力が0となる。特に、高過給エンジン等のような低回転で負荷の大きいエンジンの場合には爆発荷重の影響が大きくなるため、爆発トルクによる回転変動が大きくなる。それに対しては等間隔爆発にするとよい。図のB1、B2の位置では位相間隔が240度であり、この場合には、爆発間隔が一定になり、トルク変動・回転変動が小さくなるのと同時に慣性振動が小さくなるが、偶力が大きくなる。
図において、破線で示された大きな枠内で第2気筒15及び第3気筒16の位相を変えることにより、偶力、慣性振動、回転変動を考慮したレシプロエンジンを設定できる。さらに、実線で示された小さな枠内で第2気筒15及び第3気筒16の位相を変える場合には、慣性振動の一次成分が小さいが偶力が大となり、また爆発間隔が等間隔となる位置(B1、B2)と、偶力が0であるが慣性振動の一次成分が大きく、また不等間隔爆発となる位置(A1、A2)との間での変化となる。
また、上述したように、A1、A2の位置の場合には偶力を0とすることができるが、慣性振動は大きくなる。それに対してB1、B2の位置の場合には偶力が生じてしまう。これらを考慮して、偶力と慣性振動を共に低減するためには、第1気筒14に対する第2気筒15及び第3気筒16の各位相を図の線分(A1−B1、A2−B2)上で変化させると良い。
図のA1−B1の線分上の場合には、
360度<θ3<480度の位相範囲で、
θ2=θ3/2 ...(1)
となるように設定するとよい。この場合には図4に示されるように、第1クランクピン21のクランク角の位相が0度として、それに対して、第2クランクピン22のクランク角の位相差が180度を超え240度未満の範囲に位置し、第3クランクピン23のクランク角の位相差が360度を超え480度未満の範囲に位置する。
また、図のA2−B2の線分上の場合には、
240度<θ3<360度の位相範囲で、
θ2=360度+θ3/2 ...(2)
となるように設定するとよい。この場合には図5に示されるように、第1クランクピン21のクランク角の位相が0度として、それに対して、第2クランクピン22のクランク角の位相差が480度を超え540度未満の範囲に位置し、第3クランクピン23のクランク角の位相差が240度を超え360度未満の範囲に位置する。
次に、図6を参照して、本発明の適用例として図3のA1及びB1を結ぶ線の中間(例えば、第2クランクピン22のクランク角の位相差が210度、第3クランクピンのクランク角の位相差が420度)に設定した場合(図の実線)と、従来例として第1クランクピン21に対して、第3クランクピン23のクランク角の位相差が240度であり、第2クランクピン22のクランク角の位相差が480度であり、等間隔爆発の場合(図の破線)との偶力の比較を説明する。なお、図において横軸はクランク角であり、縦軸は偶力の従来例との比(従来例の最大値を1とする)である。
図6(a)は、内燃機関1のロール偶力単体の変化を示し、(b)は、内燃機関1のヨー方向の偶力であるヨー偶力単体の変化を示し、(c)は、内燃機関1の偶力(偶力合成値)を示す。なお、ロール偶力は、内燃機関1のクランクシャフト11周りとなるロール方向の偶力であり、本実施形態における内燃機関1は車両に横置きに搭載されるものとして、車両のロールに対応する偶力となる。また、ヨー偶力は、内燃機関1の重心を通る鉛直軸周りの偶力であり、横置き搭載車両におけるヨーに対応する。偶力合成値は、ロール偶力及びヨー偶力の2乗和で取っている。
図6(a)に示されるように、従来例(破線)のロール偶力波形が概ね−1〜1の間で変化しているのに対して、本発明(実線)のロール偶力波形は概ね−0.7〜0.7の間で変化しており、ロール偶力が抑制されている。また、図6(b)に示されるように、従来例(破線)のヨー偶力波形が概ね−0.4〜0.5の間で変化しているのに対して、本発明(実線)のヨー偶力波形は概ね−0.3〜0.3の間で変化しており、ヨー偶力も抑制されている。また、図6(c)に示されるように、従来例(破線)の合成偶力が概ね0.3〜1の間で変化しているのに対して、本発明(実線)の合成偶力は概ね0.1〜0.8の間で変化しており、本発明により、合成偶力として約20%の偶力低減効果を奏することができ、慣性振動の低減と合わせて良好な結果が得られる。
なお図6では、偶力低減効果の代表例として、図3のA1及びB1を結ぶ線上で、第2クランクピン22のクランク角の位相差が210度、第3クランクピン23のクランク角の位相差が420度の場合について説明したが、図3のA2及びB2を結ぶ線上でも同じであり、その場合には第2クランクピン22のクランク角の位相差が510度、第3クランクピン23のクランク角の位相差が300度となる。また、慣性振動及び偶力の低減効果としては、A1及びB1を結ぶ線上の中点を含む範囲として、第3クランクピン23のクランク角の位相差が390度〜450度の範囲、好ましくは405度〜435度の範囲であり、第2クランクピン22のクランク角の位相差はその約半分であるとよい。同様に、A2及びB2を結ぶ線上の中点を含む範囲として、第3クランクピン23のクランク角の位相差が270度〜330度の範囲、好ましくは285度〜315度の範囲であり、第2クランクピン22のクランク角の位相差はその約半分に360度を加算した値であるとよい。
さらに、上記いずれの場合にも、慣性振動及び偶力のバランスの取れた改善を行うために、第2気筒15の回転質量による慣性力を大きくするとよい。この第2気筒15の慣性力の増大について、第2実施形態として以下に説明する。
図7は、第2気筒15について示す図であり、図2に対応する図である。図に示されるように、コンロッド34の長さをL、クランク半径をR、ピストン32においてピストンピンの中心からピストン32の頭頂面までの距離であるコンプレッションハイトをCHとする。なお、図2と同様の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
また、気筒番号に合わせて添字1〜3を付けて示すものとし、第2気筒15のコンロッド35の長さをL、クランク半径をR、ピストン32のコンプレッションハイトをCHとする。第1気筒14及び第3気筒16は同一寸法としてよいため、各コンロッド34、36の長さをL13とし、各クランク半径をR13とし、各ピストン31、33のコンプレッションハイトをCH13とする。
例えば単純に第2気筒15の慣性力を他の気筒14、16の倍にする場合には、従来例のようにピストン径の大径化が考えられるが、その場合には上述したようにシリンダヘッドの形状変更等に伴って大幅な設計変更や組立の煩雑化が生じてしまう。それに対して、本発明によれば、ピストン径は変えず、ピストン行程の長さが変わることになる。
本発明では、第2気筒15のコンロッド35の長さL及びクランク半径Rを長くする。それらを合わせた長さ(L+R)を、第1気筒14(第3気筒16)のコンロッド34(36)の長さL13及びクランク半径R13の全長の1倍より大きく3倍未満とするとよく、特に2倍にすることにより、第2気筒15の慣性力が大きく、第1〜第3気筒14〜16全体の慣性力の不釣り合いを低減することができる。
しかしながら、そのままでは第1気筒14(第3気筒16)に対して第2気筒15の上死点位置が異なり、シリンダブロック2の高さが不均一になる。そこで、次式により各気筒14〜16の上死点位置を揃えるように調整する。
CH13+√{(L13 +R13 )−d}=CH+√{(L +R )−d} ...(3)
ここで、dはシリンダオフセットの値であり、シリンダオフセットが設定されていないエンジンの場合にはd=0である。
式(3)の関係を満たすように、第1気筒14(第3気筒16)のコンロッド34(36)の長さL13、クランク半径R13、コンプレッションハイトCH13に対して、第2気筒15のコンロッド35の長さL、クランク半径R、コンプレッションハイトCHを設定する。また、コンロッド35の長さL及びクランク半径Rのいずれか一方を、第1気筒14(第3気筒16)のコンロッド34(36)の長さL13及びクランク半径R13の対応する方と同一とし、他方を調整してもよい。
以上、本発明を、その好適実施形態の実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。上記実施形態では、内燃機関1は、車両に横置きに配置されているものとして説明したが、横置きに限定されるものではなく、車体に対して縦置きに配置されていてもよい。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
11 クランク軸
14 第1気筒、15 第2気筒、16 第3気筒
21 第1クランクピン、22 第2クランクピン、23 第3クランクピン
34 第1コンロッド、35 第2コンロッド、36 第3コンロッド
R クランク半径
CH コンプレッションハイト
L コンロッド長さ

Claims (8)

  1. 直列に配置された第1、第2及び第3気筒と、
    前記各気筒にそれぞれ配置された第1、第2及び第3ピストンと、
    前記各ピストンに対応してクランク軸に設けられた第1、第2及び第3クランクピンと、
    前記各ピストンと前記各クランクピンとをそれぞれ連結する第1、第2及び第3コンロッドとを有する4ストロークサイクルの3気筒エンジンであって、
    前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が360度を超えかつ480度未満であり、
    前記第1クランクピンに対する前記第2クランクピンのクランク角の位相差が、前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差の約半分であることを特徴とする3気筒エンジン。
  2. 前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が390度以上450度以下であることを特徴とする請求項1に記載の3気筒エンジン。
  3. 前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が405度以上435度以下であることを特徴とする請求項1に記載の3気筒エンジン。
  4. 直列に配置された第1、第2及び第3気筒と、
    前記各気筒にそれぞれ配置された第1、第2及び第3ピストンと、
    前記各ピストンに対応してクランク軸に設けられた第1、第2及び第3クランクピンと、
    前記各ピストンと前記各クランクピンとをそれぞれ連結する第1、第2及び第3コンロッドとを有する4ストロークサイクルの3気筒エンジンであって、
    前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が240度を超えかつ360度未満であり、
    前記第1クランクピンに対する前記第2クランクピンのクランク角の位相差が、前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差の約半分に360度を加算した値であることを特徴とする3気筒エンジン。
  5. 前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が270度以上330度以下であることを特徴とする請求項4に記載の3気筒エンジン。
  6. 前記第1クランクピンに対する前記第3クランクピンのクランク角の位相差が285度以上315度以下であることを特徴とする請求項4に記載の3気筒エンジン。
  7. 前記第1及び前記第3気筒のクランク半径が互いに同一であり、
    前記第2気筒のクランク半径は、前記第1気筒及び前記第3気筒のクランク半径よりも長く、3倍未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の3気筒エンジン。
  8. 前記第2気筒のコンプレッションハイトとコンロッド長さとクランク半径とを合わせた長さと、前記第1及び前記第3気筒のコンプレッションハイトとコンロッド長さとクランク半径とを合わせた長さとが略同一に設定されていることを特徴とする請求項7に記載の3気筒エンジン。
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