JP2016036792A - ナノファイバーのコーティングシートとこのコーティングシートの検査方法 - Google Patents

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【課題】コーティングシートの表面にナノファイバーのコーティング層が付着されているかどうかを検査する。【解決手段】コーティングシートは、基材シート1の表面にナノファイバーを付着してナノファイバーのコーティング層2を設けており、ナノファイバーは、励起されて発光する蛍光分子を含有する蛍光分子含有ナノファイバーである。【選択図】図3

Description

本発明は、基材シートの表面に、ナノファイバーをコーティングしてなるコーティングシートと、このコーティングシートのナノファイバーコーティング状態を検査する検査方法に関する。
基材シートの表面に、ナノファイバーをコーティングして、基材シート単体では実現できない優れた特性を実現するコーティングシートは開発されている(特許文献1参照)。このコーティングシートは、たとえばフィルターに使用されて優れた特性を実現する。ナノファイバーのコーティング層で、従来の濾紙では濾過できない、微細な粒子を除去できるからである。このフィルターは、濾紙の表面にナノファイバーを付着して、濾紙の網目では実現できない微細な網目のフィルターをナノファイバーで実現する。ナノファイバーは、濾紙の繊維に比較して極めて細く、細いナノファイバーによって濾紙の表面に微細な網目のフィルターを形成する。ナノファイバーの微細な網目は、これを透過する空気や液体に含まれる極めて微細な異物を表面に堆積して除去する、すなわち表面濾過して、異物をフィルターの表面に堆積する。
これに対して、表面にナノファイバーを付着しない従来の濾紙は、繊維の空隙に異物が侵入して除去されるので、除去した異物がフィルターの内部に侵入して、簡単に除去できず、目詰まりを解消するのが難しい欠点がある。これに対して、表面にナノファイバーを積層しているフィルターは、表面濾過して異物を表面に堆積して除去するので、異物を簡単にフィルター表面から除去して目詰まりを速やかに解消できる特徴がある。
表面にナノファイバーをコーティングして優れた特徴は実現されるが、製造工程において、基材シートの表面にナノファイバーが正常にコーティングされたかどうかを確認するのは極めて難しい。それは、ナノファイバーが極めて細くて目に見えないので、基材シートの表面にコーティングされたかどうかを目視して確認できないからである。また、可視光の波長よりも細いナノファイバーは、光学顕微鏡を使用してもコーティング状態を確認できず、電子顕微鏡を使用して付着状態を確認する必要がある。電子顕微鏡による検査は、コーティング状態の検査に著しく手間がかかる。それは、真空チャンバーにコーティングシートを入れて真空引きして検査するからである。さらに、電子顕微鏡による方法は、検査に手間がかかることに加えて、シート全面のコーティング状態の検査ができず、局部的な検査ができるに過ぎない。それは、電子顕微鏡による検査は、コーティングシートを裁断して検査用のサンプルを作成し、このサンプルを真空チャンバーに入れて検査するので、サンプルとして裁断された部分のみの検査に止まるからである。
特開2014−124578号公報
本発明は、以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、コーティングシート表面にナノファイバーのコーティング層が付着されているかどうかを簡単に検査できるコーティングシートとその検査方法とを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の請求項1のコーティングシートは、基材シート1の表面にナノファイバーを付着してナノファイバーのコーティング層2を設けている。このコーティングシートのナノファイバーは、励起されて発光する蛍光分子を含有する蛍光分子含有ナノファイバーである。
以上のコーティングシートは、コーティングシート表面にナノファイバーのコーティング層が付着されているかどうかを簡単に検査できる特徴がある。それは、蛍光分子含有ナノファイバーの蛍光分子を励起して蛍光分子の発光を検出してナノファイバーのコーティングを判定できるからである。とくに、以上のコーティングシートは、蛍光分子を励起してその蛍光を検出して、ナノファイバーのコーティングを検出するので、電子顕微鏡でコーティングシートの表面を見て検査する従来方法のように、コーティングシートを切断して検査片とし、これを真空チャンバーに入れて検査する必要がなく、コーティングシートの表面に、蛍光分子を励起する光等を照射することで、コーティングシート表面が蛍光を発するかどうかからナノファイバーのコーティングを検査できる。蛍光分子含有ナノファイバーがコーティングされない部分は励起しても蛍光による発光がなく、蛍光分子含有ナノファイバーがコーティングされる部分は蛍光による発光が検出されるからである。
本発明のコーティングシートは、コーティング層2のナノファイバーを、蛍光分子を含有するシリカナノ粒子を含有する蛍光分子含有ナノファイバーとすることができる。このコーティングシートは、蛍光分子含有ナノファイバーを簡単に製造できる特徴がある。
本発明のコーティングシートは、シリカナノ粒子の平均粒径を蛍光分子含有ナノファイバーの太さの1/2以下とすることができる。このコーティングシートは、蛍光分子含有ナノファイバーの強度低下を少なくして、蛍光分子を含有できる。
本発明のコーティングシートは、基材シート1を濾紙とし、コーティング層2を濾紙の表面に付着して、濾紙よりも微細な粒子を濾過して除去するプリ濾過層とすることができる。このコーティングシートは、コーティング層によって濾紙の濾過特性を著しく向上できる。とくに、濾紙のみで濾過できない微細な粒子をコーティング層で濾過できる特徴がある。
本発明のコーティングシートは、基材シート1を、車両用の空気又は液体を濾過するフィルターとすることができる。このコーティングシートは、車両のエンジンに吸入される空気、エンジンオイル、燃料などに含まれる微細な異物をフィルターで濾過して除去できるので、微細な異物によるエンジンの摩耗、劣化、故障などを効果的に防止できる。
本発明のコーティングシートは、蛍光分子含有ナノファイバーの太さを800nm以下であって、50nm以上とすることができる。このコーティングシートは、特定の太さの蛍光分子含有ナノファイバーによって、種々の用途に使用されて、基材シート単独では実現できない優れた物性を実現する。
本発明の検査方法は、基材シート1の表面に、ナノファイバーからなるコーティング層2を積層してなるコーティングシートを検査する方法であって、励起されて発光する蛍光分子を含有させて蛍光分子含有ナノファイバーを製造する製造工程と、蛍光分子含有ナノファイバーの蛍光分子を励起して、励起される蛍光分子の発光を検出する光検出工程とからなり、光検出工程で蛍光分子含有ナノファイバーからの発光を検出して、コーティング層2を検出する。
以上のコーティングシートの検査方法は、コーティングシート表面にナノファイバーのコーティング層が付着されているかどうかを簡単に検査できる特徴がある。それは、蛍光分子含有ナノファイバーの蛍光分子を励起して蛍光分子の発光からナノファイバーのコーティングを検出できるからである。とくに、以上のコーティングシートの検査方法は、蛍光分子を励起してその蛍光を検出して、ナノファイバーのコーティングを検出するので、電子顕微鏡でコーティングシートの表面を見て検査する従来方法のように、コーティングシートを切断して検査片とし、これを真空チャンバーに入れて検査する必要がなく、コーティングシートの表面に、蛍光分子を励起する光等を照射することで、コーティングシート表面が蛍光を発するかどうかからナノファイバーのコーティングを検査できる。蛍光分子含有ナノファイバーがコーティングされない部分は励起しても蛍光による発光がなく、蛍光分子含有ナノファイバーがコーティングされる部分は蛍光による発光が検出されるからである。
本発明のコーティングシートの検査方法は、製造工程において、蛍光分子をシリカナノ粒子に添加してナノファイバーに添加することができる。
本発明の実施例にかかるコーティングシートの断面図である。 図1に示すコーティングシートの電子顕微鏡写真である。 ナノファイバーの塗布量に対する蛍光強度を示すグラフである。 コーティングシート表面のコーティング層の検査方法を示す側面図である。 コーティングシートを励起して発光濃度差を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのコーティングシートとその検査方法を例示するものであって、本発明はコーティングシートとその検査方法を以下に特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1の断面図に示すコーティングシートは、基材シート1の表面にナノファイバーを付着してナノファイバーからなるコーティング層2を設けている。図2は、コーティングシートを表面から見た電子顕微鏡写真を示している。この図において、1cmよりも太い繊維は基材シート1の繊維、1mm以下の細い白色繊維はナノファイバーを示している。この図に示すように、コーティングシートは、基材シート1の表面にナノファイバーを方向性なく付着して、ナノファイバーによって基材シート1の繊維よりも微細な網目を設けている。
図2のコーティングシートは、濾紙の表面にナノファイバーを付着してコーティング層2を表面に設けたフィルターである。フィルターに使用されるコーティングシートは基材シート1を濾紙や不織布とする。コーティングシートからなるフィルターは、濾紙や不織布では濾過できない微細な粒子を濾過できる。コーティングシートのフィルターは、車両用の空気又は液体を濾過するフィルターに使用されて、濾過特性を著しく向上できる。コーティング層2が微細な粒子を濾過して除去するからである。コーティングシートのフィルターは、車両のエンジンに吸入される空気のフィルターに使用され、あるいはエンジンオイルやパワーステアリング用オイルなどのフィルターに使用され、また自動変速機用オイルに使用され、さらに燃料フィルターに使用されて、空気、オイル、燃料に含まれる微細な異物を濾過して除去する。
空気に使用されるコーティングシートのフィルターは、エンジンに吸入される空気から微細な粒子も除去して清澄な空気とするので、シリンダとピストンとの間の摺動部の損傷を少なくして、エンジンの摩耗や劣化を防止する。また、エンジンオイルに使用されるコーティングシートのフィルターは、エンジンオイルを清澄な状態として、シリンダとピストンとの摺動部の摩耗や劣化を防止して、摩耗による損傷や故障を効果的に防止する。自動変速機用オイルに使用されるコーティングシートのフィルターは微細な異物を除去して異物に起因する自動変速機の故障や変速ミスを防止し、さらに燃料に使用されるフィルターは、燃料に含まれ微細な粒子をも除去して極めて清澄な燃料をエンジンに供給する。したがって、燃料ポンプや燃料噴射弁の動作が正確にコントロールされて、正確な量の燃料をシリンダ内に供給できる。とくに、噴射圧の高いディーゼルエンジンにおいても、燃料噴射弁の動作が正確にコントロールされて、燃料噴射量と噴射タイミングとが正確に制御されて、エンジンを理想的な状態で動作できる。また、燃料に含まれる異物による燃料ポンプと燃料噴射弁の摩耗、損傷、故障を効果的に防止できる特徴も実現する。
コーティング層2のナノファイバーは、蛍光分子を含有するナノファイバーである。ナノファイバーに含まれる蛍光分子には、光で励起されて発光するローダミン色素が適している。ローダミン色素は555nmの光で励起されて590nmの光を発光する。ただ、本発明は蛍光分子をローダミン色素に限定するものでなく、励起光と異なる波長に発光する他の蛍光分子であって、ナノファイバーに添加できる全ての蛍光分子、たとえばフルオレセインイソシアネートやサルフォローダミン等も使用できる。フルオレセインイソシアネートは490nmの光で励起されて525nmの光を放射し、サルフォローダミンは575nmの光で励起して590nmの光を放射する。蛍光分子は、可視光線でなく紫外線などの電磁波で励起して発光するものや電子ビームなどのエネルギービームで励起して発光するものも使用できる。
コーティング層2のナノファイバーは、繊維に加工される工程で、蛍光分子を含有するシリカナノ粒子を添加して蛍光分子含有ナノファイバーとする。ただ、蛍光分子を直接にナノファイバーに添加して、蛍光分子含有ナノファイバーとすることもできるのは言うまでもない。
シリカナノ粒子を含有する蛍光分子含有ナノファイバーは、シリカナノ粒子の平均粒径を蛍光分子含有ナノファイバーの太さの1/2以下として、含有するシリカナノ粒子による強度低下を防止する。蛍光分子含有ナノファイバーは、太さを特定するものではないが、好ましくは800nm以下であって50nm以上、さらに好ましくは500nm以下であって100nm以上とする。
蛍光分子を含有するシリカナノ粒子は、以下の工程で製作できる。
[ストーバー法]
Sulforhodamine B(関東化学株式会社) 11.7mgをエタノール4mlに溶解した後、0.1mlのtetraethylorthosilicate (TEOS)(和光純薬鉱業株式会社)を加えて混合する。その後、蒸留水1mlを加えて室温で磁気撹拌しながら、濃アンモニア水を0.1ml加えて室温で、約3日間撹拌する。(この段階で、TEOSの加水分解と重縮合が起こりSiOが形成を始める。その際、sulforhodamine B分子が混ぜ込まれてシリカナノ粒子内に固定される。濃アンモニア水はこの反応の触媒として作用する。)その後、エタノールを分散媒として限外ろ過装置(ミリポア撹拌式セル)を用いてろ液が着色しなくなるまで洗浄する。その際、YM−100フィルター(孔径約10nm)をセットした限外ろ過装置で10nm以下の試料をろ液として取り出し、その分散液をYM−10フィルター(孔径約2.6nm)をセットした限外ろ過装置で2.6nm以下の試料を含むろ液と2.6nmから10nmまでの試料を含む分散液(限外ろ過装置内)に分ける。最終的に、2.6nm<D<10nmのSulforhodamine Bを固定した(シリカナノ粒子を0.72重量%含む)シリカナノ粒子エタノール分散液5mlを得た。
ストーバー法におけるシリカナノ粒子に蛍光分子を取り込む方法としては、(1)及び(2)があげられる。
(1)混ぜ込み法
TEOSの重縮合の前に蛍光分子を溶液に溶解しておくことで、シリカナノ粒子形成時に自然に取り込ませる。
(2)シリカカップリング法
蛍光分子の取り込みを確実にするために、シランカップリング試薬と結合させて、蛍光分子にSi−O−を導入することで、TEOSの重縮合時に結合させて取り込む。
以上の方法でローダミン色素を含有するシリカナノ粒子を調整できるが、シリカナノ粒子は、コアシェル法やシリカナノ粒子コア表面修飾法によっても製作できる。
コアシェル法は、約15nmの半径の金属粒子の表面−S−か−N−を側鎖にもつ蛍光分子を吸着させ(金属粒子コアの表面積内)、さらにアミノオルソシリケート(APS)を金属粒子コアの表面に吸着させて、その金属粒子コアの吸着したAPSのシリケート基(−Si−O−)のところで、シリケートの重縮合を行うため、水ガラス(NaSi2−x)を加えて数日反応させる。その後、金属微粒子コアをNaCNで溶解し、シリカカプセルとしたときに内部に蛍光分子が残る。限外濾過で蒸溜水洗浄を数回行って、NaCNとNaAu(CN)を除いてシリカナノ粒子とする。
製造された蛍光分子含有シリカナノ粒子は、調整時に加える試薬の濃度やアンモニア水の濃度、反応時間、温度により粒径サイズを調整できる。さらに、限外濾過法で、使用するフィルターの孔径を選択して粒径サイズを特定の範囲とすることができる。この方法は、使用するフィルターを組み合わせて、2.6nm<サイズ<10nmや0.6nm<サイズ<2.5nmのサイズの粒径を取り出すことができる。
コーティングシートは、蛍光分子の発光を検出してナノファイバーが正常に塗布されているかどうかを判定する。したがって、蛍光分子含有ナノファイバーには、発光を検出できる含有量の蛍光分子を添加する。ローダミン色素を有するシリカナノ粒子の分散液:11.5重量、ポリマー濃度:8重量%、溶媒をDMF(N,N−ジメチルホルムアルデヒド)にて、エレクトロスピニング装置で紡糸して製作する蛍光分子含有ナノファイバーは、基材シート1の表面に0.04g/m2以上の塗布量で発光を検出できる。
蛍光分子含有ナノファイバーは以下の方法で製造できる。ただ、蛍光分子含有ナノファイバーを以下のものに特定するものではない。
(実施例1)
本発明の実施例1として、以下の製造方法により基材シート1の表面にコーティング層2として蛍光分子含有ナノファイバーを塗布する。
1)調整工程
まず200mlビーカーにDMF80.50gを入れ、8.00gのPVDF(ポリビニリデンジフロライド)を入れて完全に溶解させ、9.04重量%のPVDF/DMF溶液を得る。
次に、上記で得られたPVDF/DMF溶液8.85gに対して、1.15gの割合でローダミン色素含有シリカナノ粒子/エタノール分散液を添加して、塗布溶液を得る。
2)紡糸化工程
次に、上記調整工程で製造した塗布溶液を、エレクトロスピニング装置を用いて基材シート1上にコーティング層2として蛍光分子含有ナノファイバーを塗布し、コーティングシートを得る。ここでは回転ドラムコレクター表面に基材シート1として110g/mの濾紙を設置し、濾紙上にコーティング層として蛍光分子含有ナノファイバーを塗布しコーティングシートを得る。なお、金属製ノズルとして内径0.40mm、長さ19mmのステンレス製ノズルを使用し、金属製ノズルの下端部から基材シート1表面までの距離を20cmとし、金属製ノズルの移動距離20cm、移動速度5mm/sec、ドラムコレクターの回転数50rpm、印加電圧21kV、塗布溶液の吐出速度は0.2ml/hrとして、温度23度、湿度15%で22.5分間塗布し、コーティング層2として0.045g/mの蛍光分子含有ナノファイバー不織布を有するコーティングシートを得る。
(実施例2)
紡糸時間を45.0分間にする以外、実施例1と同様にし、コーティング層2として0.090g/mの蛍光分子含有ナノファイバー不織布を有するコーティングシート得た。
(実施例3)
紡糸時間を67.5分間にする以外、実施例1と同様にし、コーティング層2として0.135g/mの蛍光分子含有ナノファイバー不織布を有するコーティングシート得た。
以上の工程で得られた蛍光分子含有ナノファイバーを基材シート1の表面に塗布して、コーティング層2を設ける。蛍光分子含有ナノファイバーの塗布量は用途に最適な量に調整される。フィルターのコーティングシートは、基材シート1表面のコーティング層2で微細な異物を除去し、かつコーティング層2に気体や液体を通過できる隙間ができるように、蛍光分子含有ナノファイバーの付着量が調整される。この蛍光分子含有ナノファイバーが塗布されたコーティングシートの発光強度を図3に示している。この図に示すコーティングシートは、蛍光分子含有ナノファイバーの付着量を、0.04g/m2以上として発光を検出でき、塗布量を0.08g/m2以上としてより発光を強く検出でき、さらに0.135g/m2で検出される発光強度はピークを示した。したがって、以上の工程で製造される蛍光分子含有ナノファイバーは、基材シート1への塗布量を0.04g/m2以上として、コーティング層2の有無を確実に検出できる。ただ、蛍光分子含有ナノファイバーの発光は、受光器の感度を高くしてより微弱な光を検出できるので、より高感度な受光器を使用することで、より少ない塗布量のコーティング層2を検出でき、また蛍光分子含有量の少ない蛍光分子含有ナノファイバーからなるコーティング層2の有無をも検出できる。
以上のコーティングシートは、基材シート1の表面に光を照射し、ナノファイバーの蛍光分子を発光させて、コーティング層2が正常に積層されているかどうかが検査される。図4は、コーティング層2の検査方法を示している。この図の検査方法は、コーティングシートの全面に光を照射して蛍光分子を励起する。この図は、コーティング層2のナノファイバーに含まれる蛍光分子のローダミン色素を励起するために555nmの可視光をコーティングシートに照射している。励起光は全面に照射され、あるいは走査してコーティングシート全面に照射される。
コーティング層2の蛍光分子含有ナノファイバーに含まれるローダミン色素は、555nmの可視光に励起されて590nmの光を放射する。590nmの発光が受光器に検出されて、コーティングシートはコーティング層2が正常に塗布されているかどうかが判定される。コーティング層2の塗布されたコーティングシートは、590nmの光を放射するからである。コーティング層2の発光は、受光器で検出される。図の受光器は、蛍光分子の発光から励起する可視光を除くために、励起光を減衰させるフィルターを配置している。受光器は、コーティング層2の蛍光分子の発光を検出して画像とする受光素子と、この受光素子にコーティングシートを結像するレンズとを備える。受光器は、レンズでコーティングシート像を受光素子に結像して、コーティング層2の有無、すなわち、ナノファイバーが正常に塗布されたかどうかを判定する。中央部の白い部分にコーティング層2が塗布されないコーティングシートは、全面を光で励起して、発光を受光器で検出すると、図4に示すように、コーティング層2の塗布されない領域が発光せずに白色として検出される。したがって、受光器でコーティングシート全面の発光を検出して、コーティング層2が正常に設けられているかは判定される。
図5の(1)〜(4)は、コーティングシートの表面に555nmの光を照射して蛍光分子を励起し、蛍光分子の590nmの発光を検出した濃度図である。ただし、このコーティングシートは、中央部の長方形で示す白色領域にはナノファイバーを付着していない領域を設けて、ナノファイバーの付着領域との濃度差を明確にしている。ただし、これ等の図に示すコーティングシートは、蛍光分子のローダミン色素を含有するシリカナノ粒子を添加してなるナノファイバーを基材シート1の表面の中央部の長方形領域を除く部分に付着している。ナノファイバーに添加しているシリカナノ粒子は実施例1で調整したものを使用し、さらに、ナノファイバーのシリカナノ粒子の添加量は1.02重量%としている。
ただし、
(1)のコーティングシートは、ナノファイバーの付着量を0.045g/mとし、
(2)のコーティングシートはナノファイバーの付着量を0.09g/mとし、
(3)のコーティングシートはナノファイバーの付着量を0.135g/mとし、
(4)のコーティングシートはナノファイバーの付着量を0.18g/mとしている。
本発明のコーティングシートは、ナノファイバーからなるコーティング層2を設けて基材シート1単体では実現できない特性を実現し、好ましくはフィルターに使用されて従来のフィルターでは濾過できない微細な粒子を濾過し、さらに、目視では有無が確認できないナノファイバーのコーティング層2が正確に設けられているかどうかを確実に検査して、種々の用途に理想的な状態で使用する。
1…基材シート
2…コーティング層

Claims (8)

  1. 基材シート(1)の表面にナノファイバーを付着してナノファイバーのコーティング層(2)を設けてなるコーティングシートであって、
    前記ナノファイバーが、励起されて発光する蛍光分子を含有する蛍光分子含有ナノファイバーとしてなることを特徴とするコーティングシート。
  2. 請求項1に記載されるコーティングシートであって、
    前記ナノファイバーが、蛍光分子を含有するシリカナノ粒子を含有する蛍光分子含有ナノファイバーとすることを特徴とするコーティングシート。
  3. 請求項2に記載されるコーティングシートであって、
    前記シリカナノ粒子の平均粒径が前記蛍光分子含有ナノファイバーの太さの1/2以下であるコーティングシート。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載されるコーティングシートであって、
    前記基材シート(1)が濾紙で、前記コーティング層(2)が濾紙の表面に付着されて、前記濾紙よりも微細な粒子を濾過して除去するプリ濾過層であるコーティングシート。
  5. 請求項4に記載されるコーティングシートであって、
    前記基材シート(1)が車両用の空気又は液体を濾過するフィルターであるコーティングシート。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載されるコーティングシートであって、
    前記蛍光分子含有ナノファイバーの太さが800nm以下であって、50nm以上であるコーティングシート。
  7. 基材シート(1)の表面に、ナノファイバーからなるコーティング層(2)を積層してなるコーティングシートの検査方法であって、
    励起されて発光する蛍光分子を含有させて蛍光分子含有ナノファイバーを製造する製造工程と、
    前記蛍光分子含有ナノファイバーの蛍光分子を励起して、励起される蛍光分子の発光を検出する光検出工程とからなり、
    前記光検出工程で蛍光分子含有ナノファイバーからの発光を検出して、前記コーティング層(2)を検出することを特徴とするコーティングシートの検査方法。
  8. 請求項7に記載されるコーティングシートの検査方法であって、
    前記製造工程において、前記蛍光分子をシリカナノ粒子に添加してナノファイバーに添加するコーティングシートの検査方法。
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