JP2016036226A - 電源システム - Google Patents
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Abstract
【課題】2つの直流電源が互いに並列に接続された状態で負荷回路に電力を供給するパラレル接続モードと、互いに直列に接続された状態で負荷回路に電力を供給するシリーズ接続モードと、を選択的に実行する電源システムにおいて、スイッチング素子の故障によって2つの直流電源が互いに直列に接続され且つ負荷回路が含まれない閉回路が発生したとき、この閉回路を速やかに遮断することが可能な電源システムを提供する。【解決手段】本発明に係る電源システムは、上記閉回路を遮断することができる半導体スイッチを備え、同閉回路の発生を検出したとき、このスイッチによって同閉回路を遮断する。【選択図】図1
Description
本発明は、2つの直流電源を備え、これらの直流電源を負荷回路に対し直列又は並列に選択的に接続可能な電源システムに関する。
2つの直流電源、4つのスイッチング素子及び2つのリアクトルを含む電源システム(以下、「従来装置」とも称呼される。)が特許文献1に記載されている。従来装置においては、4つのスイッチング素子の内、特定のスイッチング素子を導通状態(オン状態)に維持することによって2つの直流電源が互いに並列に接続された状態にて負荷回路に電力を供給するパラレル接続モードが実行される。更に、従来装置においては、4つのスイッチング素子の内、別のスイッチング素子を導通状態に維持することによって2つの直流電源が互いに直列に接続された状態にて負荷回路に電力を供給するシリーズ接続モードが実行される。
加えて、従来装置は、4つのスイッチング素子の内、導通状態に維持されていないスイッチング素子を導通状態と遮断状態(オフ状態)との間で切り替え、以て、リアクトルに蓄積されるエネルギーを制御することによって2つの直流電源の出力電圧を昇圧し、その昇圧した電圧を負荷回路に印加することができる。
従来装置によれば、例えば、エネルギー密度及び出力密度が異なる直流電源を2つ搭載することができる。そのため、エネルギー密度の高い直流電源を用いて負荷回路に対する長時間の電力供給を行うと共に、一時的に高い出力が必要なときは出力密度の高い直流電源を用いることが可能となる。
ところで、スイッチング素子が導通した状態でスイッチング不能に故障(以下、「短絡故障」とも称呼される。)したとき、2つの直流電源が互いに直列に接続され且つ負荷回路が含まれない閉回路が形成される場合がある。この閉回路が形成される現象は「電池間短絡」とも称呼される。電池間短絡が発生したとき、2つの直流電源の電圧差が大きければ、この閉回路に過剰な電流が流れる虞がある。
例えば、電源システムが直流電源に流れる電流を遮断する開閉器(システムメインリレー)を備えていれば、その開閉器を遮断状態に制御することによって、この閉回路を遮断し、以て、電池間短絡を解消することが可能である。しかし、過剰な電流が流れているとき、開閉器を導通状態から遮断状態に変化させることによってアーク放電が発生し、その結果、開閉器の接点が溶着して開閉器が遮断状態とならなくなる虞がある。加えて、開閉器を遮断状態に制御するには所定の時間を要するので、その間、この閉回路を遮断することができない。
そこで、本発明の目的の一つは、スイッチング素子の短絡故障に起因する電池間短絡が発生したとき、速やかに電池間短絡を解消させることが可能な電源システムを提供することである。
上記目的を達成するための電源システム(以下、「本発明装置」とも称呼される。)は、正極接続点及び負極接続点、前記正極接続点と前記負極接続点とを接続する電力線、第1直流電源及び第2直流電源を備えている。本発明装置は、更に、第1ダイオード乃至第4ダイオード、第1半導体スイッチ乃至第4半導体スイッチ並びに制御部を備えている。
前記正極接続点及び負極接続点には負荷回路が接続され、同正極接続点及び負極接続点は、同負荷回路に対して直流電力を供給するために用いられる。
前記電力線は、前記正極接続点と前記負極接続点とを接続する。前記電力線は、前記正極接続点と前記負極接続点との間にある第1接続点、同第1接続点と同負極接続点との間にある第2接続点、同第2接続点と同負極接続点との間にある第3接続点、及び、同第3接続点と同負極接続点との間に第4接続点を有する。
前記第1直流電源の正極は、前記第1接続点に接続され、同第1直流電源の負極は、前記第3接続点に接続されている。前記第2直流電源の正極は、前記第2接続点に接続され、同第2直流電源の負極は、前記第4接続点に接続されている。
前記第1ダイオード(D1)は、前記電力線の前記第1接続点と前記第2接続点との間の部分に介装されている。前記第1ダイオードのカソードが前記第1接続点側にあり且つ同第1ダイオードのアノードが前記第2接続点側にある。前記第2ダイオード(D2)は、前記電力線の前記第2接続点と前記第3接続点との間の部分に介装されている。前記第2ダイオードのカソードが前記第2接続点側にあり且つ同第2ダイオードのアノードが前記第3接続点側にある。
前記第3ダイオード(D3)は、前記電力線の前記第3接続点と前記第4接続点との間の部分に介装されている。前記第3ダイオードのカソードが前記第3接続点側にあり且つ同第3ダイオードのアノードが前記第4接続点側にある。前記第4ダイオード(D4)は、前記電力線の前記第3接続点と前記第4接続点との間の部分に前記第3ダイオードに対して直列に介装されている。前記第4ダイオードのカソードが前記第4接続点側にあり且つ同第4ダイオードのアノードが前記第3接続点側にある。
前記第1半導体スイッチ(SW1)は、前記第1ダイオードに対して逆並列接続されている。前記第2半導体スイッチ(SW2)は、前記第2ダイオードに対して逆並列接続されている。前記第3半導体スイッチ(SW3)は、前記第3ダイオードに対して逆並列接続されている。前記第4半導体スイッチ(SW4)は、前記第4ダイオードに対して逆並列接続されている。
前記制御部は、前記第1半導体スイッチ及び前記第3半導体スイッチのいずれか一方のみを導通状態に維持することによって前記第1直流電源と前記第2直流電源とを互いに並列に接続するパラレル接続モードを実行することができる。加えて、前記制御部は、前記第2半導体スイッチを導通状態に維持することによって前記第1直流電源と前記第2直流電源とを互いに直列に接続するシリーズ接続モードを実行することができる。換言すれば、前記制御部は、パラレル接続モードとシリーズ接続モードとを選択的に実行することができる。
加えて、前記制御部は、前記第4半導体スイッチを導通状態に維持する。前記第1ダイオード及び/又は前記第1半導体スイッチが前記第1接続点から前記第2接続点に流れる電流を常に通過させる短絡故障が発生した結果、前記第1直流電源からの電流が前記第2直流電源に流れ込む閉回路が形成されたとき、前記制御部は同閉回路を遮断する。より具体的に述べると、前記制御部は、前記第4半導体スイッチの状態を導通状態から遮断状態に変更することによってこの閉回路を遮断する。
前記第1半導体スイッチ乃至第4半導体スイッチのそれぞれは、例えば、IGBT及びMOSFET等のスイッチング素子によって構成され得る。更に、第4半導体スイッチは、逆導通阻止IGBT(RB−IGBT;Reverse Blocking IGBT)であることが望ましい。
このように、本発明装置は、電池間短絡の発生を検出したとき、第4半導体スイッチを導通状態から遮断状態に変更することによって、第1直流電源と第2直流電源とが直列に接続される閉回路を速やかに遮断し、以て、電池間短絡を解消することが可能である。
加えて、本発明装置が前記第1直流電源及び/又は前記第2直流電源に流れる電流を遮断するための開閉器を備えている場合、前記制御部は、前記第4半導体スイッチによって上記閉回路が遮断された後、前記開閉器を遮断することが好適である。これにより、電池間短絡時に開閉器に溶着が発生することなく、開閉器を遮断することができる。
なお、本発明は、上記電源システムを搭載する車両にも係り、更に、上記電源システムにて使用される方法にも及ぶ。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る電源システム10(以下、「本システム」とも称呼される。)について説明する。本システムは、図1に概略構成が表された車両1に搭載されている。車両1は、電気自動車である。
本システムは、第1給電部20、第2給電部30、スイッチ部40及びECU(電子制御ユニット)50を含んでいる。車両1は、更に、インバータ60及び電動機70を備えている。
第1給電部20は、蓄電池21、第1コンデンサ22、第1リアクトル23、第1システムメインリレー(SMR)24を含んでいる。
蓄電池21は、充放電が可能なリチウムイオン電池である。蓄電池21の正極(P1)及び負極(N1)は、一対の給電線(PL1、NL1)のそれぞれの一端と接続されている。一対の給電線(PL1、NL1)のそれぞれの他端は、スイッチ部40に接続されている。
第1コンデンサ22は、一対の給電線(PL1、NL1)の間に接続されている。即ち、第1コンデンサ22は、蓄電池21と並列に接続されている。第1コンデンサ22は、蓄電池21の出力電圧V1を平滑化する。
第1リアクトル23は、給電線(PL1)の第1コンデンサ22とスイッチ部40との間の部分に介装されている。
第1システムメインリレー24は、第1正極開閉器24a及び第1負極開閉器24bを含んでいる。第1正極開閉器24aは、給電線(PL1)の蓄電池21と第1コンデンサ22との間の部分に介装されている。第1負極開閉器24bは、給電線(NL1)の蓄電池21と第1コンデンサ22との間の部分に介装されている。第1システムメインリレー24は、蓄電池21に流れる電流を遮断することができる。
第2給電部30は、キャパシタ31、第2コンデンサ32、第2リアクトル33、第2システムメインリレー(SMR)34を含んでいる。
キャパシタ31は、充放電が可能なリチウムイオンキャパシタである。キャパシタ31の正極(P2)及び負極(N2)は、一対の給電線(PL2、NL2)のそれぞれの一端と接続されている。一対の給電線(PL2、NL2)のそれぞれの他端は、スイッチ部40に接続されている。
第2コンデンサ32は、一対の給電線(PL2、NL2)の間に接続されている。即ち、第2コンデンサ32は、キャパシタ31と並列に接続されている。第2コンデンサ32は、キャパシタ31の出力電圧V2を平滑化する。
第2リアクトル33は、給電線(PL2)の第2コンデンサ32とスイッチ部40との間の部分に介装されている。
第2システムメインリレー34は、第2正極開閉器34a及び第2負極開閉器34bを含んでいる。第2正極開閉器34aは、給電線(PL2)のキャパシタ31と第2コンデンサ32との間の部分に介装されている。第2負極開閉器34bは、給電線(NL2)のキャパシタ31と第2コンデンサ32との間の部分に介装されている。第2システムメインリレー34は、キャパシタ31に流れる電流を遮断することができる。
スイッチ部40は、給電線(FR)、5つのダイオード41a〜45a及び5つのIGBT41b〜IGBT45bを含んでいる。給電線(FR)は、接続点C0〜接続点C4を含んでいる。接続点C0〜接続点C4は、接続点C0、接続点C1、接続点C2、接続点C3及び接続点C4の順に並んでいる。給電線(FR)の一端にある接続点C0は、給電線(PH)の一端と接続されている。給電線(FR)の他端にある接続点C4は、給電線(NH)の一端と接続されている。
ダイオード41aは、給電線(FR)の接続点C0と接続点C1との間の部分に介装され、カソードが接続点C0側にあり且つアノードが接続点C1側にある。IGBT41bは、ダイオード41aに逆並列接続されている。
ダイオード(便宜上、「第1ダイオードD1」とも称呼される場合がある。)42aは、給電線(FR)の接続点C1と接続点C2との間の部分に介装され、カソードが接続点C1側にあり且つアノードが接続点C2側にある。IGBT(便宜上、「第1半導体スイッチSW1」とも称呼される場合がある。)42bは、ダイオード42aに逆並列接続されている。
ダイオード(便宜上、「第2ダイオードD2」とも称呼される場合がある。)43aは、給電線(FR)の接続点C2と接続点C3との間の部分に介装され、カソードが接続点C2側にあり且つアノードが接続点C3側にある。IGBT(便宜上、「第2半導体スイッチSW2」とも称呼される場合がある。)43bは、ダイオード43aに逆並列接続されている。
ダイオード(便宜上、「第3ダイオードD3」とも称呼される場合がある。)44aは、給電線(FR)の接続点C3と接続点C4との間の部分に介装され、カソードが接続点C3側にあり且つアノードが接続点C4側にある。ダイオード(便宜上、「第4ダイオードD4」とも称呼される場合がある。)45aは、給電線(FR)のダイオード44aと接続点C4との間の部分に介装され、カソードが接続点C4側にあり且つアノードがダイオード44a側にある。
IGBT(便宜上、「第3半導体スイッチSW3」とも称呼される場合がある。)44bは、ダイオード44aに逆並列接続されている。IGBT(便宜上、「第4半導体スイッチSW4」とも称呼される場合がある。)45bは、ダイオード45aに逆並列接続されている。IGBT45bは、逆導通阻止IGBT(RB−IGBT)である。
接続点C1には第1給電部20の給電線(PL1)が接続されている。接続点C2には第2給電部30の給電線(PL2)が接続されている。接続点C3には第1給電部20の給電線(NL1)が接続されている。接続点C4には第2給電部30の給電線(NL2)が接続されている。
給電線(PH)の他端は正極接続点(P3)に接続されている。給電線(NH)の他端は負極接続点(N3)に接続されている。正極接続点(P3)及び負極接続点(N3)のそれぞれは、インバータ60に接続されている。
スイッチ部40は、後述するIGBT41b〜IGBT44bの導通状態の制御によって、蓄電池21及び/又はキャパシタ31の出力する直流電圧を昇圧し、その昇圧された電圧を後述するインバータ60に印加する。
ECU50は、CPU51、CPU51が実行するプログラム及びマップ等を記憶するROM52並びにデータを一時的に記憶するRAM53を含むマイクロコンピュータである。
ECU50は、IGBT41b〜IGBT45b、第1システムメインリレー24及び第2システムメインリレー34の状態(導通状態及び遮断状態)並びにインバータ60を制御する。ECU50は、後述する第1電流センサ81、第2電流センサ82、第1電圧センサ83及び第2電圧センサ84と接続されている。
インバータ60は、スイッチ部40が出力した直流電力を、U相、V相及びW相の3相交流電力に変換して電動機70に出力する。
インバータ60は、電動機70が発電機として動作するとき、電動機70が出力した交流電力を直流電力に変換してスイッチ部40に出力する。この場合、スイッチ部40は、後述するIGBT41b〜IGBT44bの導通状態の制御によって、その直流電圧を降圧し、その降圧された電圧を蓄電池21及び/又はキャパシタ31に印加する。その結果、蓄電池21及び/又はキャパシタ31が充電される。
電動機70は、回転磁界を発生させる3相巻線(コイル)を備えるステータと、その回転磁界と吸引又は反発する磁気力によってトルクを発生させる永久磁石を備えるロータと、を含む。電動機70は、電動機として動作するとともに発電機として動作することも可能である。電動機70は、電動機として動作するとき、車両1の駆動力(車両を走行させるためのトルク)を発生する。
第1電流センサ81は、第1リアクトル23に流れる電流A1を表す信号を発生させる。第1リアクトル23から接続点C1の方向に電流が流れているとき、電流A1は正の値となる。第2電流センサ82は、第2リアクトル33に流れる電流A2を表す信号を発生させる。第2リアクトル33から接続点C2の方向に電流が流れているとき、電流A2は正の値となる。
第1電圧センサ83は、蓄電池21の出力電圧V1を表す信号を発生させる。第2電圧センサ84は、キャパシタ31の出力電圧V2を表す信号を発生させる。
<作動>
次に、ECU50のCPU51(以下、単に「CPU」とも称呼される。)が実行するIGBT41b〜IGBT45bの状態(導通状態及び遮断状態)の制御について説明する。CPUは、車両1の作動中、第1システムメインリレー24及び第2システムメインリレー34並びにIGBT45bを導通状態に維持する。
次に、ECU50のCPU51(以下、単に「CPU」とも称呼される。)が実行するIGBT41b〜IGBT45bの状態(導通状態及び遮断状態)の制御について説明する。CPUは、車両1の作動中、第1システムメインリレー24及び第2システムメインリレー34並びにIGBT45bを導通状態に維持する。
CPUは、IGBT42b及びIGBT44bのいずれか一方のみを導通状態に維持することによって蓄電池21及びキャパシタ31が互いに並列接続された状態でインバータ60に電力を供給するパラレル接続モードを実行する。或いは、CPUは、IGBT43bを導通状態に維持することによって蓄電池21及びキャパシタ31が互いに直列接続された状態でインバータ60に電力を供給するシリーズ接続モードを実行する。換言すれば、CPUは、パラレル接続モードとシリーズ接続モードとを選択的に実行する。
パラレル接続モードが実行されるとき、「昇圧後の蓄電池21の出力電圧」及び「昇圧後のキャパシタ31の出力電圧」が共に電圧VHとなる。換言すれば、昇圧後の出力電圧がVHとなるように、蓄電池21の運転ポイント(昇圧される前の蓄電池21の出力電圧と出力電流との組合せ)及びキャパシタ31の運転ポイントのそれぞれが決定される。
一方、シリーズ接続モードが実行されるとき、「昇圧後の蓄電池21の出力電流」及び「昇圧後のキャパシタ31の出力電流」が互いに等しくなる。換言すれば、昇圧後の出力電流が互いに等しくなるように、蓄電池21の運転ポイント及びキャパシタ31の運転ポイントのそれぞれが決定される。
決定された蓄電池21の運転ポイントにおける出力電圧と出力電流との積が、蓄電池21の出力電力である。同様に、決定されたキャパシタ31の運転ポイントにおける出力電圧と出力電流との積が、キャパシタ31の出力電力である。即ち、蓄電池21及びキャパシタ31のそれぞれの運転ポイントが決定されることによって、蓄電池21及びキャパシタ31のそれぞれの出力電力の配分が決定される。
CPUは、蓄電池21及びキャパシタ31のそれぞれの残容量(SOC)並びに電動機70が必要とする電力に基づいて、パラレル接続モード及びシリーズ接続モードの内の一方を選択し、且つ、蓄電池21及びキャパシタ31のそれぞれの出力電力の配分を決定する。
1 パラレル接続モード
パラレル接続モードの場合、CPUは、蓄電池21の出力電圧V1とキャパシタ31の出力電圧V2との大小関係に応じて本システムの作動状態を切り替える。
パラレル接続モードの場合、CPUは、蓄電池21の出力電圧V1とキャパシタ31の出力電圧V2との大小関係に応じて本システムの作動状態を切り替える。
1−1 電圧V1<電圧V2の場合
パラレル接続モードの実行時、電圧V1が電圧V2よりも低い場合、CPUは、IGBT42bを導通状態に維持する。その結果、蓄電池21及びキャパシタ31が互いに並列に接続される。この場合における本システムの等価回路を図2に示す。
パラレル接続モードの実行時、電圧V1が電圧V2よりも低い場合、CPUは、IGBT42bを導通状態に維持する。その結果、蓄電池21及びキャパシタ31が互いに並列に接続される。この場合における本システムの等価回路を図2に示す。
この状態において、IGBT43bが導通状態にあるとき、第1リアクトル23にエネルギーが蓄積される。その後、IGBT43bが遮断状態に変化すると、第1リアクトル23に蓄積されたエネルギーが解放され、インバータ60に供給される。その結果、蓄電池21の出力する電圧V1が昇圧され、その昇圧された電圧がインバータ60に印加される。即ち、この場合、第1給電部20及びスイッチ部40は、昇圧チョッパ回路として作動する。
或いは、IGBT43b及びIGBT44bが共に導通状態にあるとき、第1リアクトル23に加えて第2リアクトル33にもエネルギーが蓄積される。その後、IGBT43b及びIGBT44bの少なくとも一方が遮断状態に変化すると、第2リアクトル33に蓄積されたエネルギーが解放され、インバータ60に供給される。その結果、キャパシタ31の出力する電圧V2が昇圧され、その昇圧された電圧がインバータ60に印加される。即ち、この場合、第2給電部30及びスイッチ部40は、昇圧チョッパ回路として作動する。
加えて、インバータ60の発生させる直流電圧によって蓄電池21及び/又はキャパシタ31が充電されるとき、IGBT41bが制御される。より具体的に述べると、IGBT41bが導通状態にあるとき、インバータ60が発生させる直流電圧によって第2リアクトル33にエネルギーが蓄積される。その後、IGBT41bが遮断状態に変化すると、第2リアクトル33に蓄積されたエネルギーが解放される。即ち、この場合、インバータ60の発生させる電圧が降圧され、その降圧された電圧がキャパシタ31に印加される。即ち、第2給電部30及びスイッチ部40は、降圧チョッパ回路として作動する。
或いは、IGBT41b及びIGBT44bが共に導通状態にあるとき、インバータ60が発生させる直流電圧によって第2リアクトル33に加えて第1リアクトル23にもエネルギーが蓄積される。その後、IGBT41b及びIGBT44bの少なくとも一方が遮断状態に変化すると、第1リアクトル23に蓄積されたエネルギーが解放される。即ち、この場合、インバータ60の発生させる電圧が降圧され、その降圧された電圧が蓄電池21に印加される。即ち、この場合、第1給電部20及びスイッチ部40は、降圧チョッパ回路として作動する。
1−2 電圧V1>電圧V2の場合
パラレル接続モードの実行時、電圧V1が電圧V2よりも高い場合、CPUは、IGBT44bを導通状態に維持する。その結果、蓄電池21及びキャパシタ31が互いに並列に接続される。この場合における本システムの等価回路を図3に示す。
パラレル接続モードの実行時、電圧V1が電圧V2よりも高い場合、CPUは、IGBT44bを導通状態に維持する。その結果、蓄電池21及びキャパシタ31が互いに並列に接続される。この場合における本システムの等価回路を図3に示す。
この状態において、IGBT43bが導通状態にあるとき、第2リアクトル33にエネルギーが蓄積される。その後、IGBT43bが遮断状態に変化すると、第2リアクトル33に蓄積されたエネルギーが解放され、インバータ60に供給される。その結果、キャパシタ31の出力する電圧V2が昇圧され、その昇圧された電圧がインバータ60に印加される。即ち、この場合、第2給電部30及びスイッチ部40は、昇圧チョッパ回路として作動する。
或いは、IGBT42b及びIGBT43bが共に導通状態にあるとき、第2リアクトル33に加えて第1リアクトル23にもエネルギーが蓄積される。その後、IGBT42b及びIGBT43bの少なくとも一方が遮断状態に変化すると、第1リアクトル23に蓄積されたエネルギーが解放され、インバータ60に供給される。その結果、蓄電池21の出力する電圧V1が昇圧され、その昇圧された電圧がインバータ60に印加される。即ち、この場合、第1給電部20及びスイッチ部40は、昇圧チョッパ回路として作動する。
加えて、インバータ60の発生させる直流電圧によって蓄電池21及び/又はキャパシタ31を充電されるとき、IGBT41bが制御される。より具体的に述べると、IGBT41bが導通状態にあるとき、インバータ60が発生させる直流電圧によって第1リアクトル23にエネルギーが蓄積される。その後、IGBT41bが遮断状態に変化すると、第1リアクトル23に蓄積されたエネルギーが解放される。即ち、この場合、インバータ60の発生させる電圧が降圧され、その降圧された電圧が蓄電池21に印加される。即ち、第1給電部20及びスイッチ部40は、降圧チョッパ回路として作動する。
或いは、IGBT41b及びIGBT42bが共に導通状態にあるとき、インバータ60が発生させる直流電圧によって第1リアクトル23に加えて第2リアクトル33にもエネルギーが蓄積される。その後、IGBT41b及びIGBT42bの少なくとも一方が遮断状態に変化すると、第2リアクトル33に蓄積されたエネルギーが解放される。即ち、この場合、インバータ60の発生させる電圧が降圧され、その降圧された電圧がキャパシタ31に印加される。即ち、第2給電部30及びスイッチ部40は、降圧チョッパ回路として作動する。
2 シリーズ接続モード
シリーズ接続モードの実行時、CPUは、IGBT43bを導通状態に維持する。その結果、蓄電池21及びキャパシタ31が互いに直列に接続される。この場合における本システムの等価回路を図4に示す。
シリーズ接続モードの実行時、CPUは、IGBT43bを導通状態に維持する。その結果、蓄電池21及びキャパシタ31が互いに直列に接続される。この場合における本システムの等価回路を図4に示す。
この状態において、IGBT42bが導通状態にあるとき、第1リアクトル23にエネルギーが蓄積される。その後、IGBT42bが遮断状態に変化すると、第1リアクトル23に蓄積されたエネルギーが開放され、インバータ60に供給される。その結果、蓄電池21の出力する電圧V1が昇圧され、その昇圧された電圧がインバータ60に印加される。即ち、第1給電部20及びスイッチ部40は、昇圧チョッパ回路として作動する。
或いは、IGBT44bが導通状態にあるとき、第2リアクトル33にエネルギーが蓄積される。その後、IGBT44bが遮断状態に変化すると、第2リアクトル33に蓄積されたエネルギーが開放され、インバータ60に供給される。その結果、キャパシタ31の出力する電圧V2が昇圧され、その昇圧された電圧がインバータ60に印加される。即ち、第2給電部30及びスイッチ部40は、昇圧チョッパ回路として作動する。
加えて、インバータ60の発生させる直流電圧によって蓄電池21及び/又はキャパシタ31が充電されるとき、IGBT41bが制御される。より具体的に述べると、IGBT41bが導通状態にあるとき、インバータ60が発生させる直流電圧によって第1リアクトル23及び第2リアクトル33のそれぞれにエネルギーが蓄積される。或いは、IGBT41b及びIGBT42bが共に導通状態にあるとき、第2リアクトル33にのみエネルギーが蓄積される。一方、IGBT41b及びIGBT44bが共に導通状態にあるとき、第1リアクトル23にのみエネルギーが蓄積される。
その後、IGBT41bが遮断状態に変化すると、第1リアクトル23及び/又は第2リアクトル33に蓄積されたエネルギーが解放される。この場合、インバータ60の発生させる電圧が降圧され、その降圧された電圧が蓄電池21及び/又はリアクトル33に印加される。即ち、この場合、第1給電部20及び/又は第2給電部30並びにスイッチ部40は、降圧チョッパ回路として作動する。
上述したパラレル接続モード及びシリーズ接続モードのそれぞれのより詳細な作動は、特許文献1の他、例えば、特開2013−013234号公報、特開2013−093923号公報及び特開2013−102595号公報等に記載されている。
<電池間短絡検出処理の概要>
次に、CPUが実行する電池間短絡検出処理について説明する。
次に、CPUが実行する電池間短絡検出処理について説明する。
ダイオード42a及び/又はIGBT42bが常に導通した状態となる短絡故障が発生した場合、電圧V1>電圧V2であれば、図5の太線B1によって表されるように、蓄電池21とキャパシタ31とが互いに直列に接続される閉回路が形成される。即ち、電池間短絡が発生する。
電池間短絡が発生しているか否かを判定するための条件は「短絡判定条件」とも称呼される。本例において短絡判定条件は、電流A1の大きさと電流A2の大きさとが共に正の定数αより大きく(即ち、|A1|>α且つ|A2|>α)、電流A1の大きさと電流A2の大きさとの差が正の定数βよりも小さい(即ち、|A1|−β<|A2|<|A1|+β)ときに成立する。
電池間短絡が発生した場合、蓄電池21の出力する電力によってキャパシタ31が充電される。更に、蓄電池21とキャパシタ31との間の電圧差が大きければ、この閉回路に流れる電流が過大となり得る。
過大電流が流れているとき、第1システムメインリレー24及び/又は第2システムメインリレー34を遮断した場合、アーク放電が発生してシステムメインリレーを構成する開閉器のいずれかに溶着が発生する虞がある。加えて、これらの開閉器を導通状態から遮断状態へ変更するためには所定の時間を要するので、開閉器によって閉回路を遮断しようとすれば、速やかにこの閉回路を遮断することができない。
そこで、CPUは、電池間短絡の発生を検出したとき、閉回路を遮断するため、IGBT45bを遮断状態に制御する。次いで、CPUは、第1システムメインリレー24(即ち、第1正極開閉器24a及び第1負極開閉器24b)を遮断する。更に、CPUは、車両1の運転者に対して警告を発するとともに、蓄電池21を電気的に遮断した状態にて車両1の縮退運転を実行する。
CPUは、車両1の縮退運転を実行するとき、IGBT43b及びIGBT44bを共に導通状態にすることによって第2リアクトル33にエネルギーを蓄積させる。次いで、CPUは、IGBT43b及びIGBT44bを共に遮断状態にすることによって第2リアクトル33に蓄積されたエネルギーを開放し、以て、キャパシタ31の出力電圧を昇圧し、その昇圧された電圧をインバータ60に印加する。この処理によって、車両1は、キャパシタ31が出力する電力によって走行を継続することができる。
<具体的作動>
電池間短絡検出処理の実行時におけるCPUの具体的な作動を、図6にフローチャートにより表された「電池間短絡検出処理ルーチン」を参照しながら説明する。CPUは、上述したパラレル接続モード及びシリーズ接続モードのいずれか一方を実行中、本ルーチンを所定の時間が経過する毎に実行する。即ち、適当なタイミングになると、CPUはステップ600から処理を開始してステップ605に進み、上記短絡判定条件が成立しているか否かを判定する。
電池間短絡検出処理の実行時におけるCPUの具体的な作動を、図6にフローチャートにより表された「電池間短絡検出処理ルーチン」を参照しながら説明する。CPUは、上述したパラレル接続モード及びシリーズ接続モードのいずれか一方を実行中、本ルーチンを所定の時間が経過する毎に実行する。即ち、適当なタイミングになると、CPUはステップ600から処理を開始してステップ605に進み、上記短絡判定条件が成立しているか否かを判定する。
上記短絡判定条件が成立していた場合、CPUは、ステップ605にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ610乃至ステップ630の処理を順に実行する。
ステップ610:CPUは、電池間短絡が発生していると判定する。
ステップ615:CPUは、IGBT45bを遮断状態に制御する。
ステップ620:CPUは、第1システムメインリレー24(即ち、第1正極開閉器24a及び第1負極開閉器24b)を遮断する。
ステップ625:CPUは、車両1の運転席のダッシュボードに配設された警告灯(不図示)を点灯させる。
ステップ630:CPUは、蓄電池21を遮断した状態で上記縮退運転を実行する。
次いで、CPUは、ステップ695に進み本ルーチンを終了する。
ステップ615:CPUは、IGBT45bを遮断状態に制御する。
ステップ620:CPUは、第1システムメインリレー24(即ち、第1正極開閉器24a及び第1負極開閉器24b)を遮断する。
ステップ625:CPUは、車両1の運転席のダッシュボードに配設された警告灯(不図示)を点灯させる。
ステップ630:CPUは、蓄電池21を遮断した状態で上記縮退運転を実行する。
次いで、CPUは、ステップ695に進み本ルーチンを終了する。
一方、上記短絡判定条件が成立していなかった場合、CPUは、ステップ605にて「No」と判定してステップ635に進み、電池間短絡が発生していないと判定する。次いで、CPUはステップ695に直接進む。
以上、説明したように、本システム(電源システム10)は、
負荷回路(インバータ60)が接続され、同負荷回路に対して直流電力を供給するために用いられる正極接続点(P3)及び負極接続点(N3)と、
前記正極接続点と前記負極接続点とを接続し、同正極接続点と同負極接続点との間にある第1接続点(接続点C1)、同第1接続点と同負極接続点との間にある第2接続点(接続点C2)、同第2接続点と同負極接続点との間にある第3接続点(接続点C3)、及び、同第3接続点と同負極接続点との間に第4接続点(接続点C4)を有する電力線(給電線(PH)、給電線(FR)及び給電線(NH))と、
前記第1接続点に正極が接続され、前記第3接続点に負極が接続された第1直流電源(蓄電池21)と、
前記第2接続点に正極が接続され、前記第4接続点に負極が接続された第2直流電源(キャパシタ31)と、
前記電力線の前記第1接続点と前記第2接続点との間の部分に介装され、カソードが同第1接続点側にあり且つアノードが同第2接続点側にある第1ダイオード42a(第1ダイオードD1)と、
前記電力線の前記第2接続点と前記第3接続点との間の部分に介装され、カソードが同第2接続点側にあり且つアノードが同第3接続点側にある第2ダイオード43a(第2ダイオードD2)と、
前記電力線の前記第3接続点と前記第4接続点との間の部分に介装され、カソードが同第3接続点側にあり且つアノードが同第4接続点側にある第3ダイオード44a(第3ダイオードD3)と、
前記第1ダイオード42aに対して逆並列接続された第1半導体スイッチ42b(第1IGBTSW1)と、
前記第2ダイオード43aに対して逆並列接続された第2半導体スイッチ43b(第2IGBTSW2)と、
前記第3ダイオード44aに対して逆並列接続された第3半導体スイッチ44b(第3IGBTSW3)と、
前記第1半導体スイッチ42b及び前記第3半導体スイッチ44bのいずれか一方のみを導通状態に維持することによって前記第1直流電源と前記第2直流電源とを互いに並列に接続するパラレル接続モード(図2及び図3)と、前記第2半導体スイッチ43bを導通状態に維持することによって前記第1直流電源と前記第2直流電源とを互いに直列に接続するシリーズ接続モード(図4)と、を選択的に実行する制御部(ECU50)と、
を備える電源システムであって、
前記電力線の前記第3接続点と前記第4接続点との間の部分に前記第3ダイオード44aに対して直列に介装され、カソードが同第4接続点側にあり且つアノードが同第3接続点側にある第4ダイオード45a(第4ダイオードD4)と、
前記第4ダイオード45aに対して逆並列接続された第4半導体スイッチ45b(第4IGBTSW4)と、
を備え、
前記制御部は、
前記第4半導体スイッチ45bを導通状態に維持し、
前記第1ダイオード42a及び/又は前記第1半導体スイッチ42bが前記第1接続点から前記第2接続点に流れる電流を常に通過させる短絡故障が発生した結果、前記第1直流電源からの電流が前記第2直流電源に流れ込む閉回路が形成されたとき(図6のステップ610)、前記第4半導体スイッチの状態を導通状態から遮断状態に変更することによって同閉回路を遮断する(図6のステップ615)ように構成されている。
負荷回路(インバータ60)が接続され、同負荷回路に対して直流電力を供給するために用いられる正極接続点(P3)及び負極接続点(N3)と、
前記正極接続点と前記負極接続点とを接続し、同正極接続点と同負極接続点との間にある第1接続点(接続点C1)、同第1接続点と同負極接続点との間にある第2接続点(接続点C2)、同第2接続点と同負極接続点との間にある第3接続点(接続点C3)、及び、同第3接続点と同負極接続点との間に第4接続点(接続点C4)を有する電力線(給電線(PH)、給電線(FR)及び給電線(NH))と、
前記第1接続点に正極が接続され、前記第3接続点に負極が接続された第1直流電源(蓄電池21)と、
前記第2接続点に正極が接続され、前記第4接続点に負極が接続された第2直流電源(キャパシタ31)と、
前記電力線の前記第1接続点と前記第2接続点との間の部分に介装され、カソードが同第1接続点側にあり且つアノードが同第2接続点側にある第1ダイオード42a(第1ダイオードD1)と、
前記電力線の前記第2接続点と前記第3接続点との間の部分に介装され、カソードが同第2接続点側にあり且つアノードが同第3接続点側にある第2ダイオード43a(第2ダイオードD2)と、
前記電力線の前記第3接続点と前記第4接続点との間の部分に介装され、カソードが同第3接続点側にあり且つアノードが同第4接続点側にある第3ダイオード44a(第3ダイオードD3)と、
前記第1ダイオード42aに対して逆並列接続された第1半導体スイッチ42b(第1IGBTSW1)と、
前記第2ダイオード43aに対して逆並列接続された第2半導体スイッチ43b(第2IGBTSW2)と、
前記第3ダイオード44aに対して逆並列接続された第3半導体スイッチ44b(第3IGBTSW3)と、
前記第1半導体スイッチ42b及び前記第3半導体スイッチ44bのいずれか一方のみを導通状態に維持することによって前記第1直流電源と前記第2直流電源とを互いに並列に接続するパラレル接続モード(図2及び図3)と、前記第2半導体スイッチ43bを導通状態に維持することによって前記第1直流電源と前記第2直流電源とを互いに直列に接続するシリーズ接続モード(図4)と、を選択的に実行する制御部(ECU50)と、
を備える電源システムであって、
前記電力線の前記第3接続点と前記第4接続点との間の部分に前記第3ダイオード44aに対して直列に介装され、カソードが同第4接続点側にあり且つアノードが同第3接続点側にある第4ダイオード45a(第4ダイオードD4)と、
前記第4ダイオード45aに対して逆並列接続された第4半導体スイッチ45b(第4IGBTSW4)と、
を備え、
前記制御部は、
前記第4半導体スイッチ45bを導通状態に維持し、
前記第1ダイオード42a及び/又は前記第1半導体スイッチ42bが前記第1接続点から前記第2接続点に流れる電流を常に通過させる短絡故障が発生した結果、前記第1直流電源からの電流が前記第2直流電源に流れ込む閉回路が形成されたとき(図6のステップ610)、前記第4半導体スイッチの状態を導通状態から遮断状態に変更することによって同閉回路を遮断する(図6のステップ615)ように構成されている。
本システムによれば、ダイオード42a及び/又はIGBT42bの短絡故障に起因して電池間短絡が発生したとき、速やかに電池間短絡を解消させることができる。
更に、本システムによれば、電池間短絡を解消するとき、第1システムメインリレー24(即ち、第1正極開閉器24a及び/又は第1負極開閉器24b)に溶着が発生することを防ぐことができる。
以上、本発明に係る内燃機関の制御装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、本発明は、駆動力源として電動機を搭載した車両に適用される車両の電源システムはもとより、駆動力源として更に内燃機関を搭載した車両(即ち、ハイブリッド車両)に適用される電源システムにも及ぶ。
加えて、本実施形態においてIGBT44bは、IGBT45bよりも接続点C3側に介装されていた。しかし、IGBT44bは、IGBT45bよりも接続点C4側に介装されても良い。即ち、ダイオード45aのアノードが接続点C3に接続され、ダイオード45aのカソードがダイオード44aのカソードと接続され、ダイオード44aのアノードが接続点C4に接続されていても良い。
加えて、本実施形態においてECU50は、電池間短絡が発生したとき、第1システムメインリレー24を遮断し、キャパシタ31の出力によって車両1の縮退運転を実行していた。しかし、ECU50は、電池間短絡が発生したとき、第2システムメインリレー34を遮断し、蓄電池21の出力によって車両1の縮退運転を実行しても良い。この場合、ECU50は、第1システムメインリレー24の代わりに第2システムメインリレー34を遮断した後、IGBT45bを導通状態に制御したうえで、IGBT43bの導通状態を制御することによって蓄電池21の出力電圧を昇圧し、その昇圧した電圧をインバータ60に印加する。
加えて、本実施形態においてECU50は、パラレル接続モードを実行するとき、電圧V1<電圧V2であればIGBT42bを導通状態に維持し、電圧V1>電圧V2であればIGBT44bを導通状態に維持していた。しかし、ECU50は、パラレル接続モードを実行するとき、電圧V1>電圧V2であればIGBT42bを導通状態に維持し、電圧V1<電圧V2であればIGBT44bを導通状態に維持していた。
加えて、本実施形態においてECU50は、パラレル接続モード及びシリーズ接続モードのいずれか一方を実行中、電池間短絡検出処理ルーチンを所定の時間が経過する毎に実行していた。しかし、ECU50は、更に、電圧V1>電圧V2である場合にのみ電池間短絡検出処理ルーチンを実行しても良い。
加えて、本実施形態においてECU50は、上記短絡判定条件が成立するとき、電池間短絡が発生していると判定していた。しかし、ECU50は、上記短絡判定条件が成立した状態が所定の期間継続したとき、電池間短絡が発生していると判定しても良い。
加えて、本実施形態において蓄電池21は、リチウムイオン電池であった。しかし、蓄電池21は、ニッケル水素電池、電気二重層キャパシタ及びリチウムイオンキャパシタ等のリチウムイオン電池とは異なる種類の充放電可能な直流電源であっても良い。或いは、本実施形態においてキャパシタ31はリチウムイオンキャパシタであった。しかし、キャパシタ31は、上述したようなリチウムイオンキャパシタとは異なる種類の充放電可能な直流電源であっても良い。
加えて、本実施形態においてスイッチ部40は、半導体スイッチとしてIGBT41b〜IGBT45bを備えていた。特に、IGBT45bは、逆導通阻止IGBT(RB−IGBT)であった。しかし、スイッチ部40は、半導体スイッチとしてMOSFET及びGTOサイリスタ等を備えていても良い。或いは、IGBT41b〜IGBT44bは、逆導通阻止IGBTであっても良い。
車両…10、蓄電池…21、第1コンデンサ…22、第1リアクトル…23、第1システムメインリレー…24、キャパシタ…31、第2コンデンサ…32、第2リアクトル…33、第2システムメインリレー…34、スイッチ部…40、インバータ…50、電動機…60。
Claims (1)
- 負荷回路が接続され、同負荷回路に対して直流電力を供給するために用いられる正極接続点及び負極接続点と、
前記正極接続点と前記負極接続点とを接続し、同正極接続点と同負極接続点との間にある第1接続点、同第1接続点と同負極接続点との間にある第2接続点、同第2接続点と同負極接続点との間にある第3接続点、及び、同第3接続点と同負極接続点との間に第4接続点を有する電力線と、
前記第1接続点に正極が接続され、前記第3接続点に負極が接続された第1直流電源と、
前記第2接続点に正極が接続され、前記第4接続点に負極が接続された第2直流電源と、
前記電力線の前記第1接続点と前記第2接続点との間の部分に介装され、カソードが同第1接続点側にあり且つアノードが同第2接続点側にある第1ダイオードと、
前記電力線の前記第2接続点と前記第3接続点との間の部分に介装され、カソードが同第2接続点側にあり且つアノードが同第3接続点側にある第2ダイオードと、
前記電力線の前記第3接続点と前記第4接続点との間の部分に介装され、カソードが同第3接続点側にあり且つアノードが同第4接続点側にある第3ダイオードと、
前記第1ダイオードに対して逆並列接続された第1半導体スイッチと、
前記第2ダイオードに対して逆並列接続された第2半導体スイッチと、
前記第3ダイオードに対して逆並列接続された第3半導体スイッチと、
前記第1半導体スイッチ及び前記第3半導体スイッチのいずれか一方のみを導通状態に維持することによって前記第1直流電源と前記第2直流電源とを互いに並列に接続するパラレル接続モードと、前記第2半導体スイッチを導通状態に維持することによって前記第1直流電源と前記第2直流電源とを互いに直列に接続するシリーズ接続モードと、を選択的に実行する制御部と、
を備える電源システムであって、
前記電力線の前記第3接続点と前記第4接続点との間の部分に前記第3ダイオードに対して直列に介装され、カソードが同第4接続点側にあり且つアノードが同第3接続点側にある第4ダイオードと、
前記第4ダイオードに対して逆並列接続された第4半導体スイッチと、
を備え、
前記制御部は、
前記第4半導体スイッチを導通状態に維持し、
前記第1ダイオード及び/又は前記第1半導体スイッチが前記第1接続点から前記第2接続点に流れる電流を常に通過させる短絡故障が発生した結果、前記第1直流電源からの電流が前記第2直流電源に流れ込む閉回路が形成されたとき、前記第4半導体スイッチの状態を導通状態から遮断状態に変更することによって同閉回路を遮断するように構成された、
電源システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014158598A JP2016036226A (ja) | 2014-08-04 | 2014-08-04 | 電源システム |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017189083A (ja) * | 2016-04-01 | 2017-10-12 | 富士電機株式会社 | チョッパ回路 |
JP2018093620A (ja) * | 2016-12-02 | 2018-06-14 | 富士電機株式会社 | チョッパ回路 |
CN108258675A (zh) * | 2018-03-29 | 2018-07-06 | 中国电子科技集团公司第四十三研究所 | 一种双直流电源输入的控制电路 |
JP2021013246A (ja) * | 2019-07-05 | 2021-02-04 | 株式会社三英社製作所 | 電力変換回路 |
-
2014
- 2014-08-04 JP JP2014158598A patent/JP2016036226A/ja active Pending
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