JP2016035603A - 画像処理装置、画像形成装置及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置及び画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】透明トナーの使用量を低減するように透明トナーを塗布する領域を自動で決定することを目的としている。
【解決手段】画像データにおいて、注目画素の明るさと前記注目画素の周辺画素の明るさとの差分を所定の許容値と比較して、前記注目画素が、透明トナーの塗布量を決定する領域であるか否かを判断する領域判断手段を有する画像処理装置である。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像処理装置、画像形成装置及び画像処理プログラムに関する。
従来から、原稿の光沢度と記録紙の種類とに応じて透明トナー(無色トナー、クリアトナー)を塗布する画像形成装置が知られている。従来の画像形成装置において透明トナーを塗布する場合、例えば紙面一面に塗布する方法、原稿内の画像を検出して画像部分に塗布する方法、ユーザに指定された領域に塗布する方法等がある。
さらに従来の画像形成装置では、印刷物の質感を原稿と近づけるように透明トナーを塗布するものが知られている。例えば特許文献1には、原稿に忠実に再現するために、原稿の光沢度の検知と記録紙の種類の判別を行い、光沢度と記録紙の種類に応じて透明トナーの画像形成条件を決定することが記載されている。
また特許文献2には、1回の画像形成において有色トナーの画像形成を行わなかった領域に透明トナーで画像形成を行うことが記載されている。
上記従来の技術において、例えば印刷物の質感を原稿と近づけるために所定領域のみ透明トナーを塗布したい場合、透明トナーを塗布する領域を指定する操作が必要となり、操作が煩雑である。また領域を指定しない場合には、例えば紙面一面や原稿内の画像領域全体に透明トナーを塗布することとなり、多量の透明トナーを消費することとなる。
本発明は、上記事情を鑑みてこれを解決すべくなされたものであり、透明トナーの使用量を低減するように透明トナーを塗布する領域を自動で決定することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の如き構成を採用した。
本発明は、画像データにおいて、注目画素の明るさと前記注目画素の周辺画素の明るさとの差分を所定の許容値と比較して、前記注目画素が、透明トナーの塗布量を決定する領域であるか否かを判断する領域判断手段を有する画像処理装置である。
本発明によれば、透明トナーの使用量を低減するように透明トナーを塗布する領域を自動で決定することができる。
第一の実施形態の画像形成装置の構成を説明する図である。 第一の実施形態の画像形成装置の画像処理部を説明する図である。 第一の実施形態の像域分離・ACS判定回路を説明する図である。 画像データの明るさのばらつきを説明する図である。 第一の実施形態の光沢付加部の処理を説明するフローチャートである。 第一の実施形態における図5のステップS505の処理を説明するフローチャートである。 第一の実施形態の注目画素、周辺画素、移動平均を説明するための図である。 第一の実施形態における透明トナーの塗布量を説明するための図である。 透明トナーを算出するために用いる別の関数の例を示す図である。 第二の実施形態における読み取り値のばらつきの判定について説明するフローチャートである。 第二の実施形態において求められるヒストグラムの一例を示す図である。 第三の実施形態における読み取り値のばらつきの判定について説明するフローチャートである。 第四の実施形態における読み取り値のばらつきの判定について説明するフローチャートである。
本発明の画像形成装置では、原稿を読み取った際の画像データにおいて、画素毎の読み取り値のばらつきに応じて透明トナーを塗布するか否かと、透明トナーを塗布する場合の塗布量とを決定する。
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第一の実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態の画像形成装置の構成を説明する図である。
本実施形態の画像形成装置100は、メイン制御部(CPU,Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)111、RAM(Random Access Memory)112、インターフェイスI/O113、レーザ光学系制御部114、電源回路115、光学センサ116、トナー濃度センサ117、環境センサ118、感光体表面電位センサ119、トナー補給回路120、中間転写ベルト駆動部121、操作部122を有する。上記各部、各回路及びセンサ類は、CPU110に接続されている。また本実施形態の画像形成装置100は、画像処理部200を有する。画像処理部200の詳細は後述する。
本実施形態のレーザ光学系制御部114は、レーザ光学系123のレーザ出力を調整する。電源回路115は、帯電チャージャ124に対して所定の帯電用放電電圧を与える。また電源回路115は、現像装置125に対して所定電圧の現像バイアスを与える。また電源回路115は、バイアスローラ126に対して所定の転写電圧を与える。
尚光学センサ116は、感光体ドラム127の転写後の領域に近接配置される発光ダイオードなどの発光素子とフォトセンサーなどの受光素子とから構成される。光学センサ116は、感光体ドラム127上に形成される検知パターン潜像のトナー像におけるトナー付着量と、地肌部におけるトナー付着量とを各色毎にそれぞれ検知する。また光学センサ116は、感光体ドラム127の除電後のいわゆる残留電位を検知する。
本実施形態の光学センサ116からの検知出力信号は、図示しない光学センサ制御部に供給される。光学センサ制御部は、検知パターントナー像におけるトナー付着量と地肌部におけるトナー付着量との比率を求め、その比率値を基準値と比較して画像濃度の変動を検知し、YMCK各色のトナー濃度センサ117の制御値の補正を行なっている。
本実施形態のトナー濃度センサ117は、現像装置125内に存在する現像剤の透磁率変化に基づいてトナー濃度を検知する。トナー濃度センサ117は、検知されたトナー濃度値と基準値と比較し、トナー濃度が一定値を下回ってトナー不足状態になった場合に、不足分に対応した大きさのトナー補給信号をトナー補給回路120に供給する。トナー補給回路120は、トナー補給信号を受けて現像装置125へトナーを供給する。
電位センサ119は、感光体ドラム127の表面電位を検知する。中間転写ベルト駆動部121は、中間転写ベルトの駆動を制御する。
尚図中では省略しているが、本実施形態の画像形成装置100は、CMYK各色及び透明トナーに対応した感光体ドラムを有する。また本実施形態の画像形成装置100では、感光体ドラム127と同様に、感光体ドラム毎に帯電チャージャ、電源回路、現像装置及び各種センサ等が設けられている。すなわち本実施形態では、CMYK各色に対応した現像装置と、透明トナーに対応した現像装置とを含む合計5つ以上の現像装置を有する。
次に図2を参照して本実施形態の画像形成装置100の画像処理部について説明する。図2は、第一の実施形態の画像形成装置の画像処理部を説明する図である。
本実施形態の画像形成装置100は、画像処理部200を有する。本実施形態の画像処理部200は、スキャナ210、211、シェーディング補正回路212、213、チップ間画素補間回路214、FL(First Last)補正回路215、メモリコントローラ216、画像メモリ217、像域分離・ACS(オートカラーセレクション)判定回路218、スキャナγ変換回路219、空間フィルタ回路220、自動濃度調整レベル検出・除去回路221、色相判定回路222、色変換UCR(下色除去)処理回路223、変倍処理回路224、γ変換回路225、階調処理回路226、編集処理回路227を有する。
尚FL補正とは、First段とLast段の出力差(階調性の差)を低減するための処理である。First段とは、Red/Green/Blue画像信号を読み取るためのそれぞれのCCD(Charge Coupled Device)の前段を示し、Last段とはこのCCDの後段を示す。FL補正は、First段とLast段の2段に中央で分けた構成のCCDを使用する場合に、First段で読み取った画像信号とLast段で読み取った画像信号との出力差(階調性の差)を低減させる。更にFirst段、Last段の各段は、Even(偶数番目の画素)/Odd(奇数番目の画素)とで異なるCCDで読み取るため、本実施形態のFL補正回路215では、Even(偶数番目の画素)/Odd(奇数番目の画素)の出力差も補正される。
また本実施形態の画像形成装置100は、Mutilayer BUS231、パターン生成回路232、γ変換回路233、プロッタ234、圧縮・伸張回路235、HDD(Hard Disk)I/F(インターフェイス)236、HDD237、回転処理回路238、外部インターフェイスI/F239を有する。
以下に本実施形態の画像形成装置100において、両面コピーの実行指示がなされた場合について説明する。
本実施形態の画像形成装置100では、両面コピーの実行指示がなされると、原稿の一方を表面として、スキャナ210によりR、G、Bに色分解される。例えば本実施形態では、10ビット信号で読み取られる。また画像形成装置100では、原稿の表面と反対側を裏面として、スキャナ211に同様に原稿の裏面を読み取る。本実施形態では以上のように一回の搬送により、原稿の両面が同時に読み取られる。
スキャナ211により読み取られた画像信号は、シェーディング補正回路212により、主走査方向のムラが補正され、8ビット信号で出力される。スキャナ211により読み取られた画像信号は、同様にシェーディング補正回路213により、主走査方向のムラが補正され、8ビット信号で出力される。
チップ間画素補間回路214は、主走査方向に並べられたスキャナ210のチップ間の間隙の画像データを両隣の画素から補間する。FL補正処理回路215は、主走査方向に並べた2組のスキャナ211の感度差(階調性の差)を補正する。
メモリコントローラ216は、スキャナ210に読み取られ、シェーディング補正回路212、チップ間画素補間回路214で処理された画像データを一時的に画像メモリ217へ記憶させる。またメモリコントローラ216は、スキャナ211に読み取られシェーディング補正回路213、FL補正回路215の処理後の画像データを一時的に画像メモリ217へ記憶させる。本実施形態の画像メモリは、例えばDDR(Double-Data-Rate)メモリである。
本実施形態の画像形成装置100では、画像処理部200において像域分離・ACS判定回路218が画像データ(信号R、G、B)についての像域分離判定、カラー判定及び光沢付加量の算出を行う。図2では、像域分離判定結果を信号X、カラー判定結果を信号ACS Result、光沢付加量を信号Tとした。尚光沢付加量とは、透明トナーの塗布量である。本実施形態では、像域分離・ACS判定回路218において透明トナーを塗布する領域と透明トナーの塗布量を決定する。像域分離・ACS判定回路218の詳細は後述する。
像域分離・ACS判定回路218以降の処理は、従来の画像形成装置と同様の処理であるからここでの説明は省略する。
以下に図3を参照して本実施形態の像域分離・ACS判定回路218の詳細を説明する。図3は、第一の実施形態の像域分離・ACS判定回路を説明する図である。
本実施形態の像域分離・ACS判定回路218は、入力画像I/F301、遅延調整メモリ302、像域分離部303、光沢付加部304、ACS(自動カラー選択)部305、出力画像I/F306を有する。
入力画像I/F301は、後段の各部の処理の必要性に応じて、画像データ(信号R,G,B)の論理反転を行う。遅延調整メモリ302は、後段の各部の処理の必要性に応じて、画像データと各種の出力結果に所定の遅延に応じて出力する。像域分離部303は、入力画素の各画素について、文字・非文字、有彩・無彩、網点・非網点、などの判定を行い、像域分離結果Xとして出力する。
光沢付加部304は、画像データに応じて透明トナーを塗布する適切な領域を自動で割り出す。さらに光沢付加部304は、割り出した領域に塗布する透明トナーの塗布量を決定する。光沢付加部304の処理の詳細は後述する。
ACS部305は、画像データが白黒原稿であるか、カラー原稿であるかを判定し、判定結果ACS Resultを出力する。出力画像I/F306は、入力画像I/F301で論理反転した画像データに対して論理判定を行い、像域分離・ACS処理回路218に入力した画像データと白黒の論理(白が0であるか、黒が0であるか)を一致させる処理を行う。
以下に、本実施形態の光沢付加部304の処理について説明する。本実施形態の光沢付加部304は、画像メモリ217から画像データを読み出し、画像データの明るさのばらつきに応じて透明トナーを塗布する領域(以下、透明トナー塗布領域)と、透明トナーの塗布量とを決定する。
以下に図4を参照して画像データの明るさのばらつきについて説明する。図4は、画像データの明るさのばらつきを説明する図である。図4(A)は、印刷物への透明トナーの塗布量を示す図であり、図4(B)は原稿のA−A断面を示す図であり、図4(C)は画像データの読み取り値を示す概念図であり、図4(D)は原稿の一例を示す図である。
図4に示す原稿40は、普通紙43に印画紙41と印画紙42とが貼り付けられたものである。印画紙41と印画紙42は、光沢のあるボールの写真である。
この原稿40を読み取り位置Pで読み取った場合の画像データの読み取り値が図4(C)に示されている。本実施形態の読み取り値とは、画像データの明るさである。画像データの読み取り値は、原稿の紙の種類、画像の有無、光沢の有無によって異なる。
例えば普通紙43における地肌部の読み取り値のばらつきB1は、印画紙41、42における地肌部の読み取り値のばらつきB2、B3に比べて大きいことがわかる。また原稿40では、地肌部分の読み取り値と、絵柄部分の読み取り値が大きく異なる。絵柄部分とは、地肌部分と文字部分以外の部分である。図4の例では、普通紙43の文字部分以外の部分が原稿40の地肌部分であり、印画紙41、42の部分が絵柄部分である。
本実施形態の光沢付加部304は、この読み取り値及び読み取り値のばらつきを用いて、透明トナー塗布領域及び透明トナーの塗布量を決定する。
以下に本実施形態の光沢付加部304の処理について説明する。図5は、第一の実施形態の光沢付加部の処理を説明するフローチャートである。以下に説明する処理は、画像データの各画素毎に行われる処理である。
本実施形態の光沢付加部304は、メモリコントローラ216を介して画像メモリ217から画像データを読み出す(ステップS501)。本実施形態の画像データとは画像の読み取り値を含む。尚ここで画像メモリ217に格納されている画像データは、画像形成装置100の有するスキャナにより読み取られた画像データである。
続いて光沢付加部304は、読み取り値が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS502)。所定の閾値とは、画像データが地肌部分の画像データ(以下、地肌データ)か否かを判断するために予め設定された値であり、以下の説明では地肌閾値と呼ぶ。例えば図4(C)において読み取り値Tを地肌閾値とした場合、読み取り値が地肌閾値T未満であった場合、画像データは地肌データであると判断する。
ステップS502において読み取り値が地肌閾値未満であった場合、光沢付加部304は、画像データのRGB値に基づき用紙の種類が透明トナーを塗布すべき用紙であるか否かを判断する(ステップS503)。透明トナーを塗布すべき用紙とは、例えば光沢紙や印画紙等である。具体的には本実施形態の光沢付加部304には、透明トナーを塗布する用紙のRGB値が用紙種類判別値として予め格納されており、光沢付加部304は画像データのRGB値が用紙種類判別値と一致するか否かを判断する。本実施形態では、例えば画像データのRGB値が用紙種類判別値との誤差が所定範囲内である場合に、画像データのRGB値と用紙種類判別値とが一致するものと判断しても良い。
ステップS503において画像データのRGB値が用紙種類判別値と一致した場合、光沢付加部304は透明トナーを使用するものと判断し、この画素を透明トナー塗布領域として認識する(ステップS504)。
ステップS502において、画像データの読み取り値が地肌閾値以上であった場合及びステップS503において画像データのRGB値が用紙種類判別値と一致しないと判断された場合、光沢付加部304は読み取り値のばらつきが所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS505)。ステップS505の詳細は後述する。尚ステップS505における所定の閾値とは、透明トナーを使用するか否かを判断するための閾値であり、使用判断閾値と呼ぶ。
ステップS505において読み取り値のばらつきが使用判断閾値以下であった場合、光沢付加部304はこの画素を透明トナー塗布領域として認識する。ステップS505において読み取り値のばらつきが使用判断閾値より大きかった場合、光沢付加部304はこの画素に透明トナーを塗布しない(ステップS506)。
以下に図6を参照してステップS505の処理の詳細を説明する。図6は、第一の実施形態における図5のステップS505の処理を説明するフローチャートである。
光沢付加部304は、画像データの読み取り値が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS601)。ステップS601における所定値は、画像データの明るさ(読み取り値)により透明トナーを塗布するか否かを判断するための閾値であり、以下では明るさ閾値と呼ぶ。
ステップS601において画像データの読み取り値が明るさ閾値以下であった場合、光沢付加部304はこの画素に対して透明トナーを塗布しない(ステップS602)。
ステップS601において読み取り値が明るさ閾値より大きい場合、光沢付加部304は注目画素の読み取り値と周辺画素の読み取り値とを用いて移動平均を算出する(ステップS603)。
本実施形態の注目画素とは、現在透明トナーの使用の有無の判断を行う対象となっている画素であり、周辺画素とは注目画素から所定範囲内にある画素である。周辺画素となる画素の範囲は予め設定されているものとした。光沢付加部304では、ステップS603において注目画素の読み取り値と周辺画素の読み取り値との平均値を移動平均値として算出する。
ここで図7を参照して注目画素、周辺画素、移動平均値について説明する。図7は、第一の実施形態の注目画素、周辺画素、移動平均値を説明するための図である。
図7のライン70は、原稿から読み取った画像データの1ラインを示している。ライン70は、画素1、画素2、画素3、・・・、画素nで構成されている。
例えば周辺画素の範囲が、1ライン上において注目画素を中心とした5画素までと設定されていた場合について考える。この場合、画素3が注目画素であった場合には画素1、2、4、5が周辺画素となる。本実施形態の移動平均値とは、注目画素の読み取り値と周辺画素の読み取り値との平均値である。よって画素3が注目画素であり、画素1、2、4、5が周辺画素である場合、移動平均値は画像1〜5の読み取り値の平均値となる。
尚注目画素が画像データの端部にある場合には、周辺画素は注目画素を中心としなくても良い。例えば画素1が注目画素であった場合には、画素2〜5を周辺画素としても良い。
したがって、例えば図6のステップS603において光沢付加部304は、画素1から画素5までの5つの読み取り値の平均値を移動平均値として算出する。続いて光沢付加部304は、注目画素の読み取り値と、移動平均値との差分を求める(ステップS604)。この差分により、注目画素の明るさと周辺画素の明るさと差がわかる。例えば差分が大きければ、注目画素は周辺画素とは明るさが異なる画素であり、周辺画素となじまない画素であることが分かる。本実施形態ではこの差分を画像データの明るさのばらつきと見なす。
続いて光沢付加部304は、注目画素の読み取り値と、移動平均値との差分が所定値以下か否かを判断する(ステップS605)。ステップS605における所定値とは、注目画素の明るさと周辺画素の明るさの差分において許容される値である。以下ではステップS605における所定値を差分許容値と呼ぶ。
ステップS605において差分が差分許容値以下であった場合、光沢付加部304は注目画素を透明トナー塗布領域として認識する(ステップS606)。ステップS605において差分が差分許容値より大きい場合、光沢付加部304は注目画素に透明トナーを塗布しない(ステップS602)。
このように本実施形態では、注目画素の読み取り値と移動平均値との差分が許容差分値以下の場合、注目画素の色の濃度と周辺画素の色の濃度とが近いものと判断し、注目画素を透明トナー塗布領域として認識する。また注目画素の読み取り値と移動平均値との差分が許容差分値より大きい場合、注目画素の色の濃度と周辺画素の色の濃度とが異なると判断し、注目画素を透明トナー塗布領域として認識しない。
本実施形態の光沢付加部304は、以上のようにして画像データを画素毎に透明トナー塗布領域とするか否かを判断し、透明トナーを塗布する領域を決定する。
尚図6では、注目画素の読み取り値と移動平均値の差分を用いて透明トナー塗布領域とするか否かを判断しているが、判断に用いられる値は差分でなくても良い。例えば注目画素の読み取り値と移動平均値の差分から分散を求め、分散に基づき透明トナー塗布領域とするか否かを判断しても良い。
次に本実施形態における透明トナーの塗布量の算出について説明する。図8は、第一の実施形態における透明トナーの塗布量を説明するための図である。
図8では、縦軸が透明トナーの塗布量Tであり、横軸を注目画素の読み取り値と移動平均値との差分Vthである。
本実施形態の光沢付加部304の有する記憶領域には、図8に示す透明トナーの塗布量Tと差分Vthとの関係を示す対応情報として、透明トナーの塗布量Tと差分Vthとの関係を示す関数が格納されている。光沢付加部304は、この関数を参照し注目画素毎に算出された差分Vthに対応した透明トナーの塗布量Tを求める。
例えば図8に示す例では、差分Vthが差分許容値の最大値Vthmaxであった場合、光沢付加部304は透明トナーの塗布量T=0となる。また差分Vthが0である場合、即ち注目画素の色が周辺画素と同じ濃度である場合、光沢付加部304は透明トナーの塗布量Tを最大値Tmaxとなる。また例えば差分VthがVth1である場合、光沢付加部304は透明トナーの塗布量TをT1となる。
本実施形態では、このように注目画素の読み取り値と移動平均値の差分に対応した量の透明トナーを塗布することができる。
さらに本実施形態では、差分Vthと透明トナーの塗布量との関係を示す関数を複数有していても良い。例えば注目画素の読み取り値が所定値以上であった場合には、透明トナーの塗布量Tを最大値Tmaxの値を大きくしても良い。このようにすれば、明るい画素にはより多くの透明トナーが塗布されることとなり、光沢を出すことができる。
図9は、透明トナーを算出するために用いる別の関数の例を示す図である。図9の例では、縦軸が透明トナーの塗布量Tであり、横軸を画像濃度とした。図9の場合、画像濃度が高いほど透明トナーの塗布量が少なくなる。
また図9では、横軸を有色トナー(CMYK)の使用量とした場合も示している。横軸を有色トナーとした場合、記録用紙上に載せる有色トナーの付着量が多くなるにつれて、透明トナーの塗布量Tが少なくなる。
また本実施形態では、差分Vthと透明トナーの塗布量との関係を関数として示したが、これに限定されない。差分Vthと透明トナーの塗布量との関係は、光沢付加部304において例えばテーブル等によって示されていても良い。
また本実施形態では、透明トナーの塗布量の最大値Tmaxは、画像形成装置100において許容される透明トナーの塗布量の上限値よりも小さくなるように設定すれば、透明トナーの消費量を抑えつつ、適切な領域に透明トナーを塗布することができる。
さらに本実施形態では、画像データの読み取り値の明るさを使用したが、これに限定されない。本実施形態の画像データの読み取り値の明るさとは、原稿をスキャナで読み取った際の反射率(読み取り値)に比例した明るさである。
本実施形態では、例えば読み取り値から画像濃度を算出し、この画像濃度を使用して透明トナーを塗布する領域と塗布量を決定しても良い。尚画像濃度は、画像データの読み取り値の明るさとは大小関係が反対になる。すなわち反射率が大きい画像データの画像濃度は低く、反射率の小さい画像データの画像濃度は高くなる。画像濃度は以下の式で算出される。
画像濃度=exp(−反射率に比例した読み取り値)
また本実施形態では、例えば、読み取り値から算出される明度を算出して使用しても良い。明度は、反射率に比例した読み取り値のγ乗(べき乗で係数がγ)として表される。尚γは、(1/3)〜(1/4)程度の値とした。
また本実施形態では、画像データを画像形成装置100の有するスキャン装置により読み取ったものとしたが、これに限定されない。本実施形態の画像形成装置100では、例えば画像形成装置100と接続されたコンピュータから送信された画像データを印刷する際に、本実施形態を適用することもできる。この場合画像形成装置100は、コンピュータから受信した画像データに対して本実施形態を実施するための像域分離・ACS判定回路を別途有していることが好ましい。またこの場合コンピュータ側で、画像形成装置100に地肌部分と絵柄部分とを識別させるための画像データの加工が行われることが好ましい。
以上に説明したように、本実施形態によれば、画像データにおいて、各画素を注目画素とした場合の注目画素と周辺画素との読み取り値の差分から、画素毎に透明トナーを塗布するか否かを判断する。また透明トナーを塗布すると判断された場合には、画素毎に透明トナーの塗布量を決定する。よって本実施形態では、原稿をスキャンするだけで、自動的に透明トナーを塗布する領域及び塗布量を自動的に決定することができ、且つ透明トナーの使用量を低減させることができる。
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。本発明の第二の実施形態では、読み取り値のばらつきの判定の手法が第一の実施形態と相違する。よって以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図10は、第二の実施形態における読み取り値のばらつきの判定について説明するフローチャートである。図10の処理は、第一の実施形態の図5のステップS505に対応する処理である。
本実施形態では、画像データを読み取った後に、所定の画素数で形成される所定領域内の画像データのピーク値の値、ピークの幅、ピークの数等に基づき、画像データのばらつきの大きさを判断する。
本実施形態では、光沢付加部304は、画像データ中の所定領域内において読み取り値が所定値以上の画素のRGB成分それぞれについて、ヒストグラムを求める(ステップS1001)。ステップS1001での所定領域と所定値は予め設定された領域と値である。所定領域とは、例えば5画素×5画素等というよう設定されている。
続いて光沢付加部304は、求めたヒストグラムから画素数で規格化したピーク値、ピーク幅、ピーク数を求める(ステップS1002)。尚ピークの幅は、例えばヒストグラムのピークの半値幅であっても良い。
続いて光沢付加部304は、以下の3つの条件のうち何れかひとつでも成立する場合に、透明トナーを使用しないものと判断する(ステップS1003)。3つの条件は、ピーク値が所定値以下であること、ピーク幅が所定値より大きいこと、複数のピークが存在すること、である。
ステップS1003において、光沢付加部304は、求めたヒストグラムがこの3つの条件の1つでも満たさなければ、画像データのばらつきが小さいと判断し、透明トナー塗布領域と認識する(ステップS1004)。またステップS1003において3つの条件のいずれかを満たす場合は光沢付加部304は画像データのばらつきが大きいと判断し、透明トナーを塗布しない(ステップS1005)。
以下に図11を参照して本実施形態において求められるヒストグラムについて説明する。図11は、第二の実施形態において求められるヒストグラムの一例を示す図である。
図11の横軸は、画像データのRGB成分の反射率を示しており、値が大きいほど明るく、値が小さいほど暗いことを示す。また図11の縦軸はヒストグラムの頻度を示す。
図11のサンプルSを参照して本実施形態のピーク値、ピーク幅について説明する。サンプルSに示すように、本実施形態ではヒストグラムの頻度の上限をピーク値とし、半値幅をピーク幅とした。
また図11では、2種類の原稿aと原稿bにおいて同一の画素数からなる地肌領域に対するRGB成分それぞれのヒストグラムを示した。原稿aについてはRGB成分をRa、Ga、Baとし、原稿bについてはRGB成分をRb、Gb、Bbとして示した。
図11の例では、原稿aでのRGB成分の明るさはRa<Ga<Baとなっており、原稿bでのRGB成分の明るさのBb<Gb<Rbとなっている。また原稿aのヒストグラムのピーク値は、原稿bのヒストグラムのピーク値より大きく、ピーク幅についても原稿aの方が原稿bの方より小さい。
したがって本実施形態では、原稿aの画像データの地肌部分のばらつきは、原稿bの画像データの地肌部分ばらつきより大きいと判断する。また原稿aの方が原稿bに比べて
平滑性が高くなめらかであると判断し、透明トナーの塗布量を多くしても良い。
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第三の実施形態について説明する。本発明の第三の実施形態では、読み取り値のばらつきの判定において網点を検出する点が第一の実施形態と相違する。よって以下の第三の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図12は、第三の実施形態における読み取り値のばらつきの判定について説明するフローチャートである。
本実施形態では、像域分離部303で注目画素が網点であるか否かを検出する。ステップS1201において注目画素が網点でない場合(ステップS1202)、光沢付加部304は、図6の処理を行う(ステップS1203)。ステップS1202において注目画素が網点である場合、光沢付加部304は網点の周波数成分を検出する(ステップS1204)。続いて光沢付加部304は、網点であると判定された画素について、網点の周波数成分を除去する(ステップS1205)。
図12のステップS1206からステップS1209までの処理は、図6のステップS603からステップS606までの処理と同様であるから説明を省略する。
ステップS1208において注目画素の読み取り値と移動平均との差が所定値より大きい場合、光沢付加部304は注目画素と隣接する画素に透明トナーが使用されているか否かを判断する(ステップS1210)。ステップS1210において注目画素と隣接する画像に透明トナーが使用されている場合、光沢付加部304はステップS1209へ進み、注目画素を透明トナー塗布領域に含まれるものと認識する。ステップS1210において注目画素と隣接する画素に透明トナーが使用されていない場合、光沢付加部304はこの注目画素に透明トナーを塗布しない(ステップS1211)。
このように本実施形態では、注目画素が網点であるかに基づき透明トナーを塗布するか否かを判断できる。
(第四の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第四の実施形態について説明する。以下の第四の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
本実施形態では、画像データのばらつきの判定において、注目画素の読み取り値と移動平均との差から自己相関関数を求め、自己相関関数に基づき透明トナーを使用するか否かを判断する。
図13は、第四の実施形態における読み取り値のばらつきの判定について説明するフローチャートである。
本実施形態では、光沢付加部304は、注目画素の読み取り値と周辺画素の読み取り値から移動平均を求める(ステップS1301)。続いて光沢付加部304は、注目画素と移動平均との差を用いて自己相関関数を求める(ステップS1302)。続いて光沢付加部304は、自己相関関数のフーリエ変換を行い、パワースペクトルを求める(ステップS1303)。
続いて光沢付加部304は、網点の周波数成分を除去する(ステップS1304)。続いて光沢付加部304は、パワースペクトルを積分する(ステップS1305)。次に光沢付加部304は、積分した結果の値が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS1306)。
ステップS1306において積分値が所定値以下である場合、光沢付加部304は注目画素を透明トナー塗布領域と認識し、透明トナーを使用する(ステップS1307)。ステップS1306において積分値が所定値より大きい場合、光沢付加部304は注目画素に透明トナーを塗布しない(ステップS1308)。
このように本実施形態では、注目画素の読み取り値と移動平均との差を用いて注目画素に透明トナーを塗布するか否かを判断できる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
100 画像形成装置
200 画像処理部
218 像域分離・ACS判定回路
304 光沢付加部
特開2009−151238号公報 特許第3877212号公報

Claims (10)

  1. 画像データにおいて、注目画素の明るさと前記注目画素の周辺画素の明るさとの差分を所定の許容値と比較して、前記注目画素が、透明トナーの塗布量を決定する領域であるか否かを判断する領域判断手段を有する画像処理装置。
  2. 前記領域判断手段は、
    前記差分が前記所定の許容値以下である場合に、前記注目画素を前記透明トナーの塗布量を決定する領域と判断する請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記領域判断手段は、
    前記注目画素の明るさが所定値以下である場合に、前記注目画素が、透明トナーの塗布量を決定する領域であるか否か判断することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
  4. 透明トナーの塗布量を決定する領域と判断された注目画素に対する透明トナーの塗布量を決定する塗布量決定手段をさらに備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記塗布量決定手段は、
    前記差分に応じて前記注目画素に対する透明トナーの塗布量を決定する請求項4記載の画像処理装置。
  6. 前記塗布量決定手段は、
    前記注目画素の濃度に応じて前記注目画素に対する透明トナーの塗布量を決定する請求項4記載の画像処理装置。
  7. 画像データにおいて、注目画素の濃度と前記注目画素の周辺画素の濃度との差分を所定の許容値と比較して、前記注目画素が、透明トナーの塗布量を決定する領域であるか否かを判断する領域判断手段を有する画像処理装置。
  8. 前記周辺画素の濃度は、前記注目画素を含む所定数の周辺画素の濃度の平均値である請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置を備える画像形成装置。
  10. 画像処理装置に、
    画像データにおいて、注目画素の明るさと前記注目画素の周辺画素の明るさとの差分を所定の許容値と比較して、前記注目画素が、透明トナーの塗布量を決定する領域であるか否かを判断する処理を実行させる画像処理プログラム。
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