図により本発明に係る画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。尚、以下の各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。また、以下の実施形態に記載されている装置構成、構成部品、構成部品の寸法、材質、及び形状、その他、相対配置等に限定されるものではない。
先ず、図1〜図5を用いて本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成を示す。本実施形態では、画像形成装置1としてレーザビームプリンタを採用した一例として説明する。図1において、画像形成装置1は電子写真プロセスを実現させるための電子写真感光体からなる静電潜像が形成される像担持体としての感光ドラム100を有する。
感光ドラム100の周囲には、該感光ドラム100の表面に接触して該表面を帯電する帯電手段となる帯電ローラ700が配置される。帯電ローラ700は図3に示すように、プロセスカートリッジ200に設けられた回動軸720を中心に回動可能な接離手段となる離間部材710により感光ドラム100の表面に対して接離可能に設けられている。
離間部材710は、感光ドラム100の回転が伝達されることで回動して帯電ローラ700を該感光ドラム100の表面から離間する図3(a)に示す離間状態から図3(b)に示す当接状態へ移行させる。
未使用(新品)のプロセスカートリッジ200では図3(a)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700の使用前の長期加圧状態を回避する。そのために離間部材710に設けられた係止部710aに帯電ローラ700の回転軸700aを係止して該帯電ローラ700を感光ドラム100の表面から離間した状態で保持されている。
また、図3(a)に示すように、感光ドラム100が図3(a)の時計回り方向に回転する。すると、該感光ドラム100の端部に固定されて一体的に回転するドラムギア110が離間部材710に設けられた離間ギア730に噛合して該離間部材710を回動軸720を中心に図3(a)の反時計回り方向に回動する。
これにより、図3(b)に示すように、帯電ローラ700の回転軸700aが離間部材710の係止部710aから外れて脱離し、図示しない付勢手段により付勢されて帯電ローラ700が感光ドラム100の表面に当接する。
更に、図2に示すように、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧を印加する帯電バイアス電源回路500が設けられている。帯電バイアス電源回路500は、感光ドラム100が画像形成前の非画像形成時の回転する前に、帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加する。帯電バイアス電圧Vtは、直流電圧または交流電圧の何れか一方の帯電バイアス電圧Vt、または、直流電圧と交流電圧とを重畳した帯電バイアス電圧Vtを印加する。
本実施形態では、感光ドラム100の表面上に電子写真プロセスに必要な均一な電荷を形成するために、帯電バイアス電源回路500は通常の正弦波からなる交流電圧に直流電圧を重畳した帯電バイアス電圧Vtを発生する。
図3(b)に示すように、帯電ローラ700を感光ドラム100の表面に当接した状態で、図2に示す帯電バイアス電源回路500により帯電バイアス電圧Vtを該帯電ローラ700に印加する。これにより感光ドラム100の表面に均一な電荷を形成することが出来る。
帯電ローラ700により均一の電位に帯電された感光ドラム100の表面に露光手段となるレーザスキャナ300により画像データに応じたレーザ光300aを照射する。これにより、感光ドラム100の表面上に静電潜像を形成する。感光ドラム100の表面上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体となる現像スリーブ410を含む現像手段となる現像装置400が感光ドラム100に対向して配置されている。
更に、感光ドラム100の表面上に形成されたトナー像を記録材Pに転写する転写手段となる転写ローラ800が設けられている。更に、記録材Pに転写した後に感光ドラム100の表面上に残留したトナーを除去するクリーニング手段となるクリーニング装置900が設けられている。
本実施形態では、感光ドラム100と、帯電ローラ700と、クリーニング装置900とを含むプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に対して着脱自在に装着される。
帯電ローラ700により均一の電位に帯電された感光ドラム100の表面にレーザスキャナ300により画像データに応じたレーザ光300aが照射されて静電潜像が形成される。感光ドラム100の表面に形成された静電潜像には現像装置400によってトナーが供給されてトナー像として現像される。
一方、シート搬送手段により搬送された記録材Pが感光ドラム100と、転写手段となる転写ローラ800とのニップ部に搬送され、該転写ローラ800に印加される転写バイアス電圧により感光ドラム100の表面上のトナー像が記録材Pに転写される。
トナー像が転写された記録材Pは、加熱ローラ1010と加圧ローラ1011を含む定着手段となる定着装置1000に搬送される。そして、該加熱ローラ1010と加圧ローラ1011とのニップ部において加熱及び加圧されてトナー像が記録材Pに画像として定着される。その後、更に、図示しないシート搬送手段により搬送されて機外に排出される。
プロセスカートリッジ200には、図3に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とを接離可能な接離手段となる離間部材710が設けられている。図3(a)に示すように、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200に設けられた帯電ローラ700は離間部材710によって感光ドラム100の表面から離間されている。
また、図3(b)に示すように、感光ドラム100の回転に伴って離間部材710が回動軸720を中心に図3(b)の反時計回り方向に回動される。すると、帯電ローラ700の回転軸700aが離間部材710の係止部710aから脱離して図示しない付勢手段により帯電ローラ700が感光ドラム100の表面に当接する。この状態になるとプロセスカートリッジ200は使用開始後の旧品として判断される。
即ち、離間部材710は、プロセスカートリッジ200が新品のときは、図3(a)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とを離間状態とする。また、プロセスカートリッジ200が使用開始後の旧品のときは、図3(b)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とを当接状態とする。
図3(a)に示すように、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200に設けられた帯電ローラ700は、離間部材710によって感光ドラム100との離間状態が保持されている。感光ドラム100が図3(a)の時計回り方向に回転する。すると、該感光ドラム100と一体的に回転するドラムギア110が離間部材710に一体的に設けられた離間ギア730に噛合して該離間部材710が回動軸720を中心に図3(a)の反時計回り方向に回動する。これにより、帯電ローラ700が離間部材710から離脱し、感光ドラム100の表面に当接する。
図2は帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に印加された帯電バイアス電圧Vtにより感光ドラム100を経由して帰還する帰還電流を検知する電流検知手段となる帰還電流検知回路2の構成を示す。図2に示すように、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する帯電バイアス電源回路500と、該帯電バイアス電源回路500を制御する制御手段となるコントローラ600が設けられている。
帰還電流検知回路2は、接離手段となる離間部材710による感光ドラム100と帯電ローラ700との接離状態を検知する接離検知手段として構成される。
コントローラ600は、CPU(Central Processing Unit;中央演算装置)600cと、記憶手段となる記憶部620が設けられている。記憶部620にはROM(Read Only Memory;リードオンリメモリ)600dと、RAM(Randam AccessMemory;ランダムアクセスメモリ)600eとが設けられる。更に、コントローラ600は、カウンタ600f、タイマ600g等を備えている。
ROM600dには、画像形成装置1を制御するための各種制御プログラムや各種設定、初期値等が記憶されている。RAM600eは、各種制御プログラムが読み出される作業領域として、或いは、画像データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。CPU600cはROM600dから読み出した制御プログラムや各種センサから送られる信号に従って、その処理結果をRAM600eに記憶させながら、各構成要素を制御する。
図2に示すように、コントローラ600の出力ポート600aから帯電バイアス電源回路500に出力されるサンプリング制御信号Goは、図5に示すように、通常、周波数が200Hz〜1kHz程度の方形波で構成される。コントローラ600から帯電バイアス電源回路500に出力されるサンプリング制御信号Goは画像形成装置1のプロセススピード(画像形成速度)等により決定される。
本実施形態では、コントローラ600から帯電バイアス電源回路500に出力されるサンプリング制御信号Goは、周波数が470Hz、デューティ(Duty)が50%、ピークトゥピーク電圧Vppが5Vの方形波で構成される。コントローラ600から帯電バイアス電源回路500に出力されたサンプリング制御信号Goは、該帯電バイアス電源回路500に設けられたトランジスタ502と、抵抗503とによりピークトゥピーク電圧Vppが24Vにレベル変換される。
図2の帯電バイアス電源回路500に設けられるオペアンプ501は、コントローラ600から入力された図5に示す方形波からなるサンプリング制御信号Goをピークトゥピーク電圧Vppが20Vの正弦波電圧に変換する。オペアンプ501からトランス511の一次側巻線に入力された正弦波電圧は、該トランス511の一次側巻線と二次側巻線との巻線比に応じた正弦波電圧に変換される。該トランス511の二次側巻線にはピークトゥピーク電圧Vppが約2kVの正弦波電圧が出力される。オペアンプ501の出力側と、トランス511の一次側巻線との間には充放電を行なうための電解コンデンサ512が接続されている。
図2の帯電バイアス電源回路500のトランス511の二次側に設けられるダイオード509とコンデンサ508とは、該トランス511の二次側巻線に出力される正弦波電圧を整流する整流回路である。直流電源510は、図5に示すコントローラ600の出力ポート600aから直流成分からなるPRDCCが入力される。これにより帯電ローラ700に印加される帯電バイアス電圧Vtの交流成分である交流電圧の中心値をずらすための該帯電バイアス電圧Vtの直流成分である直流電圧を出力する。
図2の帯電バイアス電源回路500のトランス511の二次側に接続されたコンデンサ519は感光ドラム100へ電力を伝えるためのコンデンサであり、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520により電流/電圧変換される。しかる後、帰還電流検知回路2に設けられたダイオード521により正電圧のみを取り出してオペアンプ522と、コンデンサ524と、抵抗523とによってピークチャージされた検知信号Giがコントローラ600の入力ポート600bに入力される。
プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。その際に該プロセスカートリッジ200が未使用(新品)ではなく使用開始後(旧品)の場合は、図3(b)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とが当接している。
このため、図2において、プロセスカートリッジ200を示す点線内が図2(b)の状態になり、帯電ローラ700を介して感光ドラム100に電流が流れる。その際に、帯電ローラ700と感光ドラム100との間に絶縁抵抗となる空気が存在しない。このため帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に流れる帰還電流Iuが最も大きくなる。このため図5に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合に該抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vuは最も大きい。
一方、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着され、その際に該プロセスカートリッジ200が未使用(新品)の場合は、図3(a)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とが離間されている。このため、図2において、プロセスカートリッジ200を示す点線内が図2(a)の状態になり、帯電ローラ700と感光ドラム100とが離間されている。
すると、帯電ローラ700を介して感光ドラム100に電流が流れるにあたり、帯電ローラ700と感光ドラム100との間に絶縁抵抗となる空気が存在する。これにより電流が流れ難くなり、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に流れる帰還電流Inは使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合の帰還電流Iuよりも小さくなる。
従って、図5に示すように、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合に該抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vnは、以下の通りである。即ち、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合に該抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vuよりも小さい。
また、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に未装着の場合は、図2において、プロセスカートリッジ200を示す点線内が図2(c)の状態になり、帯電ローラ700と感光ドラム100が存在しない。このため回路全体を流れる電流は極めて小さくなり、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に流れる帰還電流Ioは最も小さい。
従って、図5に示すように、該抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Voは、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合に該抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vnよりも更に小さい。
上記の理由から図5に示す帰還電圧Vu,Vn,Voの関係は以下の数1式に示す通りである。
[数1]
Vu>Vn>Vo
判断手段となるコントローラ600は、該コントローラ600の入力ポート600bに入力される接離検知手段となる帰還電流検知回路2の抵抗520に流れる帰還電流Iu,In,Ioに対応して以下の判断を行う。即ち、該抵抗520の両端部に発生する図5に示す帰還電圧Vu,Vn,Voの検知結果に基づいてプロセスカートリッジ200が未使用(新品)か使用開始後(旧品)かの新旧状態の判断や、或いは、未装着であるかの状態を判断する。
本実施形態では、図5に示すように、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vnよりも小さい第一の電圧値Vs1が設定される。また、第一の電圧値Vs1は、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に未装着の場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Voよりも大きい。
そして、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に流れる帰還電流Iによって該抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vが図5に示す第一の電圧値Vs1よりも小さい場合がある。その場合には、判断手段となるコントローラ600によりプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていないと判断する。
即ち、帰還電流検知回路2によって検知した抵抗520に流れる帰還電流Iが図5に示す第一の電圧値Vs1が該抵抗520の両端部に発生する際に該抵抗520に流れる第一の電流値Is1よりも小さい場合がある。その場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていないと判断する。
また、図5に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vuよりも小さい第二の電圧値Vs2が設定される。また、第二の電圧値Vs2は、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vnよりも大きい。
ここで、前記第二の電圧値Vs2は前記第一の電圧値Vs1よりも大きい。即ち、図5に示す第二の電圧値Vs2が該抵抗520の両端部に発生する際に該抵抗520に流れる第二の電流値Is2は、図5に示す第一の電圧値Vs1が該抵抗520の両端部に発生する際に該抵抗520に流れる第一の電流値Is1よりも大きい。
そして、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に流れる帰還電流Iによって該抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vが図5に示す第一の電圧値Vs1以上で且つ第二の電圧値Vs2よりも小さい場合がある。その場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が新品であると判断する。
即ち、帰還電流検知回路2によって検知した抵抗520に流れる帰還電流Iが図5に示す第一の電圧値Vs1が該抵抗520の両端部に発生する際に該抵抗520に流れる第一の電流値Is1以上である。更に、図5に示す第二の電圧値Vs2が該抵抗520の両端部に発生する際に該抵抗520に流れる第二の電流値Is2よりも小さい場合がある。その場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が新品であると判断する。
また、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に流れる帰還電流Iによって該抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vが図5に示す第二の電圧値Vs2以上の場合がある。その場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であると判断する。
即ち、帰還電流検知回路2によって検知した抵抗520に流れる帰還電流Iが図5に示す第二の電圧値Vs2が該抵抗520の両端部に発生する際に該抵抗520に流れる第二の電流値Is2以上の場合がある。その場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であると判断する。
プロセスカートリッジ200の新旧を判断する閾値電圧となる第二の電圧値Vs2は、以下の通り設定される。即ち、図5に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vuを考える。更に、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vnを考える。そして、帰還電圧Vuと、帰還電圧Vnとの間に第二の電圧値Vs2が設定される。
また、プロセスカートリッジ200の装着、未装着を判断する閾値電圧となる第一の電圧値Vs1は、以下の通り設定される。即ち、図5に示すように、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vnを考える。更に、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に未装着の場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Voを考える。そして、帰還電圧Vnと、帰還電圧Voとの間に第一の電圧値Vs1が設定される。
<プロセスカートリッジの状態検知動作>
次に図4を用いてプロセスカートリッジ200の新旧及び装着、未装着状態の検知動作について説明する。画像形成装置1に設けられた図示しない電源スイッチがONされると、感光ドラム100の回転駆動(前多回転)が開始される前にプロセスカートリッジ200の装着、未装着、新旧状態の検知を実施する。
図4のステップS101において、コントローラ600は帯電バイアス電源回路500を制御して該帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加する。
このとき、ステップS102において、帯電ローラ700に流れる電流に対応する帰還電流Iが帰還電流検知回路2により検知される。そして、抵抗520に流れる帰還電流Iによって該抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vが該コントローラ600の入力ポート600bに入力される。コントローラ600は入力ポート600bに入力される帰還電圧Vのサンプリングを実施する。
そして、ステップS103において、コントローラ600はサンプリングした帰還電圧Vの平均電圧値Vcを算出する。そして、ステップS104において、帰還電圧Vの平均電圧値Vcと、コントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値電圧となる第二の電圧値Vs2とを比較する。
前記ステップS104において、帰還電圧Vの平均電圧値Vcが第二の電圧値Vs2以上(第二の電流値以上)である。そのときは、ステップS105に進んで画像形成装置1本体に対して使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が正しく装着されたと判断される。その後、ステップS106に進んで、その後のプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS104において、帰還電圧Vの平均電圧値Vcがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された第二の電圧値Vs2未満の場合がある。その場合には、画像形成装置1本体に対して未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が装着されたと判断する。或いは、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に対して未装着(装着忘れ)であると判断する。或いは、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に対して装着されていても、その装着状態が不完全であると判断する。
そのため、ステップS107において、帰還電圧Vの平均電圧値Vcがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された第一の電圧値Vs1以上(第一の電流値以上)であるか否かを判断する。ステップS107において、帰還電圧Vの平均電圧値Vcが第一の電圧値Vs1以上である場合にはステップS108に進んで未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断する。その後、ステップS109に進んで、コントローラ600の記憶部620に設けられたRAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットする。
コントローラ600は、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断する。しかし、交換前のプロセスカートリッジ200の使用量カウント値がカウンタ600fによりカウントされ、積算されてRAM600eに記憶されている。そこで、交換前のプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットして使用量カウント値を「0」とする。
ここで、カウンタ600fは、プロセスカートリッジ200を記録材Pが何枚通過したか、或いは、感光ドラム100がどれだけの時間回転しているか等をカウントする。そして、それらのカウント値が記憶部620に設けられたRAM600eに随時積算して記憶される。この機能により感光ドラム100の寿命検知を行っている。未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された時点でこの寿命検知を行うプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットする。
即ち、コントローラ600は、プロセスカートリッジ200の使用情報を記憶する記憶手段となるRAM600eを有する。そして、該コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断する。その場合、該RAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用情報をリセットする。
その後、ステップS110に進んで、プロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を行う。ここで、プロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作としては、以下の通りである。即ち、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200を使用開始する際に帯電ローラ700の変形や感光ドラム100の表面に付着している塵埃を解消する。このために感光ドラム100や帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtをかけずに空回転させる。或いは、帯電バイアス電圧Vtを印加した帯電ローラ700により感光ドラム100の表面を一様に帯電させる。他に未使用(新品)のプロセスカートリッジ200を使用開始する時の種々のイニシャライズ動作を行う。
感光ドラム100は、使用前に該感光ドラム100の表面を均一にするために図示しない駆動手段により該感光ドラム100を一定時間回転駆動させるイニシャライズ動作を行う。
感光ドラム100の駆動時間内に帯電バイアス電源回路500により帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する。そして、感光ドラム100の表面の均一化を促進する。或いは、レーザスキャナ300によりレーザ光300aを感光ドラム100の表面に照射する。これにより、感光ドラム100の表面の電位立上りを向上させる。
即ち、制御手段となるコントローラ600は、プロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を制御する。そして、該コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断した場合、該コントローラ600によりプロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を実施する。
その後、前記ステップS106に進んで、その後のプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS107において、帰還電圧Vの平均電圧値Vcがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値電圧となる第一の電圧値Vs1未満の場合がある。その場合には、ステップS111に進んで、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が正常に装着されていないと判断して通知し、動作を停止させて終了する。
図5はプロセスカートリッジ200の新旧、装着、未装着の状態を検知するタイムチャートである。コントローラ600は画像形成装置1の電源立ち上げ時、或いは、記録材Pの補充やプロセスカートリッジ200の着脱、各種部品の点検や交換を行う際に使用される扉が閉じられたとき等にプロセスカートリッジ200の新旧及び有無検知動作を開始する。
コントローラ600は、プロセスカートリッジ200の新旧及び有無検知動作を実施するために、出力ポート600aからサンプリング制御信号Goを出力して帯電バイアス電源回路500を駆動する(ステップS101)。帯電バイアス電源回路500により帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtが印加されている間に帰還電流検知回路2により検知され、コントローラ600の入力ポート600bに入力される帰還電圧Vのサンプリングを繰り返す(ステップS102)。そして、所定時間(本実施形態では400msec)内にサンプリングした帰還電圧Vのデータを平均し、その平均電圧値Vcを検知電圧とする(ステップS103)。
帰還電圧Vのサンプリングは、帯電バイアス電源回路500により帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtが印加されている間に帰還電流検知回路2により連続して行なわれる。
プロセスカートリッジ200の新旧及び有無状態の検知動作時間内に帰還電圧Vの平均電圧値Vcと、閾値電圧となる第二の電圧値Vs2(本実施形態では0.7V)とを比較する(ステップS104)。そして、帰還電圧Vの平均電圧値Vcが第二の電圧値Vs2以上である場合には、その時点で使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断する(ステップS105)。そして、プリント待ち状態とする(ステップS106)。
また、プロセスカートリッジ200の新旧及び有無状態の検知動作時間内に帰還電圧Vの平均電圧値Vcが、閾値電圧となる第二の電圧値Vs2(0.7V)よりも小さい。更に、閾値電圧となる第一の電圧値Vs1(本実施形態では0.5V)以上の場合がある。その場合には、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断する(ステップS108)。そして、コントローラ600の記憶部620に設けられたRAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットする(ステップS109)。そして、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を実行する(ステップS110)。
また、プロセスカートリッジ200の新旧及び有無状態の検知動作時間内に帰還電圧Vの平均電圧値Vcが第一の電圧値Vs1(0.5V)未満の場合がある。その場合には、プロセスカートリッジ200が未装着状態であると判断し、画像形成装置1に設けられた図示しない表示手段となる表示パネル等を用いてユーザに報知する(ステップS111)。
上記のようにプロセスカートリッジ200の新旧及び有無の判断が完了すると、コントローラ600は出力ポート600aからのサンプリング制御信号Goを停止して帰還電圧Vのサンプリング動作を終了する。
本実施形態では、プロセスカートリッジ200の新旧及び有無状態の検知動作時間内に図5に示すサンプリング制御信号Goのパルスの出力タイミングに基づいて帰還電圧Vのサンプリング動作を繰り返し行う。これにより、プロセスカートリッジ200の新旧及び装着、未装着状態の判定を正確に行うことが可能である。
次に、図6及び図7を用いて本発明に係る画像形成装置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
本実施形態では、図6に示すように、接離手段となる離間部材710による感光ドラム100と帯電ローラ700との接離状態を検知する接離検知手段は、該離間部材710の回動位置を検知する位置検知手段となる光センサ740を含んで構成されている。光センサ740は発光部740aと受光部740bとを有する。
図6(a)に示すように、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200に設けられた帯電ローラ700が離間部材710によって感光ドラム100の表面から離間されている。そのとき、発光部740aから出射された出射光740cが離間部材710の被検知部710bに反射して反射光740dが受光部740bに受光されて光センサ740がONとなる。この状態でプロセスカートリッジ200は未使用の新品として判断される。
また、感光ドラム100が図6(a)の時計回り方向に回転する。すると、該感光ドラム100と一体的に回転するドラムギア110が離間部材710に一体的に設けられた離間ギア730に噛合して該離間部材710が回動軸720を中心に図6(a)の反時計回り方向に回動する。
すると、図6(b)に示すように、帯電ローラ700の回転軸700aが離間部材710の係止部710aから脱離して図示しない付勢手段により帯電ローラ700が感光ドラム100の表面に当接する。このとき、発光部740aから出射された出射光740cは離間部材710の被検知部710bから外れた位置に照射されて反射光740dが受光部740bに受光されず、光センサ740はOFFとなる。この状態でプロセスカートリッジ200は使用開始後の旧品として判断される。
そして、光センサ740により検知された検知結果と、帰還電流検知回路2の検知結果に基づいて、判断手段となるコントローラ600がプロセスカートリッジ200の新旧及び有無状態を判断する。
画像形成装置1に設けられた図示しない電源スイッチがONされると、感光ドラム100の回転駆動(前多回転)が開始される前にプロセスカートリッジ200の新旧及び装着、未装着状態の検知を実施する。
<プロセスカートリッジの状態検知動作>
図7を用いて本実施形態におけるプロセスカートリッジ200の状態検知動作について説明する。本実施形態では、ステップS201において、コントローラ600の出力ポート600aからサンプリング制御信号Goを出力する前に光センサ740の検知結果をコントローラ600に送信し、該コントローラ600は光センサ740がONか否かを判断する。前記ステップS201において光センサ740がONの場合には、ステップS202に進み、図6(a)に示すように、画像形成装置1本体に未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が装着されたと判断する。
そして、ステップS203に進んで、コントローラ600の記憶部620に設けられたRAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットする。そして、ステップS204に進んで、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を実行する。その後、ステップS205に進んで、その後のプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS201において、光センサ740の検知結果がOFFであった場合には、コントローラ600は、画像形成装置1本体に使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が装着されたと判断する。或いは、画像形成装置1本体にプロセスカートリッジ200が正常に装着されていないと判断する。
そして、ステップS206に進んで、コントローラ600は帯電バイアス電源回路500を制御して該帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加する。
このとき、ステップS207において、帯電ローラ700に流れる電流に対応する帰還電流Iが帰還電流検知回路2により検知される。そして、図2に示す抵抗520に流れる帰還電流Iによって該抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vが該コントローラ600の入力ポート600bに入力される。コントローラ600は入力ポート600bに入力される帰還電圧Vのサンプリングを実施する。
そして、ステップS208において、コントローラ600はサンプリングした帰還電圧Vの平均電圧値Vcを算出する。そして、ステップS209において、帰還電圧Vの平均電圧値Vcと、図5に示すコントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値電圧となる第二の電圧値Vs2とを比較する。
前記ステップS209において、帰還電圧Vの平均電圧値Vcが第二の電圧値Vs2以上であるときは、ステップS210に進んで画像形成装置1本体に対して使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が正しく装着されたと判断される。その後、前記ステップS205に進んで、その後のプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS209において、帰還電圧Vの平均電圧値Vcが第二の電圧値Vs2未満であった場合には、コントローラ600は画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が未装着(装着忘れ)であると判断する。或いは、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が装着されていても、その装着状態が不完全であると判断する。
そして、ステップS211に進んで、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が正常に装着されていないと判断してユーザに通知し、動作を停止させて終了する。
本実施形態では、プロセスカートリッジ200の新旧状態の判断を光センサ740の検知結果に基づいて判断する。他に、感光ドラム100の図示しないドラム駆動トルクセンサを用いたトルク変動を用いる場合やフットセンサ等を用いて感光ドラム100と帯電ローラ700との離間検知を行う構成でも同様の効果を得ることが出来る。
尚、フットセンサは加圧の有無を検知するセンサであり、これを離間部材710に組み込むことで感光ドラム100と帯電ローラ700との離間検知を行うことが出来る。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
また、前記第1、第2実施形態において、コントローラ600に設けられたカウンタ600fは、プロセスカートリッジ200の使用頻度を検知する頻度検知手段を兼ねる。また、コントローラ600はプロセスカートリッジ200の画像形成状態を変更する変更手段を兼ねる。そして、カウンタ600fにより検知したプロセスカートリッジ200の使用頻度の検知結果に基づいて、コントローラ600により画像形成状態を変更する。
例えば、カウンタ600fにより検知したプロセスカートリッジ200の使用頻度の検知結果に基づいて、コントローラ600により帯電バイアス電源回路500を制御して帯電ローラ700に印加する電流量を変化させることが出来る。未使用(新品)のプロセスカートリッジ200に設けられた未使用状態の帯電ローラ700は著しく抵抗が高く不安定な状態にある。
そこで、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200を使用開始してから記録材Pを100枚程度通紙する期間は帯電ローラ700に印加する電流量を大きくし、それ以降の使用済状態では帯電ローラ700に印加する電流量を下げても画像品質を維持できる。
次に、図8及び図9を用いて本発明に係る画像形成装置の第3実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
前記第1実施形態では、接離検知手段となる帰還電流検知回路2を用いる。そして、帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に印加された帯電バイアス電圧Vtにより感光ドラム100を経由して帰還する帰還電流Iを検知してプロセスカートリッジ200の新旧或いは有無状態を判断した。
プロセスカートリッジ200を交換するときの誤操作や交換作業を忘れた際の誤動作を回避するためにプロセスカートリッジ200の新旧状態を自動的に判別できることは有効である。
未使用(新品)のプロセスカートリッジ200の場合、離間部材710によって感光ドラム100と帯電ローラ700とが離間されている。この状態で感光ドラム100の回転駆動前に帯電ローラ700と感光ドラム100との間に帯電バイアス電圧Vtを印加する。その際に帯電ローラ700と感光ドラム100との間に流れる帰還電流Iを検知することによりプロセスカートリッジ200の新旧状態、及び装着、非装着状態を判別することが出来る。
帯電バイアス電圧Vtが帯電ローラ700を介して感光ドラム100に印加されたときに生じる帰還電流Iを帰還電流検知回路2により検知する。その帰還電流Iが抵抗520に流れることによって該抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vに基づいてプロセスカートリッジ200の新旧状態、及び装着、非装着状態を判断する。
しかしながら、プロセスカートリッジ200に帯電バイアス電圧Vtを印加してプロセスカートリッジ200の新旧状態を自動的に判別する。その場合、プロセスカートリッジ200の新旧状態により流れる帰還電流Iの大きさに明確な差がなければ誤検知を引き起こす可能性がある。
未使用(新品)のプロセスカートリッジ200の場合、離間部材710によって帯電ローラ700と感光ドラム100とが離間されている。このため、その離間空間を僅かに流れる浮遊電流量を検知する必要がある。浮遊電流量は帯電ローラ700と感光ドラム100との離間状態により変化する。また、画像形成装置1が使用される環境の温度や湿度の状態によっても変動する。このためプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていない場合の電流量との差別化が難しい。
そのため未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されているにもかかわらずプロセスカートリッジ200が無いと誤検知してしまう可能性がある。この誤検知を防ぐためには帯電バイアス電圧Vtを上げて浮遊電流量を増やすことが必要となる。しかし、感光ドラム100を回転駆動しない状態で高い帯電バイアス電圧Vtを印加すると、感光ドラム100の表面に帯電ムラを引き起こし、その後の画像形成に影響する可能性がある。
本実施形態では上記課題を解決するものである。画像形成装置1本体に使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が装着されている場合は、図3(b)に示すように、離間部材710による感光ドラム100の係止が解除されて感光ドラム100と帯電ローラ700とは当接している。この状態では図2に示す抵抗520に流れる帰還電流Iuが大きく抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vuも大きい。
一方、画像形成装置1本体に未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合は、図3(a)に示すように、離間部材710により感光ドラム100が係止されて感光ドラム100と帯電ローラ700が離間している。この状態では図2に示す抵抗520に流れる帰還電流Inは使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合の帰還電流Iuよりも小さい。
プロセスカートリッジ200が未装着の場合は、図2に示す抵抗520に流れる帰還電流Ioが少ない。このため抵抗520の両端に発生する帰還電圧Voは未使用(新品)のプロセスカートリッジ200を画像形成装置1本体に装着した場合の帰還電圧Vnよりも更に小さい。
プロセスカートリッジ200の新旧或いは有無状態を判断する閾値電圧は、図5に示すように、プロセスカートリッジ200の装着、未装着を判断する閾値電圧としての第1の電圧値Vs1が設定される。第1の電圧値Vs1は、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200の装着時に発生する帰還電圧Vnと、未装着の帰還電圧Voとの間に設定している。
次に図8を用いてプロセスカートリッジ200の新旧及び有無検知動作について説明する。画像形成装置1に設けられた図示しないメイン電源スイッチがONされると、通常イニシャル動作(前多回転動作)が開始される前にプロセスカートリッジ200の装着、未装着、並びに新旧の検知を実施する。
先ず、図8に示すステップS301において、図2に示す帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加する。次に、ステップS302において、図2に示すコントローラ600は以下の制御を行う。
即ち、帯電ローラ700に印加された帯電バイアス電圧Vtにより帯電ローラ700から感光ドラム100に流れる帰還電流Iにより抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vを検知する。そして帰還電流検知回路2を介してコントローラ600の入力ポート600bに入力されることで帰還電圧Vのサンプリングを実施する。
本実施形態では、帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加する。その際に帯電ローラ700から感光ドラム100に流れる帰還電流Iにより抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vの振れ幅に基づいてコントローラ600によりプロセスカートリッジ200の新旧或いは有無状態を判断する。
即ち、本実施形態では、ステップS303において、帰還電圧Vの振れ幅の一例として、サンプリングした帰還電圧Vの標準偏差値f(V)を以下の数2式を用いて算出する。以下の数2式において、qはサンプリングした数、各サンプリング回数毎の帰還電圧Vのサンプリング値をV1,V2,V3,・・・,Vqとし、それらの平均値をmとする。
次に、ステップS304において、コントローラ600により以下の制御を行う。即ち、帰還電流検知回路2により検知した帰還電流Iにより抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vを検知する。そして、帰還電圧Vの標準偏差値f(V)がコントローラ600に予め記憶されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)の閾値となる第一の偏差値f(Vs1)以上か否かを判断する。
前記ステップS304において、標準偏差値f(V)が第一の偏差値f(Vs1)以上(第一の偏差値以上)である場合には、ステップS305に進んで、コントローラ600はプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断する。
前記ステップS305において、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断される。その場合、ステップS306に進んで、プロセスカートリッジ200の使用情報を記憶する記憶手段となるRAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用情報となる使用量カウント値をリセットする。
次にステップS307において、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を実施する。その後、ステップS310に進んで図示しないプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS304において、標準偏差値f(V)が第一の偏差値f(Vs1)よりも小さい(第一の偏差値未満)場合がある。その場合には、ステップS308に進んで、コントローラ600により以下の制御を行う。即ち、帰還電流検知回路2により検知した帰還電流Iにより抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vを検知する。
そして、帰還電圧Vの標準偏差値f(V)が第二の偏差値f(Vs2)以上で、且つ、第一の偏差値f(Vs1)未満となるか否かを判断する。尚、第一の偏差値f(Vs1)はコントローラ600に予め記憶されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)の閾値である。第二の偏差値f(Vs2)は、第一の偏差値f(Vs1)よりも小さいプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)の閾値である。
前記ステップS308において、標準偏差値f(V)が第二の偏差値f(Vs2)以上(第二の偏差値以上)で且つ第一の偏差値f(Vs1)未満である。その場合には、ステップS309に進んで、コントローラ600はプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であると判断する。その後、ステップS310に進んで図示しないプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS308において、標準偏差値f(V)が第二の偏差値f(Vs2)未満(第二の偏差値未満)である。その場合には、ステップS311に進んで、コントローラ600はプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に正常に装着されていないと判断する。そして、図示しない操作パネルの表示部に「プロセスカートリッジ無し」を表示してユーザに通知し、処理を終了する。
図8のフローチャートに示す制御を実施する。これにより帰還電流検知回路2により検知した帰還電流Iの振れ幅を標準偏差値f(V)に換算してコントローラ600により画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であるかを判断する。
或いは、画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であるかを判断する。或いは、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が未装着であるか(装着忘れ)を判断する。或いは、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に対して装着されていても、その装着状態が不完全であるかを判断することが出来る。
図9はプロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知の検知タイミングを示す図である。コントローラ600は、画像形成装置1の電源立ち上げ時にプロセスカートリッジ200の新旧及び有無検知動作を実施する。
或いは、記録材Pのジャム処理時、或いは、プロセスカートリッジ200の交換時に外装ドアがクローズされたときにプロセスカートリッジ200の新旧及び有無検知動作を実施する。或いは、電源休止時からの復帰時等の各種タイミングでプロセスカートリッジ200の新旧及び有無検知動作を実施する。
コントローラ600は、プロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知動作用に出力ポート600aから駆動信号を出力し、帯電バイアス電源回路500を駆動して帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する(ステップS301)。帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtが印加されている間、コントローラ600の入力ポート600bに入力される帰還電圧Vのサンプリングを繰り返す(ステップS302)。
そして、図9に示すサンプリング時間T(例えば、400msec)内にサンプリングした帰還電圧Vを前記数2式により標準偏差値f(V)を算出する(ステップS303)。標準偏差値f(V)は複数サンプリングした帰還電圧Vの平均値mからのバラつきを示す。即ち、標準偏差値f(V)は複数サンプリングした帰還電圧Vの振れ幅を表す。
本実施形態では、図9に示すように、時刻t1で帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加が開始されるが、帰還電圧Vのサンプリングは、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtが印加されている状態でサンプリング時間T内に連続して行なわれる。本実施形態では、図9に示すように、感光ドラム100の回転駆動が開始されるタイミング(時刻t3)よりも早い時刻t2(t1<t2<t3)から帰還電圧Vのサンプリングが開始される。
そして、帰還電圧Vのサンプリングが行なわれるサンプリング時間T内において帰還電圧Vのサンプリングを実施する。即ち、時刻t3で感光ドラム100の回転駆動が開始される。それから少なくとも図3(a)に示すように、離間部材710により帯電ローラ700を退避させて感光ドラム100と帯電ローラ700とを離間している。その状態から、図3(b)に示すように、離間部材710を解除して感光ドラム100と帯電ローラ700とを当接する状態までの時間内に検知される帰還電圧V(帰還電流I)を含むように帰還電圧Vのサンプリングを実施する。
帰還電圧Vのサンプリング開始のタイミング(時刻t2)は、図9に示すように、帯電ローラ700に印加される帯電バイアス電圧Vtの立ち上がり後の帯電バイアス電圧Vtが安定した領域で行なわれる。特に、感光ドラム100の回転駆動が開始される時刻t3よりも少なくとも100msec〜500msec前のタイミングで行なわれることが望ましい。
帯電ローラ700に印加される帯電バイアス電圧Vtが不安定な領域で帰還電圧Vのサンプリングを実施してしまうと、帯電バイアス電圧Vtの立ち上がり時の電流の振れをノイズとしてサンプリングしてしまうため正常な判断ができなくなる。
また、感光ドラム100の回転駆動が開始されるタイミング(時刻t3)よりも前に帰還電圧Vのサンプリングを開始しない。すると、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200の離間部材710が外れる際の帰還電流Iの振れを検知できない。このため正常な判断ができなくなる。図9に示す時刻t4が未使用(新品)のプロセスカートリッジ200の離間部材710が外れるタイミングである。
帰還電圧Vのサンプリングが終了するタイミング(時刻t5)は、少なくとも離間部材710が外れた後に設定する。図3(a),(b)に示すように、離間部材710は感光ドラム100のドラムギア110と、離間部材710の離間ギア730とが噛合して連動し、感光ドラム100の回転に伴って離間部材710が外れる。
そのため、図9に示す時刻t3において感光ドラム100の回転駆動が開始されてから少なくとも離間部材710の離間ギア730の歯数分だけ感光ドラム100を回転させないと離間部材710は外れない。従って、帰還電圧Vのサンプリングが終了するタイミング(時刻t5)は、少なくとも離間部材710の離間ギア730の歯数分だけ感光ドラム100を回転させた後の時間に設定する。
好ましくは、感光ドラム100を1周分回転させたタイミングで帰還電圧Vのサンプリングを終了させる。すると、感光ドラム100の表面に帯電バイアス電圧Vtの影響を残さないでプロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知のシーケンスを終了できる。
画像形成装置1が使用される環境の温湿度条件により、帯電ローラ700に印加される帯電バイアス電圧Vtの立ち上がり時間が変動する場合も考えられる。その場合は、画像形成装置1が使用される環境の温湿度条件に基づいて感光ドラム100の回転駆動の開始時間(時刻t3)を変更する。一般に温湿度が低い状態の方が立ち上がり時間が遅くなる。そのため、低温低湿度環境になるほど回転駆動の開始時間は長く設定すると良い。
これにより帯電ローラ700に印加される帯電バイアス電圧Vtが安定した領域で帰還電圧Vのサンプリングが出来る。温湿度条件は、画像形成装置の使用環境に応じて複数に分けると良い。例えば、高温高湿環境/常温常湿環境/低温低湿環境など3条件の設定が考えられる。温湿度条件は、高圧基板や帯電ローラの環境特性に応じて選定されるものであり、温湿度条件が複数設定できない場合は、高圧出力が安定する最長時間に設定するのが良い。
プロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知のシーケンス制御の最適化を考えると、画像形成装置1が使用される環境の温湿度条件により帯電ローラ700の内部抵抗が変動し、帰還電流Iが変動することも考えられる。一般に温湿度が低い状態の方が帯電ローラ700の内部抵抗が上昇し、帰還電流Iが小さくなる。そのため、低温低湿環境になるほど帯電バイアス電圧Vtを高く設定する方が良い。画像形成装置1が使用される環境の温湿度条件に対応して帯電ローラ700に印加する帯電バイアス電圧Vtを変更して最適化することでプロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知の判別精度を向上することができる。
本実施形態では、図9の破線で示す未使用(新品)のプロセスカートリッジ200の帰還電圧Vnが離間部材710が外れる時刻t4の前後で変動する。この帰還電圧Vnに対応する抵抗520に流れる帰還電流Iの変動差を帰還電流Iの振れ幅として検知することで離間部材710の離脱を確実に検知することが出来る。
図9に示すプロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知動作を実行するサンプリング時間T内に帰還電圧Vをサンプリングする。サンプリングした帰還電圧Vの標準偏差値f(V)と、振れ幅としてのプロセスカートリッジ200が未使用(新品)の閾値となる第一の偏差値f(Vs1)とを比較する(ステップS304)。そして、標準偏差値f(V)が第一の偏差値f(Vs1)以上になった場合、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断する(ステップS305)。
そして、記憶手段となるRAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットし(ステップS306)、プロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を実行する(ステップS307)。プロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作としては、例えば、帯電ローラ700により感光ドラム100に印加する帯電バイアス電圧Vtの設定をプロセスカートリッジ200の初期状態に対応した設定に変更する。
その他、プロセスカートリッジ200の使用量カウント値(印字枚数)に応じて変更される制御に関しても全てプロセスカートリッジ200の初期状態に対応した設定に変更する。例えば、現像スリーブ410に印加する現像バイアス電圧の設定値、転写ローラ800に印加する転写バイアス電圧の設定値、プロセスカートリッジ200内の回収トナー搬送制御の設定値等を変更する。
また、プロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知動作を実行するサンプリング時間T内にサンプリングした帰還電圧Vの標準偏差値f(V)が振れ幅としての第一の偏差値f(Vs1)未満の場合がある。且つ、第一の偏差値f(Vs1)よりも小さいプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)の閾値となる第二の偏差値f(Vs2)以上の場合がある。その場合は、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断して(ステップS309)、作像開始(ステップS310)に至る印刷待ち状態とする。
また、プロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知動作を実行するサンプリング時間T内にサンプリングした帰還電圧Vの標準偏差値f(V)が振れ幅としての第二の偏差値f(Vs2)未満の場合がある。その場合は、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に未装着、或いは、正常に装着されていないと判断して図示しない表示手段を用いてユーザに「プロセスカートリッジ無し」を報知する(ステップS311)。
本実施形態では、プロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知動作を実行するサンプリング時間T内に帯電ローラ700に印加する帯電バイアス電圧Vtが安定した状態で帰還電圧Vのサンプリングを行う。
そして、少なくとも離間部材710が外れるタイミング(時刻t4)を含むまで帰還電圧Vのサンプリングを繰り返し行い、サンプリングした帰還電圧Vに対応する抵抗520に流れる帰還電流Iの変動差を帰還電流Iの振れ幅として検知する。これによりプロセスカートリッジ200の新旧、装着、非装着の判定を正確に行うことが可能である。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
次に、図10を用いて本発明に係る画像形成装置の第4実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
前記第3実施形態では、帰還電流検知回路2により検知した帰還電流Iが抵抗520を流れる際に抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vの振れ幅としての標準偏差値f(V)を用いる。これによりプロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知動作を実行した場合の一例について説明した。
本実施形態では、帰還電流検知回路2により検知した帰還電流Iが抵抗520を流れる際に抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vの振れ幅としての微分変化値d(Vt)を用いる。これによりプロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知動作を実行した一例について説明する。
本実施形態においても帰還電流検知回路2により検知した帰還電流Iの振れ幅に基づいてコントローラ600によりプロセスカートリッジ200の新旧状態、及び装着、非装着状態を判断する。帰還電流Iの振れ幅としての微分変化値d(Vt)は、図9に示す帰還電圧Vのサンプリングが行なわれるサンプリング時間T内の微小単位時間tあたりの帰還電流Iの変化を比較したときの帰還電流Iの最大変化量である。
帰還電圧Vの振れ幅の一例として、サンプリングした帰還電圧Vの微小単位時間tあたりの微分変化値d(Vt)を以下の数3式を用いて算出する。以下の数3式において、サンプリング時間T内の微小単位時間をt、サンプリングした数をq、各サンプリング回数毎の帰還電圧Vのサンプリング値をV1,V2,V3,・・・,Vqとする。MAX(V1,V2,V3,…,Vq)はサンプリングしたq個のうちの帰還電圧Vの最大値、MIN(V1,V2,V3,…,Vq)はサンプリングしたq個のうちの帰還電圧Vの最小値をそれぞれ示す。
また、プロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知の判断値となる全サンプルから最大値(MAX)として計算された判断値d(Vc)は、前記数3式を用いて以下の数4式により表わされる。
[数4]
d(Vc)=MAX{d(Vt1),d(Vt2),d(Vt3),・・・,d(Vtq)}
微小単位時間tは、10msec〜100msecの間で設定されるのが好ましい。図9の時刻t4で示す離間部材710の離脱前後の帰還電流Iの差分が検知できれば良く、全サンプルデータの最大値(MAX)と最小値との差分を判断値としても良い。
図10は本実施形態におけるプロセスカートリッジ200の新旧検知、及び装着、非装着検知動作を説明するフローチャートである。先ず、図10のステップS401において、図2に示す帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加する。
次に、ステップS402において、帯電バイアス電圧Vtを印加した帯電ローラ700から感光ドラム100に流れる帰還電流Iを帰還電流検知回路2により帰還電圧Vとして検知する。そしてコントローラ600の入力ポート600bに入力される帰還電圧Vのサンプリングを実施する。
次に、ステップS403において前記数3式及び数4式によりサンプリングした帰還電圧Vの微小単位時間tあたりの微分変化値d(Vt)の全サンプルから最大値(MAX)として計算された最大微分変化値d(Vc)を算出する。
次に、ステップS403において、コントローラ600は以下の制御を行う。即ち、帰還電流検知回路2により検知した帰還電流Iが抵抗520を流れる際に抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vの振れ幅としての微小単位時間tあたりの微分変化値d(Vt)の最大微分変化値d(Vc)を用いる。そして、最大微分変化値d(Vc)がコントローラ600に予め記憶されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)の閾値となる第一の微分値d(Vs1)以上(第一の微分値以上)か否かを判断する。
前記ステップS404において、最大微分変化値d(Vc)が第一の微分値d(Vs1)以上であった場合には、ステップS405に進んで、コントローラ600は、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断する。
次に、ステップS406に進んで記憶手段となるRAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットする。次にステップS407に進んでプロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を実行した後、ステップS410に進んでプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS404において、最大微分変化値d(Vc)が第一の微分値d(Vs1)未満(第一の微分値未満)である。その場合は、ステップS408に進む。そして、コントローラ600は最大微分変化値d(Vc)が第二の微分値d(Vs2)以上(第二の微分値以上)で、且つ、第一の微分値d(Vs1)未満か否かを判断する。尚、第二の微分値d(Vs2)は第一の微分値d(Vs1)よりも小さいプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)の閾値である。
前記ステップS408において、最大微分変化値d(Vc)が第二の微分値d(Vs2)以上で、且つ第一の微分値d(Vs1)未満である。その場合にはステップS409に進んでコントローラ600はプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であると判断する。その後、ステップS410に進んで図示しないプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS408において、最大微分変化値d(Vc)が第二の微分値d(Vs2)未満(第二の微分値未満)の場合がある。その場合には、ステップS411に進んでコントローラ600はプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に正常に装着されていないと判断し、図示しない操作パネルの表示部に「プロセスカートリッジ無し」を表示してユーザに通知し、処理を終了する。
図10のフローチャートに示す制御を実施する。これにより帰還電流検知回路2により検知した帰還電流Iの振れ幅を微小単位時間tあたりの微分変化値d(Vt)の最大微分変化値d(Vc)に換算する。そしてコントローラ600により画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であるかを判断する。
或いは、画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であるかを判断する。或いは、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が未装着であるか(装着忘れ)を判断する。或いは、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に対して装着されていても、その装着状態が不完全であるかを判断することが出来る。
本実施形態では、プロセスカートリッジ200の新旧及び装着、未装着検知動作のための帰還電圧Vのサンプリングが行なわれる。その所定時間T内に帯電ローラ700に印加する帯電バイアス電圧Vtが安定した状態で帰還電圧Vのサンプリングを行う。更に、少なくとも離間部材710が外れるタイミング(時刻t4)を含むまで帰還電圧Vのサンプリングを繰り返し行う。
そして、サンプリングした帰還電圧Vに対応する抵抗520に流れる帰還電流Iの変動差を帰還電流Iの振れ幅として検知する。これによりプロセスカートリッジ200の新旧、装着、非装着の判定を正確に行うことが可能である。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
また、前記第3、第4実施形態において、コントローラ600に設けられたカウンタ600fは、プロセスカートリッジ200の使用頻度を検知する頻度検知手段を兼ねる。また、コントローラ600はプロセスカートリッジ200の画像形成状態を変更する変更手段を兼ねる。そして、カウンタ600fにより検知したプロセスカートリッジ200の使用頻度の検知結果に基づいて、コントローラ600により画像形成状態を変更する。
例えば、カウンタ600fにより検知したプロセスカートリッジ200の使用頻度の検知結果に基づいて、コントローラ600により帯電バイアス電源回路500を制御して帯電ローラ700に印加する電流量を変化させることが出来る。未使用(新品)のプロセスカートリッジ200に設けられた未使用状態の帯電ローラ700は著しく抵抗が高く不安定な状態にある。
そこで、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200を使用開始してから記録材Pを100枚程度通紙する期間は帯電ローラ700に印加する電流量を大きくし、それ以降の使用済状態では帯電ローラ700に印加する電流量を下げても画像品質を維持できる。
次に、図11及び図12を用いて本発明に係る画像形成装置の第5実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
本実施形態においてもプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。その際に該プロセスカートリッジ200が未使用(新品)ではなく使用開始後(旧品)の場合は、図3(b)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とが当接している。
このため感光ドラム100の回転駆動動作と同時に帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加した場合には即座に感光ドラム100と帯電ローラ700との間で電流が流れる。そして、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に帰還電流Iuが流れて抵抗520の両端に帰還電圧Vuが発生する。
従って、図12に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合は以下の通りである。即ち、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加してから抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vuが第三の電圧値Vs3以上になるまでにかかる時間Tuは最も短い。
一方、画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)の場合は、図3(a)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とが離間されている。このため感光ドラム100の回転駆動動作と同時に帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する。その場合に、帯電ローラ700が離間部材710による係止から開放されて離脱する。
そして、感光ドラム100に当接してから感光ドラム100と帯電ローラ700との間で電流が流れる。そして、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に帰還電流Inが流れて抵抗520の両端に帰還電圧Vnが発生する。
従って、図12に示すように、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。その場合に、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する。すると、帯電ローラ700が離間部材710による係止から開放されて離脱する。
そして、感光ドラム100に当接するまでの時間Taまでは、感光ドラム100と帯電ローラ700とが当接している状態に比べると以下の通りである。即ち、感光ドラム100と帯電ローラ700との間で電流が流れ難い状態ではあるものの一定の電流が流れる。そして、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に帰還電流Inが流れて抵抗520の両端に帰還電圧Vnが発生する。
時間Taを過ぎて帯電ローラ700と感光ドラム100とが当接してからは、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合と同じようになる。即ち、感光ドラム100と帯電ローラ700との間で電流が流れるようになる。このため抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vnが第三の電圧値Vs3以上になるまでにかかる時間Tnは最も長い。
このように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200と、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200とを比較した場合に、帰還電流Iが所定値以上になるまでのタイミングにズレが生じる。このため、これらを比較することで使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200と、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200と、を判別することができる。
また、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に未装着の場合は、感光ドラム100と帯電ローラ700との間で電流が流れることはなく、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に流れる帰還電流Ioは極めて小さい。従って、図12に示すように、抵抗520の両端に発生する帰還電圧Voは、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合に抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vnよりも遥かに小さい。
上記の理由から図12に示す帰還電圧Vu,Vn,Voの関係は以下の数5式に示す通りである。
[数5]
Vu≒Vn>Vo
判断手段となるコントローラ600は、該コントローラ600の入力ポート600bに入力される接離検知手段となる帰還電流検知回路2の抵抗520に流れる帰還電流Iu,In,Ioに対応して以下の判断を行う。
即ち、該抵抗520の両端部に発生する図5に示す帰還電圧Vu,Vn,Voの検知結果を用いる。更に、帰還電圧Vu,Vnが第三の電圧値Vs3以上になるまでの経過時間の検知結果に基づいてプロセスカートリッジ200が未使用(新品)か使用開始後(旧品)かの新旧状態の判断や、或いは未装着であるかの状態を判断する。
本実施形態では、図12に示すように、未使用(新品)及び使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。そして、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する。その場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vuよりも小さい第三の電圧値Vs3が設定される。
このとき、前記数5式に示された{Vu≒Vn}の関係から第三の電圧値Vs3は、帰還電圧Vnよりも小さくなる。また、第三の電圧値Vs3は、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に未装着の場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Voよりも大きい。
そして、帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に流れる帰還電流Iによって該抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vが以下の場合がある。即ち、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始した時刻から所定の時間を過ぎても図12に示す第三の電圧値Vs3よりも小さい場合がある。その場合には、判断手段となるコントローラ600によりプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていないと判断する。
即ち、帰還電流検知回路2によって検知した抵抗520に流れる帰還電流Iが以下の場合がある。即ち、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加してから所定の時間を過ぎても図12に示す第三の電圧値Vs3が該抵抗520の両端に発生する際に該抵抗520に流れる第三の帰還電流値Is3に達しない場合がある。その場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていないと判断する。
また、図12に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合がある。その場合に感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する。それから抵抗520の両端部に発生する帰還電圧Vuが第三の電圧値Vs3以上になるまでの経過時間Tuよりも短い所定の閾値時間Ts1が設定される。
また、前記所定の閾値時間Ts1は未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合がある。その場合に感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加してから、該抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vnが第三の電圧値Vs3以上になるまでの経過時間Tnよりも長い。
そして、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する。それから帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に流れる帰還電流Iによって該抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vが第三の電圧値Vs3以上になるまでの経過時間Tbが閾値時間Ts1よりも短い場合がある。その場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であると判断する。
即ち、帰還電流検知回路2により抵抗520に流れる帰還電流Iの検知を開始する。その時刻から該抵抗520に流れる帰還電流Iが図12に示す第三の電圧値Vs3が該抵抗520の両端に発生する際に該抵抗520に流れる第三の電流値Is3以上(第三の電流値以上)になる。それまでの経過時間Tb(タイミング)が予め設定された第一のタイミングとなる閾値時間Ts1よりも遅く検知された(短い)場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であると判断する。
また、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する。そして、帰還電流検知回路2により抵抗520に流れる帰還電流Iの検知を開始してから該抵抗520に流れる帰還電流Iが第三の電流値Is3以上になるタイミングがある。そのタイミングが予め設定された第一のタイミングとなる閾値時間Ts1よりも早く検知された場合は、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断する。
即ち、本実施形態では、帯電バイアス電源回路500は、感光ドラム100が画像形成前の非画像形成時の少なくとも回転駆動と同時以降に以下のような帯電バイアス電圧Vtを印加する。即ち、帯電ローラ700に直流電圧または交流電圧の何れか一方の帯電バイアス電圧Vt、または直流電圧と交流電圧とを重畳した帯電バイアス電圧Vtを印加する。
そして、帰還電流検知回路2により抵抗520に流れる帰還電流Iの検知を開始してから該抵抗520に流れる帰還電流Iが図12に示す第三の電圧値Vs3が該抵抗520の両端に発生する。その際に該抵抗520に流れる第三の電流値Is3以上になるまでのタイミングとなる経過時間Tbを検知する。そして、コントローラ600は、帰還電流検知回路2により検知した第三の電流値Is3以上になるまでのタイミングとなる経過時間Tbの検知結果に基づいて、プロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態を判断する。
プロセスカートリッジ200の新旧を判断する閾値電圧となる第三の電圧値Vs3は以下の通り設定される。即ち、図12に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vuを考える。
また、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vnを考える。更に、プロセスカートリッジ200が未装着の場合に帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520の両端に発生する電圧Voを考える。そして、帰還電圧Vu,Vnと、帰還電圧Voとの間に第三の電圧値Vs3が設定される。
<プロセスカートリッジの状態検知動作>
次に図11を用いてプロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態の検知動作について説明する。画像形成装置1に設けられた図示しない電源スイッチがONされると、画像形成を目的とした感光ドラム100の回転駆動(前多回転)が開始される前にプロセスカートリッジ200の装着、未装着状態、及び新旧状態の検知を実施する。
図11のステップS501において、コントローラ600は帯電バイアス電源回路500を制御して該帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加する。
このとき、ステップS502において、図2に示すタイマ600gがONされ、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtが印加されてからの経過時間がカウントされる。
更に、ステップS503において、感光ドラム100の回転駆動がONされる。そして、帯電ローラ700から感光ドラム100に流れる電流に対応する帰還電流検知回路2の抵抗520に流れる帰還電流Iが帰還電流検知回路2により検知される。そして、抵抗520に流れる帰還電流Iによって該抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vが該コントローラ600の入力ポート600bに入力される。コントローラ600は入力ポート600bに入力される帰還電圧Vのサンプリングを実施する。
そして、ステップS505において、一定時間サンプリングした帰還電圧Vの最大値Vmcと、コントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値電圧となる第三の電圧値Vs3とを比較する。
前記ステップS505において、一定時間サンプリングした帰還電圧Vの最大値Vmcがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された第三の電圧値Vs3以上の場合、ステップS506に進む。前記ステップS502にて経過時間のカウントが開始されている。
ステップS506では、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加してからサンプリングした帰還電圧Vがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値電圧となる第三の電圧値Vs3以上となる。そのときの経過時間Tbをコントローラ600の記憶部620に予め記憶された第一のタイミングとなる閾値時間Ts1と比較する。
前記ステップS506において、帰還電圧Vが第三の電圧値Vs3以上となった時の経過時間Tbが閾値時間Ts1以上になった場合、ステップS507に進む。そして、コントローラ600は画像形成装置1本体に対して使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が正しく装着されたと判断する。その後、ステップS508に進んで、その後のプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS506において、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加してからサンプリングした帰還電圧Vがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値電圧となる第三の電圧値Vs3以上となる。そのときの経過時間Tbがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値時間Ts1未満となる場合には、ステップS509に進む。
そして、コントローラ600は未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断する。その後、ステップS510に進んで、コントローラ600の記憶部620に設けられたRAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットする。
RAM600eはプロセスカートリッジ200の使用情報を記憶する記憶手段である。そして、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断した場合、プロセスカートリッジ200の寿命検知を行うためにRAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用情報としての印字枚数をリセットする。
前記ステップS509において、コントローラ600は、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断する。しかし、交換前のプロセスカートリッジ200の使用量カウント値がカウンタ600fによりカウントされ、積算されてRAM600eに記憶されている。そこで、交換前のプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットして使用量カウント値を「0」とする。
ここで、カウンタ600fは、プロセスカートリッジ200を記録材Pが何枚通過したか、或いは、感光ドラム100が何時間回転しているか等をカウントする。そして、それらの使用量カウント値が記憶部620に設けられたRAM600eに随時積算して記憶される。この機能により感光ドラム100の寿命検知を行っている。未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された時点で、この寿命検知を行うプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットする。
即ち、コントローラ600は、プロセスカートリッジ200の使用情報を記憶する記憶手段となるRAM600eを有する。そして、該コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断する。その場合、該RAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用情報をリセットする。
その後、ステップS511に進んで、プロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を行う。ここで、プロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作としては、以下の通りである。即ち、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200を使用開始する際に帯電ローラ700の変形や感光ドラム100の表面に付着している塵埃を解消する。
このために帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加しない状態で空回転動作を実施する。或いは、帯電バイアス電圧Vtを印加した帯電ローラ700により感光ドラム100の表面を一様に帯電させる空回転動作を実施する。他に未使用(新品)のプロセスカートリッジ200を使用開始する時の種々のイニシャライズ動作を行う。
感光ドラム100は、使用前に該感光ドラム100の表面を均一にするために図示しない駆動手段により該感光ドラム100を一定時間回転駆動させるイニシャライズ動作を行う。
感光ドラム100の駆動時間内に帯電バイアス電源回路500により帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する。そして、感光ドラム100の表面の均一化を促進する。或いは、レーザスキャナ300によりレーザ光300aを感光ドラム100の表面に照射する。これにより、感光ドラム100の表面の電位立上りを向上させる。
即ち、制御手段となるコントローラ600は、プロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を制御する。そして、該コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断した場合、該コントローラ600によりプロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を実施する。
その後、前記ステップS508に進んで、その後のプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS505において、一定時間サンプリングした帰還電圧Vの最大値Vmcがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された第三の電圧値Vs3未満の場合がある。
その場合には、ステップS512に進んで、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が正常に装着されていないと判断する。そして、図示しない操作パネル等の表示手段に「プロセスカートリッジ無し」を表示してユーザに通知し、動作を停止させて終了する。
図12はプロセスカートリッジ200の新旧状態、装着、未装着状態を検知するタイムチャートである。コントローラ600は画像形成装置1の電源立ち上げ時、或いは、記録材Pの補充やプロセスカートリッジ200の脱着、各種部品の点検や交換を行う際に使用される外装扉等が閉じられたとき等にプロセスカートリッジ200の新旧及び有無検知動作を開始する。
コントローラ600は、プロセスカートリッジ200の新旧及び有無検知動作を実施するために、図2に示す出力ポート600aからサンプリング制御信号Goを出力して帯電バイアス電源回路500を駆動する(ステップS501)。ステップS501と同時に図2に示すタイマ600gがONされ、帯電バイアス電圧Vtの印加が開始されてからの経過時間がカウントされる(ステップS5102)。更に、図示しない駆動手段により感光ドラム100を回転駆動させる。(ステップ503)。
帯電バイアス電源回路500により帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtが印加されている間に帰還電流検知回路2により帰還電圧Vが検知される。そして、コントローラ600の入力ポート600bに入力される帰還電圧Vのサンプリングを繰り返す(ステップS503)。
帰還電圧Vのサンプリングは、帯電バイアス電源回路500により帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtが印加されている間に帰還電流検知回路2により連続して行なわれる。
そして、所定時間T(本実施形態では400msec)サンプリングした帰還電圧Vのデータにおいて、その最大値Vmcと、閾値電圧となる第三の電圧値Vs3(本実施形態では0.7V)とを比較する(ステップS505)。
そして、帰還電圧Vの最大値Vmcが第三電圧値Vs3以上である場合がある。その場合にはステップS502にてカウントが開始される帯電バイアス電圧Vtを印加してからサンプリングした帰還電圧Vが、第三電圧値Vs3以上となった時の経過時間Tbと以下の閾値時間Ts1とを比較する。即ち、閾値時間Ts1(本実施形態では50msec)とを比較する(ステップS506)。
そして、帰還電圧Vが第三電圧値Vs3以上となった時の経過時間Tbが閾値時間Ts1以上であった場合には、その時点で使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断する(ステップS507)。そして、プリント待ち状態とする(ステップS508)。
また、プロセスカートリッジ200の新旧状態及び有無状態の検知動作時間内に帰還電圧Vの最大値Vmcが第三の電圧値Vs3(本実施形態では0.7V)以上となる。そのときの経過時間Tbが閾値時間Ts1(本実施形態では50msec)未満となる場合がある。その場合には、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体内に装着されたと判断する(ステップS509)。
そして、コントローラ600の記憶部620に設けられたRAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットする(ステップS510)。そして、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を実行する(ステップS511)。
また、プロセスカートリッジ200の新旧状態及び有無状態の検知動作時間内に帰還電圧Vの最大値Vmcが第三の電圧値Vs3(0.7V)未満の場合がある。その場合には、プロセスカートリッジ200が未装着状態であると判断し、画像形成装置1に設けられた図示しない表示手段となる表示パネル等を用いてユーザに報知する(ステップS512)。
上記のようにプロセスカートリッジ200の新旧状態及び有無状態の判断が完了すると、コントローラ600は図2に示す出力ポート600aからのサンプリング制御信号Goを停止して帰還電圧Vのサンプリング動作を終了する。
本実施形態では、プロセスカートリッジ200の新旧状態及び有無状態の検知動作時間内に図12に示すサンプリング制御信号Goのパルスの出力タイミングに基づいて帰還電圧Vのサンプリング動作を繰り返し行う。これにより、プロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態の判定を正確に行うことが可能である。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
次に、図13〜図15を用いて本発明に係る画像形成装置の第6実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
本実施形態では図13に示すように、感光ドラム100の表面に形成されたトナー像を転写材としての記録材Pに転写する転写手段となる転写ローラ800を有する。そして、転写ローラ800に転写バイアス電圧Vaを印加する転写バイアス電源回路1100を有する。
そして、本実施形態の接離検知手段は、転写バイアス電源回路1100から転写ローラ800に印加された転写バイアス電圧Vaにより感光ドラム100を経由して帰還する帰還電流Iを検知する第二の電流検知手段となる転写電流検知回路1200を有する。そして、コントローラ600は転写電流検知回路1200により検知した帰還電流Iの検知結果に基づいてプロセスカートリッジ200の新旧状態及び有無状態を判断する。
本実施形態において、接離手段となる離間部材710による感光ドラム100と帯電ローラ700との接離状態を検知する接離検知手段は、転写電流検知回路1200を含んで構成されている。
図13に示すように、帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に印加された帯電バイアス電圧Vtにより帯電した感光ドラム100に対して転写バイアス電源回路1100から転写ローラ800に転写バイアス電圧Vaを印加する。これにより感光ドラム100を経由して発生する電流を検知する転写電流検知回路1200が設けられている。その他の構成は前記各実施形態と同様であるため重複する説明を省略する。
プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。その際に該プロセスカートリッジ200が未使用(新品)ではなく使用開始後(旧品)の場合は、図3(b)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とが当接している。このため、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加した場合に即座に感光ドラム100と帯電ローラ700との間で電流が流れ、感光ドラム100の表面が帯電される。
使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。その場合に感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。それから帯電された状態の感光ドラム100の表面位置が転写ローラ800の位置に来て転写電流検知回路1200の抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Veが第四の電圧値Vs4以上になるまでの経過時間Teは最も短くなる。
ここで、転写バイアス電圧Vaが印加されている転写ローラ800と感光ドラム100との間に流れる電流を考えると、転写バイアス電圧Vaは「+」の電圧が印加される。このため転写ローラ800が感光ドラム100の表面上の「−」に帯電している部分と接触すると最も大きな電流が流れる。
即ち、帯電された感光ドラム100の表面位置が転写ローラ800の位置に来てから図15に示すように、転写バイアス電圧Vaが印加されている転写ローラ800と感光ドラム100との間に流れる電流を転写電流検知回路1200により検知する。そして転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220に流れる帰還電流Ieにより抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Veが所定の閾値電圧となる第四の電圧値Vs4以上になるまでの経過時間Teは最も短い。
尚、図13に示す転写電流検知回路1200は、図2に示す帰還電流検知回路2と略同様な回路構成とすることができ、図2に示す帰還電流検知回路2の抵抗520を図13に示す転写電流検知回路1200の抵抗1220に置き換えることで良い。
従って、図15に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が装着される。その場合に感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。それから転写電流検知回路1200の抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Veが第四の電圧値Vs4以上になるまでの経過時間Teは最も短い。
一方、画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)の場合は、図3(a)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とが離間されている。このため、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する。その場合、帯電ローラ700が離間部材710による係止から開放されて離脱し、感光ドラム100に当接してから感光ドラム100と帯電ローラ700との間で電流が流れ、感光ドラム100の表面が帯電される。
このため、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。その場合、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。その時刻から表面が帯電された状態の感光ドラム100の表面位置が転写ローラ800の位置に来るまでの帰還電圧Vdが第四の電圧値Vs4以上になるまでの経過時間Tdは最も長い。
即ち、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。その場合に、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。それから帯電された感光ドラム100の表面位置が転写ローラ800の位置にくる。
これにより転写バイアス電圧Vaが印加されている転写ローラ800と感光ドラム100との間に流れる電流を転写電流検知回路1200により検知する。そして、転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220に流れる帰還電流Idにより該抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vdが第四の電圧値Vs4以上になるまでの経過時間Tdは最も長い。
従って、図15に示すように、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。その場合に、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。その時刻から帯電された感光ドラム100表面の位置が転写ローラ800の位置にくるまでの経過時間Tgは一定の電流が流れる。
そして、経過時間Tgを過ぎると、帯電された感光ドラム100の表面と転写ローラ800を通じて所定値以上の電流が発生するようになる。このため転写電流検知回路1200の抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vdが第四の電圧値Vs4以上になるまでの経過時間Tdは最も長い。
このように、使用開始後(旧品)と未使用(新品)のプロセスカートリッジ200を比較する。その場合に転写ローラ800と感光ドラム100との間に発生する電流により抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Ve,Vdが第四の電圧値Vs4以上になる。それまでのタイミングにズレが生じる。このため、これらを比較することで使用開始後(旧品)と未使用(新品)のプロセスカートリッジ200を判別することができる。
プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に未装着の場合は、感光ドラム100と帯電ローラ700との間で電流が流れることはない。このため感光ドラム100の表面が帯電することはない。従って、転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220に流れる帰還電流Ihは以下の通りである。即ち、使用開始後(旧品)と未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合の転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220に流れる帰還電流Ie,Idと比べて極めて小さい。
従って、図15に示すように、転写電流検知回路1200の抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vhは以下の通りである。即ち、未使用(新品)及び使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が装着された場合の転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220に発生する帰還電圧Vd,Veよりも小さくなる。
上記の理由から図15に示す帰還電圧Ve,Vd,Vhの関係は以下の数6式に示す通りである。
[数6]
Ve≒Vd>Vh
判断手段となるコントローラ600は、該コントローラ600の入力ポート600bに入力される接離検知手段となる転写電流検知回路1200の抵抗1220に流れる帰還電流Ie,Id,Ihに対応して以下の判断を行う。
即ち、転写電流検知回路1200の抵抗1220の両端に発生する図15示す帰還電圧Ve,Vd,Vhの検知結果と、帰還電圧Ve,Vdが第四の電圧値Vs4以上になるまでの経過時間Te,Tdの検知結果とを用いる。これ等の検知結果に基づいてプロセスカートリッジ200が未使用(新品)か使用開始後(旧品)かの判断や未装着状態を判断する。
本実施形態では、図15に示すように、未使用(新品)及び使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。そして、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。その場合に転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Ve,Vdよりも小さい第四の電圧値Vs4が設定される。
また、第四の電圧値Vs4は、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に対して未装着の場合に転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vhよりも大きい。
そして、転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220に流れる帰還電流Iによって抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vが帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。その時刻から所定の時間を過ぎても図15に示す第四の電圧値Vs4よりも小さい場合には、判断手段となるコントローラ600によりプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていないと判断する。
即ち、転写電流検知回路1200によって検知した抵抗1220に流れる帰還電流Iが帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。その時刻から所定の時間を過ぎても図15に示す第四の電圧値Vs4が該抵抗1220の両端に発生する際に該抵抗1220に流れる第四の電流値Is4よりも小さい場合がある。その場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていないと判断する。
また、図15に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。その場合に感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。その時刻から抵抗1220の両端部に発生する帰還電圧Veが第四の電圧値Vs4以上になるまでの経過時間Teよりも短い所定の閾値時間Ts2が設定される。
閾値時間Ts2は未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。その場合に感光ドラム100の回転駆動動作と同時に帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。その時刻から抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vdが第四の電圧値Vs4以上になる経過時間Tdよりも長い。
そして、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。その時刻から転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220に流れる帰還電流Iによって該抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vが第四の電流値Is4以上になるまでの経過時間Teが閾値時間Ts2よりも短い場合がある。その場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であると判断する。
即ち、転写電流検知回路1200によって検知した抵抗1220に流れる帰還電流Iが図15に示す第四の電圧値Vs4が該抵抗1220の両端に発生する。その際に該抵抗1220に流れる第四の電流値Is4以上になるまでの経過時間Teが閾値時間Ts2よりも短い場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であると判断する。
また、感光ドラム100の回転駆動動作と同時に(感光ドラム100の回転に合わせて)帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始する。その時刻から転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220に流れる帰還電流Iによって該抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vが第四の電圧値Vs4以上になるまでの経過時間Tdが閾値時間Ts2よりも長い場合がある。その場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断する。
即ち、転写電流検知回路1200によって検知した抵抗1220に流れる帰還電流Iが図15に示す第四の電圧値Vs4が該抵抗1220の両端に発生する。その際に該抵抗1220に流れる第四の電流値Is4以上になるまでの経過時間Tyが閾値時間Ts2よりも長い場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断する。
プロセスカートリッジ200の新旧状態を判断する第四の電圧値Vs4は、以下の通り設定される。即ち、図15に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合に転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Veを考える。
また、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された場合に転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vdを考える。更に、プロセスカートリッジ200が未装着の場合に転写電流検知回路1200に設けられた抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vhを考える。そして、帰還電圧Ve,Vdと、帰還電圧Vhとの間に第四の電圧値Vs4が設定される。
<プロセスカートリッジの状態検知動作>
次に図14を用いてプロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態の検知動作について説明する。画像形成装置1に設けられた図示しない電源スイッチがONされると、画像形成を目的とした感光ドラム100の回転駆動(前多回転)が開始される前にプロセスカートリッジ200の装着、未装着状態、及び新旧状態の検知を実施する。
図14のステップS601において、コントローラ600は帯電バイアス電源回路500を制御して該帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加する。
次に、ステップS602において、転写バイアス電源回路1100を制御して該転写バイアス電源回路1100から転写ローラ800に対して転写バイアス電圧Vaを印加する。
次に、ステップS603において、図2に示すタイマ600gがONされ、転写バイアス電圧Vaが印加されて転写電流検知回路1200により帰還電流Iの検知を開始してからの経過時間がカウントされる。
次に、ステップS604において、感光ドラム100の回転駆動がONされて感光ドラム100が回転駆動される。そして、転写ローラ800と感光ドラム100とが当接する転写部に流れる帰還電流Iが転写電流検知回路1200の抵抗1220の両端に発生する帰還電圧Vとして検知される。
そして、抵抗1220に流れる帰還電流Iによって該抵抗1220の両端に発生する転写電圧Vがコントローラ600の入力ポート600bに入力される。コントローラ600は入力ポート600bに入力される帰還電圧Vのサンプリングを実施する。
そして、ステップS606において、一定時間サンプリングした帰還電圧Vの最大値Vmdと、コントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値電圧となる第四の電圧値Vs4とを比較する。
前記ステップS606において、一定時間サンプリングした帰還電圧Vの最大値Vmdがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された第四の電圧値Vs4以上の場合はステップS607に進む。
前記ステップS607において、前記ステップS603にてカウントが開始されている転写バイアス電圧Vaの印加を開始する。その時刻からサンプリングした帰還電圧Vがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された第四の電圧値Vs4以上となった時の経過時間Tyが以下の場合がある。即ち、コントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値時間Ts2以上となる場合がある。
その場合、ステップS608に進み、画像形成装置1本体に対して使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が正しく装着されたと判断される。その後、ステップS609に進んで、その後のプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS607において、前記ステップS603にてカウントが開始されている転写バイアス電圧Vaの印加を開始する。その時刻からサンプリングした帰還電圧Vがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された第四の電圧値Vs4以上となった時の経過時間Tyが次の場合がある。即ち、コントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値時間Ts2未満となる場合には、ステップS610に進んで、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたと判断する。
その後、ステップS611に進んで、コントローラ600の記憶部620に設けられたRAM600eに記憶されたプロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットする。使用量カウント値のリセット動作に関しては前記各実施形態と同様の制御を実施する。
その後、ステップS612に進んで、プロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を行う。イニシャライズ動作に関しても前記各実施形態と同様の制御を実施する。
その後、前記ステップS609に進んで、その後のプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS606において、一定時間サンプリングした帰還電圧Vの最大値Vmdがコントローラ600の記憶部620に予め記憶された第四の電圧値Vs4未満の場合がある。その場合には、ステップS613に進んで、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が正常に装着されていないと判断し、表示手段となる操作パネル等に「プロセスカートリッジ無し」を表示してユーザに通知し、動作を停止させて終了する。
本実施形態では、プロセスカートリッジ200の新旧状態の判断を転写バイアス電圧Vaを印加した転写ローラ800と感光ドラム100との間に流れる電流を転写電流検知回路1200によって検知し、その検知結果に基づいて行う。他に、感光ドラム100の図示しない電位センサを用いて感光ドラム100の表面の電位変動を検知する構成でも同様の効果を得ることができる。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
次に、図16及び図17を用いて本発明に係る画像形成装置の第7実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
本実施形態の接離検知手段となる帰還電流検知回路2は、帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700を介して帯電バイアス電圧Vtを感光ドラム100の表面に印加したときに発生する帰還電圧Vを検知する電圧検知手段を兼ねる。
帯電バイアス電源回路500は、感光ドラム100が画像形成前の非画像形成時の回転駆動開始と同時に帯電ローラ700に以下の帯電バイアス電圧Vtを印加する。即ち、直流電圧または交流電圧の何れか一方の帯電バイアス電圧Vt、或いは、直流電圧と交流電圧とを重畳した帯電バイアス電圧Vtを印加する。
そして、電圧検知手段を兼ねる帰還電流検知回路2により検知した帰還電圧Vの増加分及び該増化分の時間変化の検知結果に基づいて、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態を判断する。
本実施形態では、帰還電圧Vの増加分及び該増化分の時間変化の一例として、帰還電圧Vの微分変化値の大きさ及び該微分変化値の時間変化を用いて、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態を判断する。
図17(a)〜(c)は感光ドラム100の回転駆動開始と同時(時刻Ti)に帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加する。その場合の各プロセスカートリッジ200の使用開始後(旧品)、未使用(新品)及び未装着状態における帰還電流検知回路2の抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vの時間変化を示す。更に、該帰還電圧Vを時間tについて微分した微分変化値の大きさ(以下、単に「微分値」という)の時間変化を示す。
図17(a)〜(c)において、上下段のそれぞれの横軸は時間t、上段の縦軸は帰還電圧V、下段の縦軸は帰還電圧Vの微分変化値の大きさとなる微分値V´を示す。下段の縦軸上のVs5´はプロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態を判断するために予め設定された閾値である。
また、下段の横軸上の時刻Tvは、帰還電圧Vの微分変化値の大きさとなる微分値V´と、プロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態を判断するための閾値Vs5´との関係が以下の数7式を満たすこととなった瞬間の時刻である。
[数7]
V´≧Vs5´
下段の横軸上の閾値時刻として予め設定された所定の検知タイミングTxは、帰還電圧Vの微分値V´が閾値Vs5´以上となった時刻Tvに基づいてプロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態を判断するための閾値時刻である。
図3(b)に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたとき、感光ドラム100と帯電ローラ700とは当接している。このため帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始すると同時(図17(a)の時刻Ti=Tv)に図2に示す電圧検知手段を兼ねる帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に帰還電流Iが流れて該抵抗520の両端に帰還電圧Vが発生する。
そのため帰還電圧Vを時間で微分した微分値V´は、図17(a)に示すように、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始した時刻Tiの直後にただちに立ち上がる(図17(a)の時刻Ti=Tv)。そして、帰還電圧Vが安定すると(図17(a)の時刻Tf)、帰還電圧Vを時間で微分した微分値V´は略ゼロに戻る。
一方、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されたとき、最初は図3(a)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とが離間されている。このため図2に示す電圧検知手段を兼ねる帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に流れる帰還電流Iは小さく、該抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vは非常に小さい。
その後、感光ドラム100の回転駆動に伴なって、図3(b)に示すように、帯電ローラ700を感光ドラム100から離間していた離間部材710が離脱する。そして、感光ドラム100と帯電ローラ700とが当接した状態となる。これにより図2に示す電圧検知手段を兼ねる帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520に帰還電流Iが流れて該抵抗520の両端に帰還電圧Vが発生する。
そのため図17(b)に示すように、帰還電圧Vの微分値V´は、最初はゼロに等しい。使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された図17(a)の時刻Tv(=時刻Ti)よりも離間部材710の脱離時間Thだけ遅れて帰還電圧Vの微分値V´が立ち上がる(図17(b)の時刻Tv)。そして、帰還電圧Vが安定すると(図17(b)の時刻Tf)、帰還電圧Vを時間で微分した微分値V´は再びゼロに戻る。
また、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が未装着の場合、図2に示す電圧検知手段を兼ねる帰還電流検知回路2に設けられた抵抗520には帰還電流Iが略流れず、該抵抗520の両端に帰還電圧Vが発生しない。そのため図17(c)に示すように、帰還電圧Vの微分値V´はゼロ近くを保ったままである。
本実施形態では、プロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態を判断するために帰還電圧Vの微分値V´について閾値Vs5´を設ける。
閾値Vs5´は以下のように設定される。即ち、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着される。そして、図17(a),(b)に示すように、感光ドラム100と帯電ローラ700とが当接した状態における帰還電圧Vの微分値V´のピーク値V´pよりも小さい値に設定される。更に、図17(c)に示すように、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が未装着時の帰還電圧Vの微分値V´(略ゼロ)よりも大きい値に設定される。即ち、帰還電圧Vの微分値V´のピーク値V´pとゼロとの間に設定される。
また、画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であるか、或いは、使用開始後(旧品)であるかを判断する。そのために、図17(a),(b)に示すように、帰還電圧Vの微分値V´が閾値Vs5´以上となる時刻Tvについて閾値時刻となる検知タイミングTxを設ける。
検知タイミングTxは、図17(b)に示すように、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200の感光ドラム100が時刻Tiで回転駆動を開始する。その時刻から帯電ローラ700を感光ドラム100から離間していた離間部材710が離脱する時刻Tjの直前までの脱離時間Th内に設定する。
次に図16を用いてプロセスカートリッジ200の新旧及び装着、未装着検知動作について説明する。先ず、画像形成装置1の図示しない電源スイッチがONされると、通常のイニシャル動作(前多回転動作)が開始される。それと同時にプロセスカートリッジ200の装着、未装着、新旧の検知動作を実施する。
図16のステップS701において、図2に示す帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加する。更に、図示しない駆動手段により感光ドラム100の回転駆動が開始される。そして、図2に示すコントローラ600は以下の帰還電圧Vを検知する。即ち、帯電バイアス電源回路500から帯電ローラ700に印加された帯電バイアス電圧Vtにより帯電ローラ700から感光ドラム100に帰還電流Iが流れる。そして、電圧検知手段を兼ねる帰還電流検知回路2の抵抗520に帰還電流Iが流れて該抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vを検知する。そして、入力ポート600bに入力される帰還電圧Vのサンプリングを実施する。
次にステップS703において、入力ポート600bに入力される帰還電圧Vを時間で微分(dV/dt)した微分値V´(帰還電圧Vのグラフの傾き)を算出する。
次にステップS704において、帰還電圧Vの微分値V´と、コントローラ600の記憶手段となる記憶部620に予め記憶された閾値Vs5´とを比較する。
前記ステップS704において、帰還電圧Vの微分値V´が閾値Vs5´未満の場合には、コントローラ600は図17(c)に示すように、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が未装着状態であると判断する。
即ち、以下の数8式を満たす場合には、コントローラ600によりプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていないと判断する。
[数8]
V´<Vs5´
前記ステップS704において、前記数8式を満たしてプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に対して未装着状態であると判断される。その場合、ステップS711に進んで、図示しない表示手段となる操作パネル等に「プロセスカートリッジ無し」を表示してユーザに通知した後、動作を停止させる。
前記ステップS704において、帰還電圧Vの微分値V´が閾値Vs5´以上となる場合がある。その場合は、図17(a),(b)に示すように、コントローラ600により未使用(新品)或いは、使用開始後(旧品)の何れかのプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された状態であると判断する。
即ち、前記数7式を満たす場合には、コントローラ600により未使用(新品)或いは、使用開始後(旧品)の何れかのプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていると判断する。
前記ステップS704において、未使用(新品)或いは、使用開始後(旧品)の何れかのプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された状態であると判断される。その場合、画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であるか、或いは、使用開始後(旧品)であるかを判断する。
このためにステップS705に進んで、帰還電圧Vの微分値V´が閾値Vs5´以上を初めて満たす時刻Tvが、コントローラ600の記憶部620に予め記憶された検知タイミングTxと比べて早いか否かを判断する。
図17(b)に示すように、帰還電圧Vの微分値V´が閾値Vs5´以上を初めて満たす時刻Tv(=Tj)が検知タイミングTxに比べて遅い場合がある。その場合、ステップS708に進んで、コントローラ600により画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断する。
即ち、図17(b)に示すように、前記数7式を満たす時刻Tvが存在し、該時刻Tvが予め設定された所定の検知タイミングTxに対して、以下の数9式を満たす場合がある。その場合にコントローラ600により画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であると判断する。
[数9]
Tx<Tv
次にステップS709に進んで、プロセスカートリッジ200の使用量カウント値をリセットし、ステップS710に進む。そして、プロセスカートリッジ200のイニシャライズ動作を実行した後、ステップS707に進み、その後のプリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
前記ステップS705において、図17(a)に示すように、帰還電圧Vの微分値V´が閾値Vs5´以上を初めて満たす時刻Tv(=Ti)が検知タイミングTxに比べて同時か或いは早い場合がある。その場合はステップS706に進んで、コントローラ600により画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であると判断する。
即ち、図17(a)に示すように、前記数7式を満たす時刻Tvが存在し、該時刻Tvが予め設定された所定の検知タイミングTxに対して、以下の数10式を満たす場合がある。その場合はコントローラ600により画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が使用開始後(旧品)であると判断する。
[数10]
Tx≧Tv
その後、ステップS707に進んで、プリントスタート信号の入力に基づいて作像プロセス動作が開始される。
コントローラ600は、画像形成装置1の電源立ち上げ時、或いは外装ドア等が閉じられたとき、或いは、画像形成装置1の電源休止時からの復帰等のタイミングでプロセスカートリッジ200の新旧及び有無検知動作を発動する。
コントローラ600は、プロセスカートリッジ200の新旧及び有無検知動作用に帯電バイアス電源回路500を駆動する。そのためにコントローラ600の出力ポート600aから図5に示すサンプリング制御信号Goを出力し、帯電バイアス電源回路500を駆動して帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加する。
同時に帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加している間、以下の制御を行う。即ち、帯電ローラ700から感光ドラム100に流れる電流に基づいて帰還電流検知回路2の抵抗520に流れる帰還電流Iにより該抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vをコントローラ600の入力ポート600bに入力する。これにより帰還電圧Vのサンプリングを繰り返す(ステップS701)。そして、所定時間T内にサンプリングした帰還電圧Vの時間tに対する変化の割合である微分変化値の大きさ(傾き)となる微分値V´を算出して判断値とする(ステップS703)。
帰還電圧Vの微分値V´は、単位時間あたりのサンプリング時刻tと、帰還電圧Vとの関係を(t1,V1)、(t2,V2)、…(tN,VN)としたとき、例えば、以下の数11式で計算される。
帰還電圧Vのサンプリングは、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtを印加している間は連続して行われる。感光ドラム100の回転駆動がONされると同時に帰還電圧Vのサンプリングを開始する。そして、未使用(新品)のプロセスカートリッジ200の離間部材710による帯電ローラ700の係止が外れて帯電ローラ700が感光ドラム100に当接した後に帰還電圧Vのサンプリングを終了する。
本実施形態の離間部材710は、図3に示して前述したように、感光ドラム100のドラムギア110と離間部材710の離間ギア730とが噛合して連動し、感光ドラム100が回転駆動されると自動的に離間部材710が外れるように構成される。
そのため少なくとも感光ドラム100の回転駆動が開始されてから離間部材710の離間ギア730の歯数分だけ感光ドラム100を円周方向に回転させないと離間部材710は外れない。
帰還電圧Vのサンプリングを終了するタイミングは、少なくとも離間部材710の離間ギア730の歯数分だけ感光ドラム100を回転させた後の時刻に設定する。好ましくは、感光ドラム100を1周分回転させたタイミングで帰還電圧Vのサンプリングを終了させる。これにより感光ドラム100に帯電バイアス電圧Vtの影響を残さないでプロセスカートリッジ200の新旧状態や装着、未装着状態を検知するシーケンスを終了できる。
帰還電圧Vのサンプリング間隔は、帰還電圧Vが立ち上がり始めてから安定するまでの時間よりも短くする必要がある。帰還電圧Vのサンプリング間隔を帰還電圧Vが立ち上がり始めてから安定するまでの時間よりも長く設定する。その場合、図17(a),(b)に示す帰還電圧Vの立ち上がりの傾きとなる微分値V´が正しく検知できない。これにより画像形成装置1本体にプロセスカートリッジ200が装着状態であって未装着と誤検知する可能性がある。
また、画像形成装置1が使用される環境条件により帰還電圧Vが変動する。このため帰還電圧Vが立ち上がり始めてから安定するまでの時間も環境条件によって変化する。そのため、帰還電圧Vのサンプリング間隔は、帰還電圧Vが立ち上がり始めてから安定するまでの時間が短い条件に合わせて設定することが望ましい。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
次に、図18及び図19を用いて本発明に係る画像形成装置の第8実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
本実施形態では、前記第7実施形態の構成に更にノイズによる誤検知を防止する閾値を加えてプロセスカートリッジ200の新旧状態や装着、未装着状態を検知する精度を向上させたものである。
図19(a)はプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着された状態で帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加した場合の帰還電圧V及び微分値V´の時間変化を示す。
図19(b)はプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に未装着状態で帯電ローラ700に対して帯電バイアス電圧Vtを印加した際に帰還電圧Vにノイズが乗った場合の帰還電圧V及び微分値V´の時間変化を示す。
図19(a),(b)の上下段のそれぞれの横軸は時間t、上段の縦軸は帰還電圧V、下段の縦軸は帰還電圧Vの微分変化値の大きさとなる微分値V´を示す。
図19(a),(b)の下段の縦軸上のVs5´はプロセスカートリッジ200の新旧状態及び装着、未装着状態を判断するために予め設定された閾値である。
また、図19(a),(b)の下段の横軸上の時間dTvは、前記数7式を連続して満たしている時間である。図19(c)に示すdTxは、帰還電圧Vがプロセスカートリッジ200の装着によるものか否かを判断するために予め設定された閾値時間である。
図19(a)に示すように、使用開始後(旧品)のプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されている場合、感光ドラム100と帯電ローラ700は当接している。このため電圧検知手段を兼ねる帰還電流検知回路2の抵抗520には帰還電流Iが流れて該抵抗520の両端には帰還電圧Vが発生する。
このときの帰還電圧Vの微分値V´は、帯電ローラ700に帯電バイアス電圧Vtの印加を開始した時刻Ti(=Tv)の直後にただちに立ち上がって、前記数7式を満たす。そして、時間dTv(A)が経過して帰還電圧Vが安定する時刻Tfになると、帰還電圧Vの微分値V´は略ゼロになる。
帰還電圧Vの傾きとなる微分値V´は、帯電ローラ700の内部抵抗によって決まる。そのため、帰還電圧Vの微分値V´が前記数7式を満たす時間dTv(A)も一定となる。
即ち、図19(a),(c)に示すように、前記数7式を満たす時が少なくとも一度あり、前記数7式を満たす時間dTvのうち一度だけ以下の数12式を満たす場合がある。その場合にコントローラ600によりプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていると判断する。
[数12]
dTx≦dTv
一方、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が未装着の場合、電圧検知手段を兼ねる帰還電流検知回路2の抵抗520に流れる帰還電流Iは少なく、該抵抗520の両端に発生する帰還電圧Vは非常に小さい。
しかしながら、新興国等の公用電力供給事情が不安定な地域がある。その地域では、図19(b)に示すように、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が未装着の時でも一時的に前記数7式を満たす時間dTv(B1),dTv(B2),dTv(B3)が生じることがある。
また、公用電力供給事情が安定している地域で使用する場合でも帯電バイアス電圧Vtを印加する際の電圧のオーバーシュートにより前記数7式を満たす時間dTv(B1)〜dTv(B3)が生じることも考えられる。
尚、電圧のオーバーシュート(overshoot)とは、矩形波(方形波)の立ち上がりの部分において定常値を超過して突出した波形が現れることである。オーバーシュートした波形は定常値を一旦超過してから引き返すようにして定常値に近づく。
本実施形態では、これらのノイズによる誤検知と、プロセスカートリッジ200の装着状態との区別をするために帰還電圧Vの微分値V´が前記数7式を満たす時間dTvについて閾値時間dTxを設ける。
閾値時間dTxは、図19(a)に示すように、プロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に正常に装着されたときの帰還電圧Vの微分値V´が前記数7式を満たす時間dTv(A)と同じか、それより多少短い時間に設定する。
即ち、図19(b),(c)に示すように、前記数7式を満たす時が少なくとも一度存在し、前記数7式を連続して満たす時間dTvの全て(dTv(B1)〜dTv(B3))について、以下の数13式を満たす場合がある。その場合はコントローラ600によりプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着されていないと判断する。
[数13]
dTv<dTx
次に図18を用いて本実施形態のプロセスカートリッジ200の新旧及び装着、未装着検知動作について説明する。尚、図18のステップS801〜S803は、前記図16のステップS701〜S703と同様であるため重複する説明を省略する。
図18のステップS804において、帰還電圧Vの微分値V´と、コントローラ600の記憶部620に予め記憶された閾値Vs5´とを比較する。
ステップS804において、帰還電圧Vの微分値V´が閾値Vs5´よりも小さい場合には、ステップS812に進んで、コントローラ600により画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が未装着状態であると判断する。そして、表示手段となる操作パネル等に「プロセスカートリッジ無し」を表示してユーザに通知し、動作を停止させる。
前記ステップS804において、帰還電圧Vの微分値V´が閾値Vs5´以上であった場合には、ステップS805に進む。そして、前記数7式を連続して満たす時間dTvと、閾値時間dTxとを比較して帰還電流検知回路2により検知した帰還電圧Vの挙動がノイズによるものか否かの判断を行う。
前記ステップS805において、前記数7式を連続して満たす時間dTvが閾値時間dTxよりも短い場合、コントローラ600は帰還電流検知回路2により検知した帰還電圧Vの挙動がノイズによるものであると判断する。そして、画像形成装置1本体に対してプロセスカートリッジ200が未装着状態であると判断する。そして、前記ステップS812に進んで表示手段となる操作パネル等に「プロセスカートリッジ無し」を表示してユーザに通知し、動作を停止させる。
前記ステップS805において、前記数7式を連続して満たす時間dTvが閾値時間dTxと同じか、或いは長い場合、コントローラ600はプロセスカートリッジ200が画像形成装置1本体に装着状態であると判断し、ステップS806に進む。
尚、図18のステップS806〜ステップS811についても前記図16のステップS705〜S710と同様であるため重複する説明を省略する。そして、前記第7実施形態と同様に画像形成装置1本体に装着されたプロセスカートリッジ200が未使用(新品)であるか、或いは、使用開始後(旧品)であるかを判断する。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。