JP2016030814A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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【課題】氷上摩擦性能を従来レベルよりも向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供する。【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に、結晶性を有するオレフィン系樹脂エラストマーを1〜30重量部配合し、かつ前記オレフィン系樹脂エラストマーのゴム硬度が10〜50であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、氷上摩擦性能を従来レベルよりも向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物に関する。
氷雪路用空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)には、氷上摩擦性能が優れることが要求される。このためスタッドレスタイヤのトレッドゴムの表面を粗くすることが行われている。例えば、トレッドゴムの表面に多数の気泡を形成し、これらのミクロなエッジ効果により摩擦力を大きくするとともに、トレッドが氷面に踏み込むときにそれら気泡が氷表面の水膜を吸収除去し、トレッドが氷面から離れるときに吸収した水を遠心力で離脱させることを繰り返して氷上性能を向上することが知られている。
特許文献1は、このような気泡の形成手段として、タイヤトレッド用ゴム組成物に熱膨張性マイクロカプセルを配合することを提案している。この熱膨張性マイクロカプセルは加硫工程での加熱によって膨張し、加硫後のタイヤのトレッドゴム中に膨張したマイクロカプセルの殻に被覆された気泡(樹脂被覆気泡)が多数形成されるようになる。このようなスタッドレスタイヤでは、トレッド表面の樹脂被覆気泡の大きさおよび数が、その氷上性能を左右する。
しかしながら、空気入りタイヤの加硫成形時にゴム組成物に分散させた熱膨張性マイクロカプセルを効率よく膨張させることは困難であり、熱膨張性マイクロカプセルの性能が必ずしも十分に発揮されないという問題があった。このため特許文献2は、天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴム並びにポリブタジエンゴムからなるゴム成分と熱膨張性マイクロカプセルとを予め素練りしたマスターバッチを調製し、これをタイヤトレッド用ゴム組成物に配合することを提案している。このタイヤトレッド用ゴム組成物は氷上性能を改良する効果が認められるものの、需要者がスタッドレスタイヤの氷上性能改良に求めるレベルはより高く、氷上摩擦性能をより一層高くすることが要求されている。
特開平10−316801号公報 特開2005−82620号公報
本発明の目的は、氷上摩擦性能を従来レベルよりも向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に、結晶性を有するオレフィン系樹脂エラストマーを1〜30重量部配合し、かつ前記オレフィン系樹脂エラストマーのゴム硬度が10〜50であることを特徴とする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、結晶性を有し、かつゴム硬度が10〜50であるオレフィン系樹脂エラストマーをジエン系ゴムに配合するようにしたので、ジエン系ゴムよりもゴム硬度が低いオレフィン系樹脂エラストマーが、トレッド表面の凝着力を大きくするとともに、早期に摩耗しやすくなり表面が粗くなる。これにより氷上摩擦性能を向上することができる。またトレッド表面の凝着力が大きくなることによりウェット性能も改良することができる。
前記オレフィン系樹脂エラストマーとして、オレフィン系樹脂およびオレフィン系エラストマーからなる熱可塑性エラストマーを配合することができる。
前記ジエン系ゴム100重量部に対し、熱膨張性マイクロカプセルを0.1〜20重量部配合することが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルおよびオレフィン系樹脂エラストマーをともに配合することにより、加硫時に熱膨張性マイクロカプセルがジエン系ゴム中で膨張しやすくなり、氷上摩擦性能をより一層向上することができる。
前記オレフィン系樹脂エラストマー(TPO)と熱膨張性マイクロカプセル(TEMC)の重量比(TPO:TEMC)は20:80〜95:5であるとよい。
上述したタイヤ用ゴム組成物の製造方法としては、前記オレフィン系樹脂エラストマー(TPO)と熱膨張性マイクロカプセル(TEMC)の重量比(TPO:TEMC)を20:80〜95:5にして混合することによりマスターバッチを調製し、得られたマスターバッチを前記ジエン系ゴムに混合することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に使用したスタッドレスタイヤは、氷上摩擦性能を一層向上することができる。
本発明において、使用するジエン系ゴムは、空気入りタイヤのトレッド部に使用可能なゴムであれば良く、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、各種のスチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等が挙げられる。とりわけ、氷雪路用空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)のトレッド部に使用する場合、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムが好ましい。これらジエン系ゴムは、単独で使用することができる。また複数の種類を組み合わせて使用することができる。
本発明において、上述したジエン系ゴムの平均ガラス転移温度は−50℃以下であることが好ましく、更に好ましくは−60〜−100℃であると良い。ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度を−50℃以下にすることにより、低温下でのゴムコンパウンドのしなやかさを維持し、氷面に対する凝着力を高くするので、スタッドレスタイヤのトッレド部に好適に使用することができる。なおガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。また、ジエン系ゴムが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるジエン系ゴムのガラス転移温度とする。また、平均ガラス転移温度とは、各ジエン系ゴムのガラス転移温度に各ジエン系ゴムの重量分率を乗じた合計(ガラス転移温度の重量平均値)である。なお、すべてのジエン系ゴムの重量分率の合計を1とする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述したジエン系ゴムに特定のオレフィン系樹脂エラストマーを配合して調製される。オレフィン系樹脂エラストマーの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し1〜30重量部、好ましくは3〜25重量部、より好ましくは5〜20重量部である。オレフィン系樹脂エラストマーの配合量が1重量部未満であると、氷上摩擦性能およびウェット性能を十分に改良することができない。またオレフィン系樹脂エラストマーの配合量が30重量部を超えると、耐摩耗性が悪化する虞がある。
本発明において、オレフィン系樹脂エラストマーは、結晶性を有し、かつゴム硬度が10〜50であることが必要である。オレフィン系樹脂エラストマーは、結晶性を有するポリオレフィン成分と、オレフィン系共重合成分とを含む熱可塑性エラストマーである。ここで結晶性を有するポリオレフィン成分とは、分子鎖が規則正しく配列した結晶部分および非結晶部分を有し、融点およびガラス転移温度を有する高分子成分をいう。この結晶部分に起因する融点の有無は通常の方法、例えば密度法、熱分析法、NMR法、IR法などで確認することができる。本明細書では例えば示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、融解ピーク(吸熱ピーク)の有無により結晶部分の有無を判断することができる。
オレフィン系樹脂エラストマーのゴム硬度は10〜50、好ましくは15〜40である。オレフィン系樹脂エラストマーのゴム硬度が10未満であると、ドメインサイズが小さくなり過ぎてしまい、氷上摩擦性能を充分に改良することができない。またゴム硬度が50を超えると、タイヤにしたとき低温特性が低下し、氷上摩擦力が低下する。本発明において、オレフィン系樹脂エラストマーのゴム硬度は、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度23℃で測定する硬さをいう。
オレフィン系樹脂エラストマーは、オレフィン系樹脂およびオレフィン系エラストマーからなる熱可塑性エラストマーであるとよい。この熱可塑性エラストマーは、オレフィン系樹脂およびオレフィン系エラストマーを多段重合により調製したリアクターメイドでもよいし、オレフィン系樹脂およびオレフィン系エラストマーを溶融混練したコンパウンドでもよい。
本発明において、結晶性を有するポリオレフィン成分は、オレフィン系樹脂により提供される。またオレフィン系共重合成分は、オレフィン系樹脂および/またはオレフィン系エラストマーにより提供される。
オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレンが挙げられる。ポリプロピレンは、プロピレンのホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー(インパクトコポリマー)が挙げられ、いずれも結晶性を有する。またポリエチレンは、エチレンのホモポリマー、エチレンと5モル%以下のα−オレフィンとのコポリマーが挙げられ、結晶性を有する。このうち、プロピレンのブロックコポリマーは、通常プロピレンのホモポリマー、エチレンのホモポリマーおよびプロピレン−エチレン共重合体(EPM)を含むことが知られている。
オレフィン系エラストマーとしては、プロピレン−エチレン共重合体(EPM)、プロピレン−エチレンターポリマー(EPDM)が挙げられる。プロピレン−エチレン共重合体は、EPMとして共重合された製品でも、上述したプロピレンのブロックコポリマー中に含まれるエラストマー成分であってもよい。またプロピレン−エチレンターポリマーの第三成分としては、例えばエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等を例示することができる。
このようなオレフィン系樹脂エラストマーとしては、通常の方法で共重合したり、溶融混練することにより入手することができる。また市販された製品の中から適宜選択して使用することができ、例えば三井化学社製ミラストマー、三菱化学社製サーモラン、同社製ゼラス、JSR社製エクセリンク等を例示することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、熱膨張性マイクロカプセルを配合することが好ましく、氷上摩擦性能をさらに高くすることができる。熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは2〜13重量部であるとよい。熱膨張性マイクロカプセルの配合量が0.1重量部未満であると、トレッドゴム中の樹脂被覆気泡の容積が不足し氷上性能を十分に向上することができない虞がある。マイクロカプセルの配合量が20重量部を超えるとトレッドゴムの耐摩耗性能が悪化する虞がある。
本発明において、熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成された殻材中に、熱膨張性物質を内包した構成からなる。熱膨張性マイクロカプセルの殻材はニトリル系重合体により形成することができる。
またマイクロカプセルの殻材中に内包する熱膨張性物質は、熱によって気化または膨張する特性をもち、例えば、イソアルカン、ノルマルアルカン等の炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種が例示される。イソアルカンとしては、イソブタン、イソペンタン、2−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタン等を挙げることができ、ノルマルアルカンとしては、n−ブタン、n−プロパン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等を挙げることができる。これらの炭化水素は、それぞれ単独で使用しても複数を組み合わせて使用してもよい。熱膨張性物質の好ましい形態としては、常温で液体の炭化水素に、常温で気体の炭化水素を溶解させたものがよい。このような炭化水素の混合物を使用することにより、未加硫タイヤの加硫成形温度領域(150〜190℃)において、低温領域から高温領域にかけて十分な膨張力を得ることができる。
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えばスェーデン国エクスパンセル社製の商品名「EXPANCEL 091DU−80」または「EXPANCEL 092DU−120」等、或いは松本油脂製薬社製の商品名「マイクロスフェアー F−85D」または「マイクロスフェアー F−100D」等を使用することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、オレフィン系樹脂エラストマー(TPO)と熱膨張性マイクロカプセル(TEMC)の重量比(TPO:TEMC)を、好ましくは20:80〜95:5、より好ましくは50:50〜90:10にするとよい。重量比(TPO:TEMC)が20:80より小さいと、すなわちTPOが少ないと、熱膨張カプセルの膨張性を高める効果が得られない。また重量比(TPO:TEMC)が95:5より大きいと、すなわちTPOが多いと、耐摩耗性が悪化する虞がある。
上述したタイヤ用ゴム組成物を製造する方法は、特に制限されるものではないが、好ましくは、熱膨張性マイクロカプセルおよびオレフィン系樹脂エラストマーを予め混ぜ合わせマスターバッチを調製した後、このマスターバッチをジエン系ゴムに配合するとよい。熱膨張性マイクロカプセルおよびオレフィン系樹脂エラストマーのマスターバッチをジエン系ゴムに混合することにより、熱膨張性マイクロカプセルの周囲にオレフィン系樹脂エラストマーが局在化する分散形態になる。これにより加硫成形時に熱膨張性マイクロカプセルが、その周囲のゴム硬度が低くかつジエン系ゴムより軟化しやすいオレフィン系樹脂エラストマーを押し退けて膨張し、樹脂被覆気泡を形成しやすくなる。このようにトレッドゴム中に多数の膨張しやすくした樹脂被覆気泡を形成することにより、トレッドが氷路面に踏み込むとき氷路面の水膜を吸収除去し、氷路面から離れると遠心力で水を離脱させて再び氷路面に踏込むことを繰り返して、水膜を除去しトレッドの氷路面に対する氷上摩擦力を向上可能にする。また、ミクロなエッジ効果が得られるため、氷上摩擦力を向上させる。
また加硫後に、膨張したマイクロカプセル(樹脂被覆気泡)とその周囲に局在化したオレフィン系樹脂エラストマーが、ゆるやかな塊状となり加硫ゴムに分散した形態になる。このため、加硫ゴム(タイヤトレッド)の表面において、ゴム硬度が低く樹脂被覆気泡が比較的密に分散した領域と、ゴム硬度が高く樹脂被覆気泡が比較的疎である加硫ゴム領域とが存在し、不均一性を有する。このようなタイヤトレッド表面の不均一性が、氷上摩擦性能および低温特性を一層向上するものと考えらえる。
本発明において、熱膨張性マイクロカプセルおよびオレフィン系樹脂エラストマーを含むマスターバッチの製造方法は、特に制限されることはなく、通常の方法で製造することができる。例えば、オレフィン系樹脂エラストマー(TPO)と熱膨張性マイクロカプセル(TEMC)の重量比(TPO:TEMC)を20:80〜95:5、好ましくは50:50〜90:10にして混合したマスターバッチを調製し、得られたマスターバッチを前記ジエン系ゴムに混合するとよい。すなわちマスターバッチとして、熱膨張性マイクロカプセル5〜80重量部、好ましくは10〜50重量部とオレフィン系樹脂エラストマー95〜20重量部、好ましくは90〜50重量部を秤量し、熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度より低い温度、好ましくは80〜120℃、より好ましくは90〜110℃で溶融混練するとよい。溶融混練する時間は、特に制限されるものではなく、好ましくは1〜10分、より好ましくは2〜8分であるとよい。
本発明のゴム組成物は、補強性充填剤を配合することができる。補強性充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、水酸化アルミニウム等を例示することができる。なかでもシリカ、カーボンブラックが好ましい。
タイヤ用ゴム組成物には、上述した補強性充填剤以外にも、加硫または架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫または架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。このようなゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物はスタッドレスタイヤのトレッド部を構成するのに好適である。このように構成されたトレッド部は、氷上性能を従来レベル以上に向上することが出来る。またウェット性能も改良することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4、比較例1〜7
表2に示す配合剤を共通配合とし、表1に示す配合からなる11種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜4、比較例1〜7)を、硫黄、加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練し放出冷却し、これに硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより調製した。なお表2に記載した配合剤の量は、表1に記載したジエン系ゴム100重量部に対する重量部で示した。
得られた11種類のタイヤ用ゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調整した。得られた加硫ゴム試験片の氷上摩擦性能およびウェット性能を下記に示す方法により評価した。
氷上摩擦性能
得られた加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて、測定温度−1.5℃、荷重5.5kg/cm3、ドラム回転速度25km/hの条件で氷上摩擦係数を測定した。得られた氷上摩擦係数を、比較例1の値を100とする指数にして、表1の「氷上摩擦性能」の欄に示した。この指数値が大きいほど氷上摩擦力が大きく氷上性能が優れることを意味する。
ウェット性能
得られた加硫ゴム試験片のウェット性能の指標として、損失正接tanδ(0℃)を評価した。損失正接tanδは、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度0℃の条件下で測定した。得られたtanδ(0℃)の結果は比較例1の値を100とする指数として、表1の「ウェット性能」の欄に示した。ウェット性能の指数が大きいほど、tanδ(0℃)が大きくウェットグリップ性能が優れることを意味する。
Figure 2016030814
表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、RSS#3
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
・TPO−1:オレフィン系樹脂エラストマー、JSR社製エクセリンク1100B、ゴム硬度が19
・TPO−2:オレフィン系樹脂エラストマー、JSR社製エクセリンク1404B、ゴム硬度が45
・TPO−3:オレフィン系樹脂エラストマー、JSR社製エクセリンク1500B、ゴム硬度が54
・TPO−4:オレフィン系樹脂エラストマー、住友化学社製エスポレックス4675、ゴム硬度が60
・EPM:エチレンプロピレンゴム、JSR社製EP342
Figure 2016030814
表2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・カーボンブラック:東海カーボン社製シースト6
・シリカ:日本シリカ工業社製Nipsil AQ
・カップリング剤:硫黄含有シランカップリング剤、デクサ社製Si69
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・老化防止剤:精工化学社製オゾノン6C
・オイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
表1から明らかなように実施例1〜4のタイヤ用ゴム組成物は、氷上摩擦性能およびウェット性能を従来レベル以上に向上することが確認された。
比較例2,3および4のゴム組成物は、オレフィン系樹脂エラストマー(TPO−3およびTPO−4)のゴム硬度が50を超えるので、氷上摩擦性能を改良する効果が得られない。またウェット性能が低下してしまう。
比較例5のゴム組成物は、オレフィン系樹脂エラストマーの代わりにエチレンプロピレンゴムを配合したので、氷上摩擦性能がわずかに低下してしまう。またウェット性能も低下してしまう。
比較例6のゴム組成物は、オレフィン系樹脂エラストマー(TPO−1)の配合量が1重量部未満であるので、氷上摩擦性能を改良する効果が得られない。またウェット性能がわずかに低下する。
比較例7のゴム組成物は、オレフィン系樹脂エラストマー(TPO−1)の配合量が30重量部を超えるので、氷上摩擦性能を改良する効果が得られない。またウェット性能が低下してしまう。
実施例5〜15、比較例8〜16
表3に示す配合からなる11種類のマスターバッチ(MB−1〜MB−11)を、1.8Lの密閉型ミキサーで、温度90℃、3分間、溶融混練して調製した。
表2に示す配合剤を共通配合とし、表4,5に示す配合からなる20種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例5〜15、比較例8〜16)を、硫黄、加硫促進剤、熱膨張性マイクロカプセルおよびマスターバッチを除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練し放出し、これに硫黄、加硫促進剤、熱膨張性マイクロカプセルおよびマスターバッチを加えてオープンロールで混練することにより調製した。なお表2に記載した配合剤の量は、表4,5に記載したジエン系ゴム100重量部に対する重量部で示した。
得られた20種類のタイヤ用ゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調整した。得られた加硫ゴム試験片の氷上摩擦性能を下記に示す方法により評価した。
氷上摩擦性能
得られた加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて、測定温度−1.5℃、荷重5.5kg/cm3、ドラム回転速度25km/hの条件で氷上摩擦係数を測定した。得られた氷上摩擦係数を、比較例8の値を100とする指数にして、表4,5の「氷上摩擦性能」の欄に示した。この指数値が大きいほど氷上摩擦力が大きく氷上性能が優れることを意味する。
Figure 2016030814
なお、表3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・マイクロカプセル:熱膨張性マイクロカプセル、松本油脂製薬社製マイクロスフェアF100
オレフィン系樹脂エラストマーTPO−1〜TPO−4およびエチレンプロピレンゴムEPMは、表1の記載と同じである。
Figure 2016030814
Figure 2016030814
なお、表4,5において使用した原材料の種類は、表1および3の記載と同じである。
表4,5から明らかなように実施例5〜15のタイヤ用ゴム組成物は、氷上摩擦性能を従来レベル以上に向上することが確認された。
比較例9,10および11のゴム組成物は、オレフィン系樹脂エラストマー(TPO−3およびTPO−4)のゴム硬度が50を超えるので、氷上摩擦性能を改良する効果が得られない。
比較例12のゴム組成物は、オレフィン系樹脂エラストマーの代わりにエチレンプロピレンゴムを配合したので、氷上摩擦性能の改善効果が見られない。
比較例13および14のゴム組成物は、オレフィン系樹脂エラストマー(TPO−3およびTPO−4)のゴム硬度が50を超えるので、氷上摩擦性能を改良する効果が得られない。
比較例15のゴム組成物は、オレフィン系樹脂エラストマーの代わりにエチレンプロピレンゴムを配合したので、氷上摩擦性能を改良する効果が得られない。
比較例16のゴム組成物は、オレフィン系樹脂エラストマー(TPO−1)の配合量が1重量部未満であるので、氷上摩擦性能を改良する効果が得られない。

Claims (6)

  1. ジエン系ゴム100重量部に、結晶性を有するオレフィン系樹脂エラストマーを1〜30重量部配合し、かつ前記オレフィン系樹脂エラストマーのゴム硬度が10〜50であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記オレフィン系樹脂エラストマーが、オレフィン系樹脂およびオレフィン系エラストマーからなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴム100重量部に、熱膨張性マイクロカプセルを0.1〜20重量部配合したことを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記オレフィン系樹脂エラストマー(TPO)と熱膨張性マイクロカプセル(TEMC)の重量比(TPO:TEMC)が20:80〜95:5であることを特徴とする請求項3に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項3または4に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、前記オレフィン系樹脂エラストマー(TPO)と熱膨張性マイクロカプセル(TEMC)の重量比(TPO:TEMC)を20:80〜95:5にして混合したマスターバッチを調製し、得られたマスターバッチを前記ジエン系ゴムに混合することを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物でトレッド部を形成したスタッドレスタイヤ。
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