JP2016030799A - 加硫ゴム、加硫ゴムの製造方法及びタイヤ - Google Patents

加硫ゴム、加硫ゴムの製造方法及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、硬度及び機械強度に優れ、タイヤ等に用いられた際に、その高硬度に起因する優れた操縦安定性及び優れた転がり抵抗性能を発現できる加硫ゴム、及び該加硫ゴムを少なくとも一部に用いたタイヤを提供する。
また本発明は、加硫前のゴム組成物の加工性が良好であり、更に硬度及び機械強度に優れる加硫ゴムが得られる加硫ゴムの製造方法を提供する。
【解決手段】合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)と、ファルネセン由来の単量体単位を含み38℃における溶融粘度が3,000Pa・s以下である重合体(B)と、を含有するゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムであって、ゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータの差Δδが1.0(J/cm31/2以下であり、加硫ゴム中に直径50nm以上の前記重合体(B)の島状相分離構造が存在する加硫ゴム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム成分とファルネセン由来の単量体を含む重合体とを含有するゴム組成物を加硫してなる加硫ゴム、その製造方法、及びこの加硫ゴムを少なくとも一部に用いたタイヤに関する。
従来、天然ゴムやスチレンブタジエンゴム等の分子量が20万を超える高分子量ゴム成分に対して、カーボンブラックやシリカ等のフィラーを配合することにより機械強度を向上させたゴム組成物が、耐摩耗性や機械強度を必要とするタイヤ用途に広く使用されている。また、近年では低燃費性を向上させる材料、すなわち転がり抵抗低減のための材料開発として、フィラーや低燃費ポリマーに着目した材料開発が検討されている(非特許文献1参照)。
このようにフィラーを配合したゴム組成物は、ゴムの混練時、圧延時又は押出時の粘度が高くなるため、加工性や流動性の改良を目的としてゴム成分の分子量を低下させる素練り工程が行われたり、分子量が20万以下の低分子量ゴム成分からなる可塑剤が添加されることがある。
しかし、素練り工程により生じた低分子量ゴム成分や、可塑剤としての低分子量ゴム成分は、ゴム組成物の加工性や流動性を改良する一方で、低燃費性(転がり抵抗性能)を低下させることが知られている(特許文献1参照)。なお、特許文献1には、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと充填材とを155℃以下で混練りし、加硫して得られるタイヤ用ゴム組成物が、優れた加工性、低燃費性及び破壊性能を示すことが開示されている。すなわち、特許文献1では、高分子量ゴム成分と素練り工程とを改良することで低燃費性を向上させている。
特開2011−246651
日本ゴム協会誌、第73巻第2号、p.103−109
一般に加硫ゴム中において、素練り工程等により生じた低分子量ゴム成分や可塑剤として添加された低分子量ゴム成分は、その低い分子量に起因して架橋導入の確率が低く、加硫ゴムの架橋網目構造中にダングリング鎖を多く形成する。このダングリング鎖は、ゴム成分のガラス転移温度よりも高い温度領域において、加硫ゴムの動的粘弾性測定により得られる損失正接(tanδ)を上昇させる。このtanδは、タイヤ用途において転がり抵抗性能の指標とされており、tanδの上昇は転がり抵抗性能の低下を意味する。
したがって、タイヤ用途におけるゴム組成物中に前述の低分子量ゴム成分が存在すると、加工性や流動性が改善する一方で、転がり抵抗性能を低下させることに繋がる。
また、フィラーを配合したゴム組成物においてはゴムの混練時に大きなせん断力が働き、高分子量ゴム成分の一部が切断されて低分子量ゴム成分が生成する。したがって、可塑剤として配合される低分子量ゴム成分の添加量を低く抑えたとしても、生成した低分子量ゴム成分が加硫ゴムの転がり抵抗性能を低下させる要因となっている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、硬度及び機械強度に優れ、タイヤ等に用いられた際に、その高硬度に起因する優れた操縦安定性及び優れた転がり抵抗性能を発現できる加硫ゴム、及び該加硫ゴムを少なくとも一部に用いたタイヤを提供する。
また本発明は、加硫前のゴム組成物の加工性が良好であり、更に硬度及び機械強度に優れる加硫ゴムが得られる加硫ゴムの製造方法を提供する。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、従来とは全く異なるアプローチで転がり抵抗性能を向上させることに成功した。すなわち、ファルネセン由来の単量体単位を有する重合体であって、特定の溶融粘度を有し、ゴム成分との溶解度パラメータの差が特定の値を示す重合体を含むゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムは、素練り工程等により低分子量化したゴム成分や、可塑剤として添加された低分子量ゴム成分に起因するtanδの上昇が抑制され、転がり抵抗性能が向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記[1]〜[3]を要旨とするものである。
[1]合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)と、ファルネセン由来の単量体単位を含み38℃における溶融粘度が3,000Pa・s以下である重合体(B)と、を含有するゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムであって、ゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータの差Δδが1.0(J/cm31/2以下であり、加硫ゴム中に直径50nm以上の前記重合体(B)の島状相分離構造が存在する加硫ゴム。
[2]合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)と、ファルネセン由来の単量体単位を含み38℃における溶融粘度が3,000Pa・s以下である重合体(B)と、を含有するゴム組成物を加硫する加硫ゴムの製造方法であって、ゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータの差Δδが1.0(J/cm31/2以下である加硫ゴムの製造方法。
[3][1]に記載の加硫ゴムを少なくとも一部に用いたタイヤ。
本発明によれば、硬度及び機械強度に優れ、タイヤ等に用いられた際に、その高硬度に起因する優れた操縦安定性及び優れた転がり抵抗性能を発現できる加硫ゴム、及び該加硫ゴムを少なくとも一部に用いたタイヤを提供することができる。
また本発明は、加硫前のゴム組成物の加工性が良好であり、更に硬度及び機械強度に優れる加硫ゴムが得られる加硫ゴムの製造方法を提供することができる。
実施例2の加硫ゴムシートから得られた超薄切片の、透過型電子顕微鏡による観察画像である。
[加硫ゴム]
本発明は、合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)と、ファルネセン由来の単量体単位を含み38℃における溶融粘度が3,000Pa・s以下である重合体(B)と、を含有するゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムであって、ゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータの差Δδが1.0(J/cm31/2以下であり、加硫ゴム中に直径50nm以上の前記重合体(B)の島状相分離構造が存在する加硫ゴムである。
本発明の加硫ゴムは、素練り工程等により低分子量ゴム成分が生成したり、加硫前のゴム組成物に低分子量ゴム成分を可塑剤として添加したとしても、加硫ゴムのtanδの上昇が抑制されるためタイヤ用途における転がり抵抗性能を高い水準で維持することができる。
更に、本発明の加硫ゴムは、低分子量ゴム成分を配合することによる転がり抵抗性能の低下を抑制することができるため、低分子量ゴム成分の配合量を増加させた場合であっても、転がり抵抗性能を低下させることなくゴム組成物の加工性や流動性を更に改良することができる。
なお、本明細書における高分子量ゴム成分とは、分子量が20万を超えるゴム成分を指し、本発明においては、例えばゴム成分(A)が該当する。また、低分子量ゴム成分とは、分子量が1万以上、20万以下のゴム成分を指し、本発明においては例えば、ゴム成分(A)を素練りした際に生じる低分子量のゴム及び後述する低分子量ゴム添加剤が該当する。
本発明の加硫ゴム中においては、直径50nm以上の重合体(B)の島状相分離構造(以下、「島相」ともいう。)が存在する。加硫ゴム中に直径50nm以上の島相が存在することにより、加硫ゴムのtanδの上昇を抑制し、転がり抵抗性能を向上させることができる。
加硫ゴム中における重合体(B)の島相の直径は、転がり抵抗性能を向上させる観点から、50nm以上であり、100nm以上が好ましく、150nm以上がより好ましく、そして、600nm以下が好ましい。
加硫ゴム中における重合体(B)の島相の観察は、原子間力顕微鏡(AFM)による切削断面の観察手法や、透過電子顕微鏡(TEM)による試料超薄切片の観察手法等により行うことができる。
AFMの観察においては、ウルトラミクロトーム等を用いて加硫ゴムの平滑断面を作製し、断面表面を観察する。AFMのタッピングモードと呼ばれる手法において得られる試料の硬軟差を反映した位相差像により、重合体(B)及びゴム成分(A)の力学的物性差から相分離構造を評価することができる。またフォースヴォリューム−AFMと呼ばれる手法を用いて、試料の弾性率差等の力学的物性差から相分離構造を評価することもできる。ゴム成分(A)及び重合体(B)の組成によっては加硫ゴム中にオリゴマー成分を含有するため、断面作製後の表面に該オリゴマーがブリードアウトし、表面が不安定になり観察に適さない場合がある。この場合、前処理として、切削断面作製前のゴム組成物試料に対し、ゴム成分(A)及び重合体(B)が共に不溶である溶媒を用いてソックスレー抽出等によりオリゴマー成分の抽出処理を行ってもよい。
TEMの観察においては、ウルトラミクロトーム等を用いて、加硫ゴムの超薄切片を作製し観察に用いる。ゴム成分(A)と重合体(B)とのコントラスト差が十分得られない場合には、四酸化オスミウム等の染色処理を前処理として施してもよい。ゴム成分(A)と重合体(B)の相分離構造の観察手法は、ここに挙げるものに限定するものではなく、2nm以下の空間分解能を有し、ゴム成分(A)と重合体(B)との相分離状態を3μm×3μm以上の領域について二次元像として評価できるものであればよい。以下、前述の観察手法により得られた観察像を「二次元像」ともいう。
前記島相は、重合体(B)単独で形成されている必要はなく、島相中に含まれる重合体(B)が他の成分と比較して多く存在する相であってもよい。
重合体(B)が島相に多く存在することを確認する方法としては、例えば、ゴム成分(A)、重合体(B)及びその他の成分を含む加硫ゴムより得られた二次元像と、それから重合体(B)成分のみを除いた加硫ゴムより得られた二次元像とを比較し、重合体(B)成分のみを除いた加硫ゴムより得られた二次元像には観察されなかった島相が、ゴム成分(A)、重合体(B)及びその他の成分を含む加硫ゴムより得られた二次元像に観察された場合は、その島相には重合体(B)が多く存在すると判断できる。また、重合体(B)の含有割合を変化させた加硫ゴムを作製し、その二次元像を評価し、重合体(B)の割合に応じて島相の占める割合が変化している場合も、その島相は重合体(B)が多く存在すると判断できる。なお、本発明の実施例においては、前者の方法で重合体(B)が島相に多く存在することを確認した。
重合体(B)が加硫ゴム中で島状の相分離構造を形成していた場合、重合体(B)の島相の直径は下記のようにして決定する。ゴム成分(A)、重合体(B)及びその他の成分を含む加硫ゴムについて、任意の異なる3箇所について3μm×3μmの二次元像を取得する。各二次元像内に観察された島状の相分離構造の中で、最も大きな直径を持つ島相の直径をそれぞれ導出し、それらの平均値を島相の直径とする。
なお二次元像中の島相が円形ではない場合は、島内に内包される最も長い直線の長さを長径、長径を定める直線と直交し、かつ長径の中点を通る直線の島内に内包される長さを短径とし、長径と短径の平均値を島の直径とする。
本発明において、ゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータの差Δδは1.0(J/cm31/2以下である。溶解度パラメータの差Δδが1.0(J/cm31/2より大きくなると、加硫ゴムのtanδが上昇し、転がり抵抗性能を向上することができない。また、重合体(B)とゴム成分(A)との相分離界面の相溶性が低下し、加硫ゴムの破断強度等の力学特性が低下しやすくなるので好ましくない。
ゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータの差Δδは、転がり抵抗性能を向上させる観点、及び加硫ゴムの力学特性の低下を抑制する観点から、1.0(J/cm31/2以下であり、0.8(J/cm31/2以下が好ましく、0.6(J/cm31/2以下がより好ましく、0.4(J/cm31/2以下が更に好ましい。溶解度パラメータの差Δδの下限は特に限定されず、0以上であればよい。
なお、本発明におけるゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータの差Δδとは、後述するゴム成分(A)と重合体(B)の溶解度パラメータの差である。
本発明における溶解度パラメータとは、D.W.Van Krevelenの推算法に基づき計算されるものであり、前記推算法は凝集エネルギー密度とモル分子容とを基に計算されるものである(D.W. Van Krevelen, Klaas te Nijenhuis, "Properties of Polymers, Fourth Edition" Elsevier Science, 2009)。
計算では、各ゴム成分(A)や重合体(B)において10mol%以上を占める構造の全てを考慮する。また10mol%未満の構造についても、構造及びモル分率が明らかなものについては計算に加えるものとする。
前記推算法により計算できない場合は、溶解度パラメータが既知の溶媒に対し溶解するか否かの判定による実験法によりSP値を算出し、それを代用することができる(「ポリマーハンドブック 第4版(Polymer Handbook Fourth Edition)」ジェー・ブランド(J.Brand)著、ワイリー(Wiley)社1998年発行)。この場合、溶解度パラメータの差の導出に用いるゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータは、同一に実験法により得られた値を用いる。
<ゴム成分(A)>
ゴム成分(A)としては、スチレンブタジエンゴム(以下、「SBR」ともいう。)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム、及び天然ゴム等のゴムを挙げることができる。中でも、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴムがより好ましく、天然ゴムが更に好ましい。これらのゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分(A)の溶解度パラメータは、重合体(B)との相溶性を向上させる観点から、15.3〜19.3(J/cm31/2が好ましく、16.3〜18.3(J/cm31/2がより好ましい。
ゴム成分(A)として用いることができるゴムの溶解度パラメータの具体例としては、例えば、天然ゴムは17.3(J/cm31/2、スチレン含量20wt%のSBRは17.8(J/cm31/2、スチレン含量40wt%のSBRは18.1(J/cm31/2、スチレン含量60wt%のSBRは18.3(J/cm31/2、ブタジエンゴムは17.6(J/cm31/2、イソプレンゴムは17.3(J/cm31/2、イソブチレンゴムは16.5(J/cm31/2である。
本発明においてゴム成分(A)として2種以上のゴムを併用する場合、ゴム成分(A)の溶解度パラメータは、ゴム成分(A)中に20質量%以上含まれるゴムの中で、重合体(B)の溶解度パラメータに最も近い値のものをゴム成分(A)の溶解度パラメータとする。なお、ゴム成分(A)中に、その20質量%以上を占めるゴムが存在しない場合には、ゴム成分(A)中の最も量が多いゴムの溶解度パラメータをゴム成分(A)の溶解度パラメータとする。
〔合成ゴム〕
本発明においてゴム成分(A)として合成ゴムを用いる場合、SBR、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム等が好ましく、中でも、イソプレンゴム、ブタジエンゴムがより好ましい。
(イソプレンゴム(A−II))
イソプレンゴムとしては、例えば、四ハロゲン化チタン−トリアルキルアルミニウム系、ジエチルアルミニウムクロライド−コバルト系、トリアルキルアルミニウム−三弗化ホウ素−ニッケル系、ジエチルアルミニウムクロライド−ニッケル系等のチーグラー系触媒;トリエチルアルミニウム−有機酸ネオジウム−ルイス酸系等のランタノイド系希土類金属触媒、又はS−SBRと同様に有機アルカリ金属化合物を用いて重合された、市販のイソプレンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたイソプレンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のイソプレンゴムを用いてもよい。
イソプレンゴムのビニル含量は好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ビニル含量が50質量%を超えると転がり抵抗性能が悪化する傾向にある。ビニル含量の下限は特に限定されない。またガラス転移温度はビニル含量によって変化するが、−20℃以下であることが好ましく、−30℃以下であることがより好ましい。
イソプレンゴムの重量平均分子量(Mw)は9万〜200万であることが好ましく、15万〜150万であることがより好ましい。Mwが前記範囲にある場合、加工性と機械強度が良好となる。
前記イソプレンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば、四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
(ブタジエンゴム(A−III))
ブタジエンゴムとしては、例えば、四ハロゲン化チタン−トリアルキルアルミニウム系、ジエチルアルミニウムクロライド−コバルト系、トリアルキルアルミニウム−三弗化ホウ素−ニッケル系、ジエチルアルミニウムクロライド−ニッケル系等のチーグラー系触媒;トリエチルアルミニウム−有機酸ネオジム−ルイス酸系等のランタノイド系希土類金属触媒、又はS−SBRと同様に有機アルカリ金属化合物を用いて重合された、市販のブタジエンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたブタジエンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のブタジエンゴムを用いてもよい。
ブタジエンゴムのビニル含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ビニル含量が50質量%を超えると転がり抵抗性能が悪化する傾向にある。ビニル含量の下限は特に限定されない。またガラス転移温度はビニル含量によって変化するが、−40℃以下であることが好ましく、−50℃以下であることがより好ましい。
ブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)は9万〜200万であることが好ましく、15万〜150万であることがより好ましい。Mwが前記範囲にある場合、加工性と機械強度が良好となる。
前記ブタジエンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば、四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
SBRとしては、タイヤ用途に用いられる一般的なものを使用できるが、具体的には、スチレン含量が0.1〜70質量%のものが好ましく、5〜50質量%のものがより好ましく、15〜35質量%のものが更に好ましい。また、ビニル含量が0.1〜60質量%のものが好ましく、0.1〜55質量%のものがより好ましい。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、100,000〜2,500,000が好ましく、150,000〜2,000,000がより好ましく、200,000〜1,500,000が更に好ましい。SBRの重量平均分子量(Mw)が前記範囲である場合、加工性と機械強度を両立することができる。
ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム等の製造方法は特に限定されず、市販されているものを使用できる。これらの合成ゴムは、SBR、イソプレンゴム及びブタジエンゴムの少なくとも1種と共に用いることが好ましい。
2種以上の合成ゴムを混合して用いる場合、その組み合わせは本発明の効果を損なわない範囲で任意に選択でき、またその組み合わせによって、転がり抵抗性能を調整できる。
なお、本発明のゴム成分(A)に用いるゴムの製造方法に特に制限はなく、市販のものを用いてもよい。
〔天然ゴム〕
本発明のゴム成分(A)で用いる天然ゴムとしては、例えば、SMR、SIR、STR等のTSR、RSS等のタイヤ工業において一般的に用いられる天然ゴム、高純度天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、水酸基化天然ゴム、水素添加天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴムが挙げられる。中でも、品質のばらつきが少ない点、及び入手容易性の点から、SMR20、STR20やRSS#3が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<ファルネセン由来の単量体単位を含む重合体(B)>
本発明の加硫ゴムは、ファルネセン由来の単量体単位を含む重合体(B)を含有する。
本発明における重合体(B)としては、α−ファルネセン及び式(I)で示されるβ−ファルネセンの少なくとも1種に由来する単量体単位を含んでいればよく、β−ファルネセンに由来する単量体単位を含むことが好ましい。
本発明において重合体(B)は可塑剤としても作用するが、加硫ゴム中に存在する低分子量ゴム成分に起因する転がり抵抗性能の低下を抑制する機能を有するため、重合体(B)を用いることにより優れた転がり抵抗性能を示す加硫ゴムを得ることができる。
なお、本明細書において、重合体(B)の1,4結合とは、式(II)で示される結合様式のことをいう。また後述する重合体(B)のビニル含量とは、全β−ファルネセン由来の単量体単位のうち1,4結合を除く結合様式の含有量のことであり、後述する実施例に記載の1H−NMRを用いた方法により測定できる。
重合体(B)は、β−ファルネセンとβ−ファルネセン以外の単量体を共重合させた共重合体であってもよい。
重合体(B)が共重合体である場合、β−ファルネセン以外の単量体(b1)としては、例えば、炭素数12以下の共役ジエン及び芳香族ビニル化合物を挙げることができる。炭素数12以下の共役ジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−ブタジエン、2−フェニル−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3,7−オクタトリエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。これらの中ではブタジエン、イソプレン、ミルセンがより好ましい。これらの共役ジエンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−4−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、4−メトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられる。これらの中では、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンが好ましい。
重合体(B)中におけるβ−ファルネセン以外の単量体に由来する単量体単位(b1)及びβ−ファルネセン由来の単量体単位(b2)の合計に対する単量体単位(b1)の割合は、得られる加硫ゴムの転がり抵抗性能を向上させる観点から、0〜99質量%が好ましく、0〜80質量%がより好ましく、0〜70質量%が更に好ましい。また、重合体(B)がβ−ファルネセンの単独重合体(すなわち、単量体単位(b1)の割合が0質量%)であることも好ましい態様の一つである。
重合体(B)の38℃における溶融粘度は3,000Pa・s以下である。重合体(B)の溶融粘度が3,000Pa・sより高いと、加硫前のゴム組成物の加工性が低下する。重合体(B)の38℃における溶融粘度は、加硫前のゴム組成物の加工性を向上させる観点、また転がり抵抗性能を向上させる観点から、3,000Pa・s以下であり、2,000Pa・s以下が好ましく、1,000Pa・s以下がより好ましく、500Pa・s以下が更に好ましい。また、重合体(B)の38℃における溶融粘度は4Pa・s以上が好ましく、10Pa・s以上がより好ましい。
重合体(B)の溶融粘度が前記範囲内であると、得られるゴム組成物の混練が容易になると共に加工性が向上する。また、ゴム組成物を加硫ゴムとした場合における可塑剤等の低移行性能も向上する。なお、本明細書において重合体(B)の溶融粘度は、後述する実施例に記載した方法で求めた値である。
重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は3万〜50万が好ましく、5万〜40万がより好ましく、10万〜30万が更に好ましい。重合体(B)のMwが高すぎるとゴム成分(A)との相溶性が低下し、転がり抵抗性能が悪化する傾向にある。重合体(B)のMwが前記範囲内であると、加硫前のゴム組成物の加工性が良好となり、ゴム組成物を加硫ゴムとした場合における低移行性能も向上する。なお、本明細書において重合体(B)のMwは、後述する実施例に記載した方法で求めた値である。本発明においては、Mwが異なる2種類の重合体(B)を併用してもよい。
重合体(B)の溶解度パラメータとしては、転がり抵抗性能向上の観点から、15.3〜19.3(J/cm31/2が好ましく、16.3〜18.3(J/cm31/2がより好ましい。
重合体(B)として2種以上の重合体(B)を併用する場合、重合体(B)の溶解度パラメータは、各重合体(B)のモル比から加重平均により算出される溶解度パラメータを重合体(B)の溶解度パラメータとして用いる。
重合体(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜8.0が好ましく、1.0〜5.0がより好ましく、1.0〜3.0がより更に好ましい。Mw/Mnが前記範囲内であると、得られる重合体(B)の粘度のばらつきが小さく、より好ましい。
重合体(B)のガラス転移温度は、ビニル含量やファルネセン及び必要に応じて更に用いるファルネセン以外の単量体の含有量によっても変化するが、−90〜10℃が好ましく、−90〜0℃がより好ましく、−90〜−5℃が更に好ましい。前記範囲であると、転がり抵抗性能が良好となる。また、粘度が高くなるのを抑えることができ取り扱いが容易になる。
重合体(B)のビニル含量は99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
(重合体(B)の製造方法)
重合体(B)は、乳化重合法、又は国際公開第2010/027463号、国際公開第2010/027464号に記載の方法等により製造することができる。その中でも、乳化重合法又は溶液重合法が好ましく、溶液重合法が更に好ましい。
(乳化重合法)
重合体(B)を得るための乳化重合法としては公知の方法を適用できる。例えば、所定量のファルネセン単量体を乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により乳化重合する。
乳化剤としては、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩又はロジン酸塩が用いられる。具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸のカリウム塩又はナトリウム塩が挙げられる。
分散剤としては通常、水が使用され、重合時の安定性が阻害されない範囲で、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムのような過硫酸塩、有機過酸化物、過酸化水素等が挙げられる。
得られる重合体(B)の分子量を調整するため、連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、チオグリコール酸、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
乳化重合温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜選択できるが、通常、0〜100℃が好ましく、0〜60℃がより好ましい。重合様式は、連続重合、回分重合のいずれでもよい。重合反応は、重合停止剤の添加により停止できる。
重合停止剤としては、例えば、イソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
重合反応停止後、必要に応じて老化防止剤を添加してもよい。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら、重合体(B)を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって重合体(B)を回収する。次いで水洗、及び脱水後、乾燥することで、重合体(B)が得られる。なお、凝固の際に、必要に応じて予めラテックスと乳化分散液にした伸展油とを混合し、油展の重合体(B)として回収してもよい。
(溶液重合法)
重合体(B)を得るための溶液重合法としては、公知の方法を適用できる。例えば、溶媒中で、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒、アニオン重合可能な活性金属を使用して、所望により極性化合物の存在下、ファルネセン単量体を重合する。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。
中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。更にアルカリ金属の中でも、有機アルカリ金属化合物がより好ましく用いられる。
溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等の有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、ジリチオナフタレン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物;ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。中でも有機リチウム化合物が好ましく、有機モノリチウム化合物がより好ましい。有機アルカリ金属化合物の使用量は要求されるファルネセン重合体の分子量によって適宜決められるが、ファルネセン100質量部に対して0.01〜3質量部が好ましい。
有機アルカリ金属化合物は、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン等の第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
極性化合物は、アニオン重合において、反応を失活させず、ファルネセン部位のミクロ構造を調整するため用いられ、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン等の3級アミン;アルカリ金属アルコキシド、ホスフィン化合物等が挙げられる。極性化合物は、有機アルカリ金属化合物に対して好ましくは0.01〜1000モル等量の範囲で使用される。
重合反応の温度は、通常、−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは10〜90℃の範囲である。重合様式は回分式あるいは連続式のいずれでもよい。
重合反応は、重合停止剤としてメタノール、イソプロパノール等のアルコールを添加して、反応を停止できる。得られた重合反応液をメタノール等の貧溶媒に注いで重合体(B)を析出させるか、重合反応液を水で洗浄し、分離後、乾燥することにより重合体(B)を単離できる。
(変性重合体)
前記重合体(B)は変性して用いてもよい。官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、アルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、エーテル基、カルボキシル基、カルボニル基、メルカプト基、イソシアネート基、ニトリル基、酸無水物基等が挙げられる。
変性重合体の製造方法としては、例えば、重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、ジブチル錫クロリド、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ビニルピロリドン、N−メチルピロリドン、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、ジメチルイミダゾリジノン等の重合末端変性剤、又は特開2011−132298号公報に記載のその他の変性剤を添加する方法が挙げられる。また、単離後の重合体(B)に無水マレイン酸等をグラフト化して用いることもできる。
この変性重合体において、官能基が導入される重合体の位置については重合末端であってもよく、ポリマー鎖の側鎖であってもよい。また前記官能基は1種又は2種以上で組み合わせて用いることもできる。前記変性剤は、有機アルカリ金属化合物に対して好ましくは0.01〜100モル等量の範囲で使用される。
本発明の加硫ゴムにおいては、ゴム成分(A)100質量部に対する重合体(B)の含有量は、0.1〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。重合体(B)の含有量が前記範囲内であると、加工性と機械強度、転がり抵抗性能、及び低移行性能が良好となる。
また、本発明の加硫ゴム中のゴム成分(A)と重合体(B)との合計の含有量は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより更に好ましい。
<ゴム成分(A)と重合体(B)とを混合して得られる混合物中の重合体(B)の島相>
本発明の加硫ゴム中に含まれるゴム成分(A)及び重合体(B)の質量比と同じ質量比でゴム成分(A)及び重合体(B)を混合した混合物中に、直径200nm以上の重合体(B)の島相(島状相分離構造)が存在することが好ましい。
本発明の加硫ゴムは、直径50nm以上の前記重合体(B)の島相が存在することが重要であるが、ゴム成分(A)及び重合体(B)を混合した混合物中における重合体(B)の島相は、ゴム組成物に対して、例えば後述するフィラー(C)を添加して混練した場合には微細化する傾向がある。よって、ゴム成分(A)及び重合体(B)を混合した混合物中において重合体(B)が直径200nm未満の島相である場合、フィラー(C)を更に添加して混練すると、加硫ゴム中においては、重合体(B)が微細化しすぎて50nm以上の島状相分離構造を形成することが困難な場合がある。
また、ゴム成分(A)に対する重合体(B)の含有量を増加させると、ある値を超えたところで重合体(B)が連続構造を形成し、島相を形成しなくなると考えられる。この場合、重合体(B)は加硫ゴム中において大きな不均一構造を形成してしまい、加硫ゴムの破断強度等の力学物性を大きく低下する。
したがって、ゴム成分(A)と重合体(B)とを混合して得られる混合物中の重合体(B)の島相の直径は、200nm以上、2μm以下が好ましく、400nm以上、1μm以下がより好ましい。
また、前記混合物中のゴム成分(A)100質量部に対する重合体(B)の含有量は、加硫ゴムにおける重合体(B)の好ましい含有量と同様に0.1〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。
なお、重合体(B)が島相を形成せず連続構造へ変化する重合体(B)の含有量は、重合体(B)の分子量、及び重合体(B)とゴム成分(A)の相溶性等に依存する。
前記混合物中における重合体(B)の島相の観察は、前述の加硫ゴムにおける島相の観察手法と同様に、原子間力顕微鏡(AFM)による切削断面の観察手法や、透過電子顕微鏡(TEM)による試料超薄切片の観察手法等により行うことができる。
AFMの観察においては、ウルトラミクロトーム等を用いてゴム組成物の平滑断面を作製し、断面表面を観察する。AFMのタッピングモードと呼ばれる手法において得られる試料の硬軟差を反映した位相差像により、重合体(B)及びゴム成分(A)の力学的物性差から相分離構造を評価することができる。またフォースヴォリューム−AFMと呼ばれる手法を用いて、試料の弾性率差等の力学的物性差から相分離構造を評価することもできる。ゴム成分(A)及び重合体(B)の組成によってはゴム組成物中にオリゴマー成分を含有するため、断面作製後の表面に該オリゴマー成分がブリードアウトし、表面が不安定になり観察に適さない場合がある。この場合、前処理として、切削断面作製前のゴム組成物試料に対し、ゴム成分(A)及び重合体(B)が共に不溶である溶媒を用いてソックスレー抽出等によりオリゴマー成分の抽出処理を行ってもよい。
TEMの観察においては、ウルトラミクロトーム等を用いて、ゴム組成物の超薄切片を作製し観察に用いる。ゴム成分(A)と重合体(B)とのコントラスト差が十分得られない場合には、四酸化オスミウム等の染色処理を前処理として施してもよい。ゴム成分(A)と重合体(B)の相分離構造の観察手法は、ここに挙げるものに限定するものではなく、2nm以下の空間分解能を有し、ゴム成分(A)と重合体(B)との相分離状態を3μm×3μm以上の領域について二次元像として評価できるものであればよい。以下、前述の観察手法により得られた観察像を「二次元像」ともいう。
ゴム成分(A)中において重合体(B)が島相を形成した場合、前記手法において得られた二次元像中に島状の構造が観察される。この島相は、重合体(B)単独で形成されている必要はなく、島相中に含まれる重合体(B)が他の成分と比較して多く存在する相であってもよい。
重合体(B)が島相に多く存在することを確認する方法としては、ゴム成分(A)単体より得られた二次元像と、ゴム成分(A)と重合体(B)とを混練して得られたゴム組成物より得られた二次元像とを比較し、ゴム成分(A)単体より得られた二次元像には観察されなかった島相が、ゴム成分(A)と重合体(B)を混練して得られたゴム組成物より得られた二次元像に観察された場合は、その島相は重合体(B)が多く存在すると判断できる。また、評価対象であるゴム成分(A)と重合体(B)を混練して得られたゴム組成物に対して、重合体(B)の割合を変化させた参照試料を作製し、その二次元像を評価し、重合体(B)の割合に応じて島相の占める割合が変化している場合も、その島相は重合体(B)が多く存在すると判断できる。なお、本発明の実施例においては、前者の方法で重合体(B)が島相に多く存在することを確認した。
重合体(B)がゴム成分(A)中で、島状の相分離構造を形成していた場合、重合体(B)の島相の直径は、前述した加硫ゴム中における重合体(B)の島相の直径の求め方と同様にして決定する。
<フィラー(C)>
本発明の加硫ゴムはフィラー(C)を含有することが好ましい。フィラー(C)としては、カーボンブラック及びシリカ等を用いることができる。
〔カーボンブラック〕
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。これらの中では、加硫速度や機械強度向上の観点から、ファーネスブラックが好ましい。
前記カーボンブラックの平均粒径としては、分散性、機械強度、及び硬度を向上させる観点から、5〜100nmが好ましく、5〜80nmがより好ましく、5〜70nmが更に好ましい。
平均粒径が5〜100nmであるカーボンブラックとして、ファーネスブラックの市販品としては、例えば、三菱化学株式会社「ダイヤブラック」、東海カーボン株式会社製「シースト」等が挙げられる。アセチレンブラックの市販品としては、例えば、電気化学工業株式会社製「デンカブラック」が挙げられる。ケッチェンブラックの市販品としては、例えば、ライオン株式会社製「ECP600JD」が挙げられる。
カーボンブラックは、ゴム成分(A)及び重合体(B)への濡れ性や分散性を向上させる観点から、硝酸、硫酸、塩酸又はこれらの混合酸等による酸処理や、空気存在下での熱処理による表面酸化処理を行ってもよい。また、本発明の加硫ゴムの機械強度向上の観点から、黒鉛化触媒の存在下に2,000〜3,000℃で熱処理を行ってもよい。なお、黒鉛化触媒としては、ホウ素、ホウ素酸化物(例えば、B22、B23、B43、B45等)、ホウ素オキソ酸(例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等)及びその塩、ホウ素炭化物(例えば、B4C、B6C等)、窒化ホウ素(BN)、その他のホウ素化合物が好適に用いられる。
カーボンブラックは、粉砕等により粒度を調整することができる。カーボンブラックの粉砕には、高速回転粉砕機(ハンマーミル、ピンミル、ケージミル)や各種ボールミル(転動ミル、振動ミル、遊星ミル)、撹拌ミル(ビーズミル、アトライター、流通管型ミル、アニュラーミル)等が使用できる。
なお、カーボンブラックの平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定してその平均値を算出することにより求めることができる。
〔シリカ〕
シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を挙げることができる。中でも、加工性、機械強度及び耐摩耗性を一層向上させる観点から、湿式シリカが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの平均粒径は、加硫前のゴム組成物の加工性、得られる加硫ゴムの転がり抵抗性能、機械強度、及び耐摩耗性を向上する観点から、0.5〜200nmが好ましく、5〜150nmがより好ましく、10〜100nmが更に好ましい。
なお、シリカの平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定して、その平均値を算出することにより求めることができる。
ゴム成分(A)100質量部に対するフィラー(C)の含有量は、5〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましく、15〜100質量部が更に好ましい。フィラー(C)の含有量が前記範囲内であると、加硫前のゴム組成物の加工性、得られる加硫ゴムの転がり抵抗性能、機械強度及び耐摩耗性が向上する。
〔その他のフィラー〕
本発明の加硫ゴムは、機械強度の向上、耐熱性や耐候性等の物性の改良、硬度調整、増量剤を配合することによる経済性の改善等を目的として、必要に応じてカーボンブラック及びシリカ以外のフィラーを更に含有していてもよい。
前記カーボンブラック及びシリカ以外のフィラーとしては、用途に応じて適宜選択されるが、例えば、有機充填剤や、クレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラス繊維、繊維状フィラー、ガラスバルーン等の無機充填剤の1種以上を使用できる。
本発明の加硫ゴムが前記フィラーを含有する場合、その含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜120質量部が好ましく、5〜90質量部がより好ましく、10〜80質量部が更に好ましい。前記フィラーの含有量が前記範囲内であると、機械強度がより一層向上する。
<加硫剤(D)>
本発明の加硫ゴムは、少なくとも前記ゴム成分(A)及び重合体(B)と加硫剤(D)とを含有するゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムであることが好ましい。加硫ゴム中の加硫剤(D)の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。加硫剤(D)としては、例えば、硫黄及び硫黄化合物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加硫剤(D)の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.5〜10質量部がより好ましく、0.8〜5質量部が更に好ましい。
<加硫促進剤(E)>
本発明の加硫ゴムが加硫促進剤(E)を含有する場合、その含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましい。加硫促進剤(E)としては、例えば、グアニジン系化合物、スルフェンアミド系化合物、チアゾール系化合物、チウラム系化合物、チオウレア系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、アルデヒド−アミン系化合物又はアルデヒド−アンモニア系化合物、イミダゾリン系化合物、キサンテート系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加硫促進剤(E)の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部がより好ましい。
<加硫助剤(F)>
本発明の加硫ゴムが加硫助剤(F)を含有する場合、その含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましい。加硫助剤(F)としては、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、亜鉛華等の金属酸化物、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加硫助剤の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、1〜10質量部がより好ましい。
<任意成分>
(シランカップリング剤)
本発明の加硫ゴムにおいてシリカを含有するときは、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、スルフィド系化合物、メルカプト系化合物、ビニル系化合物、アミノ系化合物、グリシドキシ系化合物、ニトロ系化合物、クロロ系化合物等が挙げられる。
スルフィド系化合物としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリ
レートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等が挙げられる。
メルカプト系化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ビニル系化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノ系化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
グリシドキシ系化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
ニトロ系化合物としては、例えば、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
クロロ系化合物としては、例えば、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、添加効果が大きい観点及びコストの観点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。
シリカ100質量部に対する前記シランカップリング剤の含有量は、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜15質量部が更に好ましい。シランカップリング剤の含有量が前記範囲内であると、分散性、カップリング効果、補強性、耐摩耗性が向上する。
(低分子量ゴム添加剤)
本発明の加硫ゴムは、発明の効果を阻害しない範囲で、加工性、流動性等の改良を目的として、低分子量ゴム添加剤として低分子量ポリブタジエン、低分子量ポリイソプレン、低分子量スチレンブタジエン共重合体、低分子量スチレンイソプレン共重合体等を含有してもよい。これらの低分子量ゴム添加剤の分子量は1万以上20万以下である。本発明の組成物が低分子量ゴム添加剤を含有する場合、その含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して50質量部より少ないことが好ましい。
(その他)
本発明の加硫ゴムは、発明の効果を阻害しない範囲で、加工性、流動性等の改良を目的とし、必要に応じてシリコンオイル、アロマオイル、TDAE(Treated Distilled Aromatic Extracts)、MES(Mild Extracted Solvates)、RAE(Residual AromaticExtracts)、パラフィンオイル、ナフテンオイル等のプロセスオイル;分子量が1万未満の脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、C9系樹脂、ロジン系樹脂、クマロン・インデン系樹脂、フェノール系樹脂等の樹脂系添加剤を軟化剤として含有していてもよい。本発明の加硫ゴムが軟化剤を含有する場合、その含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して50質量部より少ないことが好ましい。
また、本発明の加硫ゴムは、発明の効果を阻害しない範囲で、耐候性、耐熱性、耐酸化性等の向上を目的として、必要に応じて老化防止剤、酸化防止剤、ワックス、滑剤、光安定剤、スコーチ防止剤、加工助剤、顔料や色素等の着色剤、難燃剤、帯電防止剤、艶消し剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、発泡剤、抗菌剤、防カビ剤、香料等の添加剤を1種又は2種以上含有していてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、ラクトン系化合物、ヒドロキシル系化合物等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、アミン−ケトン系化合物、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物、硫黄系化合物及びリン系化合物等が挙げられる。
本発明の加硫ゴムは、加硫剤(D)を用いて加硫する他に、架橋剤を添加して架橋して用いることもできる。架橋剤としては、例えば、酸素、有機過酸化物、フェノール樹脂及びアミノ樹脂、キノン及びキノンジオキシム誘導体、ハロゲン化合物、アルデヒド化合物、アルコール化合物、エポキシ化合物、金属ハロゲン化物及び有機金属ハロゲン化物、シラン化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。架橋剤の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
<ゴム組成物の調製方法>
本発明の加硫ゴムは、前記各成分を含有するゴム組成物を加硫してなるものである。前記ゴム組成物の調製方法は特に限定されず、前記各成分を均一に混合すればよい。均一に混合する方法としては、例えば、ニーダールーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー等の接線式もしくは噛合式の密閉式混練機、単軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、ローラー等が挙げられ、通常70〜270℃の温度範囲で行うことができる。
<加硫ゴムの製造方法>
本発明の加硫ゴムの製造方法は、合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)と、ファルネセン由来の単量体単位を含み38℃における溶融粘度が3,000Pa・s以下であり、ゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータの差Δδが1.0(J/cm31/2以下である重合体(B)とを含有するゴム組成物を加硫することにより製造することができる。
加硫の条件、方法に特に制限はないが、加硫金型を用いて加硫温度120〜200℃及び加硫圧力0.5〜2.0MPaの加圧加熱条件で行うことが好ましい。
<加硫ゴム中の低分子量ゴム成分の含有量>
本発明の加硫ゴムは、加硫ゴム中の低分子量ゴム成分の含有量が10質量%以上であることが好ましい。低分子量ゴム成分の含有量が10質量%以上であると、加硫前のゴム組成物の加工性が良好になり、更に重合体(B)により高い転がり抵抗性能を維持することが可能となる。
なお、本明細書において低分子量ゴム成分の割合とは、未加硫のゴム組成物をトルエンに溶解した際に得られる可溶成分中、分子量が1万以上、20万以下である成分の割合のことである。
低分子量ゴム成分の割合は、前記トルエン可溶成分について示差屈折計検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算分子量と分子量分布を求め、これらの数値から算出することができる。具体的には、GPC測定により得られた可溶成分の分子量分布曲線を用い、全可溶成分に対する分子量1万以上、20万以下である成分の割合を求めることにより算出することができる。なお、本明細書において前記GPC測定は、後述する実施例に記載した方法で実施する。
本発明の加硫ゴムが、低分子量ゴム成分を含有する場合、低分子量ゴム成分の割合は10質量%以上が好ましく、18質量%以上がより好ましい。また、上限は特に限定されるものではないが、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。低分子量ゴム成分割合が18質量%以上である場合、重合体(B)を含まない加硫ゴムについては転がり抵抗性能が大きく低下するのに対し、本発明の加硫ゴムでは、転がり抵抗性能を高い水準で維持することができる。
[タイヤ]
本発明のタイヤは、本発明の加硫ゴムを少なくとも一部に用いる。そのため優れた転がり抵抗性能を備える。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例及び比較例において使用した各成分は以下のとおりである。
ゴム成分(A)
天然ゴム「STR20」(タイ製天然ゴム)
重合体(B)
後述の製造例1〜5で製造したポリファルネセン(B−1)〜(B−5)、及び製造例7〜11で製造した共重合体(B−6)〜(B−10)
重合体(X)
後述の製造例6で製造したポリファルネセン(X−1)
フィラー(C)
カーボンブラック「ダイヤブラックI」(三菱化学株式会社製、平均粒径20nm)
加硫剤(D)
硫黄(微粉硫黄200メッシュ、鶴見化学工業株式会社製)
加硫促進剤(E)
「ノクセラーNS−P」(大内新興化学工業株式会社製)
加硫助剤(F)
ステアリン酸「ルナックS−20」(花王株式会社製)
亜鉛華「酸化亜鉛」(堺化学工業株式会社製)
任意成分
低分子量ゴム添加剤(1):液状天然ゴム「DPR−40」(Royal Elastomers製)
低分子量ゴム添加剤(2):液状ポリイソプレンゴム「LIR−30」(株式会社クラレ製)
老化防止剤(1):ノクラック6C(大内新興化学工業株式会社製)
老化防止剤(2):アンテージRD(川口化学工業株式会社)
製造例1:ポリファルネセン(B−1)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン241g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%ヘキサン溶液)28.3gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン342gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリファルネセン(B−1)を得た。
製造例2:ポリファルネセン(B−2)の製造
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてヘキサン1144g、開始剤としてn−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)12.3gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン1690gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリファルネセン(B−2)を得た。
製造例3:ポリファルネセン(B−3)の製造
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてヘキサン5755g、開始剤としてn−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)26.5gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン5709gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリファルネセン(B−3)を得た。
製造例4:ポリファルネセン(B−4)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1600g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%ヘキサン溶液)4.2gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン1300gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリファルネセン(B−4)を得た。
製造例5:ポリファルネセン(B−5)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1818g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%ヘキサン溶液)2.2gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン980gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリファルネセン(B−5)を得た。
製造例6:ポリファルネセン(X−1)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン2560g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%ヘキサン溶液)0.8gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン640gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するポリファルネセン(X−1)を得た。
製造例7:β−ファルネセン/イソプレンランダム共重合体(B−6)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1490g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)12.4gを仕込み、50℃に昇温した後、予め調製したイソプレン(b1)とβ−ファルネセン(b2)との混合物(イソプレン(b1)300gとβ−ファルネセン(b2)1200gとをボンベ内で混合)1500gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するβ−ファルネセン/イソプレンランダム共重合体(B−6)を得た。
製造例8:β−ファルネセン/イソプレンランダム共重合体(B−7)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1490g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)26.9gを仕込み、50℃に昇温した後、予め調製したイソプレン(b1)とβ−ファルネセン(b2)との混合物(イソプレン(b1)1200gとβ−ファルネセン(b2)300gとをボンベ内で混合)1500gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するβ−ファルネセン/イソプレンランダム共重合体(B−7)を得た。
製造例9:β−ファルネセン/スチレンランダム共重合体(B−8)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1790g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)9.0gを仕込み、50℃に昇温した後、テトラヒドロフラン3gを添加し、予め調製したスチレン(b1)とβ−ファルネセン(b2)との混合物(スチレン(b1)276gとβ−ファルネセン(b2)924gとをボンベ内で混合)1200gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するβ−ファルネセン/スチレンランダム共重合体(B−8)を得た。
製造例10:β−ファルネセン/ブタジエンランダム共重合体(B−9)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1790g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)10.6gを仕込み、50℃に昇温した後、予め調製したブタジエン(b1)とβ−ファルネセン(b2)との混合物(ブタジエン(b1)240gとβ−ファルネセン(b2)960gとをボンベ内で混合)1200gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するβ−ファルネセン/ブタジエンランダム共重合体(B−9)を得た。
製造例11:β−ファルネセン/ブタジエンランダム共重合体(B−10)の製造
窒素置換し乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン1500g、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)35.3gを仕込み、50℃に昇温した後、予め調製したブタジエン(b1)とβ−ファルネセン(b2)との混合物(ブタジエン(b1)1200gとβ−ファルネセン(b2)300gとをボンベ内で混合)1500gを10ml/分で加えて1時間重合した。得られた重合反応液をメタノールで処理し、水を用いて重合反応液を洗浄した。洗浄後の重合反応液と水とを分離して、70℃で12時間乾燥することにより、表1に示す物性を有するβ−ファルネセン/ブタジエンランダム共重合体(B−10)を得た。
なお、重合体(B)及び(X)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ビニル含量、重合体(B)及び(X)の溶融粘度、及びガラス転移温度の測定方法は以下のとおりである。
(重量平均分子量及び分子量分布の測定方法)
重合体(B)及び(X)のMw及びMw/MnはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下のとおりである。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「GPC8020」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgelG4000HXL」
・検出器 :東ソー株式会社製「RI−8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :1.0ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度 :40℃
(ビニル含量の測定方法)
重合体(B)及び(X)50mgを1mlのCDCl3に溶解した溶液を400MHzの1H−NMRを用いて積算回数512回で測定した。測定により得られたチャートの4.94〜5.22ppm部分をビニル構造由来のスペクトル、4.45〜4.85ppmの部分をビニル構造と1,4結合の合成スペクトルとし、以下の式に基づきビニル含量を算出した。
{ビニル含量}=4.94〜5.22ppmの積分値/2/{4.94〜5.22ppmの積分値/2+(4.45〜4.85ppmの積分値−4.94〜5.22ppmの積分値)/3}
(溶融粘度の測定方法)
重合体(B)及び(X)の38℃における溶融粘度をブルックフィールド型粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS. INC.製)により測定した。
(ガラス転移温度の測定方法)
重合体(B)及び(X)10mgをアルミパンに採取し、示差走査熱量測定(DSC)により10℃/分の昇温速度条件においてサーモグラムを測定し、DDSCのピークトップの値をガラス転移温度とした。
実施例1〜4及び比較例1〜2
表2に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)、重合体(B)又は重合体(X)を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、開始温度50℃、到達温度が110℃となるように75秒間混練することでゴム成分(A)、重合体(B)又は重合体(X)からなる評価用のゴム混合物を得た。得られた評価用のゴム混合物の島状相分離構造の有無を下記の方法により測定した。
また表2に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)、重合体(B)、重合体(X)、フィラー(C)、加硫助剤(F)及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、加硫剤(D)及び加硫促進剤(E)を加えて開始温度50℃、到達温度が110℃となるように75秒間混練することでゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度及び低分子量ゴム成分の割合を下記の方法により測定した。
また、得られたゴム組成物をプレス成形(145℃、20〜40分)して加硫させ、加硫ゴムシート(厚み2mm)を作製した。下記の方法に基づき島状相分離構造の有無、転がり抵抗性能、硬度、及び引張破断強度を評価した。結果を表2に示す。
なお、各評価の測定方法は以下のとおりである。
(1)ゴム成分(A)と重合体(B)とを混合して得られる混合物中の島相の評価
実施例及び比較例において、ゴム成分(A)と重合体(B)又は重合体(X)とを混合して得られた評価用の混合物から、クライオウルトラミクロトーム(Leica Microsystems GmbH社製 EM UC7、EM FC7)を用いて厚さ約100nmの超薄切片を作製した。得られた切片を4%の四酸化オスミウム水溶液蒸気雰囲気中に5時間曝露した後、加速電圧200kVの透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM−2100F)を用い5000倍の倍率で3μm×3μmの領域の観察を行い、二次元像を取得した。重合体(B)相又は(X)相の島状相分離構造形成の有無を評価し、島相を形成している場合には前述の方法に従い島相の直径を導出した。
(2)加硫ゴム中の島相の評価
実施例及び比較例においてプレス成形することにより作製した加硫ゴムシートから、クライオウルトラミクロトーム(Leica Microsystems GmbH社製 EM UC7、EM FC7)を用いて厚さ約100nmの超薄切片を作製した。得られた切片を4%の四酸化オスミウム水溶液蒸気雰囲気中に5時間曝露した後、加速電圧200kVの透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM−2100F)を用い5000倍の倍率で3μm×3μmの領域の観察を行い、二次元像を取得した。重合体(B)相の島状相分離構造形成の有無を評価し、島相を形成している場合には前述の方法に従い島相の直径を導出した。また、実施例2で得られた加硫ゴムの二次元像を図1に示す。図1中、グレー部分が主にゴム成分(A)からなる相(符号1)であり、黒く細長い塊が重合体(B)相の島状相分離構造(符号2)である。
(3)低分子量ゴム成分の割合の測定方法
2mm×2mm×2mm程度の大きさに裁断された加硫前のゴム組成物1gを、200mlのトルエン溶媒に浸漬させ、23℃で48時間静置し、ゴム組成物中の可溶成分を抽出する。抽出後、200メッシュのフィルターを用い不溶成分を除去し、抽出液を40℃で12時間以上減圧乾燥して得られた抽出物をGPC測定に用いる。得られた抽出物の分子量分布を下記の測定装置及び条件を用い、標準ポリスチレン換算分子量で求めた。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「GPC8020」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgelG4000HXL」
・検出器 :東ソー株式会社製「RI−8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :1.0ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度 :40℃
測定により得られた分子量分布から、全可溶成分に対する、分子量20万以下で1万以上の占める割合を算出し、低分子量ゴム成分割合を導出した。
(4)ムーニー粘度
ゴム組成物の加工性の指標として、JIS K6300に準拠し、加硫前のゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)を100℃で測定した。
なお表2におけるムーニー粘度は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が小さいほど加工性が良好である。
(5)転がり抵抗性能
実施例及び比較例で作製した加硫ゴムシートから縦40mm×横7mmの試験片を切り出し、GABO社製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度60℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件で、tanδを測定し転がり抵抗の指標とした。
なお表2における転がり抵抗の指標を表す数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が小さいほどゴム組成物の転がり抵抗性能が良好である。
(6)硬度
実施例及び比較例で作製した加硫ゴムシートを用いて、JIS K6253に準拠して、タイプA硬度計により硬度を測定し、柔軟性の指標とした。なお表2における硬度は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が小さい場合は、当該組成物をタイヤに用いた際にタイヤの変形が大きいため、操縦安定性が悪化する。
(7)引張破断強度
実施例及び比較例で作製したゴム組成物のシートからJIS3に準じてダンベル状試験片を打ち抜き、インストロン社製引張試験機を用いて、JIS K 6251に準じて引張破断強度を測定した。
なお表2における引張破談強度の数値は、比較例2の値を100とした際の相対値である。数値が大きいほど、破断特性が良好である。
実施例1〜4及び比較例2を比較すると、重合体(B)の溶融粘度が3,000Pa・s以下であれば、tanδの値が小さく、転がり抵抗性能に優れたゴム組成物を得られることが分かる。実施例1〜4及び比較例1を比較すると、重合体(B)の溶融粘度が3,000Pa・s以下であっても、4Pa・sよりも小さい値となると、重合体(B)は島状相分離構造を形成せず、tanδの値が大きくなり、転がり抵抗性能が低下することが分かる。
実施例5〜7及び比較例3〜4
表3に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)及び重合体(B)を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、開始温度50℃、到達温度110℃となるように75秒間混練することで、ゴム成分(A)及び重合体(B)からなる評価用のゴム混合物を得た。得られた評価用のゴム混合物の島状相分離構造の有無を前記の方法により測定した。
表3に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)、重合体(B)、フィラー(C)、加硫助剤(F)及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度75℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物をミキシングロールに入れ、加硫剤(D)及び加硫促進剤(E)を加えて60℃で6分間混練することでゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度及び低分子量ゴム成分の割合を前記の方法により測定した。
また、得られたゴム組成物をプレス成形(145℃、20〜40分)して加硫させ、加硫ゴムシート(厚み2mm)を作製した。下記の方法に基づき島状相分離構造の有無、転がり抵抗性能、硬度、及び引張破断強度を評価した。結果を表3に示す。
なお表3における、ムーニー粘度、転がり抵抗性能、硬度及び引張破断強度の数値は、表3の比較例4を100とした際の相対値である。
実施例5〜7及び比較例3と4を比較すると、加硫ゴム中で重合体(B)が直径50nm以上のサイズの島状相分離構造を形成すると、tanδの値が小さく、転がり抵抗性能に優れたゴム組成物を得られることが分かる。
実施例8〜9及び比較例5〜6
表4に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)及び重合体(B)を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、開始温度50℃、到達温度110℃となるように75秒間混練することで、ゴム成分(A)及び重合体(B)からなる評価用のゴム混合物を得た。得られた評価用のゴム混合物の島状相分離構造の有無を前記の方法により測定した。
表4に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)、重合体(B)、フィラー(C)、加硫助剤(F)、低分子量ゴム添加剤及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、加硫剤(D)及び加硫促進剤(E)を加えて開始温度50℃、到達温度110℃となるように75秒間混練することでゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度及び低分子量ゴム成分の割合を前記の方法により測定した。
また、得られたゴム組成物をプレス成形(145℃、20〜40分)して加硫させ、加硫ゴムシート(厚み2mm)を作製した。下記の方法に基づき島状相分離構造の有無、転がり抵抗性能、硬度、及び引張破断強度を評価した。結果を表4に示す。
なお表4における、ムーニー粘度、転がり抵抗性能、硬度及び引張破断強度の数値は、表4の比較例6を100とした際の相対値である。
実施例8〜9及び比較例5〜6を比較すると、低分子量ゴム成分の割合が多い場合に重合体(B)を用いると、重合体(B)を用いない場合に比べてtanδの値が小さく、転がり抵抗性能に優れたゴム組成物を得られることが分かる。
実施例10と11、及び比較例7と8
表5に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)及び重合体(B)を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、開始温度50℃、到達温度110℃となるように75秒間混練することで、ゴム成分(A)及び重合体(B)からなる評価用のゴム混合物を得た。得られた評価用のゴム混合物の島状相分離構造の有無を前記の方法により測定した。
表5に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)、重合体(B)、フィラー(C)、加硫助剤(F)及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、加硫剤(D)及び加硫促進剤(E)を加えて開始温度50℃、到達温度110℃となるように75秒間混練することでゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度及び低分子量ゴム成分の割合を前記の方法により測定した。
また、得られたゴム組成物をプレス成形(145℃、20〜40分)して加硫させ、加硫ゴムシート(厚み2mm)を作製した。下記の方法に基づき島状相分離構造の有無、転がり抵抗性能、硬度、及び引張破断強度を評価した。結果を表5に示す。
なお表5における、ムーニー粘度、転がり抵抗性能、硬度及び引張破断強度の数値は、表5の比較例8を100とした際の相対値である。
実施例10と11、及び比較例7と8を比較すると、フィラー(C)の配合量が多い場合には、混練時のせん断力が大きくなり、ゴム成分(A)の分子鎖が切断され、低分子量ゴム成分割合が高くなることが分かる。つまり、混練等により低分子量ゴム成分の割合が高くなったゴム組成物についても、重合体(B)を用いると、重合体(B)を用いない場合に比べてtanδの値が小さく、転がり抵抗性能に優れた加硫ゴムが得られることが分かる。
実施例12及び比較例9
表6に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)及び重合体(B)を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、開始温度50℃、到達温度110℃となるように75秒間混練することで、ゴム成分(A)及び重合体(B)からなる評価用のゴム混合物を得た。得られた評価用のゴム混合物の島状相分離構造の有無を前記の方法により測定した。
表6に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)、重合体(B)、フィラー(C)、加硫助剤(F)及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、加硫剤(D)及び加硫促進剤(E)を加えて開始温度50℃、到達温度110℃となるように75秒間混練することでゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度及び低分子量ゴム成分の割合を前記の方法により測定した。
また、得られたゴム組成物をプレス成形(145℃、20〜40分)して加硫させ、加硫ゴムシート(厚み2mm)を作製した。下記の方法に基づき島状相分離構造の有無、転がり抵抗性能、硬度、及び引張破断強度を評価した。結果を表6に示す。
なお表6における、ムーニー粘度、転がり抵抗性能、硬度及び引張破断強度の数値は、表6の比較例9を100とした際の相対値である。
実施例12及び比較例9を比較すると、重合体(B)の配合量が0.1〜40質量部の範囲において、加硫ゴム中で重合体(B)が直径50nm以上のサイズの島状相分離構造を形成すると、tanδの値が小さく、転がり抵抗性能に優れたゴム組成物を得られることが分かる。
実施例13及び比較例10
表7に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)及び重合体(B)を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、開始温度50℃、到達温度110℃となるように75秒間混練することで、ゴム成分(A)及び重合体(B)からなる評価用のゴム混合物を得た。得られた評価用のゴム混合物の島状相分離構造の有無を前記の方法により測定した。
表7に記載した配合割合(質量部)にしたがって、ゴム成分(A)、重合体(B)、フィラー(C)、加硫助剤(F)及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度60℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物を再度密閉式バンバリーミキサーに投入し、加硫剤(D)及び加硫促進剤(E)を加えて開始温度50℃、到達温度110℃となるように75秒間混練することでゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度及び低分子量ゴム成分の割合を前記の方法により測定した。
また、得られたゴム組成物をプレス成形(145℃、20〜40分)して加硫させ、加硫ゴムシート(厚み2mm)を作製した。下記の方法に基づき島状相分離構造の有無、転がり抵抗性能、硬度、及び引張破断強度を評価した。結果を表7に示す。
なお表7における、ムーニー粘度、転がり抵抗性能、硬度及び引張破断強度の数値は、表7の比較例10を100とした際の相対値である。
実施例13及び比較例10を比較すると、重合体(B)の配合量が0.1〜40質量部の範囲において、加硫ゴム中で重合体(B)が直径50nm以上のサイズの島状相分離構造を形成すると、tanδの値が小さく、転がり抵抗性能に優れたゴム組成物を得られることが分かる。
1 主にゴム成分(A)からなる相
2 重合体(B)相の島状相分離構造

Claims (10)

  1. 合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)と、ファルネセン由来の単量体単位を含み38℃における溶融粘度が3,000Pa・s以下である重合体(B)と、を含有するゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムであって、ゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータの差Δδが1.0(J/cm31/2以下であり、加硫ゴム中に直径50nm以上の前記重合体(B)の島状相分離構造が存在する加硫ゴム。
  2. 前記ファルネセン由来の単量体単位がβ−ファルネセン由来の単量体単位である、請求項1に記載の加硫ゴム。
  3. 更にフィラー(C)を含有する、請求項1又は2に記載の加硫ゴム。
  4. 前記重合体(B)の重量平均分子量が3万〜50万である、請求項1〜3のいずれかに記載の加硫ゴム。
  5. 前記重合体(B)が、β−ファルネセン以外の単量体に由来する単量体単位(b1)及びβ−ファルネセン由来の単量体単位(b2)を含む重合体であり、単量体単位(b1)及び単量体単位(b2)の合計に対する単量体単位(b1)の割合が0〜99質量%である、請求項2〜4のいずれかに記載の加硫ゴム。
  6. 前記加硫ゴム中に含まれる、分子量が1万以上、20万以下である低分子量ゴム成分の含有量が10質量%以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の加硫ゴム。
  7. 前記加硫ゴム中の前記重合体(B)の含有量が、前記ゴム成分(A)100質量部に対して0.1〜50質量部である、請求項1〜6のいずれかに記載の加硫ゴム。
  8. 前記加硫ゴム中に含まれるゴム成分(A)及び重合体(B)の質量比と同じ質量比でゴム成分(A)及び重合体(B)を混合した混合物中に、直径200nm以上、2μm以下の重合体(B)の島状相分離構造が存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の加硫ゴム。
  9. 合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分(A)と、ファルネセン由来の単量体単位を含み38℃における溶融粘度が3,000Pa・s以下である重合体(B)と、を含有するゴム組成物を加硫する加硫ゴムの製造方法であって、ゴム成分(A)と重合体(B)との溶解度パラメータの差Δδが1.0(J/cm31/2以下である加硫ゴムの製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の加硫ゴムを少なくとも一部に用いたタイヤ。
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