JP2016030702A - タッチパネル等に用いるガラス基盤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数枚のガラス板が仮接着剤により積層一体化された積層物を切断する際に、得られるガラス基盤の切断面にチッピングが生じにくいガラス基盤の製造方法を提供する。
【解決手段】 複数枚のガラス板が仮接着剤によって積層一体化された積層物を、切断してタッチパネル等に用いるガラス基盤を製造する方法である。仮接着剤として、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤を含有するものを用いる。多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレートは、分子量が3000程度であって、下記構造式を持つものである。
【化3】
(式中、R1、R2及びR3はアルキレン基である。)
【選択図】 なし
Description
本発明は、携帯電話、通信端末、ゲーム機、コンピューター又はテレビジョン等の電子機器に用いられているタッチパネル等に用いるガラス基盤の製造方法に関し、特に周縁に額縁状の不透明部位を有するガラス基盤の製造方法に関するものである。
タッチパネルは、液晶パネル等の表示装置と位置入力装置を組み合わせたものであり、位置入力装置には、透明電極膜等が印刷されてなる透明なガラス基盤が用いられている。ガラス基盤の製造方法は、所定形状の透明電極等を印刷したガラス板を、複数枚積層し仮接着して一体化させた積層物を、所定の形状である長方形等の四辺形に切断し、その後仮接着を解除して剥離することにより、複数枚のガラス基盤を一挙に得るというのが一般的である。
ガラス基盤には全部位が透明なものと、周辺に額縁状の不透明部位を有するものとが存在する。前者のガラス基盤を製造する際には、仮接着のために用いる仮接着剤として、光重合性樹脂を含む光重合性接着剤が用いられている。後者のガラス基盤を製造する際には、周縁に不透明部位が存在するので、光重合性樹脂では十分な仮接着ができず、光重合性かつ熱重合性樹脂を含むものが仮接着剤として用いられている(特許文献1)。
特許文献1には、多官能(メタ)アクリレート、単官能(メタ)アクリレート、光重合開始剤及び熱重合開始剤を含有する光重合性かつ熱重合性仮接着剤が開示されている(特許文献1、請求項1)。具体的には、多官能(メタ)アクリレートとしてウレタンアクリレート及び1,9−ノナンジオールジアクリレートを用い、単官能(メタ)アクリレートとして2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチルアクリレート及びフェノールエチレンオキサイド2モル変性アクリレートを用いたものを、光重合性かつ熱重合性樹脂として用いている(特許文献1、実施例、段落0081の表1)。
特許文献1記載の技術において、単官能(メタ)アクリレートが用いられている理由は、仮接着剤の初期接着性を向上させるためである(特許文献1、段落0027)。しかしながら、単官能(メタ)アクリレートを重合させても重合度が上らず、固化した仮接着剤は硬脆性に劣るという欠点があった。重合固化後の仮接着剤が硬脆性に劣ると、仮接着後の積層物を長方形等の四辺形に切断してガラス基盤としたとき、ガラス基盤の切断面にチッピング(欠け等の凹凸)が生じるという欠点があった。すなわち、ガラス板が硬脆性であるため、重合固化後の仮接着剤が硬脆性に劣ると、切断具に微妙なズレやブレが生じて、ガラス基盤の切断面にチッピングが生じると考えられるのである。
本発明は、複数枚のガラス板が仮接着剤により積層一体化された積層物を切断する際に、得られるガラス基盤の切断面にチッピングが生じにくい製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明は、仮接着剤中の光重合性かつ熱重合性樹脂として、単官能(メタ)アクリレートを用いずに、特定の多官能(メタ)アクリレートを用いることにより、上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、複数枚のガラス板が仮接着剤によって積層一体化された積層物を、切断してタッチパネル等のガラス基盤を製造する際に、仮接着剤として、下記化1で示す多官能(メタ)アクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤を含有する仮接着剤を用いることを特徴とするタッチパネル等のガラス基盤の製造方法に関するものである。ここで、多官能(メタ)アクリレートは、以下の構造式で示されるものである。
(化1中、Rは水素原子又はメチル基であり、n及びmは0又は1であり、R1及びR2は、
であって、R1、R2及びR3はアルキレン基である。)
本発明で用いる仮接着剤は、特定の多官能(メタ)アクリレートを含むものである。すなわち、上記化1の構造式で示される多官能(メタ)アクリレートが用いられ、一般的にビスフェノールA変性エポキシジ(メタ)アクリレートと称呼されるものである。分子量は、R1及びR2の存否や種類及びR1、R2及びR3のアルキレン基の種類によって変動するが、概ね数千程度であり、3000前後であるのが好ましい。なお、R1、R2及びR3のアルキレン基は、炭素数が1〜60程度のものである。かかるビスフェノールA変性エポキシジ(メタ)アクリレートは、重合して固化したときの接着性及び硬脆性に優れたものである。
本発明で用いる仮接着剤には、実質的に、単官能(メタ)アクリレートが含有されていない。単官能(メタ)アクリレートが含有されていると、重合して固化したときの硬脆性に劣るので、好ましくない。一方、多官能(メタ)アクリレートとして、上記化1で示したビスフェノールA変性エポキシジ(メタ)アクリレート以外の他の多官能(メタ)アクリレートは含有されていてもよい。その他の多官能(メタ)アクリレートとしては、ポリエーテル系ジアクリレートやポリエステル系ジアクリレート等の従来公知の各種のものが用いられる。特に、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート又はポリプロピレングリコールジアクリレート等が用いられる。
本発明で用いる仮接着剤には、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤が含有されている。光重合開始剤は、ビスフェノールA変性エポキシジ(メタ)アクリレートの重合を開始するためのものであり、従来公知のものを採用することができる。具体的には、ベンゾフェノン及びその誘導体やベンジル及びその誘導体等を用いることができ、特に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを用いるのが好ましい。熱重合開始剤も、ビスフェノールA変性エポキシジアクリレートの重合を開始するためのものであり、従来公知のものを採用することができる。具体的には、ラウロイルパーオキサイドやベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類等を用いることができ、特にラウロイルパーオキサイドを用いるのが好ましい。発泡剤は、温水浸漬時に、重合して固化したビスフェノールA変性エポキシジ(メタ)アクリレートを崩壊させやすくし、ガラス基盤を剥離しやすくするためのものであり、従来公知のものを採用することができる。具体的には、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)や2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等を用いることができ、特に1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)を用いるのが好ましい。
仮接着剤の組成は、以下のとおりであることが好ましい。すなわち、多官能(メタ)アクリレート100質量部に対して、光重合開始剤0.5〜10質量部、熱重合開始剤0.05〜10質量部及び発泡剤0.05〜20質量部が配合されている仮接着剤を用いるのが好ましい。なお、多官能(メタ)アクリレートの質量部は、ビスフェノールA変性エポキシジ(メタ)アクリレートを単独で用いる際には、ビスフェノールA変性エポキシジアクリレートの質量部であり、ビスフェノールA変性エポキシジ(メタ)アクリレートとその他の多官能(メタ)アクリレートを併用する際には、両者の合計質量部のことである。
上記した仮接着剤を用いて行う本発明に係るガラス基盤の製造方法は、以下のとおりである。まず、ガラス板の表面に、必要に応じて所定形状の透明電極等が印刷されたものを準備する。このガラス板は切断後にガラス基盤となるものであるが、一般的に、長大なガラス板であり、所定形状の透明電極等が左右前後に多数印刷されてなるものである。また、ガラス板には額縁状に白色等の不透明色の印刷が、透明電極等の周辺に施されている。ガラス板の表面に仮接着剤を均一に塗布した後、その複数枚を積層する。そして、紫外線や可視光線等の光を全体に照射して、仮接着剤を重合固化させる。不透明な印刷部位には光が照射されないので、仮接着剤が重合固化していない。したがって、加熱して、この部位に施されている仮接着剤を重合固化させる。以上のようにして、ガラス板が複数枚積層され一体化された積層物を得る。この積層物を長方形等の所定形状になるように切断する。切断後、ガラス基盤は複数枚積層一体化された状態となっているので、これを温水に浸漬して、固化した仮接着剤を発泡させ接着を解除する。そして、ガラス基盤を把持して一枚づつ剥離することにより、所定形状のガラス基盤が得られるのである。
本発明に係るガラス基盤の製造方法は、ガラス基盤を構成要素とするタッチパネルを製造するのに好適であるが、タッチパネルに限られず、その他の所定形状を持つガラス基盤を製造するのにも用いうるものである。
本発明に係るタッチパネル等に用いるガラス基盤の製造方法は、特定の多官能(メタ)アクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤を含有する仮接着剤を用いて、複数枚のガラス板が積層一体化された積層物を、切断するというものである。積層一体化の際に固化した仮接着剤は硬脆性に優れているので、硬脆材であるガラス板が複数枚積層された積層物を切断する際に、固化した仮接着剤の影響により、切断具のブレやズレを防止できる。そして、この結果、切断して得られたタッチパネル等のガラス基盤の切断面にチッピングが生じにくいという効果を奏する。
実施例1
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート 100質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレートは、以下の構造式よりなるもので、分子量が3000のものである。
(式中、R1、R2及びR3はアルキレン基である。)
光重合開始剤は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドである。
熱重合開始剤は、ラウロイルパーオキサイドである。
発泡剤は、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)である。
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート 100質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレートは、以下の構造式よりなるもので、分子量が3000のものである。
光重合開始剤は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドである。
熱重合開始剤は、ラウロイルパーオキサイドである。
発泡剤は、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)である。
ガラス板(松浪硝子工業社製、ハーフホワイトボード、厚さ1mm)を三枚積層し、積層間に上記した仮接着剤を塗布量88g/m2にて均一に塗布した。そして、NECブラックライトブルーFL40SBL−Bを使用して紫外線を1mW/cm2にて20秒間照射した。続いて、加熱炉(TABAI ESPEC CORP OVEN PH101)に投入し、80℃で15分間加熱した。これによって、仮接着剤は重合固化され、ガラス板が積層一体化された積層物を得た。この積層物を、湿式卓上式切断機(アルファージャパン社製 MUS−4SA)にて切断した。切断後の積層物に、メタルハライドランプ(アイグラフィックス社ECS301G1)にて30000mJ/cm2の光を照射した後、85〜90℃の温水に10分漬浸させ、固化した仮接着剤から気体を発生させて、各ガラス基盤を剥離した。得られたガラス基盤の切断面を、マイクロスコープ(キーエンス社製、VHX−100)にて確認すると、切断面の凹凸は40〜60μm程度であった。
実施例2
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート 50質量部
多官能トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 50質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。また、多官能トリシクロデカンジメタロールジアクリレートは、下記の構造式を持つものである。
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート 50質量部
多官能トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 50質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。また、多官能トリシクロデカンジメタロールジアクリレートは、下記の構造式を持つものである。
上記仮接着剤を用いて、実施例1と同一の方法でガラス基盤を得て、実施例1と同一の方法でガラス基盤の切断面を確認すると、切断面の凹凸は40μm以下であった。
実施例3
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート 70質量部
多官能ポリプロピレングリコールジアクリレート 30質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。また、多官能ポリプロピレングリコールジアクリレートは、下記の構造式を持つものである。
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート 70質量部
多官能ポリプロピレングリコールジアクリレート 30質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。また、多官能ポリプロピレングリコールジアクリレートは、下記の構造式を持つものである。
上記仮接着剤を用いて、実施例1と同一の方法でガラス基盤を得て、実施例1と同一の方法でガラス基盤の切断面を確認すると、切断面の凹凸は40〜60μm程度であった。
実施例4
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート 45質量部
多官能トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 40質量部
多官能ポリプロピレングリコールジアクリレート 15質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。また、多官能トリシクロデカンジメタノールジアクリレートは実施例2で用いたものと同一であり、多官能ポリプロピレングリコールジアクリレートは実施例3で用いたものと同一である。
上記仮接着剤を用いて、実施例1と同一の方法でガラス基盤を得て、実施例1と同一の方法でガラス基盤の切断面を確認すると、切断面の凹凸は40μm以下であった。
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート 45質量部
多官能トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 40質量部
多官能ポリプロピレングリコールジアクリレート 15質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。また、多官能トリシクロデカンジメタノールジアクリレートは実施例2で用いたものと同一であり、多官能ポリプロピレングリコールジアクリレートは実施例3で用いたものと同一である。
上記仮接着剤を用いて、実施例1と同一の方法でガラス基盤を得て、実施例1と同一の方法でガラス基盤の切断面を確認すると、切断面の凹凸は40μm以下であった。
実施例5
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート 50質量部
多官能トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 15質量部
多官能ポリプロピレングリコールジアクリレート 35質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。また、多官能トリシクロデカンジメタノールジアクリレートは実施例2で用いたものと同一であり、多官能ポリプロピレングリコールジアクリレートは実施例3で用いたものと同一である。
上記仮接着剤を用いて、実施例1と同一の方法でガラス基盤を得て、実施例1と同一の方法でガラス基盤の切断面を確認すると、切断面の凹凸は40〜60μm程度であった。
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート 50質量部
多官能トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 15質量部
多官能ポリプロピレングリコールジアクリレート 35質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、多官能ビスフェノールA変性エポキシジアクリレート、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。また、多官能トリシクロデカンジメタノールジアクリレートは実施例2で用いたものと同一であり、多官能ポリプロピレングリコールジアクリレートは実施例3で用いたものと同一である。
上記仮接着剤を用いて、実施例1と同一の方法でガラス基盤を得て、実施例1と同一の方法でガラス基盤の切断面を確認すると、切断面の凹凸は40〜60μm程度であった。
比較例1
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ポリブタジエン変性ウレタンジメタクリレート 50質量部
単官能フェノキシポリエチレングリコールアクリレート 50質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。多官能ポリブタジエン変性ウレタンジメタクリレートは、分子量が8500のものであって、下記構造式を持つものである。
(式中、R4は
なる基である。)
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ポリブタジエン変性ウレタンジメタクリレート 50質量部
単官能フェノキシポリエチレングリコールアクリレート 50質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 1.0質量部
ここで、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。多官能ポリブタジエン変性ウレタンジメタクリレートは、分子量が8500のものであって、下記構造式を持つものである。
上記仮接着剤を用いて、実施例1と同一の方法でガラス基盤を得て、実施例1と同一の方法でガラス基盤の切断面を確認すると、切断面の凹凸は60μmを超えるものであった。
比較例2
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA型EO変性ジアクリレート 100質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 0.5質量部
ここで、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。多官能ビスフェノールA型EO変性ジアクリレートは、下記構造式を持つものである。
上記仮接着剤を用いて、実施例1と同一の方法でガラス基盤を得て、実施例1と同一の方法でガラス基盤の切断面を確認すると、切断面の凹凸は60μmを超えるものであった。
以下の組成からなる仮接着剤を準備した。
多官能ビスフェノールA型EO変性ジアクリレート 100質量部
光重合開始剤 0.5質量部
熱重合開始剤 0.5質量部
発泡剤 0.5質量部
ここで、光重合開始剤、熱重合開始剤及び発泡剤は、実施例1で用いたものと同一である。多官能ビスフェノールA型EO変性ジアクリレートは、下記構造式を持つものである。
[接着性の評価]
実施例1〜5、比較例1及び2で用いた仮接着剤の接着性を、以下の方法で評価した。長さ60mm、幅25mm及び厚さ1mmのフロートガラス板を2枚準備した。1枚のフロートガラス板の長さ方向の端縁5mmの箇所に幅方向全体に亙って仮接着剤を塗布量88g/m2にて均一に塗布した。そして、他の1枚のフロートガラス板の長さ方向端縁5mmを、仮接着剤を介して重ね合わせた。その後、NECブラックライトブルーFL40SBL−Bを使用して紫外線を1mW/cm2にて20秒間照射した。続いて、加熱炉(TABAI ESPEC CORP OVEN PH101)に投入し、80℃で15分間加熱し、23℃の条件下に2時間放置した。そして、2枚のフロートガラス板の他の端縁(仮接着剤で接着されていない端縁)を精密万能試験機(オートグラフ:AG−5000A)のチャックで把持し、引張速度5mm/minで剪断強度を測定した。その結果、実施例1、2及び4で用いた仮接着剤は1.5MPa以上であり、実施例3及び5で用いた仮接着剤は1.0〜1.5MPaの範囲内であり、比較例1及び2で用いた仮接着剤は1.0MPa未満であった。
実施例1〜5、比較例1及び2で用いた仮接着剤の接着性を、以下の方法で評価した。長さ60mm、幅25mm及び厚さ1mmのフロートガラス板を2枚準備した。1枚のフロートガラス板の長さ方向の端縁5mmの箇所に幅方向全体に亙って仮接着剤を塗布量88g/m2にて均一に塗布した。そして、他の1枚のフロートガラス板の長さ方向端縁5mmを、仮接着剤を介して重ね合わせた。その後、NECブラックライトブルーFL40SBL−Bを使用して紫外線を1mW/cm2にて20秒間照射した。続いて、加熱炉(TABAI ESPEC CORP OVEN PH101)に投入し、80℃で15分間加熱し、23℃の条件下に2時間放置した。そして、2枚のフロートガラス板の他の端縁(仮接着剤で接着されていない端縁)を精密万能試験機(オートグラフ:AG−5000A)のチャックで把持し、引張速度5mm/minで剪断強度を測定した。その結果、実施例1、2及び4で用いた仮接着剤は1.5MPa以上であり、実施例3及び5で用いた仮接着剤は1.0〜1.5MPaの範囲内であり、比較例1及び2で用いた仮接着剤は1.0MPa未満であった。
以上のとおり、実施例1〜5に係る方法を採用すれば、比較例1及び2に係る方法に比べて、ガラス板間の接着力に優れると共に、積層物を切断加工した後におけるガラス基盤の切断面にチッピングが生じにくいことが分かる。
Claims (7)
- 仮接着剤中に、単官能(メタ)アクリレートが配合されていない請求項1記載のタッチパネル等に用いるガラス基盤の製造方法。
- ガラス基盤の周辺に額縁状の不透明部位が存在する請求項1記載のタッチパネル等に用いるガラス基盤の製造方法。
- 仮接着剤中に、その他の多官能(メタ)アクリレートが配合されている請求項1記載のタッチパネル等に用いるガラス基盤の製造方法。
- その他の多官能(メタ)アクリルレートが、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート及びポリプロピレングリコールジアクリレートよりなる群から選ばれた化合物である請求項4記載のタッチパネル等に用いるガラス基盤の製造方法。
- 多官能(メタ)アクリルレート100質量部に対して、光重合開始剤0.5〜10質量部、熱重合開始剤0.05〜10質量部及び発泡剤0.05〜20質量部が配合されている仮接着剤を用いる請求項1又は5記載のタッチパネル等に用いるガラス基盤の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022255382A1 (ja) * | 2021-05-31 | 2022-12-08 | 積水フーラー株式会社 | 薄層ガラス仮固定用組成物及び薄層ガラスの加工方法 |
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- 2014-07-25 JP JP2014152428A patent/JP2016030702A/ja active Pending
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WO2022255382A1 (ja) * | 2021-05-31 | 2022-12-08 | 積水フーラー株式会社 | 薄層ガラス仮固定用組成物及び薄層ガラスの加工方法 |
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