JP2016030412A - キャリッジ構造、およびプリンター - Google Patents

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Abstract

【課題】インクリボンの安定な走行を実現し、良好な記録品質を確保する。
【解決手段】搬送経路52に沿って搬送される録媒媒体に対して、複数の記録ワイヤー38を有する記録ヘッド31を前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動させながら、インクリボン84を介して、前記記録ワイヤー38を選択的に突出させて情報を記録するプリンター10に用いられ、前記記録ヘッド31を搭載するキャリッジ90のキャリッジ構造であって、前記記録ヘッド31が取り付けられるキャリッジ面92を有するキャリッジ90と、前記キャリッジ90に対して、前記記録ヘッド31の前記記録ワイヤー38が突出する方向に配置され、前記インクリボン84をガイドするリボンガイド100と、前記記録ヘッド31を前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動させるべく、前記キャリッジ90に設けられたキャリッジ走行ガイド94と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、ドットインパクト方式の記録ヘッドを搭載するキャリッジのキャリッジ構造、およびこのキャリッジを備えるプリンターに関する。
複数の記録ワイヤーを備える記録ヘッドを搭載するキャリッジと、この記録ヘッドに対して対向配置されるとともに記録媒体を搬送するプラテンローラーと、インクを含浸するインクリボンを収容するリボンカセットとを備えるドットインパクト方式のプリンターが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のプリンターは、キャリッジを記録媒体の搬送方向とは直交する方向に移動させながら、記録ヘッドから記録ワイヤーを選択的に突出し、リボンカセットから繰り出されるインクリボンを介して記録ワイヤーを記録媒体に打ち付けて記録媒体の記録面に情報を記録する。ドットインパクト方式のプリンターは、耐環境性に優れ、記録媒体として積層された感圧紙(複写紙)を用いることによって複数枚の複写が可能等の利点を有し多くの業務分野で用いられている。
特開2003−231309号公報
上述のドットインパクト方式のプリンターでは、記録ワイヤーがインクリボンを介して記録媒体に打ち付けられることによってドットが形成され記録が行われる。良好な記録品質を確保するためには、インクリボンの安定した走行が望まれる。インクリボンの不安定な走行、例えばせり上がりや引っ掛かりが発生すると、ドットの濃淡や著しい場合はドット抜けが起こってしまう。また、インクが含浸されたインクリボンが記録媒体に接触すると記録媒体が汚染され、良好な記録品質が確保できないとの課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)搬送経路に沿って搬送される記録媒体に対して、複数の記録ワイヤーを有する記録ヘッドを前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動させながら、インクが含浸されたインクリボンを介して、前記記録ワイヤーを選択的に突出させて情報を記録するプリンターに用いられ、前記記録ヘッドを搭載するキャリッジのキャリッジ構造であって、前記記録ヘッドが取り付けられるキャリッジ面を有する前記キャリッジと、前記キャリッジに対して、前記記録ヘッドの前記記録ワイヤーが突出する方向に配置され、前記インクリボンをガイドするリボンガイドと、前記記録ヘッドを前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動させるべく、前記キャリッジ本体に設けられたキャリッジ走行ガイドと、を備えることを特徴とするキャリッジ構造。
この構成によれば、リボンガイドによってインクリボンがガイドされ、キャリッジ走行ガイドによって、キャリッジの走行が確実にガイドされる。そのため、インクリボンの走行が安定するとともに、キャリッジの走行、すなわち記録ヘッドの移動も安定する。その結果、良好な記録品質を実現できる。
(適用例2)前記リボンガイドは、前記インクリボンが摺動するリボン摺動面を有するリボンマスクと、前記リボンマスクを保持するとともに、前記記録媒体が搬送される前記搬送経路および前記インクリボンが走行する走行経路の一部を仕切るマスクホルダーと、を備えることを特徴とする上記のキャリッジ構造。
この構成によれば、キャリッジ構造は、インクリボンが摺動するリボンマスクを有する。また、リボンマスクを保持するマスクホルダーによって、記録媒体が搬送される搬送経路とインクリボンが走行する走行経路とを仕切ることができる。そのため、リボンマスクによって、インクリボンの走行を規制できる。また、仕切ることによって記録媒体とインクリボンとの接触を避け、記録媒体の汚染を防止できる。その結果、インクリボンの走行が安定するとともに、良好な記録品質を実現できる。
(適用例3)前記リボンマスクは、板形状を呈し、前記リボン摺動面に前記記録ヘッドの前記記録ワイヤーが露出する開口部が形成され、前記開口部の周囲に、前記記録媒体の前記搬送経路側および/または前記インクリボンの前記走行経路側に突出する複数の突起部が形成されていることを特徴とする上記のキャリッジ構造。
この構成によれば、リボンマスクの記録媒体の搬送経路側および/またはインクリボンの走行経路側の面に複数の突起部を設け、記録媒体の搬送やインクリボンの走行を規制できる。そのため、安定した記録媒体の搬送やインクリボンの走行を実現でき、良好な記録品質を得ることができる。
(適用例4)前記リボンマスクの前記開口部は菱形形状に形成され、菱形形状の前記開口部を囲んで各辺より所定の距離を隔て、前記記録媒体の前記搬送経路側に突出する略長方形状の第1突起が4つ形成されていることを特徴とする上記のキャリッジ構造。
この構成によれば、リボンマスクの第1突起は、インクリボンと記録媒体との間隙を増加させることができる。そのため、記録ワイヤーの突出とともに移動するインクリボンと記録媒体との接触を低減できる。その結果、記録媒体とインクリボンとの接触を避け、記録媒体の汚染を防止できる。また、第1突起は、記録媒体の搬送経路側に突出しているため、記録媒体の浮きを低減することができる。そのため、安定した記録媒体の搬送を実現できる。
(適用例5)前記リボンマスクの前記開口部を中心に、前記インクリボンの搬送方向に沿って、前記開口部から所定の距離を隔てて両側に、前記記録媒体の前記搬送経路側に突出する少なくとも1つずつの略長方形状の第2突起が形成されていることを特徴とする上記のキャリッジ構造。
この構成によれば、リボンマスクの第2突起は、記録ワイヤーの突出する開口部の両側において記録媒体の搬送経路側に突出しているため、記録媒体の浮きを低減することができる。そのため、安定した記録媒体の搬送を実現できる。
(適用例6)前記リボンマスクの前記開口部を中心に、前記インクリボンの走行領域が規定され、前記インクリボンの走行方向に沿って、前記走行領域から外れた位置に、前記インクリボンの前記走行経路側に突出する少なくとも1つ以上の第3突起が形成されていることを特徴とする上記のキャリッジ構造。
この構成によれば、リボンマスクの第3突起は、インクリボンの走行経路側に、インクリボンの走行方向に沿って走行領域から外れた位置に形成される。そのため、インクリボンの走行領域を規制することができ、リボンの走行ズレを低減することができる。その結果、リボンの安定走行を実現でき、良好な記録品質を得ることができる。
(適用例7)前記マスクホルダーは、前記記録ヘッドの移動方向に長辺を有する略長方形の板状を呈し、一方の面が、前記記録媒体の前記搬送経路側に対向し、他方の面が、前記インクリボンの前記走行経路側に対向するとともに、前記リボンマスクを面内に保持すること、を特徴とする上記のキャリッジ構造。
(適用例8)前記マスクホルダーは、前記記録媒体の搬送方向下流側において、前記長辺部分に、前記搬送経路側に延出し前記記録媒体の搬送位置を規制する記録媒体規制部を有することを特徴とする上記のキャリッジ構造。
これらの構成によれば、マスクホルダーの搬送経路側に延出する記録媒体規制部によって、記録媒体の搬送位置を規制することができる。また、記録媒体の浮きを低減することができる。そのため、安定した記録媒体の搬送を実現できる。
(適用例9)前記キャリッジ走行ガイドは、搭載される前記記録ヘッドの移動方向に沿うキャリッジガイド軸が挿通される、前記キャリッジに設けられたガイド穴と、搭載される前記記録ヘッドの移動方向に沿って延出するキャリッジ摺動面を受ける摺動受け部材と、を備えることを特徴とする上記のキャリッジ構造。
この構成によれば、記録ヘッドが搭載されるキャリッジは、キャリッジガイド軸が挿通されるガイド穴と、記録ヘッドの移動方向に沿って延出するキャリッジ摺動面を受ける摺動受け部材とによってガイドされ記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動する。そのため、安定したキャリッジの移動が実現でき、良好な記録品質を得ることができる。
(適用例10)前記ガイド穴には、前記キャリッジガイド軸を受けるすべり軸受が嵌入されていることを特徴とする上記のキャリッジ構造。
キャリッジは、例えば軽量化や放熱性を目的にアルミダイキャストで製作されることがある。そのため、穴径や面精度がばらつくことがある。この構成によれば、すべり軸受を用いることによって、キャリッジ、すなわち記録ヘッドの位置精度や移動によって生じるガタを低減できる。また、すべり軸受に潤滑油を含浸させスムーズな摺動を行うことができる。
(適用例11)前記摺動受け部材は、焼結部材で形成され摺動面を有し、前記キャリッジの端部に、摺動方向に沿った方向に揺動自在に設けられていることを特徴とする上記のキャリッジ構造。
この構成によれば、キャリッジ移動状態において、摺動受け部材は、揺動することによってフレームのガイド部に摺動面が確実に接触した状態で移動する。そのため、安定したキャリッジの移動が実現できる。また、記録ヘッドで発生した電荷をフレームに確実に落とすことができる。
(適用例12)前記摺動受け部材は、前記キャリッジの端部に対して、板金で形成された摺動受け取り付け部材によって挟持されて取り付けられていることを特徴とする上記のキャリッジ構造。
この構成によれば、摺動受け取り付け部材を用いることによって、摺動受け部材をキャリッジに容易に取り付けることができる。
(適用例13)搬送経路に沿って記録媒体を搬送する記録媒体搬送機構と、搬送される前記記録媒体に対して、選択的に記録ワイヤーを突出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを搭載する上記のキャリッジ構造を有するキャリッジと、前記キャリッジを前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動させるキャリッジ移動機構と、前記記録媒体と記録ワイヤーとの間に介在するインクリボンを駆動するリボン駆動機構と、を備えることを特徴とするプリンター。
この構成によれば、プリンターは、記録媒体を安定的に搬送できるとともに、インクリボンを安定的に走行させることができる。そのため、プリンターは、良好な記録品質を確保することができる。
本発明の実施形態に係るプリンターの外観斜視図。 プリンターに適用される記録媒体の例を示す図。 プリンター本体の構成を示す概略側断面図。 プリンター本体の外観斜視図。 記録媒体搬送機構の主要構成を示す概略側断面図。 リボンカセットの外観斜視図。 記録ヘッドおよびキャリッジを示す外観斜視図。 記録ヘッドおよびキャリッジの分解斜視図。 リボンマスクおよびマスクホルダーを示す図。 キャリッジガイドを説明する斜視図。
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で参照する図面では、説明および図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
(プリンターの全体構成について)
まず、本発明の実施形態に係るプリンターの全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係るプリンターの外観斜視図であり、(a)は、プリンターを操作方向から見た外観斜視図、(b)は、プリンターを記録媒体供給口から見た外観斜視図である。なお、図1に示すX方向は記録媒体の基本的な搬送方向を示し、Y方向は、記録媒体の幅方向を示し、Z方向は、X方向およびY方向と直交する方向を示す。
本実施形態に係るプリンターは、複数種の記録媒体を選択的に使い分けることが可能なドットインパクト方式のプリンターである。ドットインパクト方式のプリンターは、供給される記録媒体を搬送経路に沿って基本X方向に搬送し、多数の記録ワイヤーを備える記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と直交する方向(Y方向)に往復移動させながら記録ワイヤーを選択的に突出し、インクが含浸されたインクリボンを介して記録媒体に打ち付け記録媒体の記録面にドットを形成し情報を記録する。
図1(a)に示すように、プリンター10は、後述するプリンター本体20と制御部19(図4参照)とを内蔵し、外部を略直方体形状のケース15によって覆われている。ケース15は、略トレイ形状の下ケース16と、下ケース16のZ方向上方をカバーする上ケース17と、プリンターカバー18とを有している。プリンターカバー18は、略長方形の板状を呈し、上ケース17に対して開閉自在に取り付けられている。また、上ケース17の前面側(X(+)方向)の上面には、操作スイッチ類を有する操作パネル14が設けられている。また、上ケース17の上面、プリンターカバー18の開閉部分には、情報が印刷された記録媒体が排出される排出口12が設けられている。
図1(b)に示すように、プリンター10は、後面(X(−)方向)に記録媒体の供給口13が設けられている。本実施形態では、供給口13は、少なくとも2つ設けられ第1供給口13aと第2供給口13bとを有する。この第1供給口13aと第2供給口13bとは、用いられる記録媒体の種類によって選択的に使い分けられる。また、使用される記録媒体の種類によって、供給を補助する個別の供給ユニットが用いられる場合がある。
(記録媒体について)
ここで、本実施形態に係るプリンターに用いられる記録媒体の例について、図2を参照して説明する。図2は、プリンターに適用される記録媒体の例を示す図である。なお、図2に示すX方向、Y方向およびZ方向は、本記録媒体をプリンターに適用した場合に、図1に示すX方向、Y方向およびZ方向と同一な方向を示す。
本実施形態に係るドットインパクト方式のプリンター10は、記録媒体としてファンフォールド紙F、定型サイズの単票用紙T等を選択的に使い分ける。ファンフォールド紙Fは、例えばロイコ染料等の顕色反応を利用した長尺のノーカーボン用紙や、長尺の用紙Pの裏面にカーボンインクを塗布したカーボン用紙を複数枚重ね合わせて構成される。
図2(a)に示すように、ファンフォールド紙Fは、長尺の用紙Pに対して、Y方向に所定の間隔でミシン目Mが設けられ切断可能に構成される。そして、ファンフォールド紙Fは、ミシン目M部位で交互に逆方向に折り畳まれ積層される。また、ファンフォールド紙Fは、Y方向に沿って両側縁Fa,FbにスプロケットホールSが所定のピッチで列状に形成されている。スプロケットホールSは、後述する記録媒体搬送機構50のトラクターユニット57のトラクターピン54(図5参照)が係合可能である。このようなファンフォールド紙Fは、用途によって重ね合わせられる枚数が設定され、両側縁Fa,Fb部分が糊付けもしくは部分型押し等で固着されている。そして、プリンター10の記録ワイヤー38により圧力が加えられると、ノーカーボン用紙やカーボン用紙は、加圧部分が発色して文字情報等が複写記録される。また、図2(b)に示すように、記録媒体として、例えばA4〜A3等の定型サイズの単票用紙Tも用いられる場合がある。
(プリンター本体の構成について)
次いで、プリンター本体の構成について、図3〜図6を参照して説明する。図3は、プリンター本体の構成を示す概略側断面図であり、詳しくは後述する単票用紙収容部を倒した状態で取り付けられている。図4は、プリンター本体の外観斜視図であり、詳しくは上ケースを取り除いた状態を示す。図5は、主に記録媒体搬送機構の主要構成を示す概略側断面図である。図6は、リボンカセットの外観斜視図である。なお、図3〜図6に示すX方向、Y方向およびZ方向は、図1に示すX方向、Y方向およびZ方向と同一な方向を示す。
図3および図4に示すように、プリンター本体20は、フレーム21と、印刷機構30と、リボン送り機構40と、記録媒体搬送機構50とを有する。
フレーム21は、図4に示すように、板金の曲げ加工等で形成され、ベースフレーム28と、ベースフレーム28のY方向両側の端部に立設された2つのサイドフレーム27とを有する。フレーム21は、プリンター本体20の外殻を構成するとともに、各機構を支持固定する機能を有する。
図3に示すように、印刷機構30は、記録ヘッド31およびキャリッジ90を含むヘッドユニット25と、キャリッジ送り機構35(図4参照)と、を備える。記録ヘッド31は、多数の記録ワイヤー38(図9参照)を備え、記録ワイヤー38を選択的に突出する。記録ワイヤー38は、所謂金属ピンであって、電磁石等によって所定の方向に突出される。記録ヘッド31は、キャリッジ90に搭載される。キャリッジ90は、キャリッジ送り機構35によって、図中Y方向に往復移動可能となっている。なお、記録ヘッド31の記録ワイヤー38と対向する位置に、キャリッジ90の移動方向に沿って、後述する記録媒体搬送機構50の構成部品であるプラテンローラー67が設けられている。
なお、このキャリッジ90およびキャリッジ送り機構35の詳細については、後述する。
図5に示すように、記録媒体搬送機構50は、搬送経路52に沿って、記録媒体供給機構55と、主搬送機構66と、排出ローラー対70と、排出ガイド74と、スタッカーガイド77とを備える。
記録媒体供給機構55は、使用される記録媒体の種類に応じ、ファンフォールド紙F用の第1供給機構55aと単票用紙T用の第2供給機構55b(図3参照)とを備える。第1供給機構55aは、プリンター10の記録媒体の第1供給口13a側に設けられ、図示しないファンフォールド紙収容部を始点とする第1供給経路59aに沿って、F紙導入ガイド51とトラクターユニット57とを備える。F紙導入ガイド51は、記録媒体供給側上流方向に湾曲部を有するようにワイヤー等で形成され、上ケース17の第1供給口13a近傍に、記録媒体の幅方向に沿って複数配置される。
トラクターユニット57は一対のトラクター57aからなり、一対のトラクター57aは、ファンフォールド紙FのスプロケットホールS(図2参照)に挿入可能なトラクターピン54(係合部)と、外周面にトラクターピン54が所定間隔で形成されたトラクターベルト61と、トラクターベルト61が架け渡されている駆動スプロケット62および従動スプロケット63とを備えている。1対のトラクター57aは、搬送されるファンフォールド紙Fの幅方向の両端にあるスプロケットホールSに対応するように搬送経路52のY方向両側に各々配置されている。また、1対のトラクター57aの駆動スプロケット62のそれぞれは、1対のトラクター57aが同期して駆動するように駆動スプロケット軸64によって連結されている。また、駆動スプロケット軸64の端部は、フレーム21の一方の外面に露出するように配置され、図示しない駆動歯車が取り付けられている。
駆動歯車は図示しない紙送りモーターに連結され、紙送りモーターより駆動力を得て回動する。そのため、トラクターユニット57は、トラクターピン54が設けられたトラクターベルト61を回動させ、トラクターピン54とファンフォールド紙Fに形成されたスプロケットホールSとが順次係合することによって、ファンフォールド紙Fを所望の方向に搬送する。なお、トラクターピン54とファンフォールド紙FのスプロケットホールSとが係合する部位は、開閉自在のトラクターカバー53によってカバーされている。
図3に示すように、第2供給機構55bは、プリンター10の記録媒体の第2供給口13b側に設けられ、単票用紙収容部65を備える。単票用紙収容部65は、単票用紙Tを積層状態で収容することができる、また、単票用紙収容部65には、図示しない繰り出しローラーが設けられ、単票用紙Tを1枚ずつ繰り出す。なお、第2供給機構55bでの単票用紙Tの供給経路を第2供給経路59bと称する。なお、図3はファンフォールド紙Fを用いる場合を示し、単票用紙収容部65は寝かされている。単票用紙Tを用いる場合は、単票用紙収容部65を矢印B方向に起こして単票用紙Tをセットする。また、単票用紙収容部65は着脱自在となっている。
図5に示すように、搬送経路52は、第1供給経路59aと第2供給経路59bとが集合する位置を始点とし、各構成部品を経由してZ方向上方に位置する排出口12を終点とする湾曲した形状に形成されている。主搬送機構66は、搬送経路52の湾曲部に配置され、プラテンローラー67と、搬送ローラー組68とを有する。プラテンローラー67は、プラテン軸67aが中心に円柱形状に形成され外周部がゴム部材等によって被覆されている。プラテンローラー67は、図4に示すフレーム21のY方向両端のサイドフレーム27に回転自在に掛け渡されている。プラテン軸67aの一方の端部には、図示しない駆動歯車が取り付けられ、同じく図示しない紙送りモーターより駆動力を得て正逆方向に回動可能となっている。
なお、このプラテンローラー67は、前述の記録ヘッド31の記録ワイヤー38が突出する方向(X方向)に記録ヘッド31と対向する位置に配置される。プラテンローラー67の外周面には、記録ヘッド31から選択的に突出する記録ワイヤー38が打ち付けられる。すなわち、プラテンローラー67は、記録媒体搬送機構50の主要要素であるとともに、印刷機構30の主要要素を構成する。
搬送ローラー組68は、軸方向両端に支持軸が突出する形状の第1搬送ローラー68aと第2搬送ローラー68bとから構成されている。第1搬送ローラー68aと第2搬送ローラー68bとは、プラテンローラー67の外周方向において所定の間隔を隔てて搬送ローラー受け部材69に、回転自在な状態で取り付けられている。搬送ローラー組68は、搬送経路52において、図5中プラテンローラー67のZ方向下方に配置され、プラテンローラー67に対して所定の圧力で押圧可能に配置される。
排出ローラー対70は、搬送経路52に沿って記録ヘッド31の下流側に配置され、送りローラー71と押えローラー72とを有する。送りローラー71は、図示しない紙送りモーターより駆動力を得て正逆方向に回転する。押えローラー72は、回転自在に構成され、搬送経路52を挟んで送りローラー71の外周面に所定の圧力で押圧される。送りローラー71と押えローラー72とは、記録ヘッド31によって情報が記録された記録媒体を挟持し排出口12方向に搬送する。排出ガイド74は、プラスチック等の樹脂で成形され、排出ローラー対70を含む排出口12の近傍に配置される。排出ガイド74は、前述の記録ヘッド31で情報が記録された記録媒体の記録面側をガイドする。
スタッカーガイド77は、ワイヤー等の曲げ加工で形成され、XZ平面において上方(Z方向)に所定の長さ分直立し、後方(X方向)に倒れ込んだ形状に形成されている。スタッカーガイド77は、搬送経路52を挟んで排出ガイド74と対向する位置に設けられた記録媒体の背面をガイドする背面ガイド78の上面に取り付けられている。スタッカーガイド77は、用いられる記録媒体の幅によって複数個使い分けることが可能である。また、スタッカーガイド77は、図1および図3に示すように、矢印B方向に起こされたときの単票用紙収容部65の上部に取り付けてもよい。
また、上述の第1供給経路59aおよび第2供給経路59bを含む搬送経路52上には、複数の図示しない記録媒体検出器が設けられている。記録媒体検出器は、例えば光学式のセンサーが好適に用いられ、搬送経路52上の所望の位置で、記録媒体の有無や記録媒体の先端および後端を検出することによって記録媒体の位置を検知する。
図3および図4に示すように、リボン送り機構40は、カセット取付け部44と、リボン駆動軸45を含むリボン駆動伝達ユニット47とを有している。リボン送り機構40には、図6に示すリボンカセット80が取り付けられる。
図3および図6に示すように、リボンカセット80は、インクを含浸させた長尺の無端形状のインクリボン84とリボン繰り出しローラー対85(図3参照)とを、カセットケース81内に内蔵している。カセットケース81は、本体ケース82と蓋部83とからなり、図示しない差し込み部およびフック部が係合することによって一体となっている。また、カセットケース81は、略箱形状を呈するリボン収容部86と、リボン収容部86のY方向両端部から各々X方向に延出するように設けられる腕部87とを有する。
腕部87の先端部には、中央部に隙間を有するように上下方向(Z方向)から延びる爪部87aが設けられている。爪部87aは、インクリボン84が腕部87から外れたり、腕部87に設けられたリボン走行位置からずれたりしないように、インクリボン84の位置決めをする機能を有する。図3に示すリボン繰り出しローラー対85は、外周面に凹凸を有するリボン送りローラー85aとリボン送りローラー85aに所定の圧力で押圧されるリボン押えローラー85bとからなり一方の腕部87の近くに配置される。
リボン繰り出しローラー対85は、リボン送りローラー85aとリボン押えローラー85bとの間に、リボン収容部86に収容されるインクリボン84の一部分を挟持する。また、リボンカセット80は、インクリボン84の所定の長さ部分を、カセットケース81の2つの腕部87間に張り渡した状態で露出させている。このような構成を有するリボンカセット80は、リボン繰り出しローラー対85のリボン送りローラー85aを回動することによって、インクリボン84をカセットケース81の2つの腕部87間に順次繰り出すことができる。
上述のリボンカセット80は、フレーム21やケース15に形成されるカセット取付け部44(図3参照)に着脱自在に取り付けられる。取り付け方法は、例えば、フレーム21もしくはケース15に、図示しないカセット取り付け用の軸や軸に対して所定の距離をおいたフックを設けて、まず軸とカセットケース81に設けた軸受とを係合させ、その後カセットケース81を回動させフック部と係合させてもよい。
図4および図5に示すリボン駆動伝達ユニット47は、複数の歯車から構成され、キャリッジ送り機構35の駆動プーリー36a近傍に配置される。リボン駆動伝達ユニット47は、一方の端部側にリボン駆動軸45が同軸状に形成される図示しない歯車を有し、他方の端部側にワンウェイクラッチとしての例えば図示しない遊星歯車を有している。リボン駆動伝達ユニット47の遊星歯車は、キャリッジ送り機構35の駆動プーリー36aが所定の方向に回転したとき、駆動プーリー36aの歯部と係合して動力を伝達し、駆動プーリー36aが反対の方向に回転したとき離反して動力を遮断する。
リボン駆動軸45は、リボンカセット80がカセット取付け部44に取り付けられたとき、リボンカセット80が内蔵する図3に示すリボン繰り出しローラー対85のリボン送りローラー85aと嵌合する。リボン繰り出しローラー対85は、回動することによってインクリボン84をリボンカセット80から繰り出す。そのため、リボン送り機構40は、キャリッジ送り機構35の駆動プーリー36aが所定の方向に回転したとき、すなわち記録ヘッド31がY方向の一方向に移動するとき、リボンカセット80に内蔵されるインクリボン84を順次間欠的に繰り出すことができる。
また、リボンカセット80がカセット取付け部44に取り付けられたとき、リボンカセット80の本体ケース82の底面は、図3に示す印刷機構30の記録ヘッド31に接続され記録信号や駆動電圧が供給されるFFC39が湾曲しつつ摺動する範囲の上面に相当する。そのため、本体ケース82の底面は、Y方向に往復移動する記録ヘッド31の動作に伴って移動するFFC39の摺動ガイドとしての機能を有する。本体ケース82の底面の適当な位置にリブ(図示しない)を設け、FFC39の摺動を安定させることも可能である。
(キャリッジ構造について)
ここで、キャリッジ構造について、図4、図7〜図10を参照して説明する。図7は、記録ヘッドおよびキャリッジを含むヘッドユニットを示す側面図、図8は、キャリッジを示す斜視図である。図9は、リボンマスクおよびマスクホルダーを示す図であり、詳しくはヘッドユニットを記録媒体の方向から見た図である。図10は、キャリッジガイドを説明する斜視図であり、(a)は、摺動受け部材保持部に摺動受け部材が取り付けられた状態を示し、(b)は、摺動受け部材が受け部材固定具で固定されている状態を示す。なお、図7〜図10に示すX方向、Y方向およびZ方向は、図1に示すX方向、Y方向およびZ方向と同一な方向を示す。なお、以降、ヘッドユニット25を用いて、キャリッジ構造を説明する。
図7に示すように、ヘッドユニット25は、記録ヘッド31とキャリッジ90とを有する。記録ヘッド31は、ヘッド本体32とノーズ33と放熱器34とを有する。ヘッド本体32は、内部に複数の記録ワイヤー38(図9参照)およびそれに対応する図示しない電磁石を有する。ノーズ33は、ヘッド本体32から突出する形態を呈し、記録ワイヤー38の先端方向をガイドする。放熱器34は、例えばアルミニウムの引き抜き材等をベースに加工されたフィンを有し、ヘッド本体32の外周を覆う。
図8に示すように、キャリッジ90は、例えば、アルミニウムをダイキャスト成形して形成されたものであり、少なくともヘッド取り付け部91とキャリッジ走行ガイド94とリボンガイド取り付け部98とを有する。ヘッド取り付け部91は、図8中Z方向上方に向いた面を有する2つの平面部92と同じくZ方向上方に突出する2つのピン93とを備える。このヘッド取り付け部91には、上述の記録ヘッド31が取り付けられる。図7に示すように、ノーズ33のY方向両側に設けられた図示しない穴部にヘッド取り付け部91のピン93が嵌入され、平面部92に設けられた穴部92aに放熱器34のY方向両側に設けられた図示しない穴部が合わせられ例えばネジ止めされる。
図8に示すように、リボンガイド取り付け部98は、キャリッジ90の2つのピン93よりさらに端部に近い位置に、換言すると、キャリッジ90に取り付けられた記録ヘッド31のノーズ33の先端に近い位置に設けられる。リボンガイド取り付け部98は、例えばフック構造を有し溝形状を呈するように形成される。リボンガイド取り付け部98には、図9に示すリボンガイド100が取り付けられる。
図7および図9に示すように、リボンガイド100は、マスクホルダー102とリボンマスク108とを有する。マスクホルダー102は、樹脂等によって略長方形の板状に成形されたものであり、第1面103aと第1面103aの反対面である第2面103bとマスク保持部105とを有する。マスクホルダー102の中央部には、所定の面積を有する開口部104が形成されている。マスクホルダー102の1つの長辺部分には、当該長辺に沿って第1面103a側にオーバーハングする記録媒体規制部106が形成されている。
リボンマスク108は、薄い金属板にて構成され、中央部に菱形形状の開口部109が形成されている。リボンマスク108の一方の第3面110aには、菱形形状の開口部109を囲んで各辺より所定の距離を隔て、第3面110aから所定の高さ突出する略長方形状の第1突起111が4つ形成されている。また、リボンマスク108の開口部109を中心に、Y方向に沿って各々所定の距離を隔ててZ方向に延びX方向に所定の高さ突出する略長方形状の第2突起112が形成されている。すなわち、リボンマスク108の一方の第3面110aには、少なくとも4つの第1突起111および2つの第2突起112が形成されている。
さらに、リボンマスク108の他方の第4面110bには、開口部109を中心に、Z方向に所定の幅を有しY方向に延びるインクリボン84の走行領域が規定されている。開口部109を中心に、この走行領域からZ方向にわずかに外れた位置に、Y方向に所定の間隔を隔てて並び第4面110bから突出する2つの丸状の第3突起113が形成されている。また、リボンマスク108は、開口部109を中心として、第3面110a側にX方向に所定の高さだけ膨らむように曲げ加工がされている。
このリボンマスク108は、マスクホルダー102のマスク保持部105に取り付けられる。具体的には、マスクホルダー102の開口部104の中心とリボンマスク108の菱形形状の開口部109との中心がほぼ合うように、マスクホルダー102の第2面103bとリボンマスク108の第3面110aとが接するように取り付けられる。そのため、リボンマスク108の開口部109を中心にした部分は、マスクホルダー102の開口部104からX方向にやや出っ張った態様で露出している。リボンマスク108のマスクホルダー102への取り付け方法は特に規定しない。取り付け方法は、嵌めこみでもよいし引っ掛けでもよい。
リボンマスク108が取り付けられたマスクホルダー102、すなわちリボンガイド100は、キャリッジ90のリボンガイド取り付け部98に取り付けられる。この取り付け方法は特に規定しない。取り付け方法は、嵌めこみでもよいし引っ掛けでもよいし、ねじ止めでもよい。このとき、記録ヘッド31のノーズ33の先端は、リボンマスク108の曲げ加工部分に入り込む。
記録ヘッド31およびリボンガイド100が取り付けられたキャリッジ90は、図7および図9に示すように、マスクホルダー102の開口部104からリボンマスク108の開口部109を中心とする第3面110aが露出し、さらに記録ヘッド31のノーズ33の先端、すなわち記録ワイヤー38が、リボンマスク108の開口部109から見えるような状態になる。このとき、リボンマスク108の第4面110bと記録ヘッド31のノーズ33の先端部分との間には所定の間隙が設けられている。また、マスクホルダー102の長辺部分に設けられた記録媒体規制部106は、図中手前側(X方向)にオーバーハングした状態になる。
図8に示すように、キャリッジ走行ガイド94は、キャリッジ90のヘッド取り付け部91の2つのピン93のZ方向下方に各々設けられたガイド穴95と、ガイド穴95に対してX方向に所定の距離を隔てた位置に設けられた摺動受け部材保持部96とを有する。図7に示すように、ガイド穴95には、すべり軸受としての軸受97が各々嵌入される。
この軸受97は、例えば、焼結材が好適に適用され、必要に応じて潤滑油が含浸される。軸受97をガイド穴95に嵌入するときは、取り付けガタをできるだけ減少させるように、例えば軸受97外周に小突起を設け圧入する等の締り嵌めが好ましい。取り付けガタを減少させることによって、記録ヘッド31の記録ワイヤー38が記録媒体に打ち付けられたときの反動によるドット位置ずれが低減される。
図10に示すように、摺動受け部材保持部96には、X方向に突出する変形軸状の揺動支点99を有し、摺動受け部材115が保持される。摺動受け部材115は、例えば、焼結材が好適に適用され、略直方体形状を呈し、中央部に切り込み116が形成されている。摺動受け部材115は、切り込み116が摺動受け部材保持部96の揺動支点99に嵌合する。摺動受け部材115は、薄い金属板の曲げ加工で形成された受け部材固定具118をZ方向上方向から押し込み、揺動支点99で固定することによって、摺動受け部材保持部96において、摺動受け部材115の摺動面115aが図中矢印D方向に揺動可能な状態で保持される。
このように、摺動受け部材115を揺動可能な状態で保持することによって、後述する図4に示すフレーム21のキャリッジ摺動部24に確実に接することができる。そのため、キャリッジ90の安定した移動が実現できるとともに、記録ヘッド31およびキャリッジ90とフレーム21との間を電気的に導通させることができる。その結果、静電気等による記録ヘッド31への不具合を低減できるとともに、良好な印字品質を確保できる。
上述のキャリッジ構造を有するヘッドユニット25をプリンター本体20に組み込む場合は、図9に示すキャリッジ90の軸受97を有するガイド穴95(キャリッジ走行ガイド94)に、キャリッジ軸22を挿通する。次いで、図10に示す摺動受け部材115を、フレーム21に設けられたY方向に延びるキャリッジ摺動部24(図4参照)に摺動面115aが摺接するように配置する。そのため、記録ヘッド31を搭載するキャリッジ90(ヘッドユニット25)は、Y方向に往復移動可能となっている。このとき、記録ヘッド31に接続され制御信号等を送受信するFFC39は、折り曲げ状態でキャリッジ90に固定される。固定方法は、FFC39の根元部分を接着することが好ましい。
次いで、キャリッジ送り機構35について、図4を参照して説明する。図4に示すように、キャリッジ送り機構35は、図示しないキャリッジ駆動モーターとキャリッジ駆動プーリー対36とキャリッジ駆動ベルト37とを備える。キャリッジ駆動プーリー対36は、駆動プーリー36aおよび従動プーリー36bからなり、フレーム21のベースフレーム28のY方向両側に各々配置される。駆動プーリー36aは、図示しない伝達機構を介して図示しないキャリッジ駆動モーターから駆動力を得て正逆方向に回転可能である。キャリッジ駆動ベルト37は、無端ベルトであり、駆動プーリー36aおよび従動プーリー36bに張架されている。キャリッジ駆動ベルト37の一部は、キャリッジ90に連結されている。
上述の構成を有するキャリッジ送り機構35は、キャリッジ90に搭載される記録ヘッド31を、キャリッジ駆動モーターの駆動力によってキャリッジ軸22に沿ってY方向に往復走査する。キャリッジ90の走行方向は、キャリッジ駆動モーターの回転方向を正逆切り替えることにより反転される。なお、記録ヘッド31の記録ワイヤー38と対向する位置に、キャリッジ90の移動方向に沿って、記録媒体搬送機構50の構成部品であるプラテンローラー67が設けられている。
上述の構成を有するプリンター10は、使用される記録媒体の種類に応じて、記録媒体供給機構55を使い分け、記録媒体搬送機構50の主搬送機構66および排出ローラー対70を用いて、記録媒体を搬送経路52に沿って搬送する。そして、キャリッジ送り機構35は、記録ヘッド31を搭載するキャリッジ90を記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動させる。記録ヘッド31は、カセット取付け部44に取り付けられたリボンカセット80から、順次繰り出されるインクリボン84を介して記録媒体と対向している。記録ヘッド31は、制御部19からの制御信号に応じて記録ワイヤー38を選択的に突出する。そのため、記録媒体は、印刷面に所望の情報が印刷され、ケース15の上ケース17に設けられた排出口12から排出される。
(ヘッドユニットの基本動作について)
ここで、本発明に係るキャリッジ構造を有するヘッドユニット25の動作について説明する。まず、上述のヘッドユニット25を有するプリンター10にリボンカセット80を装着する場合について説明する。
リボンカセット80をカセット取付け部44に取り付けたとき、左右の腕部87間を張り渡されているインクリボン84は、記録ヘッド31の湾曲したノーズ33に沿って動き、リボンガイド100とノーズ33の先端との間に至る。詳しくは、マスクホルダー102に保持されたリボンマスク108の先端部107およびノーズ33をすくいとし、リボンマスク108の第4面110bに沿って進む。このとき、リボンマスク108の先端部107には、適度な曲げ加工を行い、リボンを確実にすくうようにすることが好ましい。
記録ヘッド31のノーズ33の先端は、リボンマスク108の曲げ加工部分に入り込んでいるため、インクリボン84はZ方向から見てノーズ33の先端を頂点に略「くの字」状に折れ曲がり、リボンマスク108の第4面110bに密着する。このように、インクリボン84が、リボンマスク108の第4面110b側、換言するとマスクホルダー102の第2面103b側に収まることによって、プリンター10におけるリボンの走行経路が規定される。
また、このとき、第4面110bには、インクリボン84の走行領域からZ方向にわずかに外れた位置に、Y方向に所定の間隔を隔てて並ぶ2つの丸状の第3突起113が形成されている。そのため、インクリボン84は、この第3突起113を乗り越えインクリボン84の走行領域に収まる。その後、プリンター10が記録動作に入り、リボン送り機構40によるインクリボン84の送り動作が行われている場合でも、この第3突起113によってインクリボン84の走行が規制され、インクリボン84のせり上がり等の走行ずれや走行ずれが著しい場合に引っ掛かりが防止される。そのため、インクリボン84の安定走行が実現できる。
次いで、上述のヘッドユニット25を有するプリンター10における記録媒体の搬送時や印刷時の動作について説明する。
搬送時には、記録媒体は、主搬送機構66のプラテンローラー67および搬送ローラー組68によって挟持され、プラテンローラー67の回転に伴って、プラテンローラー67の外周面に沿ってZ方向上方にある排出口12に向かって搬送される。主搬送機構66によって搬送される記録媒体は、印刷機構30のヘッドユニット25に至る。記録媒体の先端は、リボンガイド100のマスクホルダー102の第1面103aに沿って進む。マスクホルダー102のZ方向上方の長辺部分には、当該長辺に沿って第1面103a側にオーバーハングする記録媒体規制部106が形成されている。そのため、記録媒体の先端は、記録媒体規制部106にすくわれるとともに、プラテンローラー67側に進行方向が規制され排出ローラー対70の位置に至る。その結果、記録媒体を安定的に搬送できる。
このように、記録媒体が、マスクホルダー102の第1面103a側、換言するとリボンマスク108の第3面110a側を通過することによって、プリンター10における記録媒体の走行経路が規定される。すなわち、リボンマスク108を保持するマスクホルダー102によって、インクリボン84の走行経路と記録媒体の走行経路とが分離される。そのため、リボン送り機構40によって送られるインクリボン84と記録媒体搬送機構50によって搬送される記録媒体が接触することが防止される。その結果、記録媒体のインクリボン84による汚染を防止できる。
また、第1面103a側にオーバーハングする記録媒体規制部106を有するマスクホルダー102は、キャリッジ送り機構35によって、キャリッジ90(ヘッドユニット25)とともに、Y方向に移動可能である。そのため、横幅サイズの異なる記録媒体の搬送動作においても、例えば、記録媒体の横方向の端面位置に、マスクホルダー102の記録媒体規制部106のすくい部分を移動させて、記録媒体の端面部分をすくうこともできる。その結果、横幅サイズの異なる記録媒体であっても、安定した搬送が可能になる。
また、厚い記録媒体、すなわち剛性の高い記録媒体を用いる場合は、記録媒体の進行方向がずれて、排出ローラー対70にうまく挟持されなかったり、排出ガイド74でうまくすくえなかったりして記録媒体が引っ掛かる場合もあり得る。この場合、マスクホルダー102の記録媒体規制部106のすくい部分をY方向に移動させて、記録媒体の厚み方向の位置を補正して、排出ローラー対70や排出ガイド74の位置に合わせることも可能である。
印刷時は、印刷制御信号によって、キャリッジ送り機構35を駆動させ記録ヘッド31を搭載したキャリッジ90を記録媒体の幅方向(Y方向)の一方向に移動させながら、記録ヘッド31の該当する記録ワイヤー38を選択的に突出する。記録ワイヤー38は、リボン送り機構40によってリボンカセット80から繰り出されるインクリボン84を介して記録媒体の印刷面に打ち付けられる。その結果、印刷面には、所謂1行分の情報が記録される。その後、記録媒体搬送機構50の記録媒体供給機構55、主搬送機構66、排出ローラー対70を駆動して、記録媒体を所定ピッチ(1行分)だけX方向に搬送する。
次いで、キャリッジ送り機構35を駆動させキャリッジ90を先ほどとは逆方向に移動させながら、記録ヘッド31の該当する記録ワイヤー38を選択的に突出する。記録ワイヤー38は、リボン送り機構40によってリボンカセット80から繰り出されるインクリボン84を介して記録媒体の次の印刷面に打ち付けられる。その結果、続く1行分の印刷が行われる。その後、記録媒体搬送機構50を駆動して、記録媒体を所定ピッチ(1行分)だけX方向に搬送する。この動作を順次繰り返すことによって、記録媒体の印刷面には、文字や画像等の所望の情報が順次印刷される。
このとき、記録ヘッド31の記録ワイヤー38の先端が、リボンガイド100のリボンマスク108の開口部109に、リボンマスクの108の第4面110bに密着するインクリボン84を介して位置する。印刷動作時は、インクリボン84を介して、記録ワイヤー38が記録媒体に打ち付けられる。このとき、インクリボン84も記録ワイヤー38の突出に伴い記録媒体方向に膨らむ。
上述のように、リボンマスク108の記録媒体側の第3面110aには、開口部109の周囲に4つの第1突起111と、開口部109からY方向に沿って各々所定の距離を隔てて2つの第2突起112が形成されている。そのため、リボンマスク108の第3面110aと記録媒体の印刷面との間には、少なくとも第1突起111もしくは第2突起112の高さ以上の間隙ができる。その結果、記録ワイヤー38の突出に伴い膨らむインクリボン84が記録媒体と過度に接することを低減でき、記録媒体のインクリボン84による汚染を低減できる。
第1突起111および2つの第2突起112は、記録媒体の搬送時に記録媒体と接することができる。そのため、記録媒体がヘッドユニット25方向に膨らむのを抑制、すなわち厚み方向の搬送位置を規制することができる。また、第1突起111は、菱形形状の開口部109を囲んで形成されている。そのため、記録媒体の搬送時に記録媒体の先端部分が、開口部109のエッジに引っ掛かることを防止できる。そのため、安定した記録媒体の搬送が可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。例えば上記実施形態以外の変形例は、以下の通りである。
上記実施形態では、リボンマスク108に、4つの第1突起111、2つの第2突起112、2つの第3突起113が同時に設けられている場合について、説明したがこれに限定しない。形成される突起の組合せ、数、高さ等のサイズは自由である。用いられる記録媒体やプリンター10の仕様によって任意に変更可能である。
10…プリンター、12…排出口、13…供給口、15…ケース、20…プリンター本体、21…フレーム、22…キャリッジ軸、24…キャリッジ摺動部、25…ヘッドユニット、30…印刷機構、31…記録ヘッド、32…ヘッド本体、33…ノーズ、34…放熱器、35…キャリッジ送り機構、40…リボン送り機構、44…カセット取付け部、50…記録媒体搬送機構、52…搬送経路、55…記録媒体供給機構、57…トラクターユニット、66…主搬送機構、67…プラテンローラー、70…排出ローラー対、74…排出ガイド、80…リボンカセット、84…インクリボン、90…キャリッジ、94…キャリッジ走行ガイド、98…リボンガイド取り付け部、100…リボンガイド、102…マスクホルダー、104…開口部、105…マスク保持部、106…記録媒体規制部、108…リボンマスク、F…ファンフォールド紙、P…用紙、T…単票用紙。

Claims (13)

  1. 搬送経路に沿って搬送される記録媒体に対して、複数の記録ワイヤーを有する記録ヘッドを前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動させながら、インクが含浸されたインクリボンを介して、前記記録ワイヤーを選択的に突出させて情報を記録するプリンターに用いられ、前記記録ヘッドを搭載するキャリッジのキャリッジ構造であって、
    前記記録ヘッドが取り付けられるキャリッジ面を有する前記キャリッジと、
    前記キャリッジに対して、前記記録ヘッドの前記記録ワイヤーが突出する方向に配置され、前記インクリボンをガイドするリボンガイドと、
    前記記録ヘッドを前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動させるべく、前記キャリッジ本体に設けられたキャリッジ走行ガイドと、を備えることを特徴とするキャリッジ構造。
  2. 前記リボンガイドは、前記インクリボンが摺動するリボン摺動面を有するリボンマスクと、
    前記リボンマスクを保持するとともに、前記記録媒体が搬送される前記搬送経路および前記インクリボンが走行する走行経路の一部を仕切るマスクホルダーと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のキャリッジ構造。
  3. 前記リボンマスクは、板形状を呈し、前記リボン摺動面に前記記録ヘッドの前記記録ワイヤーが露出する開口部が形成され、
    前記開口部の周囲に、前記記録媒体の前記搬送経路側および/または前記インクリボンの前記走行経路側に突出する複数の突起部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のキャリッジ構造。
  4. 前記リボンマスクの前記開口部は菱形形状に形成され、
    菱形形状の前記開口部を囲んで各辺より所定の距離を隔て、前記記録媒体の前記搬送経路側に突出する略長方形状の第1突起が4つ形成されていることを特徴とする請求項3に記載のキャリッジ構造。
  5. 前記リボンマスクの前記開口部を中心に、前記インクリボンの搬送方向に沿って、前記開口部から所定の距離を隔てて両側に、前記記録媒体の前記搬送経路側に突出する少なくとも1つずつの略長方形状の第2突起が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のキャリッジ構造。
  6. 前記リボンマスクの前記開口部を中心に、前記インクリボンの走行領域が規定され、
    前記インクリボンの走行方向に沿って、前記走行領域から外れた位置に、前記インクリボンの前記走行経路側に突出する少なくとも1つ以上の第3突起が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のキャリッジ構造。
  7. 前記マスクホルダーは、前記記録ヘッドの移動方向に長辺を有する略長方形の板状を呈し、
    一方の面が、前記記録媒体の前記搬送経路側に対向し、他方の面が、前記インクリボンの前記走行経路側に対向するとともに、前記リボンマスクを面内に保持すること、を特徴とする請求項2に記載のキャリッジ構造。
  8. 前記マスクホルダーは、前記記録媒体の搬送方向下流側において、前記長辺部分に、前記搬送経路側に延出し前記記録媒体の搬送位置を規制する記録媒体規制部を有することを特徴とする請求項7に記載のキャリッジ構造。
  9. 前記キャリッジ走行ガイドは、
    搭載される前記記録ヘッドの移動方向に沿うキャリッジガイド軸が挿通される、前記キャリッジに設けられたガイド穴と、
    搭載される前記記録ヘッドの移動方向に沿って延出するキャリッジ摺動面を受ける摺動受け部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のキャリッジ構造。
  10. 前記ガイド穴には、前記キャリッジガイド軸を受けるすべり軸受が嵌入されていることを特徴とする請求項9に記載のキャリッジ構造。
  11. 前記摺動受け部材は、焼結部材で形成され摺動面を有し、
    前記キャリッジの端部に、摺動方向に沿った方向に揺動自在に設けられていることを特徴とする請求項9に記載のキャリッジ構造。
  12. 前記摺動受け部材は、前記キャリッジの端部に対して、板金で形成された摺動受け取り付け部材によって挟持されて取り付けられていることを特徴とする請求項9または11に記載のキャリッジ構造。
  13. 搬送経路に沿って記録媒体を搬送する記録媒体搬送機構と、
    搬送される前記記録媒体に対して、選択的に記録ワイヤーを突出する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドを搭載する請求項1乃至12のいずれか一項に記載のキャリッジ構造を有するキャリッジと、
    前記キャリッジを前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動させるキャリッジ移動機構と、
    前記記録媒体と記録ワイヤーとの間に介在するインクリボンを駆動するリボン駆動機構と、を備えることを特徴とするプリンター。
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