JP2016030241A - ゴムシートへの防着剤塗布装置および防着剤塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】防着剤塗布時の飛散を抑制し、ゴムシートに均一に塗布することができ、使用量が減少し、製品品質の低下やバラツキ発生を抑制できる防着剤塗布装置および防着剤塗布方法を提供すること。【解決手段】混練したゴムシートへの防着剤塗布装置であって、内部に防着剤溶液が供給され、前記防着剤溶液を排出する排出孔が外周表面に設けられた防着剤塗布用案内ロール、および前記防着剤溶液を前記防着剤塗布用案内ロールに供給する防着剤溶液供給手段を備え、混練したゴムシートを、前記防着剤塗布用案内ロールにより案内することで、ゴムシート表面に防着剤溶液を塗布する防着剤塗布装置および防着剤塗布方法。【選択図】図1
Description
本発明はゴムシートへの防着剤塗布装置および該防着剤塗布装置を用いた防着剤塗布方法に関する。
従来、タイヤ製造工程において混練機1により混練したゴムは、図5に示すように、押出機2から排出され、カレンダーロール3により圧延されたゴムシートや、リボン押出しされたゴムシートR1となり、冷却用水槽5や冷却乾燥装置8による冷却および乾燥を経て、パレット9上に積層されたり、巻取機に巻き取られたりすることで積層ゴムシートR2などとなり、次の工程に搬送される。しかしながら、そのままの状態のゴムシートを積層したり巻き取ったりすると、ゴムシート同士が密着してゴム塊のようになってしまうため、ゴムシート表面に防着剤を塗布してゴムシート同士の密着を防止する必要がある。
ゴムシートに防着剤を塗布する従来の方法としては、例えば図5に示すように混練り後のゴムシートを防着剤溶液が貯留された防着剤塗布用水槽6aにどぶ漬けして塗布する方法や、防着剤溶液をシャワー6bにより散布して塗布する方法、この両方を併用する方法が知られている。しかしながら、防着剤溶液は比重の異なる水、粉体防着剤および液体防着剤の混合物であることなどから、どぶ漬けして塗布する方法では、防着剤溶液がゴムシート表面で過多となり、防着剤塗布用水槽6aを出た後に飛散してしまうという問題、防着剤溶液の水槽内やクーリングバー7などに防着剤凝固物が生成し、該凝固物がゴムシートに混入して異物になるという問題、クーリングバー7に吊り下げたシートの折り返し部分に防着剤液が溜まって乾燥不良となり、後のロール作業や押出し工程における加工性が悪化するという問題、防着剤粉体がタイヤへの異物混入となり製品品質が低下するという問題などがある。また、シャワーにより散布して塗布する方法でも、防着剤溶液が飛散し、クーリングバー7などに防着剤凝固物が生成するなどの問題がある。
特許文献1には、防着剤の塗布をスプレーにて行う防着剤塗布方法が記載されているが、防着効果、防着剤をムラなく均一に塗布するという点では十分ではない。
本発明は、防着剤をゴムシートに効率的に均一塗布し、防着剤の使用量および飛散を低減させ、製品品質低下やバラツキ発生の抑制、製造コストの低減ができる防着剤塗布装置および防着剤塗布方法を提供することを目的とする。
本発明は、混練したゴムシートへの防着剤塗布装置であって、内部に防着剤溶液が供給され、前記防着剤溶液を排出する排出孔が外周表面に設けられた防着剤塗布用案内ロール、および前記防着剤溶液を前記防着剤塗布用案内ロールに供給する防着剤溶液供給手段を備え、混練したゴムシートを、前記防着剤塗布用案内ロールにより案内することで、ゴムシート表面に防着剤溶液を塗布する防着剤塗布装置に関する。
前記排出孔が、案内ロール長手方向に沿って延びる長孔状の排出孔がロール周方向に複数設けられた排出孔群列を形成し、該排出孔の長さがゴムシートのロール長手方向の幅以上で、前記排出孔の開口幅が0.5〜1mmである防着剤塗布装置が好ましい。また、前記排出孔の長さがゴムシートのロール長手方向の幅と同等である防着剤塗布装置がより好ましい。
前記排出孔がロール長手方向およびロール周方向に複数設けられ、前記排出孔の開口幅が0.5〜2mmであり、複数の前記排出孔が10mm以下の間隔で設けられている防着剤塗布装置が好ましい。また、排出孔がゴムシートのロール長手方向の幅と同等の範囲に設けられている防着剤塗布装置がより好ましい。
前記排出孔が、一定の開口幅で形成された排出孔本体と、前記排出孔本体に前記案内ロールの厚さ方向で連続し、前記案内ロールの外周表面側に形成された前記排出孔本体より開口幅が広い拡幅部とを有し、前記ロールの外周表面から、前記排出孔本体と前記拡幅部との境界部までの長さが1〜3mmである防着剤塗布装置が好ましい。
前記防着剤塗布用案内ロールが、ゴムシートの下面と接して案内する下面案内ロールとゴムシートの上面と接して案内する上面案内ロールとを含む防着剤塗布装置が好ましい。
さらに、ゴムシートの供給の有無を検出するゴムシート検出手段および防着剤溶液の排出停止手段を備え、ゴムシートが防着剤塗布用案内ロールに供給されていない場合は、防着剤溶液の排出を停止する防着剤塗布装置が好ましい。
また、本発明は、混練したゴムシートへの防着剤塗布方法であって、防着剤溶液を、内部に防着剤溶液が供給され、前記防着剤溶液を排出する排出孔が外周表面に設けられた防着剤塗布用案内ロールに供給する防着剤溶液供給工程、および供給された防着剤溶液を、前記防着剤塗布用案内ロールにより混練したゴムシートを案内することで、ゴムシート表面に防着剤溶液を塗布する防着剤溶液塗布工程を含む防着剤塗布方法に関する。
前記排出孔が、ロール長手方向に沿って延びる長孔状の排出孔がロール周方向に複数設けられた排出孔群列を形成し、該排出孔の長さがゴムシートのロール長手方向の幅以上で、前記排出孔の開口幅が0.5〜1mmであることが好ましい。また、前記排出孔の長さがゴムシートのロール長手方向の幅と同等である防着剤塗布方法がより好ましい。
前記排出孔がロール長手方向およびロール周方向に複数設けられ、前記排出孔の開口幅が0.5〜2mmであり、複数の前記排出孔が10mm以下の間隔で設けられている防着剤塗布方法が好ましい。また、前記排出孔がゴムシートのロール長手方向の幅と同等の範囲に設けられている防着剤塗布方法がより好ましい。
前記排出孔が、一定の開口幅で形成された排出孔本体と、前記排出孔本体に前記案内ロールの厚さ方向で連続し、前記案内ロールの外周表面側に形成された前記排出孔本体より開口幅が広い拡幅部とを有し、前記ロールの外周表面から、前記排出孔本体と前記拡幅部との境界部までの長さが1〜3mmである防着剤塗布方法が好ましい。
前記防着剤塗布用案内ロールが、ゴムシートの下面と接して案内する下面案内ロールとゴムシートの上面と接して案内する上面案内ロールとを含む防着剤塗布方法が好ましい。
さらに、ゴムシートの供給の有無を検出するゴムシート検出工程および防着剤溶液の排出停止工程を備え、ゴムシートが防着剤塗布用案内ロールに供給されていない場合は、防着剤溶液の排出を停止する防着剤塗布方法が好ましい。
本発明の防着剤塗布装置および防着剤塗布方法は、防着剤をゴムシートに効率的に均一塗布できるため、防着効果の向上および防着剤の使用量や飛散を低減することができ、製品品質の低下やバラツキの発生を抑制し、製造コストも低減できる防着剤塗布装置および防着剤塗布方法である。
以下、本発明の防着剤塗布装置および防着剤塗布方法について添付図面を参照しながら説明するが、この実施態様に限定されるものではない。
図1に本発明の一実施態様である防着剤塗布装置10を備えたゴムシートの製造装置を示す。該ゴムシートの製造装置は、ゴムシート搬送経路の上流から下流に向けて、ゴム混練装置1、ゴム押出機2、カレンダーロール3、コンベア4、冷却用水槽5、防着剤塗布装置10、冷却乾燥装置8を備えている。防着剤塗布装置10以外の構成は従来の装置等とすることができ、コンベア4は適宜、増設することができる。ゴム混練装置1によりタイヤの原料ゴムおよび配合剤を混練し、ゴム押出機2から高温の軟化したゴムシートR1をコンベア4上に押し出して冷却用水槽5に搬送し、ゴムシートR1の表面温度を防着剤塗布に適した温度となるように冷却用水槽5において調整する。そして、表面温度が調整されたゴムシートR1を冷却用水槽5からコンベアにより防着剤塗布装置10に搬送し、防着剤塗布装置10においてゴムシートR1に防着剤を塗布する。その後、クーリングバー7に吊り下げられた状態で冷却乾燥装置8内を通過させるなどして冷却、乾燥させた後、パレット9上に折り重ねて積層させて積層ゴムシートR2とする。
防着剤塗布装置10は、内部に防着剤溶液が供給され、前記防着剤溶液を排出する排出孔が外周表面に設けられた防着剤塗布用案内ロール、および前記防着剤溶液を前記防着剤塗布用案内ロールに供給する防着剤溶液供給手段を備え、混練したゴムシートを、前記防着剤塗布用案内ロールにより案内することで、ゴムシート表面に防着剤溶液を塗布することを特徴とする。
防着剤供給手段は、図1に示すように防着剤撹拌槽11および供給ポンプ12を備えており、防着剤撹拌槽11内の溶液を、供給ポンプ12の稼働により供給管Pなどを介して防着剤塗布用案内ロール13に供給することができる。防着剤撹拌槽11内には攪拌機が設置されており、例えば水に粉体防着剤および/または液体防着剤を添加し、撹拌することで防着剤溶液を調製することができる。また、粉体防着剤および/または液体防着剤の溶解、分散状態を維持するために防着剤塗布用案内ロール13への供給中なども適宜、撹拌することもできる。
防着剤塗布用案内ロール13は、内部に防着剤溶液を導入可能な空間を有する筒状体であり、外周表面に排出孔Hが設けられている。前記防着剤供給手段から供給された防着剤溶液は、該排出孔Hから排出することができ、ゴムシートR1を案内し、案内ロール13表面とゴムシートR1の表面とが接触することで、排出孔Hから排出した防着剤溶液をゴムシートR1表面に塗布することができる。なお、防着剤塗布用案内ロールの下方には垂れ落ちた防着剤溶液を受ける防着剤受け14を備えることが好ましい。
防着剤塗布用案内ロール13は、ゴムシートR1の供給に伴って回転するように構成されている。防着剤塗布用案内ロール13の排出孔Hから排出された防着剤溶液は、案内ロール13が回転しながらゴムシートR1の表面に塗布される。
防着剤塗布用案内ロール13に供給された防着剤の排出態様は、一度、防着剤塗布用案内ロール13内部を経由して排出孔Hから排出される態様であれば、本発明の効果が損なわれない限り特に限定されない。例えば、防着剤塗布用案内ロール13内に設けられた貯留タンクに蓄えられた後、該タンクと接続された各排出孔Hから排出する態様や、防着剤塗布用案内ロール13内に設けられた経路を通り、各排出孔Hから排出する態様などが挙げられる。
排出孔Hの数や配置は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、図3(A)に示すように案内ロール長手方向に沿って延びる長孔状の排出孔がロール周方向に複数設けられた排出孔群列とすることや、図3(B)に示すように案内ロールの周表面に整列して設けることができる。
図3(A)に示すように排出孔を案内ロール長手方向に沿って延びる長孔状の排出孔Hとする場合、隣り合う排出孔H同士の間隔は、2.0cm以上が好ましく、2.5cm以上が好ましい。排出孔H同士の間隔が2.0cm未満の場合は、ゴムシートへの防着剤溶液塗布量が過多となり、乾燥不良やシート密着、防着剤溶液の飛散の原因となる傾向がある。また、排出孔Hの数は、10cm以下が好ましく、5cm以下が好ましい。排出孔Hの数が10cmを超える場合は、ゴムシートへの防着剤溶液塗布量が不足し、塗布できない部分が発生してパレット積み込み後にシート密着が発生する傾向がある。
また、排出孔Hの案内ロール長手方向の長さWAは、ゴムシートR1の案内ロール長手方向の幅以上とすることがゴムシート全面に防着剤溶液をとすることができるという理由から好ましく、さらに同等とすることが防着剤溶液の飛散を抑制することができるという理由からより好ましい。ここで、同等とは、ゴムシートの幅に対する排出孔群列Gの長さWA(排出孔の長さ/ゴムシートの幅)が1.00〜1.05であることをいう。
図3(A)に示す排出孔Hのロール周方向の開口幅Hwは、0.5mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましい。開口幅Hwが0.5mm未満の場合は防着剤溶液が目詰まりするおそれがある。また、開口幅Hwは1.0mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましい。該開口幅が1.0mmを超える場合は、防着剤溶液の塗布量が過多となり、乾燥不良やシート密着、防着剤溶液の飛散の原因となる傾向がある。
図3(B)に示すように排出孔を案内ロールの周表面に均一に整列して設ける場合、排出孔はロール長手方向の間隔Slおよびロール周方向の間隔Scは共に10mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましい。これらの間隔が10mmを超える場合は、案内ロール周表面上の排出孔数が少なく、均一に防着剤溶液を塗布することが困難となる傾向、防着効果が不十分となる傾向がある。また、これらの間隔は、3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましい。これらの間隔が5mm未満の場合は、防着剤溶液の塗布量が過多となり、乾燥不良やシート密着、防着剤溶液の飛散の原因となる傾向がある。
排出孔を整列して設ける場合、防着剤塗布用案内ロールの周表面積当たりの孔数は、0.5個/cm2以上が好ましく、1.0個/cm2以上がより好ましい。該孔数が0.5個/cm2未満の場合は、均一に防着剤溶液を塗布することが困難となる傾向、防着効果が不十分となる傾向がある。また、該孔数は5個/cm2以下が好ましく、3個/cm2以下がより好ましい。該孔数が5個/cm2を超える場合は、防着剤溶液の塗布量が過多となり、乾燥不良やシート密着、防着剤溶液の飛散の原因となる傾向がある。
また、排出孔を整列して設ける場合の排出孔が設けられた範囲のロール長手方向の幅WBは、ゴムシートR1のロール長手方向の幅以上とすることがゴムシート全面に防着剤溶液をとすることができるという理由から好ましく、さらに同等とすることが防着剤溶液の飛散を抑制することができるという理由からより好ましい。ここで、同等とは、ゴムシートの幅に対する排出孔が設けられた範囲の長さWB(排出孔が設けられた範囲の長さ/ゴムシートの幅)が1.0〜1.05であることをいう。
図3(B)の排出孔Hは、図示した形状では略円形の孔として示され、排出孔Hの孔径(開口幅)は、0.5mm以上が好ましく、2.0mm以上がより好ましい。該孔径が0.5mm未満の場合は防着剤溶液が目詰まりするおそれがある。また、該孔径は2.0mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましい。該孔径が2.0mmを超える場合は防着剤溶液の使用量が増加し、飛散や異物混入の原因となる恐れがある。
排出孔Hの形状は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、外周表面から外周裏面にかけて開口幅がほぼ一定の排出孔本体のみからなる排出孔とすることや、例えば図4に示すような前記排出孔本体に前記案内ロールの厚さ方向で連続し、前記案内ロールの外周表面側に形成された前記排出孔本体より開口幅が広い拡幅部H2を有する排出孔Hとすることもできる。ここで、排出孔本体H1により形成される内部空間が、略円柱状の他、略多角柱状など、他の形状としてもよい。また、拡幅部を有する場合は、図4に示されるように案内ロール13の外周表面に向かって広くなるテーパ状に形成されたテーパ部としてもよいし、排出孔本体H1より開口幅が大きい、略円柱状、略多角柱状の内部空間を形成する拡幅部としてもよい。また、図3(a)の排出孔Hは案内ロール長手方向に沿って延びる長孔状の排出孔であるが、ロール周方向の切断面が図4に示す排出孔本体H1および拡幅部H2となる長孔状の排出孔とすることができる。さらに、図3(b)では、複数の排出孔Hは略円形の孔として示しているが、排出孔Hは略矩形状などの多角形や他の形状であってもよい。
図4に示す拡幅部H2を有する排出孔Hとすることにより、排出孔本体H1の開口部とゴムシートが接触することを防ぎ、ゴムシートの表面ゴムが排出孔に詰まることを防ぐことができる。なお、拡幅部H2を有する排出孔Hとする場合、前述の排出孔の孔径は排出孔本体H1の孔径Xとする。
拡幅部H2を有する排出孔Hとする場合、排出孔本体の孔径Xと拡幅部H2の開口部の孔径Yとの差は0.1〜0.5mmが好ましく、0.2〜0.3mmがより好ましい。該差が0.1mm未満の場合はゴムシートの表面ゴムが排出孔に詰まり、防着剤溶液の排出不良となる傾向がある。また、該差が0.5mmを超える場合はゴムシートへの均一な塗布ができず、防着剤溶液の飛散の原因となる傾向がある。
また、ロールの外周表面から、排出孔本体H1と前記拡幅部との境界部までの長さ、すなわち、拡幅部H2のロール厚さ方向の長さLは1.0〜3.0mmが好ましく、1.5〜2.5mmがより好ましい。長さLが1.0mm未満の場合はゴムシートの表面ゴムが排出孔に詰まり、防着剤溶液の排出不良となる傾向がある。また、長さLが3.0mmを超える場合はゴムシートへの均一な塗布ができず、防着剤溶液の飛散の原因となる傾向がある。
防着剤塗布用案内ロール13の直径(ロール径)は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、従来用いられている案内ロールと同様の直径とすることができる。
防着剤塗布装置10が備える防着剤塗布用案内ロール13の数は本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、図1に示すようにゴムシートの下面を案内する下面案内ロール13aと上面を案内する上面案内ロール13bとを含む態様とすることが、防着剤をより均一に塗布することができる点、防着効果がより向上する点から好ましい。
さらに、本発明の防着剤塗布装置10は、図2に示すように、ゴムシートが防着剤塗布用案内ロール13に供給されているか否かを検出するゴムシート検出手段15、および防着剤溶液の排出停止手段16を備えた防着剤塗布装置とすることが好ましい。ゴムシート検出手段15においてゴムシートR1の供給が検出されない場合には、排出停止手段16により、防着剤溶液の排出を停止することで、無駄な防着剤溶液の無駄な排出が停止され、さらなる使用量の低減が可能となる。例えば、ゴムシート検出手段15としては、ゴムシートが案内ロールに供給されているか否かを検出可能な各種センサを用いることができる。また、図2に示すように排出停止手段16は、ゴムシート検出手段15と接続され、ゴムシートが供給されていない場合は供給ポンプ12や供給ポンプPに設けられた制御弁などを制御する構成とすることができる。
前記防着剤溶液の排出停止手段は、排出停止手段に加え排出開始手段も備えた排出制御手段であることがさらに好ましい。排出制御手段とすることにより、ゴムシート検出手段においてゴムシートの供給が検出されない場合は防着剤溶液の排出を停止し、ゴムシートの供給が検出された場合は防着剤溶液の排出を開始することにより、より効率的なゴムシートの製造が可能となる。
本発明の防着剤塗布装置および防着剤塗布方法によれば、案内ロールの排出孔から排出される防着剤を案内ロールによりゴムシートが案内されるときにゴムシートの表面に塗布することができる。ゴムシートに塗布される防着剤は、供給過多とならずに、案内ロールにより均一に広げられる。したがって、防着剤をゴムシートに効率的に均一塗布できるため、防着効果が向上し、防着剤の使用量を減らすことができ、製品品質低下やバラツキ発生の抑制および製造コストの低減ができる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
実施例および比較例
表1に示す条件の防着剤塗布装置および方法によりゴムシートの製造を行い、さらに該ゴムシートを用いたタイヤを製造した。なお、各実施例および比較例で製造したゴムシートの配合および製造量は共通であり、防着剤塗布装置および方法以外の他の装置等も共通の条件とした。また、防着剤溶液は以下に示すものを共通して使用した。
防着剤溶液:0.5質量%の粉体防着剤(一方社油脂工業株式会社製のGY951)および0.8質量%の液体防着剤(一方社油脂工業株式会社製のGY243)を含有
表1に示す条件の防着剤塗布装置および方法によりゴムシートの製造を行い、さらに該ゴムシートを用いたタイヤを製造した。なお、各実施例および比較例で製造したゴムシートの配合および製造量は共通であり、防着剤塗布装置および方法以外の他の装置等も共通の条件とした。また、防着剤溶液は以下に示すものを共通して使用した。
防着剤溶液:0.5質量%の粉体防着剤(一方社油脂工業株式会社製のGY951)および0.8質量%の液体防着剤(一方社油脂工業株式会社製のGY243)を含有
各実施例および比較例において、使用した防着剤量、シート密着の有無、クーリングバーへの防着剤の付着の有無、タイヤ表面の異物の有無を評価した。結果を表1に示す。
タイヤ表面の異物の有無の評価は下記の基準で行った。発生率は製造した全タイヤに対する異物が発見されたタイヤの割合である。
○:良好(発生率=0.01%未満)
△:良好ではあるが異物はなくならない(発生率=0.01〜0.05%)
×:異物が散見される(発生率=0.05%超)
○:良好(発生率=0.01%未満)
△:良好ではあるが異物はなくならない(発生率=0.01〜0.05%)
×:異物が散見される(発生率=0.05%超)
表1に示す結果より、本発明の防着剤塗布装置および防着剤塗布方法によれば、防着剤をゴムシートに効率的に均一塗布でき、防着効果が向上し、防着剤の使用量が減少し、製品品質低下やバラツキ発生の抑制および製造コストの低減ができることがわかる。
1 混練機
2 押出機
3 カレンダーロール
4 コンベア
5 冷却用水槽
6a 防着剤塗布用水槽
6b シャワー
7 クーリングバー
8 冷却乾燥装置
9 パレット
10 防着剤塗布装置
11 防着剤撹拌槽
12 供給ポンプ
13 防着剤塗布用案内ロール
13a 下面案内ロール
13b 上面案内ロール
14 防着剤受け
R1 ゴムシート
R2 積層ゴムシート
H 排出孔
H1 排出孔本体
H2 拡幅部
2 押出機
3 カレンダーロール
4 コンベア
5 冷却用水槽
6a 防着剤塗布用水槽
6b シャワー
7 クーリングバー
8 冷却乾燥装置
9 パレット
10 防着剤塗布装置
11 防着剤撹拌槽
12 供給ポンプ
13 防着剤塗布用案内ロール
13a 下面案内ロール
13b 上面案内ロール
14 防着剤受け
R1 ゴムシート
R2 積層ゴムシート
H 排出孔
H1 排出孔本体
H2 拡幅部
Claims (16)
- 混練したゴムシートへの防着剤塗布装置であって、
内部に防着剤溶液が供給され、前記防着剤溶液を排出する排出孔が外周表面に設けられた防着剤塗布用案内ロール、および
前記防着剤溶液を前記防着剤塗布用案内ロールに供給する防着剤溶液供給手段を備え、
混練したゴムシートを、前記防着剤塗布用案内ロールにより案内することで、ゴムシート表面に防着剤溶液を塗布する防着剤塗布装置。 - 前記排出孔が、案内ロール長手方向に沿って延びる長孔状の排出孔がロール周方向に複数設けられた排出孔群列を形成し、
該排出孔群列の長さがゴムシートのロール長手方向の幅以上で、前記排出孔の開口幅が0.5〜1mmである請求項1記載の防着剤塗布装置。 - 前記排出孔群列の長さがゴムシートのロール長手方向の幅と同等である請求項2記載の防着剤塗布装置。
- 前記排出孔がロール長手方向およびロール周方向に複数設けられ、
前記排出孔の開口幅が0.5〜2mmであり、
複数の前記排出孔が10mm以下の間隔で設けられている請求項1記載の防着剤塗布装置。 - 前記排出孔がゴムシートのロール長手方向の幅と同等の範囲に設けられている請求項4記載の防着剤塗布装置。
- 前記排出孔が、一定の開口幅で形成された排出孔本体と、
前記排出孔本体に前記案内ロールの厚さ方向で連続し、前記案内ロールの外周表面側に形成された前記排出孔本体より開口幅が広い拡幅部とを有し、
前記ロールの外周表面から、前記排出孔本体と前記拡幅部との境界部までの長さが1〜3mmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の防着剤塗布装置。 - 前記防着剤塗布用案内ロールが、ゴムシートの下面と接して案内する下面案内ロールとゴムシートの上面と接して案内する上面案内ロールとを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の防着剤塗布装置。
- さらに、ゴムシートの供給の有無を検出するゴムシート検出手段および防着剤溶液の排出停止手段を備え、
ゴムシートが防着剤塗布用案内ロールに供給されていない場合は、防着剤溶液の排出を停止する請求項1〜7のいずれか1項に記載の防着剤塗布装置。 - 混練したゴムシートへの防着剤塗布方法であって、
防着剤溶液を、内部に防着剤溶液が供給され、前記防着剤溶液を排出する排出孔が外周表面に設けられた防着剤塗布用案内ロールに供給する防着剤溶液供給工程、および
供給された防着剤溶液を、前記防着剤塗布用案内ロールにより混練したゴムシートを案内することで、ゴムシート表面に防着剤溶液を塗布する防着剤溶液塗布工程を含む防着剤塗布方法。 - 前記排出孔が、ロール長手方向に沿って延びる長孔状の排出孔がロール周方向に複数設けられた排出孔群列を形成し、
該排出孔の長さがゴムシートのロール長手方向の幅以上で、前記排出孔の開口幅が0.5〜1mmである請求項9記載の防着剤塗布方法。 - 前記排出孔の長さがゴムシートのロール長手方向の幅と同等である請求項9記載の防着剤塗布方法。
- 前記排出孔がロール長手方向およびロール周方向に複数設けられ、
前記排出孔の開口幅が0.5〜2mmであり、
複数の前記排出孔が10mm以下の間隔で設けられている請求項10記載の防着剤塗布方法。 - 前記排出孔がゴムシートのロール長手方向の幅と同等の範囲に設けられている請求項9記載の防着剤塗布方法。
- 前記排出孔が、一定の開口幅で形成された排出孔本体と、
前記排出孔本体に前記案内ロールの厚さ方向で連続し、前記案内ロールの外周表面側に形成された前記排出孔本体より開口幅が広い拡幅部とを有し、
前記ロールの外周表面から、前記排出孔本体と前記拡幅部との境界部までの長さが1〜3mmである請求項9〜13のいずれか1項に記載の防着剤塗布方法。 - 前記防着剤塗布用案内ロールが、ゴムシートの下面と接して案内する下面案内ロールとゴムシートの上面と接して案内する上面案内ロールとを含む請求項9〜14のいずれか1項に記載の防着剤塗布方法。
- さらに、ゴムシートの供給の有無を検出するゴムシート検出工程および防着剤溶液の排出停止工程を備え、
ゴムシートが防着剤塗布用案内ロールに供給されていない場合は、防着剤溶液の排出を停止する請求項9〜15のいずれか1項に記載の防着剤塗布方法。
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JP2018001709A (ja) * | 2016-07-07 | 2018-01-11 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴムシート積層体の製造装置及びゴムシート積層体の製造方法 |
JP2019104204A (ja) * | 2017-12-14 | 2019-06-27 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴムシートの製造方法 |
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