JP2016028868A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のノズルが配置されたノズル面が水平方向に対して傾斜した液体吐出ヘッドにおいて、保湿時の液面との距離によらずに各ノズルの吐出性を維持する液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出装置は、ラインヘッドの複数のノズルのうち一定範囲内にあるノズルを使用して液体を吐出する吐出制御手段と、吐出データに基づいて、吐出制御手段が使用するノズルの範囲をシフトするシフト手段であって、保湿位置において液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群の液体を吐出する回数が保湿位置において液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群の液体を吐出する回数より多い範囲にシフトするシフト手段と、を備えた。
【選択図】図9

Description

本発明は液体吐出装置に関し、特にノズルが配置されたノズル面が水平方向に対して傾斜した液体吐出ヘッドの吐出制御技術に関する。
液体吐出ヘッドから液体を吐出する液体吐出装置では、液体吐出ヘッドの吐出性を維持するために、吐出を行わない際にはノズルが配置されたノズル面を保湿キャップで覆い、保湿キャップ内に貯留された保湿液によってノズル面の湿度を高い状態に維持することによって、ノズル面の乾燥を抑制している。
また、周面に媒体を保持して回転することで媒体を搬送する搬送ドラムの周面に沿って、各種の液体に対応した複数の液体吐出ヘッドを傾斜させて配置した液体吐出装置が知られている。このような液体吐出ヘッドのノズル面は、水平面に対して傾斜している。
一方、保湿キャップ内の保湿液の液面は物理的に水平となる。したがって、水平面に対して傾斜しているノズル面を保湿キャップで覆うと、ノズル面内の位置によって液面との距離が異なってくる。その結果、ノズル面内の位置によって湿度が異なり、保湿キャップの液面からの距離が長いノズルと短いノズルが存在する場合には、液面から距離が長いノズルの方が短いノズルより吐出性が悪化しやすいことが知られている。
このような課題に対し、特許文献1には、保湿キャップの中に敷居をつけることで、保湿液面が傾斜の方向に高低差を持つ段となり、段の無い保湿液面と比較して保湿液面と傾斜するノズル面との間の距離を小さくする技術が記載されている。
特開2014−19106号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、保湿キャップ内に敷居を設けるため、保湿キャップのコストが上昇してしまうという欠点があった。また、敷居を設けて液面に段を持たせても液面とノズルとの距離が一定となるわけではないため、液面からの距離が長い側のノズルの吐出性の悪化を完全に防ぐことはできない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、複数のノズルが配置されたノズル面が水平方向に対して傾斜した液体吐出ヘッドにおいて、保湿時の液面との距離によらずに各ノズルの吐出性を維持する液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために液体吐出装置の一の態様は、水平面に対して傾斜した搬送経路で媒体を搬送する搬送手段と、鉛直方向下側に面したノズル面に配置された複数のノズルから液体を吐出するラインヘッドであって、ノズル面が搬送経路に沿った第1の方向において水平面に対して傾斜したラインヘッドと、ノズル面を保湿するための保湿液を貯留した保湿手段と、ノズル面が搬送経路と対向する吐出位置及びノズル面が保湿液の液面と対向する保湿位置のいずれか一方の位置にラインヘッドを相対移動させる移動手段と、媒体に対して液体を吐出するための吐出データであって、画素毎の液体の吐出の有無の情報を含む画素データからなる吐出データを取得する吐出データ取得手段と、ラインヘッドの複数のノズルのうち一定範囲内にあるノズルであって、吐出データの第1の方向に交差する第2の方向の画素数と同数のノズルを使用して吐出位置において吐出データに基づく液体を吐出する吐出制御手段と、吐出データに基づいて、吐出制御手段が使用するノズルの範囲をシフトするシフト手段であって、保湿位置において液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群の液体を吐出する回数が保湿位置において液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群の液体を吐出する回数より多い範囲にシフトするシフト手段とを備えた。
本態様によれば、ノズル面が水平面に対して傾斜したラインヘッドにおいて、保湿位置において液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群の液体を吐出する回数を保湿位置において液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群の液体を吐出する回数より多くすることができるので、保湿位置における液面との距離によらずにノズルの吐出性を維持することができる。なお、水平面と平行な液面と、水平面に対して傾斜するノズル面との間の距離は、ノズル面の法線方向の距離として把握してもよいし、水平面と直交する鉛直方向の距離として把握してもよい。
シフト手段は、保湿位置におけるノズル群の液面との距離と吐出データに基づく各ノズルの液体吐出回数との関数によって評価値を算出する評価値算出手段を備え、算出した評価値に基づいて使用するノズルの範囲をシフトすることが好ましい。これにより、液面との距離に応じた重み付けをして評価値を算出することができる。なお、保湿位置におけるノズル群の液面との距離は、保湿手段に保湿液を満杯に貯留した状態での距離や実際に貯留されている保湿液の液面との距離の他、これらの距離を端数処理して丸めた値を用いることができる。
吐出データは、複数の異なるサイズのドットの情報を含み、関数は、各ノズルの液体吐出回数がサイズの情報に応じて重み付けされていることが好ましい。これにより、ドットのサイズに応じて重み付けした評価値を算出することができる。
吐出制御手段は、1ドットに対する液体吐出回数を制御することで異なるサイズのドットを形成してもよい。本態様は、複数の液滴の連続吐出によって異なるドットを形成する場合に有効である。
Nを2以上の偶数の自然数とすると、ノズル面には、第2の方向に沿って複数のノズルが並んだノズル列が第1の方向に沿ってN列配置されており、評価値算出手段は、使用するノズルの範囲を基準となる範囲とした場合の評価値と、第2の方向にN/2画素シフトさせた場合の評価値とをそれぞれ算出し、シフト手段は、適した評価値を有するノズルの範囲を使用するノズルの範囲とすることが好ましい。これにより、適したノズルの範囲を使用することができる。
Nを2以上の自然数とすると、ノズル面には、第2の方向に沿って複数のノズルが並んだノズル列が第1の方向に沿ってN列配置されており、評価値算出手段は、使用するノズルの範囲を基準となる範囲から第2の方向に1画素ずつシフトさせた場合の評価値をN−1画素シフトするまでそれぞれ算出し、シフト手段は、最も適した評価値を有するノズルの範囲を使用するノズルの範囲とすることが好ましい。これにより、最も適したノズルの範囲を使用することができる。
環境湿度を測定する湿度測定手段を備え、シフト手段は、測定した湿度が閾値より低い場合のみ使用するノズルの範囲をシフトすることが好ましい。これにより、環境湿度が閾値より低い場合には保湿位置における液面との距離によらずにノズルの吐出性を維持することができ、環境湿度が閾値以上の場合にはノズルの使用頻度を均一化することができる。
複数のラインヘッドを備え、吐出データ取得手段はラインヘッド毎の吐出データを取得し、シフト手段は、水平面との傾斜が相対的に最も大きいノズル面を有する第1のラインヘッドについて保湿位置において液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数が保湿位置において液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数より多い範囲にシフトし、第1のラインヘッド以外のラインヘッドについては第1のラインヘッドにおけるノズルの範囲のシフトに基づいて使用するノズルの範囲をシフトすることが好ましい。これにより、複数のラインヘッドのうち、特に平面との傾斜が相対的に最も大きいノズル面を有する第1のラインヘッドについて、保湿時の液面との距離によらずに各ノズルの吐出性を維持することができる。また、第1のラインヘッド以外のラインヘッドについて第1のラインヘッドにおけるノズルの範囲のシフトに基づいて使用するノズルの範囲をシフトするため、適切に画像を記録することができる。
それぞれ異なる液体を吐出する複数のラインヘッドを備え、吐出データ取得手段は液体毎の吐出データを生成し、シフト手段は、揮発性が相対的に最も高い液体を吐出する第1のラインヘッドについて保湿位置において液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数が保湿位置において液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数より多い範囲にシフトし、第1のラインヘッド以外のラインヘッドについては第1のラインヘッドにおけるノズルの範囲のシフトに基づいて使用するノズルの範囲をシフトしてもよい。これにより、複数のラインヘッドのうち、特に揮発性が相対的に最も高い液体を吐出する第1のラインヘッドについて、保湿時の液面との距離によらずに各ノズルの吐出性を維持することができる。また、第1のラインヘッド以外のラインヘッドについて第1のラインヘッドにおけるノズルの範囲のシフトに基づいて使用するノズルの範囲をシフトするため、適切に画像を記録することができる。
また、それぞれ異なる色のインクを吐出する複数のラインヘッドを備え、吐出データ取得手段はインク色毎の画像データを取得し、シフト手段は、視認性が相対的に最も高い色のインクを吐出する第1のラインヘッドについて保湿位置において液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数が保湿位置において液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数より多い範囲にシフトし、第1のラインヘッド以外のラインヘッドについては第1のラインヘッドにおけるノズルの範囲のシフトに基づいて使用するノズルの範囲をシフトしてもよい。これにより、複数のラインヘッドのうち、特に視認性が相対的に最も高い色のインクを吐出する第1のラインヘッドについて、保湿時の液面との距離によらずに各ノズルの吐出性を維持することができる。また、第1のラインヘッド以外のラインヘッドについて第1のラインヘッドにおけるノズルの範囲のシフトに基づいて使用するノズルの範囲をシフトするため、適切に画像を記録することができる。
保湿手段は、保湿位置においてノズル面と液面とが形成する空間を密閉せずにノズル面を保湿してもよい。本態様は、ノズル面と液面とが形成する空間を密閉しない保湿手段に適用することができる。
搬送手段は、媒体を外周面に保持して搬送する円筒形状の搬送ドラムを備えてもよい。本態様は、円筒形状の搬送ドラムによって媒体を外周面に保持して搬送する搬送手段に適用することができる。
本発明によれば、保湿時の液面との距離によらずにノズルの吐出性を維持することができる。これにより、ラインヘッドの寿命が伸張されるので、ラインヘッドの交換回数を低減し、液体吐出装置の寿命の向上とコストダウンを図ることができる。
図1はインクジェット記録装置の側面図である。 図2はインクジェット記録装置の平面図である。 図3はインクジェット記録装置の正面図である。 図4は画像記録部の側面図である。 図5はラインヘッドのノズル配置を示す図である。 図6は保湿位置における画像記録部とメンテナンス部とを示す図である。 図7は保湿位置におけるラインヘッドと保湿キャップとを示す図である。 図8はインクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図である。 図9は画像記録制御の処理を示すフローチャートである。 図10は1番ノズルの割り当てを説明するための図である。 図11は記録用画像データに対するノズルの範囲のシフトを説明するための図である。 図12は記録用画像データに対するノズルの範囲のシフトを説明するための図である。 図13はラインヘッドのノズル配置を示す図である。 図14は画像記録制御の処理を示すフローチャートである。 図15は1番ノズルの割り当てを説明するための図である。 図16は1番ノズルの割り当てを説明するための図である。 図17は画像記録制御の処理を示すフローチャートである。 図18は画像記録制御の処理を示すフローチャートである。 図19はラインヘッドのノズル配置を示す図である。 図20は画像記録制御の処理を示すフローチャートである。 図21はインクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図である。 図22は画像記録制御の処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
<第1の実施形態>
〔インクジェット記録装置の構成〕
インクジェット記録装置100(液体吐出装置の一例)は、シングルパス方式のラインプリンタであり、図1、図2、図3に示すように、記録媒体である用紙P(媒体の一例)を搬送する用紙搬送部110と、用紙搬送部110によって搬送される用紙Pに向けてインク滴を吐出して画像を記録(印字)する画像記録部120と、を備えている。
用紙搬送部110は、モータ(不図示)に駆動されて中心を軸に回転する円筒形状の搬送ドラム112を備えた搬送手段である。搬送ドラム112の外周面上にはグリッパ(不図示)が備えられており、搬送ドラム112は、このグリッパによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを外周面に巻き掛けながら用紙Pを搬送する。
また、搬送ドラム112は、その外周面に多数の吸引穴(不図示)が所定のパターンで形成されており、搬送ドラム112の外周面に巻き掛けられた用紙Pは、この吸引穴から吸引されることにより、搬送ドラム112の外周面に吸着保持されながら搬送される。このように、搬送ドラム112は、水平面に対して傾斜した搬送経路で用紙Pを搬送する。
画像記録部120は、それぞれシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の各色インク滴(液体の一例)をインクジェット方式で吐出するラインヘッド122C、122M、122Y、122Kと、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kが取り付けられるヘッド支持フレーム126と、を備えている。
ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kは、鉛直方向下側に面したノズル面124C、124M、124Y、124Kを、搬送ドラム112の水平面に対して傾斜した搬送ドラム112の外周面に対向させて配置される。即ち、ノズル面124C、124M、124Y、124Kが搬送ドラム112に搬送される用紙Pに対向するように、X方向(第1の方向に交差する第2の方向の一例)において水平面と平行に配置され、かつY方向(第1の方向の一例)において水平面に対してそれぞれ角度θ、θ、θ、θだけ傾斜して配置される(ノズル面が搬送経路に沿った第1の方向において水平面に対して傾斜した一例、図4参照)。
図5(a)は、ラインヘッド122Cをノズル面124C側から見た図である。図5(a)に示すように、ノズル面124Cには16個のノズル128−1、128−2、…、128−16がX方向に2行に渡ってマトリクス配置されている。なお、ノズル128−1、128−2、…、128−16を総称して単にノズル128と表記する場合がある。ここでは、2行に配列されたノズル行(ノズル列の一例)のうち用紙Pの搬送方向(Y方向)の下流側に配置されたノズル128−1、128−3、…、128−15を第1行のノズル群130−1、上流側に配置されたノズル128−2、128−4、…、128−16を第2行のノズル群130−2とする。
また、図5(b)は、ラインヘッド122Cを上面(ノズル面124Cとは反対側の面)から見た図であり、ノズル128を透過させて示すとともに、これらのノズル128をX方向に沿って並ぶように投影した投影ノズル列を示している。
図5(b)に示すように、第1行のノズル群130−1及び第2行のノズル群130−2は、各ノズル128がX方向に間隔2Dで配列されており、かつ第1行のノズル群130−1と第2行のノズル群130−2とは、それぞれ各ノズル128がX方向にDだけずれて配列されている。その結果、投影ノズル列の各ノズルはX方向に間隔Dで配列される。したがって、ラインヘッド122Cのノズル128−1、128−2、…、128−15、128−16は、X方向に間隔Dで配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
また、その他のラインヘッド122M、122Y、122Kは、ラインヘッド122Cと同様に構成されている。即ち、ノズル面124M、124Y、124Kには、16個のノズル128−1、128−2、…、128−15、128−16がX方向に2行に渡ってマトリクス配置されている。また、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kは、iを自然数とすると各ノズル128−i同士がY方向に同一直線上に並ぶように、搬送ドラム112による用紙Pの搬送方向(Y方向)に対して直交して一定の間隔をもって配置されている。
このように、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kのノズル面124C、124M、124Y、124Kには、搬送ドラム112により搬送される用紙Pの幅方向(X方向)の全体に渡って複数のノズル128が配置されている。ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kは、Y方向に搬送される用紙Pに対して、Y方向に直交するX方向の全体に渡って配置された複数のノズル128からインクを吐出することで、用紙Pの1回の搬送で用紙Pへの画像記録を完了することができる。
なお、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kは、ノズル面124C、124M、124Y、124Kにインクジェット記録装置100が記録する画像のX方向の画素数以上のノズル128を有している。画像記録部120は、このノズル面124C、124M、124Y、124Kに配置されたノズル128のうち、X方向の一定範囲内に配置されているノズル128であって、画像のX方向の画素数と同数のノズル128を用いて画像を記録する。即ち、一定範囲とは、記録する画像のX方向の画素数の幅を有する範囲であり、ノズル面124C、124M、124Y、124KのX方向の端部には、印字範囲外のノズルとして記録には使用しないノズル128がある。
また、インクジェット記録装置100は、図2、図3に示すように、用紙搬送部110のX方向にメンテナンス部140を備えている。メンテナンス部140は保湿キャップ142C、142M、142Y、142K(保湿手段の一例)を備えており、保湿キャップ142C、142M、142Y、142Kはそれぞれ内部に保湿液を貯留している。
ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kは、ヘッド支持フレーム移動機構170(移動手段の一例、図8参照)により、搬送ドラム112に対向する位置(記録位置、吐出位置の一例)とメンテナンス部140の保湿キャップ142C、142M、142Y、142Kに対向する位置(保湿位置)とを移動(相対移動の一例)する。
ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kは、画像を記録する際には記録位置に移動され、搬送ドラム112により搬送される用紙Pに画像を記録する。また、装置を長時間停止する場合などは、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kは保湿位置に移動される。保湿位置では、ノズル面124C、124M、124Y、124Kがそれぞれ保湿キャップ142C、142M、142Y、142Kに覆われ、ノズル面124C、124M、124Y、124Kが保湿キャップ142C、142M、142Y、142Kの内部に貯留された保湿液の液面と対向する。これにより、ノズル面124C、124M、124Y、124Kが保湿液によって保湿される。
ここで、保湿とは、ノズル面124C、124M、124Y、124Kをノズル128内部のインクが乾燥しない程度に湿潤した状態に維持することをいう。ノズル面124C、124M、124Y、124Kを湿潤した状態に維持することで、ノズル128が乾燥することによる不吐出等の不具合を防止することができる。なお、保湿キャップ142C、142M、142Y、142Kは、保湿位置においてそれぞれノズル面124C、124M、124Y、124Kと保湿液面とが形成する空間を完全には密閉しておらず、保湿キャップ142C、142M、142Y、142Kの内部では、保湿液の液面からの距離によってノズル面124C、124M、124Y、124Kの面内において湿度が異なる。
なお、保湿キャップ142C、142M、142Y、142Kに貯留された保湿液の液面は、水平面と平行になっている。これに対し、ノズル面124C、124M、124Y、124Kは、前述のようにY方向において水平面に対してそれぞれ角度θ、θ、θ、θだけ傾斜している。したがって、ノズル面124C、124M、124Y、124Kは、図6に示すように、保湿位置において、保湿液面に対してY方向にそれぞれ角度θ、θ、θ、θだけ傾斜した状態で保湿される。
図7は図6の拡大図であり、ラインヘッド122C及び保湿キャップ142Cを示している。なお、ここでは保湿キャップ142Cには保湿液が満杯に貯留されているものとする。図7に示すように、保湿位置における保湿キャップ142Cの保湿液面とラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1との鉛直方向の距離をhC1、保湿液面と第2行のノズル群130−2との鉛直方向の距離をhC2とすると、ノズル面124Cは保湿液に対して角度θだけ傾斜しているため、hC1>hC2の関係を有している。したがって、保湿位置において液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群である第1行のノズル群130−1は、保湿位置において液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群である第2行のノズル群130−2よりも湿度が相対的に低くなり、乾燥による不吐出が相対的に発生しやすくなる。
なお、ここでは、X方向に2行に配列されたノズル行のうち、保湿液面との距離が相対的に長い方のノズル行を第1行のノズル群130−1、保湿液面との距離が相対的に短い方のノズル行を第2行のノズル群130−2としている。したがって、図6に示すように、ラインヘッド122Mについては、ラインヘッド122Cと同様に用紙Pの搬送方向(Y方向)の下流側が第1行のノズル群130−1、上流側が第2行のノズル群130−2となる。一方、ラインヘッド122Y及び122Kについては、用紙Pの搬送方向の上流側が第1行のノズル群130−1、下流側が第2行のノズル群130−2となる。
〔インクジェット記録装置のシステム構成〕
図8に示すように、インクジェット記録装置100は、前述した用紙搬送部110、画像記録部120、メンテナンス部140の他、制御部150、画像取得部152、記憶部154、画像処理部156、吐出回数算出部158、評価値算出部160、シフト部162、ヘッド支持フレーム移動機構170等を備えている。
制御部150は、ROM(Read Only Memory、不図示)に格納されている各種制御プログラムを読み出して実行することで、インクジェット記録装置100の各構成要素を統括制御する制御手段として機能する。
画像取得部152は、有線又は無線の入力インターフェースを備え、画像記録部120において用紙Pに対してインクを吐出して画像を記録するための入力画像データ(媒体に対して液体を吐出するための吐出データの一例)を取得する。
記憶部154は、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kのうち基準となるラインヘッド(第1のラインヘッドの一例)を記憶している。基準となるラインヘッドについては後述する。なお、記憶部154には、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kのノズル面124C、124M、124Y、124Kと水平面とが成す角度θ、θ、θ、θや、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの各色インクの視認性の相対的な程度、各色インクの揮発性の相対的な程度を記憶しておいてもよい。
画像処理部156(吐出データ取得手段の一例)は、画像取得部152により取得した入力画像データに色分解処理やむら補正処理、ハーフトーン処理等の画像処理を施し、画素毎のインクの吐出の有無の情報を含む画素データからなる記録用画像データ(吐出データの一例)を生成(取得)する。
吐出回数算出部158は、画像処理部156が生成した記録用画像データを用紙Pに記録する際の各ノズル128におけるインクの吐出回数(各ノズルの液体吐出回数の一例)や第1行のノズル群130−1のインクの吐出回数の総数を算出する。
評価値算出部160(評価値算出手段の一例)は、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kによって画像を記録する際に使用するノズルの範囲を決定するための評価値を記録用画像データに基づいて算出する。評価値については後述する。
シフト部162(シフト手段の一例)は、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kによって画像を記録する際に使用するノズル128について、基準となる範囲から決定された範囲にシフトする。シフト部162の処理の詳細については後述する。
ヘッド支持フレーム移動機構170は、モータ等の駆動部(不図示)を含み、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kを搬送ドラム112に対向する記録位置とメンテナンス部140の保湿キャップ142C、142M、142Y、142Kに対向する保湿位置との間で移動させる。
〔画像記録制御〕
次に、第1の実施形態に係る画像記録制御について、図9に示したフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部150は、画像取得部152を介して用紙Pに記録するための入力画像データを取得する(ステップS1)。
次に、制御部150は、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kのうち、基準となるラインヘッドを特定する(ステップS2)。ここでは、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kのうち、保湿位置においてノズル面124C、124M、124Y、124Kと保湿液面との角度が最も大きいラインヘッドが基準となるラインヘッドであり、一例としてラインヘッド122Cとする。
保湿位置における保湿キャップ142C、142M、142Y、142Kの保湿液面と各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kの第2行のノズル群130−2との距離をそれぞれhC2、hM2、hY2、hK2とすると、
C2=hM2=hY2=hK2
の関係を満たすものとする。
したがって、保湿位置における保湿キャップ142C、142M、142Y、142Kの保湿液面と各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kの第1行のノズル群130−1との距離をそれぞれhC1、hM1、hY1、hK1とすると、ノズル面124C、124M、124Y、124Kと水平面との角度θ、θ、θ、θが大きいほどhC1、hM1、hY1、hK1が長くなる。
前述したように、保湿位置において液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズルほど乾燥による不吐出が相対的に発生しやすくなる。ここでは、保湿位置においてノズル面124C、124M、124Y、124Kと保湿液面との角度(傾斜)が最も大きいラインヘッドを基準となるラインヘッドとし、この基準となるラインヘッドに基づいて使用するノズルの範囲をシフトさせることで、保湿位置において最も保湿液面との距離が遠くなる基準となるラインヘッドの第1行のノズル群130−1の乾燥を防止する。
この基準となるラインヘッドの情報は予め記憶部154に記憶されており、制御部150は記憶部154に記憶されたラインヘッドの情報を取得する。
なお、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kのうち、保湿位置においてノズル面124C、124M、124Y、124Kと保湿液面との角度が最も大きいラインヘッドが複数存在する場合は、さらに異なる観点において優先度を設定することで基準となるラインヘッドを特定すればよい。例えば、不吐出による画像欠陥が目立ちやすい視認性の高い色のインクを吐出するラインヘッドや、ノズル128の内部が乾燥しやすい揮発性の高いインクを吐出するラインヘッドに、高い優先度を設定することができる。
また、ここでは保湿位置においてノズル面と保湿液面との角度が最も大きいラインヘッドを基準となるラインヘッドとしたが、視認性の最も高い色のインクを吐出するラインヘッドや、揮発性の最も高いインクを吐出するラインヘッドを基準となるラインヘッドとしてもよい。
次に、画像処理部156は、ステップS1において取得した入力画像データについて画像処理を施し、記録用画像データを生成する(ステップS3)。生成された記録用画像データは、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの色毎の画像における各画素のドットの有無(インクの有無)を示すデータ(ラインヘッド毎の吐出データ、液体毎の吐出データ、インク色毎の吐出データの一例)である。記録用画像データは、画素とノズル128とが相対的に割り当てられたデータであり、後述する1番ノズルが決定されることにより、使用するノズルの範囲が決し、画素とノズル128とが絶対的に割り当てられる。画像記録部120は、記録用画像データの各画素のドットの有無に基づいて記録用画像データのX方向の画素数と同数の各ノズル128からインクを吐出することで、用紙Pに記録用画像データに基づいた画像を記録することが可能である。
次に、吐出回数算出部158は、1番ノズルをステップS2において特定した基準となるラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1に割り当てて、ラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1のインクの吐出回数を算出する(ステップS4)。
図10は、1番ノズルの割り当てを説明するための図であり、シアンの記録用画像データの各画素とラインヘッド122Cの各ノズル128とのX方向の位置関係を示している。ここでは、ラインヘッド122Cのノズル128を透過させて示している。
図10(a)は、1番ノズルを第1行のノズル群130−1に割り当てた場合を示しており、記録に使用するノズルの範囲が基準となる範囲(一定範囲の一例)の場合を示している。ここで、1番ノズルとは、記録用画像データのX方向の最も端のデータ(ここでは図10の左端のデータ)を記録するノズルであり、印字範囲外のノズルを除いて割り当てられるノズルである。
図10(a)に示すように、第1行のノズル群130−1のうちノズル128−3を1番ノズルに割り当てると、シアンの記録用画像データの各画素を記録するノズルは、ノズル128−3、128−4、…128−13、128−14(一定範囲内にあるノズルの一例)に決定され、ノズル128−1、128−2、128−15、128−16が印字範囲外のノズルとなる。
したがって、第1行のノズル群130−1であるノズル128−3、128−5、…、128−11、128−13において記録する画素が確定する。この画素のドットの有無の情報から、記録用画像データを記録する際の第1行のノズル群130−1である128−3、128−5、…、128−11、128−13におけるインクの吐出回数を算出し、さらにこのインクの吐出回数を合計して第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数を算出する。
同様に、吐出回数算出部158は、1番ノズルを基準となるラインヘッド122Cの第2行のノズル群130−2に割り当てて、第1行のノズル群130−1のインクの吐出回数を算出する(ステップS5)。
図10(b)は、1番ノズルを第2行のノズル群130−2に割り当てた場合を示しており、記録に使用するノズルの範囲が基準となる範囲からシフトされた場合を示している。図10(b)に示すように、第2行のノズル群130−2のうちノズル128−4を1番ノズルに割り当てると、シアンの記録用画像データの各画素を記録するノズルは、ノズル128−4、128−5、…128−14、128−15に決定され、ノズル128−1、128−2、128−3、128−15が印字範囲外のノズルとなる。
したがって、第1行のノズル群130−1であるノズル128−5、128−7、…、128−13、128−15において記録する画素が確定する。この画素のドットの有無の情報から、記録用画像データを記録する際の第1行のノズル群130−1であるノズル128−5、128−7、…、128−13、128−15におけるインクの吐出回数を算出し、さらにこのインクの吐出回数を合計して第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数を算出する。
評価値算出部160は、ステップS4、S5において算出した第1行のノズル群130−1の吐出回数を、それぞれ1番ノズルを第1行のノズル群130−1に割り当てた場合の評価値、及び1番ノズルを第2行のノズル群130−2に割り当てた場合の評価値として取得する。さらに、制御部150は評価値算出部160からこれらの評価値を取得し、適した評価値を有する方、即ち第1行のノズル群130−1の吐出回数の多い方に1番ノズルを設定する(ステップS6)。
シフト部162は、ステップS6において設定されたラインヘッド122Cの1番ノズルに基づいて、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kにおいて使用するノズルの範囲をシフトする(ステップS7)。即ち、ラインヘッド122Cについて、使用するノズルの範囲を基準となる範囲からステップS6において設定されたラインヘッド122Cの1番ノズルから始まる範囲にシフトさせ(保湿位置において液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数が保湿位置において液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数より多い範囲にシフトの一例)、ラインヘッド122C以外のラインヘッド122M、122Y、122K(第1のラインヘッド以外のラインヘッドの一例)について、使用するノズルの範囲をラインヘッド122Cと同じ範囲にシフトさせる。
例えば、1番ノズルが第1行のノズル群130−1であるノズル128−3であれば、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kにおいて使用するノズルの範囲は基準となる範囲であるノズル128−3から128−14までのままとする。1番ノズルが第2行のノズル群130−2であるノズル128−4であれば、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kにおいて使用するノズルの範囲を基準となる範囲から1ノズル分シフトし、ノズル128−4から128−15までとする。このように、全てのラインヘッド122C、122M、122Y、122Kのノズルの範囲を同様にシフトする。
最後に、制御部150(吐出制御手段の一例)は、記録用画像データ及び設定された範囲のノズルに基づいて、画像記録部120によって用紙搬送部110によって搬送される用紙Pに画像を記録する(ステップS8)。
図11は、記録用画像データの一例である画像データGD1とノズルの範囲のシフトを説明するための図であり、ラインヘッド122Cのノズル128−1、128−2、…、128−16を透過させて示している。画像データGD1は、シアンからなる1画素おきのY方向の6本のラインL1、L2、…、L6のデータから構成されている。
図11(a)は1番ノズルを第1行のノズル群130−1であるノズル128−3に割り当てた場合(使用するノズルの範囲が基準となる範囲の場合)の画像データGD1の各画素とラインヘッド122Cの各ノズル128との対応を示している。この場合は、画像データGD1のラインL1はノズル128−3において、ラインL2はノズル128−5において、ラインL3はノズル128−7において、ラインL4はノズル128−9において、ラインL5はノズル128−11において、ラインL6はノズル128−13において記録し、ノズル128−1、2、15、16は印字範囲外のノズルとして使用しない。
図11(b)は1番ノズルを第2行のノズル群130−2であるノズル128−4に割り当てた場合(使用するノズルの範囲が基準となる範囲から1画素シフトした場合)の画像データGD1の各画素とラインヘッド122Cの各ノズル128との対応を示している。この場合は、画像データGD1のラインL1はノズル128−4において、ラインL2はノズル128−6において、ラインL3はノズル128−8において、ラインL4はノズル128−10において、ラインL5はノズル128−12において、ラインL6はノズル128−14において記録し、ノズル128−1、2、3、16は印字範囲外のノズルとして使用しない。
吐出回数算出部158は、図11(a)、(b)に示した場合について、第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数を算出して比較する。ここでは、1番ノズルを第1行のノズル群130−1に割り当てた図11(a)で示した場合の方が第1行のノズルの吐出回数の総数が多い。したがって、シフト部162は、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kにおいて使用するノズルの範囲を、基準となる範囲であるノズル128−3から128−14までのままとする。画像記録部120は、このように決定されたノズル128−3から128−14までの範囲のノズルを使用して画像を記録する。
また、図12は、画像データの一例である画像データGD2とノズルの範囲のシフトを説明するための図であり、ラインヘッド122Cのノズル128−1、128−2、…、128−16を透過させて示している。画像データGD2は、シアンからなる1画素おきの6本のY方向のラインL11、L12、…、L16のデータから構成されており、ラインL11、L12、…、L16は画像データGD1のラインL1、L2、…、L6とはX方向に1画素ずれた位置にある。
図12(a)は1番ノズルを第1行のノズル群130−1であるノズル128−3に割り当てた場合(使用するノズルの範囲が基準となる範囲の場合)の画像データGD2の各画素とラインヘッド122Cの各ノズル128との対応を示している。この場合は、画像データGD2のラインL11はノズル128−4において、ラインL12はノズル128−6において、ラインL13はノズル128−8において、ラインL14はノズル128−10において、ラインL15はノズル128−12において、ラインL16はノズル128−14において記録し、ノズル128−1、2、15、16は印字範囲外のノズルとして使用しない。
図12(b)は1番ノズルを第2行のノズル群130−2であるノズル128−4に割り当てた場合(使用するノズルの範囲が基準となる範囲から1画素シフトした場合)の画像データGD2の各画素とラインヘッド122Cの各ノズル128との対応を示している。この場合は、画像データGD2のラインL11はノズル128−5において、ラインL12はノズル128−7において、ラインL13はノズル128−9において、ラインL14はノズル128−11において、ラインL15はノズル128−13において、ラインL16はノズル128−15において記録し、ノズル128−1、2、3、16は印字範囲外のノズルとして使用しない。
吐出回数算出部158は、図12(a)、(b)に示した場合について、第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数を算出して比較する。ここでは、1番ノズルを第2行のノズル群130−2に割り当てた図12(b)で示した場合の方が第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数が多い。したがって、シフト部162は、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kにおいて使用するノズルの範囲を基準となる範囲から1画素シフトさせてノズル128−4から128−15までとする。画像記録部120は、このように決定されたノズル128−4から128−15までの範囲のノズルを使用して画像を記録する。
このように、画像データGD1、GD2のいずれの画像を記録する場合であっても、保湿液面との角度が最も大きいラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数を多くすることができる。
ここで、吐出回数算出部158が算出する吐出回数は、用紙Pに形成するドットのサイズに応じて重み付けしてもよい。
例えば、記録用画像データに大、中、小の3種類のドットデータ(複数の異なるサイズのドットの情報の一例)を含み、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kが、大ドット、中ドット、小ドットの3種類の大きさのドットを形成することができるとする。この場合には、大ドットの場合は吐出回数を3回、中ドットの場合は吐出回数を2回、小ドットの場合は吐出回数を1回とカウントすることができる。このような重み付けは、特にラインヘッド122C、122M、122Y、122Kが、複数の液滴の連続吐出によって大ドットや中ドットを形成する場合、即ち1ドットに対する液体吐出回数を制御することで異なるサイズのドットを形成する場合に有効である。
なお、使用するノズルの範囲をシフトした場合は、シフトしない場合(使用するノズルの範囲が基準となる範囲の場合)と比較して、用紙Pに画像を記録した際に画像がX方向にシフト分だけずれた状態となる。しかし、相対的には同じ画像が記録されるため、用紙Pを予めシフト分だけずらして搬送したり、画像記録後の用紙PをX方向にシフト分だけずらして裁断することで、印刷物としては同様に扱うことができる。
以上のように、ノズル面が用紙の搬送方向に沿った方向(Y方向)において水平面に対して傾斜しており、ノズルが用紙に直交する方向(X方向)に2行にマトリクス配置されたラインヘッドを用いて吐出データに基づいてノズルから液体を吐出する際に、吐出データに基づいて、ラインヘッドが使用するノズルの範囲を、2行に配列されたノズル行のうち鉛直方向上方に位置するノズル行の液体の吐出回数を鉛直方向下方に位置するノズル行の液体の吐出回数より多くなるようにシフトすることで、保湿液面と対向させたときに保湿液面からの距離が相対的に遠くなるために湿度が相対的に低下するノズル行の液体の吐出回数を多くすることができるので、保湿時の保湿液面からの距離にかかわらず各ノズルの吐出性を維持することができる。これにより、ラインヘッドの寿命が伸張されるので、ラインヘッドの交換回数を低減し、インクジェット記録装置の寿命の向上とコストダウンを図ることができる。
また、複数のラインヘッドのうち保湿液面との角度が最も大きいラインヘッドを基準にシフトすることで、保湿時の保湿液面からの距離が最も長いノズル群の吐出性を維持することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。第2の実施形態に係るインクジェット記録装置100の装置構成、システム構成は、図1、図2、図3、図8等に示した第1の実施形態と同様である。第2の実施形態のインクジェット記録装置100は、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kのノズル面124C、124M、124Y、124Kにおけるノズル128の配置が第1の実施形態とは異なっている。
〔ノズルの配置〕
図13(a)に示すように、第2の実施形態に係るラインヘッド122Cのノズル面124Cには、16個のノズル128−1、128−2、…、128−16がX方向に4行にマトリクス配置されている。ここでは、用紙Pの搬送方向(Y方向)の最下流側に配置されたノズル128−1、128−5、128−9、128−13を第1行のノズル群130−1、2番目に下流側に配置されたノズル128−2、128−6、128−10、128−14を第2行のノズル群130−2、3番目に下流側に配置されたノズル128−3、128−7、128−11、128−15を第3行のノズル群130−3、用紙Pの搬送方向の最上流側に配置されたノズル128−4、128−8、128−12、128−16を第4行のノズル群130−4とする。
保湿位置における保湿キャップ142Cの保湿液が満杯に貯留されている状態の保湿液面とラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1との距離をhC1、保湿液面と第2行のノズル群130−2との距離をhC2、保湿液面と第3行のノズル群130−3との距離をhC3、保湿液面と第4行のノズル群130−4との距離をhC4とすると、第1の実施形態と同様にノズル面124Cは保湿液に対して角度θだけ傾斜しているため、hC1>hC2>hC3>hC4の関係を有している。
本実施形態においても、4行に配列されたノズルのうち、保湿液面との距離が長い方のノズルから順に第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、第3行のノズル群130−3、第4行のノズル群130−4とする。したがって、ラインヘッド122Mについては、ラインヘッド122Cと同様に用紙Pの搬送方向(Y方向)の下流側が第1行のノズル群130−1となり、ラインヘッド122Y及び122Kについては、用紙Pの搬送方向の上流側が第1行のノズルとなる。
また、図13(b)は、ラインヘッド122Cを上面から見た図であり、ノズル128を透過させて示すとともに、ノズル128をX方向に沿って並ぶように投影した投影ノズル列を示している。第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、第3行のノズル群130−3、第4行のノズル群130−4は、それぞれ各ノズル128がX方向に間隔4Dで配列されており、かつ各ノズル128がX方向にDだけずれて配列されている。その結果、図13(b)に示すように、ラインヘッド122Cのノズル128は、X方向に間隔Dで配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
また、ラインヘッド122M、122Y、122Kのノズル面124M、124Y、124Kについても、ラインヘッド122Cと同様に16個のノズル128−1、128−2、…、128−15、128−16がX方向に4行にマトリクス配置されている。ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kは、iを1から16までの自然数とすると各ノズル128−i同士がY方向に同一直線上に配置されている。
〔画像記録制御〕
次に、第2の実施形態に係る画像記録制御について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1からステップS3までの処理は、第1の実施形態と同様である。ここでは、基準となるラインヘッドはラインヘッド122Cであるとする。
記録用画像データが生成されると、吐出回数算出部158は、1番ノズルを基準となるラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、第3行のノズル群130−3、第4行のノズル群130−4にそれぞれ割り当てた場合の、第1行のノズル群130−1のインクの吐出回数の総数を算出する(ステップS11)。
図15、図16は、1番ノズルの割り当てを説明するための図であり、シアンの記録用画像データの各画素とラインヘッド122Cの各ノズル128とのX方向の位置関係を示している。ここでは、ラインヘッド122Cのノズル128−1、128−2、…、128−16を透過させて示している。
図15(a)は、1番ノズルを第1行のノズル群130−1に割り当てた場合、即ち使用するノズルの範囲が基準となる範囲の場合を示している。図15(a)に示すように、第1行のノズル群130−1であるノズル128−1を1番ノズルに割り当てると、シアンの記録用画像データの各画素のうち第1行のノズル群130−1であるノズル128−1、128−5、128−9において記録する画素が確定する。なお、ノズル128−13は印字範囲外のノズルとなる。この画素のドットの有無の情報から、記録用画像データを記録する際の第1行のノズル群130−1であるノズル128−1、128−5、128−9におけるインクの吐出回数を算出し、さらにこのインクの吐出回数を合計して第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数を算出する。
図15(b)は、1番ノズルを第2行のノズル群130−2に割り当てた場合、即ち使用するノズルの範囲が基準となる範囲からX方向に1画素シフトさせた場合を示している。図15(b)に示すように、第2行のノズル群130−2であるノズル128−2を1番ノズルに割り当てると、シアンの記録用画像データの各画素のうち第1行のノズル群130−1であるノズル128−5、128−9、128−13において記録する画素が確定する。なお、ノズル128−1は印字範囲外のノズルとなる。この画素のドットの有無の情報から、記録用画像データを記録する際の第1行のノズル群130−1である各ノズル128−5、128−9、128−13におけるインクの吐出回数を算出し、さらにこのインクの吐出回数を合計して第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数を算出する。
図16(a)は、1番ノズルを第3行のノズル群130−3に割り当てた場合、即ち使用するノズルの範囲が基準となる範囲からX方向に2画素シフトさせた場合を示している。図16(a)に示すように、第3行のノズル群130−3であるノズル128−3を1番ノズルに割り当てると、シアンの記録用画像データの各画素のうち第1行のノズル群130−1であるノズル128−5、128−9、128−13において記録する画素が確定する。なお、ノズル128−1は印字範囲外のノズルとなる。この画素のドットの有無の情報から、記録用画像データを記録する際の第1行のノズル群130−1である各ノズル128−5、128−9、128−13におけるインクの吐出回数を算出し、さらにこのインクの吐出回数を合計して第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数を算出する。
図16(b)は、1番ノズルを第4行のノズル群130−4に割り当てた場合、即ち使用するノズルの範囲が基準となる範囲からX方向に3画素シフトさせた場合を示している。図16(b)に示すように、第4行のノズル群130−4であるノズル128−4を1番ノズルに割り当てると、シアンの記録用画像データの各画素のうち第1行のノズル群130−1であるノズル128−5、128−9、128−13において記録する画素が確定する。なお、ノズル128−1は印字範囲外のノズルとなる。この画素のドットの有無の情報から、記録用画像データを記録する際の第1行のノズル群130−1である各ノズル128−5、128−9、128−13におけるインクの吐出回数を算出し、さらにこのインクの吐出回数を合計して第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数を算出する。
評価値算出部160は、ステップS11において算出した、1番ノズルを第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、第3行のノズル群130−3、第4行のノズル群130−4のノズルに割り当てた場合の第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数をそれぞれの場合の評価値として取得し、最も適した評価値を有する場合、即ち最も吐出回数の総数が多いノズル群に1番ノズルを設定する(ステップS12)。
以下、第1の実施形態と同様に、シフト部162は、ステップS12において設定されたラインヘッド122Cの1番ノズルに基づいて、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kにおいて使用するノズルの範囲をシフトし(ステップS7)、制御部150は、記録用画像データに基づいて、用紙搬送部110によって搬送される用紙Pに設定された範囲のノズル128によって画像を記録する(ステップS8)。
以上のように、ノズル面が用紙の搬送方向に沿った方向(Y方向)において水平面に対して傾斜しており、ノズルが用紙に直交する方向(X方向)に4行にマトリクス配置されたラインヘッドを用いて吐出データに基づいてノズルから液体を吐出する際に、ラインヘッドが使用するノズルの範囲を、4行に配列されたノズル行のうち鉛直方向最上方に位置するノズル行の液体の吐出回数が最も多くなるようにシフトすることで、保湿液面と対向させたときに保湿液面からの距離が相対的に最も遠くなるために湿度が相対的に最も低下するノズル行の液体の吐出回数を最も多くすることができるので、保湿時の保湿液面からの距離にかかわらず各ノズルの吐出性を維持することができる。
また、複数のラインヘッドのうち保湿液面との角度が最も大きいラインヘッドを基準にシフトすることで、保湿時の保湿液面からの距離が最も長いノズル群の吐出性を維持することができる。
〔画像記録制御の変形例〕
次に、第2の実施形態の変形例に係る画像記録制御について、図17に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1からステップS3までの処理は、第2の実施形態と同様である。ここでは、基準となるラインヘッドはラインヘッド122Cであるとする。
記録用画像データが生成されると、吐出回数算出部158は、1番ノズルを基準となるラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、第3行のノズル群130−3、第4行のノズル群130−4にそれぞれ割り当てた場合の、第1行のノズル群130−1及び第2行のノズル群130−2のインクの吐出回数の総数を算出する(ステップS13)。
評価値算出部160は、ステップS13において算出した、1番ノズルを第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、第3行のノズル群130−3、第4行のノズル群130−4に割り当てた場合の第1行のノズル群130−1及び第2行のノズル群130−2の吐出回数の総数をそれぞれの場合の評価値として取得し、最も適した評価値を有する場合、即ち最も吐出回数の総数が多いノズル群に1番ノズルを設定する(ステップS14)。
以下同様に、シフト部162は、ステップS14において設定されたラインヘッド122Cの1番ノズルに基づいて、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kにおいて使用するノズルの範囲をシフトし(ステップS7)、制御部150は、記録用画像データに基づいて、用紙搬送部110によって搬送される用紙Pに設定された範囲のノズル128によって画像を記録する(ステップS8)。
ここでは、吐出回数算出部158は、1番ノズルを第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、第3行のノズル群130−3、第4行のノズル群130−4にそれぞれ割り当てた場合について、第1行のノズル群130−1及び第2行のノズル群130−2のインクの吐出回数の総数を算出したが、全ての場合について算出しなくてもよい。
例えば、1番ノズルを第1行のノズル群130−1に割り当てた場合と第3行のノズル群130−3に割り当てた場合について、第1行のノズル群130−1及び第2行のノズル群130−2のインクの吐出回数の総数を算出し、適した評価値を有する場合、即ち吐出回数の総数が多いノズル群に1番ノズルを設定してもよい。即ち、Nを2以上の偶数の自然数とすると、ノズル行がX方向にN列(ここでは4列)配置されたラインヘッドにおいて、使用するノズルの範囲が基準となる範囲の場合の保湿液面からの距離が相対的に長い側のN/2列(ここでは2列)の吐出回数の総数と、X方向にN/2画素(ここでは2画素)シフトさせた場合の保湿液面からの距離が相対的に長い側のN/2列(ここでは2列)の吐出回数の総数とを比較し、適した評価値を有する場合、即ち吐出回数の総数が多いノズル群に1番ノズルを設定する態様も可能である。
このように、ラインヘッドが使用するノズルの範囲を4行に配列されたノズル行のうち鉛直方向上方に位置する2行のノズル行の液体の吐出回数が最も多くなるようにシフトすることで、保湿液面と対向させたときに保湿液面からの距離が相対的に遠くなるために湿度が相対的に低下する2行のノズル行の液体の吐出回数を他の2行のノズル行よりも多くすることができるので、保湿時の保湿液面からの距離にかかわらず各ノズルの吐出性を維持することができる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。第3の実施形態に係るインクジェット記録装置100の装置構成、システム構成、ノズル配置は、第2の実施形態と同様である。
〔画像記録制御〕
第3の実施形態に係る画像記録制御について、図18のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1からステップS3までの処理は、第1の実施形態と同様である。これまでと同様に、基準となるラインヘッドはラインヘッド122Cであるとする。
記録用画像データが生成されると、吐出回数算出部158は、1番ノズルを基準となるラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、第3行のノズル群130−3、第4行のノズル群130−4にそれぞれに割り当てた場合の、第1行のノズル群130−1のインクの吐出回数の総数を算出する(ステップS11)。ここで、1番ノズルを第1行のノズル群130−1に割り当てた場合の第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数をx11、1番ノズルを第2行のノズル群130−2に割り当てた場合の第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数をx21、1番ノズルを第3行のノズル群130−3に割り当てた場合の第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数をx31、1番ノズルを第4行のノズル群130−4に割り当てた場合の第1行のノズル群130−1の吐出回数の総数をx41とする。
次に、評価値算出部160は、ステップS11で算出したインクの吐出回数に基づいて、1番ノズルを基準となるラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1に割り当てた場合の評価値v、第2行のノズル群130−2に割り当てた場合の評価値v、第3行のノズル群130−3に割り当てた場合の評価値v、第4行のノズル群130−4に割り当てた場合の評価値vを算出する(ステップS21)。即ち、使用するノズルの範囲を基準となる範囲からX方向に1画素ずつシフトさせた場合の吐出データに基づく評価値を3画素シフトするまで(N−1画素シフトするまでに相当)それぞれ算出する。
ここで、iを自然数とすると、1番ノズルを第i行のノズル群130−iに割り当てた場合の評価値vは以下の式を用いて算出することができる。
=(第1行のノズル群130−1の吐出回数)×4+(第2行のノズル群130−2の吐出回数)×3+(第3行のノズル群130−3の吐出回数)×2+(第4行のノズル群130−4の吐出回数)×1
例えば、1番ノズルを第1行のノズル群130−1に割り当てた場合の第1行のノズル群130−1の吐出回数をx11、第2行のノズル群130−2の吐出回数をx12、第3行のノズル群130−3の吐出回数をx13、第4行のノズル群130−4の吐出回数をx14とすると、このときの評価値vは、
=4x11+3x12+2x13+x14
と表すことができる。
また、1番ノズルを第2行のノズル群130−2に割り当てた場合の第1行のノズル群130−1の吐出回数をx21、第2行のノズル群130−2の吐出回数をx22、第3行のノズル群130−3の吐出回数をx23、第4行のノズル群130−4の吐出回数をx24とすると、このときの評価値vは、
=4x21+3x22+2x23+x24
と表すことができる。
同様に、1番ノズルを第3行のノズル群130−3に割り当てた場合の第1行のノズル群130−1の吐出回数をx31、第2行のノズル群130−2の吐出回数をx32、第3行のノズル群130−3の吐出回数をx33、第4行のノズル群130−4の吐出回数をx34、1番ノズルを第4行のノズル群130−4に割り当てた場合の第1行のノズル群130−1の吐出回数をx41、第2行のノズル群130−2の吐出回数をx42、第3行のノズル群130−3の吐出回数をx43、第4行のノズル群130−4の吐出回数をx44とすると、評価値v、vは、
=4x31+3x32+2x33+x34
=4x41+3x42+2x43+x44
と表すことができる。
ここで、図15、図16に示すように、
11=x22=x33=x44
21=x32=x43=x14
31=x42=x13=x24
41=x12=x23=x34
の関係が成り立つ。したがって、各評価値vは、
=4x11+3x41+2x31+x21
=4x21+3x11+2x41+x31
=4x31+3x21+2x11+x41
=4x41+3x31+2x21+x11
と表すことができる。
評価値算出部160は、このように算出した評価値v、v、v、vに基づいて、最も適した評価値を有する行、即ち最も高い評価値を有するノズル群に1番ノズルを設定する(ステップS22)。
以下、これまでと同様に、シフト部162は、ステップS22において設定されたラインヘッド122Cの1番ノズルに基づいて、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kにおいて使用するノズルの範囲をシフトし(ステップS7)、制御部150は、記録用画像データに基づいて、用紙搬送部110によって搬送される用紙Pに設定された範囲のノズル128によって画像を記録する(ステップS8)。
本実施形態では、評価値算出のための重み付け係数として、第1行のノズル群130−1の吐出回数に4、第2行のノズル群130−2の吐出回数に3、第3行のノズル群130−3の吐出回数に2、第4行のノズル群130−4の吐出回数に1を乗算したが、重み付け係数はこの値に限定されるものではない。例えば、保湿液が満杯に貯留されている状態の保湿位置における保湿液面との距離を重み付け係数とし、各ノズル行の保湿位置における保湿液面との距離と記録用画像データに基づく各ノズルの吐出回数との関数によって評価値を算出することも可能である。また、実際に貯留されている保湿液の量に応じた保湿液面との距離を重み付け係数として用いてもよい。
以上のように、ノズル面が用紙の搬送方向に沿った方向(Y方向)において水平面に対して傾斜しており、ノズルが用紙に直交する方向(X方向)に4行に渡ってマトリクス配置されたラインヘッドを用いて吐出データに基づいてノズルから液体を吐出する際に、使用するノズルの範囲を基準となる範囲からX方向に1画素ずつシフトさせた場合の吐出データに基づく評価値を3画素シフトするまでそれぞれ算出し、最も適した評価値を有するノズルの範囲を使用するノズルの範囲とすることで、保湿液面と対向させたときに保湿液面からの距離が相対的に遠くなるために湿度が相対的に低下するノズル行の液体の吐出回数を多くすることができるので、保湿時の保湿液面からの距離にかかわらず各ノズルの吐出性を維持することができる。
また、複数のラインヘッドのうち保湿液面との角度が最も大きいラインヘッドを基準に評価値の算出やシフトをすることで、保湿時の保湿液面からの距離が最も長いノズル群の吐出性を維持することができる。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。第4の実施形態に係るインクジェット記録装置100の装置構成、システム構成は、第2の実施形態と同様である。第4の実施形態のインクジェット記録装置100は、ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kのノズル面124C、124M、124Y、124Kにおけるノズル128の配置が第1、2、3の実施形態とは異なっている。
〔ノズルの配置〕
図19(a)に示すように、第4の実施形態に係るラインヘッド122Cのノズル面124Cには、nを自然数とすると、ノズル128−1、128−2、…、128−(n−1)、128−n、128−(n+1)、128−(n+2)、…がX方向にn行にマトリクス配置されている。即ち、X方向に沿って複数のノズル128が並んだノズル行がY方向に沿ってn列配置されている。ここでは、用紙Pの搬送方向(Y方向)の最下流側に配置されたノズル行を第1行のノズル群130−1、2番目に下流側に配置されたノズル行を第2行のノズル群130−2、…、上流側から2番目に配置されたノズル行を第(n−1)行のノズル群130−(n−1)、用紙Pの搬送方向の最上流側に配置されたノズル行を第n行のノズル群130−nと表記する。
iを自然数、保湿位置における保湿キャップ142Cの保湿液面とラインヘッド122Cの第i行のノズル群130−iとの距離をhCiとすると、これまでと同様に、hCi>hC(i+1)の関係を有している。
本実施形態においても、n行に配列されたノズルのうち、保湿液面との距離が長い方のノズルから順に第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、…、第n行のノズル群130−nとする。したがって、ラインヘッド122Mについては、ラインヘッド122Cと同様に用紙Pの搬送方向(Y方向)の下流側が第1行のノズル群130−1となり、ラインヘッド122Y及び122Kについては、用紙Pの搬送方向の上流側が第1行のノズル群130−1となる。
また、図19(b)は、ラインヘッド122Cを上面から見た図であり、ノズル128を透過させて示すとともに、ノズル128をX方向に沿って並ぶように投影した投影ノズル列を示している。第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、…、第n行のノズル群130−nは、それぞれ各ノズル128がX方向に間隔n×Dで配列されており、かつ各ノズル128がX方向にDだけずれて配列されている。その結果、図19(b)に示すように、ラインヘッド122Cのノズル128は、X方向に間隔Dで配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
また、ラインヘッド122M、122Y、122Kのノズル面124M、124Y、124Kについても、ラインヘッド122Cと同様にノズル128−1、128−2、…がX方向にn行にマトリクス配置されている。各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kは、iを自然数とすると各ノズル128−i同士がY方向に同一直線上に配置されている。
〔画像記録制御〕
第4の実施形態に係る画像記録制御について、図20のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1からステップS3までの処理は、第1の実施形態と同様である。これまでと同様に、基準となるラインヘッドはラインヘッド122Cであるとする。
記録用画像データが生成されると、吐出回数算出部158は、1番ノズルを基準となるラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、…、第n行のノズル群130−nにそれぞれ割り当てた場合の、第1行のノズル群130−1のインクの吐出回数の総数を算出する(ステップS31)。ここで、1番ノズルを第1行のノズル群130−1に割り当てた際の第1行のノズルの吐出回数の総数をx11、1番ノズルを第2行のノズル群130−2に割り当てた際の第1行のノズルの吐出回数の総数をx21、…、1番ノズルを第(n−1)行のノズル群130−(n−1)に割り当てた際の第1行のノズルの吐出回数の総数をx(n−1)1、1番ノズルを第n行のノズル群130−nに割り当てた際の第1行のノズルの吐出回数の総数をxn1する。
次に、評価値算出部160は、ステップS31で算出した第1行のノズルの吐出回数の総数に基づいて、1番ノズルを基準となるラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1に割り当てた場合の評価値v、第2行のノズル群130−2に割り当てた場合の評価値v、…、第n行のノズル群130−nに割り当てた場合の評価値vを算出する(ステップS32)。即ち、使用するノズルの範囲を基準となる範囲からX方向に1画素ずつシフトさせた場合の吐出データに基づく評価値を(n−1)画素シフトするまでそれぞれ算出する。
ここで、iを自然数とすると、1番ノズルを第i行のノズル群130−iに割り当てた場合の評価値vは以下の式を用いて算出することができる。
=(第1行のノズル群130−1の吐出回数)×n+(第2行のノズル群130−2の吐出回数)×(n−1)+・・・+(第n−1行のノズル群130−(n−1)の吐出回数)×2+(第n行のノズル群130−nの吐出回数)×1
ここで、第3の実施形態において説明したように、各評価値vは、ステップS31で算出した1番ノズルを基準となるラインヘッド122Cの第1行のノズル群130−1、第2行のノズル群130−2、…、第(n−1)行のノズル群130−(n−1)、第n行のノズル群130−nにそれぞれ割り当てた場合の第1行のノズル群130−1のインクの吐出回数の総数x11、x21、…、x(n−1)1、xn1を用いて表すことができる。
評価値算出部160は、このように算出した評価値v、v、…、v(n−1)、vに基づいて、最も適した評価値を有する行、即ち最も高い評価値を有するノズル群に1番ノズルを設定する(ステップS33)。
以下、これまでと同様に、シフト部162は、ステップS33において設定されたラインヘッド122Cの1番ノズルに基づいて、各ラインヘッド122C、122M、122Y、122Kにおいて使用するノズルの範囲をシフトし(ステップS7)、制御部150は、記録用画像データに基づいて、用紙搬送部110によって搬送される用紙Pに設定された範囲のノズル128によって画像を記録する(ステップS8)。
本実施形態では、評価値算出のための重み付け係数として、第1行のノズル群130−1の吐出回数にn、第2行のノズル群130−2の吐出回数にn−1、…、第(n−1)行のノズル群130−(n−1)の吐出回数に2、第n行のノズル群130−nの吐出回数に1を乗算したが、重み付け係数はこの値に限定されるものではない。
評価値vは、各重み付け係数をa(x=1、2、…、n−1、n)とし、
=(第1行のノズル群130−1の吐出回数)×a+(第2行のノズル群130−2の吐出回数)×a+・・・+(第n−1行のノズル群130−(n−1)の吐出回数)×a(n−1)+(第n行のノズル群130−nの吐出回数)×a
とすることもできる。
各重み付け係数aとして、保湿液が満杯に貯留されている状態の保湿位置における保湿液面との距離を用いることも可能である。
以上のように、ノズル面が用紙の搬送方向に沿った方向(Y方向)において水平面に対して傾斜しており、ノズルが用紙に直交する方向(X方向)にn行にマトリクス配置されたラインヘッドを用いて吐出データに基づいてノズルから液体を吐出する際に、使用するノズルの範囲を基準となる範囲からX方向に1画素ずつシフトさせた場合の吐出データに基づく評価値を(n−1)画素シフトするまでそれぞれ算出し、最も適した評価値を有するノズルの範囲を使用するノズルの範囲とすることで、保湿液面と対向させたときに保湿液面からの距離が相対的に遠くなるために湿度が相対的に低下するノズル行の液体の吐出回数を多くすることができるので、保湿時の保湿液面からの距離にかかわらず各ノズルの吐出性を維持することができる。
また、複数のラインヘッドのうち保湿液面との角度が最も大きいラインヘッドを基準に評価値の算出やシフトをすることで、保湿時の保湿液面からの距離が最も長いノズル群の吐出性を維持することができる。
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。
〔インクジェット記録装置のシステム構成〕
図21は、第5の実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図である。なお、図8に示すブロック図と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図21に示すように、第5の実施形態に係るインクジェット記録装置100は、湿度センサ164を備えている。湿度センサ164は、インクジェット記録装置100の雰囲気湿度(環境湿度)を測定する湿度測定手段である。
〔画像記録制御〕
次に、第5の実施形態に係る画像記録制御について、図22に示したフローチャートを用いて説明する。なお、図20に示すフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS3において記録用画像データが生成されると、制御部150は湿度センサ164からインクジェット記録装置100の雰囲気湿度の測定値を取得する(ステップS41)。
制御部150は、取得した湿度の測定値が、閾値未満であるか否かを判定する(ステップS42)。この閾値は、予め記憶部154に記憶されている。
インクジェット記録装置100の雰囲気湿度が閾値未満の場合は、画像記録制御において、シフト処理を行う(ステップS43)。ここでシフト処理とは、図8に示すフローチャートのステップS4、S5、S6の処理や、図20に示すフローチャートのステップS31、S32、S33の処理等を指す。
インクジェット記録装置100の雰囲気湿度が低い場合には、保湿位置においてラインヘッド122C、122M、122Y、122Kのノズル面124C、124M、124Y、124Kを保湿する際に、保湿液面からの距離が相対的に長い第1行のノズル群130−1が十分に保湿できず、乾燥による不吐出が相対的に発生しやすくなる可能性がある。
したがって、これまで説明したように、保湿液面と対向させたときに保湿液面からの距離が相対的に長いノズル行の液体の吐出回数を多くするように、シフト処理を行い、画像処理を行う(ステップS8)。これにより、保湿位置における液面との距離によらずにノズルの吐出性を維持することができる。
一方、インクジェット記録装置100の雰囲気湿度が閾値以上の場合は、シフト処理を行わない(ステップS44)。この場合は、使用するノズルの範囲を基準となる範囲として、記録用画像データを各ノズル128に割り当てて画像を記録する(ステップS8)。
シフト処理を行うとノズルの使用頻度が偏在化する。これによりラインヘッドの寿命が短くなる可能性がある。したがって、雰囲気湿度が相対的に高い場合は、不必要なシフト処理を行わず、通常の画像記録を行う。これにより、ノズルの使用頻度を均一化することができ、ラインヘッドの寿命を延ばすことができる。
以上のように、雰囲気湿度に応じてシフト処理の有無を切り替えることで、ラインヘッドを長寿命化することができる。
なお、ここでは湿度センサはインクジェット記録装置の雰囲気湿度を測定したが、保湿位置におけるラインヘッドのノズル面の湿度を測定してもよい。
本発明に係る液体吐出装置は、画像記録装置としてのインクジェット記録装置100に限られず、3D(3次元)プリンタや、インクジェット方式の電子回路の配線装置等の液体を吐出するヘッドを有する装置に適用することが可能である。
本発明の技術的範囲は、上記実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合せることができる。
100…インクジェット記録装置、110…用紙搬送部、120…画像記録部、122C,122M,122Y,122K…ラインヘッド、124C,124M,124Y,124K…ノズル面、128…ノズル、140…メンテナンス部、142C,142M,142Y,142K…保湿キャップ、150…制御部、152…画像取得部、154…記憶部、156…画像処理部、158…吐出回数算出部、160…評価値算出部、162…シフト部、164…湿度センサ、GD1,GD2…記録用画像データ

Claims (12)

  1. 水平面に対して傾斜した搬送経路で媒体を搬送する搬送手段と、
    鉛直方向下側に面したノズル面に配置された複数のノズルから液体を吐出するラインヘッドであって、前記ノズル面が前記搬送経路に沿った第1の方向において水平面に対して傾斜したラインヘッドと、
    前記ノズル面を保湿するための保湿液を貯留した保湿手段と、
    前記ノズル面が前記搬送経路と対向する吐出位置及び前記ノズル面が前記保湿液の液面と対向する保湿位置のいずれか一方の位置に前記ラインヘッドを相対移動させる移動手段と、
    前記媒体に対して液体を吐出するための吐出データであって、画素毎の液体の吐出の有無の情報を含む画素データからなる吐出データを取得する吐出データ取得手段と、
    前記ラインヘッドの複数のノズルのうち一定範囲内にあるノズルであって、前記吐出データの前記第1の方向に交差する第2の方向の画素数と同数のノズルを使用して前記吐出位置において前記吐出データに基づく液体を吐出する吐出制御手段と、
    前記吐出データに基づいて、前記吐出制御手段が使用するノズルの範囲をシフトするシフト手段であって、前記保湿位置において前記液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群の液体を吐出する回数が前記保湿位置において前記液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群の液体を吐出する回数より多い範囲にシフトするシフト手段と、
    を備えた液体吐出装置。
  2. 前記シフト手段は、前記保湿位置における前記ノズル群の前記液面との距離と前記吐出データに基づく前記各ノズルの液体吐出回数との関数によって評価値を算出する評価値算出手段を備え、
    前記算出した評価値に基づいて前記使用するノズルの範囲をシフトする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記吐出データは、複数の異なるサイズのドットの情報を含み、
    前記関数は、前記各ノズルの液体吐出回数が前記サイズの情報に応じて重み付けされている請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記吐出制御手段は、1ドットに対する液体吐出回数を制御することで前記異なるサイズのドットを形成する請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. Nを2以上の偶数の自然数とすると、前記ノズル面には、前記第2の方向に沿って複数のノズルが並んだノズル列が前記第1の方向に沿ってN列配置されており、
    前記評価値算出手段は、前記使用するノズルの範囲を基準となる範囲とした場合の評価値と、前記第2の方向にN/2画素シフトさせた場合の評価値とをそれぞれ算出し、
    前記シフト手段は、適した評価値を有するノズルの範囲を前記使用するノズルの範囲とする請求項2から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. Nを2以上の自然数とすると、前記ノズル面には、前記第2の方向に沿って複数のノズルが並んだノズル列が前記第1の方向に沿ってN列配置されており、
    前記評価値算出手段は、前記使用するノズルの範囲を基準となる範囲から前記第2の方向に1画素ずつシフトさせた場合の評価値をN−1画素シフトするまでそれぞれ算出し、
    前記シフト手段は、最も適した評価値を有するノズルの範囲を前記使用するノズルの範囲とする請求項2から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 環境湿度を測定する湿度測定手段を備え、
    前記シフト手段は、前記測定した湿度が閾値より低い場合のみ前記使用するノズルの範囲をシフトする請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 複数の前記ラインヘッドを備え、
    前記吐出データ取得手段はラインヘッド毎の吐出データを取得し、
    前記シフト手段は、水平面との傾斜が相対的に最も大きいノズル面を有する第1のラインヘッドについて前記保湿位置において前記液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数が前記保湿位置において前記液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数より多い範囲にシフトし、前記第1のラインヘッド以外のラインヘッドについては前記第1のラインヘッドにおけるノズルの範囲のシフトに基づいて前記使用するノズルの範囲をシフトする請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. それぞれ異なる液体を吐出する複数の前記ラインヘッドを備え、
    前記吐出データ取得手段は液体毎の吐出データを生成し、
    前記シフト手段は、揮発性が相対的に最も高い液体を吐出する第1のラインヘッドについて前記保湿位置において前記液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数が前記保湿位置において前記液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数より多い範囲にシフトし、前記第1のラインヘッド以外のラインヘッドについては前記第1のラインヘッドにおけるノズルの範囲のシフトに基づいて前記使用するノズルの範囲をシフトする請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  10. それぞれ異なる色のインクを吐出する複数の前記ラインヘッドを備え、
    前記吐出データ取得手段はインク色毎の画像データを取得し、
    前記シフト手段は、視認性が相対的に最も高い色のインクを吐出する第1のラインヘッドについて前記保湿位置において前記液面との距離が相対的に長い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数が前記保湿位置において前記液面との距離が相対的に短い位置に配置されたノズル群のインクを吐出する回数より多い範囲にシフトし、前記第1のラインヘッド以外のラインヘッドについては前記第1のラインヘッドにおけるノズルの範囲のシフトに基づいて前記使用するノズルの範囲をシフトする請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記保湿手段は、前記保湿位置において前記ノズル面と前記液面とが形成する空間を密閉せずに前記ノズル面を保湿する請求項1から10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  12. 前記搬送手段は、前記媒体を外周面に保持して搬送する円筒形状の搬送ドラムを備えた請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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