JP2016027701A - 半導体装置、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な構成の半導体装置を提供すること。
【解決手段】パイプライン処理を行う半導体装置において、実行ステージにおける第1の演算器と第2の演算器を設け、それぞれにパワーゲーティングを行うためのトランジスタを設ける。そして演算を行う演算器のみに電源供給を行うよう動作させることで、細粒度でのパワーゲーティングを行うことができ、半導体装置の低消費電力化を図ることができる。パワーゲーティングを行うためのトランジスタは、チャネル形成領域に酸化物半導体を有し、電源線間のリーク電流の低減を図ることができる。また、演算器が有するトランジスタと別の層に設けることができるため、トランジスタを増やしたことによる、面積オーバーヘッドを小さくすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、半導体装置に関する。
なお本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)と、シリコンをチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、Siトランジスタ)と、を組み合わせてデータに応じた電荷を保持できる半導体装置の技術開発が進んでいる(例えば特許文献1を参照)。
特開2013−9297号公報
本発明の一態様は、新規な半導体装置等を提供することを課題の一とする。
または、本発明の一態様は、回路面積の増大を抑制しつつ、細粒度でのパワーゲーティングを行うことによって低消費電力化が図ることのできる、新規な構成の半導体装置等を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、設計の効率化が図られた、新規な構成の半導体装置等を提供することを課題の一とする。
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した記載、及び/又は他の課題のうち、少なくとも一つの課題を解決するものである。
本発明の一態様は、パイプライン処理を行う半導体装置であって、パイプライン処理を行うための実行ステージは、第1の演算部と、第2の演算部と、を有し、第1の演算部は、第1の演算器と、第1のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタは、第1の演算器に電源電圧を与える配線間に設けられ、第1のトランジスタは、非導通状態とすることで、第1の演算器への電源電圧の供給を停止する機能を有し、第2の演算部は、第2の演算器と、第2のトランジスタと、を有し、第2のトランジスタは、第2の演算器に電源電圧を与える配線間に設けられ、第2のトランジスタは、非導通状態とすることで、第2の演算器への電源電圧の供給を停止する機能を有し、記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、デコーダでデコードされた命令に従って、非導通状態が制御される、半導体装置である。
本発明の一態様は、パイプライン処理を行う半導体装置であって、パイプライン処理を行うための実行ステージは、第1の演算部と、第2の演算部と、を有し、第1の演算部は、第1の演算器と、第1のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタは、第1の演算器に電源電圧を与える配線間に設けられ、第1のトランジスタは、非導通状態とすることで、第1の演算器への電源電圧の供給を停止する機能を有し、第2の演算部は、第2の演算器と、第2のトランジスタと、を有し、第2のトランジスタは、第2の演算器に電源電圧を与える配線間に設けられ、第2のトランジスタは、非導通状態とすることで、第2の演算器への電源電圧の供給を停止する機能を有し、第1の演算器及び第2の演算器は、第3のトランジスタを有し、記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、デコーダでデコードされた命令に従って、非導通状態が制御され、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタと、第3のトランジスタとは、異なる層に設けられている、半導体装置である。
本発明の一態様において、第3のトランジスタは、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタである半導体装置が好ましい。
本発明の一態様において、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、チャネル形成領域に酸化物半導体を有し、酸化物半導体は、In、Ga、及びZnを有する、半導体装置が好ましい。
本発明の一態様において、第3のトランジスタのソース電極又はドレイン電極は、第1のトランジスタ又は第2のトランジスタのソース電極又はドレイン電極と、重なる領域を有する、半導体装置が好ましい。
なおその他の本発明の一態様については、以下で述べる実施の形態における説明、及び図面に記載されている。
本発明の一態様は、新規な構成の半導体装置等を提供することができる。
または、本発明の一態様は、回路面積の増大を抑制しつつ、細粒度でのパワーゲーティングを行うことによって低消費電力化が図ることのできる、新規な構成の半導体装置等を提供することができる。または、本発明の一態様は、設計の効率化が図られた、新規な構成の半導体装置等を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
半導体装置の構成例。 半導体装置の構成例。 半導体装置の構成例。 半導体装置の構成例。 半導体装置の構成例。 半導体装置の構成例。 半導体装置の構成例。 半導体装置の断面構造を示す図。 半導体装置の構成例。 半導体装置の構成例。 半導体装置の構成例。 トランジスタの構造を示す図。 トランジスタの構造を示す図。 チップとモジュールの図。 電子機器の図。 トランジスタの構造を示す図。 半導体装置の構成例。 半導体装置の構成例。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本発明の一態様は、集積回路、RFタグ、半導体表示装置など、パワーゲーティングを行うことができる半導体装置を、その範疇に含む。なお、集積回路には、マイクロプロセッサ、画像処理回路、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロコントローラを含むLSI(Large Scale Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)やCPLD(Complex PLD)などのプログラマブル論理回路(PLD:Programmable Logic Device)が、その範疇に含まれる。また、半導体表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、電子ペーパー、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等や、その他の半導体表示装置が、その範疇に含まれる。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
また本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又はソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソースとを介して電流を流すことができるものである。
ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるため、いずれがソース又はドレインであるかを限定することが困難である。そこで、ソースとして機能する部分、及びドレインとして機能する部分を、ソース又はドレインと呼ばず、ソースとドレインとの一方を第1電極と表記し、ソースとドレインとの他方を第2電極と表記する場合がある。
なお本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
なお本明細書において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間で、何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、AとBとの電気信号の授受を可能とするものをいう。
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
または、別の表現方法として、例えば、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)との間の経路であり、前記第1の接続経路は、Z1を介した経路であり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有しておらず、前記第3の接続経路は、Z2を介した経路である。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路によって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した接続経路を有し、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路によって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有していない。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の電気的パスによって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の電気的パスは、第2の電気的パスを有しておらず、前記第2の電気的パスは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)からトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)への電気的パスであり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の電気的パスによって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の電気的パスは、第4の電気的パスを有しておらず、前記第4の電気的パスは、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)からトランジスタのソース(又は第1の端子など)への電気的パスである。」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続経路について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電層、層、など)であるとする。
なお本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
なお図面におけるブロック図の各回路ブロックの配置は、説明のため位置関係を特定するものであり、異なる回路ブロックで別々の機能を実現するよう示していても、実際の回路ブロックにおいては同じ回路ブロック内で別々の機能を実現しうるように設けられている場合もある。また図面における各回路ブロックの機能は、説明のため機能を特定するものであり、一つの回路ブロックとして示していても、実際の回路ブロックにおいては一つの回路ブロックで行う処理を、複数の回路ブロックで行うよう設けられている場合もある。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の構成例について説明する。
本発明の一態様に係る半導体装置の構成を一例として図1に示す。図1に示す半導体装置100は、命令メモリ11と、デコーダ12と、レジスタファイル13と、演算部14_1と、演算部14_2と、データメモリ15と、パイプラインレジスタ16_1乃至16_4を有する。
演算部14_1は、演算器17_1と、トランジスタ18_1と、を有する。演算部14_2は、演算器17_2と、トランジスタ18_2と、を有する。演算器17_1及びトランジスタ18_1、並びに演算器17_2及びトランジスタ18_2は、電源電圧を与える配線間に設けられる。電源電圧は、電位VDDと電位VSS(VDD>VSS)が与えられる。演算器17_1は第1の演算器、演算器17_2は第2の演算器という場合がある。なお本実施の形態の説明では、一例として2つの演算部を用いて説明するが、実際の回路構成では演算部は3つ以上設けられていてもよい。
トランジスタ18_1は制御信号Sl_1、トランジスタ18_2は制御信号Sl_2によって導通状態又は非導通状態を制御される。トランジスタ18_1及びトランジスタ18_2の導通状態又は非導通状態を制御することで、電源電圧を与える配線間の電気的な接続を切り替えることができ、演算器17_1及び演算器17_2への電源電圧の供給の切り替えを行うことができる。
なお演算器17_1及び演算器17_2は、四則演算、論理演算などの各種演算処理を行う、組み合わせ回路としての機能を有する。演算器の一例としては、加算や減算を行う場合にはALU(Arithmetic Logic Unit)、乗算を行う場合には乗算器(MULTと略記する場合がある。)を用いればよい。
なお図1に示す半導体装置100は、パイプライン処理を行う機能を有する回路である。図1では、パイプラインレジスタ16_1乃至16_4で区分けされた回路ブロック毎に、命令フェッチステージ(IF stage)、命令デコードステージ(ID stage)、実行ステージ(Ex stage)、メモリアクセスステージ(MEM stage)、ライトバックステージ(WB stage)、を示している。各ステージでは、クロックに従って次のステージへのデータの転送が制御される。
なお図1に示すパイプライン処理を行う機能を有する半導体装置では、5段のパイプライン処理を行うために、各ステージを区分けするためのパイプラインレジスタ16_1乃至16_4を設ける構成を示したが、5段以外のパイプライン処理を行う構成としてもよい。また、スーパースカラ方式等の別の方式と組み合わせてもよい。
本発明の一態様は、パイプライン処理を行う半導体装置において、実行ステージにおける演算器17_1と演算器17_2を設け、それぞれにパワーゲーティングを行うためのトランジスタ18_1及びトランジスタ18_2が接続されるように設ける。そして演算を行う演算器のみに電源電圧の供給を行うよう動作させることで、細粒度でのパワーゲーティングを行うことができ、半導体装置の低消費電力化を図ることができる。トランジスタ18_1及びトランジスタ18_2は、チャネル形成領域に酸化物半導体を有し、電源線間のリーク電流の低減を図ることができる。また、演算器が有するトランジスタと別の層に設けることができるため、トランジスタを増やしたことによる、面積オーバーヘッドを小さくすることができる。
命令メモリ11は、半導体装置100で実行する命令を記憶する。記憶された命令は、パイプラインレジスタ16_1に保持されたのち、クロックに従って命令フェッチステージから命令デコードステージに、転送される。
デコーダ12は、半導体装置100で実行する命令をデコードする。デコードされた命令に従って演算を行うためのデータが決まる。演算を行うためのデータは、デコーダ12及び/又はレジスタファイル13から出力される。演算を行うためのデータは、パイプラインレジスタ16_2に保持されたのち、クロックに従って命令デコードステージから実行ステージに、転送される。
演算部14_1及び演算部14_2を有する実行ステージでは、命令デコードステージでデコードされた命令に従って、いずれか一の演算部の演算器を用いて演算を行う。演算によって得られたデータは、パイプラインレジスタ16_3に保持されたのち、クロックに従って実行ステージからメモリアクセスステージに、転送される。例えば、演算器17_1がALU、演算器17_2がMULTの場合、命令によって行う演算が加算の場合には、ALU、すなわち演算器17_1を用いて演算を行う。この場合、演算器17_2であるMULT、あるいはその他の演算器は、アイドル状態となる。
なお図1に示す半導体装置では、演算部として、演算部14_1及び演算部14_2の2つを示したが、3つ以上の演算部を有する構成としてもよい。3つ以上の演算部を有する構成においても、各演算部が有する演算器毎にトランジスタを設ける構成とし、演算を行う演算器のみに電源電圧の供給を行うよう動作させ、細粒度でのパワーゲーティングを行えばよい。
データメモリ15は、演算によって得られたデータを記憶する。データメモリ15は、例えば、レジスタ、又はSRAM等の回路を用いることができる。データメモリ15に記憶されたデータ、又は直接実行ステージから転送されるデータは、パイプラインレジスタ16_4に保持されたのち、クロックに従ってメモリアクセスステージからライトバックステージに、転送される。
ライトバックステージでは、転送されたデータを命令デコードステージにあるレジスタファイル13に記憶する。
以上説明した図1中の各回路ブロックの機能、及び各ステージの機能は、本発明の一態様を説明するための一例である。なお、図1に示す半導体装置の構成では、例えば、各回路ブロックを制御するための制御回路等、又は外部記憶回路とのデータ及び命令を転送する経路等については省略して図示している。
図1の半導体装置100における実行ステージにおいて、演算を行わない他の演算部の演算器は、アイドル状態である。この演算を行わない演算器は、パワーゲーティングを行うことで半導体装置100の低消費電力を図ることができる。
演算器17_1及び演算器17_2を構成するトランジスタと、パワーゲーティングを行うためのトランジスタ18_1及びトランジスタ18_2と、を異なる層に設ける構成とする。該構成とすることで、パワーゲーティングを行うためのトランジスタを増やすことに伴う回路面積の増加を抑制することができる。
演算器17_1及び演算器17_2を構成するトランジスタには、シリコンをチャネル形成領域に用いたトランジスタ(Siトランジスタ)が好ましい。また、トランジスタ18_1及びトランジスタ18_2には、酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(OSトランジスタ)が好ましい。
Siトランジスタは、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、単結晶シリコンは、多結晶シリコン又はアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
OSトランジスタは、酸化物半導体中の不純物濃度を低減し、酸化物半導体を真性または実質的に真性にすることでオフ電流を極めて低くできるため好ましい。オフ電流が小さいOSトランジスタを、パワーゲーティングを行うためのトランジスタ18_1及びトランジスタ18_2に用いることで、パワーゲーティング時の電源線間を流れるリーク電流を極めて小さくし、半導体装置の低消費電力化を図ることができる。
本明細書において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
トランジスタのオフ電流は、Vgsに依存する場合がある。従って、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsが存在するときに、トランジスタのオフ電流がI以下である、と言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、Vgsが所定の値であるときのオフ電流、Vgsが所定の範囲内の値であるときのオフ電流、または、Vgsが十分に低減されたオフ電流が得られる値であるときのオフ電流を指す場合がある。
一例として、しきい値電圧Vthが0.5Vであり、Vgsが0.5Vであるときのドレイン電流が1×10−9Aであり、Vgsが0.1Vにおけるドレイン電流が1×10−13Aであり、Vgsが−0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−19Aであり、Vgsが−0.8Vにおけるドレイン電流が1×10−22Aであるようなnチャネル型トランジスタを想定する。当該トランジスタのドレイン電流は、Vgsが−0.5Vにおいて、または、Vgsが−0.5V乃至−0.8Vの範囲において、1×10−19A以下であるから、当該トランジスタのオフ電流は1×10−19A以下である、と言う場合がある。当該トランジスタのドレイン電流が1×10−22A以下となるVgsが存在するため、当該トランジスタのオフ電流は1×10−22A以下である、と言う場合がある。
本明細書では、チャネル幅Wを有するトランジスタのオフ電流を、チャネル幅Wあたりの電流値で表す場合がある。また、所定のチャネル幅(例えば1μm)あたりの電流値で表す場合がある。後者の場合、オフ電流の単位は、電流/長さ(例えば、A/μm)で表される場合がある。
トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、または125℃におけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在するときに、トランジスタのオフ電流がI以下である、と言う場合がある。
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧Vdsに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsの絶対値が0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、または20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVdsにおけるオフ電流、を表す場合がある。Vdsが所定の値であるときに、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsが存在する場合、トランジスタのオフ電流がI以下である、と言うことがある。ここで、所定の値とは、例えば、0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、20V、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVdsの値、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVdsの値である。
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
本明細書では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。
本明細書において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
なおトランジスタ18_1及びトランジスタ18_2などのトランジスタとして、チャネル形成領域に酸化物半導体を有する場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。本発明の一態様のおけるトランジスタ18_1及びトランジスタ18_2は、オフ電流が小さければよく、オフ電流が小さければ別の半導体材料を有していてもよい。例えば、半導体層として、非晶質半導体、微結晶半導体、多結晶半導体等を用いてもよい。例えば、非晶質シリコンや、微結晶ゲルマニウムや、多結晶シリコン等を用いてもよい。例えば、場合によっては、または、状況に応じて、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、有機半導体などを有することもできる。
SiトランジスタとOSトランジスタは、層間絶縁層を挟んで積層して、異なる層に設けることができる。そのためSiトランジスタを、パワーゲーティングを行うためのトランジスタ18_1及びトランジスタ18_2に用いた場合に比べ、面積オーバーヘッドを小さくすることができる。加えて、面積オーバーヘッドが小さくなることに伴い、より粒度の細かい回路ブロック毎のパワーゲーティングを行うことができるため、演算器のように小さい回路ブロック毎のパワーゲーティングを行うことができる。
パワーゲーティングを行うためのOSトランジスタは、演算器を構成するスタンダードセルのような、粒度の細かい回路ブロックに適用することができる。そのため、演算器を構成する組み合わせ回路に、パワーゲーティングを行うためのトランジスタを含めた回路構成をスタンダードセルとして、演算器の機能に基づく論理合成を行うことができる。この場合、論理合成した後に、パワーゲーティングを行うためのトランジスタの回路構成を追加で考慮する場合に比べて、設計の簡略化を図ることができる。
次いで図2、図3では、図1に示す半導体装置の具体的な動作の一例について、説明する。
図2(A)、(B)では、制御信号Sl_1、制御信号Sl_2をパイプラインレジスタ16_2から出力される信号として説明する。パイプラインレジスタ16_2から出力される制御信号Sl_1、制御信号Sl_2は、命令デコードステージで生成され、次の実行ステージにデータが転送される動作に同期して切り替えられる信号となる。図2(A)には、パイプラインレジスタ16_2から出力される制御信号Sl_1及び制御信号Sl_2を図示している。
次いで図2(B)には、図1に示す半導体装置100において、各種命令をパイプライン処理する際の制御信号Sl_1、制御信号Sl_2の動作の一例について説明する図を示す。なお動作の説明において、図1における演算器17_1をALUとし、演算器17_1において加算、あるいは減算等の命令を実行するものとして説明する。また、動作の説明において、図1における演算器17_2をMULTとし、演算器17_2において乗算等の命令を実行するものとして説明する。
図2(B)では、動作の一例を説明するために半導体装置で実行する命令の一例について図示している。例えば、NOP命令(図中、NOP)は、何もしない命令である。また、ADD命令(図中、ADD)は、加算を行う命令である。また、SUB命令(図中、SUB)は、減算を行う命令である。また、SW命令(図中、SW)はデータメモリにデータを書きこむ命令である。また、MULT命令(図中、MULT)は、乗算を行う命令である。ADD命令、SUB命令、MULT命令では、命令に含まれるオペランドの値、あるいはレジスタファイル13から読み出された値を演算器に入力し、演算を行う。
図2(B)では、半導体装置で実行する命令によるデータの処理について、フェッチ(図中、IF)、命令デコード(図中、ID)、実行(図中、EX)、メモリアクセス(図中、MEM)、ライトバック(図中、WB)を行う例を挙げて説明する。
図2(B)に示す動作において、NOP命令の処理、及びSW命令の処理は、演算器17_1及び演算器17_2を共に使用しない。また、図2(B)に示す動作において、ADD命令の処理、及びSUB命令の処理は、命令の実行時に演算器17_1を使用する。また、図2(B)に示す動作において、MULT命令の処理は、命令の実行時に演算器17_2を使用する。なおSW命令のアドレス方式によっては、ALUを使用してアドレスを算出する場合もある。本実施の形態では、説明を簡単化するため、SW命令のアドレス方式をALUを使用しないものとして説明する。
図2(B)に示す動作において、ADD命令及びSUB命令を実行する時刻T1乃至T2の期間、並びにADD命令を実行する時刻T4乃至T5の期間で、制御信号Sl_1をHレベルとし、トランジスタ18_1を導通状態とする。トランジスタ18_1を導通状態とすることで演算器17_1に電源電圧の供給がなされ、時刻T1乃至T2、及び時刻T4乃至T5の期間での命令の実行を行うことができる。そして、時刻T1乃至T2、及び時刻T4乃至T5以外の期間では、命令の実行を行わず、トランジスタ18_1を非導通状態とすることで演算器17_1への電源電圧の供給を停止し、パワーゲーティングすることができる。
図2(B)に示す動作において、MULT命令を実行する期間である時刻T3乃至T4の期間で、制御信号Sl_2をHレベルとし、トランジスタ18_2を導通状態とする。トランジスタ18_2を導通状態とすることで演算器17_2に電源電圧の供給がなされ、時刻T3乃至T4の期間での命令の実行を行うことができる。そして、時刻T3乃至T4以外の期間では、命令の実行を行わず、トランジスタ18_2を非導通状態とすることで演算器17_2への電源電圧の供給を停止し、パワーゲーティングすることができる。
図2(B)に示す動作の説明では、演算を行う命令を実行する直前に電源電圧の供給が行われるよう、制御信号Sl_1及び制御信号Sl_2を制御する構成について示したが他の構成でもよい。例えば、命令のデコード時において、演算器を用いて演算を行うか否かによって、制御信号Sl_1及び制御信号Sl_2を制御し、電源電圧の供給を行う構成としてもよい。
図3(A)、(B)では、制御信号Sl_1、制御信号Sl_2をデコーダ12及びパイプラインレジスタ16_2から出力される信号として説明する。デコーダ12及びパイプラインレジスタ16_2から出力される制御信号Sl_1、制御信号Sl_2は、命令デコードステージによるデコーダ12の出力に同期して切り替えられる信号となる。図3(A)には、デコーダ12から出力される信号と、パイプラインレジスタ16_2から出力される信号を論理和ORに入力して得られる、制御信号Sl_1及び制御信号Sl_2を図示している。図3(A)の構成として制御信号Sl_1及び制御信号Sl_2を出力することで、命令デコードステージで演算を行う命令をデコードした時点で、実行ステージにある演算器への電源電圧の供給を再開しておくことができる。デコードの際に、ノイズが発生するような場合には、デコーダ12の内部にノイズ除去回路を入れておくことが望ましい。
次いで図3(B)には、図1に示す半導体装置100において、各種命令をパイプライン処理する際の制御信号Sl_1、制御信号Sl_2の動作の一例について説明する図を示す。なお動作の説明における演算部の機能、及び実行する命令についての説明は図2(B)と同様である。
図3(B)に示す動作において、ADD命令及びSUB命令をデコード及び実行する時刻T6乃至T8の期間、及びADD命令をデコード及び実行する時刻T9乃至T11の期間で、制御信号Sl_1をHレベルとし、トランジスタ18_1を導通状態とする。トランジスタ18_1を導通状態とすることで、命令の実行に先立って時刻T6乃至T7、及び時刻T9乃至T10で演算器17_1に電源電圧の供給がなされ、時刻T7乃至T8、及び時刻T10乃至T11の期間での命令の実行を行うことができる。そして、時刻T6乃至T8、及び時刻T9乃至T11以外の期間では、トランジスタ18_1を非導通状態とすることで演算器17_1への電源電圧の供給を停止し、パワーゲーティングすることができる。
図3(B)に示す動作において、MULT命令をデコード及び実行する期間である時刻T8乃至T10の期間で、制御信号Sl_2をHレベルとし、トランジスタ18_2を導通状態とする。トランジスタ18_2を導通状態とすることで、命令の実行に先立って時刻T8乃至T9で演算器17_2に電源電圧の供給がなされ、時刻T9乃至T10の期間での命令の実行を行うことができる。そして、時刻T8乃至T10以外の期間では、トランジスタ18_2を非導通状態とすることで演算器17_2への電源電圧の供給を停止し、パワーゲーティングすることができる。
なお図1では、パワーゲーティングを行うためのトランジスタを、電源電圧を与える配線のうち、電位VSSを与える配線側に設ける構成としている。該構成を演算部14として、図4(A)に抜き出して示す。
図4(A)に示す演算部14では、演算器17、及びトランジスタ18を有する。トランジスタ18は制御信号Slによって導通状態または非導通状態が制御され、演算器17のパワーゲーティングを行う。トランジスタを導通状態とすることで、図4(A)中のVirtual−VSSで表されるノードが電位VSSとなり、演算器17への電源電圧の供給が行われる。逆に、トランジスタを非導通状態とすることで、図4(A)中のVirtual−VSSで表されるノードが演算器17を流れるリーク電流、あるいは貫通電流によって電位VDDとなり、演算器17への電源電圧の供給が停止する。
なお図4(A)に示す構成に限らない。例えばトランジスタ18を、電源電圧を与える配線のうち、電位VDDを与える配線側に設ける構成としてもよい。該構成を演算部14として、図4(B)に抜き出して示す。
図4(B)に示す演算部14では、演算器17、及びトランジスタ18を有する。トランジスタ18は制御信号Slによって導通状態または非導通状態が制御される。トランジスタを導通状態とすることで、図4(B)中のVirtual−VDDで表されるノードが電位VDDとなり、演算器17への電源電圧の供給が行われる。逆に、トランジスタを非導通状態とすることで、図4(B)中のVirtual−VDDで表されるノードが演算器17を流れるリーク電流、あるいは貫通電流によって電位VSSとなり、演算器17への電源電圧の供給が停止する。
また図4(A)、(B)に示すトランジスタ18は、オフ電流が小さいOSトランジスタであることが好ましい。OSトランジスタに用いることのできる酸化物半導体は、In、Ga、及びZnを有する酸化物半導体が好ましい。なお回路図においてトランジスタ18は、OSトランジスタであることを明示するために、回路記号に「OS」の記載を付している。
なお図4(A)、(B)に示す回路構成において、トランジスタ18にバックゲートを追加する構成としてもよい。バックゲートに負電位を与え、トランジスタ18の閾値電圧をプラスシフトさせることで、トランジスタ18の非導通状態時におけるオフ電流を小さい状態で維持できる。また、バックゲートに正電位を与え、トランジスタ18の閾値電圧をマイナスシフトさせることで、トランジスタ18の導通状態時におけるオン電流を増加させることができる。
なおトランジスタ18において、トランジスタの形状は特に限定されず、例えば、トップゲート構造、又はボトムゲート構造を採用することができる。
次いで演算器に対する、パワーゲーティングを行うためのトランジスタの配置例について説明する。演算器は例えば、インバータ回路、NAND回路、及びNOR回路といった基本的な組み合わせ回路で構成される。パワーゲーティングを行うためのトランジスタは、演算器毎に設けるか、組み合わせ回路毎に設けるか、に大別できる。
図5(A)に示す演算部14は、演算器17Aに対応して、トランジスタ18Aを設ける回路構成を有する。演算器17Aは、組み合わせ回路19_1乃至19_n(nは自然数)を有する。演算器17Aは、例えばパイプラインレジスタ16_2から演算するデータが入力され、組み合わせ回路19_1乃至19_nを介して、パイプラインレジスタ16_3に演算後のデータを出力する。
図5(A)に示すトランジスタ18Aは、制御信号SlAによって導通状態又は非導通状態が制御される。トランジスタ18Aの導通状態又は非導通状態によって組み合わせ回路19_1乃至19_nへの電源電圧の供給が制御される。
なおトランジスタ18Aは、OSトランジスタとすることで、オフ電流が小さいといった利点による低消費電力化の効果に加えて、パワーゲーティングのためのトランジスタを追加したことによる回路面積の増大を抑制し、面積オーバーヘッドを小さくすることができる。
加えてOSトランジスタは、電子を多数キャリアとする蓄積型のトランジスタである。この場合、酸化物半導体層に接するソース電極およびドレイン電極として機能する導電層からチャネル形成領域へ延びる電界を短距離で遮蔽できる。そのためOSトランジスタは、短チャネル効果が起きにくい。短チャネル効果が起きにくいため、LDD領域を設ける必要がない。そのためOSトランジスタは、チャネル長を短くしても移動度の低下が生じない。
一方で、Siトランジスタは短チャネルの場合、短チャネル効果が起きる。この短チャネル効果を抑制するため、SiトランジスタではLDD領域を設ける必要がある。このLDD領域の影響によって、Siトランジスタでは移動度の低下が生じる。そのため、OSトランジスタを有する演算部の構成は、Siトランジスタにおいて移動度のゲート長依存性により微細化した際の移動度が小さくなる問題を解決することができる。
短チャネル効果が表れないゲート長では、SiトランジスタとOSトランジスタの移動度の差が大きいと、OSトランジスタのゲート幅をSiトランジスタに比べて大きくして設計する必要がある。一方で微細化によって短チャネル効果が表れるゲート長では、SiトランジスタとOSトランジスタの移動度の差が小さくなる。そのため、OSトランジスタを有する演算部の構成は、OSトランジスタとSiトランジスタのゲート幅を近づけて設計することができる。
加えてOSトランジスタは、Siトランジスタに比べてS値が小さい。そのため、パワーゲーティングの復帰動作時におけるスイッチ動作を高速に行うことができる。またS値が小さいOSトランジスタでは、Siトランジスタに比べてサブスレッショルドリーク電流が小さくすることができる。Siトランジスタでは、閾値電圧をシフトさせてエンハンスメント型とし、サブスレッショルドリーク電流を抑制する一方で、OSトランジスタでは閾値電圧を制御することなく、極めて小さい値にサブスレッショルドリーク電流を抑制できる。
また図5(A)とは別の演算部14の構成について、説明する。図5(B)に示す演算部14は、図5(A)で説明した演算器17Aと同様に、演算器17Bを有する。演算器17Bは、組み合わせ回路19_1乃至19_nの一に対して、トランジスタ18B_1乃至18B_nの一が接続された構成を有する。
図5(B)に示すトランジスタ18B_1乃至18B_nは、制御信号SlBによって導通状態又は非導通状態が制御される。トランジスタ18B_1乃至18B_nの導通状態又は非導通状態によって組み合わせ回路19_1乃至19_nへの電源電圧の供給が制御される。
図5(B)に示す構成では、組み合わせ回路19_1とトランジスタ18B_1とを組み合わせた回路を最小単位の組み合わせ回路として見なすことができる。そのため、予めトランジスタが組み込まれた最小単位の組み合わせ回路をスタンダードセルとして、演算器の機能に基づく論理合成を行うことができる。この場合、論理合成した後に、パワーゲーティングを行うためのトランジスタの回路構成を追加で考慮する場合に比べて、設計の簡略化を図ることができる。
なおトランジスタ18B_1乃至18B_nは、OSトランジスタとすることで、パワーゲーティングのためのトランジスタを追加したことによる回路面積の増大を抑制しつつ、低消費電力化を図ることができる。
図5(A)、(B)中で説明した組み合わせ回路19_1乃至19_nの一例について図6にて説明する。
図6(A)は、組み合わせ回路19と、パワーゲーティングを行うためのトランジスタ18と、を示している。組み合わせ回路19には、上述したように演算器の機能によって、インバータ回路、NAND回路、及びNOR回路といった、スタンダードセルレベルの回路が好ましい。組み合わせ回路19は、入力端子Inから入力される信号を、出力端子Outに出力する。なお入力される信号、出力する信号は、複数であってもよい。
一例として、図6(B)では、組み合わせ回路19にインバータ回路を適用した回路構成を示す。図6(B)に示す組み合わせ回路19は、一例として、インバータ回路を構成するpチャネル型のトランジスタ20pと、nチャネル型のトランジスタ20nと、を有する。インバータ回路は、入力端子Inから入力される信号を、出力端子Outに論理を反転させて出力する回路である。なお、トランジスタ20p及びトランジスタ20nは、Siトランジスタであることが好ましい。電源電圧を供給する配線間には、トランジスタ20p及びトランジスタ20nに対して直列にトランジスタ18が設けられる。トランジスタ18は、上述したように、OSトランジスタであることが好ましい。
なお図6(B)では、トランジスタ18について、電位VSSを与える配線側に設ける構成について示したが、別の構成でもよい。例えば、電源電圧を与える配線間であれば、図17(A)乃至(C)に図示する構成としてもよい。
なお図5(A)、(B)では、組み合わせ回路とOSトランジスタとを用いる構成について説明したが、別の構成でもよい。例えば、組み合わせ回路を順序回路としてもよい。順序回路の一例としてフリップフロップを挙げることができる。ここで一例として、フリップフロップで構成されるシフトレジスタSR_1乃至SR_nに対して、パワーゲーティングを行うOSトランジスタ18B_1乃至18B_nを適用した駆動回路DRVの構成を図18(A)に示す。なお図18(A)中、CLKはクロック信号、SPはスタートパルス、OUT_1乃至OUT_x(xは2以上の自然数)、OUT_x+1乃至OUT_2x、及びOUT_2x+1乃至OUT_3xは、出力パルス信号を表している。
図18(A)に示す駆動回路DRVは、図18(B)に示すような表示装置DISPのソースドライバS_DRV、及び/又はゲートドライバG_DRVに適用可能である。なお画素PIXに適用可能な表示素子には、一例として、液晶素子、EL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイ(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、MIRASOL(登録商標)、IMOD(インターフェアレンス・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチューブを用いた表示素子などの少なくとも一つを有している。これらの他にも、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有していても良い。
次いで図6(B)に一例として示したSiトランジスタと、OSトランジスタとの積層構造について図7に示す図を用いて説明する。図7はあくまで概念図であり、OSトランジスタの大きさはロジックを動作させるのに問題ない大きさに調整することが望ましい。
図7(A)では、SiトランジスタとOSトランジスタの積層構造について、模式図を示している。図7(A)に示す第1の層301は、Siトランジスタが設けられた層(図中、SiFET Layerと表記)である。第2の層302は、配線層が設けられた層(図中、Wiring Layerと表記)である。第3の層303は、OSトランジスタが設けられた層(図中、OSFET Layerと表記)である。第4の層304は、配線層が設けられた層(図中、Wiring Layerと表記)である。
図7(B−1)は、図6(B)の回路構成のレイアウトの一例を、第1乃至4の層301乃至304に分けて示した図である。また、図7(B−2)は、図7(A)の積層構造に回路構成を反映させて、第1乃至4の層301乃至304に分けて示した図である。
図7(B−1)に示すレイアウトにおいて、第1の層301では、Siトランジスタであるトランジスタ20p、トランジスタ20n、電位VDD、電位VSSを与える配線を示している。トランジスタ20p及びトランジスタ20nは、ゲート電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電層と、シリコンをチャネル形成領域に用いた半導体層と、を有する。電位VDD、電位VSSを与える配線は、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電層と同層に形成される。電位VDDを与える配線は、トランジスタ20pのドレイン電極に電気的に接続される。
第2の層302では、入力端子Inとして機能する配線、出力端子Outとして機能する配線、上層と下層を接続する配線を示している。入力端子Inとして機能する配線は、トランジスタ20p及びトランジスタ20nのゲート電極に、開口部(コンタクトホールともいう)に設けた導電層を介して、電気的に接続される。出力端子Outとなる配線は、トランジスタ20p及びトランジスタ20nのソース電極又はドレイン電極に、開口部(コンタクトホールともいう)に設けた導電層を介して、電気的に接続される。上層と下層を接続する配線は、トランジスタ20nのソース電極、あるいは電位VSSを与える配線に、開口部に設けた導電層を介して、電気的に接続される。
第3の層303では、OSトランジスタであるトランジスタ18を示している。トランジスタ18は、ゲート電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電層と、酸化物半導体をチャネル形成領域に用いた半導体層と、を有する。トランジスタ18のソース電極又はドレイン電極の一方は、第2の層302に設けられた上層と下層を接続する配線に、開口部に設けた導電層を介して、電気的に接続される。トランジスタ18のソース電極又はドレイン電極の他方は、第2の層302に設けられた上層と下層を接続する配線に、開口部に設けた導電層を介して、電気的に接続される。
第4の層304では、制御信号Slを与える配線を示している。制御信号Slを与える配線は、第3の層303に設けられたトランジスタ18のゲート電極として機能する導電層に、開口部に設けた導電層を介して、電気的に接続される。
図7(B−2)に示す積層構造を反映させた回路構成において、第1の層301では、Siトランジスタであるトランジスタ20p、トランジスタ20n、電位VDD、電位VSSを与える配線を示している。第2の層302では、入力端子In、出力端子Out、上層と下層を接続する配線を示している。第3の層303では、OSトランジスタであるトランジスタ18を示している。第4の層304では、制御信号Slを与える配線を示している。なお第1乃至4の層301乃至304における、配線及びトランジスタ間の接続関係は、図6(B)と同様である。
図7(A)、(B−1)及び(B−2)のようにSiトランジスタとOSトランジスタとの積層構造とすることで、OSトランジスタを追加したことに伴う面積増加を抑えたレイアウトを実現できる。
次いで図8では、図7(B−1)の一点鎖線P−Q及びR−Sおける断面図を示している。
図8の断面図では、Siトランジスタであるトランジスタ20n上に、OSトランジスタであるトランジスタ18を積層している。図8の場合、トランジスタ20nのソース電極又はドレイン電極は、トランジスタ18のソース電極又はドレイン電極と、重なる領域を有する。そのため、トランジスタ18を追加したことに伴う面積増加を抑えることができ、半導体装置を小型化できる。
図8では、半導体基板400、p型不純物領域401、素子分離用絶縁層402、n型不純物領域403、ゲート絶縁層404、ゲート電極406、層間絶縁層408、導電層410、配線層412、層間絶縁層414、導電層416、配線層418、層間絶縁層420、層間絶縁層422、層間絶縁層424、半導体層426、配線層428、ゲート絶縁層430、ゲート電極432、及び層間絶縁層434を示している。
半導体基板400は、例えば、n型又はp型の導電型を有するシリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコンゲルマニウム基板、化合物半導体基板(GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、GaP基板、GaInAsP基板、ZnSe基板等)等を用いることができる。
トランジスタ20nは、素子分離用絶縁層402により、他のトランジスタと、電気的に分離されている。素子分離用絶縁層402の形成には、選択酸化法(LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法)又はトレンチ分離法(STI法(Shallow Trench Isolation))等を用いることができる。
ゲート絶縁層404は、熱処理を行い、半導体基板400の表面に酸化した酸化シリコン膜を形成した後、選択的に一部をエッチングして、形成する。若しくは、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、高誘電率物質(high−k材料ともいう)である酸化ハフニウムなどの金属酸化物等を、CVD法、スパッタリング法等を用いて形成した後、選択的に一部をエッチングして、形成する。
ゲート電極406、導電層410、配線層412、導電層416、配線層418、配線層428、及びゲート電極432は、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、タングステン等の金属材料を用いることが好ましい。また、リン等の不純物を添加した多結晶シリコンを用いることができる。形成方法は、蒸着法、PE−CVD法、スパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる。
ゲート絶縁層404、層間絶縁層408、層間絶縁層414、層間絶縁層420、層間絶縁層424、及び層間絶縁層434は、無機絶縁層または有機絶縁層を、単層又は多層で形成することが好ましい。無機絶縁層としては、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、又は窒化酸化シリコン膜等を、単層又は多層で形成することが好ましい。有機絶縁層としては、ポリイミド又はアクリル等を、単層又は多層で形成することが好ましい。また、各絶縁層の作製方法に特に限定はないが、例えば、スパッタリング法、MBE法、PE−CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD法等を適宜用いることができる。
半導体層426は、酸化物半導体を単層または積層して設ければよい。酸化物半導体は、少なくともインジウム、ガリウム、及び亜鉛を含む酸化物膜であり、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)を用いることができる。なお、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。例えば、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物を用いることができる。酸化物半導体の形成方法としては、スパッタリング法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、蒸着法、塗布法などを用いることができる。
ゲート絶縁層430は、無機絶縁層を、単層又は多層で形成することが好ましい。また、ゲート絶縁層430は、半導体層426に酸素を供給する効果があるとより好ましい。
層間絶縁層422は、酸素、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を有することが好ましい。層間絶縁層422は、密度が高くて緻密である程、また未結合手が少なく化学的に安定である程、より高いブロッキング効果を示す。酸素、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を示す層間絶縁層422として、例えば、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等を用いることができる。または、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を示す層間絶縁層422として、例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を用いることができる。
以上説明したように、本実施の形態で説明した半導体装置100では、パイプライン処理を行う半導体装置において、実行ステージにおける演算器17_1と演算器17_2を設け、それぞれにパワーゲーティングを行うためのトランジスタ18_1及びトランジスタ18_2が接続されるように設ける。そして演算を行う演算器のみに電源電圧の供給を行うよう動作させることで、細粒度でのパワーゲーティングを行うことができ、半導体装置の低消費電力化を図ることができる。トランジスタ18_1及びトランジスタ18_2は、チャネル形成領域に酸化物半導体を有し、電源線間のリーク電流の低減を図ることができる。また、演算器が有するトランジスタと別の層に設けることができるため、トランジスタを増やしたことによる、面積オーバーヘッドを小さくすることができる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した、演算器が有する組み合わせ回路について、図6とは異なる回路構成の一例について説明する。
図9では、図6(A)で説明した組み合わせ回路の変形例として、出力端子の信号の論理を固定できる構成について説明する。図9に示す組み合わせ回路19_isoには、出力端子Outとの間にAND回路21を有する。AND回路21の入力側には、組み合わせ回路19_isoから出力される信号と、制御信号isoとが入力される。
組み合わせ回路19_isoを含む演算部への電源電圧の供給を停止するパワーゲーティングを行った際、組み合わせ回路19_isoの出力信号が不定状態となり、出力端子Outの論理も不定状態となる場合がある。例えば、電源電圧が供給された後段の回路ブロックに不定状態の出力信号が入力された場合、予期せぬ電流が流れることがある。よって、後段にある回路ブロックに、パワーゲーティングをした組み合わせ回路を含む回路ブロックからの不定状態の出力信号が入力されない構成とすることが好ましい。不定状態の出力信号が入力されないようにするには、例えば、AND回路21を設け、制御信号Slを制御することで、出力端子Outの論理を固定することができる。例えば、制御信号Slを制御してトランジスタ18を不導通状態とする前後の期間において、制御信号isoを制御して出力端子Outの論理を固定する構成とする。このような構成とすることで、組み合わせ回路19_isoの出力信号に関わらず、出力端子Outの論理を固定することができる。
また出力端子Outの論理を固定するための手段としては、AND回路21及び制御信号isoを入力する構成に限らない。別の構成について、図10(A)、(B)で説明する。なお図10(A)、(B)では、組み合わせ回路19_isoを、トランジスタ20p及び20nで構成されるインバータ回路に、出力端子Outの論理を固定するためのトランジスタを追加した構成として図示している。
図10(A)には、電位VDDを与える配線と出力端子Outの間に設けられたトランジスタ21pを設け、制御信号Slで制御する構成について示している。トランジスタ21pは、トランジスタ18とは交互に導通状態となるように異なる導電型のトランジスタである必要があり、図10(A)ではpチャネル型のトランジスタとしている。該構成とすることでパワーゲーティング時には出力端子Outを電位VDDにでき、不定状態となることを防ぐことができる。
また、図10(B)には、電位VDDを与える配線と出力端子Outの間に設けられたトランジスタ21nを設け、制御信号Sl_Bで制御する構成について示している。制御信号Sl_Bは、制御信号Slを反転させた信号である。トランジスタ21nは、トランジスタ18とは同じ極性、ここではnチャネル型のトランジスタであり、トランジスタ18と交互に導通状態とすることができる。また、トランジスタ18とトランジスタ21nとは共にOSトランジスタとすることで面積オーバーヘッドを小さくすることができる。該構成とすることでパワーゲーティング時には出力端子Outを電位VDDにでき、不定状態となることを防ぐことができる。
また、図9、及び図10(A)、(B)で説明した出力端子Outの論理を固定できる組み合わせ回路19_isoは、演算器の一部に設ければよい。例えば、図11(A)に図示するように、演算器17Cが有する組み合わせ回路の最終段に組み合わせ回路19_isoを設け、その他の段には、図6(A)で説明した組み合わせ回路19を用いればよい。
また、図9、及び図10(A)、(B)で説明した出力端子Outの論理を固定できる組み合わせ回路19_isoは、演算器が有する組み合わせ回路の全てに設けてもよい。例えば、図11(B)に図示するように、演算器17Dが有する組み合わせ回路の全てに組み合わせ回路19_isoを設けてもよい。
図11(B)に示すように、トランジスタ18_isoと組み合わせ回路19_isoとを組み合わせて設けることができる。トランジスタ18_isoと組み合わせ回路19_isoとを組み合わせた回路構成は、粒度の細かい回路ブロックであり、スタンダードセルとして用いることができる。そのため、パワーゲーティングを行うためのトランジスタを含んだスタンダードセルを用いて、演算器の機能に基づく論理合成を行うことができる。この場合、論理合成した後に、パワーゲーティングを行うためのトランジスタの回路構成を追加で考慮する場合に比べて、設計の簡略化を図ることができる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、図8で説明したトランジスタ18の断面構造とは異なる構成例について説明する。
トランジスタ18の、具体的な構成の別の一例を、図12に示す。図12(A)には、トランジスタ18の上面図を示す。なお、図12(A)では、トランジスタ18のレイアウトを明確にするために、各種の絶縁層を省略している。また、図12(A)に示した上面図の、一点鎖線A1−A2における断面図を図12(B)に示し、一点鎖線A3−A4における断面図を図12(C)に示す。
図12(A)乃至(C)に示すように、トランジスタ18は、絶縁層81上において順に積層された酸化物半導体層82a及び酸化物半導体層82bと、酸化物半導体層82bに電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極としての機能を有する導電層83及び導電層84と、酸化物半導体層82b、導電層83及び導電層84上の酸化物半導体層82cと、ゲート絶縁層としての機能を有し、なおかつ酸化物半導体層82c上に位置する絶縁層85と、ゲート電極としての機能を有し、なおかつ絶縁層85上において酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82cと重なる導電層86とを有する。
また、トランジスタ18の、具体的な構成の別の一例を、図13に示す。図13(A)には、トランジスタ18の上面図を示す。なお、図13(A)では、トランジスタ18のレイアウトを明確にするために、各種の絶縁層を省略している。また、図13(A)に示した上面図の、一点鎖線A1−A2における断面図を図13(B)に示し、一点鎖線A3−A4における断面図を図13(C)に示す。
図13(A)乃至(C)に示すように、トランジスタ18は、絶縁層81上において順に積層された酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82cと、酸化物半導体層82cに電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極としての機能を有する導電層83及び導電層84と、ゲート絶縁層としての機能を有し、なおかつ酸化物半導体層82c、導電層83及び導電層84上に位置する絶縁層85と、ゲート電極としての機能を有し、なおかつ絶縁層85上において酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82cと重なる導電層86とを有する。
また、トランジスタ18の具体的な構成の別の一例を、図16に示す。図16(A)には、トランジスタ18の上面図を示す。なお、図16(A)では、トランジスタ18のレイアウトを明確にするために、各種の絶縁層を省略している。また、図16(A)に示した上面図の、一点鎖線A1−A2における断面図を図16(B)に示し、一点鎖線A3−A4における断面図を図16(C)に示す。
図16(A)乃至(C)に示すように、トランジスタ18は、絶縁層81上において順に積層された酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82cと、酸化物半導体層82cに電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極としての機能を有する層89及び層90、並びに導電層83及び導電層84と、ゲート絶縁層としての機能を有し、なおかつ酸化物半導体層82c、導電層83及び導電層84上に位置する絶縁層85と、ゲート電極としての機能を有し、なおかつ絶縁層85上において酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82cと重なる導電層86とを有する。
層89及び層90としては、酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82c等との間にショットキー障壁を形成しない機能を有する層である。このような層としては、例えば、透明導電体、酸化物半導体、窒化物半導体または酸化窒化物半導体がある。より具体的には、インジウム、スズおよび酸素を含む層、インジウムおよび亜鉛を含む層、インジウム、タングステンおよび亜鉛を含む層、スズおよび亜鉛を含む層、亜鉛およびガリウムを含む層、亜鉛およびアルミニウムを含む層、亜鉛およびフッ素を含む層、亜鉛およびホウ素を含む層、スズおよびアンチモンを含む層、スズおよびフッ素を含む層またはチタンおよびニオブを含む層などを用いればよい。または、これらの層が水素、炭素、窒素、シリコン、ゲルマニウムまたはアルゴンを含んでも構わない。層89及び層90を有する構成とすることで、トランジスタのオン特性を向上させることができる。
なお、図12及び図13では、積層された酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82cを用いるトランジスタ18の構成を例示している。トランジスタ18が有する酸化物半導体層は、積層された複数の酸化物半導体層で構成されているとは限らず、単膜の酸化物半導体層で構成されていても良い。
酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82cが順に積層されている半導体層をトランジスタ18が有する場合、酸化物半導体層82a及び酸化物半導体層82cは、酸化物半導体層82bを構成する金属元素の少なくとも1つを、その構成要素に含み、伝導帯下端のエネルギーが酸化物半導体層82bよりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下、真空準位に近い酸化物膜である。さらに、酸化物半導体層82bは、少なくともインジウムを含むと、キャリア移動度が高くなるため好ましい。
上記構成の半導体層をトランジスタ18が有する場合、ゲート電極に電圧を印加することで、半導体層に電界が加わると、半導体層のうち、伝導帯下端のエネルギーが小さい酸化物半導体層82bにチャネル領域が形成される。即ち、酸化物半導体層82bと絶縁層85との間に酸化物半導体層82cが設けられていることによって、絶縁層85と離隔している酸化物半導体層82bに、チャネル領域を形成することができる。
また、酸化物半導体層82cは、酸化物半導体層82bを構成する金属元素の少なくとも1つをその構成要素に含むため、酸化物半導体層82bと酸化物半導体層82cの界面では、界面散乱が起こりにくい。従って、当該界面においてキャリアの動きが阻害されにくいため、トランジスタ18の電界効果移動度が高くなる。
また、酸化物半導体層82cとして酸化ガリウムを用いる場合、酸化物半導体層82b中のInが絶縁層85に拡散するのを防ぐことができるので、トランジスタ18のリーク電流を低減することができる。
また、酸化物半導体層82bと酸化物半導体層82aの界面に界面準位が形成されると、界面近傍の領域にもチャネル領域が形成されるために、トランジスタ18の閾値電圧が変動してしまう。しかし、酸化物半導体層82aは、酸化物半導体層82bを構成する金属元素の少なくとも1つをその構成要素に含むため、酸化物半導体層82bと酸化物半導体層82aの界面には、界面準位が形成されにくい。よって、上記構成により、トランジスタ18の閾値電圧等の電気的特性のばらつきを、低減することができる。
また、酸化物半導体層間に不純物が存在することによって、各膜の界面にキャリアの流れを阻害する界面準位が形成されることがないよう、複数の酸化物半導体層を積層させることが望ましい。積層された酸化物半導体層の膜間に不純物が存在していると、酸化物半導体層間における伝導帯下端のエネルギーの連続性が失われ、界面近傍において、キャリアがトラップされるか、あるいは再結合により消滅してしまうからである。膜間における不純物を低減させることで、主成分である一の金属を少なくとも共に有する複数の酸化物半導体層を、単に積層させるよりも、連続接合(ここでは特に伝導帯下端のエネルギーが各膜の間で連続的に変化するU字型の井戸構造を有している状態)が形成されやすくなる。
連続接合を形成するためには、ロードロック室を備えたマルチチャンバー方式の成膜装置(スパッタリング装置)を用いて各膜を大気に触れさせることなく連続して積層することが必要となる。スパッタリング装置における各チャンバーは、酸化物半導体にとって不純物となる水等を可能な限り除去すべくクライオポンプのような吸着式の真空排気ポンプを用いて高真空排気(5×10−7Pa乃至1×10−4Pa程度まで)することが好ましい。または、ターボ分子ポンプとコールドトラップを組み合わせて排気系からチャンバー内に気体が逆流しないようにしておくことが好ましい。
高純度の真性な酸化物半導体を得るためには、各チャンバー内を高真空排気するのみならず、スパッタリングに用いるガスの高純度化も重要である。上記ガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガスの露点を、−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下とし、使用するガスの高純度化を図ることで、酸化物半導体層に水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。具体的に、酸化物半導体層82bがIn−M−Zn酸化物(Mは、Ga、Y、Zr、La、Ce、またはNd)の場合、酸化物半導体層82bを成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x:y:zとすると/yは、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であって、z/yは、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。なお、z/yを1以上6以下とすることで、酸化物半導体層82bとして後述するCAAC−OS膜が形成されやすくなる。ターゲットの金属元素の原子数比の代表例としては、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=3:1:2等がある。
具体的に、酸化物半導体層82a、酸化物半導体層82cがIn−M−Zn酸化物(Mは、Ga、Y、Zr、La、Ce、またはNd)の場合、酸化物半導体層82a、酸化物半導体層82cを成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x:y:zとすると/y<x/yであって、z/yは、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。なお、z/yを1以上6以下とすることで、酸化物半導体層82a、酸化物半導体層82cとしてCAAC−OS膜が形成されやすくなる。ターゲットの金属元素の原子数比の代表例としては、In:M:Zn=1:3:2、In:M:Zn=1:3:4、In:M:Zn=1:3:6、In:M:Zn=1:3:8等がある。
なお、酸化物半導体層82a及び酸化物半導体層82cの厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、酸化物半導体層82bの厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下であり、さらに好ましくは3nm以上50nm以下である。
3層構造の半導体層において、酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82cは、非晶質または結晶質の両方の形態を取りうる。ただし、チャネル領域が形成される酸化物半導体層82bが結晶質であることにより、トランジスタ18に安定した電気的特性を付与することができるため、酸化物半導体層82bは結晶質であることが好ましい。
なお、チャネル形成領域とは、トランジスタ18の半導体層のうち、ゲート電極と重なり、かつソース電極とドレイン電極に挟まれる領域を意味する。また、チャネル領域とは、チャネル形成領域において、電流が主として流れる領域をいう。
例えば、酸化物半導体層82a及び酸化物半導体層82cとして、スパッタリング法により形成したIn−Ga−Zn酸化物膜を用いる場合、酸化物半導体層82a及び酸化物半導体層82cの成膜には、In−Ga−Zn酸化物(In:Ga:Zn=1:3:2[原子数比])であるターゲットを用いることができる。成膜条件は、例えば、成膜ガスとしてアルゴンガスを30sccm、酸素ガスを15sccm用い、圧力0.4Paとし、基板温度を200℃とし、DC電力0.5kWとすればよい。
また、酸化物半導体層82bをCAAC−OS膜とする場合、酸化物半導体層82bの成膜には、In−Ga−Zn酸化物(In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比])を含む多結晶ターゲットを用いることが好ましい。成膜条件は、例えば、成膜ガスとしてアルゴンガスを30sccm、酸素ガスを15sccm用い、圧力を0.4Paとし、基板の温度300℃とし、DC電力0.5kWとすることができる。
なお、電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物が低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体(purified Oxide Semiconductor)は、キャリア発生源が少ないため、i型(真性半導体)又はi型に限りなく近くすることができる。そのため、高純度化された酸化物半導体層にチャネル形成領域を有するトランジスタは、オフ電流が著しく小さく、信頼性が高い。そして、当該酸化物半導体層にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、閾値電圧がプラスとなる電気的特性(ノーマリーオフ特性ともいう。)になりやすい。
具体的に、高純度化された酸化物半導体層にチャネル形成領域を有するトランジスタのオフ電流が小さいことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。この場合、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流は、100zA/μm以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流の測定を行った。当該測定では、高純度化された酸化物半導体層を上記トランジスタのチャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジスタのオフ電流を測定した。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の電圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに小さいオフ電流が得られることが分かった。従って、高純度化された酸化物半導体層をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタに比べて著しく小さい。
なお、半導体層として酸化物半導体を用いる場合、酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてジルコニウム(Zr)を含むことが好ましい。
酸化物半導体の中でもIn−Ga−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物などは、炭化シリコン、窒化ガリウム、または酸化ガリウムとは異なり、スパッタリング法や湿式法により電気的特性の優れたトランジスタを作製することが可能であり、量産性に優れるといった利点がある。また、炭化シリコン、窒化ガリウム、または酸化ガリウムとは異なり、上記In−Ga−Zn酸化物は、ガラス基板上に、電気的特性の優れたトランジスタを作製することが可能である。また、基板の大型化にも対応が可能である。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn酸化物、Sn−Zn酸化物、Al−Zn酸化物、Zn−Mg酸化物、Sn−Mg酸化物、In−Mg酸化物、In−Ga酸化物、In−Ga−Zn酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物、Sn−Ga−Zn酸化物、Al−Ga−Zn酸化物、Sn−Al−Zn酸化物、In−Hf−Zn酸化物、In−La−Zn酸化物、In−Pr−Zn酸化物、In−Nd−Zn酸化物、In−Ce−Zn酸化物、In−Sm−Zn酸化物、In−Eu−Zn酸化物、In−Gd−Zn酸化物、In−Tb−Zn酸化物、In−Dy−Zn酸化物、In−Ho−Zn酸化物、In−Er−Zn酸化物、In−Tm−Zn酸化物、In−Yb−Zn酸化物、In−Lu−Zn酸化物、In−Sn−Ga−Zn酸化物、In−Hf−Ga−Zn酸化物、In−Al−Ga−Zn酸化物、In−Sn−Al−Zn酸化物、In−Sn−Hf−Zn酸化物、In−Hf−Al−Zn酸化物を用いることができる。
なお、例えば、In−Ga−Zn酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素を含んでいてもよい。In−Ga−Zn酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高い。
例えば、In−Sn−Zn酸化物では比較的容易に高い移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn酸化物でも、バルク内欠陥密度を低減することにより移動度を上げることができる。
また、トランジスタ18において、ソース電極及びドレイン電極に用いられる導電性材料によっては、ソース電極及びドレイン電極中の金属が、酸化物半導体層から酸素を引き抜くことがある。この場合、酸化物半導体層のうち、ソース電極及びドレイン電極に接する領域が、酸素欠損の形成によりn型化される。n型化された領域は、ソース領域またはドレイン領域として機能するため、酸化物半導体層とソース電極及びドレイン電極との間におけるコンタクト抵抗を下げることができる。よって、n型化された領域が形成されることで、トランジスタ18の移動度及びオン電流を高めることができ、それにより、トランジスタ18を用いた半導体装置の高速動作を実現することができる。
なお、ソース電極及びドレイン電極中の金属による酸素の引き抜きは、ソース電極及びドレイン電極をスパッタリング法などにより形成する際に起こりうるし、ソース電極及びドレイン電極を形成した後に行われる加熱処理によっても起こりうる。また、n型化される領域は、酸素と結合し易い導電性材料をソース電極及びドレイン電極に用いることで、より形成されやすくなる。上記導電性材料としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wなどが挙げられる。
複数の積層された酸化物半導体層を有する半導体層をトランジスタ18に用いる場合、n型化される領域は、チャネル領域となる酸化物半導体層82bにまで達していることが、トランジスタ18の移動度及びオン電流を高め、半導体装置の高速動作を実現する上で好ましい。
絶縁層81は、加熱により上記酸素の一部を酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82cに供給する機能を有する絶縁層であることが望ましい。また、絶縁層81は、欠陥が少ないことが好ましく、代表的には、ESR測定により得られる、シリコンのダングリングボンドに由来するg=2.001を持つスピンの密度が1×1018spins/cm以下であることが好ましい。
絶縁層81は、加熱により上記酸素の一部を酸化物半導体層82a乃至酸化物半導体層82cに供給する機能を有するため、酸化物であることが望ましく、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルなどを用いることができる。絶縁層81は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタリング法等により、形成することができる。
なお、本明細書中において、酸化窒化物は、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。
なお、図12及び図13に示すトランジスタ18は、チャネル領域が形成される酸化物半導体層82bの端部のうち、導電層83及び導電層84とは重ならない端部、言い換えると、導電層83及び導電層84が位置する領域とは異なる領域に位置する端部と、導電層86とが、重なる構成を有する。酸化物半導体層82bの端部は、当該端部を形成するためのエッチングでプラズマに曝されるときに、エッチングガスから生じた塩素ラジカル、フッ素ラジカル等が、酸化物半導体を構成する金属元素と結合しやすい。よって、酸化物半導体層の端部では、当該金属元素と結合していた酸素が脱離しやすい状態にあるため、酸素欠損が形成され、n型化しやすいと考えられる。しかし、図12及び図13に示すトランジスタ18では、導電層83及び導電層84とは重ならない酸化物半導体層82bの端部と、導電層86とが重なるため、導電層86の電位を制御することにより、当該端部にかかる電界を制御することができる。よって、酸化物半導体層82bの端部を介して導電層83と導電層84の間に流れる電流を、導電層86に与える電位によって制御することができる。このようなトランジスタ18の構造を、Surrounded Channel(S−Channel)構造とよぶ。
具体的に、S−Channel構造の場合、トランジスタ18がオフとなるような電位を導電層86に与えたときは、当該端部を介して導電層83と導電層84の間に流れるオフ電流を小さく抑えることができる。そのため、トランジスタ18では、大きなオン電流を得るためにチャネル長を短くし、その結果、酸化物半導体層82bの端部における導電層83と導電層84の間の長さが短くなっても、トランジスタ18のオフ電流を小さく抑えることができる。よって、トランジスタ18は、チャネル長を短くすることで、オンのときには大きいオン電流を得ることができ、オフのときにはオフ電流を小さく抑えることができる。
また、具体的に、S−Channel構造の場合、トランジスタ18がオンとなるような電位を導電層86に与えたときは、当該端部を介して導電層83と導電層84の間に流れる電流を大きくすることができる。当該電流は、トランジスタ18の電界効果移動度とオン電流の増大に寄与する。そして、酸化物半導体層82bの端部と、導電層86とが重なることで、酸化物半導体層82bにおいてキャリアの流れる領域が、絶縁層85に近い酸化物半導体層82bの界面近傍のみでなく、酸化物半導体層82bの広い範囲においてキャリアが流れるため、トランジスタ18におけるキャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ18のオン電流が大きくなる共に、電界効果移動度が高くなり、代表的には電界効果移動度が10cm/V・s以上、さらには20cm/V・s以上となる。なお、ここでの電界効果移動度は、酸化物半導体層の物性値としての移動度の近似値ではなく、トランジスタの飽和領域における電流駆動力の指標であり、見かけ上の電界効果移動度である。
以下では、酸化物半導体層の構造について説明する。
酸化物半導体層は、単結晶酸化物半導体層と非単結晶酸化物半導体層とに大別される。非単結晶酸化物半導体層とは、非晶質酸化物半導体層、微結晶酸化物半導体層、多結晶酸化物半導体層、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜などをいう。
非晶質酸化物半導体層は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶成分を有さない酸化物半導体層である。微小領域においても結晶部を有さず、膜全体が完全な非晶質構造の酸化物半導体層が典型である。
微結晶酸化物半導体層は、例えば、1nm以上10nm未満の大きさの微結晶(ナノ結晶ともいう。)を含む。従って、微結晶酸化物半導体層は、非晶質酸化物半導体層よりも原子配列の規則性が高い。そのため、微結晶酸化物半導体層は、非晶質酸化物半導体層よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。
CAAC−OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体層の一つであり、ほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。CAAC−OS膜は、微結晶酸化物半導体層よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって観察すると、結晶部同士の明確な境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
CAAC−OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
一方、CAAC−OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有していることがわかる。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。InGaZnOの単結晶酸化物半導体層であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAAC−OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気的特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
なお、酸化物半導体層は、例えば、非晶質酸化物半導体層、微結晶酸化物半導体層、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
また、CAAC−OS膜を成膜するために、以下の条件を適用することが好ましい。
成膜時の不純物混入を低減することで、不純物によって結晶状態が崩れることを抑制できる。例えば、処理室内に存在する不純物濃度(水素、水、二酸化炭素、及び窒素など)を低減すればよい。また、成膜ガス中の不純物濃度を低減すればよい。具体的には、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下である成膜ガスを用いる。
また、成膜時の基板加熱温度を高めることで、基板到達後にスパッタリング粒子のマイグレーションが起こる。具体的には、基板加熱温度を100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500℃以下として成膜する。成膜時の基板加熱温度を高めることで、平板状又はペレット状のスパッタリング粒子が基板に到達した場合、基板上でマイグレーションが起こり、スパッタリング粒子の平らな面が基板に付着する。
また、成膜ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化することで成膜時のプラズマダメージを軽減すると好ましい。成膜ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100体積%とする。
ターゲットの一例として、In−Ga−Zn酸化物ターゲットについて以下に示す。
InO粉末、GaO粉末及びZnO粉末を所定のmol数比で混合し、加圧処理後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすることで多結晶であるIn−Ga−Zn酸化物ターゲットとする。なお、X、Y及びZは任意の正数である。ここで、所定のmol数比は、例えば、InO粉末、GaO粉末及びZnO粉末が、2:2:1、8:4:3、3:1:1、1:1:1、4:2:3、4:2:4.1または3:1:2である。なお、粉末の種類、及びその混合するmol数比は、作製するターゲットによって適宜変更すればよい。
なお、アルカリ金属は酸化物半導体を構成する元素ではないため、不純物である。アルカリ土類金属も、酸化物半導体を構成する元素ではない場合において、不純物となる。特に、アルカリ金属のうちNaは、酸化物半導体層に接する絶縁層が酸化物である場合、当該絶縁層中に拡散してNaとなる。また、Naは、酸化物半導体層内において、酸化物半導体を構成する金属と酸素の結合を分断する、或いは、その結合中に割り込む。その結果、例えば、閾値電圧がマイナス方向にシフトすることによるノーマリオン化、移動度の低下等の、トランジスタの電気的特性の劣化が起こり、加えて、特性のばらつきも生じる。具体的に、二次イオン質量分析法によるNa濃度の測定値は、5×1016/cm以下、好ましくは1×1016/cm以下、更に好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。同様に、Li濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。同様に、K濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。
また、インジウムを含む金属酸化物が用いられている場合に、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも大きいシリコンや炭素が、インジウムと酸素の結合を切断し、酸素欠損を形成することがある。そのため、シリコンや炭素が酸化物半導体層に混入していると、アルカリ金属やアルカリ土類金属の場合と同様に、トランジスタの電気的特性の劣化が起こりやすい。よって、酸化物半導体層中におけるシリコンや炭素の濃度は低いことが望ましい。具体的に、二次イオン質量分析法によるC濃度の測定値、またはSi濃度の測定値は、1×1018/cm以下とするとよい。上記構成により、トランジスタの電気的特性の劣化を防ぐことができ、半導体装置の信頼性を高めることができる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置を有するチップの一例、及び電子機器のモジュールの一例について説明する。
図14(A)に、リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージの断面構造を表す斜視図を示す。
図14(A)に示すパッケージは、本発明の一態様にかかる半導体装置に相当するチップ351が、ワイヤボンディング法により、インターポーザ350上の端子352と接続されている。端子352は、インターポーザ350のチップ351がマウントされている面上に配置されている。そしてチップ351はモールド樹脂353によって封止されていても良いが、各端子352の一部が露出した状態で封止されるようにする。
パッケージが回路基板に実装されている電子機器のモジュールの構成を、図14(B)に示す。
図14(B)に示す携帯電話のモジュールは、プリント配線基板801に、パッケージ802と、バッテリー804とが実装されている。また、表示素子が設けられたパネル800に、プリント配線基板801がFPC803によって実装されている。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯情報端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図15に示す。
図15(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5001、筐体5002、表示部5003、表示部5004、マイクロホン5005、スピーカー5006、操作キー5007、スタイラス5008等を有する。本発明の一態様に係る半導体装置は、携帯型ゲーム機が有する各種集積回路に用いることができる。なお、図15(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5003と表示部5004とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図15(B)は携帯情報端末であり、第1筐体5601、第2筐体5602、第1表示部5603、第2表示部5604、接続部5605、操作キー5606等を有する。第1表示部5603は第1筐体5601に設けられており、第2表示部5604は第2筐体5602に設けられている。そして、第1筐体5601と第2筐体5602とは、接続部5605により接続されており、第1筐体5601と第2筐体5602の間の角度は、接続部5605により変更が可能である。第1表示部5603における映像を、接続部5605における第1筐体5601と第2筐体5602との間の角度に従って、切り替える構成としても良い。本発明の一態様に係る半導体装置は、携帯情報端末が有する各種集積回路に用いることができる。また、第1表示部5603及び第2表示部5604の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
図15(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する。本発明の一態様に係る半導体装置は、ノート型パーソナルコンピュータが有する各種集積回路に用いることができる。
図15(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体5301、冷蔵室用扉5302、冷凍室用扉5303等を有する。本発明の一態様に係る半導体装置は、電気冷凍冷蔵庫が有する各種集積回路に用いることができる。
図15(E)はビデオカメラであり、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部5803、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。操作キー5804及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐体5802に設けられている。本発明の一態様に係る半導体装置は、ビデオカメラが有する各種集積回路に用いることができる。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続部5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、接続部5806により変更が可能である。表示部5803における映像を、接続部5806における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
図15(F)は自動車であり、車体5101、車輪5102、ダッシュボード5103、ライト5104等を有する。本発明の一態様に係る半導体装置は、自動車が有する各種集積回路に用いることができる。
A1−A2 一点鎖線
A3−A4 一点鎖線
B_1 トランジスタ
Sl_1 制御信号
Sl_2 制御信号
T1 時刻
T3 時刻
T4 時刻
T5 時刻
T6 時刻
T7 時刻
T8 時刻
T9 時刻
T10 時刻
11 命令メモリ
12 デコーダ
13 レジスタファイル
14 演算部
14_1 演算部
14_2 演算部
15 データメモリ
16_1 パイプラインレジスタ
16_2 パイプラインレジスタ
16_3 パイプラインレジスタ
16_4 パイプラインレジスタ
17 演算器
17_1 演算器
17_2 演算器
17A 演算器
17B 演算器
17C 演算器
17D 演算器
18 トランジスタ
18_1 トランジスタ
18_2 トランジスタ
18A トランジスタ
18B_n トランジスタ
18B_1 トランジスタ
18n トランジスタ
19_iso 回路
19_n 回路
19_1 回路
20n トランジスタ
20p トランジスタ
21 AND回路
21n トランジスタ
21p トランジスタ
81 絶縁層
82a 酸化物半導体層
82b 酸化物半導体層
82c 酸化物半導体層
83 導電層
84 導電層
85 絶縁層
86 導電層
89 層
90 層
100 半導体装置
301 層
302 層
303 層
304 層
350 インターポーザ
351 チップ
352 端子
353 モールド樹脂
400 半導体基板
401 p型不純物領域
402 素子分離用絶縁層
403 n型不純物領域
404 ゲート絶縁層
406 ゲート電極
408 層間絶縁層
410 導電層
412 配線層
414 層間絶縁層
416 導電層
418 配線層
420 層間絶縁層
422 層間絶縁層
424 層間絶縁層
426 半導体層
428 配線層
430 ゲート絶縁層
432 ゲート電極
434 層間絶縁層
800 パネル
801 プリント配線基板
802 パッケージ
803 FPC
804 バッテリー
5001 筐体
5002 筐体
5003 表示部
5004 表示部
5005 マイクロホン
5006 スピーカー
5007 操作キー
5008 スタイラス
5101 車体
5102 車輪
5103 ダッシュボード
5104 ライト
5301 筐体
5302 冷蔵室用扉
5303 冷凍室用扉
5401 筐体
5402 表示部
5403 キーボード
5404 ポインティングデバイス
5601 筐体
5602 筐体
5603 表示部
5604 表示部
5605 接続部
5606 操作キー
5801 筐体
5802 筐体
5803 表示部
5804 操作キー
5805 レンズ
5806 接続部

Claims (6)

  1. パイプライン処理を行う半導体装置であって、
    前記パイプライン処理を行うための実行ステージは、第1の演算部と、第2の演算部と、を有し、
    前記第1の演算部は、第1の演算器と、第1のトランジスタと、を有し、
    前記第1のトランジスタは、前記第1の演算器に電源電圧を与える配線間に設けられ、
    前記第1のトランジスタは、非導通状態とすることで、前記第1の演算器への電源電圧の供給を停止する機能を有し、
    前記第2の演算部は、第2の演算器と、第2のトランジスタと、を有し、
    前記第2のトランジスタは、前記第2の演算器に電源電圧を与える配線間に設けられ、
    前記第2のトランジスタは、非導通状態とすることで、前記第2の演算器への電源電圧の供給を停止する機能を有し、
    記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、デコーダでデコードされた命令に従って、非導通状態が制御される
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. パイプライン処理を行う半導体装置であって、
    前記パイプライン処理を行うための実行ステージは、第1の演算部と、第2の演算部と、を有し、
    前記第1の演算部は、第1の演算器と、第1のトランジスタと、を有し、
    前記第1のトランジスタは、前記第1の演算器に電源電圧を与える配線間に設けられ、
    前記第1のトランジスタは、非導通状態とすることで、前記第1の演算器への電源電圧の供給を停止する機能を有し、
    前記第2の演算部は、第2の演算器と、第2のトランジスタと、を有し、
    前記第2のトランジスタは、前記第2の演算器に電源電圧を与える配線間に設けられ、
    前記第2のトランジスタは、非導通状態とすることで、前記第2の演算器への電源電圧の供給を停止する機能を有し、
    前記第1の演算器及び前記第2の演算器は、第3のトランジスタを有し、
    記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、デコーダでデコードされた命令に従って、非導通状態が制御され、
    前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタと、前記第3のトランジスタとは、異なる層に設けられている
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項2において、
    前記第3のトランジスタは、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタであることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、
    前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、チャネル形成領域に酸化物半導体を有し、
    前記酸化物半導体は、In、Ga、及びZnを有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか一において、
    前記第3のトランジスタのソース電極又はドレイン電極は、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタのソース電極又はドレイン電極と、重なる領域を有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一に記載の半導体装置と、
    表示装置、または、スピーカーと、を有する
    ことを特徴とする電子機器。
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