JP2016025152A - 積層部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な製造方法で得られ、かつ高強度で大きなインダクタンスを得られ易い積層部品を提供する。
【解決手段】磁性体層2及びコイルパターン3を交互に積層し、コイルパターンを積層方向に接続してコイルを構成した積層部品10において、磁性体層はFe系軟磁性粉とFe系軟磁性粉間に介在する酸化物相を備え、Fe系軟磁性粉はFe−Al−Cr合金粒を含み、酸化物相はFe−Al−Cr合金粒から形成された酸化物相を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属軟磁性体を積層した積層体内にコイル形成した積層部品に関する。
従来、家電機器、産業機器、車両など多種多様な用途において、インダクタ、トランス、チョーク等のコイル部品が用いられている。コイル部品は、磁心と、その磁心に設けられたコイルで構成される。かかる磁心には、磁気特性、形状自由度、価格に優れるフェライトが広く用いられている。
近年、電子機器等の電源装置の小型化が進んだ結果、小型・低背で、かつ大電流に対しても使用可能なコイル部品の要求が強くなり、フェライトと比較して飽和磁束密度が高い金属軟磁性粉を使用した積層型のコイル部品(以下積層部品と呼ぶ)が提案されている。金属軟磁性粉としては、例えばFe、あるいはFe−Si−Al系、Fe−Si―Cr系、Fe−Ni系合金などの軟磁性粉末が用いられている。
特許文献1の積層部品では、かかる金属軟磁性粉末を、ほう珪酸ガラスと樹脂バインダー、さらに溶剤と配合、混練して磁性体層用ペーストとする。更に、導電体粉末としてAg粉を用いて、樹脂バインダーと溶剤と配合、混練して導電体層用ペーストとし、前記磁性体層用ペーストと前記導電体層用ペーストとを交互に繰り返して印刷して積層する。得られた積層体を大気中で750℃にて熱処理して、金属軟磁性粉をガラス成分によって固着し、導電体層によるコイルを内包する積層部品としている。また特許文献2では、磁性体層用ペーストをシートとし、それに導電体層用ペーストでコイルパターンを形成したものを複数枚積層し、圧着して積層体とする。それを非酸化性雰囲気で400℃以上の温度で熱処理する。得られた積層部品は特許文献1のものと同様に、金属軟磁性粉末はガラス成分によって固着されている。更に熱処理を非酸化性雰囲気で行うことで、熱処理後の透磁率の低下を防いでいる。但し、特許文献2では、非酸化性雰囲気での熱処理による作用効果が、何故もたらされるのかについては記載はない。
特開平9−148118号公報 特開2007−27354号公報
金属軟磁性粉は飽和磁束密度が高い反面、錆び易く、電気抵抗率が低いため、特許文献1、2の積層部品では、ガラス成分によって軟磁性粉末の粒を被覆し、防錆・絶縁する。しかしながら、金属軟磁性粉末間のガラス成分は非磁性であるので磁気ギャップとしても作用し、透磁率を小さくするので、積層部品のインダクタンスを高めることは容易では無い。更に積層部品の強度は金属軟磁性粉末間のガラス成分の強度に影響されて、フェライトを用いた積層部品と比べて強度に劣る場合がある。また、金属軟磁性粉末を確実に被覆するには多くのガラスが必要であるし、ほう珪酸ガラスと金属軟磁性粉末と混合する工程が必要であるなど高コストとなるため、積層部品の製造工数の改善の余地もある。
本発明は、簡易な製造方法で得られ、かつ高強度で大きなインダクタンスを得られ易い積層部品を提供することを目的とする。
第1の発明は、磁性体層及びコイルパターンを交互に積層し、前記コイルパターンを積層方向に接続してコイルを構成した積層部品において、前記磁性体層はFe系軟磁性粉と前記Fe系軟磁性粉間に介在する酸化物相を備え、前記Fe系軟磁性粉はFe−Al−Cr合金粒を含み、前記酸化物相は前記Fe−Al−Cr合金粒から形成された酸化物相を有することを特徴とする積層部品である。
第1の発明においては、前記酸化物相にAlが偏析しているのが好ましい。
第1の発明においては、前記積層部品の表面に、前記Fe−Al−Cr合金粒から形成された酸化物相を備えるのが好ましい。
第1の発明においては、前記積層部品の表面に前記コイルと接続する端子電極を設けるのが好ましい。
第1の発明においては、積層部品に電子部品を載置し、前記端子電極と接続するのが好ましい。
第2の発明は、前記第1の発明の積層部品の製造方法であって、磁性体層及びコイルパターンを積層して成形体とする工程と、前記成形体を熱処理して前記酸化物相を形成する工程を含むことを特徴とする積層部品の製造方法である。
当該積層部品ではFe系軟磁性粉としてFe−Al−Cr合金粒を用い、そのFe−Al−Cr合金粒から形成された酸化物相がFe系軟磁性粉間に介在するので、良好な絶縁性を発揮することができる。また、上記酸化物相によりFe系軟磁性粉同士を強固に結合することができ、積層部品の強度を高めることができる。また、上記酸化物相は薄いので密度を高めることができる。これにより、得られる積層部品では非磁性である領域が低減されて透磁率を、ひいてはインダクタンスを向上させることができる。
当該製造方法では、得られる成形体を熱処理するだけでFe系軟磁性粉間にAlを含む酸化物相を形成することができて、積層部品の生産性を向上させることができる。加えて、特定の酸化物相の形成により積層部品の絶縁性および強度を効率良く高めることができる。
本発明の一実施形態に係る積層部品の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る積層部品の断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層部品の分解斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る積層部品の斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る積層部品の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る積層部品の等価回路図である。 実施例における積層部品のSEM観察図である。
以下、本発明の一実施形態に係る積層部品およびその製造方法について具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、図の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大または縮小等して図示した部分がある。
図1は本発明の一実施態様による積層部品の外観を示し、図2は図1の積層部品の断面を示し、図3は図1の積層部品を構成する各層を示す。
積層部品は11層(S1〜S11)で構成され、コイルパターン3(3a〜3c)が形成された磁性体層2からなるコイル形成層1a〜1dを有するコイル形成域1と、コイル形成域1の上下にそれぞれ設けられたコイルパターンを有さない磁性体層2からなる磁性体域5とを有する。コイル形成域1では、0.5〜1ターンのコイルパターン3(3a〜3d)は、スルーホール6を介して接続され、6.5ターンのコイルを形成している。コイルの両端は積層部品の対向側面に引き出され、Ag等の導電体層用ペーストを焼き付けた端子電極200a、200bと接続している。
磁性体層2は、Fe−Al−Cr合金粒を含むFe系軟磁性粉と、ポリビニルブチラールを主成分とする有機バインダ、及びエタノール、トルエン、キシレン等の溶媒をボールミル中で混練し、得られたスラリーを粘度調製した後、ポリエステルフィルム等のキャリアフィルム上にドクターブレード法等で塗布及び乾燥してシート状に形成される。Fe系軟磁性粉はFe−Al−Cr合金粒のみで構成するほかに、Fe−Si−Al合金粒や、Fe−Si−Cr合金粒等の他のFe系属軟磁性粒を含んでいても良い。
Fe系軟磁性粉の形態は、特に限定されるものではないが、流動性等の観点からアトマイズ粉に代表される粒状粉を用いることが好ましい。
含有比率の高い三つの主要元素としてFe、CrおよびAlを含むFe−Al−Cr合金粒の組成は、磁性体層を構成できるものであれば、特に限定されるものではない。AlおよびCrは耐食性等を高める元素である。また、Alは特に表面酸化物の形成に寄与する。かかる観点から、Fe−Al−Cr系合金粒中のAlの含有量は、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上である。一方、Alが多くなりすぎると飽和磁束密度が低下するため、Alの含有量は、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、さらに好ましくは7.0質量%以下である。Crは上述のように耐食性を高める元素である。かかる観点から、Fe−Al−Cr合金粒中のCrの含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上である。一方、Crが多くなりすぎると飽和磁束密度が低下し、合金粒が硬くなるため、Crの含有量は、好ましくは9.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下である。
耐食性等の観点から、CrとAlを合計した含有量は、6.0質量%以上が好ましい。また、表面の酸化物層にはCrに比べてAlが顕著に濃化するため、CrよりもAlの含有量が多いFe−Al−Cr合金粒を用いることがより好ましい。
上記CrおよびAl以外の残部は主にFeで構成されるが、Fe−Al−Cr合金粒が持つ成形性等の利点を発揮する限りにおいて、他の元素を含むこともできる。ただし、非磁性元素は飽和磁束密度等を低下させるため、かかる他の元素の含有量は1.0質量%以下であることが好ましい。なお、Fe−Si系合金等で用いられるSiは、積層部品の強度向上に不利な元素であるため、本実施形態では、Fe−Al−Cr系合金粒の通常の製造プロセスを経て入り込む不可避的不純物レベル(好ましくは0.5質量%以下)で含まれていてもよい。Fe−Al−Cr合金粒は、不可避的不純物を除きFe、CrおよびAlで構成されることがさらに好ましい。
Fe系軟磁性粉の平均粒径(ここでは、累積粒度分布におけるメジアン径d50を用いる)は特に限定されるものではないが、平均粒径を小さくすることで積層部品の強度、コアロス、高周波特性が改善されるので、例えば、高周波特性が要求される用途では、20μm以下の平均粒径を有するFe系軟磁性粉を好適に用いることができる。メジアン径d50はより好ましくは18μm以下、さらに好ましくは16μm以下である。一方、平均粒径が小さい場合は透磁率が低くなるため、メジアン径d50はより好ましくは5μm以上である。また、篩等を用いてFe系軟磁性粉から粗い粒子を除くことがより好ましい。この場合、少なくとも32μmアンダーの(すなわち、目開き32μmの篩を通過した)Fe系軟磁性粉を用いることが好ましい。
コイル形成層1は更に、得られたシートに接続用のスルーホールを開け、導電体層用ペーストによりコイルパターン3a〜3dを印刷するとともに、スルーホール6に導電体層用ペーストを充填して形成される。図示はしないが、通常シートにはその一面に複数のコイルパターンが形成される。
導電体層用ペーストは金属粒と有機ビヒクルと溶剤を含み、更にガラス粉末を含んでいても良い。金属粒はAg、Cu、Ag合金、Cu合金等を用いるのが好ましい。コイルパターンは印刷法のほか、転写法も採用できる。導電体層用ペーストに、収縮率制御材として、Pd、Ir、Pt、Ru、Rh、Ti、及びCoからなる群から選ばれる一種以上の金属を付加しても良い。それらの金属の内の幾つか、例えばPt、RuあるいはRhはFe―Al―Cr合金粒の酸化を促進する触媒として機能し、後述する熱処理によってコイルパターンと磁性体層との界面に、Fe−Al−Cr合金粒から形成される酸化物相を安定して形成することが出来て、コイルパターンと磁性体層との絶縁性を向上することが出来る。
なお、コイルパターンの上面と実質的に同じ高さとなるように、コイルパターンを除く領域に磁性体ペーストを印刷又は塗布しても良い。磁性体ペーストは前記シートと同じFe系軟磁性粉を含有するのが好ましい。ただし粒径、副成分の種類、添加量等は異なってもよい。磁性体ペーストはFe系軟磁性粉、エチルセルロース等のバインダ及び溶剤を配合して作製する。このような構成によれば、コイルパターンが厚い場合でも、積層圧着時の積層ずれや、圧着後の層間剥離(デラミネーション)の発生を低減できる。
コイルパターン3a〜3dがスルーホール6で接続してコイルとなるように、磁性体層2(磁性体域5と複数のコイル形成層1a〜1d)を積層し加熱圧着して成形体とする。
次に、前記成形体の熱処理工程について説明する。成形等でFe系軟磁性粉に導入された応力歪を緩和して良好な磁気特性を得るために、成形体に対して熱処理が施される。かかる熱処理によって、さらに、Fe系軟磁性粉の表面にAlが偏析した酸化物相を形成する。この酸化物相は、熱処理によりFe系軟磁性粉と酸素とを反応させ成長させたものであり、Fe系軟磁性粉の自然酸化を超える酸化反応により形成される。かかる熱処理は、大気中、酸素と不活性ガスの混合気体中など、酸素が存在する雰囲気中で行うことができる。また、水蒸気と不活性ガスの混合気体中など、水蒸気が存在する雰囲気中で熱処理を行うこともできる。これらのうち大気中の熱処理が簡便であり好ましい。
本工程の熱処理は、上記酸化物相が形成される温度で行えばよい。かかる熱処理によって絶縁と強度に優れた積層部品が得られる。さらに、本工程の熱処理は、Fe系軟磁性粉が著しく焼結しない温度で行うことが好ましい。Fe系軟磁性粉が著しく焼結すると、Alが偏析した(Alの比率が高い)酸化物相の一部が合金相に取り囲まれてアイランド状に孤立化してネックを形成するようになる。そのため、Fe系軟磁性粉を隔てる絶縁機能が低下するようになる。具体的な熱処理温度は、600〜900℃の範囲が好ましく、700〜800℃の範囲がより好ましく、750〜800℃の範囲がいっそう好ましい。上記温度範囲での保持時間は、積層部品の大きさ、処理量、特性ばらつきの許容範囲などによって適宜設定され、例えば0.5〜3時間に設定される。
Fe−Al−Cr合金粒中のAlが表層に濃化し、前記酸化物相では合金粒内部の合金相よりもAlの比率が高くなって酸化物相でのAlの偏析が生じる。なお、元素分布はSEM画像にて観察することができる。
かかる酸化物相が形成されることによって、ほう珪酸ガラスを用いなくてもFe系軟磁性粉の絶縁性および耐食性が向上する。また、かかる酸化物相は、成形体を構成した後に形成されるため、該酸化物相を介したFe系軟磁性粉同士の結合にも寄与する。Fe系軟磁性粉同士が前記酸化物相を介して結合されることで、高強度の積層部品が得られる。したがって形成方法も簡易になるため生産性が向上する。
形成される酸化物相は2粒子間の粒界相において厚くても数十nm程度であるので、非磁性部分が減じられて透磁率を高めることが出来る。また、前記酸化物相はFe系軟磁性粉の粒界に留まらず、積層部品の表面全体を覆っているのが観察された。
通常、前記成形体には複数のコイルを含む。そこで熱処理前に必要な単位毎に切断して少なくとも一つのコイルを内包する単位成形体とし、それを熱処理しても良いし、成形体を熱処理した後、切断して単位成形体としてもよい。
端子電極は、成形体に印刷法、転写法、ディップ法等の従来から知られた形成方法で導電体層用ペーストを用いて形成し焼き付ければ良い。導電体層用ペーストは前記コイルパターンに用いたものを用いることが出来る。端子電極の形成は熱処理前でも後でも構わない。熱処理前なら熱処理工程で焼き付けることが出来る。端子電極には、はんだ付け性を向上するようにめっき皮膜を形成するのが好ましい。このような積層部品は、例えばチョーク、インダクタ、リアクトル、トランス等として用いられる。
導電体層用ペーストはガラス粉末を含むのが好ましい。焼き付け後のガラスは端子電極と積層部品の表面との界面に存在して、端子電極の積層部品への密着強度を向上することが出来る。また、Pt、RuあるいはRhを含む場合には、前記熱処理によって、積層部品の表面であって端子電極との界面に、端子電極に覆われない積層部品の表面に形成された酸化物相よりも厚く酸化物相が形成される。端子電極直下の厚い酸化物層は、端子電極間の絶縁を一層高めるともに、端子電極の密着強度を向上させる。
本実施態様の積層部品ではシート積層法で作製した場合を説明したが、印刷積層法を採用しても構成可能であって、上記に限定されるものではない。
図4は他の実施態様の積層部品の外観を示し、図5はその断面を示し、図6はその等価回路を示す。この積層部品10はコイルを内包し、その表面にスイッチング素子及び制御回路を含む半導体集積回路部品ICとコンデンサCin,Coutを実装した降圧型DC−DC個コンバータである。積層部品10の構成は前述のものとほぼ同じであるので重複する説明を省略する。
積層部品10の裏面には複数の端子電極90が設けられており、側面に形成された接続電極により半導体集積回路部品ICや、インダクタと接続されている。接続電極は積層部品内のスルーホールで形成しても良い。端子電極90に付した符号は接続する半導体集積回路部品ICの端子に対応し、端子電極Vconは出力電圧可変制御用端子と、端子電極Venは出力のON/OFF制御用端子と、外部端子Vddはスイッチング素子をON/OFF制御するための端子と、端子電極Vinは入力端子と、端子電極Voutは出力端子と接続する。端子電極GNDはグランド端子GNDと接続する。積層部品10の表面にも絶縁に優れた酸化物相が形成されているので、端子電極や接続電極の形成が可能であって、強度にも優れるので他の電子部品を実装するのにも適している。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
以下のようにして、積層部品を作製した。Fe系軟磁性粉としてFe−Al−Cr合金粒を用いた。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−920)で測定した平均粒径(メジアン径d50)は10μmであった。Fe系軟磁性粉は粒状のアトマイズ粉であり、その組成は質量百分率でFe−5.0%Al−4.0%Crであった。アトマイズ粉は、440メッシュ(目開き32μm)の篩を通して粗い粒子を除いてから使用した。
Fe系軟磁性粉100重量部に対して、溶剤としてエタノールを26部、ブタノールを7.2部、バインダーとしてポリビニルブチラールを1.6部の割合で添加、混合し、脱泡して粘度調整し成形用のスラリーとしシート成形した。
得られたシートにAgの導電体層用ペーストでコイルパターンを形成し、それを積層して、冷間等方圧加工法(CIP)にて、圧力350kg/cm、温度85℃、時間600秒で圧着して成形体とした。得られた成形体を切断して個片成形体とした後、対向する2面に、ディップ法にて端子電極となる導電体層用ペーストを付着させた。適宜乾燥の後、この成形体に、大気中、750℃の熱処理温度で1時間の熱処理を施し、積層部品を得た。その外形寸法は、長さ2.0mm、幅1.2mm、厚み1.2mmであった。またそのインダクタンスは100kHzで1μHであった。
以上の工程により作製した積層部品を基板にはんだ付けで実装した状態で、曲げ、捻りを加えた。実体顕微鏡で観察したところ、磁性体層や端子電極にひびや割れは確認されなかった。
積層部品とは別に、前記シートを用いて環状の試料を作成した。熱処理後の外形寸法は、外径φ13.4mm、内径φ7.7mm、高さ4.0mmである。得られた試料の外周側面から直径方向に荷重をかけ、破壊時の最大加重P(N)を測定し、次式から圧環強度σr(MPa)を求めた。
σr=P(D−d)/(Id
(ここで、D:コアの外径(mm)、d:コアの肉厚(mm)、I:コアの高さ(mm)である。)
その結果、一般的なフェライトの圧環強度を超える100MPaの強度が得られた。
同様に前記シートを用いて、円板状(外径φ13.5mm、厚み4mm)の試料を作製し、その対向する二平面に導電性接着剤を塗り、乾燥・固化の後、被測定物を電極の間にセットした。電気抵抗測定装置(株式会社エーディーシー製8340A)を用いて、50Vの直流電圧を印加し、抵抗値R(Ω)を測定した。被測定物の平面の面積A(m)と厚みt(m)とを測定し、次式により比抵抗ρ(Ωm)を算出したところ、フェライトと同程度の1.3×10kΩmの比抵抗が得られた。
比抵抗ρ(Ωm)=R×(A/t)
前記積層部品を切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(SEM/EDX)により観察した(倍率:2000倍)。図7は、断面観察写真と、Fe(鉄)、Al(アルミニウム)、O(酸素)の分布を示すマッピングである。明るい色調ほど対象元素が多いことを示す。Fe−Al−Cr合金粒の表面には酸素が多く、酸化物が形成されていること、および各Fe−Al−Cr合金粒同士がこの酸化物を介して結合している様子がわかる。また、AlはFe−Al−Cr合金粒の表面でAlの濃度が顕著に高くなっている。これらのことから、Fe−Al−Cr合金粒の表面に、内部の合金相よりもAlの比率が高い酸化物相が形成されていることが確認された。
2 磁性体層
3、3a〜3c コイルパターン
10 積層部品
200a、200b 端子電極

Claims (6)

  1. 磁性体層及びコイルパターンを交互に積層し、前記コイルパターンを積層方向に接続してコイルを構成した積層部品において、
    前記磁性体層はFe系軟磁性粉と前記Fe系軟磁性粉間に介在する酸化物相を備え、
    前記Fe系軟磁性粉はFe−Al−Cr合金粒を含み、前記酸化物相は前記Fe−Al−Cr合金粒から形成された酸化物相を有することを特徴とする積層部品。
  2. 請求項1に記載の積層部品であって、
    前記酸化物相にAlが偏析していることを特徴とする積層部品。
  3. 請求項1又は2に記載の積層部品であって、
    前記積層部品の表面に、前記Fe−Al−Cr合金粒から形成された酸化物相を備えたことを特徴とする積層部品。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の積層部品であって、
    前記積層部品の表面に前記コイルと接続する端子電極が設けられたことを特徴とする積層部品。
  5. 請求項4に記載の積層部品であって、
    積層部品に電子部品を載置し、前記端子電極と接続することを特徴とする積層部品。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の積層部品の製造方法であって、
    磁性体層及びコイルパターンを積層して成形体とする工程と、
    前記成形体を熱処理して前記酸化物相を形成する工程を含むことを特徴とする積層部品の製造方法。


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