JP2016024946A - 電流測定装置 - Google Patents

電流測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016024946A
JP2016024946A JP2014147967A JP2014147967A JP2016024946A JP 2016024946 A JP2016024946 A JP 2016024946A JP 2014147967 A JP2014147967 A JP 2014147967A JP 2014147967 A JP2014147967 A JP 2014147967A JP 2016024946 A JP2016024946 A JP 2016024946A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrodes
current
resistance
resistor
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014147967A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6405763B2 (ja
Inventor
雄一 五味
Yuichi Gomi
雄一 五味
裕司 石川
Yuji Ishikawa
裕司 石川
山本 隆士
Takashi Yamamoto
隆士 山本
良平 片岡
Ryohei Kataoka
良平 片岡
梶野 秀忠
Hidetada Kajino
秀忠 梶野
山田 貴史
Takashi Yamada
貴史 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2014147967A priority Critical patent/JP6405763B2/ja
Publication of JP2016024946A publication Critical patent/JP2016024946A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6405763B2 publication Critical patent/JP6405763B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)

Abstract

【課題】平板状の第1、第2抵抗部が対称に配置された構造を採用した場合と比較して、電流測定部の薄型化が可能な電流測定装置を提供する。
【解決手段】燃料電池の隣り合うセルの間に配置され、隣り合うセルの一方と接する第1電極211と、隣り合うセルの他方と接する第2電極212と、第1、第2電極211、212の間に位置し、第1、第2電極211、212と電気的に接続される抵抗体220と、第1、第2電極211、212の間の電位差を取り出す第1信号線231および第2信号線232とを有する電流測定部2aにおいて、第1信号線231および第2信号線232が第1、第2電極211、212の表面に対して平行に延伸しているのに対して、抵抗体220が、抵抗体220の内部を電流が第1、第2電極211、212の表面に対して垂直な方向に流れるように配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池の内部を流れる電流を測定する電流測定装置に関するものである。
この電流測定装置として、シャント式の電流測定装置が特許文献1に記載されている。特許文献1の電流測定装置は、燃料電池の隣り合うセルの間に配置される電流測定部を備えている。電流測定部は、隣り合うセルの一方と接する平板状の第1電極と、隣り合うセルの他方と接する平板状の第2電極と、第1、第2電極の間に位置し、第1、第2電極と電気的に接続された抵抗体と、抵抗体の両端部の電位差を取り出す第1、第2信号線とを有している。この電流測定装置では、第1、第2信号線で取り出した電位差と、抵抗体の抵抗値とに基づいて、隣り合うセルの一方から他方に向けて前記電流測定部を通過する電流を検出する。
そして、特許文献1の電流測定装置では、第1、第2信号線は、第1、第2電極の間にて、第1、第2電極の表面に平行な方向に延伸するように配置されている。また、抵抗体は、平板状の第1抵抗部と平板状の第2抵抗部とによって構成されており、第1、第2抵抗部は、第1、第2電極と平行な状態で、互いに対向して配置されている。このため、第1、第2抵抗部には、第1、第2電極の表面に対して平行な方向に電流が流れる。このとき、第1抵抗部における電流の流れ方向と第2抵抗部における電流の流れ方向が、互いに反対方向となるように、第1、第2抵抗部がそれらの間を基準に対称に配置されている。
これによれば、電流測定装置を燃料電池の交流インピーダンスを計測するための電流検出手段として用いるときや、燃料電池の内部を流れる電流が過渡的に変動したときのように、電流測定部を交流電流が流れる場合において、第1抵抗部を流れる電流によって発生する磁場の向きと第2抵抗部を流れる電流によって発生する磁場の向きとが、互いに反対方向となり、互いに弱め合うように作用する。このため、第1、第2信号線が抵抗体から受ける相互インダクタンスの影響を低減することができる。
特開2012−113884号公報
電流測定部において、第1、第2信号線が第1、第2電極の表面に対して平行に延伸する場合において、抵抗体の内部を第1、第2信号線の延伸方向と同じ方向に電流が流れるように、抵抗体が配置される構造を採用すると、抵抗体を電流が流れることによって生じる磁場に対して、この磁場を貫く方向に第1、第2信号線が延伸する関係となる。
このため、第1、第2信号線が抵抗体から相互インダクタンスの影響を受けてしまい、ノイズとなる電圧が第1、第2信号線に発生する。これを回避しようとすると、上記した特許文献1のように、平板状の第1、第2抵抗部が対称に配置された構造が必要となる。
しかし、電流測定部の構造として、平板状の第1、第2抵抗部が対称に配置された構造を採用すると、電流測定部が厚くなってしまうという問題が生じる。
本発明は上記点に鑑みて、平板状の第1、第2抵抗部が対称に配置された構造を採用した場合と比較して、電流測定部の薄型化が可能な電流測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
燃料電池(10)の隣り合うセル(10a)の間に配置され、隣り合うセルの一方と接する第1電極(211、111)と、隣り合うセルの他方と接する第2電極(212、112)と、第1、第2電極の間に位置し、第1、第2電極と電気的に接続され、第1、第2電極よりも抵抗値が大きな抵抗体(220、120)と、第1、第2電極の間の電位差を取り出す第1信号線(231、131)および第2信号線(232、132)とを有する電流測定部(2a)と、
第1、第2信号線で取り出した電位差と、第1、第2電極の間の電流経路の抵抗値とに基づいて、隣り合うセルの一方から他方に向けて電流測定部を通過する電流を検出する電流検出手段(3、4)とを備え、
第1、第2信号線は、それぞれ、第1、第2電極の間において、隣り合うセルのそれぞれと接する第1、第2電極の表面(211a、212a、111a、112a)に対して平行に延伸しており、
抵抗体は、抵抗体の内部を電流が第1、第2電極の表面に対して垂直な方向に流れるように配置されていることを特徴としている。
本発明では、抵抗体を流れる電流の向きが第1、第2信号線の延伸方向に対して垂直な方向となる。このため、抵抗体を流れる電流によって生じる磁場に対して、この磁場と同一面内で第1、第2信号線が延伸する関係となる。これにより、第1、第2信号線が抵抗体から受ける相互インダクタンスの影響を小さくできる。
したがって、本発明によれば、上記した平板状の第1、第2抵抗部が対称に配置された構造を不要にできるので、この構造を採用した場合と比較して、電流測定部の薄型化が可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態における燃料電池システムの全体構成図である。 第1実施形態における電流測定装置の構成図である。 図2中の電流測定部の断面図である。 比較例1の電流測定部の分解斜視図である。 比較例1の電流測定部の分解斜視図である。 実際に製造した第1実施形態の電流測定部による電流測定についての評価試験の結果を示すグラフである。 第2実施形態における電流測定部の断面図である。 第3実施形態における電流測定部の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
まず、図1に示す本実施形態の電流測定装置を適用した燃料電池システムについて説明する。この燃料電池システムは、電気自動車の一種である、いわゆる燃料電池車両に適用されており、車両走行用電動モータ等の電気負荷に電力を供給するものである。
図1に示すように、燃料電池システムは、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池10を備えている。燃料電池10は、図示しない車両走行用電動モータ、二次電池、車両用各種補機類等の電気負荷に供給される電気エネルギを出力するもので、本実施形態では、固体高分子電解質型燃料電池を採用している。
より具体的には、燃料電池10は、基本単位となる燃料電池セル10a(以下、単にセル10aと記載する。)が複数個、電気的に直列に接続されて構成されたものである。各セル10aでは、以下に示すように、水素と酸素とを電気化学反応させて、電気エネルギを出力する。
(負極側)H→2H+2e
(正極側)2H+1/2O+2e→H
この燃料電池10は、図示しないDC−DCコンバータを介して二次電池に電気的に接続されている。DC−DCコンバータは、燃料電池10から二次電池あるいは二次電池から燃料電池10への電力の流れを制御するもので、電圧の大きさに関わらず双方向に電力のやり取りが可能となっている。
さらに、燃料電池10から出力される電気エネルギは、燃料電池10の各セル10aから出力される電圧を検出するセルモニタ11、および、燃料電池10全体として出力される電流を検出する電流センサ12によって計測される。なお、セルモニタ11および電流センサ12の検出信号は、後述する制御装置50に入力されている。
また、燃料電池10の空気極(正極)側には、酸化剤ガスである空気(酸素)を燃料電池10に供給するための空気供給配管20a、並びに、燃料電池10にて電気化学反応を終えた余剰空気および空気極で生成された生成水を燃料電池10から外気へ排出するための空気排出配管20bが接続されている。
空気供給配管20aの最上流部には、大気中から吸入した空気を燃料電池10に圧送するための空気ポンプ21が設けられ、空気排出配管20bには、燃料電池10内の空気の圧力を調整するための空気調圧弁23が設けられている。
さらに、空気供給配管20aおよび空気排出配管20bには、空気調圧弁23から流出した空気の有する湿度(水蒸気)を空気ポンプ21から圧送された空気へ移動させるための加湿器22が設けられている。この加湿器22は、燃料電池10へ供給される空気を加湿する機能を果たす。
燃料電池10の水素極(負極)側には、燃料ガスである水素を燃料電池10に供給するための水素供給配管30a、水素極側に溜まった生成水を微量な水素とともに燃料電池10から外気へ排出するための水素排出配管30bが接続されている。さらに、水素供給配管30aおよび水素排出配管30bは、水素循環配管30cを介して接続されている。
水素供給配管30aの最上流部には、高圧水素が充填された高圧水素タンク31が設けられ、水素供給配管30aにおける高圧水素タンク31と燃料電池10との間には、燃料電池10に供給される水素の圧力を調整する水素調圧弁32が設けられている。
水素排出配管30bには、生成水を微量な水素とともに外気へ排出するために所定の時間間隔で開閉する電磁弁34が設けられている。なお、上述の電気化学反応では、水素極側において生成水は発生しないものの、水素極側には、酸素極側から各セル10aの電解質膜を透過した生成水が溜まるおそれがある。そこで、本実施形態では、水素排出配管30bおよび電磁弁34を設けている。
水素循環配管30cは、水素供給配管30aの水素調圧弁32下流側と水素排出配管30bの電磁弁34上流側とを接続するように設けられている。これにより、燃料電池10から流出した未反応の水素を、燃料電池10に循環させて再供給している。また、水素循環配管30cには、水素流路30内で水素を循環させるための水素ポンプ33が配置されている。
ところで、燃料電池10は発電効率を確保するために運転中一定温度(例えば80℃程度)に維持する必要がある。このため、燃料電池10には、燃料電池10を冷却するための冷却水回路40が接続されている。この冷却水回路40には、燃料電池10に冷却水(熱媒体)を循環させるウォータポンプ41、電動ファン42を備えたラジエータ(放熱器)43が設けられている。
さらに、冷却水回路40には、冷却水を、ラジエータ43を迂回するように流すバイパス流路44が設けられている。冷却水回路40とバイパス流路44との合流点には、バイパス流路44に流れる冷却水流量を調整するための流路切替弁45が設けられている。この流路切替弁45の弁開度が調整されることによって、冷却水回路40の冷却能力が調整される。
また、冷却水回路40の燃料電池10の出口側近傍には、燃料電池10から流出した冷却水の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ46が設けられている。この温度センサ46により冷却水温度を検出することで、燃料電池10の温度を間接的に検出することができる。なお、この温度センサ46の検出信号も、制御装置50に入力される。
制御装置50は、入力信号に基づいて、燃料電池システムを構成する各種電気式アクチュエータの作動を制御するもので、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。
具体的には、制御装置50の入力側には、上述のセルモニタ11、電流センサ12および温度センサ46の検出信号等の他に、後述する電流測定装置の電流検出回路3から出力される電流信号が入力される。一方、出力側には、上述の空気ポンプ21、空気調圧弁23、水素調圧弁32、水素ポンプ33、電磁弁34、ウォータポンプ41、流路切替弁45等の各種電気式アクチュエータが接続されている。
次に、本実施形態の電流測定装置の詳細について説明する。
図2に示すように、電流測定装置1は、燃料電池10の内部を流れる電流を測定するための測定板2および電流検出回路3を備えている。
測定板2は、燃料電池10の隣り合うセル10aの間に配置されるものである。測定板2は、複数の電流測定部2aが一体に形成された板状部材である。電流測定部2aは、セル10aのうち電流測定部2aに対向する領域の電流を測定するものであり、後述するように、隣り合うセル10aの一方から他方へ流れる電流を測定する。複数の電流測定部2aは、測定板2の面方向にマトリックス状に配置されている。これにより、測定板2を隣り合うセル10aの間に配置したとき、複数の電流測定部2aがセル10aの面方向に複数配置されるので、本実施形態の電流測定装置1では、セル10aの面内における電流密度分布を測定することができる。
ここで、図3を用いて、測定板2における1つの電流測定部2aの構造について説明する。図3は、1つの電流測定部2aの断面図である。
図3に示すように、測定板2は、複数の絶縁層が積層された多層基板で構成されている。絶縁層は、主に熱可塑性樹脂で構成された樹脂層である。本実施形態では、多層基板は、絶縁層として、図3中の上から順に第1絶縁層201、第2絶縁層202、第3絶縁層203の3層の絶縁層が積層されている。
そして、電流測定部2aは、多層基板の両面に配置された平板状の第1電極211および平板状の第2電極212と、多層基板の内部に配置された抵抗体220と、多層基板の内部に配置された第1、第2信号線231、232とを有している。
第1電極211は、電流測定部2aが隣り合うセル10aの間に配置された状態で、隣り合うセル10aの一方と接触するように、多層基板のうち隣り合うセル10aの一方に対向する一面に形成されている。第1電極211は、複数の絶縁層のうち外側に位置する第1絶縁層201の片面(図3では上面)に形成された導体パターン(導体層)で構成されている。なお、第1電極211の表面211aが隣り合うセル10aの一方と接触する。
第2電極212は、電流測定部2aが隣り合うセル10aの間に配置された状態で、隣り合うセル10aの他方と接触するように、多層基板のうち隣り合うセル10aの他方に対向する他面に形成されている。第2電極212は、複数の絶縁層のうち外側に位置する第3絶縁層203の片面(図3では下面)に形成された導体パターン(導体層)で構成されている。なお、第2電極212の表面212aが隣り合うセル10aの他方と接触する。
抵抗体220は、第1、第2電極211、212よりも抵抗値が大きな抵抗部材によって構成されるものであり、第1電極211と第2電極212の両方に電気的に接続されている。抵抗体220は、絶縁層201、202、203に形成されたスルーホール201a、202a、203aに対して、抵抗体220を構成する抵抗部材221a、222a、223aが埋め込まれることによって形成されている。スルーホール201a、202a、203aは、それぞれ、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに垂直な方向にて、第1、第2、第3絶縁層201、202、203の両面を貫通する貫通孔である。
各絶縁層201、202、203に形成されたスルーホール201a、202a、203aは、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに平行な方向で、同じ位置に配置されている。このため、各絶縁層201、202、203のスルーホール201a、202a、203aに埋め込まれた抵抗部材201a、202a、203aは、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに垂直な方向に連なっている。
なお、第1絶縁層201に形成された抵抗部材221aと、第2絶縁層202に形成された抵抗部材222aは、第2絶縁層202の片面(図3では上面)に形成された導体パターン233を介して接続されている。また、第1絶縁層201に形成された抵抗部材221aは、第1電極211に直接接続されており、第3絶縁層203に形成された抵抗部材223aは、第2電極212に直接接続されている。
したがって、本実施形態の抵抗体220は、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに対して垂直な方向に延伸するように配置されている。すなわち、抵抗体220は、抵抗体220の内部を電流が第1、第2電極211、212の表面211a、212aに対して垂直な方向に流れるように配置されている。
なお、本実施形態では、複数の絶縁層201、202、203のそれぞれに複数のスルーホールが形成され、それらに抵抗部材が充填されることで、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに対して垂直な方向に延伸する複数本の抵抗体220が形成されている。複数本の抵抗体220は、それぞれ独立して形成されており、多層基板の内部では、互いに電気的に接続されていない。
第1、第2信号線231、232は、第1、第2電極211、212の間の電位差を電流測定部2aの外部に取り出すものである。第1信号線231および第2信号線232は、第2絶縁層202の片面(図3では上面)に形成された導体パターン(導体層)で構成されている。したがって、第1、第2信号線231、232は、それぞれ、第1、第2電極211、212の間において、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに対して平行に延伸して配置されている。
第1信号線231は、抵抗体形成用のスルーホール201aとは別に、第1絶縁層201に形成された第1信号線用のスルーホール201bに充填された接続部材221bを介して、第1電極211と電気的に接続されている。第2信号線232は、抵抗体形成用のスルーホール202a、203aとは別に、第2、第3絶縁層202、203に形成された第2信号線用のスルーホール202b、203bに充填された接続部材222b、223bを介して、第2電極212と電気的に接続されている。なお、本実施形態では、第1、信号線231と第1電極211を、1つのスルーホール201bに充填された接続部材221bによって接続しているが、2つ以上のスルーホール201bに充填された接続部材221bによって接続することが好ましい。第2信号線232と第2電極212の接続においても同様である。
このような構造の電流測定部2aを有する測定板2は、次のようにして製造される。
まず、片面に銅箔等の導体箔からなる導体パターンが形成された複数の絶縁層201、202、203を用意する。
このとき、第1絶縁層201は、その片面に第1電極211が形成されている。また、第1絶縁層201には、抵抗体形成用のスルーホール201aと、第1信号線用のスルーホール201bが形成されている。これらのスルーホール201a、201bには、導電ペーストが充填されている。導電ペーストは、金属粒子と溶剤とによって構成されたものである。導電ペーストは、後述する加熱加圧の際に、金属粒子が焼結されることで抵抗部材221aや接続部材221bとなる。金属粒子として、例えば、錫粒子と銀粒子を用いた場合、銀と錫の合金によって、抵抗部材221aや接続部材221bが構成される。なお、金属粒子として、錫粒子と銅粒子を用いてもよく、この場合、銅と錫の合金によって、抵抗部材221aや接続部材221bが構成される。
同様に、第2絶縁層202は、その片面に第1、第2信号線231、232および導体パターン233が形成されている。また、第2絶縁層202には、抵抗体形成用のスルーホール202aと、第2信号線用のスルーホール202bが形成されている。これらのスルーホール202a、202bには、上記した導電ペーストが充填されている。
同様に、第3絶縁層203は、その片面に第2電極212が形成されている。また、第3絶縁層203には、抵抗体形成用のスルーホール203aと、第2信号線用のスルーホール203bが形成されている。これらのスルーホール203a、203bには、上記した導電ペーストが充填されている。
そして、複数の絶縁層201、202、203を積層して積層体を形成する。このとき、第1絶縁層201の抵抗部材221aと第2絶縁層202の導体パターン233とを対向させて、第1絶縁層201と第2絶縁層202とを積層する。第2、第3絶縁層202、203の抵抗部材222a、223a同士を対向させて、第2絶縁層202と第3絶縁層203とを積層する。
その後、積層体を加熱加圧することで、多層基板を成形する。このとき、複数の絶縁層201、202、203において隣り合う絶縁層同士が接着される。また、導電ペーストに含まれる金属粒子が焼結することで、各抵抗部材221a、222a、223aおよび各接続部材221b、222b、223bが形成される。なお、本実施形態では、抵抗体220の1電極あたりの抵抗値が100μΩ〜1000μΩ程度となるように、抵抗体形成用の各スルーホール201a、202a、203aの径や個数が調整される。
図3に示すように、第1信号線231と第2信号線232は、外部配線を介して、電圧センサ4と電気的に接続されている。電圧センサ4は、それぞれの電流測定部2aにおける第1電極211と第2電極212の電位差を検出して、検出信号を電流検出回路3に出力する電位差検出手段である。
図2に示す電流検出回路3は、電圧センサ4で検出した電位差と、第1電極211と第2電極212の間の抵抗値とを用いて演算処理することにより、セル10aの各電流測定部2aに対応する部位あたりの隣り合うセル10aの一方から他方へ流れる電流の大きさ(電流値)を検出する演算手段である。第1電極211と第2電極212の間の抵抗値は、予め測定され、電流検出回路3に記憶されている。電流検出回路3は、検出した電流値を制御装置50へ出力する。したがって、本実施形態では、電圧センサ4と電流検出回路3が、隣り合うセル10aの一方から他方に向けて電流測定部2aを通過する電流の大きさを検出する電流検出手段を構成している。なお、電流検出回路3に電位差を検出する機能を持たせてもよい。この場合、電流検出回路3が電流を検出する電流検出手段を構成する。
次に、本実施形態の電流測定装置1による電流測定方法について説明する。燃料電池10に水素および空気が供給されることで、燃料電池10での発電が開始される。発電により生じた電流は、測定板2を挟んで隣り合うセル10aの一方から他方へ、測定板2を介して流れる。測定板2の各電流測定部2aでは、抵抗体220を介して第1、第2電極211、212の一方から他方へ電流が流れる。
このとき、第1、第2電極211、212の間の電流経路は所定の抵抗値(R)を有するために、この電流経路を電流(電流値I)が流れることで、第1電極211と第2電極212の間に電位差ΔV(ΔV=R×I)が生じる。
そこで、この電位差ΔVを、第1、第2信号線231、232によって取り出し、電圧センサ4によって検出する。このとき、本実施形態では、第1信号線231は、接続部材221bを介して第1電極211と接続されているため、第1電極211と電位が等しい。同様に、第2信号線232は、接続部材222b、223bを介して第2電極212と接続されているため、第2電極212と電位が等しい。このため、第1信号線231と第2信号線232の間の電位差は、第1電極211と第2電極212の間の電位差ΔVと等しい。
そして、電流検出回路3は、電圧センサ4が検出した電位差を予め記憶されている抵抗値で除する演算処理を行うことで、各電流測定部2aを通過した電流の大きさ(電流値)を算出することができる。
さらに、制御装置50では、電流検出回路3によって得た各電流測定部2aの電流値に基づいて、各セル10aの面内における電流分布を検出する。そして、制御装置50は、検出された電流分布に基づいて燃料電池10の発電状態を推定し、空気供給量および供給圧、水素供給圧、冷却水循環量の制御等のフィードバック制御を行う。これにより、燃料電池システムの効率および信頼性を向上させている。
なお、上述の燃料電池10の発電状態は、各セル10aの交流インピーダンスの変化に基づいて推定することができる。ここで、本実施形態における交流インピーダンスの測定方法について簡単に説明すると、まず、二次電池、DC−DCコンバータ等を用いて所定電流の交流を燃料電池10に印加する。燃料電池10に交流を印加している際に、セルモニタ11と電流検出回路3から入力された電流分布を測定する。そして、セルモニタ11で測定した電圧値の変化と電流検出回路3から入力された電流分布の変化に基づいて、演算により各セル10aの交流インピーダンスを測定することができる。
ここで、本実施形態の電流測定装置1と図4、5に示す比較例1の電流測定装置とを比較する。比較例1は、電流測定部2aの構造が本実施形態と異なるものであり、上記した従来技術の電流測定部に相当するものである。なお、図5では、図4中の導体層のみを示している。
図4、5に示すように、比較例1の電流測定部2aは、多層基板の両面の導体層で構成された平板状の第1、第2電極J211、J222と、多層基板の内部の導体層で構成された抵抗体および第1、第2信号線J231、J232とを備えている。抵抗体は、平板状の第1抵抗部J221と平板状の第2抵抗部J222とを有している。第1、第2抵抗部J221、J222は、第1、第2電極J211、J212と平行な状態で、互いに対向して配置されている。このため、第1、第2抵抗部J221、J222には、第1、第2電極J211、J212の表面に対して平行な方向に電流が流れる。このとき、図5中の矢印のように、第1抵抗部J221における電流の流れ方向と第2抵抗部J222における電流の流れ方向が、互いに反対方向となるように、第1、第2抵抗部J221、J222がそれらの間を基準に対称に配置されている。第1信号線J231は、第1抵抗部J221と同一平面に位置し、第1抵抗部J221に接続されている。第2信号線J232は、第2抵抗部J222と同一平面に位置し、第2抵抗部J222に接続されている。第1、第2信号線J231、J232は、第1、第2電極J211、J212の間にて、第1、第2電極J211、J212の表面に平行な方向に延伸するように配置されている。
なお、比較例1の電流測定部2aは、表面に第1、第2電極J211、J212が形成された絶縁層J201、J202はガラスエポキシ基板で構成されており、第1抵抗部J221と第2抵抗部J222の間の絶縁層J203は接着剤で構成されている。また、第1電極J211と第1抵抗部J221は、スルーホールJ241の内壁にメッキで形成された導体層によって接続されている。同様に、第2電極J212と第2抵抗部J222は、スルーホールJ242の内壁にメッキで形成された導体層によって接続されており、第1抵抗部J221と第2抵抗部J222は、スルーホールJ243の内壁にメッキで形成された導体層によって接続されている。
上記した発明が解決しようとする課題の欄での説明の通り、第1、第2信号線J231、J232が第1、第2電極J211、J212の表面に対して平行に延伸する場合において、抵抗体の内部を第1、第2信号線J231、J232の延伸方向と同じ方向に電流が流れるように、抵抗体が配置される構造、例えば、第1、第2抵抗部J221、J222の一方のみを配置した構造を採用すると、抵抗体を電流が流れることによって生じる磁場に対して、この磁場を貫く方向に第1、第2信号線J231、J232が延伸する関係となる。このため、第1、第2信号線J231、J232が抵抗体から相互インダクタンスの影響を受けてしまい、ノイズとなる電圧が第1、第2信号線J231、J232に発生する。
そこで、これを回避しようとすると、電流測定部2aの構造として、図4、5に示すように、平板状の第1、第2抵抗部J221、J222が対称に配置された構造が必要となる。しかし、この構造を採用すると、電流測定部2aが厚くなってしまうという問題が生じる。上記した電流分布測定に基づくフィードバック制御により、最大10%ほどの燃費向上が期待できるが、電流測定部2aが厚いと、熱容量が大きくなるため、燃料電池10の低温始動時に電流測定部2aに隣接する燃料電池セル10aの昇温を阻害して出力が落ちてしまう。このため、電流測定部2aが厚い場合では、氷点下の条件時などに、この燃費向上効果が得られなくなってしまう。
また、電流測定部2aの薄型化のため、第1、第2抵抗部J221、J222を単に薄くすると、電流測定部2a自体の抵抗が極めて大きくなり、燃料電池10の運転状態に影響を与え、正しい測定ができなくなる。
これに対して、本実施形態では、第1、第2信号線231、232が、それぞれ、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに対して平行に延伸して配置されているのに対して、抵抗体220が、抵抗体220の内部を電流が第1、第2電極211、212の表面211a、212aに対して垂直な方向に流れるように配置されている。
このため、本実施形態では、抵抗体220を流れる電流の向きが第1、第2信号線231、232の延伸方向に対して垂直な方向となるので、抵抗体220を流れる電流によって生じる磁場に対して、この磁場と同一面内で第1、第2信号線231、232が延伸する関係となる。なお、磁場は、抵抗体220の電流の流れ方向に垂直な平面で抵抗体220を中心とする同心円状に生じる。
このように、本実施形態によれば、抵抗体220を流れる電流によって生じる磁場に対して、この磁場を貫く方向に第1、第2信号線231、232が延伸する関係とはならないので、第1、第2信号線231、232が抵抗体220から受ける相互インダクタンスの影響を小さくできる。したがって、本実施形態によれば、比較例1の平板状の第1、第2抵抗部が対称に配置された構造を不要にできるので、この構造を採用した場合と比較して、電流測定部2aの薄型化が可能となる。
さらに、本実施形態では、絶縁層を熱可塑性樹脂で構成しているので、絶縁層がガラスエポキシ基板で構成される場合よりも、絶縁層を薄くでき、複数の絶縁層の積層体を加熱加圧して接着するため、接着層を不要にできる。このことからも、本実施形態によれば、電流測定部2aの薄型化が可能となる。このとき、本実施形態では、抵抗体220を構成する抵抗部材221a、222a、223aとして、銀と錫の合金や、銅と錫の合金を用いることで、電流測定部2aを薄くしても、抵抗体に必要な電気抵抗値が得られる。
なお、比較例1の電流測定部2aを、本実施形態と同様に、熱可塑性樹脂で構成され、に導体パターンが形成された絶縁層を複数積層して積層体を形成し、この積層体を加熱加圧して一体化して製造する場合、絶縁層が4層必要となる。このため、この場合と比較しても、本実施形態の電流測定部2aの方が薄くなる。
さらに、本実施形態では、各スルーホールの内部の抵抗部材や接続部材の形成を、メッキで行うのではなく、導電ペーストを充填して行うことで、メッキに伴う第1、第2電極211、212の厚みの増加や、ばらつきを抑えることができる。
ここで、図6に、実際に製造した本実施形態の電流測定部2aによる電流測定についての評価試験の結果を示す。このとき製造した電流測定部2aの厚さは0.13mmであった。第1電極211から第2電極212に電流を印加したとき、図6に示すように、電流の増加に伴って、第1信号線231と第2信号線232の間の電位差が線形に増大しており、電流測定部2aを通過する電流の大きさを検出できることが確認できた。
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態の電流測定部2aの構造の一部を変更したものであり、以下では、変更点を説明する。
図7に示すように、本実施形態では、1つの絶縁層に形成された複数の抵抗部材が、多層基板の内部で互いに電気的に接続されている。
具体的には、多層基板の内部の配線部材234によって、第1絶縁層201に形成された複数の抵抗部材221aが、互いに電気的に接続されているとともに、第2絶縁層202に形成された複数の抵抗部材222aが、互いに電気的に接続されている。このため、第1絶縁層201に形成された1つの抵抗部材221aは、第2絶縁層202に形成された2つ以上の抵抗部材222aと電気的に接続されている。
配線部材234は、第2絶縁層202の片面(図7では上面)に形成された導体パターンで構成されている。この導体パターンは、第1、第2信号線231、232を構成する導体パターンと同じ導体箔で形成される。したがって、配線部材234は、抵抗体220を構成する各抵抗部材221a、222a、223aよりも抵抗値が小さい。配線部材234は、第2絶縁層202のうち複数の抵抗部材222aが形成された領域に対向するとともに、第1絶縁層201のうち複数の抵抗部材221aが形成された領域と対向する位置に配置されている。
また、本実施形態では、第1絶縁層201に形成された抵抗部材221aと、第2絶縁層202に形成された抵抗部材222aとは、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに平行な方向で互いに離間して配置されている。なお、以下では、第1絶縁層201に形成された抵抗部材221aを第1抵抗部材221aと呼び、第2絶縁層202に形成された抵抗部材222aを第2抵抗部材222aと呼ぶこともある。
換言すると、第1抵抗部材221aの中心位置と、第2抵抗部材222aの中心位置との第1、第2電極211、212の表面211a、212aに平行な方向での距離Dが、第1抵抗部材221aの半径d1と、第2抵抗部材222aの半径d2の合計よりも大きくなっている(D>d1+d2)。
次に、本実施形態の特徴について説明する。
(1)第1実施形態のように、第1抵抗部材221aと、第2抵抗部材222aとが、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに平行な方向で同じ位置に配置されている場合では、各抵抗部材221a、222a、223aが、各絶縁層201、202、203よりも剛性が高いため、隣り合うセルの間に測定板2を挟み込んで加圧したときに、各抵抗部材221a、222a、223aが出っ張り、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに凹凸が生じてしまう。このため、第1、第2電極211、212の表面211a、212aのそれぞれと対向するセル10aの表面との間に隙間が生じ、接触抵抗が増大してしまう。
これに対して、本実施形態では、第1抵抗部材221aと、第2抵抗部材222aとが互いに離間して配置されている。これにより、隣り合うセルの間に測定板2を挟み込んで加圧したときに、各抵抗部材221a、222a、223aが出っ張ることを抑えて、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに凹凸が生じることを抑制できる。このため、第1、第2電極211、212の表面211a、212aのそれぞれと対向するセル10aの表面とを密着させることができ、接触抵抗を減らすことができる。
ただし、第1抵抗部材221aと第2抵抗部材222aとが離れすぎると、両者を電気的に接続する配線部材234の距離が長くなって抵抗値が増えてしまうため、両者の離間距離は短いことが好ましい。具体的には、両者の間における配線部材234の抵抗値が、1層の絶縁層に形成された1つの抵抗部材の抵抗値の20%以下になるように、両者の離間距離を設定することが望ましい。
(2)第1実施形態のように、第1絶縁層201に形成された複数の抵抗部材221aが多層基板の内部で互いに電気的に接続されていない場合、第1、第2電極211、212の表面211a、212aに凹凸が生じている等の理由によって、第1絶縁層201に形成された複数の抵抗部材221aのうち一部の抵抗部材221aにしか電流が流れなかったときに、見かけの抵抗値が変化してしまうため、電流測定の精度が悪化してしまう。
これに対して、本実施形態では、配線部材234によって、第1絶縁層201に形成された複数の第1抵抗部材221aが多層基板の内部で互いに電気的に接続されているとともに、第2絶縁層202に形成された複数の第2抵抗部材222aが多層基板の内部で互いに電気的に接続されている。
これによれば、複数の第1抵抗部材221aのうち一部の第1抵抗部材221aにしか電流が流れなかったときでも、複数の第2抵抗部材222aに電流が分配されるため、見かけの抵抗値の変化を抑制でき、電流測定の精度の悪化を抑制できる。
(第3実施形態)
本実施形態は、第1実施形態の電流測定部2aの構造を変更したものであり、その他の構成は、第1実施形態と同じである。
図8に示すように、本実施形態の電流測定部2aでは、抵抗体120が一面120aと他面120bを有する薄膜で構成されており、抵抗体120の一面120aが第1電極111に直接接続され、他面120bが第2電極112に直接接続されている。なお、薄膜とは、支持体の表面上に
1405645581062_0
等の成膜法で形成されるものであり、自立して形状を維持できないものである。
具体的には、隣り合うセル10aの一方のセル10aが有するセパレータ101の表面(図8では下面)に、薄膜で構成された第1電極111と絶縁体141とが成膜されている。セパレータ101の表面および第1電極111と絶縁体141の表面に、第1信号線131が成膜されている。第1信号線131は、第1電極111と電気的に接続されている。さらに、第1電極111のセパレータ101側の表面111aとは反対側の表面111bに、薄膜で構成され、第1電極211よりも小さな面積の抵抗体120が成膜されている。
一方、隣り合うセル10aの他方のセル10aが有するセパレータ102の表面(図8では上面)に、薄膜で構成された第2電極212と絶縁体142とが成膜されている。セパレータ102の表面および第2電極112と絶縁体142の表面に、第2信号線132が成膜されている。第2信号線132は、第2電極112と電気的に接続されている。第2電極112のセパレータ102側の表面112aとは反対側の表面112bが、抵抗体120と接触している。第2電極112と抵抗体120は、複数のセル10aが積層された際に、加圧されることで接触が維持される。
このように、本実施形態では、第1、第2実施形態のように、測定板2に電流測定部2aが形成されているのではなく、セパレータ101、102に対して、直接、電流測定部2aが形成されている。
なお、本実施形態の第1電極111、第2電極112、第1信号線131、第2信号線132は、第1実施形態の第1電極211、第2電極212、第1信号線231、第2信号線232に対応するものである。また、セパレータ101、102は、各セル10aにおける燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給経路を構成するとともに、隣り合うセル10aの供給経路を分離するものである。セパレータ101、102は、金属や導電性セラミックス等の導電性材料で構成されている。
本実施形態では、第1電極111、第2電極112、第1信号線131、第2信号線132は、金、チタン、アルミニウムなどの蒸着により成膜されている。絶縁体141、142は、二酸化珪素の蒸着やポリイミドのスピンコートにより成膜されている。
また、抵抗体120は、第1、第2電極111、121および第1、第2信号線131、132よりも電気抵抗率が高い材料によって成膜されている。抵抗体120の電気抵抗率ρは、1mΩ・m〜1Ω・m程度であることが好ましい。そこで、本実施形態では、抵抗体120は、セラミックスと金属という2種類の材料の混合蒸着により成膜されている。
本実施形態の電流測定装置1による電流測定方法は、第1実施形態と同様である。なお、本実施形態においても、第1信号線131が第1電極111に直接接続されており、第2信号線132が第2電極112に直接接続されているので、第1信号線131と第2信号線132の間の電位差は、第1電極111と第2電極112の間の電位差ΔVと等しい。
以上の説明の通り、本実施形態の電流測定部2aでは、第1信号線131が、第1電極111の表面上に成膜された絶縁体141の表面に形成されている。同様に、第2信号線132が、第2電極112の表面上に成膜された絶縁体142の表面に形成されている。このため、第1実施形態と同様に、第1、第2信号線131、132が、それぞれ、第1、第2電極111、112の表面111a、112aに対して平行に延伸して配置されている。
そして、抵抗体120の一面120aが第1電極111に接続され、他面120bが第2電極112に接続されている。このため、電流測定部2aを電流が通過する際では、第1実施形態と同様に、抵抗体120の内部を電流が第1、第2電極111、112の表面111a、112aに対して垂直な方向に流れる。
よって、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1、第2信号線131、132が抵抗体120から受ける相互インダクタンスの影響を小さくできる。したがって、本実施形態によれば、比較例1の平板状の第1、第2抵抗部が対称に配置された構造を不要にできるので、この構造を採用した場合と比較して、電流測定部2aの薄型化が可能となる。
さらに、本実施形態では、第1電極111と第2電極112で、直接、抵抗体120を挟む構造を採用している。このため、第1電極と抵抗体との間や、第2電極と抵抗体との間に絶縁層を配置する構造と比較して、電流測定部2aの薄型化が可能である。
また、本実施形態では、第1電極111、第2電極112、第1信号線131、第2信号線132および抵抗体120を薄膜で構成している。蒸着で成膜された薄膜は、例えば、数十μm以下となる。したがって、本実施形態によれば、電流測定部2aが多層基板で構成される場合と比較して、電流測定部2aの薄型化が可能である。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)第3実施形態では、抵抗体120を、2種類の材料の混合蒸着で成膜したが、所望の電気抵抗率が得られれば、1種類の材料の蒸着で成膜したり、3種類以上の材料の混合蒸着で成膜したりしてもよい。また、第3実施形態では、電流測定部2aを構成する薄膜状の各構成部を蒸着で成膜したが、他の物理的成膜法によって成膜したり、化学的成膜法(CVD)で成膜したりしてもよい。
(2)第3実施形態では、抵抗体120を第1電極111に成膜し、セル10aの積層の際に、抵抗体120と第2電極112とを接触させたが、抵抗体120を第2電極112に成膜し、セル10aの積層の際に、抵抗体120と第1電極111とを接触させてもよい。また、抵抗体を第1電極111と第2電極112の両方に成膜し、セル10aの積層の際に、第1電極111と第2電極112の両方に成膜した抵抗体同士を接触させてもよい。
(3)上記各実施形態では、複数の電流測定部2aが、測定板2の面方向にマトリックス状に配置されていたが、他の配置であってもよい。例えば、セル10aの面内における空気入口部付近や水素入口部付近等の特定の領域に対応させて、測定板2の一部分のみに1つもしくは複数の電流測定部2aを配置してもよい。
(4)上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
1 電流測定装置
111 第1電極
112 第2電極
120 抵抗体
131 第1信号線
132 第2信号線
211 第1電極
212 第2電極
220 抵抗体
231 第1信号線
232 第2信号線
3 電流検出回路(電流検出手段)
4 電圧センサ(電流検出手段)
10 燃料電池
10a セル

Claims (6)

  1. 燃料電池(10)の隣り合うセル(10a)の間に配置され、前記隣り合うセルの一方と接する第1電極(211、111)と、前記隣り合うセルの他方と接する第2電極(212、112)と、前記第1、第2電極の間に位置し、前記第1、第2電極と電気的に接続され、前記第1、第2電極よりも抵抗値が大きな抵抗体(220、120)と、前記第1、第2電極の間の電位差を取り出す第1信号線(231、131)および第2信号線(232、132)とを有する電流測定部(2a)と、
    前記第1、第2信号線で取り出した電位差と、前記第1、第2電極の間の電流経路の抵抗値とに基づいて、前記隣り合うセルの一方から他方に向けて前記電流測定部を通過する電流を検出する電流検出手段(3、4)とを備え、
    前記第1、第2信号線は、それぞれ、前記第1、第2電極の間において、前記隣り合うセルのそれぞれと接する前記第1、第2電極の表面(211a、212a、111a、112a)に対して平行に延伸しており、
    前記抵抗体は、前記抵抗体の内部を電流が前記第1、第2電極の表面に対して垂直な方向に流れるように配置されていることを特徴とする電流測定装置。
  2. 前記電流測定部は、前記第1、第2電極の間に配置された絶縁層(201、202、203)を有し、
    前記抵抗体は、前記第1、第2電極の表面に垂直な方向にて前記絶縁層の両面を貫通して形成された貫通孔(201a、202a、203a)に対して、前記抵抗体を構成する抵抗部材(221a、222a、223a)が埋め込まれることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電流測定装置。
  3. 前記抵抗体は、前記絶縁層内に互いに離間して形成された複数の前記貫通孔に対して、前記抵抗部材が埋め込まれることによって形成されており、
    複数の前記貫通孔に埋め込まれた前記抵抗部材は、前記第1、第2電極の間に配置され、前記抵抗部材よりも抵抗値が小さな配線部材(234)によって、互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電流測定装置。
  4. 前記電流測定部は、前記第1、第2電極の間に積層して配置された第1絶縁層(201)と第2絶縁層(202)を有し、
    前記抵抗体は、前記第1、第2電極の表面に垂直な方向にて前記第1絶縁層の両面を貫通するとともに、前記第1絶縁層内で互いに離間して形成された複数の第1貫通孔(201a)に埋め込まれた第1抵抗部材(221a)と、前記第2絶縁層の両面を貫通するとともに、前記第1、第2電極の表面に垂直な方向に延伸し、前記第2絶縁層内で互いに離間して形成された複数の第2貫通孔(202a)に埋め込まれた第2抵抗部材(222a)とを有して構成され、
    前記第1、第2抵抗部材は、前記第1、第2電極の表面に平行な方向で互いに離間して配置されており、
    1つの前記第1抵抗部材は、前記第1、第2抵抗部材よりも抵抗値が小さな配線部材(234)によって、1つ以上の前記第2抵抗部材と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電流測定装置。
  5. 1つの前記第1抵抗部材は、前記配線部材によって、2つ以上の前記第2抵抗部材と電気的に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の電流測定装置。
  6. 前記抵抗体(120)は、成膜法によって形成されるとともに、一面と他面を有する薄膜で構成されており、前記一面が前記第1電極(111)に直接接続されているとともに、前記他面が前記第2電極(112)に直接接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電流測定装置。

JP2014147967A 2014-07-18 2014-07-18 電流測定装置 Active JP6405763B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014147967A JP6405763B2 (ja) 2014-07-18 2014-07-18 電流測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014147967A JP6405763B2 (ja) 2014-07-18 2014-07-18 電流測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016024946A true JP2016024946A (ja) 2016-02-08
JP6405763B2 JP6405763B2 (ja) 2018-10-17

Family

ID=55271552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014147967A Active JP6405763B2 (ja) 2014-07-18 2014-07-18 電流測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6405763B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111048801A (zh) * 2019-12-04 2020-04-21 珠海格力电器股份有限公司 一种基于单片金属极板的风冷氢燃料电池及电堆

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005183296A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Denso Corp 燃料電池
JP2009081117A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Nissan Motor Co Ltd 電流密度分布センサ及びその製造方法並びに燃料電池システム
JP2014092399A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Denso Corp 電流計測装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005183296A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Denso Corp 燃料電池
JP2009081117A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Nissan Motor Co Ltd 電流密度分布センサ及びその製造方法並びに燃料電池システム
JP2014092399A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Denso Corp 電流計測装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111048801A (zh) * 2019-12-04 2020-04-21 珠海格力电器股份有限公司 一种基于单片金属极板的风冷氢燃料电池及电堆

Also Published As

Publication number Publication date
JP6405763B2 (ja) 2018-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4967421B2 (ja) 電流測定装置
JP5186986B2 (ja) 燃料電池のインピーダンス測定装置
JP5146225B2 (ja) 電流測定装置
JP5396823B2 (ja) 電流測定装置
JP5488162B2 (ja) 電流分布測定装置、その異常時対応方法、および燃料電池システム
US9660283B2 (en) Current measurement device
JP5494436B2 (ja) 電流測定装置
JP6421717B2 (ja) 電流測定装置
JP6405763B2 (ja) 電流測定装置
JP5987639B2 (ja) 電流計測装置
JP5206258B2 (ja) 電流測定装置
JP5779952B2 (ja) 燃料電池システム
JP5316029B2 (ja) 電流測定装置
JP5708219B2 (ja) 電流測定装置
JP5555976B2 (ja) 電流測定装置
JP2010021096A (ja) 温度分布測定装置、燃料電池システム、ならびに燃料電池評価装置
JP5206272B2 (ja) 抵抗値測定装置
JP6459873B2 (ja) 電流測定装置
JP2009016157A (ja) 電流測定装置
JP6350066B2 (ja) 電流測定装置
JP6274065B2 (ja) 電流測定装置
JP6120078B2 (ja) 電流測定装置
JP5076953B2 (ja) 電流測定装置、燃料電池の製造方法および燃料電池システム
JP6565784B2 (ja) 燃料電池
JP5994505B2 (ja) 電流測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180903

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6405763

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250