JP5076953B2 - 電流測定装置、燃料電池の製造方法および燃料電池システム - Google Patents

電流測定装置、燃料電池の製造方法および燃料電池システム Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池の内部を流れる電流を測定する電流測定装置、これを適用した燃料電池の製造方法、および、これを適用した燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
従来、特許文献1に、電気エネルギを出力する複数のセルを積層配置して構成された燃料電池に適用されて、この燃料電池の内部を流れる電流を測定する電流測定装置が開示されている。
この特許文献1の電流測定装置は、隣合うセルのうち一方のセルに電気的に接触する板状の第1電極、他方のセルに電気的に接触する板状の第2電極、および、第1電極と第2電極とを電気的に接続する板状の抵抗体を有して構成された電流測定部を備えている。
そして、電流測定部の第1電極と抵抗体とを接続する第1接続部および抵抗体と第2電極とを接続する第2接続部間の電位差を電流測定用電圧センサで検出し、検出された電位差を抵抗体の電気抵抗値で除することによって、燃料電池の内部を流れる電流を測定している。
特開2007−280643
ところで、特許文献1の電流測定装置が適用された燃料電池は、以下のように製造される。
まず、所定の隣合うセル間に電流測定装置の電流測定部を配置しながら、各セルを積層する(積層工程)。次に、積層された各セルおよび電流測定部に対してセルの積層方向に予め定めた値の圧縮荷重がかかるように、各セルおよび電流測定部をボルト締め等の締結手段によって固定する(締結工程)。これにより、特許文献1の電流測定装置が適用された燃料電池が製造される。
なお、上記の如く、積層された各セルおよび電流測定部に対して、積層方向に圧縮荷重をかける理由は、各セル同士およびセルと電流測定部(具体的には、第1、第2電極)との接触性を良好に保ち、各セル同士間およびセルと電流測定部との間の接触抵抗を低減させるためである。
しかしながら、積層された各セルおよび電流測定部に対して、積層方向に圧縮荷重をかけたとしても、例えば、各セルの接触面や電流測定部の接触面の平面度に僅かな製造誤差が生じるだけで、同一接触面内にかかる荷重が不均一となってしまう。さらに、同一接触面内において、上記荷重が高い部分と低い部分とでは電気的な接触抵抗も不均一となってしまう。
このような同一接触面内における接触抵抗の不均一は、電流測定部の配置箇所によって、セルから電流測定部へ流れ込む電流値を変化させてしまうため、電流測定装置の測定精度を低下させてしまう。また、燃料電池の製造時に、同一接触面内にかかる荷重が、電流測定装置の測定精度を低下させない程度に略均一となっていても、経時劣化によって上記の荷重が不均一になってしまうと、同様に電流測定装置の測定精度が低下してしまう。
上記点に鑑み、本発明は、燃料電池のセルと電流測定部との接触面における接触抵抗の不均一が生じても、測定精度の低下を抑制できる電流測定装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、燃料電池のセルと電流測定装置の電流測定部との接触面における接触抵抗の不均一を抑制可能な燃料電池の製造方法を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、燃料電池のセルと電流測定装置の電流測定部との接触面における接触抵抗の不均一が生じていることを、検出可能な燃料電池システムを提供することを第3の目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、請求項1に記載の発明では、酸化剤ガスと燃料ガスとを電気化学反応させて電気エネルギを出力する複数のセル(10a)を積層配置して構成された燃料電池(10)に適用されて、燃料電池(10)の内部を流れる電流を測定する電流測定装置であって、
隣合うセル(10a)間に配置されて、隣合うセル(10a)のうち一方のセルに電気的に接触する第1電極(111)、隣合うセル(10a)のうち他方のセルに電気的に接触する第2電極(131)、および、第1電極(111)と第2電極(131)とを電気的に接続するとともに予め定めた電気抵抗値を有する板状の抵抗体(121)を有して構成された電流測定部(101)と、第1電極(111)と抵抗体(121)とを接続する第1接続部(101a)および抵抗体(121)と第2電極(131)とを接続する第2接続部(101b)間の電位差を検出する電位差検出手段(102)と、一方のセルと第1電極(111)との間、および、他方のセルと第2電極(131)との間のうち、少なくとも一方の接触抵抗値を検出する接触抵抗検出手段(103)と、電位差検出手段(102)によって検出された検出電位差、第1接続部(101a)と第2接続部(101b)と間の抵抗体(121)の基準抵抗値、および、接触抵抗検出手段(103)によって検出された検出接触抵抗値を用いて、セル(10a)を流れる電流値を検出する電流値検出手段(51)とを備えることを特徴とする。
これによれば、電流値検出手段(51)が、抵抗体(121)についての検出電位差および基準抵抗値のみならず、接触抵抗検出手段(103)によって検出された検出接触抵抗値を用いて、セル(10a)を流れる電流値を検出するので、セル(10a)と電流測定部(101)との接触面における接触抵抗の不均一が生じても、電流測定装置の測定精度の低下を抑制できる。
具体的には、請求項2に記載の発明のように、接触抵抗検出手段(103)は、一方のセルと第1電極(111)との間、および、他方のセルと第2電極(131)との間のうち、少なくとも一方に予め定めた値の定電流を流す定電流出力手段(103a)を有し、検出接触抵抗値は、定電流出力手段(103a)が定電流を流す際に必要とされる電圧に基づいて検出されるようになっていてもよい。
これによれば、定電流出力手段(103a)が定電流を流す際に必要とされる電圧を、定電流で除することによって、容易に接触抵抗値を検出できる。
さらに、請求項3に記載の発明のように、電流値検出手段(51)は、検出電位差を、基準抵抗値と検出接触抵抗値とを加算した値で除することによって、セル(10a)を流れる電流値を検出するようになっていてもよい。
これによれば、例えば、セル(10a)と第1電極(111)との接触抵抗が高く、抵抗体(121)へ電流が流れにくい場合であっても、電流検出手段(51)が第1接続部(101a)および第2接続部(101b)間の電気抵抗値に対して、検出接触抵抗値を加算して、電流値を検出するので、実際にセル(10a)を流れる電流を精度良く検出できる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電流測定装置において、第1電極(111)は、第1プリント基板(110)に配置されており、第2電極(131)は、第2プリント基板(130)に配置されており、第1プリント基板(110)および第2プリント基板(130)は、配線パターンが形成された第3プリント基板(120)を挟み込んだ状態で、積層基板として一体に構成され、配線パターンとして、第1電極(111)および第2電極(131)のうち、少なくとも一方を接触抵抗検出手段(103)に接続する配線パターンが設けられていることを特徴とする。
これによれば、第1〜第3プリント基板(110〜130)を積層基板として構成して、電流測定部(101)の積層方向の厚み寸法を低減できるので、電流測定装置全体としての小型化を図ることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電流測定装置において、電流測定部(101)は、同一の隣合うセル(10a)間に複数個配置されていることを特徴とする。
これによれば、電流測定部(101)の配置箇所に対応するセル(10a)の各部位を流れる電流を精度良く計測できるので、セル(10a)内の電流密度分布を精度良く測定できる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電流測定装置(100)が適用される燃料電池の製造方法であって、隣合うセル(10a)間に電流測定部(101)を挟み込みながら、セル(10a)を積層する積層工程と、積層されたセル(10a)および電流測定部(101)に対して、積層方向に圧縮荷重がかかるように、セル(10a)および電流測定部(101)を固定する締結工程とを有し、締結工程では、検出接触抵抗値が予め定めた範囲の基準抵抗範囲に入るように、セル(10a)および電流測定部(101)を固定することを特徴とする。
これによれば、接触抵抗検出手段(103)によって、一方のセルと第1電極(111)との間、および、他方のセルと第2電極(131)との間のうち、少なくとも一方の接触抵抗値を検出し、さらに、締結工程において検出接触抵抗値が予め定めた範囲の基準抵抗範囲に入るように、セル(10a)および電流測定部(101)を固定するので、セル(10a)と電流測定部(101)との接触面における接触抵抗の不均一を抑制可能な燃料電池の製造方法を提供できる。
より具体的に、請求項7に記載の発明のように、締結工程では、検出接触抵抗値が基準抵抗範囲よりも大きい場合には、圧縮荷重を増加させてもよい。これにより、容易に、検出接触抵抗値を基準抵抗範囲内に入れることができる。
さらに、請求項8に記載の発明のように、基準抵抗範囲は、電流測定部(101)の温度上昇に伴って増加するように決定された値であってもよい。より一層正確に、燃料電池の製造時における接触抵抗の不均一を抑制できる。
また、請求項9に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電流測定装置(100)が適用された燃料電池(10)を備える燃料電池システムであって、燃料電池(10)に酸化剤ガスおよび燃料ガスのうち少なくとも一方を供給するガス供給手段(21、23、32)と、ガス供給手段(21、23、32)の作動開始信号を出力する開始信号出力手段(50a)と、ガス供給手段(21、23、32)の作動を制御する制御手段(50)とを備え、制御手段(50)は、開始信号出力手段(50a)が作動開始信号を出力した際に、ガス供給手段(21、23、32)の作動を開始する前に、接触抵抗検出手段(103)に前記検出接触抵抗値を検出させることを特徴とする。
これによれば、開始信号出力手段(50a)が作動開始信号を出力した際に、ガス供給手段(21、23、32)のうち少なくとも一方の作動を開始する前に、制御手段(50)が接触抵抗検出手段(103)に検出接触抵抗値を検出させるので、経時劣化によって燃料電池のセルと電流測定装置(100)の電流測定部(101)との接触面における接触抵抗の不均一が生じていても、これを燃料電池(10)が電気エネルギを出力する前に検出できる。
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の燃料電池システムにおいて、接触抵抗検出手段(103)と燃料電池(10)との間の電気的接続を断続する接続遮断手段(103c)を備え、制御手段(50)は、開始信号出力手段(50a)が作動開始信号を出力した際に、ガス供給手段(21、23、32)の作動を開始する前に、接触抵抗検出手段(103)に検出接触抵抗値を検出させて、さらに、接続遮断手段(103c)に電気的接続を遮断させることを特徴とする。
これによれば、ガス供給手段(21、23、32)の作動開始前、すなわち燃料電池(10)が電気エネルギを出力する前に、接続遮断手段(103c)によって接触抵抗検出手段(103)と燃料電池(10)との間の電気的接続を遮断するので、燃料電池(10)から出力された電気エネルギによって、接触抵抗検出手段(103)が損傷してしまうことを防止できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
図1〜図7により、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施形態の電流測定装置100を適用した燃料電池システムの全体構成図である。この燃料電池システムは、電気自動車の一種である、いわゆる燃料電池車両に適用されており、車両走行用電動モータ等の電気負荷に電力を供給するものである。
まず、燃料電池システムは、図1に示すように、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池10を備えている。燃料電池10は、図示しない車両走行用電動モータや2次電池等の電気負荷に供給される電気エネルギを出力するもので、本実施形態では、固体高分子電解質型燃料電池を採用している。
より具体的には、燃料電池10は、基本単位となる燃料電池セル10a(以下、単にセル10aと記載する。)が複数個、電気的に直列に接続されて構成されたものである。各セル10aでは、以下に示すように、水素と酸素とを電気化学反応させて、電気エネルギを出力する。
(負極側)H2→2H++2e-
(正極側)2H++1/2O2+2e-→H2
さらに、燃料電池10から出力される電気エネルギは、燃料電池10全体として出力される電圧を検出する電圧センサ11、および、燃料電池10全体として出力される電流を検出する電流センサ12によって計測される。なお、電圧センサ11および電流センサ12の検出信号は、後述する制御装置50に入力されている。
また、燃料電池10の空気極(正極)側には、酸化剤ガスである空気(酸素)を燃料電池10に供給するための空気供給配管20a、並びに、燃料電池10にて電気化学反応を終えた余剰空気および空気極で生成された生成水を燃料電池10から外気へ排出するための空気排出配管20bが接続されている。
空気供給配管20aの最上流部には、大気中から吸入した空気を燃料電池10に圧送するための空気ポンプ21が設けられ、空気排出配管20bには、燃料電池10内の空気の圧力を調整するための空気調圧弁23が設けられている。なお、本実施形態では、空気ポンプ21および空気調圧弁23によって、燃料電池10に所定の流量および圧力の空気を供給する酸化剤ガス側のガス供給手段が構成される。
さらに、空気供給配管20aおよび空気排出配管20bには、空気調圧弁23から流出した空気の有する湿度(水蒸気)を空気ポンプ21から圧送された空気へ移動させるための加湿器22が設けられている。この加湿器22は、複数本の中空糸にて構成されており、燃料電池10へ供給される空気を加湿する機能を果たす。
燃料電池10の水素極(負極)側には、燃料ガスである水素を燃料電池10に供給するための水素供給配管30a、水素極側に溜まった生成水を微量な水素とともに燃料電池10から外気へ排出するための水素排出配管30bが接続されている。さらに、水素供給配管30aおよび水素排出配管30bは、水素循環配管30cを介して接続されている。
水素供給配管30aの最上流部には、高圧水素が充填された高圧水素タンク31が設けられ、水素供給配管30aにおける高圧水素タンク31と燃料電池10との間には、燃料電池10に供給される水素の圧力を調整する水素調圧弁32が設けられている。なお、本実施形態では、この水素調圧弁32によって、燃料電池10に所定の圧力の水素を供給する燃料ガス側のガス供給手段が構成される。
水素排出配管30bには、生成水を微量な水素とともに外気へ排出するために所定の時間間隔で開閉する電磁弁34が設けられている。なお、上述の電気化学反応では、水素極側において生成水は発生しないものの、水素極側には、酸素極側から各セル10aの電解質膜を透過した生成水が溜まるおそれがある。そこで、本実施形態では、水素排出配管30bおよび電磁弁34を設けている。
水素循環配管30cは、水素供給配管30aの水素調圧弁32下流側と水素排出配管30bの電磁弁34上流側とを接続するように設けられており、これにより、燃料電池10から流出した未反応の水素を、燃料電池10に循環させて再供給している。さらに、水素循環配管30cには、水素流路30内で水素を循環させるための水素ポンプ33が配置されている。
ところで、燃料電池10は発電効率確保のために運転中一定温度(例えば80℃程度)に維持する必要がある。このため、燃料電池10には、燃料電池10を冷却するための冷却水回路40が接続されている。この冷却水回路40には、燃料電池10に冷却水(熱媒体)を循環させるウォータポンプ41、電動ファン42を備えたラジエータ(放熱器)43が設けられている。
さらに、冷却水回路40には、冷却水を、ラジエータ43を迂回するように流すバイパス流路44が設けられている。冷却水回路40とバイパス流路44との合流点には、バイパス流路44に流れる冷却水流量を調整するための流路切替弁45が設けられている。この流路切替弁45の弁開度が調整されることによって、冷却水回路40の冷却能力が調整される。
また、冷却水回路40の燃料電池10の出口側近傍には、燃料電池10から流出した冷却水の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ46が設けられている。この温度センサ46により冷却水温度を検出することで、燃料電池10の温度を間接的に検出することができる。なお、この温度センサ46の検出信号も制御装置50に入力される。
制御装置50は、入力信号に基づいて、燃料電池システムを構成する各種電気式アクチュエータの作動を制御するもので、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。
具体的には、制御装置50の入力側には、上述の電圧センサ11、電流センサ12および温度センサ46の検出信号等の他に、後述する電流測定装置100の電流検出回路51から出力される電流信号、および、車室内に設けられた車両起動スイッチ50aの操作信号が入力される。なお、車両起動スイッチ50aは、空気ポンプ21、空気調圧弁23、水素調圧弁32等の作動開始信号を出力する開始信号出力手段の機能を兼ねる。
一方、制御装置50の出力側には、上述の空気ポンプ21、空気調圧弁23、水素調圧弁32、水素ポンプ33、電磁弁34、ウォータポンプ41、流路切替弁45等の各種電気式アクチュエータおよび電流測定装置100の入力側が接続されている。
次に、本実施形態の電流測定装置100の詳細について説明する。電流測定装置100は、電流測定部集合板100a、電流測定用電圧センサ102、接触抵抗検出回路103、および、電流測定部集合板100aに設けられた複数の電流測定部101の各配置箇所に対応する部位の電流を検出して制御装置50へ出力する電流検出回路51を備えて構成されている。
まず、図2、3により、電流測定部集合板100aについて説明する。電流測定部集合板100aは、複数の電流測定部101が板状部材として一体的に構成されたものである。なお、図2は、燃料電池10の外観斜視図であり、図3は、電流測定部集合板100aの分解図である。また、図2に示すように、電流測定部集合板100aは、複数枚設けられており、それぞれ隣合うセル10a間に配置されている。
さらに、図3に示すように、電流測定部集合板100aは、配線パターンが形成(プリント)された第1プリント基板110、第2プリント基板130および第3プリント基板120の3枚のプリント基板を有している。そして、これらのプリント基板110〜130は、絶縁性接着剤を介在させた状態で、ホットプレスによって一体化された積層基板として構成されている。
なお、第1〜第3プリント基板110〜130としては、一般的なガラスエポキシ基板を採用できる。また、積層基板として構成された電流測定部集合板100aのうち、対向する2辺(図3では、左右両辺)の近傍には、それぞれ積層基板の表裏を貫通する貫通穴が3つ形成されている。これらの貫通穴は、セル10aを積層した際に、空気、水素および冷却水を流通させるためのマニホールドとして機能する。
さらに、両側のマニホールドの間には、複数の電流測定部101が、直交する二方向にマトリックス状(格子状)に配置されている。より具体的には、本実施形態の電流測定部101は、図3に示すように、紙面上下方向に6個、紙面左右方向に7個のマトリックス状に配置されている。
つまり、本実施形態では、電流測定部101が、同一の隣合うセル10a間に複数配置されている。これにより、複数個の電流測定部101が電流測定部集合板100aの板面の全体に渡って配置されることになるので、本実施形態の電流測定装置100では、セル10aの面内における電流密度分布を測定することができる。
電流測定部101は、隣合うセル10aのうち一方のセル10aに電気的に接触する第1電極111、隣合うセル10aのうち他方のセル10aに電気的に接触する第2電極131、および、第1電極111と第2電極131とを電気的に接続するとともに予め定めた電気抵抗値を有する板状の抵抗体121を有して構成されている。
従って、第1電極111および第2電極131は一対の電極として構成されて、板状の電流測定部集合板100aの両板面に配置される。具体的には、第1電極111は、第1プリント基板110における一方のセル10aに対向する面(図3の紙面手前側)に配置され、第2電極131は、第2プリント基板130における他方のセル10aに対向する面(図3の紙面奥側)に配置されている。
また、抵抗体121は、第3プリント基板120のうち第1プリント基板110に対向する側(図3の紙面手前側)の面に配置されている。一方、第3プリント基板120のうち抵抗体121が形成されている側と反対側(図3の紙面奥側)の面には、電流測定用配線122が設けられている。
さらに、第3プリント基板120の1辺には、電流測定用配線122が接続された信号取り出し用のコネクタ123が設けられている。なお、図3では、電流測定用配線122を破線で囲まれた斜線で示している。また、これらの第1電極111、第2電極131、抵抗体121および電流測定用配線122は、金属箔(具体的には銅箔)にて、第1〜第3プリント基板110〜130に配線パターンとして形成されている。
次に、図4、5により、第1〜第3プリント基板110〜130の具体的積層態様、並びに、電流測定部101を構成する第1電極111、第2電極131、抵抗体121および電流測定用配線122の電気的接続態様を説明する。なお、図4は、電流測定部101の断面図であり、図5は、電流測定部101における電流の流れを示す説明図である。
図4に示すように、第1プリント基板110と第3プリント基板120の間と、第3プリント基板120と第2プリント基板130の間には、電気絶縁性を有する絶縁性接着剤112、124が配置されている。また、第1〜第3プリント基板110〜130には、複数の丸孔形状の第1、第2スルーホール101a、101bが設けられている。
この第1、第2スルーホール101a、101bの内周面には、第1、第2電極111、131等と同様の金属箔から構成される導電体が形成されている。そして、第1スルーホール101aを介して、第1電極111、抵抗体121および電流測定用配線122が電気的に接続され、第2スルーホール101bを介して、抵抗体121、第2電極131および電流測定用配線122が電気的に接続されている。
従って、第1、第2スルーホール101a、101bは、それぞれ本実施形態の第1、第2接続部を構成している。また、第1電極111は抵抗体121の一端側に接続され、第2電極131は抵抗体121の他端側に接続されているため、抵抗体121では、図5に示すように、一端側と他端側との間で電流が流れることになる。
そして、図4、5に示すように、第1、第2スルーホール101a、101bには、それぞれ電流測定用配線122および外部配線を介して、電流測定用電圧センサ102が接続されている。電流測定用電圧センサ102は、第1スルーホール101aと第2スルーホール101bとの2点間の電位差を検出して、検出信号を電流検出回路51に出力する電位差検出手段である。
さらに、本実施形態では、第1スルーホール101aおよび第1電極111に接触するセル10aには、それぞれ電流測定用配線122および外部の配線を介して、接触抵抗検出回路103が接続されている。この接触抵抗検出回路103は、第1電極111との間の接触抵抗値を検出する接触抵抗検出手段である。
この接触抵抗検出回路103は、第1スルーホール101aおよび第1電極111に接触するセル10a間に予め定めた値の定電流を流す定電流出力回路103aを有している。この定電流出力回路103aとしては、デューティ制御により定電流を出力する定電流出力回路、直接アナログ的に定電流を出力する定電流出力回路など種々の形式のものを採用できる。
さらに、定電流出力回路103aには、定電流出力回路103aが定電流を流す際に必要とされる電圧、すなわち、第1スルーホール101aおよび第1電極111に接触するセル10a間の電位差を検出して、検出信号を電流検出回路51に出力する接触抵抗検出用電圧センサ103bが接続されている。
また、接触抵抗検出回路103と接触抵抗検出用電圧センサ103bとの間には、接触抵抗検出回路103と燃料電池10との間の電気的接続を断続する接続遮断手段103cが設けられている。
具体的には、接続遮断手段103cは、接触抵抗検出回路103と第1スルーホール101aとの間の電気的接続および接触抵抗検出回路103とセル10aとの間の電気的接続を断続するとともに、制御装置50から出力される制御電圧によって作動制御されるリレーで構成されている。
電流検出回路51は、電流測定用電圧センサ102の検出電位差、第1スルーホール101aおよび第2スルーホール101b間の抵抗体121の基準抵抗値、並びに、接触抵抗検出回路103にて検出される検出接触抵抗値を用いて、演算処理を行うことで、セル10aの面内における各電流測定部101に対応する部位に流れる電流を算出する電流値検出手段である。
次に、本実施形態における燃料電池10の製造方法について説明する。まず、予め定めた隣合うセル10a間に電流測定装置100の電流測定部集合板100aを挟み込みながら、セル10aを積層する(積層工程)。次に、積層されたセル10aおよび電流測定部集合板100aに対して、積層方向に圧縮荷重がかかるように、セル10aおよび電流測定部集合板100aをボルト締め等の締結手段によって固定する(締結工程)。
この締結工程では、接触抵抗検出回路103を作動させて、第1電極111および第1電極111に接触するセル10a間の接触抵抗値を検出する。そして、検出接触抵抗値が予め定めた範囲の基準抵抗範囲に入るように、セル10aおよび電流測定部101を固定する。具体的には、検出接触抵抗値が基準抵抗範囲より大きい場合には、圧縮荷重を増加させる。
なお、この基準抵抗範囲は、図6の斜線部に示されるように、電流測定部集合板100a(電流測定部101)の温度上昇に伴って増加するように決定されている。そして、締結工程にて、検出接触抵抗値が予め定めた範囲の基準抵抗範囲に入るように、セル10aおよび電流測定部集合板100aを締結固定することで、本実施形態の燃料電池10が製造される。
また、図6の基準抵抗範囲は、ベース抵抗値を基準として、燃料電池システムの作動時に、制御装置50が、電流測定装置100にて検出された検出電流値に基づいて、ガス供給手段21、23、32等の各種電気式アクチュエータの作動を制御しても、燃料電池システムの効率および信頼性を悪化させない範囲に決定されている。
次に、上記構成における本実施形態の燃料電池システムの作動を、図7のフローチャートにより説明する。図7に示す制御フローは、車両起動スイッチ50aが投入(ON)されるとスタートする。車両が起動すると、ステップS1にて、フラグ、タイマ等の初期化がなされる。
そして、次のステップS2にて、接続遮断手段103cが接触抵抗検出回路103および燃料電池10間を電気的に接続する。これにより、定電流出力回路103aから出力された定電流が、第1スルーホール101aおよび第1電極111に接触するセル10a間に流れる。
ステップS3では、接触抵抗検出回路103の接触抵抗検出用電圧センサ103bが、第1スルーホール101aおよび第1電極111に接触するセル10a間の電位差を検出して、検出信号を電流検出回路51に出力する。
そして、電流検出回路51では、接触抵抗検出用電圧センサ103bの検出電位差を定電流出力回路103aが流す定電流値で除することで、第1スルーホール101aおよび第1電極111に接触するセル10a間、すなわち、第1電極111および第1電極111に接触するセル10a間の接触抵抗値を算出(検出)して記憶する。
次に、ステップS4へ進み、接続遮断手段103cが、接触抵抗検出回路103および燃料電池10間の電気的接続を遮断する。そして、次のステップS5にて、電圧センサ11、電流センサ12、温度センサ46、電流測定装置100の電流検出回路51等から出力された各種検出信号を読み込む。
ここで、電流測定装置100による電流測定方法について説明する。燃料電池10での発電が開始されると、電流測定装置100の各電流測定部101には、電流流れ方向上流側のセル10a→第1電極111→第1スルーホール101a→抵抗体121→第2スルーホール101b→第2電極131→電流流れ方向下流側のセル10aに電流が流れる。
このとき、電流測定用電圧センサ102によって、第1スルーホール101aと第2スルーホール101bとの2点間の電位差を測定する。前述の如く、本実施形態では、予め定めた電気抵抗値を有する抵抗体121を用いているので、第1、2スルーホール101a、101b間の抵抗体121の電気抵抗値も既知の基準抵抗値となる。
そこで、電流検出回路51では、電流測定用電圧センサ102による検出電位差を、予め既知情報として記憶している基準抵抗値とステップS3にて記憶した検出接触抵抗値とを加算した値で除する演算処理を行うことで、抵抗体121に流れた電流値を算出する。これにより、電流検出回路51では、上記演算処理によって得られた電流値を、セル10aの面内における各電流測定部101に対応する部位の電流値として検出できる。
次のステップS6では、ステップS5にて読み込んだ各種検出信号に基づいて、空気ポンプ21、空気調圧弁23、水素調圧弁32、水素ポンプ33、電磁弁34、ウォータポンプ41、流路切替弁45等の各種電気式アクチュエータの制御状態を決定する。そして、ステップS7では、ステップS6にて決定された制御状態が得られるように制御装置50から各種電気式アクチュエータに対して制御信号が出力される。
また、次のステップS8で制御周期τの間待機し、制御周期τの経過を判定するとステップS5に戻るようになっている。
本実施形態の燃料電池システムでは、上記の如く作動して、燃料電池システムの効率および信頼性を向上させることができる。
つまり、車両起動スイッチ50aが投入(ON)された際に、空気ポンプ21、空気調圧弁23、水素調圧弁32といったガス供給手段等が作動を開始する前、すなわち、燃料電池10が電気エネルギを出力する前に、接触抵抗検出回路103によって接触抵抗値を検出している。これにより、燃料電池10のセル10aと電流測定装置100の電流測定部101との接触面における接触抵抗の不均一が生じていても、この接触抵抗の不均一を検出できる。
さらに、システムの起動後には、電流測定装置100が、電流測定用電圧センサ102による検出電位差および既知情報としての抵抗体121の基準抵抗値のみならず、接触抵抗検出回路103によって検出された検出接触抵抗値を用いて、セル10aを流れる電流値を検出しているので、セル10aと電流測定部101との接触面における接触抵抗の不均一が生じていても、電流測定装置の測定精度の低下を抑制できる。
この際、電流検出回路51が、電流測定用電圧センサ102の検出電位差を、第1スルーホール101aおよび第2スルーホール101b間の抵抗体121の基準抵抗値と接触抵抗検出回路103によって検出された検出接触抵抗値とを加算した値で除することによって、セル10aを流れる電流値を容易に検出できる。
さらに、燃料電池10が電気エネルギを出力する前に、接続遮断手段103cが接触抵抗検出回路103と燃料電池10との間の電気的接続を遮断するので、燃料電池10から出力された電気エネルギによる接触抵抗検出回路103の損傷を防止できる。
また、第1電極111、第2電極131、抵抗体121および電流測定用配線122を第1〜第3プリント基板110〜130に形成し、第1〜第3プリント基板110〜130を積層基板としているので、電流測定部101の積層方向の厚み寸法を低減でき、電流測定装置100全体としての小型化を図ることができる。
さらに、本実施形態の燃料電池10は、上記の如く製造されているので、製造された時点において、セル10aと電流測定部101との接触面における接触抵抗の不均一を抑制できる。従って、経時劣化によって、接触抵抗の不均一が生じても、その不均一度合を小さなものとすることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、接触抵抗検出手段として、定電流出力回路103bを有する接触抵抗検出回路103を採用した例を説明したが、接触抵抗検出手段は、これに限定されない。例えば、第1電極111および第1電極111に接触するセル10a間に固定周波数の交流電流をかけて電流と電圧の周波数成分を抜き出して、その位相差等から抵抗値を測定するようにしてもよい。
(2)上述の実施形態では、接触抵抗検出回路103によって、第1電極111および第1電極111に接触するセル10a間の接触抵抗値を検出した例を説明したが、もちろん、第2電極131および第2電極131に接触するセル10a間の接触抵抗値を検出してもよい。さらに、第1電極111および第1電極111に接触するセル10a間および第2電極131および第2電極131に接触するセル10a間の双方の接触抵抗値を検出してもよい。
(3)上述の実施形態では、電流検出回路51が、電流測定用電圧センサ102の検出電位差を、基準抵抗値と検出接触抵抗値とを加算した値で乗することによって、セル10aを流れる電流値を検出する例を説明したが、電流検出回路51の演算処理は、検出電位差を、基準抵抗値と検出接触抵抗値とを単純加算した値で除することに限定されない。
例えば、検出電位差を、基準抵抗値と検出接触抵抗値に補正係数を乗じた値との加算値で除するようにしてもよい。
(4)上述の実施形態では、燃料電池10を製造する締結工程において、検出接触抵抗値が予め定めた範囲の基準抵抗範囲に入るように、セル10aおよび電流測定部101の電流測定部集合板100aを締結固定した例を説明したが、燃料電池10の保護のために圧縮荷重が予め定めた値以上となっても検出接触抵抗値が基準抵抗範囲に入らない場合は、異常個体として製造を中止するようにしてもよい。
(5)上述の実施形態では、燃料電池システムの制御フローとして、ステップS3にて検出した接触抵抗値を用いてセル10aを流れる電流値を検出し、さらに、ステップS6にて、この検出電流値を用いて各種電気式アクチュエータの制御状態を決定しているが、例えばステップS2にて検出した接触抵抗値が所定の値(異常基準値)以上の場合は、ステップS6にて検出電流値を用いずに、各種電気式アクチュエータの作動状態を決定してもよいし、ユーザに警告を発し、システムの作動を停止させてもよい。
(6)上述の実施形態では、第1電極111、第2電極131、抵抗体121および電流測定用配線122を銅箔で形成した例を説明したが、例えば、抵抗体121のみを、第1、第2電極111、131よりも抵抗値の大きい材料(例えば、ニッケル箔)で形成してもよい。これにより、第1スルーホール101aと第2スルーホール101bとの2点間の抵抗体121の電位差が大きくなり、電位差を測定しやすくなる。
(7)上述の実施形態では、接触抵抗検出回路103に対して、接続遮断手段103cを別体に構成した例を説明したが、もちろん、接触抵抗検出回路103に対して、接続遮断手段103cを一体に構成してもよい。
(8)上述の実施形態では、抵抗体121および電流測定用配線122を第3プリント基板120に形成(プリント)した例を説明したが、抵抗体121および電流測定用配線122を異なるプリント基板に形成してもよい。この場合は、それぞれのプリント基板を第1、第2プリント基板に挟み込んで積層基板として一体化すればよい。
(9)本発明の電流測定装置における構成は、電流測定部集合板100aが隣合うセル10a間に配置される場合のみならず、セル10aの積層方向の外側に設けられた一対の集電板に応用可能である。
一実施形態の燃料電池システムの全体構成図である。 一実施形態の燃料電池の斜視図である。 一実施形態の電流測定部集合板の分解図である。 一実施形態の電流測定部の断面図である。 一実施形態の電流測定部の電流の流れを示す説明図である。 一実施形態の基準抵抗範囲を示すグラフである。 一実施形態の燃料電池システムの制御を示すフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池
10a セル
21 空気ポンプ
23 空気調圧弁
32 水素調圧弁
50 制御装置
50a 車両起動スイッチ
51 電流検出回路
100 電流測定装置
101 電流測定部
101a 第1スルーホール
101b 第2スルーホール
102 電流測定用電圧センサ
103 接触抵抗検出回路
103a 定電流出力回路
103c リレー
111 第1電極
121 抵抗体
131 第2電極

Claims (10)

  1. 酸化剤ガスと燃料ガスとを電気化学反応させて電気エネルギを出力する複数のセル(10a)を積層配置して構成された燃料電池(10)に適用されて、前記燃料電池(10)の内部を流れる電流を測定する電流測定装置であって、
    隣合う前記セル(10a)間に配置されて、前記隣合うセル(10a)のうち一方のセルに電気的に接触する第1電極(111)、前記隣合うセル(10a)のうち他方のセルに電気的に接触する第2電極(131)、および、前記第1電極(111)と前記第2電極(131)とを電気的に接続するとともに予め定めた電気抵抗値を有する板状の抵抗体(121)を有して構成された電流測定部(101)と、
    前記第1電極(111)と前記抵抗体(121)とを接続する第1接続部(101a)および前記抵抗体(121)と前記第2電極(131)とを接続する第2接続部(101b)間の電位差を検出する電位差検出手段(102)と、
    前記一方のセルと前記第1電極(111)との間、および、前記他方のセルと前記第2電極(131)との間のうち、少なくとも一方の接触抵抗値を検出する接触抵抗検出手段(103)と、
    前記電位差検出手段(102)によって検出された検出電位差、前記第1接続部(101a)と前記第2接続部(101b)と間の前記抵抗体(121)の基準抵抗値、および、前記接触抵抗検出手段(103)によって検出された検出接触抵抗値を用いて、前記セル(10a)を流れる電流値を検出する電流値検出手段(51)とを備えることを特徴とする電流測定装置。
  2. 前記接触抵抗検出手段(103)は、前記一方のセルと第1電極(111)との間、および、前記他方のセルと前記第2電極(131)との間のうち、少なくとも一方に予め定めた値の定電流を流す定電流出力手段(103a)を有し、
    前記検出接触抵抗値は、前記定電流出力手段(103a)が前記定電流を流す際に必要とされる電圧に基づいて検出されることを特徴とする請求項1に記載の電流測定装置。
  3. 前記電流値検出手段(51)は、前記検出電位差を、前記基準抵抗値と前記検出接触抵抗値とを加算した値で除することによって、前記セル(10a)を流れる電流値を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の電流測定装置。
  4. 前記第1電極(111)は、第1プリント基板(110)に配置されており、
    前記第2電極(131)は、第2プリント基板(130)に配置されており、
    前記第1プリント基板(110)および前記第2プリント基板(130)は、配線パターンが形成された第3プリント基板(120)を挟み込んだ状態で、積層基板として一体に構成され、
    前記配線パターンとして、前記第1電極(111)および前記第2電極(131)のうち、少なくとも一方を前記接触抵抗検出手段(103)に接続する配線パターンが設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電流測定装置。
  5. 前記電流測定部(101)は、同一の隣合う前記セル(10a)間に複数個配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電流測定装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電流測定装置(100)が適用される燃料電池の製造方法であって、
    前記隣合うセル(10a)間に前記電流測定部(101)を挟み込みながら、前記セル(10a)を積層する積層工程と、
    積層された前記セル(10a)および前記電流測定部(101)に対して、積層方向に圧縮荷重がかかるように、前記セル(10a)および前記電流測定部(101)を固定する締結工程とを有し、
    前記締結工程では、前記検出接触抵抗値が予め定めた範囲の基準抵抗範囲に入るように、前記セル(10a)および前記電流測定部(101)を固定することを特徴とする燃料電池の製造方法。
  7. 前記締結工程では、前記検出接触抵抗値が前記基準抵抗範囲よりも大きい場合には、前記圧縮荷重を増加させることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池の製造方法。
  8. 前記基準抵抗範囲は、前記電流測定部(101)の温度上昇に伴って増加するように決定された値であることを特徴とする請求項6または7に記載の燃料電池の製造方法。
  9. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電流測定装置(100)が適用された燃料電池(10)を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池(10)に前記酸化剤ガスおよび前記燃料ガスのうち少なくとも一方を供給するガス供給手段(21、23、32)と、
    前記ガス供給手段(21、23、32)の作動開始信号を出力する開始信号出力手段(50a)と、
    前記ガス供給手段(21、23、32)の作動を制御する制御手段(50)とを備え、
    前記制御手段(50)は、前記開始信号出力手段(50a)が作動開始信号を出力した際に、前記ガス供給手段(21、23、32)の作動を開始する前に、前記接触抵抗検出手段(103)に前記検出接触抵抗値を検出させることを特徴とする燃料電池システム。
  10. 前記接触抵抗検出手段(103)と前記燃料電池(10)との間の電気的接続を断続する接続遮断手段(103c)を備え、
    前記制御手段(50)は、前記開始信号出力手段(50a)が作動開始信号を出力した際に、前記ガス供給手段(21、23、32)の作動を開始する前に、前記接触抵抗検出手段(103)に前記検出接触抵抗値を検出させて、さらに、前記接続遮断手段(103c)に前記電気的接続を遮断させることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
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