JP2016024353A - 現像装置 - Google Patents

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【課題】機能分離型の構成で、補給された現像剤の一部が攪拌室12から回収経路17を通じて外部に飛散することを抑制できる構成を実現する。【解決手段】案内部材16は、現像スリーブ3から離脱した現像剤を攪拌室12に案内して、現像スリーブ3から攪拌室12への回収経路17を形成する。シート部材40は、回収経路17を塞ぐように設けられ、現像スリーブ3から離脱した現像剤の圧力により、該現像剤が攪拌室12に進入可能な隙間を形成可能である。攪拌室12の第2スクリュー14は、現像スリーブ3から離脱した現像剤を回収すると共に、補給部30から補給された現像剤を攪拌しつつ搬送する。この際、補給された現像剤の一部が攪拌室12内で飛散するが、回収経路17にはシート部材40があるため、攪拌室12内で飛散した現像剤が回収経路17を通じて外部に飛散することを抑制できる。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式などによって像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視画像を形成する現像装置に関する。
一般に、電子写真方式などの画像形成装置では、像担持体としての感光ドラムに形成された静電潜像を、現像装置がトナーとキャリアを含む現像剤によってトナー像として現像する。具体的には、現像装置は、現像剤を収容する現像容器と、現像容器内の現像剤を担持搬送して、感光ドラム上の静電潜像にトナーを供給する現像剤担持体とを有する。また、このような現像装置として、現像剤担持体に現像剤を供給するための現像室(第一室)と、現像後の現像剤を現像剤担持体から回収して攪拌搬送する攪拌室(第二室)とを有する、所謂機能分離型の構成が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2012−108234号公報
ここで、上述の特許文献1に記載されたような機能分離型の現像装置の場合、画像形成などにより消費したトナーを補給すべく攪拌室に現像剤を補給する。そして、攪拌室で攪拌しつつ搬送することで、トナーを帯電させる。しかしながら、機能分離型の現像装置の場合、現像剤担持体からの現像剤の回収経路を形成するために攪拌室が密閉されていないため、現像剤が回収経路を通じて外部に飛散する可能性がある。即ち、補給された現像剤は、攪拌室内で攪拌搬送される際に飛散するが、この飛散した現像剤の一部が回収経路を通じて外部に飛散する可能性がある。特に、補給されたばかりの未帯電のトナーや帯電量の低いトナーが攪拌室から回収経路を通じて外部に飛散し易い。
本発明は、このような事情に鑑み、機能分離型の構成で、補給された現像剤の一部が第二室から回収経路を通じて外部に飛散することを抑制できる構成を実現すべく発明したものである。
本発明は、それぞれがトナーとキャリアを含む現像剤を収容して現像剤の循環経路を形成する第一室及び第二室を有する現像容器と、前記現像容器に収容された現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記第二室に現像剤を補給する補給部と、前記第一室で前記現像剤担持体に現像剤を供給しつつ現像剤を搬送する第一搬送部材と、前記第二室で前記現像剤担持体から離脱した現像剤を回収すると共に、前記補給部から補給された現像剤を攪拌しつつ搬送する第二搬送部材と、前記現像剤担持体から離脱した現像剤を前記第二室に案内して、該現像剤の前記現像剤担持体から前記第二室への回収経路を形成する案内部材と、前記回収経路の少なくとも一部を塞ぐように設けられ、前記現像剤担持体から離脱した現像剤の圧力により、該現像剤が前記第二室に進入可能な隙間を形成可能な遮蔽部材と、を備えたことを特徴とする現像装置にある。
また、本発明は、それぞれがトナーとキャリアを含む現像剤を収容し、互いに略水平方向に隣接して設けられて現像剤の循環経路を形成する第一室及び第二室を有する現像容器と、前記現像容器に収容された現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記第二室に現像剤を補給する補給部と、前記第一室で前記現像剤担持体に現像剤を供給しつつ現像剤を搬送する第一搬送部材と、前記第二室で前記現像剤担持体から離脱した現像剤を回収すると共に、前記補給部から補給された現像剤を攪拌しつつ搬送する第二搬送部材と、前記第一搬送部材の上方に配置され、前記第二搬送部材の上方の一部に突出する突出部を有し、前記現像剤担持体から離脱した現像剤を前記第二室に案内する案内部材と、前記第二搬送部材の上方を覆うように、前記案内部材の前記突出部と隙間をあけて一部が上下方向に重なるように設けられ、前記案内部材と共に前記現像剤担持体から離脱した現像剤の前記現像剤担持体から前記第二室への回収経路を形成する覆い部材と、を備えたことを特徴とする現像装置にある。
更に本発明は、それぞれがトナーとキャリアを含む現像剤を収容し、互いに略水平方向に隣接して設けられて現像剤の循環経路を形成する第一室及び第二室を有する現像容器と、前記現像容器に収容された現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記第二室に現像剤を補給する補給部と、前記第一室で前記現像剤担持体に現像剤を供給しつつ現像剤を搬送する第一搬送部材と、前記現像剤担持体の下方に配置され、前記第二室で前記現像剤担持体から離脱した現像剤を回収すると共に、前記補給部から補給された現像剤を攪拌しつつ搬送する第二搬送部材と、前記現像剤担持体と第二搬送部材との間に前記第二搬送部材の上方を覆うように設けられ、前記現像剤担持体から離脱した現像剤の圧力により、該現像剤が前記第二搬送部材側に進入可能な隙間を形成可能な遮蔽部材と、を備えたことを特徴とする現像装置にある。
本発明の場合、現像剤担持体から第二室への回収経路の少なくとも一部を塞ぐように遮蔽部材を、或いは、第二搬送部材の上方を覆うように覆い部材を、或いは、現像剤担持体と第二搬送部材との間に遮蔽部材を、それぞれ設けている。このため、機能分離型の構成で、補給された現像剤の一部が第二室から回収経路を通じて外部に飛散することを抑制できる。
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。 第1の実施形態に係る現像装置の(a)概略構成横断面図、(b)概略構成縦断面図。 第1の実施形態の構成における、現像スリーブから攪拌室に案内される現像剤の状態を示す、現像装置の(a)概略構成横断面図、(b)概略構成縦断面図。 本発明の第2の実施形態に係るシート部材の概略平面図。 第2の実施形態の構成における、攪拌室内の現像剤の飛散状態を示す、現像装置の概略構成横断面図。 本発明の第3の実施形態に係る現像装置の(a)概略構成横断面図、(b)シート部材の概略斜視図。 本発明の第4の実施形態に係る現像装置の(a)概略構成横断面図、(b)概略構成縦断面図。 攪拌室内の現像剤の剤面を、(a)覆い部材がない状態で、(b)覆い部材がある状態でそれぞれ示す、攪拌室の模式図。 本発明の第5の実施形態を示す、攪拌室の模式図。 本発明の第6の実施形態に係る現像装置の(a)概略構成横断面図、(b)概略構成縦断面図。 本発明の第7の実施形態に係る現像装置の概略構成横断面図。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
[画像形成装置]
画像形成装置100は、それぞれ像担持体としての感光ドラム28(28Y、28M、28C、28K)を有する4つの画像形成ステーション(画像形成部)Y、M、C、Kを備えた電子写真方式のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、装置本体に接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は装置本体に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材Pに形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。また、画像形成ステーションY、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する。
なお、画像形成装置100が備える4つの画像形成ステーションY、M、C、Kは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの画像形成部に属する要素であることを表すために符号に付した添え字Y、M、C、Kは省略し、総括的に説明する。
画像形成ステーションには、像担持体として円筒型の感光体、即ち、感光ドラム28が配設されている。感光ドラム28は、図中矢印方向に回転駆動される。感光ドラム28の周囲には帯電手段としての帯電装置21と、現像装置1、転写手段としての一次転写ローラ23、クリーニング手段としてのクリーニング装置26が配置されている。感光ドラム28の図中上方には露光手段としてのレーザースキャナ(露光装置)22が配置されている。
各画像形成ステーションの図1の下方には、中間転写体としての中間転写ベルト24が、複数のローラ24a〜24cに張設されて、矢印方向に走行するように配置されている。中間転写ベルト24は、ポリイミド系などの樹脂から無端状のベルトである。ローラ24bと中間転写ベルト24を挟んで対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ25が配置され、中間転写ベルト24上のトナー像を記録材Pに転写する二次転写部T2を構成している。二次転写部T2の記録材搬送方向下流には定着装置27が配置される。
上述のように構成される画像形成装置100により、例えば4色フルカラーの画像を形成するプロセスについて説明する。まず、画像形成動作が開始すると、回転する感光ドラム28の表面が帯電装置21によって一様に帯電される。次いで、感光ドラム28は、露光装置22から発せられる画像信号に対応したレーザ光により露光される。これにより、感光ドラム28上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム28上の静電潜像は、現像装置1内に収容されたトナーによって顕像化され、可視像となる。本実施形態では、レーザ光により露光した明部電位にトナーを付着させる反転現像方式を用いる。
感光ドラム28上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト24を挟んで配置される一次転写ローラ23との間で構成される一次転写部T1にて、中間転写ベルト24に一次転写される。この際、一次転写ローラ23には一次転写バイアスが印加される。一次転写後に感光ドラム28表面に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置26によって除去される。
このような動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部で順次行い、中間転写ベルト24上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングに合わせて記録材収納カセット(図示せず)に収容された記録材Pが二次転写部T2により搬送される。そして、二次転写ローラ25に二次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト24上の4色のトナー像を、記録材P上に一括で二次転写する。二次転写部T2で転写しきれずに中間転写ベルト24に残留したトナーは、中間転写ベルトクリーナー29により除去される。
次いで、記録材Pは定着手段としての定着装置27に搬送される。定着装置27は、定着ローラ27a及び加圧ローラ27bを備え、定着ローラ27aと加圧ローラ27bとで定着ニップ部を形成する。この定着装置27の定着ニップ部にトナー像が転写された記録材Pを通過させることで、記録材Pが加熱、加圧される。そして、記録材P上のトナーは溶融、混合されて、フルカラーの画像として記録材Pに定着される。その後、記録材Pは機外に排出される。これにより、一連の画像形成プロセスが終了する。なお、所望の画像形成部のみを用いて、所望の色の単色又は複数色の画像を形成することも可能である。
[現像装置]
次に、本実施形態の現像装置1の詳しい構成について、図2を用いて説明する。現像装置1は、現像容器2と、その開口部に現像剤担持体としての現像スリーブ3とを備え、現像容器2内に現像剤としてトナーとキャリアを含む2成分現像剤が収容されている。本実施形態の現像装置1は、後述するように、現像スリーブ3に現像剤を供給する現像室11と、現像後の現像剤を現像スリーブ3から回収して攪拌搬送する攪拌室12とを有する、所謂機能分離型の構成である。特に、本実施形態では、現像室11と攪拌室12とを略水平方向に隣接して設けた横攪拌型の構成である。
現像剤について述べると、本実施形態では現像方式として2成分現像方式を用い、マイナス帯電極性の非磁性トナーと磁性キャリアを混合して現像剤として用いる。非磁性トナーはポリエステル、スチレンアクリル等の樹脂に着色料、ワックス成分などを内包し、粉砕あるいは重合によって粉体としたものである。磁性キャリアは、フェライト粒子や磁性粉を混錬した樹脂粒子からなるコアの表層に樹脂コートを施したものである。初期状態の現像剤中のトナー濃度(現像剤中に含まれるトナーの重量比)は、本実施形態では8%である。
現像容器2は、隔壁15により現像室11(第一室)と攪拌室12(第二室)とに区画され、現像室11及び攪拌室12にそれぞれ現像剤が収容されている。現像室11と攪拌室12とは、互いに略水平方向に隣接して、現像スリーブ3の回転軸方向(長手方向)に沿って配置されている。隔壁15の両端は、現像容器2の内部の長手方向両端部側壁までは達していない。これにより、隔壁15の両端部には、現像室11と攪拌室12との間で現像剤の通過を許す(連通させる)連通口15a、15bが形成されて、現像室11と攪拌室12とで現像剤の循環経路を形成する。
また、現像容器2は、現像室11の上方の感光ドラム28に対向した一部分が開口しており、この開口部に一部露出するようにして円筒状の現像スリーブ3が回転可能に配置されている。現像スリーブ3は非磁性材料で構成され、磁界発生手段としての固定のマグネット4を内包する。現像スリーブ3は図2(a)の矢印方向に回転し、マグネット4のN1極の位置で現像容器2の現像室11に収容された現像剤を担持して(マグネット4の磁気吸引力により吸着して)、現像剤規制部材としてのブレード5方向へ搬送する。S1極によって穂立ちされられた現像剤はブレード5によってせん断力を受けその量が規制され、現像スリーブ3とブレード5のギャップを通過すると現像スリーブ3上に所定の層厚の現像剤層を形成する。現像剤層は感光ドラム28と対向する現像領域に担持搬送され、N2極によって磁気穂を形成した状態で感光ドラム28の表面に形成されている静電潜像を現像する。現像に供された後の現像剤はN3極とN1極の間にある無磁力帯によって現像スリーブ3より剥離される。現像スリーブ3から離脱した現像剤は、後述する回収経路17を通じて攪拌室12に回収される。
現像室11、攪拌室12には、現像室11と攪拌室12との間で現像剤を循環させる循環搬送部材として第1スクリュー13、第2スクリュー14を有する。即ち、現像室11には、現像室11で現像スリーブ3に現像剤を供給しつつ現像剤を搬送する第一搬送部材としての第1スクリュー13が、現像スリーブ3の回転軸方向と平行に配置されている。また、攪拌室12には、攪拌室12で現像スリーブ3から離脱した現像剤を回収しつつ搬送する第2スクリュー14が、現像スリーブ3の回転軸方向と平行に配置されている。第1スクリュー13及び第2スクリュー14は、それぞれ回転軸上に螺旋状の羽根を設けて構成される。
現像スリーブ3、第1スクリュー13、第2スクリュー14はそれぞれ不図示のギア列によって連結駆動される構成になっていて、同じく不図示の駆動源としてのモータにより駆動される現像器駆動ギアからの駆動を受け取って回転する。これら第1スクリュー13及び第2スクリュー14の回転により、現像剤は、現像容器2内を循環しつつ混合及び攪拌される。即ち、第1スクリュー13により現像室11内の現像剤を図2(b)の矢印x方向に沿って搬送し、第2スクリュー14により攪拌室12内の現像剤を第1スクリュー13とは反対方向に図2(b)の矢印y方向に沿って搬送する。
[回収経路]
また、本実施形態の場合、図2に示すように、現像スリーブ3から離脱した現像剤を攪拌室12に案内して、該現像剤の現像スリーブ3から攪拌室12への回収経路17を形成する案内部材16を設けている。なお、図2(b)では、案内部材16をハッチングで模式的に示している。案内部材16は、隔壁15と一体に形成され、隔壁15の上端から現像スリーブ3に向けて突出し、現像室11内の第1スクリュー13の上方の一部を覆うように設けられた板状の部材である。また、案内部材16は、攪拌室12に向かう程下方に向かうように傾斜しており、案内部材16上の現像剤が重力により攪拌室12に案内されるようにしている。このような案内部材16は、現像スリーブ3の無磁力帯の付近で現像スリーブ3に近接させている。そして、現像スリーブ3上の現像剤が、N3極で剥離された後に現像室11に戻らずに、案内部材16により案内されて攪拌室12に収容されるようにしている。
隔壁15の上方には、上述の回収経路17を形成する空間17aをあけて現像室11と攪拌室12とを仕切るように仕切り部材18が設けられている。そして、案内部材16、隔壁15、仕切り部材18、現像容器2の内壁、現像スリーブ3に囲まれた空間を、回収室19と定義する。したがって、現像スリーブ3から離脱した現像剤は、回収室19に回収され、案内部材16により案内されて空間17aを通じて攪拌室12に送られる。言い換えれば、回収室19及び空間17aにより回収経路17を形成する。
[現像剤の補給]
また、図2(b)に示すように、攪拌室12の連通口15bよりも第2スクリュー14の現像剤搬送方向上流には、攪拌室12に現像剤を補給する補給部30が設けられている。補給部30は、攪拌室12と連通する空間を有し、この空間内に第2スクリュー14の上流端部が進入している。また、補給部30には、補給手段としてのホッパー31から現像剤が補給される。即ち、図1に示すように、現像装置1の上方には補給用の現像剤が収容された現像剤ボトル32(現像剤収容部)が配置されており、現像剤ボトル32からホッパー31に現像剤が供給される。ホッパー31は、現像剤搬送部材としての補給スクリューを備え、補給スクリューの一端が補給部30に設けられた現像剤補給口の位置まで延びている。
画像形成によって消費された分の現像剤は、補給スクリューの回転力と、現像剤の重力によって、ホッパー31から現像剤補給口を通過して、補給部30に補給される。補給部30に補給された現像剤は、第2スクリュー14の回転により攪拌室12内に搬送補給される。補給現像剤の量は、搬送部材である補給スクリューの回転数によっておおよそ定められるが、この回転数は図示しないトナー補給量制御手段によって定められる。トナー補給量制御の方法としては2成分現像剤のトナー濃度を光学的或いは磁気的に検知するものや、感光ドラム28上の基準潜像を現像してそのトナー像(パッチ画像)の濃度を検知する方法などが知られている。したがって、いずれかの方法を適宜選択することが可能である。なお、本実施形態では、現像容器2内の現像剤のトナー濃度を濃度検知手段として、磁気的にトナー濃度を検知するインダクタンスセンサ33を有する。そして、このインダクタンスセンサ33の検知結果と、パッチ画像の濃度の検知結果とを併用して、現像剤を補給するようにしている。
[現像剤の排出]
このように補給部30を通じて攪拌室12内に補給された現像剤は、第2スクリュー14の回転により攪拌されつつ搬送されることで、トナーとキャリアとが摺擦して、それぞれ摩擦帯電する。そして、現像室11に更に搬送されることで、現像に使用される。更に、このような現像剤の補給により現像容器2内の現像剤の量が増加するため、本実施形態では、現像容器2内の現像剤の一部を排出する排出部34を設けている。即ち、現像剤のうち、トナーは現像に使用されるが、キャリアは現像に使用されずに現像容器2内に留まる。そして、キャリアが徐々に劣化して帯電性能が低下してしまう。このため、排出部34により現像剤の一部を排出して、現像容器2内の現像剤の量を所定の範囲に保つようにすると共に、劣化したキャリアを排出するようにしている。
排出部34は、攪拌室12の連通口15aよりも第2スクリュー14の現像剤搬送方向下流に設けられている。排出部34内には排出スクリューが第2スクリュー14と一体に設けられ、排出部34内に搬送された現像剤を不図示の排出口を通じて外部に排出するようにしている。また、排出部34の上流には、返しスクリューが第2スクリュー14と一体に設けられ、攪拌室12内で第2スクリュー14により搬送された現像剤を押し返すことで連通口15aを通じて現像室11に送る(受け渡す)ようにしている。第2スクリュー14により搬送された現像剤の一部は、返しスクリューを乗り越えて排出部34に到達し、排出スクリューにより排出される。本実施形態の場合、このようにして現像容器2内の現像剤の一部を排出するようにしている。なお、現像剤の排出はこのような構成に限らず、現像容器の所定の高さ位置に設けられた排出口からオーバーフローさせることで行っても良い。
[シート部材]
上述のように、補給部30から補給される現像剤は、第2スクリュー14による搬送、攪拌の過程で攪拌室12内で飛散する。特に、補給されたばかりの未帯電のトナーや帯電量の低いトナーが攪拌室12内で飛散し易い。この飛散した現像剤は、回収経路17を通じて外部に飛散する可能性がある。このため、本実施形態では、回収経路17の少なくとも一部を塞ぐように、遮蔽部材としてのシート部材40を設けている。シート部材40は、例えば、ウレタン素材(ポリウレタンなど)などの樹脂材料により薄いシート状に形成され、現像スリーブ3から離脱した現像剤の圧力により変形して、該現像剤が攪拌室12に進入可能な隙間を形成可能である。本実施形態では、厚さ100μmのウレタン素材によりシート部材40を形成している。
本実施形態では、シート部材40を攪拌室12と回収室19との間に設けている。具体的には、シート部材40の基端部を仕切り部材18に接着などにより固定し、先端部を隔壁15の一部である側面に接触させて、隔壁15と仕切り部材18との間の空間17aを覆うようにしている。そして、現像スリーブ3から離脱して案内部材16により案内された現像剤の圧力によりシート部材40が変形して、シート部材40の先端部と隔壁15の側面との間に、該現像剤が進入可能な隙間が形成されるようにしている。一方、現像剤が案内部材16により案内されていない状態では、シート部材40の先端部と隔壁15の側面とが接触して、上述の隙間が塞がれる。
なお、本実施形態では、シート部材40が変形することで案内部材16により案内される現像剤が通過できる隙間が形成される。但し、シート部材40と隔壁15との間に現像剤の圧力がかかっていない状態でも隙間を設けておき、現像剤の圧力によりこの隙間が更に大きくなって、この隙間を現像剤が通過できるようしても良い。このようなシート部材40としては、上述のウレタンシート以外であっても、案内部材16上を移動してくる現像剤の圧力によって、変形可能なシート状の部材であれば、代用可能である。また、シート部材40を仕切り部材18に回動可能に支持することで、案内部材16により案内された現像剤の圧力によりシート部材40が回動して上述の隙間を形成するようにしても良い。また、このように回動自在に支持する構成の場合の遮蔽部材は、上述のような薄いシート状のものに限らず、板状の部材であっても良い。要は、案内部材16を移動してくる現像剤の圧力によって、現像剤が通過する時のみ、最低限の隙間を作って、現像剤を攪拌室12へ移動させることができれば良い。
このように構成される本実施形態の場合、現像スリーブ3から攪拌室12への回収経路17を塞ぐようにシート部材40を設けている。このため、機能分離型の構成で、補給された現像剤の一部が攪拌室12から回収経路17を通じて外部に飛散することを抑制できる。即ち、上述のように、補給部30から攪拌室12に補給された現像剤は、第2スクリュー14により攪拌搬送されることで飛散するが、この飛散した現像剤はシート部材40により遮られて、回収経路17を通じて外部に飛散しにくくなる。これにより、現像装置1の外部が現像剤により汚染されることを抑制できる。また、シート部材40は、現像スリーブ3から離脱した現像剤の圧力により変形して、該現像剤が攪拌室12に進入可能な隙間を形成するため、シート部材40により攪拌室12への現像剤の回収は阻害されない。
[実施例1]
このような本実施形態の効果を確認するために行った実験について説明する。実験では、図2に示したような、機能分離型の構成の現像装置を組み込んだ画像形成装置を用いた。そして、シート部材40を設けた実施例1と、シート部材40を設けなかった比較例とで、現像容器2の開口部で現像スリーブ3と対向する先端部20に付着したトナーの量(トナー付着量)を比較した。この先端部20は、回収室19から現像容器2の外へ気流が抜ける位置にある。実験では、A4の用紙の全面にベタ画像を連続10000枚画像形成した際の先端部20に付着したトナー量を比較した。なお、ベタ画像とは、感光ドラムの画像形成可能領域の全面に形成したトナー像であり、画像比率(印字率)が100%の場合を言う。この実験の結果を表1に示す。
Figure 2016024353
表1から明らかなように、シート部材40がない比較例の場合には、現像容器2の先端部に付着するトナー付着量は16mg/cmであった。これに対して、シート部材40を設けた本実施形態に対応する実施例1では、トナー付着量が8mg/cmであった。この結果、実施例1では比較例に対して、現像容器2の外部に飛散するトナーの量を約2分の1に抑えることができることが分かった。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図3及び図4を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、シート部材40として切り込みがないものを用いた。これに対して本実施形態では、現像スリーブ3の回転軸方向の複数個所に、この回転軸方向と交差する方向に切り込みが形成されたシート部材40aを用いた。その他の構成及び作用は、第1の実施形態と同様であるため、同じ構成には同じ符号を付して重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
ここで、上述の第1の実施形態では、実施例1の実験結果から明らかなように、回収経路17上にシート部材40を設けることで、攪拌室12からのトナー飛散を比較例の2分の1に抑えることができた。但し、現像装置の高寿命化を図るためには、更なる改善の余地がある。そこで、実施例1でシート部材40があるにも関わらず、多少のトナーが飛散した原因を調査したところ、以下のことが分かった。
まず、図3に、第1の実施形態で現像装置1が動作して、現像スリーブ3から攪拌室12に現像剤が回収される様子を示す。破線Tは、現像スリーブ3から離脱した現像剤を表している。図3(a)では、現像剤が、現像スリーブ3から離脱した後、案内部材16上を移動してシート部材40を押し広げて攪拌室12へと落下している様子を示している。また、図3(b)では、現像装置1の上方から見て、現像スリーブ3から離脱した現像剤が、シート部材40の長手中央付近に多く見受けられ、両端付近では少ないことを示している。
これは、現像スリーブ3上の現像剤量ムラに起因するものである。実際に現像スリーブ3上の現像剤量を測定すると、両端が20mg/cmに対して中央付近は27mg/cmとなっており、この現像剤量ムラがシート部材40付近の現像剤量ムラになっている。シート部材40は、最も現像剤量が多い箇所にならって変形する。このため、現像剤量が多い中央付近では、隔壁15とシート部材40との間には現像剤が十分に存在しているが、逆に現像剤量が少ない両端部付近ではシート部材40と隔壁15との間に隙間ができてしまっている。
以上より、隔壁15とシート部材40との間を通過する現像剤量ムラにより、長手方向の一部に隙間ができてしまい、攪拌室12内の飛散トナーが回収室19へと飛散してきていることが分かった。
そこで、本実施形態では、図4に示すような、現像スリーブ3の回転軸方向(長手方向)の複数個所に、長手方向と直交する方向にスリット41(切り込み)が入ったシート部材40aを用いるようにした。スリット41は、シート部材40aの仕切り部材18に固定される側の基端部を除く中間部から先端まで入れられている。図示の例では、スリット41を長手方向に等間隔に形成したが、スリット41の間隔は等間隔でなくても良い。特に、スリット41の間隔は、現像スリーブ3上の現像剤量ムラを考慮して設定することが好ましい。
例えば、スリット41を等間隔に形成する場合で、現像スリーブ3上の現像剤量ムラが長手方向で大きい場合には、スリット41の間隔を狭くする。また、例えば、スリット41を等間隔にしない場合で、現像スリーブ3上の現像剤量ムラが長手方向両端寄りで大きくなる場合には、スリット41の間隔を長手方向中央よりも両端寄りの方を狭くする。何れにしても、隔壁15とシート部材40aとの間を通過する現像剤量ムラにより、現像剤量が少ない部分で隔壁15とシート部材40aとの間の隙間が大きくならないように、スリット41の間隔を設定することが好ましい。
なお、このようにシート部材40aにスリット41を設ける以外に、遮蔽部材としてのシート部材を現像スリーブの回転軸方向に複数に分割して設けるようにしても良い。この分割する間隔についても、上述のスリット41の間隔と同様に設定することが好ましい。また、この場合には、遮蔽部材としてシート状外の例えば板状のものを使用しても良い。
このように構成される本実施形態の場合、回収経路17を塞ぐシート部材40aに複数のスリット41を設けている。このため、シート部材40aと隔壁15との間を通過する現像剤量にムラがあったとしても、各箇所によってシート部材40aの変形量を変えることができるため、上述したような隙間が発生しにくい。この結果、攪拌室12内の現像剤が外部に飛散することをより抑制できる。
[実施例2]
このような本実施形態の効果を確認するために、実施例1と同様に行った実験について説明する。実験では、図2に示したような、機能分離型の構成の現像装置を組み込んだ画像形成装置を用いた。そして、シート部材40aを設けた実施例2と、前述の比較例とで、現像容器2の開口部で現像スリーブ3と対向する先端部20に付着したトナーの量(トナー付着量)を比較した。実験では、A4の用紙の全面にベタ画像を連続10000枚画像形成した際の先端部20に付着したトナー量を比較した。この結果を表2に示す。
Figure 2016024353
表2から明らかなように、シート部材40aを設けた本実施形態に対応する実施例2では、トナー付着量が4mg/cmであった。この結果、実施例2では、比較例に対して4分の1、実施例1に対して2分の1に、現像容器2の外部に飛散するトナーの量を低減することができることが分かった。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図5及び図6を用いて説明する。上述の第2の実施形態では、シート部材40aとしてスリット41を複数個所に設けたものを用いた。これに対して本実施形態では、シート部材40bとして、先端側部分に隔壁15に向けて折り曲げられた折り曲げ部42を有するものを用いた。その他の構成及び作用は、第2の実施形態と同様であるため、同じ構成には同じ符号を付して重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
ここで、上述の第2の実施形態では、実施例2の実験結果から明らかなように、シート部材40aにスリット41を入れることで、大きな飛散抑制効果が得られた。但し、攪拌室12からのトナー飛散を抑制するためには、更なる改善の余地がある。その原因として、飛散したトナーはほぼ気体と同様に振舞うためであると考えられる。即ち、図5に矢印Aで示すように、第2スクリュー14の回転の勢いで上方に巻き上げられた攪拌室12内の現像剤は、シート部材40aと隔壁15との隙間から回収室19側へと漏れていると想定される。
そこで、本実施形態では、このように巻き上げられた現像剤が回収室19側へ漏れることを抑制するため、図6(a)に示すような構成としている。即ち、案内部材16aは、隔壁15から攪拌室12の第2スクリュー14の上方の一部に突出する突出部161を有する。言い換えれば、案内部材16aの端部が隔壁15から攪拌室12内に延長されており、隔壁15から突出した部分を突出部161としている。一方、遮蔽部材としてのシート部材40bは、現像スリーブ3から離脱した現像剤の圧力による隙間を形成可能な先端側部分に、案内部材16aの突出部161の下方に入り込むように折り曲げられた折り曲げ部42を有する。なお、本実施形態では、折り曲げ部42が突出部161に入り込むように、シート部材40bを固定する仕切り部材18を隔壁15の延長線上から攪拌室12側にずらして設けている。
本実施形態では、シート部材40bの折り曲げ部42よりも基端側の本体部43が、案内部材16aから現像剤が案内されていない場合に、仕切り部材18に固定された状態で略鉛直方向に垂れ下がっている。そして、本体部43の先端寄りの一部が案内部材16aの突出部161の先端部に接触している。本実施形態では、案内部材16aと隔壁15とが一体に形成されており、突出部161は隔壁の一部を構成する。このため、本実施形態でも、シート部材40bの先端部が隔壁15の一部に、現像スリーブ3から離脱した現像剤の圧力により該現像剤が攪拌室12に進入可能な隙間を形成可能に接触している。
そして、シート部材40b(本体部43の一部)が、隔壁15の一部(突出部161の先端部)に接触している状態で、折り曲げ部42が水平方向に対して、先端側に向かう程、重力方向下方に傾斜するようにしている。本実施形態の場合、折り曲げ部42の折曲角度は、本体部43の一部が突出部161の先端部に接触している状態で、重力方向に対して90°未満としている。言い換えれば、折り曲げ部42と本体部43とのなす角度が90°よりも大きくなるようにしている。
なお、折り曲げ部42の折曲角度は、案内部材16aから現像剤が案内されておらず、シート部材40bが突出部161の先端部に接触している状態での本体部43の角度に応じて適宜設定する。例えば、この状態での本体部43が重力方向に対して、重力方向下方に向かう程隔壁15から離れる方向に傾斜している場合には、折り曲げ部42と本体部43とのなす角度が90°未満としても良い。要は、折り曲げ部42の折曲角度は、本体部43の一部が突出部161の先端部に接触している状態で、重力方向に対して90°未満であれば良い。なお、巻き上げられた現像剤が回収室19側へ漏れることを抑制するために好ましくは、折り曲げ部42の折曲角度を、本体部43の一部が突出部161の先端部に接触している状態で、重力方向に対して30°以上、より好ましくは45°以上とする。
また、本実施形態では、案内部材16aから現像剤が案内されていない状態では、本体部43の一部が突出部161の先端部に接触するようにしているが、折り曲げ部42の先端部が隔壁15の一部に接触するようにしても良い。要は、案内部材16aから現像剤が案内されていない状態で、本体部43と折り曲げ部42との少なくとも一方が、隔壁15の一部(突出部161を含む)に接触していれば良い。但し、巻き上げられた現像剤が回収室19側へ漏れることを抑制するために好ましくは、案内部材16aから現像剤が案内されていない状態で、本体部43と折り曲げ部42との両方を、隔壁15の一部(突出部161を含む)に接触させる。なお、折り曲げ部42の先端部が隔壁15の一部に接触するような構成においても、折り曲げ部42の折曲角度は、上述と同様に設定する。
また、本実施形態の場合、案内部材16aは、突出部161を含めて、現像スリーブ3から攪拌室12に向かう程下方に傾斜している。一方、折り曲げ部42は、上述のように折曲角度が設定されているため、本体部43側から隔壁15側に向かう程下方に傾斜している。したがって、現像スリーブ3から離脱して案内部材16aに沿って攪拌室12側に案内された現像剤は、シート部材40bを変形させて、シート部材40bと隔壁15の一部(突出部161)との隙間から折り曲げ部42に落下する。そして、折り曲げ部42により案内部材16aとは反対側に案内されて、折り曲げ部42と隔壁15との隙間から攪拌室12内に落下する。
また、本実施形態の場合も上述の第2の実施形態と同様に、図6(b)に示すように、シート部材40bの長手方向複数個所にスリット41を形成している。スリット41は、本体部43の基端部を除く中間部から折り曲げ部42の先端まで入れられている。
このように構成される本実施形態の場合、シート部材40bの先端側部分に案内部材16aの突出部161の下方に入り込むように折り曲げ部42を形成している。このため、第2スクリュー14の回転の勢いで上方に巻き上げられた攪拌室12内の現像剤は、折り曲げ部42に遮られて、回収室19側に漏れにくくなる。また、巻き上げられた現像剤が折り曲げ部42を越えても、折り曲げ部42の上方には突出部161が存在するため、やはり、回収室19側に漏れにくくなる。更に、本実施形態の場合も、シート部材40bに複数のスリット41を形成しているため、シート部材40bと隔壁15との間を通過する現像剤量にムラがあったとしても、各箇所によってシート部材40bの変形量を変えることができる。この結果、攪拌室12内の現像剤が外部に飛散することをより抑制できる。
[実施例3]
このような本実施形態の効果を確認するために、実施例1と同様に行った実験について説明する。実験では、図6に示したような、機能分離型の構成の現像装置を組み込んだ画像形成装置を用いた。そして、シート部材40bを設けた実施例3と、前述の比較例とで、現像容器2の開口部で現像スリーブ3と対向する先端部20に付着したトナーの量(トナー付着量)を比較した。実験では、A4の用紙の全面にベタ画像を連続10000枚画像形成した際の先端部20に付着したトナー量を比較した。この結果を表3に示す。
Figure 2016024353
表3から明らかなように、シート部材40bを設けた本実施形態に対応する実施例3では、トナー付着量が3mg/cmであった。この結果、実施例3では、実施例2に対して4分の3に、現像容器2の外部に飛散するトナーの量を低減することができることが分かった。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図7を用いて説明する。上述の第1ないし第3の実施形態では、シート部材を設けて攪拌室12内の現像剤が外部に飛散することを抑制した。これに対して本実施形態では、このようなシート部材を設けずに、現像剤が外部に飛散することを抑制するようにしている。その他の構成及び作用は、第1の実施形態と同様であるため、同じ構成には同じ符号を付して重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の場合も、上述の第3の実施形態と同様に、案内部材16aは、隔壁15から攪拌室12の第2スクリュー14の上方の一部に突出する突出部161を有する。言い換えれば、案内部材16aの端部が隔壁15から攪拌室12内に延長されており、隔壁15から突出した部分を突出部161としている。なお、本実施形態では、仕切り部材18の位置は、第1の実施形態と同様に、隔壁15の延長線上としている。
また、本実施形態の場合、攪拌室12の第2スクリュー14の上方を覆うように、覆い部材50を設けている。なお、図7(b)では、案内部材16a及び覆い部材50をハッチングで模式的に示している。覆い部材50は、現像容器2の側壁のうち、隔壁15と対向して攪拌室12を構成する側壁2aから隔壁15に向けて突出するように設けられた板状の部材である。覆い部材50の先端部は、隔壁15と隙間を介して対向する。このような覆い部材50は、案内部材16aの突出部161と隙間をあけて一部が上下方向に重なるように設けられ、案内部材16aと共に現像スリーブ3から離脱した現像剤の現像スリーブ3から攪拌室12への回収経路17を形成する。具体的には、覆い部材50は、一部(先端部)が突出部161の下方に進入するように設けられ、案内部材16aにより案内された現像剤を案内部材16aによる案内方向とは逆方向に案内して攪拌室12に落下させる。このために覆い部材50は、隔壁15に向かう程下方に傾斜している。
なお、案内部材16aは第1スクリュー13の現像剤搬送方向と略平行に、覆い部材50は、第2スクリュー14の現像剤搬送方向と略平行に、それぞれ設けられている。また、案内部材16aは第1スクリュー13の現像剤搬送方向に関して現像室11の全域に、覆い部材50は第2スクリュー14の現像剤搬送方向に関して攪拌室12の全域に、それぞれ設けられている。
このように構成される本実施形態の場合、現像スリーブ3から離脱して案内部材16aにより案内された現像剤は、まず、覆い部材50の上に落下する。そして、この現像剤は、覆い部材50により案内部材16aの案内方向とは逆方向に案内されて、覆い部材50の先端部と隔壁15との隙間から攪拌室12内に落下する。
一方、攪拌室12に補給された現像剤が第2スクリュー14の回転により飛散した場合には、攪拌室12内で飛散した現像剤は、覆い部材50に遮られて回収室19側に漏れにくくなる。また、飛散した現像剤が覆い部材50を越えても、覆い部材50の先端部の上方には突出部161が存在するため、やはり、回収室19側に漏れにくくなる。即ち、本実施形態の場合、攪拌室12の第2スクリュー14の上方を覆うように覆い部材50を設けているため、機能分離型の構成で、補給された現像剤の一部が攪拌室12から回収経路17を通じて外部に飛散することを抑制できる。
[実施例4]
このような本実施形態の効果を確認するために、実施例1と同様に行った実験について説明する。実験では、図7に示したような、機能分離型の構成の現像装置を組み込んだ画像形成装置を用いた。そして、覆い部材50を設けた実施例4と、前述の比較例とで、現像容器2の開口部で現像スリーブ3と対向する先端部20に付着したトナーの量(トナー付着量)を比較した。実験では、A4の用紙の全面にベタ画像を連続10000枚画像形成した際の先端部20に付着したトナー量を比較した。この結果を表4に示す。
Figure 2016024353
表4から明らかなように、覆い部材50を設けた本実施形態に対応する実施例4では、トナー付着量が10mg/cmであった。この結果、実施例4は、比較例の6割程度に、現像容器2の外部に飛散するトナーの量を低減することができることが分かった。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。上述の第4の実施形態では、覆い部材50を第2スクリュー14の上方の現像剤搬送方向(長手方向)全域に設けた。これに対して本実施形態では、覆い部材50aを、第2スクリュー14の現像剤搬送方向上流から中間部までの所定範囲で第2スクリュー14を覆うように設けるようにしている。その他の構成及び作用は、第4の実施形態と同様であるため、同じ構成には同じ符号を付して重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第4の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
ここで、本実施形態のような機能分離型の現像装置の場合、図8(a)に示すように、攪拌室12内の現像剤の粉面TA(破線)は、第2スクリュー14の現像剤搬送方向上流から下流へ向かって高くなる傾向がある。これには大きく分けて二つの理由がある。まず、本実施形態の現像装置の場合、現像スリーブ3から離脱した現像剤が、案内部材16a及び覆い部材50を伝って攪拌室12に落下するため、攪拌室12の現像剤量が多くなって現像剤の粉面が高くなる。また、第2スクリュー14の現像剤搬送方向下流では、攪拌室12から現像室11への受け渡し部で現像剤の進行方向が急激に変わるため、一時的に現像剤の速度が落ちて、攪拌室12の下流側の粉面が上がってしまう。
特に、現像装置の寿命を延ばすために、現像容器2内の現像剤量が多くした場合は、当然この粉面TAは全体的に上がる。したがって、覆い部材50を攪拌室12の長手方向全域に配置すると、図8(b)に示すように、第2スクリュー14の現像剤搬送方向下流では現像剤の粉面が覆い部材50により押さえつけられ、粉面状態はTBのようになる。このように現像容器内で強制的に現像剤の粉面を抑制すると、現像剤量の増減で現像容器内での現像剤循環のバランスが崩れる可能性がある。以上より、第4の実施形態の構成の場合、現像容器内の現像剤量を多くした場合には、現像剤循環のバランスが崩れる可能性がある。
そこで、本実施形態では、図9に示すように、覆い部材50aを、長手方向全域ではなく、第2スクリュー14の現像剤搬送方向上流から中間部までの所定範囲で第2スクリュー14を覆うように設けるようにしている。本実施形態の場合、所定範囲とは、図9に示す現像剤の粉面下限TC時においても、覆い部材50aが現像剤面TCに接し始める長さとする。即ち、現像容器内の現像剤量は、現像剤の使用や補給により変わるため、現像剤の剤面も変化する。本実施形態の現像装置は、図9に示すように、粉面下限TCと粉面TDとの間で現像剤の剤面が変化する。このため、上述の所定範囲を、攪拌室12内(第二室内)の第2スクリュー14の現像剤搬送方向上流端から、第2スクリュー14により搬送される現像剤の剤面の下限(粉面下限TC)が覆い部材50の下面と接し始める位置までとしている。
なお、所定範囲を、粉面上限TDが覆い部材50の下面と接し始める位置までとしても良いし、粉面下限TCと粉面上限TDとの中間の粉面に覆い部材50の下面と接し始める位置までとしても良い。要は、所定範囲については、現像剤の剤面との関係で適宜設定可能である。
このように構成される本実施形態の場合、攪拌室12に補給されて第2スクリュー14の回転により飛散した現像剤は、現像容器2と、覆い部材50aと、現像剤とで囲まれた空間に存在することになる。したがって、覆い部材50aを第4の実施形態よりも短くしても、第2スクリュー14の現像剤搬送方向下流で飛散することを抑制できる。即ち、覆い部材50aの所定範囲を、粉面下限TCが覆い部材50aの下面と接し始める位置までとしているため、覆い部材50aの先端よりも下流側は現像剤により埋め尽くされている。このため、上流側で飛散した現像剤が覆い部材50aの先端側から外部に飛散することを抑制できる。したがって、本実施形態の場合も、第4の実施形態と同様に、機能分離型の構成で、補給された現像剤の一部が攪拌室12から回収経路17を通じて外部に飛散することを抑制できる。
また、本実施形態の場合、覆い部材50aが第2スクリュー14の上方を覆う範囲を所定範囲としているため、第2スクリュー14の現像剤搬送方向下流では現像剤の粉面が覆い部材50により押さえつけられにくくなる。このため、現像容器内の現像剤量を多くした場合でも、現像剤循環のバランスが崩れることを抑制できる。
[実施例5]
このような本実施形態の効果を確認するために、実施例1と同様に行った実験について説明する。実験では、図7に示したような、機能分離型の構成の現像装置を組み込んだ画像形成装置を用いた。そして、覆い部材50aを設けた実施例5と、前述の比較例とで、現像容器2の開口部で現像スリーブ3と対向する先端部20に付着したトナーの量(トナー付着量)を比較した。実験では、A4の用紙の全面にベタ画像を連続10000枚画像形成した際の先端部20に付着したトナー量を比較した。
また、比較例と、前述の実施例4と、実施例5とについて、粉面上限時の現像剤の循環バランスの状態を確認した。なお、実施例5では、覆い部材50aの所定範囲を変更して行った。即ち、粉面上限TDが覆い部材50aの下面と接し始める位置までとした場合(実施例5(粉面上限))、粉面下限TCが覆い部材50aの下面と接し始める位置までとした場合(実施例5(粉面下限))とについて、上述の実験を行った。この結果を表5に示す。
Figure 2016024353
表5から明らかなように、覆い部材50aを設けた本実施形態に対応する実施例5では、実施例4と同等のトナー付着量が10mg/cmであった。また、実施例4では、剤面上限時の現像剤の循環バランスが崩れたが、実施例5では何れの場合も現像剤の循環バランスが崩れなかった。なお、比較例は、覆い部材がないため、現像剤の循環バランスが崩れなかった。この結果、実施例5は、比較例の6割程度に、現像容器2の外部に飛散するトナーの量を低減することができ、且つ、粉面上限時でも現像剤の循環バランスが崩れないことが分かった。
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態について、図10を用いて説明する。上述の第4及び第5の実施形態では、第2スクリュー14の上方に覆い部材を設けた。これに対して本実施形態では、このような覆い部材に加えて、回収経路17の少なくとも一部を塞ぐように遮蔽部材としてのシート部材40cを設けた。その他の構成及び作用は、第4の実施形態と同様であるため、同じ構成には同じ符号を付して重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第4の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
ここで、上述の第4及び第5の実施形態の場合、実施例4、5に示したように、比較例に対してはトナー飛散量を低減することができたが、シート部材を使用した実施例1〜3と比べるとトナー飛散の抑制度合いは小さい。そこで、本実施形態では、図10に示すように、第4の実施形態で用いた覆い部材50を使用し且つ、シート部材40cを使用するようにした。
即ち、シート部材40cは、第1の実施形態のシート部材40と同様に、回収経路17を塞ぐように設けられ、現像スリーブ3から離脱した現像剤の圧力により、該現像剤が攪拌室12に進入可能な隙間を形成可能である。特に本実施形態では、シート部材40cを、案内部材16aと覆い部材50との隙間に設けている。
具体的に説明すると、本実施形態の現像装置も、第4の実施形態と同様に、第2スクリュー14の上方を覆うように覆い部材50を設け、覆い部材50の先端部を案内部材16aの突出部161の下方に進入するようにしている。そして、シート部材40cの基端部を突出部161の先端部に接着などにより固定し、シート部材40cの先端部を覆い部材50の先端部に接触させるようにしている。また、現像スリーブ3から離脱して案内部材16aにより案内された現像剤の圧力によりシート部材40cが変形して、シート部材40cの先端部と覆い部材50との間に、該現像剤が進入可能な隙間が形成されるようにしている。一方、現像剤が案内部材16aにより案内されていない状態では、シート部材40cの先端部と覆い部材50とが接触して、上述の隙間が塞がれる。なお、本実施形態の場合も、シート部材40cと覆い部材50との間に現像剤の圧力がかかっていない状態でも隙間を設けておき、現像剤の圧力によりこの隙間が更に大きくなって、この隙間を現像剤が通過できるようしても良い。
このようなシート部材40cとしては、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、厚さ100μmのウレタン素材を用いた。但し、第1の実施形態のシート部材40と同様に、樹脂材料の薄いシート状の材料であれば他の材料でも良い。また、遮蔽部材としては、シート部材に限らず、板状の部材であっても良く、この場合には、遮蔽部材を突出部161に対して回動自在に支持する。要は、案内部材16aを移動してくる現像剤の圧力によって、現像剤が通過する時のみ、最低限の隙間を作って、現像剤を攪拌室12へ移動させることができれば良い。また、本実施形態の遮蔽部材としては、第2の実施形態のようにスリットを設けたシート部材を使用しても良い。また、遮蔽部材の位置も、第1の実施形態などと同様に、仕切り部材18と隔壁15との間の空間17aを覆う位置など、回収経路17を塞げる位置であれば良い。但し、本実施形態のように、覆い部材50の先端部が案内部材16aの突出部161の下方に進入する構成の場合、突出部161と覆い部材50との間に遮蔽部材を設けることが好ましい。
このように構成される本実施形態の場合、攪拌室12に補給された現像剤が第2スクリュー14の回転により飛散した場合に、攪拌室12内で飛散した現像剤は、覆い部材50に遮られて回収室19側に漏れにくくなる。これに加えて、現像剤の回収経路を塞ぐようにシート部材40cを設けているため、攪拌室12内で飛散した現像剤がより回収室19側に漏れにくくなる。
なお、本実施形態では、覆い部材50として第4の実施形態と同様の覆い部材50を用いたが、第5の実施形態と同様の覆い部材50aを用いても良い。
[実施例6]
このような本実施形態の効果を確認するために、実施例1と同様に行った実験について説明する。実験では、図10に示したような、機能分離型の構成の現像装置を組み込んだ画像形成装置を用いた。そして、覆い部材50と案内部材16aとの間にシート部材40cを設けた実施例4と、前述の比較例とで、現像容器2の開口部で現像スリーブ3と対向する先端部20に付着したトナーの量(トナー付着量)を比較した。実験では、A4の用紙の全面にベタ画像を連続10000枚画像形成した際の先端部20に付着したトナー量を比較した。この結果を表6に示す。
Figure 2016024353
表6から明らかなように、シート部材40cを設けた本実施形態に対応する実施例6では、トナー付着量が2mg/cmであった。この結果、実施例6は、上述の実施例1〜5と比較して最も、現像容器2の外部に飛散するトナーの量を低減することができることが分かった。これは、シート部材40cを設けることと、覆い部材50を設けることの両効果が同時に得られたためであると考えられる。
<第7の実施形態>
本発明の第7の実施形態について、図11を用いて説明する。上述の各実施形態では、現像スリーブ3から離脱した現像剤を攪拌室12に案内する案内部材を設けた。これに対して本実施形態では、このような案内部材がない構成で、現像スリーブ3からの現像剤の回収経路に遮蔽部材60を設けた。その他の構成及び作用は、第1の実施形態と同様であるため、同じ構成には同じ符号を付して重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の場合、現像スリーブ3は、現像室11と攪拌室12の上方に、これら現像室11と攪拌室12とを跨ぐように配置されている。そして、矢印で示すように、現像室11内の現像剤tが現像スリーブ3に供給され、現像に供された後の現像剤tは、N3極とN1極の間にある無磁力帯によって現像スリーブ3より剥離され、攪拌室12に回収される。本実施形態では、攪拌室12の第2スクリュー14は、現像スリーブ3の下方に配置されて、攪拌室12で現像スリーブ3から離脱した現像剤を回収する。したがって、本実施形態では、現像スリーブ3と第2スクリュー14との間が、現像スリーブ3からの現像剤を回収する回収経路17bとなる。
また、遮蔽部材60は、現像スリーブ3と第2スクリュー14との間に第2スクリュー14の上方を覆うように設けられている。そして、遮蔽部材60は、現像スリーブ3から離脱した現像剤の圧力により、該現像剤が第2スクリュー14側(第二搬送部材側)に進入可能な隙間を形成可能である。
具体的に説明すると、遮蔽部材60は、第1シート片61と第2シート片62とから構成される。第1シート片61は、基端部が隔壁15に接着などにより固定されて先端部が、隔壁15と対向して攪拌室12を構成する側壁2aに向けて突出するように設けられている。第2シート片62は、基端部が側壁2aに接着などにより固定されて先端部が隔壁15に向けて突出すると共に第1シート片61の先端部と重なるように設けられている。また、第1シート片61と第2シート片62との少なくとも一方は、現像スリーブ3から離脱した現像剤の圧力により変形して、先端部同士の間に該現像剤が第2スクリュー14側に進入可能な隙間を形成可能である。
本実施形態では、第1シート片61と第2シート片62との両方を、第1の実施形態と同様に、厚さ100μmのウレタン素材により形成し、現像スリーブ3から離脱した現像剤の圧力により変形可能とした。但し、第1シート片61と第2シート片62とのうち、一方の先端部の下方に先端部が進入する他方のシート片のみを変形可能とするようにしても良い。図示の例では、第2シート片62の先端部が第1シート片61の先端部の下方に進入するため、第2シート片62のみを変形可能とするようにしても良い。何れにしても、現像スリーブ3から現像剤が離脱しない状態では、第1シート片61と第2シート片62との先端部同士が接触して重なり、第2スクリュー14と現像スリーブ3との間を遮蔽する。なお、第1シート片61と第2シート片62の材料は、第1の実施形態のシート部材40と同様に、樹脂材料の薄いシート状の材料であれば他の材料でも良い。
このように構成される本実施形態の場合、遮蔽部材60を現像スリーブ3と第2スクリュー14との間に第2スクリュー14の上方を覆うように設けているため、攪拌室12内で飛散した現像剤が攪拌室12の外部に飛散することを抑制できる。したがって、本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、機能分離型の構成で、補給された現像剤の一部が攪拌室12から回収経路17を通じて外部に飛散することを抑制できる。一方、現像スリーブ3から現像剤が離脱した場合には、現像剤の圧力(自重)により特に第2シート片62が変形して、第1シート片61と第2シート片62との先端部同士の間に隙間が形成され、この現像剤が攪拌室12内に落下する。
<他の実施形態>
上述の第1〜3、6、7の実施形態では、現像スリーブ3から現像剤が離脱していない状態では遮蔽部材により回収経路が塞がれるが、この状態でも、回収経路に隙間が存在するようにしても良い。即ち、少なくとも現像スリーブ3から離脱した現像剤が回収経路を通過する際に攪拌室12に進入可能な隙間を有するように、遮蔽部材が回収経路に設けられていれば良い。回収経路の隙間が現像スリーブ3から離脱した現像剤が通過できるだけの隙間とすれば、攪拌室12内で飛散した現像剤が外部に漏れる量を抑制できる。特に、図6に示した第3の実施形態のように、シート部材40bの折り曲げ部42の先端部と案内部材16aの突出部161とが上下方向に重なる構成の場合、隙間が空いても攪拌室12内で飛散した現像剤が外部に漏れにくくなる。
また、上述の各実施形態では、現像室11と攪拌室12とを重力方向の高さ位置がほぼ同じとなるように略水平方向に隣接させているが、本発明で言う略水平方向とは、これ以外の構成を含む。即ち、現像室11と攪拌室12とがほぼ重力方向に配置されていなければ、現像室11と攪拌室12との重力方向の高さ位置が異なるようになっていても良い。更に言えば、現像室11と攪拌室12との一部が重力方向に隣接するように配置されていても良い。例えば、隔壁15が重力方向に対して傾斜しており、現像室11と攪拌室12とのうちの一方に対して他方が斜め上方に位置するような構成でも本発明を適用できる。
また、現像スリーブ3から攪拌室12までの回収経路上に遮蔽部材を設ける構成の場合、現像室11と攪拌室12とがほぼ重力方向に配置されている、所謂縦攪拌型で機能分離型の構成にも適用可能である。また、上述の各実施形態の各構成は、適宜組み合わせて実施しても良い。更に、本発明の現像装置を備えた画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらのうちの複数の機能を備えた複合機などに適用可能である。
1(1Y、1M、1C、1K)・・・現像装置/2・・・現像容器/2a・・・側壁/3・・・現像スリーブ(現像剤担持体)/4・・・マグネット/11・・・現像室(第一室)/12・・・攪拌室(第二室)/13・・・第1スクリュー(第一搬送部材)/14・・・第2スクリュー(第二搬送部材)/15・・・隔壁/16、16a・・・案内部材/161・・・突出部/17・・・回収経路/17a・・・空間/18・・・仕切り部材/19・・・回収室/30・・・補給部/40、40a、40b、40c・・・シート部材(遮蔽部材)/41・・・スリット(切り込み)/42・・・折り曲げ部/43・・・本体部/50、50a・・・覆い部材/60・・・遮蔽部材/61・・・第1シート片/62・・・第2シート片

Claims (17)

  1. それぞれがトナーとキャリアを含む現像剤を収容して現像剤の循環経路を形成する第一室及び第二室を有する現像容器と、
    前記現像容器に収容された現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、
    前記第二室に現像剤を補給する補給部と、
    前記第一室で前記現像剤担持体に現像剤を供給しつつ現像剤を搬送する第一搬送部材と、
    前記第二室で前記現像剤担持体から離脱した現像剤を回収すると共に、前記補給部から補給された現像剤を攪拌しつつ搬送する第二搬送部材と、
    前記現像剤担持体から離脱した現像剤を前記第二室に案内して、該現像剤の前記現像剤担持体から前記第二室への回収経路を形成する案内部材と、
    前記回収経路の少なくとも一部を塞ぐように設けられ、前記現像剤担持体から離脱した現像剤の圧力により、該現像剤が前記第二室に進入可能な隙間を形成可能な遮蔽部材と、を備えた、
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記遮蔽部材は、シート状のシート部材であり、前記現像剤担持体から離脱した現像剤の圧力により変形して、該現像剤が前記第二室に進入可能な隙間を形成する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像容器は、互いに略水平方向に隣接して配置される前記第一室と前記第二室とを区画すると共に、前記循環経路を形成すべく前記第一室と前記第二室とを連通させる連通口が形成された隔壁と、前記隔壁の上方に前記回収経路を形成する空間をあけて前記第一室と前記第二室とを仕切るように設けられた仕切り部材と、を有し、
    前記遮蔽部材は、基端部を前記仕切り部材に固定し、先端部を前記隔壁の一部に前記現像剤担持体から離脱した現像剤の圧力により該現像剤が前記第二室に進入可能な隙間を形成可能に接触させることで前記空間を覆うように設けられている、
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記案内部材は、前記隔壁の上端に設けられている、
    ことを特徴とする、請求項3に記載の現像装置。
  5. 前記案内部材は、前記第一搬送部材の上方の一部を覆うように設けられている、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の現像装置。
  6. 前記現像剤担持体は、円筒状に形成された現像スリーブであり、回転することで現像剤を担持搬送し、
    前記遮蔽部材は、前記現像スリーブの回転軸方向に複数に分割して設けられている、
    ことを特徴とする、請求項1ないし5のうちの何れか1項に記載の現像装置。
  7. 前記現像剤担持体は、円筒状に形成された現像スリーブであり、回転することで現像剤を担持搬送し、
    前記遮蔽部材は、シート状のシート部材であり、前記現像スリーブの回転軸方向の複数個所に、前記回転軸方向と交差する方向に切り込みが形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1ないし5のうちの何れか1項に記載の現像装置。
  8. 前記現像容器は、互いに略水平方向に隣接して配置される前記第一室と前記第二室とを区画する隔壁を有し、
    前記遮蔽部材は、前記現像剤担持体から離脱した現像剤の圧力による前記隙間を形成可能な先端側部分に、前記隔壁に向けて折り曲げられた折り曲げ部を有する、
    ことを特徴とする、請求項1ないし7のうちの何れか1項に記載の現像装置。
  9. 前記案内部材は、前記隔壁から前記第二搬送部材の上方の一部に突出する突出部を有し、
    前記折り曲げ部は、前記案内部材の前記突出部の下方に入り込むように折り曲げられている、
    ことを特徴とする、請求項8に記載の現像装置。
  10. それぞれがトナーとキャリアを含む現像剤を収容し、互いに略水平方向に隣接して設けられて現像剤の循環経路を形成する第一室及び第二室を有する現像容器と、
    前記現像容器に収容された現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、
    前記第二室に現像剤を補給する補給部と、
    前記第一室で前記現像剤担持体に現像剤を供給しつつ現像剤を搬送する第一搬送部材と、
    前記第二室で前記現像剤担持体から離脱した現像剤を回収すると共に、前記補給部から補給された現像剤を攪拌しつつ搬送する第二搬送部材と、
    前記第一搬送部材の上方に配置され、前記第二搬送部材の上方の一部に突出する突出部を有し、前記現像剤担持体から離脱した現像剤を前記第二室に案内する案内部材と、
    前記第二搬送部材の上方を覆うように、前記案内部材の前記突出部と隙間をあけて一部が上下方向に重なるように設けられ、前記案内部材と共に前記現像剤担持体から離脱した現像剤の前記現像剤担持体から前記第二室への回収経路を形成する覆い部材と、を備えた、
    ことを特徴とする現像装置。
  11. 前記覆い部材は、一部が前記案内部材の前記突出部の下方に進入するように設けられ、前記案内部材により案内された現像剤を前記案内部材による案内方向とは逆方向に案内して前記第二室に落下させる、
    ことを特徴とする、請求項10に記載の現像装置。
  12. 前記覆い部材は、前記第二搬送部材の現像剤搬送方向上流から中間部までの所定範囲で前記第二搬送部材を覆うように設けられている、
    ことを特徴とする、請求項10又は11に記載の現像装置。
  13. 前記覆い部材は、前記第二搬送部材の現像剤搬送方向と略平行に設けられ、
    前記所定範囲は、前記第二室内の前記第二搬送部材の現像剤搬送方向上流端から、前記第二搬送部材により搬送される現像剤の剤面の下限が前記覆い部材の下面と接し始める位置までである、
    ことを特徴とする、請求項12に記載の現像装置。
  14. 前記回収経路の少なくとも一部を塞ぐように設けられ、前記現像剤担持体から離脱した現像剤の圧力により、該現像剤が前記第二室に進入可能な隙間を形成可能な遮蔽部材を有する、
    ことを特徴とする、請求項10ないし13のうちの何れか1項に記載の現像装置。
  15. 前記遮蔽部材は、前記案内部材と前記覆い部材との前記隙間に設けられている、
    ことを特徴とする、請求項14に記載の現像装置。
  16. それぞれがトナーとキャリアを含む現像剤を収容し、互いに略水平方向に隣接して設けられて現像剤の循環経路を形成する第一室及び第二室を有する現像容器と、
    前記現像容器に収容された現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、
    前記第二室に現像剤を補給する補給部と、
    前記第一室で前記現像剤担持体に現像剤を供給しつつ現像剤を搬送する第一搬送部材と、
    前記現像剤担持体の下方に配置され、前記第二室で前記現像剤担持体から離脱した現像剤を回収すると共に、前記補給部から補給された現像剤を攪拌しつつ搬送する第二搬送部材と、
    前記現像剤担持体と第二搬送部材との間に前記第二搬送部材の上方を覆うように設けられ、前記現像剤担持体から離脱した現像剤の圧力により、該現像剤が前記第二搬送部材側に進入可能な隙間を形成可能な遮蔽部材と、を備えた、
    ことを特徴とする現像装置。
  17. 前記現像容器は、前記第一室と前記第二室とを区画すると共に、前記循環経路を形成すべく前記第一室と前記第二室とを連通させる連通口が形成された隔壁と、前記隔壁と対向して前記第二室を構成する側壁と、を有し、
    前記遮蔽部材は、基端部が前記隔壁に固定されて先端部が前記側壁に向けて突出する第1シート片と、基端部が前記側壁に固定されて先端部が前記隔壁に向けて突出すると共に前記第1シート片の先端部と重なるように設けられた第2シート片と、を有し、
    前記第1シート片と前記第2シート片との少なくとも一方は、前記現像剤担持体から離脱した現像剤の圧力により変形して、前記先端部同士の間に該現像剤が前記第二搬送部材側に進入可能な隙間を形成可能である、
    ことを特徴とする、請求項16に記載の現像装置。
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