JP2016023814A - 貯湯式給湯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】他の電化機器との同時運転による電力ピークの増大を抑制できる貯湯式給湯機を提供する。
【解決手段】貯湯式給湯機は、貯湯タンクと、水を加熱する加熱能力が可変である加熱手段と、深夜時間帯に加熱手段により加熱された湯を貯湯タンクに貯えることで要求熱量を貯湯タンクに蓄積する深夜蓄熱運転を計画する運転計画手段と、を備え、運転計画手段は、他の電化機器の電力消費量が最小になる電力ボトム時刻を含む時間帯である近接時間帯における加熱手段の許容最大能力に比べて、近接時間帯の前及び後の時間帯である遠隔時間帯における加熱手段の許容最大能力を低くするとともに、遠隔時間帯よりも近接時間帯に運転時間を優先して割り当てるように深夜蓄熱運転を計画する。
【選択図】図4

Description

本発明は、貯湯式給湯機に関する。
貯湯式給湯機は、深夜時間帯の安価な電気料金を活用するために、一日に必要な熱量の全部または大部分を深夜時間帯の間に貯湯タンク内に蓄熱するように制御されることが一般的である。
下記特許文献1には、深夜時間帯にヒータに通電することで蓄熱する蓄熱機器において、電力需要が最低となる最低負荷時刻(例えば午前3時〜午前4時頃)を中心として、この前後に必要通電時間を均等に振り分ける技術が開示されている。
特開2001−174061号公報
特許文献1の技術では、ヒータの通電開始から終了までヒータの加熱能力(消費電力)を一定にしている。加熱能力を大きくすると、電力ピークを十分に抑制できない。加熱能力を小さくすると、貯湯式給湯機自体の消費電力は小さくなるが、必要通電時間が長くなることで、最低負荷時刻(電力ボトム時刻)から遠い時刻にまで通電が必要になり、他の電化機器との同時運転が発生する可能性が増大する。例えば、ユーザーの遅い帰宅または早い起床に伴う空調機の起動運転のような消費電力の大きい他の電化機器の運転と、貯湯式給湯機の運転とが重なってしまうことで、電力ピークがむしろ増大する場合がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、他の電化機器との同時運転による電力ピークの増大を抑制できる貯湯式給湯機を提供することを目的とする。
本発明に係る貯湯式給湯機は、貯湯タンクと、水を加熱する加熱能力が可変である加熱手段と、深夜時間帯に加熱手段により加熱された湯を貯湯タンクに貯えることで要求熱量を貯湯タンクに蓄積する深夜蓄熱運転を計画する運転計画手段と、を備え、運転計画手段は、他の電化機器の電力消費量が最小になる電力ボトム時刻を含む時間帯である近接時間帯における加熱手段の許容最大能力に比べて、近接時間帯の前及び後の時間帯である遠隔時間帯における加熱手段の許容最大能力を低くするとともに、遠隔時間帯よりも近接時間帯に運転時間を優先して割り当てるように深夜蓄熱運転を計画するものである。
本発明の貯湯式給湯機によれば、他の電化機器との同時運転による電力ピークの増大を抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態1の貯湯式給湯機を示す構成図である。 本発明の実施の形態1の貯湯式給湯機における信号の流れを表すブロック図である。 本発明の実施の形態1の貯湯式給湯機の効果の例を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において運転計画手段が深夜蓄熱運転を計画する方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において運転計画手段が深夜蓄熱運転を計画する方法の変形例を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
≪機器構成≫
図1は、本発明の実施の形態1の貯湯式給湯機を示す構成図である。図1に示すように、本実施の形態1の貯湯式給湯機1は、貯湯タンク10、加熱手段2、水ポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41、追焚き熱交換器5、加熱往き配管301a、加熱戻り配管301b、給水配管302、高温導出配管303、温調配管304、湯栓配管305、浴槽往き配管306a、浴槽戻り配管306b、追焚き往き配管307a、追焚き戻り配管307b、及び制御手段100等を備える。
貯湯タンク10内には、上側が高温で下側が低温になる温度成層を形成して湯水を貯留できる。給水配管302は、水道等の水源から供給される低温水を貯湯タンク10の下部に導く。加熱手段2は、水を加熱して高温水にする加熱手段である。本実施の形態1における加熱手段2は、ヒートポンプを用いて構成されるものとするが、本発明における加熱手段はヒートポンプを用いるものに限定されない。加熱手段2は、その加熱能力(時間当たりに水に与えられる熱量)が可変に設定できる。本実施の形態1の加熱手段2では、例えばインバータ制御によってヒートポンプの圧縮機の周波数(回転速度)を調整することで、加熱能力を可変に設定できる。加熱往き配管301aは、貯湯タンク10の下部と、加熱手段2とを接続する。水ポンプ31は、加熱往き配管301aの途中に接続される。水ポンプ31を駆動することで、貯湯タンク10内の水が加熱手段2へ送られる。加熱手段2で加熱された高温水は、加熱戻り配管301bを通って、貯湯タンク10の上部に流入する。
高温導出配管303は、貯湯タンク10の上部から導出する高温水を通す。温調配管304は、給水配管302から分岐し、湯栓温調弁41に低温水を導く。湯栓温調弁41は、貯湯タンク10から高温導出配管303を通って供給される高温水と、温調配管304により供給される低温水とを混合することで温度調節する。湯栓温調弁41にて温度調節された湯は、湯栓配管305を通って、蛇口、シャワーなどの湯栓(図示省略)から放出され、あるいは浴槽6に注入(湯張り)される。浴槽6には、入浴用の40℃前後の湯が溜められる。
追焚き熱交換器5は、貯湯タンク10の上部から導出される高温水と、浴槽6から循環する浴槽水とを熱交換することで浴槽水を加熱する。浴槽戻り配管306bは、浴槽6内の浴槽水を追焚き熱交換器5に導く。浴槽往き配管306aは、追焚き熱交換器5で加熱された浴槽水を浴槽6に導く。浴槽ポンプ33は、浴槽戻り配管306bの途中に接続される。追焚き往き配管307aは、貯湯タンク10の上部の高温水を追焚き熱交換器5に導く。追焚き戻り配管307bは、追焚き熱交換器5で浴槽6からの浴槽水と熱交換して温度低下した湯を貯湯タンク10に導く。追焚きポンプ32は、追焚き戻り配管307bの途中に接続される。
貯湯タンク10には、高さ方向に間隔をおいて、貯湯温度センサ501a〜501fが設けられている。図示の構成では、貯湯温度センサ501a〜501fの個数を6個としているが、貯湯温度センサの個数はこれに限定されるものではなく、貯湯タンク10の内部の温度分布をより高精度に測定するのに充分な数の温度センサを設けるようにしてもよい。加熱戻り配管301bには、加熱手段2の下流側にて、加熱された高温水の温度を検知する加熱温度センサ502が設けられている。給水配管302には、給水温度を検知する給水温度センサ504が設けられている。貯湯タンク10の上部には、貯湯タンク10から導出される高温水の温度を検知する導出温度センサ503が設けられている。湯栓配管305には、湯栓に供給される湯温を検知する湯栓温度センサ505が設けられている。浴槽戻り配管306bには、浴槽6から追焚き熱交換器5に流れ込む浴槽戻り温度を検知する浴槽戻り温度センサ506が設けられている。なお、この浴槽戻り温度センサ506は、定期的に浴槽ポンプ33を運転させることで浴槽温度を検知する手段として利用してもよい。追焚き戻り配管307bには、追焚き熱交換器5から貯湯タンク10に戻る湯の温度(追焚き戻り温度)を検知する追焚き戻り温度センサ507が設けられている。なお、追焚き戻り温度は、センサでの検知に代えて、追焚きポンプ32の回転速度、浴槽ポンプ33の回転速度、高温水導出温度、及び浴槽戻り温度等から推定してもよい。湯栓配管305には、需要端側で使用される湯量を検知する湯栓流量センサ601が設けられている。
制御手段100は、例えばマイクロコンピュータ等により構成され、ROM、RAM、不揮発性メモリ等を含む記憶部と、記憶部に記憶されたプログラムに基いて演算処理を実行する演算処理装置(CPU)と、演算処理装置に対して外部の信号を入出力する入出力ポートとを備える。制御手段100は、上述した各センサで検知される情報等に基づいて、加熱手段2、水ポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41等の動作を制御することで、貯湯式給湯機1の運転動作を制御する。制御手段100は、上述したセンサで検知される情報に基づいて、湯栓負荷、追焚き負荷、貯湯タンク10内の蓄熱量等を算出する。
図2は、本発明の実施の形態1の貯湯式給湯機1における信号の流れを表すブロック図である。図2に示すように、制御手段100は、蓄熱量算出手段101、必要熱量予測手段104、加熱制御手段105、弁制御手段106、目標温度設定手段107、ポンプ制御手段108、及び、運転計画手段109等を備える。制御手段100は、ユーザーインターフェース装置であるリモコン102と相互に通信可能に接続される。リモコン102は、台所、浴室などに設置される。
制御手段100には、時刻検知手段(タイマー)200、貯湯温度センサ501a〜501f、加熱温度センサ502、導出温度センサ503、給水温度センサ504、湯栓温度センサ505、浴槽戻り温度センサ506、追焚き戻り温度センサ507、及び、湯栓流量センサ601からの情報が入力される。制御手段100は、入力されたこれらの情報に基づいて、加熱手段2、水ポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41等を制御する。
目標温度設定手段107は、リモコン102を介してユーザーから受ける指示などに基づき、湯栓からシャワー、浴槽6に供給する湯の温度、浴槽6の保温または追焚きの際に制御目標とする温度などを設定する。
蓄熱量算出手段101は、貯湯温度センサ501a〜501fの情報に基づいて貯湯タンク10内の湯の有する蓄熱量の内で湯栓負荷に有効な蓄熱量を算出する。例えば、湯栓負荷においては貯湯タンク10内の湯の有する熱エネルギーを混合によって低温水に与えて使用するため、熱エネルギーの基準温度を給水温度としてタンク容積に関して積分することにより求められる。また、ここでは所定の温度(例えば45℃)以上の湯の領域に関してのみ積分して算出しても良い。
また、蓄熱量算出手段101は、貯湯温度センサ501a〜501fの情報、及び、目標温度設定手段107で設定された目標温度に基づいて、貯湯タンク10内の湯の有する蓄熱量の内で、追焚きに有効な蓄熱量を算出する。例えば、追焚きにおいては追焚き往き配管307aを通じて追焚き熱交換器5に導かれた高温水は、追焚き熱交換器5において浴槽水に熱を供給して温度が低下し、追焚き戻り配管307bから貯湯タンク10に戻される。従って、貯湯タンク10内の湯の有する熱エネルギーのうち、追焚きにおいて有効に利用される熱エネルギーは、貯湯温度から追焚き戻り温度を減算した部分である。つまり、追焚き熱交換器5から貯湯タンク10に戻る追焚き戻り温度を熱エネルギーの基準温度としてタンク容積に関して積分することにより追焚きに有効な蓄熱量が求められる。ここで、追焚き戻り温度は、目標温度設定手段107からの情報と、浴槽戻り温度センサ506の情報とに基づいて予測してもよい。例えば、浴槽温度を目標浴槽温度で一定と仮定し、これに追焚き熱交換器5の性能に依存した所定の温度差を加えて追焚き戻り温度を予測してもよい。また、浴槽温度を現在の浴槽温度と目標浴槽温度の平均値で一定と仮定し、次いで追焚き熱交換器5の性能に依存した所定の温度差を加えることによって追焚き戻り温度を予測してもよい。
必要熱量予測手段104は、過去のユーザーの湯栓負荷の実績、または所定の設計値に基づいて、湯栓負荷に対して湯切れを回避するために必要な蓄熱量を予測する。例えば過去のユーザーの湯栓負荷実績に基づく場合、必要熱量予測手段104は、時刻検知手段200、湯栓温度センサ505、及び、湯栓流量センサ601からの情報に基づいて、発生した湯栓負荷の大きさ及び発生した時間帯を毎日記録することにより、湯栓負荷が発生するパターンである湯栓負荷パターンを学習する。そして、必要熱量予測手段104は、その学習した湯栓負荷パターンに対して、所定の加熱能力による蓄熱運転を同時に実施することも考慮して、湯切れが発生しない必要熱量を予測する。ここで、必要熱量は、所定の時間間隔における合計負荷からその時間間隔において加熱可能な熱量を減算することによって求めることができる。また、所定の時間間隔の開始時刻及び終了時刻として設定可能な全ケースに対して必要熱量を算出し、その最大値を以て必要熱量を定める場合に最も信頼性の高い必要熱量が求まる。また、所定の設計値に基づいて必要熱量を定める場合は、例えば、一般的に多量の湯栓負荷が予測される時間帯(例えば17時〜23時)は必要熱量を大きく設計し、それ以外の時間帯は必要熱量を小さく設計する方法がある。例えば、必要熱量を大きく設計する場合は42℃換算で300Lとし、必要熱量を小さく設計する場合は42℃換算で50Lとする。
さらに、必要熱量予測手段104は、過去のユーザーの追焚き負荷の実績、または現在の浴槽6の温度及び湯量の状況、あるいはその両方の情報に基づいて、追焚きに必要な蓄熱量を予測する。追焚き負荷は、浴槽6の温度を現時点の温度から目標浴槽温度まで上昇させるのに必要な熱量であり、浴槽6の湯量(例えば200L)に、目標浴槽温度(例えば40℃)と現時点の浴槽温度(例えば30℃)との差を乗算し、さらに水の密度(例えば1kg/L)及び比熱(例えば1kcal/g℃)を乗算して算出される。ここで、浴槽6の湯量は、例えば、一般的な値(例えば200L)を使用してもよいし、ユーザーが設定する値を使用してもよい。また、貯湯タンク10から浴槽6に湯を直接放出する構成の場合には、当該放出経路に流量計を設置し、流量の積算値を浴槽6の湯量とみなしてもよい。また、当該構成において、例えば浴槽戻り配管306b内に圧力センサなどによる水位検知手段を設け、貯湯タンク10から浴槽6への湯の直接放出の際に、積算流量と水位との相関を初期学習しておき、その後は逆に水位から推定される浴槽6の湯量を使用してもよい。また、過去の追焚き負荷を学習して記憶する機能を有する場合には、当該学習結果の過去所定期間内の最大値あるいは平均値といった形で当日の追焚き負荷を予測してもよい。ここで、追焚き負荷の学習は、浴槽6の湯量と追焚き運転の開始時と終了時との温度差とから算出される値に基づいて学習してもよいし、浴槽戻り配管306bあるいは浴槽往き配管306aを循環する流量を流量計で直接的に検知した値または浴槽ポンプ33への制御信号から間接的に算出した値と、追焚き熱交換器5の浴槽水の出入り口の温度差とから算出される値に基づいて学習してもよい。また、追焚きに必要な蓄熱量の予測に際し、追焚き負荷そのものを必要な蓄熱量としても良いし、追焚き運転中に加熱手段2が加熱可能な熱量を減算した値を必要な蓄熱量としても良い。
必要熱量予測手段104は、湯栓負荷に対して湯切れを回避するために必要な蓄熱量と、追焚きに必要な蓄熱量とを上記のようにして予測し、両者を合計することにより、一日の負荷パターンに対して湯切れの無いようにするために現時点で確保するべき蓄熱量を予測することができる。加熱制御手段105は、必要熱量予測手段104により予測される必要な蓄熱量に対して貯湯タンク10内の蓄熱量が不足しないように、また、一日の負荷の中で所定の比率を所定時間帯に一括で蓄熱するように、加熱手段2の起動、運転状態及び停止等を制御する。
弁制御手段106は、目標温度設定手段107で設定された目標温度に基づいて、湯栓温調弁41から流出する湯が目標温度に近づくように湯栓温調弁41の動作を制御する。ポンプ制御手段108は、水ポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、の回転速度を制御し、ポンプ循環量を調節する。運転計画手段109は、深夜時間帯の間に行う深夜蓄熱運転のタイミング及び加熱能力を計画する。加熱制御手段105は、運転計画手段109が作成した計画に基づいて、深夜蓄熱運転を制御する。
さらに、本実施の形態1では、制御手段100は、エネルギー管理システムであるHEMS(Home Energy Management System)コントローラ900と相互に通信可能に接続される。HEMSコントローラ900は、世帯内に配置された各種の電化機器を制御し、電化機器全体のエネルギー需給を総合的に管理するシステムを構成する。以上、本実施の形態1における機器構成について説明した。次に、本実施の形態1における貯湯式給湯機1の運転動作についてさらに説明する。
≪基本的運転動作≫
まず、各貯湯式給湯機1の基本的な運転動作を説明する。
[蓄熱運転]
貯湯タンク10の下部には、給水配管302を通じて注入された低温水が貯留されている。蓄熱運転では、貯湯タンク10の下部の低温水が、水ポンプ31によって加熱往き配管301aに引き込まれ、加熱手段2に導かれる。加熱手段2は、導かれた低温水を加熱することで高温水を生成する。加熱された高温水は、加熱戻り配管301bを通じて貯湯タンク10の上部から流入し、貯湯タンク10内に貯えられる。加熱制御手段105は、蓄熱運転のときに加熱温度センサ502で検知される加熱温度を目標値に一致させるように、加熱手段2及び水ポンプ31を制御する。制御手段100は、レジオネラ殺菌ができる温度、所定容量の貯湯タンク10に必要な蓄熱量を確保するために必要な貯湯温度などを根拠として、加熱温度の目標値を定める。
[湯栓出湯動作]
貯湯タンク10の上部から溜められた高温水は、湯が使用される需要端側の要求に応じて、高温導出配管303から流出し、湯栓温調弁41に導かれる。湯栓温調弁41は、給水配管302から分岐させた温調配管304を通じて低温水を導き、貯湯タンク10から導いた高温水と混合させ、湯栓配管305を通じて蛇口やシャワー、あるいは浴槽6などの需要端側へ供給する。その際、弁制御手段106は、目標温度設定手段107で設定された目標温度に基づいて、湯栓温調弁41から流出する湯が目標温度に近づくように湯栓温調弁41の動作を制御する。
[追焚き運転]
貯湯タンク10に溜められた高温水は、ユーザーの操作により強制的に、あるいは、浴槽戻り温度センサ506によって定期的に検知される浴槽温度が目標温度よりも所定量以上小さくなった時に自動的に、追焚き運転によって浴槽温度を上昇させるために、追焚き往き配管307aを通って、追焚き熱交換器5に導かれる。また、このタイミングと概ね同時に、浴槽6に溜められた浴槽水は、浴槽戻り配管306bを通って、追焚き熱交換器5に導かれる。追焚き熱交換器5で浴槽水へ熱を与えて温度の低下した貯湯タンク10からの湯は、追焚き戻り配管307bを通って貯湯タンク10に戻る。また、追焚き熱交換器5で熱を受け取って温度の上昇した浴槽水は、浴槽往き配管306aを通って浴槽6に戻る。次いで、ユーザーの操作により強制的に、あるいは、浴槽戻り温度センサ506によって検知される浴槽温度が目標温度よりも所定量以上大きくなったときに自動的に、追焚き運転が終了する。
≪一般的な動作≫
[深夜蓄熱運転]
本実施の形態1では、23:00〜7:00を深夜時間帯とする。貯湯式給湯機1は、深夜時間帯の安価な電気料金を活用するため、あるいは、世帯の起床後の負荷発生に対応するため、深夜時間帯に蓄熱運転を行う。深夜時間帯に行う蓄熱運転を本明細書では「深夜蓄熱運転」と称する。深夜蓄熱運転は、想定される一日の負荷の全量を貯湯タンク10内に蓄熱するように実施しても良いし、省エネルギーとのバランスを考慮して一日の負荷の8割程度を貯湯タンク10内に蓄熱するように実施しても良いし、例えば65℃〜70℃といった低めの温度まで貯湯タンク10の全量を加熱しても良い。あるいは、電気料金が一日中一律となる契約の場合などには、省エネルギーを最優先して、湯切れ回避可能な最低限の蓄熱量としても良い。
[追加蓄熱運転]
想定される一日の負荷の全量を深夜蓄熱運転で貯湯タンク10内に蓄熱しない場合には、集中的な負荷に対して湯切れを回避するために、深夜時間帯以外の時間帯に追加の蓄熱運転が必要になる場合がある。この追加の蓄熱運転を本明細書では「追加蓄熱運転」と称する。追加蓄熱運転の開始タイミングを制御する方法としては、貯湯タンク10内の現在の蓄熱量が、必要熱量予測手段104の予測する必要な蓄熱量を下回る時に、追加蓄熱運転を開始する方法がある。あるいは、負荷の量及びタイミングを予測し、加熱手段2の加熱能力を考慮し、湯切れの無いタイミングで追加蓄熱運転を開始する方法もある。
[最低蓄熱量維持運転]
深夜蓄熱運転と追加蓄熱運転とによって、一日の負荷に足りるだけの蓄熱を行った後は、理想的には蓄熱運転を行わなくても湯切れとはならない。しかしながら、想定以上のユーザーの負荷変動に対応するため、最低蓄熱量(例えば、42℃換算で50Lに相当する蓄熱量)を維持するように蓄熱運転を行うことが望ましい。最低蓄熱量を維持するための蓄熱運転を本明細書では「最低蓄熱量維持運転」と称する。最低蓄熱量維持運転を制御する方法としては、例えば、貯湯タンク10内の現在の蓄熱量が最低蓄熱量以下になった場合に蓄熱運転を開始し、蓄熱量が最低蓄熱量以上まで回復したら、蓄熱運転を終了するような方法がある。
≪本実施の形態1の特徴的な動作≫
以下に、本実施の形態1の特徴的な動作について説明する。本実施の形態1の貯湯式給湯機1は、運転計画手段109が深夜蓄熱運転の運転タイミング及び加熱手段2の加熱能力の計画を作成する方法に特徴を有する。以下の説明では、深夜蓄熱運転で加熱手段2が加熱することを要求される総熱量を「要求熱量」と称する。また、加熱手段2の加熱能力を単に「加熱能力」と称する。
本実施の形態1の貯湯式給湯機1の運転計画手段109は、深夜蓄熱運転において、世帯内における貯湯式給湯機1以外の他の電化機器の消費電力が最小になる時刻である電力ボトム時刻が、深夜蓄熱運転の開始時刻と終了時刻との間のおおむね中心となるように計画する。また、本実施の形態1の貯湯式給湯機1の運転計画手段109は、要求熱量を確保できる範囲で、できるだけ加熱能力を小さくする運転を計画する。以下の説明では、世帯内における貯湯式給湯機1以外の他の電化機器を単に「他の電化機器」と称する。
加熱能力を小さくするほど、深夜蓄熱運転の運転時間が長くなる。電力ボトム時刻から大きく離れた時刻にまで深夜蓄熱運転の運転時間が長期化してしまうと、消費電力の大きい他の電化機器の運転と時間的に重なってしまうことで、電力ピークがむしろ増大する可能性がある。消費電力の大きい他の電化機器の運転として、例えば、空調機の起動運転が挙げられる。ユーザーが遅く帰宅したり早く起床したりすることで、そのような遅い時間または早い時間に空調機の起動運転が行われる可能性がある。深夜蓄熱運転の運転時間が長期化することで、ユーザーの遅い帰宅または早い起床に伴う空調機の起動運転と、深夜蓄熱運転とが時間的に重なった場合、電力ピークがむしろ増大する。以上の事項に鑑みて、本実施の形態1では、運転計画手段109は、以下のように深夜蓄熱運転を計画する。
(1)深夜時間帯を近接時間帯と遠隔時間帯とに区分する。近接時間帯は、電力ボトム時刻を含む時間帯、すなわち電力ボトム時刻に近い時間帯である。遠隔時間帯は、近接時間帯の前及び後の時間帯であり、電力ボトム時刻から遠い時間帯である。近接時間帯は、深夜時間帯の中でも特に電力ボトム時刻に近く、消費電力の大きい他の電化機器が運転される確率が非常に低い時間帯である。
(2)近接時間帯における加熱手段2の許容最大能力に比べて、遠隔時間帯における加熱手段2の許容最大能力を低くする。加熱能力は、許容最大能力以下に制限される。
(3)遠隔時間帯よりも近接時間帯に運転時間を優先して割り当てる。すなわち、近接時間帯の運転のみで要求熱量を確保できる場合には運転時間を近接時間帯の範囲内に割り当て、近接時間帯の運転のみで要求熱量を確保できない場合には、遠隔時間帯の範囲内にも運転時間を割り当てる。
(4)近接時間帯の運転の計画において、要求熱量を確保できる範囲で、近接時間帯における加熱能力を最小化すると共に、電力ボトム時刻に近い範囲に運転時間を優先して割り当てる。例えば、必要な運転時間が近接時間帯の長さより短い場合には、電力ボトム時刻が運転時間のほぼ中央になるように運転時間を割り当てる。これにより、他の電化機器の消費電力の大きい運転と時間的に重なる可能性をより小さくできる。
本実施の形態1の効果の例を、図3を用いて説明する。図3(a)は、本実施の形態1における深夜蓄熱運転での各時刻の加熱能力及び消費電力の例を示す図である。本実施の形態1では、加熱手段2のヒートポンプCOP(Coefficient Of Performance)を4.5と仮定する。すなわち、加熱能力÷消費電力の値を4.5とする。図3(a)中、実線が本実施の形態1の加熱能力及び消費電力を示し、破線が比較例の加熱能力及び消費電力を示す。図3(b)は、各時刻における他の電化機器の消費電力の一般的なパターンを示す。ここでは、他の電化機器の例として空調機を想定する。この空調機の消費電力は、起動運転のときに最大(1kW)になるものとする。図3(c)は、図3(a)の貯湯式給湯機1の消費電力と、図3(b)の他の電化機器の消費電力とを合計した値(以下、「合計消費電力」と称する)の時間的変化を示す。
図3(a)に示すように、本実施の形態1の貯湯式給湯機1では、深夜時間帯の中でも他の電化機器の消費電力が非常に低い時間帯となる1:00〜5:00を近接時間帯とし、その外側の時間帯である23:00〜1:00及び5:00〜7:00を遠隔時間帯としている。そして、近接時間帯の許容最大能力を4.5kWとし、遠隔時間帯の許容最大能力を2.7kWとしている。
遠隔時間帯は、近接時間帯に比べて、他の電化機器が消費電力の高い運転を行う確率が高い。特に、深夜時間帯の開始時刻23:00及び終了時刻7:00の頃には、他の電化機器が消費電力の高い運転を行う確率が高い。このため、他の電化機器の消費電力の一般的なパターンは、図3(b)に示すように、深夜時間帯の開始時刻23:00及び終了時刻7:00において消費電力が最大になるパターンとなる。空調機以外の電化機器も、一般に、図3(b)に類似するパターンを呈する。
図3(a)に示す例では、要求熱量が28.8kWhであるものとする。この場合、運転計画手段109は、近接時間帯である1:00〜5:00の4時間に加熱能力4.5kWの運転時間を割り当て、遠隔時間帯である23:00〜1:00及び5:00〜7:00の計4時間に加熱能力2.7kWの運転時間を割り当てるように深夜蓄熱運転を計画する。これにより、要求熱量28.8kWhを確保できる。
一方、図3(a)に示す比較例は、深夜蓄熱運転の開始から終了まで加熱能力を一定にする。この比較例の場合、23:00〜7:00の8時間に加熱能力3.6kWで運転することで、要求熱量28.8kWhを確保する。
図3(c)に示すように、合計消費電力は、深夜時間帯において他の電化機器の消費電力が最大(1kW)になる時刻である23:00及び7:00のときにピークとなる。23:00及び7:00のとき、図3(a)に示す本実施の形態1の貯湯式給湯機1の消費電力は0.6kWとなり、比較例の貯湯式給湯機の消費電力は0.8kWとなる。したがって、合計消費電力のピークは、本実施の形態1では1.6kWとなり、比較例では1.8kWとなる。このようにして、本実施の形態1によれば、深夜蓄熱運転で同一の要求熱量を確保する場合に、加熱能力を一定に制御する比較例に比べて、世帯内の合計消費電力のピークを下げることが可能となる。
本実施の形態1では、深夜時間帯である23:00〜7:00の中心となる3:00を電力ボトム時刻としているが、電力ボトム時刻は3:00に限るものではない。エンドユーザーが生活パターンに基づいて自ら電力ボトム時刻を設定可能に構成してもよい。また、本実施の形態1のように、世帯内の電化機器の消費電力データを収集するHEMSシステムが採用されている場合は、世帯内の他の電化機器の消費電力データがHEMSコントローラ900に収集され、制御手段100がHEMSコントローラ900から受信した情報に基づいて運転計画手段109が自動的に電力ボトム時刻を調整して深夜蓄熱運転を計画するように構成してもよい。また、集合住宅の各戸に貯湯式給湯機1が設置される場合には、集合住宅の管理業者が、住人の生活パターンに基づいて、最も多くのユーザーが寝静まり他の電化機器の電力が最小となるタイミングを調査し、その結果に基づいて管理業者が電力ボトム時刻を設定可能に構成してもよい。
本実施の形態1では、深夜時間帯である23:00〜7:00のうち中央の1/2の時間帯に相当する1:00〜5:00を近接時間帯としているが、近接時間帯は1:00〜5:00に限るものではない。HEMSコントローラ900に収集される他の電化機器の消費電力データに基づいて、運転計画手段109が近接時間帯を定めてもよい。その場合、例えば、他の電化機器の消費電力が、深夜時間帯の開始時及び終了時における消費電力の1/2以下になる時間帯を近接時間帯と定めてもよい。また、他の電化機器の消費電力の大きい運転と重なる可能性があるのは、空調機の起動運転のみであると考えてよい場合がある。その場合には、代表的な生活パターンとして1:00〜5:00に起床する住人は少ないと想定し、1:00〜5:00を近接時間帯として設定しても良い。また、エンドユーザーまたは集合住宅の管理業者などが自由に近接時間帯を設定可能に構成してもよい。
また、図3では、近接時間帯の中での加熱能力を一定する例を示したが、このような例に限るものではなく、近接時間帯の中でもさらに電力ボトム時刻に近いほど加熱能力を高くするように深夜蓄熱運転を計画してもよい。
加熱手段2は、加熱能力の大きさが連続的に可変のものでもよいし、加熱能力の大きさが離散的に可変のものでもよい。加熱能力の大きさが離散的に可変とは、例えば、加熱能力を、2.7kW、3.6kW、4.5kWの3段階にのみ調整可能なような場合である。この場合において、運転計画手段109は、以下の(1)から(3)のいずれかのようにして深夜蓄熱運転を計画しても良い。ここでは、例として、要求熱量を16kWhとする。
(1)近接時間帯の4時間を加熱能力3.6kWで運転することで14.4kWhを確保する。不足する1.6kWhを遠隔時間帯での運転で確保する。
(2)近接時間帯の4時間のうち、3.56時間を加熱能力4.5kWで運転することで、要求熱量16kWhを確保する。
(3)近接時間帯の4時間を、電力ボトム時刻に近い1.78時間と、残りの2.22時間とに分け、1.78時間を加熱能力4.5kWで運転し、2.22時間を加熱能力3.6kWで運転することで、要求熱量16kWhを確保する。
上記(2)及び(3)では、近接時間帯のみの運転で済み、遠隔時間帯に運転する必要がないので、上記(1)に比べて、空調機の起動運転と重なる可能性をより小さくできる。上記(3)では、消費電力の高い加熱能力4.5kWで運転する時間を上記(2)に比べて短くできる。このため、貯湯式給湯機1の消費電力の高い運転と、空調機の起動運転とが重なる可能性を上記(2)に比べてさらに小さくできる。
次に、図4を参照して、本実施の形態1において運転計画手段109が深夜蓄熱運転を計画する方法についてさらに説明する。図4及び後述する図5では、運転計画手段109が計画した深夜蓄熱運転の時間帯及び加熱能力の範囲を斜線で示す。以下の説明では、加熱手段2は、加熱能力の大きさが連続的に可変のものとする。
図4(a)は、本実施の形態1において、近接時間帯の許容最大能力にて近接時間帯の間に要求熱量を確保できる場合の深夜蓄熱運転の計画方法を示す図である。近接時間帯の許容最大能力にて近接時間帯の間に要求熱量を確保できる場合には、運転計画手段109は、近接時間帯の間に要求熱量を確保できる範囲で、最小の加熱能力で運転するように計画する。本実施の形態1では、要求熱量が18kWh以下の場合には、近接時間帯の許容最大能力にて近接時間帯の間に要求熱量を確保できる。この場合、運転計画手段109は、図4(a)に示すように、要求熱量を近接時間帯の長さである4時間で割った値を加熱能力として計画する。例えば、要求熱量が16kWhの場合には近接時間帯の4時間に加熱能力4kWの運転を行うように計画する。近接時間帯の中では、他の電化機器の消費電力は微小であると予想できる。このため、遠隔時間帯よりも近接時間帯に運転時間を優先して割り当てることで、遠隔時間帯での運転をなるべく抑制でき、他の電化機器との同時運転による電力ピークの増大を抑制できる。また、上記のように計画することで、要求熱量が18kWh未満の場合には、近接時間帯の加熱能力を許容最大能力よりも小さくできるので、電力ピークをさらに抑制できる。
図4(b)は、本実施の形態1において、近接時間帯の許容最大能力にて近接時間帯の間に要求熱量を確保できない場合の深夜蓄熱運転の計画方法を示す図である。本実施の形態1では、要求熱量が18kWhを超える場合には、近接時間帯の許容最大能力にて近接時間帯の間に要求熱量を確保できない。この場合、運転計画手段109は、近接時間帯だけでなく遠隔時間帯にも運転時間を割り当てる。図4(b)に示す例では、運転計画手段109は、以下のようにして、遠隔時間帯のうち、近接時間帯に近い範囲に優先して運転時間を割り当てる。例として、要求熱量を23.4kWhとする。この場合、近接時間帯の間に確保できる18kWhを23.4kWhから差し引いた残りの5.4kWhを遠隔時間帯で確保する。遠隔時間帯に確保すべき熱量5.4kWhを遠隔時間帯の許容最大能力2.7kWhで割ることで、遠隔時間帯に必要な運転時間(この場合は2時間)を算出できる。この2時間の運転時間を、遠隔時間帯のうち、近接時間帯に近い範囲に優先して割り当てる。すなわち、遠隔時間帯のうち、近接時間帯に近い24:00〜1:00及び5:00〜6:00の2時間を運転時間とする。以上のようにすることで、要求熱量を確保できる範囲で、近接時間帯になるべく近い時間帯に深夜蓄熱運転の運転時間を収めることができる。そのため、近接時間帯(電力ボトム時刻)から遠く離れた時間帯での運転をなるべく抑制でき、他の電化機器との同時運転による電力ピークの増大を抑制できる。
例えば、会社の独身寮などのように、就寝及び起床の時刻が規則正しいケースにおいては、遠隔時間帯の中で近接時間帯に近い時間帯に空調機の起動運転が発生するのはレアケースと予想できる。このような場合には、上述した図4(b)のように、深夜蓄熱運転を近接時間帯になるべく近い時間帯に完了させることで、深夜蓄熱運転と空調機の起動運転とが同時運転となる確率をより小さくできる。
図5は、本実施の形態1において運転計画手段109が深夜蓄熱運転を計画する方法の変形例を示す図である。図5(a)は、本実施の形態1の変形例において、近接時間帯の許容最大能力にて近接時間帯の間に要求熱量を確保できる場合の深夜蓄熱運転の計画方法を示す図である。図5(a)の方法は、図4(a)の方法と同様であるので、説明を省略する。
図5(b)は、本実施の形態1の変形例において、近接時間帯の許容最大能力にて近接時間帯の間に要求熱量を確保できない場合の深夜蓄熱運転の計画方法を示す図である。要求熱量が18kWhを超える場合には、近接時間帯の許容最大能力にて近接時間帯の間に要求熱量を確保できない。この場合、運転計画手段109は、近接時間帯だけでなく遠隔時間帯にも運転時間を割り当てる。本変形例では、図5(b)に示すように、運転計画手段109は、要求熱量を確保できる範囲で、遠隔時間帯における加熱能力を最小化するように計画する。例として、要求熱量を23.4kWhとする。この場合、近接時間帯の間に確保できる18kWhを23.4kWhから差し引いた残りの5.4kWhを遠隔時間帯で確保する。遠隔時間帯に確保すべき熱量5.4kWhを遠隔時間帯の長さである4時間で割ることで、遠隔時間帯における加熱能力(この場合は1.35kW)を算出し、遠隔時間帯の全体に運転時間を割り当てる。また、遠隔時間帯に必要な運転時間が遠隔時間帯の長さより短い場合(例えば、加熱手段2の最小加熱能力に遠隔時間帯の長さを乗じた熱量に比べて、遠隔時間帯に確保すべき熱量が少ない場合)には、遠隔時間帯のうち、近接時間帯に近い範囲に優先して割り当てる。以上のようにすることで、要求熱量を確保できる範囲で、遠隔時間帯における貯湯式給湯機1の消費電力をなるべく低くできる。そのため、遠隔時間帯に他の電化機器との同時運転が発生した場合でも電力ピークの増大を抑制できる。
例えば、住人の生活パターンが多岐にわたり、遠隔時間帯の中で空調機の起動のような消費電力の大きい運転の発生タイミングがばらつくケースにおいては、図4(b)のようにしても、遠隔時間帯に貯湯式給湯機1と他の電化機器との同時運転が発生することを確実に避けることは難しい。このような場合には、図5(b)のようにすることで、遠隔時間帯に貯湯式給湯機1と他の電化機器との同時運転が発生した場合の電力ピークの増大を抑制できる。
運転計画手段109が深夜蓄熱運転を計画するパターンとして、上述した図4のパターン、図5のパターンなどの既定のパターンを複数用意しておき、集合住宅の管理業者などがその複数のパターンのうちから一つを選択できるようにしても良い。例えば、リモコン102に、エンドユーザーが通常使用しない特殊なボタン操作によるパターン選択手段102aを設け、集合住宅の管理業者などがパターン選択手段102aを操作することで、運転計画手段109が深夜蓄熱運転を計画するパターンを複数のパターンのうちから選択できるようにしても良い。また、制御手段100に一時的に接続できる着脱可能な特殊な管理用リモコン(図示省略)を集合住宅の管理業者などが操作することで、運転計画手段109が深夜蓄熱運転を計画するパターンを複数のパターンのうちから選択できるようにしても良い。以上のようにすることで、集合住宅の管理業者などが、集合住宅の住人の生活パターンを見極めた後に、集合住宅ごとにより適切な深夜蓄熱運転の計画パターンを容易に選択可能となる。
1 貯湯式給湯機、2 加熱手段、5 追焚き熱交換器、6 浴槽、10 貯湯タンク、31 水ポンプ、32 追焚きポンプ、33 浴槽ポンプ、41 湯栓温調弁、100 制御手段、101 蓄熱量算出手段、102 リモコン、102a パターン選択手段、104 必要熱量予測手段、105 加熱制御手段、106 弁制御手段、107 目標温度設定手段、108 ポンプ制御手段、109 運転計画手段、200 時刻検知手段、301a 加熱往き配管、301b 加熱戻り配管、302 給水配管、303 高温導出配管、304 温調配管、305 湯栓配管、306a 浴槽往き配管、306b 浴槽戻り配管、307a 追焚き往き配管、307b 追焚き戻り配管、501a〜501f 貯湯温度センサ、502 加熱温度センサ、503 導出温度センサ、504 給水温度センサ、505 湯栓温度センサ、506 浴槽戻り温度センサ、507 追焚き戻り温度センサ、601 湯栓流量センサ、900 HEMSコントローラ

Claims (6)

  1. 貯湯タンクと、
    水を加熱する加熱能力が可変である加熱手段と、
    深夜時間帯に前記加熱手段により加熱された湯を前記貯湯タンクに貯えることで要求熱量を前記貯湯タンクに蓄積する深夜蓄熱運転を計画する運転計画手段と、
    を備え、
    前記運転計画手段は、他の電化機器の電力消費量が最小になる電力ボトム時刻を含む時間帯である近接時間帯における前記加熱手段の許容最大能力に比べて、前記近接時間帯の前及び後の時間帯である遠隔時間帯における前記加熱手段の許容最大能力を低くするとともに、前記遠隔時間帯よりも前記近接時間帯に運転時間を優先して割り当てるように前記深夜蓄熱運転を計画する貯湯式給湯機。
  2. 前記運転計画手段は、前記近接時間帯の運転を、前記要求熱量を確保できる範囲で、前記近接時間帯における加熱能力を最小化すると共に、前記電力ボトム時刻に近い範囲に運転時間を優先して割り当てるように前記深夜蓄熱運転を計画する請求項1に記載の貯湯式給湯機。
  3. 前記運転計画手段は、前記遠隔時間帯に運転時間を割り当てる場合には、前記近接時間帯に近い範囲に運転時間を優先して割り当てるように前記深夜蓄熱運転を計画する請求項1または請求項2に記載の貯湯式給湯機。
  4. 前記運転計画手段は、前記遠隔時間帯に運転時間を割り当てる場合には、前記要求熱量を確保できる範囲で、前記遠隔時間帯における加熱能力を最小化すると共に、前記近接時間帯に近い範囲に運転時間を優先して割り当てるように前記深夜蓄熱運転を計画する請求項1または請求項2に記載の貯湯式給湯機。
  5. 他の電化機器を管理するエネルギー管理システムと通信する手段を備え、
    前記運転計画手段は、前記エネルギー管理システムから受信した情報に基づいて前記深夜蓄熱運転を計画する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の貯湯式給湯機。
  6. 前記運転計画手段が前記深夜蓄熱運転を計画するパターンを複数のパターンのうちから選択可能とする手段を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の貯湯式給湯機。
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