JP2016023629A - 高圧燃料ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】キャビテーションエロージョンの回避と流量特性の改善を両立する高圧燃料ポンプを提供すること。【解決手段】弁体は、シート部材と接するシート部において曲率半径Rvを有し、該シート部の上流で曲率半径R1を有し、シート部材は、弁体と接するシート部において曲率半径Rsを有し、該シート部の上流で曲率半径R2を有し、曲率半径R1は、曲率半径Rvより小さく、曲率半径R2は、曲率半径Rsより小さく、シート位置で弁体とシート部材が接する時の前記断面上での接線をLとした時、断面上において、前記接線Lに、前記R1を含む曲線区間と前記R2を含む曲線区間をそれぞれ垂直に投影したときに、それぞれの投影区間が少なくとも一部重なり合う構成にする。【選択図】図1
Description
本発明は、高圧燃料ポンプにおいて、高圧側から低圧側へ高圧燃料をリリーフするリリーフ弁、および当該リリーフ弁を備える高圧燃料ポンプに関する。
加圧燃料を内燃機関に燃料を供給する高圧燃料ポンプは、噴射器によって内燃機関の燃焼室内へ燃料が直接噴射される直接噴射運転に基づいた燃料供給系に使用することができる。この燃料供給系において、高圧燃料ポンプが故障したとき等に燃料圧力が許容値を超える高圧になり、配管やインジェクタ等が破損することを避けるため、燃料供給系統にリリーフ弁が設けられている。リリーフ弁は、高圧ポンプの加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出弁よりも下流側の高圧側燃料通路と、低圧側の燃料通路と接続される。高圧側燃料通路の圧力が、設定された所定圧よりも高くなるときにリリーフ弁は開弁し、高圧側燃料通路の燃料圧力を下げる機能を持っている(例えば特許文献1参照)。
これまでの従来技術には次のような課題があった。
高圧燃料ポンプのリリーフ弁は、吐出圧が許容値を超えて高くなる異常圧の発生を抑制する機能がある。よって吐出圧が設定圧力を超えて高くなった場合、リリーフ弁の弁体が開弁し、リリーフ弁から低圧側に燃料が流れることで高い圧力を下げることができる。吐出圧が許容値以下であるときは、弁体はシート部に着座して、燃料を完全にシールする必要がある。リリーフ弁の弁体が開弁し、高圧側から低圧側へ燃料が流れる際には、シート部材と弁体によって形成される流路を燃料が高速で流れる。このとき、シート部材もしくは弁体にエッジがあると、高速な燃料の流れがエッジ付近を通過する際に流体の流れ方向が急変することで剥離を起こし、キャビテーション気泡が発生することがある。キャビテーション気泡がシート部近傍で崩壊すると、シート部にエロージョンを起こし、最悪の場合はシール性能に支障をきたすことがある。
このキャビテーションエロージョンを回避するため、高速な燃料が通過するエッジ部の曲率半径を大きく取ることで、剥離を抑えることができる。例えば特許文献1に記載のように、シート部上流のエッジ部に大きい曲率半径を施すことで、流れ方向が急に変化することを回避することができる。しかし、エッジ部に大きい曲率半径を配置することでリリーフ弁の高圧側の通路を狭くしてしまう。高圧側の通路が狭くなってしまうとリリーフ弁の流量特性が悪化し、リリーフ弁が開弁しても十分な流量を流せなくなってしまうことから、圧力を下げる効果が十分に得られなくなってしまう場合があった。
このように、キャビテーションの発生抑制と流量特性の確保はトレードオフの関係にあり、従来技術では両立が難しかった。本発明は上記事情に基づいて成されたもので、その目的はキャビテーションの発生抑制と流量特性の改善を両立する高圧燃料ポンプを提供することである。
上記目的は、その一例として、弁体とシート部の曲率を適切な値とすることで達成できる。
本発明によれば、キャビテーションエロージョンの回避と流量特性の改善を両立することができる。
以下、図を参照して、本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明を実施するシステムの全体構成を示す。図1において破線で囲まれた部分は、高圧燃料供給ポンプのポンプハウジング1を示し、この破線の中に示された機構と部品を、その中に一体に組み込んでいる。
図1は、本発明を実施するシステムの全体構成を示す。図1において破線で囲まれた部分は、高圧燃料供給ポンプのポンプハウジング1を示し、この破線の中に示された機構と部品を、その中に一体に組み込んでいる。
燃料タンク20中の燃料は、フィードポンプ21によって汲み上げられ、吸入配管28を通じてポンプハウジング1の燃料吸入口10aに送られる。燃料吸入口10aを通過した燃料は、圧力脈動低減機構9、吸入通路10cを介して、容量可変機構を構成する電磁吸入弁機構30の吸入ポート30aに至る。
電磁吸入弁機構30は、電磁コイル30bを備え、この電磁コイル30bが通電されている状態で、電磁プランジャ30cは、ばね33を圧縮して図1における右方に移動した状態となり、その状態が維持される。このとき電磁プランジャ30cの先端に取付けられた吸入弁体31は、高圧燃料供給ポンプの加圧室11に通じる吸入口32を開く。電磁コイル30bが通電されていない状態であって、吸入通路10c(吸入ポート30a)と加圧室11との間に流体差圧がない時は、ばね33の付勢力により、吸入弁体31は、閉弁方向(図1における左方)に付勢されて吸入口32は閉じられた状態となって、この状態が維持される。
後述する内燃機関のカムの回転により、プランジャ2が図1の下方に変位して吸入工程状態にある時は、加圧室11の容積は増加し、その中の燃料圧力は低下する。この工程において、加圧室11内の燃料圧力が吸入通路10c(吸入ポート30a)の圧力よりも低くなると、吸入弁体31には燃料の流体差圧による開弁力(吸入弁体31を図1の右方に変位させる力)が発生する。この開弁力により、吸入弁体31は、ばね33の付勢力に打ち勝って開弁し、吸入口32を開く。この状態にて、ECU27からの制御信号が電磁吸入弁機構30に印加されると電磁吸入弁30の電磁コイル30bに電流が流れ、磁気付勢力により電磁プランジャ30cがばね33を更に圧縮して、図1の右方に移動して、吸入口32を開いた状態を維持する。
電磁吸入弁機構30に入力電圧の印加状態を維持したまま、プランジャ2が吸入工程から圧縮工程(下始点から上始点までの間の上昇工程)へと移行すると、電磁コイル30bへの通電状態が維持されているので、磁気付勢力は維持されて吸入弁体31は依然として開弁した状態を維持する。加圧室11の容積は、プランジャ2の圧縮運動に伴って減少するが、この状態では、一度加圧室11に吸入された燃料が、再び開弁状態の吸入弁体31と吸入口32との間を通過して吸入通路10c(吸入ポート30a)へと戻されるので、加圧室11の圧力が上昇することはない。この工程を、戻し工程という。
戻し工程において、電磁コイル30bへの通電を断つと、電磁プランジャ30cに働いていた磁気付勢力は一定時間後(磁気的、機械的遅れ時間後)に消去される。そうすると、吸入弁体31に常時働いているばね33の付勢力により、吸入弁体31は図1において左方に移動されて吸入口32を閉じる。吸入口32が閉じると、この時から加圧室11内の燃料圧力は、プランジャ2の上昇と共に上昇する。そして、加圧室11内の燃料圧力が、吐出口13の燃料圧力よりも所定の値だけ大きい圧力を超えた時に、加圧室11に残っている燃料は、吐出弁機構8を介して、高圧吐出が行われてコモンレール23へと供給される。この工程を吐出工程という。上記のとおり、プランジャ2の圧縮工程は、戻し工程と吐出工程からなる。
戻し工程中に、吸入通路10cへ戻された燃料により吸入通路には圧力脈動が発生するが、この圧力脈動は、吸入口10aから吸入配管28へ僅かに逆流するのみであり、燃料の戻しの大部分は圧力脈動低減機構9により吸収される。電磁吸入弁機構30の電磁コイル30cへの通電解除のタイミングを制御することにより、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。電磁コイル30bへの通電解除のタイミングを早くすれば、圧縮工程における戻し工程の割合を小さく、吐出工程の割合を大きくする。すなわち、吸入通路10c(吸入ポート30a)に戻される燃料を少なく、高圧吐出される燃料を多くする。これに対し、上記の通電解除のタイミングを遅くすれば、圧縮工程における戻し工程の割合を大きく、吐出工程の割合を小さくする。すなわち、吸入通路10cに戻される燃料を多く、高圧吐出される燃料を少なくする。上記の通電解除のタイミングは、ECUから指令により制御される。
以上のように、ECUが電磁コイルの通電解除のタイミングを制御することにより、高圧吐出される燃料量を、内燃機関が必要とする量とすることができる。
ポンプハウジング1内において、加圧室11の出口側には吐出口(吐出側配管接続部)13との間に吐出弁機構8が設けられる。吐出弁機構8は、シート部材8a、吐出弁8b、吐出弁ばね8c、保持部材(吐出弁ストッパー)8dからなる。加圧室11と吐出口13との間に燃料の差圧がない状態では、吐出弁8bは、吐出弁ばね8cによる付勢力でシート部材8aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11内の燃料圧力が、吐出口13の燃料圧力よりも所定の値だけ大きい圧力を超えた時に、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに抗して開弁し、加圧室11内の燃料は吐出口13を経てコモンレール23へと吐出される。
吐出弁8bは開弁した後、保持部材8dと接触すると動作を制限される。そのゆえ、吐出弁8bのストロークは、保持部材8dによって適切に決定される。もし、ストロークが大きすぎると、吐出弁8bの閉じ遅れにより、燃料吐出口13へ吐出される燃料が、再び加圧室11内に逆流してしまうので、高圧ポンプとしての効率が低下してしまう。また、吐出弁8bが開弁と閉弁運動を繰り返す時に、吐出弁がストローク方向にのみ運動するように、保持部材8dによりガイドしている。以上のように構成することにより、吐出弁機構8は、燃料の流通方向を制限する逆止弁となる。
こうして、燃料吸入口10aに導かれた燃料は、ポンプ本体1の加圧室11内にてプランジャ2の往復動によって必要な量が高圧に加圧され、吐出弁機構8を通じて、燃料吐出口13から高圧配管であるコモンレール23に圧送される。
コモンレール23には、インジェクタ24と圧力センサ26が装着されている。インジェクタ24は、内燃機関の気筒数に合わせて装着されており、ECU27の制御信号により、開閉弁の動作をして、燃料をシリンダ内に噴射する。
次に、インジェクタ24の故障等によりコモンレール23等の高圧部に異常高圧が発生した場合の、実施例における燃料リリーフ動作について説明する。
ポンプハウジング1には、吐出通路12と吸入通路10cを連通するリリーフ通路300が設けられており、リリーフ通路300には燃料の流れを吐出通路12から吸入通路10cへの一方向のみに制限するリリーフ弁200が設けられている。
また図2に示すように、リリーフ通路300の燃料の流れが吐出通路12から加圧室11内となる場合もある。
図3は、本発明の実施例1に係わるリリーフ弁の断面を示す。リリーフ弁200は、弁体201、弁体を付勢する弾性部材203、弁体と係合して燃料をシールするシート部材204、ハウジング205、弁体上流側の高圧室206、弁体下流側の低圧室207で構成されている。弁体201は、吐出流路12から導かれる高圧に対抗して、弾性部材203により、シート部204に付勢されている。
吐出流路が高圧となり、高圧室206の圧力が上昇して所定の圧力より大きくなると、これにより弁体に作用する流体力が弾性部材203の付勢力を上回り、弁体201はシート部204を離れて上昇し、リリーフ通路は連通状態になる。この時高圧室206側が上流となり、低圧室206側へ燃料が流れる。また、再び、高圧室206の圧力が低下すると、弁体に作用する流体力よりも弾性部材203の付勢力が上回り、弁体201は下降して、シート部204に付着する。
弁体201とシート部材204が接触する箇所をシート位置202とする。シート位置202近傍の断面において、弁体201とシート部材204が平行な直線の場合は、シート位置202は幅をもっており、弁体201とシート部材204は面接触している。シート位置202近傍の断面において、弁体201が曲線、シート部材204が直線の場合は、幾何学的な観点では1点で接している。しかし実際の製品においては、各部材の表面粗さや摩耗を考慮すると、シート位置202では一定の幅をもっており、この場合でも弁体201とシート部材204は面接触していることが言える。
シート位置202の上流側には高圧室206へ通じる高圧通路207を有し、その高圧通路207の径を高圧通路径208とする。この高圧通路径208が小さいと高圧通路207が狭くなり、リリーフ弁が開弁した時に燃料が流れにくくなる。リリーフ弁開弁時に十分な燃料を流す、つまり良い流量特性を得るためには、高圧通路径208を大きくすることが望ましい。
次に図4を用いて、本発明の実施例1においてのシート位置202近傍の形状について説明する。図4は図3の断面図において、シート位置202近傍の形状を拡大した図である。弁体201とシート部材204はシート位置202で接しており、図4に示す断面上で共通な接線L303をもつ。また、弁体201はシート位置202近傍にて曲率半径Rvを設けており、同様にシート部材204はシート位置202近傍において曲率半径Rsを設ける構成にする。曲率半径Rvと曲率半径Rsとはシート位置202で接しており、いずれの曲率半径もシート位置202の近傍だけではなく、シート位置202の上流、下流に同じ曲率半径が続いている構成でも良い。曲率半径Rs、曲率半径Rvは任意の値を設定することができ、曲率半径が無限大、すなわち直線として配置しても良い。
次に図5を用いて、本発明の実施例1においてのシート位置202上流の形状について説明する。図5の(a)にはシート部材204の形状を、(b)は弁体201の形状の模式図を示している。(a)に示すように、シート部材204ではシート位置202の上流に少なくとも1箇所、高圧通路207に至るまでの間に、シート位置202近傍の曲率半径Rsより小さい曲率半径R2を設ける。この曲率半径R2の区間を接線L303へ垂直に投影した区間を投影区間306とする。(b)に示すように、弁体201では同様に、シート位置202の上流に少なくとも1箇所、シート位置202近傍の曲率半径Rvより小さい曲率半径R1を設ける。この曲率半径R1の区間を接線L303へ垂直に投影した区間を投影区間305とする。図5の(c)にこの投影区間の位置関係を模式的にしめす。シート位置202の上流において、接線L303上で前記投影区間306と前記投影区間305が、少なくとも一部重なるように、曲率半径R1と曲率半径R2を配置する。
図6の(a)に従来技術と本発明の比較を示す。従来技術のおけるシート部材の断面形状を402、弁体の断面形状を401に示す。図6の(a)に示す通り、シート部材204に曲率半径R2を、Rvから高圧通路207に至るまでの間に設けることで、従来シート部材形状402よりも、高圧通路径208を大きくとることができる。高圧通路径208を大きくすることで高圧通路207の流路面積が大きくなり、リリーフ弁の開弁時に十分な量の燃料を逃がすことができ、良い流量特性を得ることができる。
そして、弁体201にR1を設け、望ましくは曲率半径R1と曲率半径R2を近い値に設定し、投影区間306と投影区間305が重なるように配置することで、燃料の流れ方向が急に変化することを防ぐことができる。図6の(b)に、弁体201にR1を設けなかった場合の燃料の流れ方向404を模式的に示す。弁体側にR1を設けなかった場合、燃料の流れ404はシート部材に沿う流れと弁体に沿う流れが不均等になり、高速な燃料が通過した際には燃料の流れ方向が急に変化してしまう。図6の(c)に、弁体201にR1を設けた場合の燃料の流れ方向405を模式的に示す。弁体201にR1を設け、投影区間306と投影区間305が重なるように配置することで、図6の(c)に示すように、弁体に沿う流れとシート部材に沿う流れが均等になり、高速な燃料が通過した際には燃料の流れ方向405が急に変化することを防ぐことができる。
弁体201のシート位置上流にR1を設けても、R1とR2の位置が遠い、つまり投影区間306と投影区間305が重ならなければ、流体の流れは不均等になってしまう。R1とR2を、接触L303を挟んで向かい合わせに配置することで初めて弁体に沿う流れとシート部材に沿う流れが均等になる。R1とR2を、接触L303を挟んで向かい合わせに配置する、つまり投影区間306と投影区間305が重なるように配置することで、燃料の流れが均等になり、流れ方向が急変することを回避することができる。
燃料がシート部を通過する際に、流れが不均等で流れ方向が急に変化すると、弁体201やシート部材204の表面で流体の剥離や渦が発生しキャビテーションを引き起こす。本発明においては、望ましくは曲率半径R1と曲率半径R2を近い値に設定し投影区間306と投影区間305が大部分重なるように配置することで、弁体に沿う流れとシート部材に沿う流れがより均等になり、流れ方向が急に変化することを防ぐ。したがって、流体の剥離や渦がより発生しにくくなり、キャビテーションの発生抑制により大きな効果を得ることができる。
以上のように、本発明においてはキャビテーションエロージョンの回避と流量特性の改善を両立することができる。
図7に本発明の実施例2におけるシート部材204の断面形状を示す。実施例1同様に、弁体201と接触しているシート位置202の近傍において、曲率半径Rsを設ける。実施例2では曲率半径Rsを無限大、つまり直線として配置する。シート位置202近傍を直線にすることで、シート面は円すい面となる。シート面を円すい面にすることで、燃料シートに必要な表面粗さに仕上げる研磨工程が容易になる。
シート面を円すい面として研磨した際に、研磨した面の上流にエッジ501ができる。エッジ501のさらに上流に曲率半径R2を配置すれば、エッジ501の付近を燃料が通過した際でも燃料の流れ方向が急に変化することがなく、キャビテーションの発生を抑制しエロージョンを回避することができる。
図8の(a)に本発明の実施例2における弁体201の断面形状を示す。本実施例ではシート部材201と接触しているシート位置202の近傍において、曲率半径R0を設ける。曲率半径R0の定義を図8の(b)に示す。曲率半径R0とは、シート部材204において、弁体201と接するシート位置202と同じ位置に接する球の半径である。つまり従来技術において弁体としてボールを用いた際のボールの曲率半径がR0である。本実施例では曲率半径R0をシート位置202近傍の曲率半径として設定し、曲率半径R0の上流側に曲率半径R0より小さい曲率半径R1を設ける。
図9に実施例2においての接線L303上における投影区間305と投影区間306の位置関係を示す。図9(a)に示すように、シート部材204ではシート位置202の上流に曲率半径R2を設け、この曲率半径R2の区間を接線L303へ垂直に投影した区間を投影区間306とする。また、図9(b)に示すように弁体201では曲率半径R0をシート位置202近傍の曲率半径として設定し、曲率半径R0の上流側に曲率半径R0より小さい曲率半径R1を設ける。図9(c)にこの投影区間の位置関係を模式的にしめす。シート位置202の上流において、接線L303上で前記投影区間306と前記投影区間305が、少なくとも一部重なるように、曲率半径R1と曲率半径R2を配置する。
弁体201のシート位置202近傍に曲率半径R0を設けることで、弁体201とシート部材204はシート位置202近傍でのみ、球面と円すい面との接触になる。したがって弁体201が曲率半径R0の範囲内でシート部材204と接触する限り、弁体201が傾いた時でも隙間が生じることなくシート性を保つことができる。曲率半径R0の区間を、弁体201の構造上許容される最大傾き角に基づいて設ければ、弁体201が最も大きく傾いた時でもシート性を保つことができる。
さらに曲率半径R0の上流側に曲率半径R0より小さい曲率半径R1を設け、接線L303上で前記投影区間306と前記投影区間305が、少なくとも一部重なるように、曲率半径R1と曲率半径R2を配置することで実施例1と同様に、キャビテーションエロージョンの回避と流量特性の改善を両立することができる。
当然ながら、実施例1での弁体形状と実施例2でのシート部材形状とを組み合わせ、または実施例2での弁体形状と実施例1でのシート部材形状とを組み合わせても同様の効果を得ることができる。
1…ポンプハウジング
2…プランジャ
8…吐出弁機構
9…圧力脈動低減機構
10c…吸入通路
11…加圧室
12…吐出通路
20…燃料タンク
23…コモンレール
24…インジェクタ
26…圧力センサ
30…電磁吸入弁機構
200…リリーフ弁
201…弁体
202…シート位置
203…弾性部材
204…シート部材
205…ハウジング
206…高圧室
207…低圧室
303…シート位置における共通接線
401…従来技術における弁体の断面形状
402…従来技術におけるシート部材の断面形状
501…円すい面の研磨によってできるエッジ
2…プランジャ
8…吐出弁機構
9…圧力脈動低減機構
10c…吸入通路
11…加圧室
12…吐出通路
20…燃料タンク
23…コモンレール
24…インジェクタ
26…圧力センサ
30…電磁吸入弁機構
200…リリーフ弁
201…弁体
202…シート位置
203…弾性部材
204…シート部材
205…ハウジング
206…高圧室
207…低圧室
303…シート位置における共通接線
401…従来技術における弁体の断面形状
402…従来技術におけるシート部材の断面形状
501…円すい面の研磨によってできるエッジ
Claims (5)
- 弁体と、シート部材と、前記弁体を付勢する弾性部材とを有する高圧燃料供給ポンプであって、
前記弁体は、前記シート部材と接するシート部においての曲率半径がRであり、
該シート部の上流で曲率半径R1を有し、
前記シート部材は、前記弁体と接するシート部の上流で曲率半径R2を有し、
前記曲率半径R1、R2は共に、前記曲率半径Rより小さい高圧燃料供給ポンプ。
- プランジャの往復動作によって容積が変化する加圧室と、前記加圧室に燃料を吸入する吸入流路と、前記加圧室から前記燃料を吐出する吐出流路と、前記吸入流路中に設けられた吸入弁と、前記吐出流路中に設けられた吐出弁と、前記吐出流路に設けられたリリーフ弁を有する高圧燃料供給ポンプであって、
前記リリーフ弁は弁体と、シート部材と、前記弁体を付勢する弾性部材とからなり、
前記弁体は、前記シート部材と接するシート部においての曲率半径がRvであり、
前記シート部材は、前記弁体と接するシート部においての曲率半径がRsでるリリーフ弁であって、
前記弁体は、該シート部の上流で曲率半径R1を有し、
前記シート部材は、該シート部の上流で曲率半径R2を有し、
前記曲率半径R1は、前記曲率半径Rvより小さく、
前記曲率半径R2は、前記曲率半径Rsより小さく、
前記シート位置で弁体とシート部材が接する時の、リリーフ弁中心軸を含む断面上での接線をLとした時、
前記接線Lに、前記R1を含む曲線区間と前記R2を含む曲線区間をそれぞれ垂直に投影したときに、両者が少なくとも一部重なり合うことを特徴とする高圧燃料ポンプ。
- 請求項2に記載の高圧燃料ポンプであって、前記シート部材が前記弁体と接するシート部における前記曲率半径Rsが無限大である、すなわち直線であることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
- 請求項2に記載の高圧燃料ポンプであって、前記弁体が前記シート部材と接するシート部における前記曲率半径Rvが、前記シート部材において前記シート位置に接する球の半径であることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
- 請求項2に記載の高圧燃料ポンプであって、前記曲率半径R1と前記曲率半径R2とが等しい値であることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
Priority Applications (2)
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