JP2009115256A - 逆止弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】インジェクタに対してキャビテーション・エロージョンの発生を防止することを課題とする。
【解決手段】上流側通路611と下流側通路612と上流側弁座部613を有したボディ610と、下流側弁座部622を有したプラグ620と、上流側弁座部613と下流側弁座部622と択一的に着座可能な弁体630と、弁体630が上流側弁座部613に着座するように弁体630を付勢するスプリング640とを備え、弁体630は、上流側から作用する燃料の圧力によってスプリング640の付勢力に抗して上流側弁座613を離座して下流側弁座622に着座する。
【選択図】図4

Description

本発明は、逆止弁に関する。
従来から、内燃機関の燃料供給システムとして、燃料ポンプと、燃料ポンプによって圧送された燃料を蓄圧するコモンレールと、コモンレールから内燃機関の各インジェクタに高圧燃料を供給するものが知られている。特許文献1には、このような燃料ポンプの弁構造に関する技術について開示されている。
特開2001−115927号公報
ところで、インジェクタから内燃機関に噴射されずに余った燃料を燃料タンクに戻すためのリターン経路中には、逆止弁が配置されている。逆止弁は、弁座を有したボディと、弁体と、弁座に弁体が着座するように弁体を付勢するスプリングとを備えている。所定以上の燃料の圧力が弁体に作用すると、弁体は弁座から離座する構成となっている。弁体が弁座から離座した際には、負圧波が逆止弁からインジェクタに向けて伝播する場合がある。負圧波の振幅が大きいと、インジェクタ内が負圧になる恐れがある。インジェクタ内が負圧になると、インジェクタ内の燃料リターン通路内に気泡が発生する場合がある。この状態でインジェクタが内燃機関に燃料を噴射すると、燃料リターン通路の燃料が高圧状態となって気泡が潰され、インジェクタにキャビテーション・エロージョンが発生する恐れがある。特許文献1に開示されている弁構造は、逆止弁のリフト量を規制することにより、弁の閉じ遅れによる逆流の発生を抑えるものであるが、燃料の流路が完全に閉じられることはないので、このような構造によっては、負圧波の発生を充分に抑制することができない。
そこで本発明は、インジェクタに対してキャビテーション・エロージョンの発生を防止できる逆止弁を提供することを目的とする。
上記目的は、流体通路と前記流体通路の上流側及び下流側にそれぞれ形成された上流側弁座及び下流側弁座とを有したハウジングと、前記上流側弁座及び下流側弁座に択一的に着座可能な弁体と、前記弁体が前記上流側弁座に着座するように前記弁体を付勢する付勢手段とを備え、前記弁体は、上流側から該弁体に作用する液圧によって前記付勢手段の付勢力に抗して前記上流側弁座を離座して前記下流側弁座に着座する、ことを特徴とする逆止弁によって達成できる。
この構成により、弁体が上流側弁座から離座することにより、負圧波がインジェクタ側へと伝播するが、弁体が下流側弁座に着座することにより、正圧波がインジェクタ側に伝播する。弁体の上流側弁座からの離座と下流側弁座への着座は、略同時期に起こるため、負圧波を正圧波で打ち消すことができる。これにより、インジェクタに負圧波が伝播することによって、インジェクタの低圧燃料通路中の燃料に気泡が発生することを防止できる。これにより、インジェクタに対してキャビテーション・エロージョンの発生を防止できる。
上記構成において、前記弁体は、前記上流側弁座に着座可能な球体部と、前記下流側弁体に着座可能な軸部とを含む、構成を採用できる。
また、上記構成において、前記ハウジングは、前記弁体を収納するボディと、前記ボディと嵌合するプラグとを含み、前記下流側弁座は、前記プラグに形成されている、構成を採用できる。
本発明によれば、インジェクタに対してキャビテーション・エロージョンの発生を防止できる逆止弁を提供できる。
以下、本発明を実施するための複数の実施形態を図面と共に詳細に説明する。
先ずコモンレール式燃料供給システムの構成を説明する。図1は、コモンレール式燃料供給システムの構成図である。コモンレール式燃料供給システムは、エンジン(不図示)の各気筒に設けられたインジェクタ200に加圧された燃料を供給するシステムである。コモンレール式燃料供給システムは、コモンレール100、インジェクタ200、サプライポンプ300、ECU510、EDU520等によって構成される。
コモンレール100は、インジェクタ200に供給する高圧燃料を蓄圧する。コモンレール100は、燃料噴射圧に相当するコモンレール圧が蓄圧されるように高圧ポンプ配管770を介して高圧燃料を圧送するサプライポンプ300の吐出口と接続されるとともに、各インジェクタ200へ高圧燃料を供給する複数のインジェクタ配管720が接続されている。
コモンレール100の一端には、プレッシャリミッタを兼ねた減圧弁120が取り付けられている。減圧弁120は、ECU510、又はEDU520から与えられる開弁指示信号によって開弁して還流配管710を介してコモンレール圧を急速に減圧する。コモンレールには、コモンレール圧センサ110が取り付けられており、蓄圧するコモンレール圧をECU510に出力する。
インジェクタ200は、エンジンの各気筒毎に搭載されて燃料を各気筒内に噴射供給するものであり、コモンレール100より分岐する複数のインジェクタ配管720の下流端に接続されて、コモンレール100に蓄圧された高圧燃料を各気筒内に噴射供給する。具体的な構成については後述する。インジェクタ200からリークされる低圧のリーク燃料は、低圧燃料輸送管750から逆止弁600を介して還流配管710に導かれて燃料タンク400に戻される。この逆止弁600は、所定圧力(例えば、200kPa)以上で開弁し、エンジンの運転中にインジェクタ200のリーク燃料圧力を所定圧力に保つ機能を有する。
サプライポンプ300は、コモンレール100へ高圧燃料を圧送する高圧ポンプと、燃料タンク400内の燃料を燃料フィルタ420を介して高圧ポンプへ供給するフィードポンプとを内蔵し、フィードポンプによって吸い上げられた燃料を高圧ポンプで高圧に圧縮してコモンレール100へ圧送する。
サプライポンプ300には、燃料を高圧に加圧する加圧室内に燃料を導く燃料流路に、その燃料流路の開度度合を調整するためのSCV(吸入調量弁)310が搭載されている。このSCV310は、ECU510からのポンプ駆動信号によって制御されることにより、加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整し、コモンレール100へ圧送する燃料の吐出量を変更する。これにより、コモンレール圧が調整される。
サプライポンプ300の内部は潤滑のために燃料で満たされている。具体的に、サプライポンプ300内のフィードポンプの吐出する燃料の一部がサプライポンプ300内を満たすように設けられており、サプライポンプ300内から溢れる燃料は、サプライポンプ300のオーバーフロー部320からオーバーフロー配管730を介して還流配管710へ導かれて燃料タンク400に戻される。
次に、インジェクタ200の構造について説明する。図2は、インジェクタ200の縦断面図である。図2に示すように、インジェクタ200内には、コモンレール100からインジェクタ200内に高圧燃料を供給するための高圧燃料通路210が形成されている。またインジェクタ200内には、燃料噴射の実行時に高圧燃料通路210と連通して噴射に供されない燃料の一部をインジェクタ200の外部へと排出するための燃料リターン通路212が形成されている。
高圧燃料通路210は、燃料噴射弁内部に形成された燃料溜まり室214、付勢室216、および制御室218とそれぞれ連通しており、これらは高圧燃料通路210から供給される高圧燃料によって満たされている。ボディ222の先端部には、燃料を燃焼室へと噴射するための噴孔220が形成されている。燃料溜まり室214内には、噴孔220と燃料溜まり室214との連通および遮断を切り換えるためのニードル弁224が軸方向に往復移動可能に配設されている。
付勢室216には、ニードル弁224を閉弁方向に付勢するスプリング226が配設されている。
制御室218は、高圧燃料通路210と燃料リターン通路212との接続部分に形成される。制御室218内には、高圧燃料通路210と燃料リターン通路212との連通および遮断を切り換えるための制御弁228が配設されている。制御弁228は、弁部230と支持部232とからなり、支持部232が燃料噴射ボディ222内壁に支持されつつ軸方向に摺動移動可能に配設されている。
付勢室216と制御室218とは排出通路234によって連通されている。このため排出通路234内は、高圧燃料通路210から供給される高圧燃料に満たされている。
一方、燃料リターン通路212は、排出室236、リフタ室238、およびアクチュエータ室240とそれぞれ連通し、これらは上述した高圧燃料通路210内の燃料圧力に比べて低い圧力の燃料によって満たされている。
排出室236内には、制御弁228を閉弁方向に付勢するためのスプリング242が配設されている。リフタ室238内には、後述するアクチュエータ244の変位を制御弁228へと伝達するためのリフタ246が軸方向に往復移動可能に収容されている。
アクチュエータ室240は、燃料リターン通路212の一部を成している。アクチュエータ室240内には、制御弁228を開弁させるための駆動力を与えるピエゾアクチュエータ(以下、単にアクチュエータと称する)244が配設されている。アクチュエータ室240内部にはアクチュエータ244と同軸上にピストン248が配設されており、ピストン248の上端部はアクチュエータ244の下端部と接続されるとともに、ピストン248の下端部はスプリング250を介してリフタ246に接続されている。また、ピストン248をアクチュエータ244に向けて付勢するスプリング259が設けられている。
アクチュエータ244は、電圧の印加の有無に応じて伸縮する特性を有する板状のピエゾ素子を積層して形成されている。ピエゾ素子としては例えば、チタン酸ジルコン酸鉛PZT等が採用される。アクチュエータ244は燃料と触れることで劣化し、ひいては作動障害を起こすおそれがある。このため、アクチュエータ244に燃料が接触しないようシールするために、アクチュエータ244の外周面には、ホルダ252およびカバー254が設けられている。ホルダ252を介してアクチュエータ244の一端がアクチュエータ室240の上壁面に固定されているため、アクチュエータ244はその一端がボディ222に固定されることになる。カバー254の上端部はホルダ252の下端部に接続され、カバー254の下端部はピストン248の外周面に接合されているため、アクチュエータ244が燃料と直接触れることはない。
カバー254は、図2に示されるように、燃料リターン通路212側に向けて突出している山部256と、これとは反対にアクチュエータ244に向けて突出している谷部258とが交互に形成される形状、いわゆる蛇腹状となっている。このため、アクチュエータ244が伸縮作動した場合には、それに応じてカバー254自身も伸縮するようになっている。カバー254の材質としては、例えばステンレス鋼が採用される。
次に、インジェクタ200の作用について説明する。アクチュエータ244に対して電圧が印加されると、アクチュエータ244は噴孔220側に伸長することにより、ピストン248およびリフタ246を介して制御弁228を開弁方向、すなわち図1において下方向に移動させる。このとき蛇腹状に形成されたカバー254は、アクチュエータ244のシール性を維持しながらも、アクチュエータ244の伸長作動に応じて伸長する。制御弁228が開弁されることにより、制御室218と、リフタ室238および燃料リターン通路212とが連通され、付勢室216や制御室218といった高圧燃料通路210から高圧燃料が供給される領域では燃料圧力が低下するようになる。こうして、付勢室216内の燃料圧力が低下すると、噴孔220と燃料溜まり室214とを遮断する位置にニードル弁224を保持していた力(図1においてニードル弁224に対して下向きに作用する力)が小さくなる。したがって、燃料溜まり室214内の燃料圧力に基づいてニードル弁224を開弁方向へと押圧する力が、ニードル弁224を閉弁方向へと付勢する力よりも大きくなる。その結果、ニードル弁224は開弁方向へと移動し、燃料が噴孔220を通じて燃焼室内に噴射される。
上述した態様により燃料噴射が実行されると、高圧燃料通路210内などに存在する高圧燃料が、制御室218およびリフタ室238を経由して燃料リターン通路212内へと排出される。
ここで、燃料噴射を実行することに伴って発生していた従来の問題点について説明する。燃料噴射が実行されると、燃料リターン通路212内では燃料の圧力分布に大きな乱れ、すなわち燃料による圧力脈動が生じる。その結果、燃料リターン通路212内には、燃料圧力が高くなる部分と低くなる部分とが現れ、そのうち燃料の圧力が低くなって、燃料の飽和蒸気圧を下回る部分では、液体状態の燃料の中から気泡が発生する。
気泡が発生するメカニズムについて説明する。燃料噴射の実行により、燃料リターン通路212内に正圧脈動が発生し、逆止弁600に向かって正圧波が進行する。逆止弁600に正圧波が進行すると、逆止弁600が従来のものである場合には、詳しくは後述するが、弁体が弁座から離座することにより、負圧波が発生して、逆止弁600からインジェクタ200へと向かう。このとき、弁体が弁座から離座する圧力の設定値は、通常、大きい場合であっても1MPa(メガパスカル)以下である。弁体が再び弁座に着座すると、リターン通路212内の燃料は、弁体が弁座から離座する圧力よりも若干低い圧力となる。また、負圧波は−2MPa〜−3MPa程度である。従って、燃料リターン通路212に負圧波が伝播すると、燃料リターン通路212の燃料の圧力は、負圧波の圧力と、弁体が弁座から離座する圧力よりも若干低い圧力との合計値となる。この合計値は、負圧となる。
燃料リターン通路212にまで負圧波が伝播すると、燃料の中から気泡が発生する。特に、カバー254の外周部に形成された蛇腹部近傍に発生する。図3は、カバー254の拡大図である。燃料中に発生した気泡は、谷部258に浸入して滞留しやすい。谷部258に気泡が滞留した状態で、再度燃料噴射が実行されると、気泡が潰されてキャビテーション・エロージョンが起こる場合がある。これにより、カバー254が破損し、アクチュエータ244内に燃料が浸入する恐れがある。
しかしながら、本実施例に係る逆止弁600は、このような負圧波の発生が抑制された構造を有している。以下に、逆止弁600について詳細に説明する。図4は、逆止弁600の構造を説明するための断面図である。図4(A)は、弁体630が、上流側弁座部613に着座した状態を示しており、図4(B)は、弁体630が、上流側弁座部613から離座して下流側弁座部622に着座した状態を示している。
図4(A)に示すように、逆止弁600は、ボディ610、プラグ620、弁体630、スプリング640などから構成される。ボディ610は、内部に流体である燃料が通過する上流側通路611、下流側通路612が形成されている。下流側通路612は、上流側通路611よりも径が大きく形成されている。上流側通路611と下流側通路612との間には、弁体630が着座可能な上流側弁座部613が環状に形成されている。弁体630は、ボディ610内に、詳細には、下流側通路612内に配置されている。また、スプリング640は、下流側通路612内に配置され、弁体630が上流側弁座部613に着座するように弁体630を付勢する。スプリング640は、その一端が弁体630に掛けられ、スプリング640の他端は、下流側通路612内に配置されたプラグ620に掛けられている。
プラグ620は、ボディ610の下流側通路612内に嵌合しており、下流側で拡径した大径部623と、上流側で縮径した小径部624とから構成され、円柱状に形成されている。プラグ620には、その中心を逆止弁600の軸方向に貫通した通路621が形成されている。小径部624の先端側には、下流側弁座部622が形成されている。下流側通路612とプラグ620とによって、弁体630が収納される弁室が画定されている。
弁体630は、球体部631と、球体部631の背面からプラグ620に向けて突出した軸部632とから構成される。球体部631の径は、上流側通路611の径よりも大きく、かつ下流側通路612の径よりも小さく形成されている。軸部632は、下流側弁座部622と対向するように延在している。軸部632の先端は、下流側弁座部622に着座可能に半球状に形成されている。ボディ610とプラグ620とは、ハウジングに相当する。
図4(B)は、図4(A)に示した状態から、インジェクタ200からのリターン燃料の圧力の作用によって、弁体630が、下流側に移動した際の様子を示している。図4(B)に示すように、リターン燃料の圧力が、スプリング640の付勢力に抗して弁体630に作用すると、球体部631が上流側弁座部613から離座し、軸部632が下流側弁座部622に着座する。即ち、弁体630は、上流側弁座部613及び下流側弁座部622に択一的に着座する。
次に、逆止弁600の作用について説明する。図4に示すように、弁体630が上流側弁座部613から離座すると、弁体630よりも上流側の燃料が、下流側通路612内に侵入し、負圧波が発生する。この負圧波は、インジェクタ200へ向かって進行する。しかしながら、弁体630が上流側弁座部613から離座すると略同時期に、軸部632が下流側弁座部622に着座する。これにより、下流側通路612に浸入した燃料の流れは塞ぎ止められることになる。従って、軸部632が下流側弁座部622に着座することにより、反射波として、正の圧力波がインジェクタ200へ向かって進行することになる。負圧波と正圧波とが略同時期に発生するため、両波がインジェクタ200に伝播した際に打ち消しあうように作用する。これにより、燃料リターン通路212内に負圧が発生して、キャビテーション・エロージョンの原因となる気泡の発生を抑制できる。
尚、上流側弁座部613に着座した状態での弁体630には、インジェクタ200側からの燃料の圧力と、スプリング640による付勢力とがかかっており、逆止弁600内の燃料は、プラグ620側から燃料タンク400側へと戻る。このような条件が成立するには、ボディ610側の弁体630のシート面積をAとし、プラグ620側の弁体630シート面積をaとし、弁体630の開弁圧をPckとし、スプリング640のバネ定数をkとし、弁体630の最大のリフト量をLとすると、弁体630が下流側弁座部622に着座した状態で以下の式が成立するように設定する必要がある。
(数1)
A*Pck<a*Pck+kL…(1)
この条件式が成立しないと、弁体630は下流側弁座部622に着座したままの状態となるからである。
次に、実施例2に係る逆止弁の構造について説明する。尚、実施例1に係る逆止弁600と類似する部材については、類似する符号を用いることにより、説明を省略する。図5は、実施例2に係る逆止弁600aの構造を説明するための断面図である。尚、図5での、弁体630aは、弁座部613aから離座した状態を示している。
図5に示すように、弁体630aは、球状に形成されている。また、プラグ620aには、燃料通路は形成されておらず、下流側通路612aの中腹部に、下流側通路612aを貫通するように排出口614aが形成されている。排出口614aは、下流側通路612a内の燃料を燃料タンク400側に戻すためのものである。通常の状態、即ちインジェクタ200から燃料噴射が事項されていない状態では、弁体630aは、弁座部613aに着座して、上流側通路611aと下流側通路612aとの連通を遮断し、燃料噴射が実行されると、弁体630aが弁座部613aから離座して、上流側通路611aと下流側通路612aとが連通する。弁体630aが弁座部613aから離座すると、弁体630aは、プラグ620aの小径部624aの先端部に当接することにより、弁体630aのリフト量が規制されている。即ち、プラグ620aは、弁体630aのリフト量を規制するストッパーとして機能する。
弁体630aのリフト量について説明する。まず、インジェクタ200から進行する進行波と、逆止弁600aから反射される負圧波との関係について説明する。図6は、インジェクタ200から伝播される進行波と、逆止弁600aから反射される負圧波との関係について説明図である。逆止弁600aの開弁圧をPckとし、インジェクタ200からの進行波の振幅をΔPsとし、逆止弁600aから反射される負圧波の振幅をΔPrとする。また、図5に示すように、上流側通路611aの面積をAとし、弁体630aが弁座部613aから離座した状態での弁体630aと下流側通路612aとの隙間の面積をBとする。
次に、進行波と反射波との関係と、上流側通路611の面積Aと、離座した状態での弁体630aと下流側通路612aとの隙間の面積Bとの関係とを説明する。図7は、進行波と反射波との関係と、上流側通路611の面積Aと、離座した状態での弁体630aと下流側通路612aとの隙間の面積Bとの関係を説明図である。図7に示したグラフは、縦軸を、ΔPr/ΔPsとし、横軸を、面積B/面積Aとしている。
面積B/面積A=0の場合、即ち、面積B=0の場合には、弁体630aが弁座部613aに着座したままの状態であるため、インジェクタ200側からの進行波は、弁体630aで反射した正圧波となる。この反射した正圧波の大きさは、インジェクタ200側からの進行波と等しい大きさとなる。従って、ΔPrは、正の値をとり、ΔPr/ΔPs=1となる。
0<面積B/面積A<1の場合、即ち、面積B<面積Aの場合には、インジェクタ200側からの進行波は弁体630aで反射して、インジェクタ200側からの進行波の振幅ΔPsよりも振幅の小さい正圧波となる。従って、0<ΔPr/ΔPs<1となる。
面積B/面積A=1の場合、即ち、面積B=面積Aの場合には、反射波は発生しない。このため、ΔPr=0となり、ΔPr/ΔPs=0となる。
面積B/面積A>1の場合、即ち、面積B>面積Aの場合には、反射波は、負圧となる。従って、ΔPr<0となり、ΔPr/ΔPs<0となる。
ここで、インジェクタ200の燃料リターン通路212内に負圧が伝播することに起因した気泡の発生を抑制するためには、反射波の振幅ΔPrと逆止弁600aの開弁設定圧力Pckとの合計圧力が、大気圧以下の負圧とならないように、面積Bを設定する必要がある。逆止弁600aにおいては、ΔPrとPckとの合計圧力の負圧とならないように、面積Bが所定値以下となるように、弁体630aのリフト量が、プラグ620aによって設定されている。これにより、燃料リターン通路212内に負圧が発生して、キャビテーション・エロージョンの原因となる気泡の発生を抑制できる。
次に、実施例3に係る、負圧波の発生を抑制する機構について説明する。図8は、実施例3に係る負圧波の発生を抑制する機構の説明図である。尚、実施例3に係る機構について、実施例1と同一又は類似する機構については同一又は類似の符号を用いることによりその説明を省略する。図8(A)に示すように、低圧燃料輸送管750aには、逆止弁600xに最も近い位置のインジェクタ200と、逆止弁600xとの間から分岐した枝管760aが形成されている。尚、逆止弁600xは、上述したような、負圧波を抑制する構造が採用されていない、従来の構造によるものである。枝管760aは、低圧燃料輸送管750aから鉛直下方に延びている。また、低圧燃料輸送管750aと枝管760aとは、内径が同一である。また、分岐部から逆止弁600xの弁体までの距離D1と、分岐部から枝管760aの先端部までの距離D2とは、略等しい。
次に、枝管760aの機能について説明する。インジェクタ200から低圧燃料輸送管750aを介して逆止弁600xへと向かう圧力波は、低圧燃料輸送管750aと枝管760aとの分岐部を通過時に分断されて、略同一振幅の圧力波が、分岐部から枝管760aの先端側と、逆止弁600x側とにそれぞれ進行する。D1=D2であるため、分岐部を通過した2つの進行波は、略同時期に、一方は、弁体に到達し、他方は、枝管760aの先端に到達する。逆止弁600x側に進行した圧力波は、弁体の離座により、負圧波となって反射し、逆止弁600x側から分岐部へと向かう。一方、枝管760aの先端に到達した圧力波は、正圧波となって反射し、分岐部に向かう。互いに反射された波は、分岐部で略同時にぶつかり合って打ち消しあう。これにより、負圧波が、インジェクタ200まで伝播することを防止できる。
図8(B)は、枝管760aの先端部の拡大断面図である。枝管760aの先端部は、エンジンの外壁部762にボルト761によって固定されている。これにより、枝管760aは、低圧燃料輸送管750a全体を固定する機能を有する。尚、枝管760aが固定される箇所は、エンジンの外壁部に限られない。
また、枝管760aは、実際にエンジンに取り付けられた際に、鉛直下方を向く。これにより、枝管760a内に燃料が常に充填した状態にすることができる。例えば、枝管760aがエンジンに取り付けられた際に鉛直上方を向くように設計した場合には、配管組立作業や修理の際に、枝管760a内の燃料は抜かれた状態となり、この状態で枝管760aがエンジンに取り付けられると、枝管760a内に空気が溜まり、燃料が充填されない恐れがある。しかしながら、エンジンに取り付けた際に枝管760aが鉛直下方を向くよう設計することにより、このような問題の発生を抑制できる。従って、枝管760a内に燃料を充填することができ、枝管760aの先端で圧力波を反射させることができる。
次に、実施例4に係る、負圧波の発生を抑制する機構について説明する。図9は、実施例4に係る負圧波の発生を抑制する機構の説明図である。尚、実施例4に係る機構について、実施例1と同一又は類似する機構については、同一又は類似の符号を用いることによりその説明を省略する。図9に示すように、低圧燃料輸送管750bには、逆止弁600xに最も近い位置のインジェクタ200と、逆止弁600xとの間にチューブ管800が形成されている。チューブ管800は、縦弾性係数の小さい材料によって成形されている。インジェクタ200から逆止弁600xに向かう正圧波は、チューブ管800を通過することにより、著しく減衰される。反射により発生した、逆止弁600xからインジェクタ200へと向かう負圧波は、再度チューブ管800を通過する。これにより、負圧波も著しく減衰される。この減衰された負圧波は、逆止弁600xの設定圧力よりも小さくなる。これにより、この減衰された負圧波が、燃料リターン通路212内にまで伝播しても気泡は発生しない。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
コモンレール式燃料供給システムの構成図である。 インジェクタの縦断面図である。 カバーの拡大図である。 逆止弁の構造を説明するための断面図である。 実施例2に係る逆止弁の構造を説明するための断面図である。 インジェクタから伝播される進行波と、逆止弁から反射される負圧波との関係について説明図である。 進行波と反射波との関係と、上流側通路の面積、離座した状態での弁体と下流側通路との隙間の面積との関係とを説明図である。 実施例3に係る負圧波の発生を抑制する機構の説明図である。 実施例4に係る負圧波の発生を抑制する機構の説明図である。
符号の説明
100 コモンレール
200 インジェクタ
210 高圧燃料通路
212 燃料リターン通路
244 アクチュエータ
254 カバー
300 サプライポンプ
400 燃料タンク
600、600a、600x 逆止弁
610 ボディ
611 上流側通路
612 下流側通路
613 上流側弁座部
620 プラグ
621 通路
622 下流側弁座部
623 大径部
624 小径部
630 弁体
640 スプリング
760a 枝管
800 チューブ管

Claims (3)

  1. 流体通路と前記流体通路の上流側及び下流側にそれぞれ形成された上流側弁座及び下流側弁座とを有したハウジングと、
    前記上流側弁座及び下流側弁座に択一的に着座可能な弁体と、
    前記弁体が前記上流側弁座に着座するように前記弁体を付勢する付勢手段とを備え、
    前記弁体は、上流側から該弁体に作用する液圧によって前記付勢手段の付勢力に抗して前記上流側弁座を離座して前記下流側弁座に着座する、ことを特徴とする逆止弁。
  2. 前記弁体は、前記上流側弁座に着座可能な球体部と、前記下流側弁体に着座可能な軸部とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。
  3. 前記ハウジングは、前記弁体を収納するボディと、前記ボディと嵌合するプラグとを含み、
    前記下流側弁座は、前記プラグに形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の逆止弁。
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