JP2008038850A - 燃料噴射ポンプのアキュムレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】アキュムレータ内のバネ部材の破損防止と、アキュムレータの性能および信頼性の確保を簡易な構造で実現する技術を提供する。
【解決手段】受圧室53と、受圧室53の内部に摺動自在に嵌装されるアキュムレータピストン51と、アキュムレータピストン51を付勢するバネ部材52と、により構成される燃料噴射ポンプ1に設けるアキュムレータ50において、アキュムレータピストン51のバネ部材52側への摺動範囲を制限するストッパー56を設けた構成とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料噴射ポンプにおいて、燃料の流路内に発生する流体の脈動を吸収するアキュムレータの技術に関する。
従来から、ディーゼル機関の燃料噴射ノズルへ燃料を送出する燃料噴射ポンプとして、例えば、プランジャの往復運動により分配軸に圧送される燃料を、該分配軸に形成された分配用溝から、複数の分配通路を通じて各吐出弁へ送出し、各吐出弁から燃料噴射ノズルへ圧送する分配型燃料噴射ポンプが広く用いられている。
そして、前記燃料噴射ポンプにおいては、圧油ポンプ等により燃料を圧送するようにしているが、該燃料は流路内を脈動しながら流れるため、この脈動がプランジャの往復運動等に悪影響を与えていた。そこで、燃料噴射ポンプには燃料の脈動を吸収するためのアキュムレータを連結する技術が提案されており、その技術は公知となっている。
該アキュムレータは、アキュムレータピストンと、高圧燃料ギャラリとなる受圧室と、低圧燃料ギャラリとなる受圧室と、前記アキュムレータピストンを付勢する高圧燃料ギャラリ側に付勢するバネ部材等から構成されており、高圧燃料ギャラリと低圧燃料ギャラリを連通するようにしている。そして、高圧燃料ギャラリ内の燃料の圧力変動に応じて、アキュムレータピストンが往復摺動し、これにより低圧燃料ギャラリ内の燃料の圧力を変動させて、高圧燃料ギャラリ内の燃料の圧力変動を打ち消すような構成としている。
また、アキュムレータをプランジャ側方において、アキュムレータピストンの摺動方向を略水平方向に向けた配置とし、プランジャ室とアキュムレータを燃料ポートを介して連通させ、該燃料ポートの出口部近傍にアキュムレータピストンの燃料ポート側端面を対向させる配置とすることにより、燃料出口をハイドロリックヘッドの上面より突出させて、横方向の出っ張りをなくしシステムのコンパクト化を図ると共に、エア抜き性の向上を図るようにしたアキュムレータの技術が、特許文献1に開示されている。
特開2001−289141号公報
しかしながら、従来のアキュムレータにおいては、高圧燃料ギャラリ内が過度に高圧となった場合には、前記バネ部材には過度の応力が作用することとなり、バネ部材の破損を招く恐れがあった。
また、アキュムレータの脈動吸収性能の如何によっては、燃料噴射ポンプの燃料噴射特性を直接的に左右するため、アキュムレータの脈動吸収性能および信頼性を確保することが重要視されていた。
そこで本発明では、このような状況を鑑み、アキュムレータ内のバネ部材の破損防止と、アキュムレータの性能および信頼性の確保を簡易な構造で実現する技術を提供することを課題としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、受圧室と、該受圧室の内部に摺動自在に嵌装されるピストンと、該ピストンを付勢するバネ部材と、により構成される燃料噴射ポンプに設けるアキュムレータにおいて、前記ピストンのバネ部材側への摺動範囲を制限するストッパーを設けたこと、を特徴としたものである。
請求項2においては、前記ストッパーが、前記バネ部材の保持部材と兼用されること、を特徴としたものである。
請求項3においては、前記ストッパーの前記ピストンとの当接部には、燃料用の流通切欠が形成されること、を特徴としたものである。
請求項4においては、前記流通切欠が、前記ピストンの受圧面積に比して、大きな流通面積を確保されること、を特徴としたものである。
請求項5においては、受圧室と、該受圧室の内部に摺動自在に嵌装されるピストンと、該ピストンを付勢するバネ部材と、により構成される燃料噴射ポンプに設けるアキュムレータにおいて、前記バネ部材が、複数のバネにより構成されること、を特徴としたものである。
請求項6においては、前記複数のバネが、第一バネ部材と、該第一バネ部材に比して長さが短い第二バネ部材と、により構成され、前記第一バネ部材が、前記ピストンと常時当接する構成とし、かつ、前記第二バネ部材が、前記ピストンの摺動初期には当接せず、摺動動作の途中において、前記ピストンと当接する構成としたこと、を特徴としたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、高圧燃料ギャラリ内の圧力が異常値まで上昇した場合に、バネ部材に過度の応力が作用することが防止できる。また、これにより、バネ部材が折損することを防止できる。
請求項2においては、部品点数を低減することができる。また、構造の簡素化を図ることができ、アキュムレータの信頼性向上に寄与することができる。
請求項3においては、燃料の流通切欠を確保することにより、低圧燃料ギャラリ側の燃料の流通が妨げられることが防止できる。また、これにより、アキュムレータの性能を確保することができる。
請求項4においては、十分な燃料の流通切欠を確保することにより、アキュムレータの性能を確実に確保することができる。
請求項5においては、バネ部材一つ当たりのバネ定数を弱く設定することができ、各バネ部材に作用するバネ応力を緩和することができる。また、これにより、バネ部材の折損をより確実に防止することができる。
請求項6においては、燃料ギャラリ内の圧力が通常範囲である場合には、従来どおりのアキュムレータ性能を確保し、かつ、燃料ギャラリ内の圧力が異常上昇した場合には、アキュムレータ性能を制限することにより、バネ部材の折損を防止することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明を適用する一実施例に係る燃料噴射ポンプの全体構成を示した側面断面図、図2は同じく燃料噴射ポンプの正面断面図、図3は同じく燃料噴射ポンプの構成を示す概略配管系統図である。図4は従来のアキュムレータを示す側面断面図、図5は本発明の第一実施例に係るアキュムレータを示す側面断面図、図6は本発明の第一実施例に係るアキュムレータの作動状況を示す側面断面図、図7は本発明の第二実施例に係るアキュムレータを示す側面断面図、図8は本発明の第二実施例に係るアキュムレータの作動状況を示す側面断面図、図9は本発明の第三実施例に係るアキュムレータを示す側面断面図、図10は本発明の第四実施例に係るアキュムレータを示す側面断面図である。
まず始めに、本発明を適用する一実施例に係る燃料噴射ポンプの全体構成について、図1乃至図3を用いて説明をする。
尚、本実施例においては、燃料噴射ポンプとして分配型燃料噴射ポンプを例にとって説明をするが、本発明を適用する燃料噴射ポンプの種類はこれに限定するものではない。
本発明を適用する燃料噴射ポンプ1は、ディーゼルエンジンに備えられるものであり、シリンダ内に形成される燃焼室内に臨ませて設けられる燃料噴射弁から噴射される燃料を、所定のタイミングで所定量圧送するためのものである。
図1に示す如く、燃料噴射ポンプ1は、ケース体に軸受5を介してカム軸6を支持している。ケース体は、エンジンのシリンダブロックの一側に組み付けられるギヤケース2と、該ギヤケース2に組み付けられるとともに前記カム軸6を支持するポンプケース3と、ガバナ機構20を収容するガバナケース4とを備える。
ギヤケース2は、前記のとおりシリンダブロックの一側に組み付けられ、シリンダブロック内にて前後方向に支承されるクランク軸に設けられるクランクギヤ等を収容するとともに、シリンダブロックの側壁よりも横方向に突出する。このギヤケース2の突設部分にポンプケース3が組み付けられる。
ポンプケース3内には、カム軸6が前後方向を軸方向として支持されており、カム軸6の前側はポンプケース3の前壁3aに支承され、カム軸6の後側は、ポンプケース3の後部に位置決めされた状態で設けられる軸受5を介して支持されている。そして、ポンプケース3の後側にガバナケース4が組み付けられている。つまり、ポンプケース3は、その前側がギヤケース2に装着されるとともに後側にガバナケース4が装着されている。
ポンプケース3に支承されるカム軸6は、ポンプケース3からギヤケース2内へ延設されており、この延設部に、エンジンのクランク軸からの動力が伝達されるカム軸駆動ギヤ(ポンプ駆動ギヤ)7が固設されている。
詳しくは、該カム軸駆動ギヤ7は、カム軸6上に固設されたカム軸固定フランジ32に固設されるような構成としている。
これにより、エンジンのクランク軸の回転が、前記クランクギヤ及び該クランクギヤに噛合するアイドルギヤ等を介してカム軸駆動ギヤ7に伝達され、カム軸6が回転する構成となっている。
ポンプケース3の上側には、ハイドロリックヘッド8が接合されており、このハイドロリックヘッド8にプランジャ9を上下摺動自在に内装するプランジャバレル10が挿嵌されている。プランジャ9は、該プランジャ9の下端に付設されるタペット11が、カム軸6に形成されるカム6aに当接するようにスプリング38等の付勢手段により下方へ付勢されており、カム軸6の回転にともなうカム6aの回転により上下摺動する構成となっている。
また、カム軸6にはベベルギヤ12が固設されており、該ベベルギヤ12と噛合するベベルギヤ13を有する駆動軸14が、カム軸6の上方において垂直方向に回転自在にポンプケース3に支持されている。この駆動軸14の上端部には、分配軸15の下端部が係合されている。つまり、カム軸6の回転にともないベベルギヤ12・13を介して駆動軸14が回転し、これにより分配軸15が回転する構成となっている。
このような構成により、プランジャ9が上下動範囲の下端部に位置すると、図示せぬ送油ポンプ36等から供給経路を介して圧送される燃料は、プランジャバレル10内に形成されるプランジャ室9a内へ圧送される。そして、プランジャ9がカム6aにより押し上げられて上昇することにともない、プランジャ室9a内の燃料は、プランジャバレル10に形成される分配ポート10aから、ハイドロリックヘッド8に形成される油路を介して分配軸15へと送られ、該分配軸15を介し、ハイドロリックヘッド8において分配軸15の近傍に挿嵌される送出弁18へと圧送され、エンジンのシリンダヘッド部に設けられる燃料噴射弁から燃焼室内に噴射される構成となっている。
また、プランジャ9の外周部には、該プランジャ9と一体的に回動する制御スリーブ17が設けられており、該制御スリーブ17がガバナ機構20により回動されることで、プランジャ9がプランジャバレル10に対して回動する。また、プランジャ9にはプランジャリード9bが形成されており、制御スリーブ17が回動されることでプランジャリード9bのプランジャバレル10に対する角度が変更され、燃料の噴射量が調整される構成となっている。
また、ハイドロリックヘッド8におけるプランジャバレル10の近傍には、低温始動進角機構(以下、「CSD」)19が設けられている。CSD19においては、プランジャ室9a内の燃料が、プランジャバレル10に形成される油路からハイドロリックヘッド8に形成される一連のサブポートを介して同じくハイドロリックヘッド8に形成される低圧室19a側に溢流されるように構成されている。つまり、CSD19は、低温始動時において、前記サブポートを閉じ、プランジャ室9a内の燃料の溢流をなくすことによってプランジャ室9aから高圧の燃料を供給し、燃料の噴射タイミングを早める進角制御を行うものである。
一方、ガバナケース4内のガバナ機構20は、次のような構成となっている。すなわち、ポンプケース3内に支持されるカム軸6は、ポンプケース3からガバナケース4内へ延設されており、この延設部にガバナウェイト21及びガバナスリーブ22が装着されている。ガバナスリーブ22は、カム軸6の回転により生じる遠心力によるガバナウェイト21の動きにともなってカム軸6の軸方向に移動する。また、ガバナケース4内に架設されるガバナ軸23には、第一ガバナレバー24、第二ガバナレバー25及びテンションレバー26が回動自在に支持されている。第一ガバナレバー24と第二ガバナレバー25は、スプリング27により連結されている。第二ガバナレバー25の上端部は、リンク28を介して図示せぬコントロールラックに連結されている。
すなわち、ガバナ機構20においては、カム軸6の回転によってガバナスリーブ22が第一ガバナレバー24の下端部を押すことにより、第一ガバナレバー24がガバナ軸23を中心に回動し、これに連動して第二ガバナレバー25が回動する。この第二ガバナレバー25の回動により、リンク28を介して前記コントロールラックが移動し、燃料噴射ポンプ1の燃料噴射量が変化する構成となっている。
また、テンションレバー26の近傍にはコントロールレバー29が設けられており、該コントロールレバー29はテンションレバー26に連結されている。コントロールレバー29が外部から回動操作されることにより、テンションレバー26が回動され、このテンションレバー26の回動が第二ガバナレバー25に伝達され、前記コントロールラックが移動して、燃料の噴射タイミングが変化する構成となっている。
なお、図1中30は、噴射量減量用アクチュエータであり、その電子制御されるピストン31を作動させることで第二ガバナレバー25に作用し、燃料噴射量を減量する。
図2または図3に示す如く、燃料噴射ポンプ1の燃料吸入側となるハイドロリックヘッド8内には燃料ギャラリ42が形成されている。
そして、図3に示す如く、送油ポンプ36等により、燃料タンク37内の燃料を、燃料配管33を通じて燃料ギャラリ42内へ圧送すると、該燃料は、プランジャ9の上昇によって、燃料圧送通路41を通じて分配軸15へ圧送される。
分配軸15へ圧送された燃料は、分配軸15と送出弁18とを接続する燃料分配通路43を通じて複数の送出弁18へ供給される。送出弁18に供給された燃料は、噴射ノズル55へ圧送されて噴射される。
また、図2または図3に示す如く、燃料噴射ポンプ1においては、圧力脈動減衰用のアキュムレータ50を設けており、該アキュムレータ50は、受圧室53、該受圧室53内に摺動自在に嵌装されるアキュムレータピストン51、及び該アキュムレータピストン51を側方へ付勢するバネ部材52等により構成されている。
受圧室53は、アキュムレータピストン51により高圧燃料ギャラリ53aと低圧燃料ギャラリ53bとに分断され、高圧燃料ギャラリ53a側が燃料ポート54によりプランジャ9上部のプランジャ室9aと連通されるように構成している。
そして、送油ポンプ36等により燃料を圧送すると、該燃料には疎密波の如く圧力の大きくなる部分と逆に圧力の小さくなる部分とが交互に生じ、流路内を脈動しながら流れていく。こうして生じた燃料流体の脈動により、アキュムレータ50は、例えば、高圧燃料ギャラリ53a側の圧力が上がると、該アキュムレータ50はバネ部材52を圧縮してアキュムレータピストン51を低圧燃料ギャラリ53b側に押し上げ、また逆に、高圧燃料ギャラリ53a側の圧力が下がると、バネ部材52の復元力が高圧燃料ギャラリ53a内の圧力に打ち勝って、アキュムレータピストン51を押し下げるように構成している。つまり、このようにして、燃料流体の脈動を吸収するようにしている。
以上が、本発明を適用する燃料噴射ポンプの全体構成についての説明である。
次に、本発明の要部である、アキュムレータの詳細構造について、図4乃至図10を用いて説明をする。
図4に示す如く、従来本発明に係るアキュムレータ50は、アキュムレータピストン51と、バネ部材52と、ストッパー56およびプラグ57等により構成されている。
アキュムレータピストン51は、略円筒形状の部材であり、断面視で略H字状となるように仕切り部51aが形成されている。そして、アキュムレータピストン51は、ハイドロリックヘッド8においてプランジャ9に対して直交する水平方向に形成された受圧室53内に摺動可能に挿嵌されて、プランジャ9側に形成された窪みにより高圧燃料ギャラリ53aを形成している。また、アキュムレータピストン51は、プランジャ9側とは反対側の窪みにはバネ部材52が当接するように構成している。
バネ部材52は、前記アキュムレータピストン51の窪みと、プラグ57に形成された窪みに自然長から縮小された状態で介装されており、アキュムレータピストン51を常時プランジャ9側に付勢するように構成している。
このバネ部材52が介装されているアキュムレータピストン51とプラグ57により形成されている空間が低圧燃料ギャラリ53bとなるように構成している。
低圧燃料ギャラリ53bは、燃料戻し通路59により燃料タンク37と連通するように構成しており、高圧燃料ギャラリ53a内が昇圧するのに伴ってアキュムレータピストン51がバネ部材52の付勢力に抗して低圧燃料ギャラリ53b側に摺動し、低圧燃料ギャラリ53bの体積が減少するのに応じて、低圧燃料ギャラリ53b内の燃料を燃料タンク37に戻すようにしている。
このように構成される従来のアキュムレータ50においては、高圧燃料ギャラリ53a内が異常圧に昇圧した場合には、バネ部材52は異常な圧力で圧縮される可能性があり、このためバネ部材52が折損する可能性が懸念されていた。
そこで、以下にバネ部材52の折損を防止する本発明の具体的な実施例を示していく。
図5に示す如く、本発明の第一実施例に係るアキュムレータ50においては、プラグ57の窪みにストッパー56を挿入し、アキュムレータピストン51とストッパー56との間にバネ部材52を介装する構成としている。
ストッパー56は、側面視略T字型の部材であり、円盤上の台座部56aと、該台座部56aの中心より立設した円柱状の当接部56bとで構成されている。台座部56aの外形寸法はプラグ57に形成された窪みと略一致するように形成されており、台座部56aが窪みの底部に安定して嵌り込むような構成としている。
また、当接部56bの外形寸法は、バネ部材52が形成する管状の空間よりも小さい寸法としており、バネ部材52の伸縮を妨げないような構成としている。
さらに、図6に示す如く、当接部56bは、アキュムレータピストン51の仕切り部51aと当接するような構成としている。ここで、当接部56bの長さは、アキュムレータピストン51による押圧力によってはバネ部材52が折損しない位置で、アキュムレータピストン51と当接して、バネ部材52に作用する押圧力を制限して所定長さ(バネ部材52の最小縮小位置)まで縮小できる長さに構成している。
このように第一実施例においては、アキュムレータピストン51を掛止するストッパー56を具備することにより、バネ部材52に作用する応力を制限するような構成として、バネ部材52の折損を確実に防止するようにしている。
図7に示す如く、本発明の第二実施例に係るアキュムレータ50においては、プラグ57の受圧室53内に挿入される端部を円筒状に延長させて当接部57aを形成し、従来のアキュムレータ50と同様にアキュムレータピストン51とプラグ57にバネ部材52を介装する構成としている。
そして、図8に示す如く、この当接部57aを有するプラグ57が、アキュムレータピストン51の低圧燃料ギャラリ53b側の端部と当接するような構成としている。ここで、当接部57aの長さは、第一実施例の場合と同様に、アキュムレータピストン51による押圧力によってはバネ部材52が折損しない位置で、アキュムレータピストン51と当接して、バネ部材52に作用する押圧力を制限するような構成としている。
このように第二実施例においては、プラグ57にアキュムレータピストン51の端部と当接する当接部57aを形成することにより、従来の構成から部品点数を増加させることなく、バネ部材52に作用する応力を制限するような構成として、バネ部材52の折損を確実に防止するようにしている。
また、図8に示す如く、第二実施例で示したプラグ57には、燃料の流通を確保するための流通切欠57bが当接部57aの端部に形成されている。仮に、流通切欠57bを形成しないプラグ57が、アキュムレータピストン51と当接した場合には、プラグ57とアキュムレータピストン51により形成される空間が閉域となるため、アキュムレータピストン51の摺動を妨げて、アキュムレータ50の性能が発揮できなくなってしまう。
そこで、プラグ57に流通切欠57bを形成することにより、プラグ57とアキュムレータピストン51により形成される空間には常に燃料の流通が可能となるため、アキュムレータ50の性能を確保することができる。
さらに、図8に示す如く、第二実施例で示したプラグ57に形成される流通切欠57bは、開口面積がアキュムレータピストン51の受圧面積に比して大きくなるように、十分な開口が確保されるように形成されている。仮に、流通切欠57bの開口面積が、アキュムレータピストン51の受圧面積に比して小さい場合には、アキュムレータピストン51の摺動を妨げて、アキュムレータ50の性能が十分に発揮できなくなってしまう。
そこで、流通切欠57bの開口面積がアキュムレータピストン51の受圧面積に比して大きくなるように十分な開口を確保するように形成することにより、アキュムレータ50の性能を確保することができる。
尚、本実施例においては、プラグ57に流通切欠57bを形成する構成としているが、アキュムレータピストン51側に流通切欠を形成するような構成であっても良いし、また、プラグ57とアキュムレータピストン51の双方に流通切欠を形成するような構成であってもよい。また、開口面積を確保するために、複数の流通切欠を設ける構成であってもよい。
尚、本実施例においては、流通切欠57bの形状はU字状としているが、孔状や三角形状等であってもよく、限定するものではない。
図9に示す如く、本発明の第三実施例に係るアキュムレータ50においては、プラグ57とアキュムレータピストン51との間に複数(本実施例では2本)のバネ部材(第一バネ部材52aおよび第二バネ部材52b)を介装する構成としている。
各バネ部材52a・52bは、第一実施例に係るバネ部材52に比して低いバネ定数を有しており、2本のバネが有するバネ力を合成すれば第一実施例に係るバネ部材52と同じバネ定数が得られるような構成としている。
第二バネ部材52bは、コイル状のバネ部材であり、コイルの内径寸法がプラグ57内側の窪みに形成される突起部57cの外径寸法と略一致するように形成されている。そして、第二バネ部材52bの一側端部が、突起部57cと嵌合することにより固定されている。このとき、第二バネ部材52bは、第一バネ部材52aが形成する管状の空間内に挿通された状態で、かつ、他方端部がアキュムレータピストン51と当接するように固定される構成としている。
このような構成とすることにより、各バネ部材52a・52bには、アキュムレータピストン51による押圧力が略二分されて作用するようになり、各バネ部材52a・52bに作用する応力が低減される。
このように第三実施例においては、複数のバネ(第一バネ部材52aおよび第二バネ部材52b)によりバネ部材52を構成することにより、各バネ部材52a・52bに作用する応力を低減するような構成として、バネ部材52の折損を防止するようにしている。
尚、本実施例では、バネ部材52を2本のバネ部材により構成しているが、バネ部材の本数はこれに限定するものではなく、3本以上のバネ部材で構成することも可能である。
図10に示す如く、本発明の第四実施例に係るアキュムレータ50においては、第三実施例と同様に、プラグ57とアキュムレータピストン51に複数(本実施例では2本)のバネ部材第一バネ部材52aおよび第三バネ部材52cを介装する構成としている。
第四実施例においては、第三バネ部材52cを第一バネ部材52aに比して短いバネで構成するようにしている。
第三バネ部材52cは、コイル状のバネ部材であり、コイルの内径寸法がプラグ57内側の窪みに形成される突起部57cの外径寸法と略一致するように形成されている。そして、第三バネ部材52cの一側端部が、突起部57cと嵌合することにより固定されている。このとき、第三バネ部材52cは、第一バネ部材52aが形成する管状の空間内に挿通された状態で、かつ、他方端部がアキュムレータピストン51とは当接しないように固定される構成としている。
尚、本実施例では、第三バネ部材52cを第一バネ部材52aに内包する構成としているが、これに限定するものではなく、第一バネ部材52aを第三バネ部材52cに内包する構成であっても同様の効果を奏するものである。
そして、第一バネ部材52aは、アキュムレータピストン51と常時当接するように構成しており、かつ、第三バネ部材52cは、アキュムレータピストン51とは、該アキュムレータピストン51の摺動動作の途中から当接するように構成している。
このような構成とすることにより、通常動作時には、第一バネ部材52aのみをアキュムレータピストン51と当接させて、異常圧力時には、第一バネ部材52aに加えて第三バネ部材52cもアキュムレータピストン51と当接させることができる。
つまり、通常動作時には、第一バネ部材52aの作用により、従来どおりのアキュムレータ50の性能を容易に得ることができ、かつ、異常圧力時には、第三バネ部材52cの作用により、第一バネ部材52aに作用する押圧力を緩和するようにして、各バネ部材52a・52cの折損を防止するような構成としている。
このように第四実施例においては、複数のバネ(第一バネ部材52aおよび第三バネ部材52c)によりバネ部材52を構成することにより、従来のアキュムレータ50の性能を確保しつつ、各バネ部材52a・52cに作用する応力を低減するような構成として、バネ部材52の折損を防止するようにしている。
尚、本実施例では、バネ部材52を2本のバネ部材により構成しているが、バネ部材の本数はこれに限定するものではなく、3本以上のバネ部材で構成することも可能である。
以上が、本発明の要部である、アキュムレータの詳細構造についての説明である。
以上の説明に示す如く、受圧室53と、受圧室53の内部に摺動自在に嵌装されるアキュムレータピストン51と、アキュムレータピストン51を付勢するバネ部材52と、により構成される燃料噴射ポンプ1に設けるアキュムレータ50において、アキュムレータピストン51のバネ部材52側への摺動範囲を制限するストッパー56を設けた構成としている。
これにより、高圧燃料ギャラリ53a内の圧力が異常値まで上昇した場合に、バネ部材52に過度の応力が作用することが防止できるのである。また、これにより、バネ部材52が折損することを防止できるのである。
また、ストッパー56が、バネ部材52の保持部材(プラグ57)と兼用される構成としている。
これにより、部品点数を低減することができるのである。また、構造の簡素化を図ることができ、アキュムレータ50の信頼性向上に寄与することができるのである。
また、プラグ57のアキュムレータピストン51との当接部57aには、燃料用の流通切欠57bが形成される構成としている。
このように、燃料の流通切欠57bを確保することにより、低圧燃料ギャラリ53b側の燃料の流通が妨げられることが防止できるのである。また、これにより、アキュムレータ50の性能を確保することができるのである。
また、流通切欠57bが、アキュムレータピストン51の受圧面積に比して、大きな流通面積を確保されるように構成している。
このように、十分な燃料の流通切欠57bを形成し流通面積を確保することにより、アキュムレータ50の性能を確実に確保することができるのである。
また、受圧室53と、受圧室53の内部に摺動自在に嵌装されるアキュムレータピストン51と、アキュムレータピストン51を付勢するバネ部材52と、により構成される燃料噴射ポンプ1に設けるアキュムレータ50において、バネ部材52が、複数のバネ(第一バネ部材52aおよび第二バネ部材52b)により構成されること、を特徴としたものである。
これにより、各バネ部材52a・52bの一個当たりのバネ定数を弱く設定することができ、各バネ部材52a・52bに作用するバネ応力を緩和することができるのである。また、これにより、バネ部材52の折損をより確実に防止することができるのである。
また、複数のバネが、第一バネ部材52aと、第一バネ部材52aに比して長さが短い第三バネ部材52cと、により構成され、第一バネ部材52aが、アキュムレータピストン51と常時当接する構成とし、かつ、第三バネ部材52cが、アキュムレータピストン51の摺動初期には当接せず、摺動動作の途中において、アキュムレータピストン51と当接する構成としている。
これにより、燃料ギャラリ42内の圧力が通常範囲である場合には、従来どおりのアキュムレータ性能を確保し、かつ、燃料ギャラリ42内の圧力が異常上昇した場合には、アキュムレータ性能を制限することにより、バネ部材52の折損を防止することができるのである。
本発明を適用する一実施例に係る燃料噴射ポンプの全体構成を示した側面断面図。 同じく燃料噴射ポンプの正面断面図。 同じく燃料噴射ポンプの構成を示す概略配管系統図。 従来のアキュムレータを示す側面断面図。 本発明の第一実施例に係るアキュムレータを示す側面断面図。 本発明の第一実施例に係るアキュムレータの作動状況を示す側面断面図。 本発明の第二実施例に係るアキュムレータを示す側面断面図。 本発明の第二実施例に係るアキュムレータの作動状況を示す側面断面図。 本発明の第三実施例に係るアキュムレータを示す側面断面図。 本発明の第四実施例に係るアキュムレータを示す側面断面図。
符号の説明
1 燃料噴射ポンプ
50 アキュムレータ
51 アキュムレータピストン
52 バネ部材
53 受圧室
56 ストッパー

Claims (6)

  1. 受圧室と、
    該受圧室の内部に摺動自在に嵌装されるピストンと、
    該ピストンを付勢するバネ部材と、
    により構成される燃料噴射ポンプに設けるアキュムレータにおいて、
    前記ピストンのバネ部材側への摺動範囲を制限するストッパーを設けたこと、
    を特徴とする燃料噴射ポンプのアキュムレータ。
  2. 前記ストッパーが、
    前記バネ部材の保持部材と兼用されること、
    を特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプのアキュムレータ。
  3. 前記ストッパーの前記ピストンとの当接部には、
    燃料用の流通切欠が形成されること、
    を特徴とする請求項2記載の燃料噴射ポンプのアキュムレータ。
  4. 前記流通切欠が、
    前記ピストンの受圧面積に比して、
    大きな流通面積を確保されること、
    を特徴とする請求項3記載の燃料噴射ポンプのアキュムレータ。
  5. 受圧室と、
    該受圧室の内部に摺動自在に嵌装されるピストンと、
    該ピストンを付勢するバネ部材と、
    により構成される燃料噴射ポンプに設けるアキュムレータにおいて、
    前記バネ部材が、
    複数のバネにより構成されること、
    を特徴とする燃料噴射ポンプのアキュムレータ。
  6. 前記複数のバネが、
    第一バネ部材と、
    該第一バネ部材に比して長さが短い第二バネ部材と、
    により構成され、
    前記第一バネ部材が、
    前記ピストンと常時当接する構成とし、かつ、
    前記第二バネ部材が、
    前記ピストンの摺動初期には当接せず、
    摺動動作の途中において、
    前記ピストンと当接する構成としたこと、
    を特徴とする請求項5記載の燃料噴射ポンプのアキュムレータ。
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