JP2016023159A - 長鎖ビシナルジオールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】汎用化学品、機能性高分子用モノマーや医農薬原体の中間体などの生物活性物質原料等として重要な化合物であるビシナルジオールを、好収率かつ安価で、工業的に有利に製造すること。【解決手段】亜鉛および溶媒の混合物に、塩化チタン(IV)を添加し、炭素数6〜29の脂肪族アルデヒド化合物を添加することを特徴とする、一般式(1)に示されるビシナルジオールの製造方法。式中R1およびR2は、炭素数5〜28のアルキル基又はアルケニル基を示す。R1およびR2は、互いに同じであれば対称性ビシナルジオールが得られ、互いに異なれば非対称性ビシナルジオールが得られる。【化1】【選択図】 なし

Description

本発明は、長鎖ビシナルジオール化合物の製造方法に関する。本発明の製造方法により得られる長鎖ビシナルジオールは、医薬品、農薬、香料、各種化学品、樹脂などの原料として有用である。
ビシナルジオールの製造方法としては、例えばアルケニル化合物を金属化合物存在下、分子状酸素ならびに過酸化水素を供給して酸化させる製造方法が開示されている(特許文献1)。しかし、十分な収率が得られるものではなかった。また、有機溶媒と水の混合溶媒系が用いられるので、前記溶媒に対して溶解性が低いアルケニル化合物、例えば、長鎖アルキル基を有する疎水性のアルケニル化合物を用いるのは困難である。また、溶媒やアルケニル化合物等の可燃物を、過酸化物及び酸素存在下で反応させるため、反応液面付近の蒸気濃度を燃焼範囲外に制御しなければならないので工業的に不利という問題がある。
エポキシ化合物に活性アルミナと水を接触させて、エポキシ化合物を開環させるビシナルジオールの製造方法が開示されている(特許文献2)。しかし、特許文献1と同様に、有機溶媒と水の混合溶媒系が用いられるので、前記溶媒に対して溶解性が低いアルケニル化合物、例えば、長鎖アルキル基を有する疎水性のアルケニル化合物を用いるのは困難である。また、複数の酸素官能基を有する化合物が生成するので、分離工程が必要である。また、使用するアルミナの活性により収率にバラツキが生じるため、再現性の観点から必ずしも生産性に優れているとは言い難い。
金属リチウムにテトラヒドロフラン(以下、THFということがある)とアルデヒド化合物を作用させて、カップリングさせるビシナルジオールの合成法がある(非特許文献1)。しかし、金属リチウム、THF、アルデヒド化合物からなる溶液を含むフラスコを超音波洗浄器に浸漬し、超音波を照射しなければ反応性が極めて低いため、工業的にはなお改良の余地があった
塩化チタン(III)と亜鉛、アルデヒド化合物を作用させて、カップリングさせる方法がある(非特許文献2)。しかし、塩化チタン(III)は市場から容易に入手することは困難である。塩化アルミニウムとの混合物は入手できるが、反応前に処理が必要であり、しかも、使用する溶媒により活性が変化するので取り扱いが難しい。また、塩酸溶液は入手できるが、反応には用いることができないため、工業的にはなお改良の余や地があった。
特開2000‐159693号公報 特開2002‐316959号公報
J.Indian Inst. Sci., Mar−Apr.2001,81,139. J.Org.Chem.,1994,59,5215.
本発明の目的は、長鎖ビシナルジオールを好収率かつ安価で、工業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、亜鉛、塩化チタン(IV)及び置換されていてもよい炭素数が5〜28であるアルキル基またはアルケニル基を有するアルデヒド化合物を作用させることにより、高収率かつ安価で、工業的に有利にビシナルジオール化合物を製造できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、亜鉛および溶媒の混合物に、塩化チタン(IV)を添加し、炭素数6〜29の脂肪族アルデヒド化合物を添加することを特徴とする、一般式(1)に示されるビシナルジオールの製造方法である。
Figure 2016023159
(式中RおよびRは、炭素数5〜28のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
本発明によれば、汎用化学品、機能性高分子用モノマーや医農薬原体の中間体などの生物活性物質原料等として重要な化合物であるビシナルジオールを、好収率かつ安価で、工業的に有利に製造することができる。
以下、本発明を実施するための好ましい形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明のビシナルジオールの製造方法は、炭素数6〜29である2種類のの脂肪族アルデヒド化合物を用いる。該脂肪族アルデヒド化合物は、R−CHOおよびR−CHOで表され、RおよびRは、置換されていてもよい炭素数5〜28でかつ直鎖、分岐もしくは脂環式のアルキル基又はアルケニル基である。
前記アルキル基としては、例えば、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、C19アルキル基,C20アルキル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基及びそれらの分岐異性体等が挙げられる。
前記アルケニル基としての具体例は、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デシレニル基、ウンデシレニル基、ドデシレニル基、トリデシレニル基、テトラデシネル基、ペンタデセニル基、ヘプタデシレニル基、オクタデシレニル基、C19アルケニル基,C20アルケニル基及びそれらの各種異性体等が挙げられる。
前記アルキル基、アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基としては、その炭素原子に結合している水素原子が、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキル基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基又はジアルキルアミノ基等で更に置換されていてもよい。
およびRの炭素数は、入手性、溶解性の観点から5〜28であり、10〜20であるものが好ましい。炭素数が多すぎると、ビシナルジオールの溶解性は低下し、製造時に固体が析出して攪拌性が低下する。なお、本明細書中において炭素数とは、RおよびRがさらに炭素原子を含む置換基を有する場合、該置換基も含めた全ての炭素原子の合計数を意味する。RおよびRの構造は、互いに同じであっても異なっていてもよい。互いに同じである場合は1種類の対称性ビシナルジオールが得られ、異なる場合には1種類の非対称性ビシナルジオールと2種類の対称性ビシナルジオールとの混合物が得られる。該混合物は、再結晶化、蒸留、カラム分別、分取HPLC等の公知の分離方法により、3種類の生成物を各々単離することができる。
本発明の製造方法によれば、長鎖ビシナルジオールは、チタン化合物を金属により還元した低原子価チタンとアルデヒドを反応させることにより得られる。本発明の長鎖ビシナルジオールの製造方法に使用するチタン化合物は、入手性や試薬の安定性の観点から塩化チタン(IV)を用いる。一般的にチタン化合物は不安定で空気中の水分と反応して不活性化しやすいが、1〜3価のチタンはより不安定であるため、取り扱いの際は空気に触れないようにする等の注意が必要である。
本発明の長鎖ビシナルジオールの製造方法に使用する金属は、一電子還元に用いられる金属であり、入手性、取り扱いの安全性、安定性の観点から亜鉛を用いる。形状としては、粒状のものや粉末状のものがあるが、特に制限はされない。塩化チタン(IV)と素早く反応させる観点から粉末状のものが好ましい。
本発明の長鎖ビシナルジオールの製造方法においては、予め塩化チタン(IV)と亜鉛を作用させた後に、アルデヒド化合物を加えて反応させる。アルデヒド化合物と塩化チタン(IV)を予め加えると、塩化チタン(IV)がルイス酸として機能するためアルドール反応等の副反応が起こるため、選択率が低下する。
本発明の長鎖ビシナルジオールの製造に使用する溶媒としては、通常、一般的に市販されている溶媒を選択することができる。例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式飽和炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルキル系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化アリール系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒;が挙げられる。これらは単独でも混合して使用することも可能である。
かかる溶媒の使用量としては、製造する長鎖ビシナルジオールに対して1〜1000重量倍の範囲であることが好ましく、得られる長鎖ビシナルジオールの溶解度や反応液の攪拌効率の観点からは、10重量倍以上であることが好ましく、反応速度の観点からは100重量倍以下であることが好ましい。
本発明の長鎖ビシナルジオールは溶解性が低いため、ビシナルジオールに対して溶解性が低い溶媒組成で反応した場合に反応後期でビシナルジオールが析出し、そのため攪拌不良になることがある。長鎖ビシナルジオールの溶解性が得られうる溶媒の組み合わせ例としては、炭化水素類、ニトリル類、エーテル類またはアルコール類より選ばれる溶媒と、ハロゲン化炭化水素類からなる溶媒との組み合わせが好ましく、エーテル系溶媒とハロゲン系溶媒の混合溶媒がより好ましい。具体的には、エーエル系溶媒として1,4−ジオキサン及びハロゲン系溶媒として塩化メチレンからなる混合溶媒が本反応の製造方法に好適である。かかる溶媒の混合比としては、1,4−ジオキサンに対してハロゲン系溶媒が0.1〜10重量倍の範囲であることが好ましく、得られる長鎖ビシナルジオールの溶解度や反応液の攪拌効率の観点からは、0.2〜5重量倍以上であることが好ましい。
本発明の長鎖ビシナルジオールの製造における反応圧力に関しては、特に制限がなく、常圧でも加圧でもよい。しかし、操作性の容易な常圧で反応を行うことが望ましい。
本発明の長鎖ビシナルジオールの製造における反応温度は特に制限されないが、−78℃〜有機溶媒の沸点温度の範囲であることが好ましい。塩化チタン(IV)と亜鉛を作用させる時に発熱する観点から、−78〜20℃の範囲がより好ましく、0〜20℃の範囲がさらに好ましい。反応温度が低いと溶媒が融点以下となり攪拌不良になることや、反応温度が余りに高いと副生物が増加する傾向が認められる。
本発明の長鎖ビシナルジオールの製造に使用する塩化チタン(IV)や亜鉛の使用量は特に制限はされないが、アルデヒド化合物対して、1〜100モルの範囲が好ましく、1〜20モルの範囲がより好ましく、1〜5モルの範囲がさらに好ましい。
本発明の長鎖ビシナルジオールの製造に使用する塩化チタン(IV)は、そのまま使用してもよいし、溶液のものを使用してもよい。空気中の水分と反応して不活性化する観点から、有機溶媒で希釈して使用することが好ましい。本発明の製造方法では、1,4−ジオキサンと塩化メチレンの混合溶媒を好適に用いるので、塩化チタン(IV)は塩化メチレンの溶液として用いるのが特に好ましい。
本発明の長鎖ビシナルジオールの製造に使用する亜鉛は、そのまま使用してもよいが、反応の転化率を向上させる観点から活性化した亜鉛を用いた方が好ましい。活性化方法としては、例えば、「実験化学講座」(丸善社版)に記載されているシモンズ・スミス反応における亜鉛の処理方法等を用いることができる。具体的には、亜鉛を1Nの塩酸、水、エタノール、エーテルで順に洗浄する方法である。本発明の長鎖ビシナルジオールの製造方法では、前記洗浄を実施することが特に好ましい。
本発明の長鎖ビシナルジオールの製造法で使用するアルデヒドは、蒸留やカラム等の一般的な方法で精製したものを用いることが好ましい。
未精製のものを用いると、不純物による副反応や単離精製時に除去しなければならない。
本発明の反応終了後、一般的な後処理方法によって長鎖ビシナルジオールを得ることができる。蒸留あるいは再結晶化等の方法により単離精製できる。
以下に実施例、および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
<亜鉛の処理>
アルゴン雰囲気下、300mlフラスコに亜鉛(2.6g、40mmol)、1N塩酸4.0mlを加え、5分間室温で攪拌した。5分間静置後、上澄み除去した。前記操作を2回繰り返した後、1N塩酸の替わりに水を用いて前記操作を3回行った。
次に、エタノール(8ml)を用いて前記操作を3回、最後に、エーテル(8ml)を用いて前記操作を4回行った後、真空乾燥し亜鉛(2.2g、33mmol)を得た。
<10,11−エイコサンジオールの合成>
アルゴン雰囲気下、300mlフラスコに亜鉛粉末(2.2g、33mmol)、1,4−ジオキサン(37.8g)を加え、10℃で攪拌した。次に、1Nに調整した塩化チタン(IV)の塩化メチレン溶液(3.1g)を内温20℃以下になるように適下した。10℃で30分攪拌後、減圧蒸留により精製したデカナール(1.7g、11mmol)のジオキサン溶液(75.6g)を内温20℃以下になるように適下した。滴下後に室温に昇温し、3時間攪拌した。この時、ジオキサンと塩化メチレンの溶媒比率、70:30(vol/vol)であった。
反応終了後、炭酸カリウムの10%溶液液(21.9g、158.4mmol)を加え、
析出した固体を濾取し、濾液を酢酸エチル50mlで3回抽出した。
得られた溶液は減圧乾燥することで粗生成物を得た。粗生成物は、ヘキサン20重量倍量加え、50℃で30分加熱攪拌し、1時間かけて室温に冷却したところ白色結晶が析出した。析出した固体を濾取した後に減圧乾燥することで白色固体して10,11−エイコサンジオール(0.9g、6mmol)を得た。収率は90%であった。純度はガスクロマトグラフィーによる分析により99%であった。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm):3.60(m,0.4H),3.41(m,1.6H),2.07(brs,1.6H),1.92(brs,0.4H),1.51−1.27(m,32H),1.28(t,6H)
[比較例1](特許文献1による合成)
50ml三口フラスコに10‐エイコセン7.7g(24.4mmol)、30wt%過酸化水素水1.63g(過酸化水素14.4mmolを含む)、アセトニトリル10ml,タングステン酸アンモニウム0.013gを加え、空気気流下(流量3l/hr)で60℃を攪拌した。10‐エイコセンの水への低溶解性のため、反応は2層系になった。4時間後、反応液を0.2g取得し、濾過により得られた濾液をガスクロマトグラフィーで内部標準を用いた定量分析をしたところ、収率は1%以下であった。
[比較例2](特許文献2による合成)
3口フラスコ(50ml)にヘキサン15ml、活性アルミナ(Al)10g、水/活性アルミナ(wt%)=1.08となるように水10.8g(0.6mol)を加え、Ar雰囲気下室温で1時間攪拌した。次に、10,11−エポキシエイコサン0.5g(1.5mmol)を加えたところ、10,11−エポキシエイコサンの水への低溶解性のために2層系となった。4時間後に反応液を0.2g取得し、濾過により得られた濾液をガスクロマトグラフィーで内部標準を用いた定量分析をしたところ、収率は3%であった。
[比較例3](非特許文献2による合成)
アルゴン雰囲気下、50mlフラスコにデカナール(0.6g、1mmol)、THF5mlを加え、金属リチウムをカットしたものを8mg(1.2mmol)加えた後、超音波洗浄装置(150W,35kHz)で反応した。7時間反応後、反応液を0.2g取得し、濾過により得られた濾液をガスクロマトグラフィーで内部標準を用いた定量分析をしたところ、収率は60%であった。
比較例3の方法では、超音波洗浄装置中でフラスコが割れた場合、水とリチウムが反応するために極めて危険な反応であった。また、超音波洗浄容器の容量により容器に制限があり、工業的にはなお改良の余地があった。
非特許文献1による比較例は、塩化チタン(III)塩酸溶液は入手できる一方、反応に用いられる塩化チタン(III)化合物を入手することができなかった。
[実施例2](C24長鎖ジオール)
ドデカナール(2.0g、11mmol)を使用し、塩化チタンの塩化メチレン溶液を加えた後に塩化メチレン追加して加え、ジオキサンと塩化メチレンの溶媒比率を60:40(vol/vol)で実施した以外は、実施例1と同様の方法を用いた。得られた12,13−ジオール(2.2g、6mmol)を得た。を得た。純度はガスクロマトグラフィーによる分析により99%であった。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm):3.60(m,0.4H),3.41(m,1.6H),2.07(brs,1.6H),1.92(brs,0.4H),1.51−1.27(m,40H),1.28(t,6H)
[実施例3](C36長鎖ジオール)
オクタデカナール(3.0g、11mmol)を使用し、ジオキサンと塩化メチレンの溶媒比率を70:30(vol/vol)で実施した以外は、実施例3と同様の方法を用いた。得られた18,19−ジオール(3.3g、11mmol)を得た。を得た。純度はガスクロマトグラフィーによる分析により99%であった。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm):3.60(m,0.4H),3.41(m,1.6H),2.07(brs,1.6H),1.92(brs,0.4H),1.51−1.27(m,64H),1.28(t,6H)
[実施例4](二重結合を有するジオール)
オレインアルデヒド(2.9g、11mmol)を使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いた。得られた18,19−ジオール(0.9g、6mmol)を得た。純度はガスクロマトグラフィーによる分析により99%であった。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm):5.44(m,0.8H),5.23(m,3.2H),3.60(m,0.4H),3.41(m,1.6H),2.07(brs,1.6H),1.92(brs,0.4H),2.19−1.81(m,8H),1.51−1.27(m,48H),1.28(t,6H)
[実施例5](2種類のアルデヒドを使用)
アルゴン雰囲気下、300mlフラスコに亜鉛粉末(2.2g、33mmol)、1,4−ジオキサン(37.8g)を加え、10℃で攪拌した。次に、1Nに調整した塩化チタン(IV)の塩化メチレン溶液(3.1g)を内温20℃以下になるように適下した。10℃で30分攪拌後、減圧蒸留により精製したデカナール(0.9g、6mmol)とヘキサナール(0.6g、6mmol)のジオキサン溶液(75.6g)を内温20℃以下になるように適下した。滴下後に室温に昇温し、3時間攪拌した。この時、ジオキサンと塩化メチレンの溶媒比率、70:30(vol/vol)であった。
反応終了後、炭酸カリウムの10%溶液(21.9g、158.4mmol)を加え、
析出した固体を濾取し、濾液を酢酸エチル50mlで3回抽出した。
得られた溶液は減圧乾燥することで粗生成物を得た。
粗生成物は、ヘキサンとクロロホルムの溶液50:50(g/g)の溶液を20重量倍量加え、50℃で30分加熱攪拌し、1時間かけて室温に冷却したところ6、7−ヘキサデカンジオールおよび10、11−エイコサンジオールを含有する白色結晶が析出した。この時、濾液には6,7‐ドデカンジオールが含まれていた。
次いで、白色結晶にヘキサン20重量倍量加え、50℃で30分加熱攪拌し、1時間かけて室温に冷却したところ白色結晶が析出した。析出した固体を濾取した後に減圧乾燥することで白色固体して10、11−エイコサンジオール(0.3g、1.0mmol)を得た。純度はガスクロマトグラフィーによる分析により99%であった。
続いて、濾液の溶媒を留去後、メタノール、クロロホルム、アセトンを用いた逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離精製を行い、6、7−ヘキサデカンジオール(0.6g、2.4mmol)を得た。純度はガスクロマトグラフィーによる分析により95%であり、単離精製を繰り返し行うことにより純度98%となった。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm):3.60(m,0.4H),3.41(m,1.6H),2.07(brs,1.6H),1.92(brs,0.4H),1.51−1.27(m,24H),1.28(t,6H)
実施例1〜5、比較例1〜3の結果を表1に示す。表1の結果より、本発明のビシナルジオールは、アルデヒド、亜鉛、塩化チタン(IV)を用いることにより容易に製造することができる。
Figure 2016023159
以上の結果より、本発明のビシナルジオールの製造方法は、特許文献1、2の製造方法と比較して均一溶媒中で反応することができ、かつ、溶媒組成により溶解性を制御することができるので、置換されていてもよい炭素鎖12〜58のビシナルジオールを収率良く製造することができた。
本発明によれば、汎用化学品、機能性高分子用モノマーや医農薬原体の中間体などの生物活性物質原料として重要な化合物であるビシナルジオールを好収率かつ安価で、工業的に有利に製造することができる。

Claims (4)

  1. 亜鉛および溶媒の混合物に、塩化チタン(IV)を添加し、炭素数6〜29の脂肪族アルデヒド化合物を添加することを特徴とする、一般式(1)に示されるビシナルジオールの製造方法。
    Figure 2016023159
    (式中RおよびRは、炭素数5〜28のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
  2. 式中、R1およびR2が互いに同じである、請求項1記載のビシナルジオールの製造方法。
  3. 式中、R1およびR2が互い異なる、請求項1記載のビシナルジオールの製造方法。
  4. 炭化水素類、ニトリル類、エーテル類またはアルコール類より選ばれる溶媒とハロゲン化炭化水素類からなる溶媒を用いる請求項1〜3いずれか1項記載のビシナルジオール化合物の製造方法。
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